JP2003183824A - スパッタ方法 - Google Patents

スパッタ方法

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JP2003183824A
JP2003183824A JP2001378314A JP2001378314A JP2003183824A JP 2003183824 A JP2003183824 A JP 2003183824A JP 2001378314 A JP2001378314 A JP 2001378314A JP 2001378314 A JP2001378314 A JP 2001378314A JP 2003183824 A JP2003183824 A JP 2003183824A
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shutter
film
sputtering
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JP2001378314A
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English (en)
Inventor
Toshitaka Shimamoto
敏孝 嶋本
Nobuyuki Otsuka
信之 大塚
Toshiya Yokogawa
俊哉 横川
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のスパッタ装置においては成膜開始時に
出力の高いプラズマ放電が試料表面を荒らし、同時に試
料自体に急激な電圧がかかることで電気的なダメージを
与えていた。その後も、プラズマが定常状態に到達する
までの間、試料に瞬間的な電流が流れて半導体層にダメ
ージが入り、結晶の劣化を引き起こす。特に半導体レー
ザ装置において端面コート時に入るダメージは、レーザ
動作時において端面劣化へ繋がり半導体レーザ装置の寿
命を短くする。 【解決手段】 プリスパッタ時には高周波電源の出力を
低減し、試料をプラズマ放電から保護しているシャッタ
ーが開くまでこの状態を保持する。このとき、高周波出
力低減時には出来るだけ出力を一定に保つ事が望まし
い。シャッターが開いた後は高周波出力を段階的に目的
とする出力まで上昇させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクやレー
ザプリンター等の光情報処理装置や光ファイバー通信等
に用いられる半導体レーザ等の半導体デバイスを作製す
る際に使用する各種スパッタ方法の成膜方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】紫外〜青色の波長領域における発光ダイ
オードやレーザダイオード等は主に窒化ガリウム系材料
が用いられている。窒化ガリウム系化合物半導体に対し
て不純物を添加したp型半導体とn型半導体を組み合わせ
ることにより、青色〜紫色発光LEDやLDなどの光デ
バイスとして使用することができる。
【0003】こうしたデバイスの中でも、半導体レーザ
装置は注入された電流を光へと変換し、レーザ発振させ
るために発生した光を共振器内へと閉じ込める必要があ
る。つまり、共振器を形成する鏡面(ミラー面)を必要
とするが、半導体レーザ装置の場合は璧開によってこう
した面を形成する。単に璧開しただけの場合の反射率は
材料固有のものとなるが、窒化ガリウム系化合物半導体
の場合はこの反射率が約30%程度となる。レーザ光が
出射されるのは片面だけで十分であり(フロント側)、
そのため出射面と反対側の面(リア側)を高反射率にす
ることにより、レーザ光を出射させないようにして発光
効率を上げる工夫を行う。片面を高反射率にする手法と
して、この鏡面に誘電多層膜等を形成して屈折率を上げ
る工夫をする。また、結晶表面を剥き出しのままにして
おくと、レーザ発振中に半導体結晶の表面で酸化等が起
こり、半導体レーザ装置が徐々に劣化する現象が見られ
る。こういった劣化を防ぐ保護膜としても誘電膜が用い
られる。こうした成膜の形成に主に用いられている装置
がスパッタ装置である。スパッタ装置は成膜材料(ター
ゲット)に高エネルギーのアルゴンイオンを衝突させ、
ターゲット材料の原子を弾き飛ばし、半導体基板に付着
