JP2008060472A - 半導体レーザ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この半導体レーザの製造方法では、端面E1を有する半導体レーザ本体12の端面E1上にアルミニウム膜14Dを形成する。続いて、アルミニウム膜14D上にアルミニウム酸化膜14Aを形成する。
【選択図】図3
Description
図1は、第1実施形態に係る半導体レーザを模式的に示す図である。図1に示される半導体レーザ10は、例えば光通信に用いられる。半導体レーザ10は、端面E1及び端面E1とは反対側に配置された端面E2を有する半導体レーザ本体12と、端面E1に設けられたコーティング膜14と、端面E2に設けられたコーティング膜16とを備える。コーティング膜14は、AR膜(低反射膜)である。コーティング膜16は、HR膜(高反射膜)である。よって、半導体レーザ10では、コーティング膜14からレーザ光Lが出射される。したがって、端面E1は光出射面である。端面E2は、光出射面とは反対側の面である。
まず、図3(A)に示されるように、半導体レーザ本体12を準備する。半導体レーザ本体12のクラッド層12A、活性層12B、回折格子層12C及びクラッド層12Dは、例えばInP基板といった半導体基板上に複数の半導体膜を成膜し、当該半導体膜を適宜加工することによって形成される。回折格子層12Cの凹凸は、例えばフォトリソグラフィー法を用いて形成される。その後、半導体基板を例えば大気中又は窒素雰囲気中で劈開することによって半導体レーザ本体12が得られる。
続いて、必要に応じて、図3(B)に示されるように、不活性ガスから生成されるプラズマP1に半導体レーザ本体12の端面E1を晒すことによって端面E1をクリーニングする。プラズマP1は、図2に示されるプラズマPの一例である。不活性ガスとしては、アルゴンガスを用いることができる。
次に、図3(C)に示されるように、半導体レーザ本体12の端面E1上にアルミニウム膜14Dを形成する。アルミニウム膜14Dは、例えば成膜装置20を用いたスパッタリング法により形成される。不活性ガスから生成されるプラズマP2にスパッタリングターゲットTを晒すと共に、高周波電源PW1を用いてスパッタリングターゲットTにバイアス電圧を印加する。これにより、スパッタリングターゲットTからアルミニウム粒子が飛び出す。飛び出したアルミニウム粒子が端面E1に到達することによってアルミニウム膜14Dが形成される。プラズマP2は、図2に示されるプラズマPの一例である。不活性ガスとしては、アルゴンガスを用いることができる。
次に、図3(D)に示されるように、アルミニウム膜14D上にアルミニウム酸化膜14Aを形成する。アルミニウム酸化膜14Aは、例えば成膜装置20を用いたスパッタリング法により形成される。不活性ガス及び酸素ガスの混合ガスから生成されるプラズマP3にスパッタリングターゲットTを晒すと共に、高周波電源PW1を用いてスパッタリングターゲットTにバイアス電圧を印加する。これにより、アルミニウム酸化膜14Aが形成される。ここで、図3(C)に示されるアルミニウム膜14Dは、プラズマP3に晒されることによって酸化する。その結果、アルミニウム膜14Dからアルミニウム酸化膜14Cが形成される。プラズマP3は、図2に示されるプラズマPの一例である。不活性ガスとしては、アルゴンガスを用いることができる。
次に、図1に示されるように、アルミニウム酸化膜14A上に酸化チタン膜14Bを形成する。酸化チタン膜14Bは、例えば成膜装置20を用いたスパッタリング法により形成される。不活性ガス及び酸素ガスの混合ガスから生成されるプラズマに、チタンからなるスパッタリングターゲットを晒すと共に、高周波電源を用いてスパッタリングターゲットにバイアス電圧を印加する。これにより、酸化チタン膜14Bが形成される。
続いて、必要に応じて、端面E1をクリーニングする方法と同様の方法を用いて、端面E2をクリーニングする。
次に、アルミニウム膜14Dの形成方法と同様の方法を用いて、半導体レーザ本体12の端面E2上にアルミニウム膜を形成する。
次に、図1に示されるように、アルミニウム酸化膜14Aの形成方法と同様の方法を用いてアルミニウム酸化膜16Aを形成する。
次に、図1に示されるように、酸化チタン膜14Bの形成方法と同様の方法を用いて、アルミニウム酸化膜16A上に酸化チタン膜16Bを形成する。
図4は、第2実施形態に係る半導体レーザの製造方法の一工程を模式的に示す工程図である。本実施形態に係る半導体レーザの製造方法の一例として、上記半導体レーザ10の製造方法について説明する。本実施形態に係る半導体レーザの製造方法では、第1実施形態におけるクリーニング工程及びアルミニウム膜形成工程に代えて、下記クリーニング及びアルミニウム膜形成工程を実施すること以外は、第1実施形態と同様にして半導体レーザ10を製造することができる。
図4に示されるように、不活性ガスから生成されるプラズマP4に半導体レーザ本体12の端面E1を晒すことによって端面E1をクリーニングすると共に、スパッタリングターゲットTをプラズマP4に晒すことによって端面E1にアルミニウム膜14Dを形成する。アルミニウム膜14Dは、例えば成膜装置20を用いたスパッタリング法により形成される。プラズマP4は、図2に示されるプラズマPの一例である。不活性ガスとしては、アルゴンガスを用いることができる。
(準備工程)