させる方法である。スパッタ装置は低温で成膜が可能で
あるため、半導体レーザ装置の端面コートに広く使用さ
れている。従来の技術は、特開平9-148274にあるように
スパッタリング開始時における放電用電源の出力を不連
続かつ急峻にオン・オフする装置であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、こうした膜を形
成する手法としてスパッタ方法が多く用いられてきた。
スパッタプロセスには図3のように2段階あり、プリス
パッタとメインスパッタと呼ばれる過程に分別すること
が出来る。前者のプリスパッタは成膜を行う材料で形成
されたターゲットと試料の間にシャッターを設けてお
き、プラズマ放電を起こすことでチャンバー内のクリー
ニング及びターゲット表面の不純物等の除去を行う。こ
の段階において、プラズマ放電はシャッターが存在して
いることにより試料自体にほとんど影響を与えない。
【0005】その後、この状態を継続したまま、シャッ
ターを開く事により成膜が開始される。この段階をメイ
ンスパッタと呼ぶ。従来までは、このシャッターを開く
際(成膜開始時)に出力の高いプラズマ放電が試料表面
を荒らし、同時に試料自体に急激な電圧がかかることで
電気的なダメージを与えていた。その後も、プラズマが
定常状態に到達するまでの間、試料に瞬間的な電流が流
れて半導体層にダメージが入り、結晶の劣化を引き起こ
す。特に半導体レーザ装置において端面コート時に入る
ダメージは、レーザ動作時において端面劣化へと繋が
り、半導体レーザ装置の寿命を短くする。
【0006】こうしたダメージを抑える方法として、プ
ラズマ放電を発生させる高周波電源の出力を低減するこ
とが考えられる。しかし、電源の出力を低減したままの
状態で成膜を続けた場合、スパッタレートが低減してし
まうことで全成膜時間は大幅に増加してしまう。本発明
は上述の問題点を解決して、デバイスの劣化を抑制する
スパッタ方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】こうしたダメージを低減
する手法を以下に記述する。各種スパッタ装置を使用し
て成膜を行う際、図1のようにプリスパッタ時には出力
を上げた状態で保持し、シャッターを開く直前に出力を
一旦低減する。シャッターが開いた後は先程と同様に高
周波出力を段階的に目的とする出力まで上昇させる。高
周波出力を抑えた場合、スパッタレートは遅くなるが、
緻密な膜形成が可能となる。成膜開始時の高周波出力を
抑えることで半導体層直上に緻密な膜を形成し、形成す
る膜自体と半導体層との密着性を向上させることが出来
る。また、同様に高周波出力を抑える事で膜の光学特性
(ここでは屈折率)を向上させることが出来る点を利用
し、半導体層に近い方から徐々に屈折率が変化する層を
構成することにより、端面における反射率を制御するこ
とが可能となる。
【0008】チャンバー内のクリーニング及びターゲッ
ト表面の不純物等の除去を必要としない場合には、図2
にあるように成膜開始時のプリスパッタ時には高周波電
源の出力を低減し、シャッターが開くまでは出力を低減
した状態を保持する。このとき高周波出力低減時には出
来るだけ出力を一定に保つ事が望ましい。シャッターが
開いた後は高周波出力を段階的に目的とする出力まで上
昇させる。こうすることで先程と同様のダメージ低減効
果が得られる。
【0009】本発明は、各種スパッタ方法による成膜工
程における半導体デバイスへの劣化を抑止する。特に半
導体レーザ装置の場合、端面コート時の半導体層へのプ
ラズマダメージを抑えることにより端面における光学損
失を減少することができ、低閾値値電流化に貢献する。
そして素子自体の寿命向上に繋がり、デバイスの実用化
に貢献するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下、本発明の
半導体レーザ装置の製造方法について図4を用いて説明
する。図4は本発明を実施する際に用いる半導体素子の
断面図を示したものである。今回検討した窒化ガリウム
半導体素子作製の概要を示す。こうした試料は全てサフ
ァイア基板401上に有機金属気相成長(MOVPE)法により
結晶成長したものである。p型GaxAl1-xNにはドーパント
としてMgを、n型GaxAl1-xNにはSiを用いて結晶成長を行
った。基板側からGaNバッファ層402、n-GaN層403、n-Al
GaNクラッド層405、n-GaNガイド層406、InGaN系MQW活性
層407、p-GaNガイド層408、p-AlGaNクラッド層409、p-G
aNコンタクト層410を積層した。最後に、青紫色半導体
レーザ構造を堆積したウェハの上に、リソグラフィー技
術等により選択的にp型電極411の蒸着を行う。電極金属
層を形成には電子ビーム蒸着やスパッタ等の手法を用い
ると良い。
【0011】以上のように堆積した後、p型電極をエッ
チングマスクとして塩素と水素ガスの混合ガスを原料と
するプラズマ雰囲気中にてp-GaNコンタクト層、p-AlGaN
クラッド層の途中までエッチングを行う。この時、基板
温度は室温のままで、雰囲気圧力は1torrであった。次
にSiO2等の絶縁膜を選択的にウェハに堆積させ、図4に
あるようにn-GaN層まで選択エッチングを行う。なお、
エッチングは上記エッチングと同様のプラズマ雰囲気中
で行う。マスクを除去した後に、n型電極404の蒸着を行
う。最後に、p型のドーパントであるマグネシウムを活
性化するために700〜800℃の熱処理を20〜30分程度行
う。
【0012】成膜に用いたスパッタ機の概略図を図5に
示す。前述の方法により作製した試料504をスパッタ機
のチャンバー内にあるステージ503上にセットした後、
真空ポンプに接続した配管508側から真空チャンバー内
の圧力を下げて高真空状態にする。ここで、プラズマ放
電によるダメージに関してフォトルミネッセンス法を用
いて評価を行った。スパッタガスとしてアルゴンガスを
用いてプラズマ放電を発生させ、試料自体は試料台上に
10分間放置する。出力条件として100〜1000Wまで100W刻
みで変化させてダメージを与えた後、各々の条件でフォ
トルミネッセンス測定を行った。励起光源としてはHe-C
dレーザ(波長325nm)を用いた。その結果を図6に示
す。横軸にRF出力[W]をとり、縦軸にはピーク強度を
プロットした。通常のスパッタに用いている出力(60
0W)でも、10分間のプラズマ照射でフォトルミ強度の
低下が見られた。このグラフより、プラズマのダメージ
をほとんど受けない出力値は200W以下だと考えられ
る。通常のスパッタの際には600Wの出力を用いてお
り、上記結果より成膜開始時のプラズマによるダメージ
を低減するために出力は1/3以下にする必要がある。
【0013】以下、こうした点を踏まえて、端面コート
を行った。半導体レーザの端面コートによく用いられて
いる材料としてAl2O3, SiO2, SiN等が挙げられる。その
中でも代表的なAl2O3単層の端面コートに関して詳述す
る。
【0014】チャンバー内のクリーニング及びターゲッ
ト表面の不純物等の除去を十分に必要とする場合には、
高周波スパッタ装置の高周波出力を図1のように設定
し、成膜開始前のプリスパッタ時には出力を600Wま
で上げた状態でプラズマ放電を保持してクリーニングを
行う。図5に示したようにスパッタガス507をチャンバ
ー内に注入し、高周波電源502を用いてターゲット505と
試料台503間にプラズマ放電を発生させる。スパッタガ
スとしてはアルゴンガスを用いる。こうしたプリスパッ
タにより、チャンバー内に付着したゴミや不純物等を除
去すると同時に、ターゲット505自体のゴミや不純物等
も同時に取り除く。この時、試料自体と目的とする成膜
材料で形成されたターゲット間にはシャッター509が存
在するため、この状態においてプラズマは試料にほとん
ど影響しない。メインスパッタに入る前(シャッターを
開く前)に出力を成膜時の1/3以下、今回の場合は10
0Wまで低減し、放電が安定するまでの2分間程度、こ
の状態を保持する。この低減も段階的に低減する方が好
ましい。次に成膜を開始するため、出力を100Wと低
く抑えた状態でシャッター509を開く。この時、出力が
低くプラズマ放電自体も弱いために試料に与えるダメー
ジもかなり小さいものとなる。
【0015】シャッターが開いた状態でこのまま3分間
の間、成膜を行う。出力を低減した状態で徐々に成膜す
ることで緻密な膜形成ができ、試料である半導体や基板
材料との密着性は良好となる。また、こうした緻密な膜
形成により界面付近におけるダンブリングボンド(未結
合手)を低減することができ、端面劣化を促進する界面
準位を低減することができる。そして、出力は小さいな