まず、InP基板上にGaInAsP活性層を形成することにより、発振波長が1.31μmのDFBレーザ素体を2次元状にウェハ上に作製した。その後、窒素雰囲気中でウェハを劈開により切断することによって、幅300μm、長さ10mmのバーを得た。さらに、バーの端面すなわちAR膜を形成するための面が上面となるように、複数のバーを大気中で治具にセットした。この治具を成膜装置の真空チャンバ内に設置した後、真空チャンバの真空引きを開始した。
真空度が1×10−4Paに到達した時点で真空チャンバ内にアルゴンガスを供給した。さらに、マイクロ波電源をオンにすることによってプラズマを真空チャンバ内に発生させた。このとき、真空チャンバ内の圧力は0.06Paであった。一方、スパッタリングターゲットに接続されている高周波電源をオフにした。さらに、治具とプラズマとの間に位置するシャッタを開けることによって、バーの端面を5分間クリーニングした。
シャッタを一旦閉めた後、スパッタリングターゲットに接続されている高周波電源をオンにした。さらに、真空チャンバ内の圧力を、アルゴンガスの流量を調整することによって0.08Paに調整した。その後、シャッタを開けることによってバーの端面にアルミニウム膜を形成した。シャッタを閉めることによって、アルミニウム膜の形成を終了した。さらに、スパッタリングターゲットに接続されている高周波電源をオフにした。アルミニウム膜の厚さは3nmであった。アルミニウム膜の厚さは、シャッタを開けている時間(例えば10秒間)によって制御される。
シャッタを閉めた後、スパッタリングターゲットに接続されている高周波電源をオンにした。さらに、アルゴンガスに加えて酸素ガスを真空チャンバ内に供給した。このとき、真空チャンバ内の圧力は0.09Paであった。その後、シャッタを開けることによってアルミニウム膜上にアルミニウム酸化膜を形成した。シャッタを閉めることによって、アルミニウム膜の形成を終了した。さらに、スパッタリングターゲットに接続されている高周波電源をオフにした。アルミニウム酸化膜の厚さは110nmであった。アルミニウム酸化膜の厚さは、シャッタを開けている時間によって制御される。
次に、真空チャンバ内において、治具をチタンからなるスパッタリングターゲット付近に移動させる。その後、チタンからなるスパッタリングターゲットに接続された高周波電源をオンにした後に、シャッタを開けた。これにより、アルミニウム酸化膜上に酸化チタン膜を形成した。シャッタを閉めることによって、酸化チタン膜の形成を終了した。さらに、チタンからなるスパッタリングターゲットに接続されている高周波電源をオフにした。酸化チタン膜の厚さは42nmであった。アルミニウム酸化膜の厚さ及び酸化チタン膜の厚さは、波長1.31μmの光に対する反射率が0.5%以下となるよう設計される。
実施例1におけるクリーニング工程及びアルミニウム膜形成工程に代えて下記クリーニング及びアルミニウム膜形成工程を実施したこと以外は実施例1と同様にして半導体レーザチップを32個得た。
真空度が1×10−4Paに到達した時点で真空チャンバ内にアルゴンガスを供給した。さらに、マイクロ波電源をオンにすることによってプラズマを真空チャンバ内に発生させた。このとき、真空チャンバ内の圧力は0.03Paであった。さらに、治具をスパッタリングターゲットの直上に位置させた。一方、スパッタリングターゲットに接続されている高周波電源をオフにした。さらに、治具とプラズマとの間に位置するシャッタを開けることによって5分間クリーニング及びアルミニウム膜の形成を行った。アルミニウム膜の厚さは2nmであった。
実施例1におけるアルミニウム膜形成工程を実施しなかったこと以外は実施例1と同様にして半導体レーザチップを32個得た。
実施例1におけるクリーニング工程及びアルミニウム膜形成工程のいずれも実施しなかったこと以外は実施例1と同様にして半導体レーザチップを32個得た。
実施例1及び2、比較例1及び2の半導体レーザチップを、それぞれヒートシンク付きの支持台(キャンパッケージ)に実装した。このようにして得られた実装部品を評価した。
Claims (6)
- 端面を有する半導体レーザ本体の前記端面上にアルミニウム膜を形成する工程と、
前記アルミニウム膜上にアルミニウム酸化膜を形成する工程と、
を含む、半導体レーザの製造方法。 - 前記アルミニウム膜を形成する工程の前に、不活性ガスから生成されるプラズマに前記端面を晒すことによって前記端面をクリーニングする工程を更に含む、請求項1に記載の半導体レーザの製造方法。
- 前記アルミニウム膜を形成する工程では、不活性ガスから生成されるプラズマに前記端面を晒すことによって前記端面をクリーニングすると共に、アルミニウムからなるスパッタリングターゲットを前記プラズマに晒すことによって前記アルミニウム膜を形成する、請求項1に記載の半導体レーザの製造方法。
- 端面を有する半導体レーザ本体と、
前記端面に設けられた第1のアルミニウム酸化膜と、前記第1のアルミニウム酸化膜上に設けられた第2のアルミニウム酸化膜とを有するコーティング膜と、
を備え、
前記第1のアルミニウム酸化膜中のアルミニウム元素に対する酸素元素の組成比が、前記第2のアルミニウム酸化膜中のアルミニウム元素に対する酸素元素の組成比よりも小さい、半導体レーザ。 - 前記第1のアルミニウム酸化膜の厚さが、2nm以上10nm以下である、請求項4に記載の半導体レーザ。
- 前記コーティング膜が、高反射膜である、請求項4又は5に記載の半導体レーザ。
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