がらも薄い膜が試料上に形成されるため、出力上昇時の
ダメージを抑える保護膜として働く。
【0016】その後、出力を段階的(もしくは連続的)
に増加させていき、3分間で目的とする成膜条件(今回
は600W)まで上昇させる。出力を徐々に上昇させる
事により、試料にダメージをほとんど与えることなく、
目的とする成膜出力まで上昇させることができる。
【0017】その後は目的とする膜厚まで成膜を行い、
目的とする膜厚まで到達した段階でシャッターを閉じ
る、もしくは出力を落とすことで行われる。
【0018】また、出力が段階的に変化する事から膜の
屈折率を段階的に変化させる。このように、高周波出力
を抑える事で膜の光学特性(ここでは屈折率)を向上さ
せることが出来る点を利用し、半導体層に近い方から徐
々に屈折率が変化する層を構成することにより、端面に
おける反射率を制御することもできる。屈折率一定の仮
定のもとで成膜を行えば、図7のように半導体側より光
学波長の1/4の厚みの領域で反射率は最大となり、それ
以降、端面の反射率は膜厚に対して周期的に変化する。
今回の方法を用いることで半導体側より光学波長の1/4
の厚み以下の領域、例えば波長400nmの紫色レーザの場
合で100nm以下の領域において図12のように屈折率変
化を生じさせ、端面反射率をより大きく変化させること
が可能となる。
【0019】同様に出力を変化させることで膜の屈折率
が変化することを利用して、膜の屈折率が半導体側より
光学波長の1/4の厚みで周期的に変化する膜を形成す
る。そうすることで、例えば図8のように端面反射率を
大きく向上することができる。
【0020】従来通りの方法で端面コートした試料と、
前述の出力制御を用いて半導体レーザの端面コートを行
った試料に対して寿命試験(25℃, 30mW)を行い、10
0時間以上レーザ発振し続けた数をカウントして歩留ま
り率を算出した。その結果を以下に示す。アルゴン
(Ar)プラズマの出力を従来の600Wを1000Wまで上げて
成膜した場合、従来法を用いて出力を300Wと半減して
成膜した場合、今回の新規成膜手法を用いた場合の3
条件の試料を比較したのが下記の表である。
【0021】
【表1】
【0022】結果として、高出力成膜及び低出力成
膜では歩留まり率は大きな差はなく、高周波出力の変
化、つまりArプラズマの量(密度の低減)では歩留に影
響していないことが分かった。新規成膜手法では歩留
り率が大きく改善されており、端面におけるダメージや
欠陥を少なくするコーティング(または処理)が歩留に
効いていることが分かる。
【0023】今回の例では単層膜の成膜に関して詳述し
たが、多層膜に関しても最初の層を成膜する際に同様の
処理を施すことで、同様の効果が得られる。また、Al2O
3以外の材料を用いても同等の方法で端面のダメージを
抑えた成膜をすることが可能である。
【0024】(実施の形態2)図4は本発明を実施する
際に用いる半導体素子の断面図を示したものである。今
回検討した窒化ガリウム半導体素子作製の概要は実施の
形態1と同様のため、ここでは省略する。
【0025】成膜に用いたスパッタ機の概略図を図5に
示す。前述の方法により作製した試料504をスパッタ機
のチャンバー内にあるステージ503上にセットした後、
真空ポンプに接続した配管508側から真空チャンバー内
の圧力を下げて高真空状態にする。
【0026】チャンバー内のクリーニング及びターゲッ
ト表面の不純物等の除去を必要としない場合には、高周
波スパッタ装置の高周波出力を図2のように設定し、半
導体レーザの端面コートを行う。成膜開始前のプリスパ
ッタ時には出力を100Wにした状態でプラズマ放電を
保持してクリーニングを行う。但し、出力が100Wと
たいへん弱いためにクリーニングの効果は期待できな
い。この時、試料自体と目的とする成膜材料で形成され
たターゲット間にはシャッター509が存在するため、こ
の状態においてプラズマは試料にほとんど影響しない。
次に成膜を開始するため、出力を100Wと低く抑えた
状態のままシャッター509を開く。この時、出力が低く
プラズマ放電自体も弱いために試料に与えるダメージも
かなり小さいものとなる。
【0027】この状態のままシャッターを開き、3分間
の間、成膜を行う。前述の通り、出力を低減した状態で
徐々に成膜することで緻密な膜形成ができ、試料である
半導体や基板材料との密着性は良好となる。出力は小さ
いながらも薄い膜が試料上に形成されるため、出力上昇
時のダメージを抑える保護膜として働く利点も存在す
る。
【0028】その後、実施の形態1と同様に高周波出力
を段階的に3分間で目的とする成膜条件(今回は600
W)まで上昇させる。こうすることで先程と同様のダメ
ージ低減効果や屈折率変化が得られる。これ以降は実施
の形態1と同様のため、省略する。
【0029】実施の形態1の出力コントロールにより端
面コートした試料と、実施の形態2の出力コントロール
により端面コートした試料に対して寿命試験(25℃, 30
mW)を行い、100時間以上レーザ発振し続けた数をカ
ウントして歩留まり率を算出した。その結果を以下に示
す。
【0030】
【表2】
【0031】結果として、実施の形態1及び2共に歩留
まり率は大きな差はなく、プリスパッタ時における出力
の大小は歩留にほとんど影響していないことが分かっ
た。僅かながら実施の形態1の歩留り率が低くなった理
由として、チャンバー内のクリーニングにおけるプラズ
マの影響が考えられる。よって、チャンバーのクリーニ
ングが特に必要でなければ、実施の形態2に挙げたよう
にプリスパッタの段階から出力を低減しておく方がよ
い。
【0032】(実施の形態3)図4は本発明を実施する
際に用いる半導体素子の断面図を示したものである。今
回検討した窒化ガリウム半導体素子作製の概要は実施の
形態1と同様のため、ここでは省略する。
【0033】実施の形態1及び実施の形態2のように出
力を制御する代わりに、試料自体をプラズマ放電から保
護する役割を果たしているシャッターの開き方を段階的
もしくは連続的に行うことでダメージ低減することも出
来る。その一例を図5及び図9により説明する。
【0034】成膜に用いたスパッタ機の概略図を図5に
示す。前述の方法により作製した試料504をスパッタ機
のチャンバー内にあるステージ503上にセットした後、
真空ポンプに接続した配管508側から真空チャンバー内
の圧力を下げて高真空状態にする。チャンバー内のクリ
ーニング及びターゲット表面の不純物等の除去を行うた
めに、成膜開始時のプリスパッタ時には高周波出力を6
00Wまで上げた状態でプラズマ放電を保持してクリー
ニングを行う。こうしたプリスパッタにより、チャンバ
ー内に付着したゴミや不純物等を除去すると同時に、タ
ーゲット505自体のゴミや不純物等も同時に取り除く。
この時、試料自体と目的とする成膜材料で形成されたタ
ーゲット間にはシャッター509が存在するため、この状
態においてプラズマは試料にほとんど影響しない。この
シャッターの形状は図9にあるようなリング状シャッタ
ーとなっている。一番内部のシャッター902は円形だ
が、その外側のシャッターは全てリング状となってい
る。その各々のシャッターはシャッターと同数個の軸受
け901により独立にコントロールすることができるよう
になっている。まず、出力は600Wと一定の状態で内
部のシャッター902を開く。この状態で30秒保持し、放
電が安定した後、さらに外側のシャッター903を開く。
このように、内側から順にシャッターを開いては30秒間
保持するプロセスを繰り返し、全てのシャッターが開く
まで繰り返す。この時、高周波出力は一定であり、プラ
ズマ放電自体が試料に段階的にかかるため、試料に与え
るダメージを低減することができる。今回の例では4枚
の円形及びリング状シャッターの組み合わせであった
が、この枚数は何枚であってもよい。但し、枚数を多く
し過ぎた場合、試料上に膜厚分布が発生する恐れがある
ため、注意する必要がある。また、シャッターの形状は
必ずしも円形及びリング状である必要はない。つまり、
シャッターが試料自体を覆う面積を段階的に減少できる
構造であれば、その形状は問わない。
【0035】この手法を用いることにより、高周波出力
は一定で成膜することができ、かつ試料自体へのプラズ
マダメージ及び電気的ダメージを抑制することができ、
高周波出力を制御する実施の形態1及び実施の形態2と
同様の効果が期待できる。また、実施の形態1及もしく
は実施の形態2と実施の形態3を組み合わせる事も可能
であり、そうした場合にはさらなるダメージ抑制が期待
できる。
【0036】(実施の形態4)図4は本発明を実施する
際に用いる半導体素子の断面図を示したものである。今
回検討した窒化ガリウム半導体素子作製の概要は実施の
形態1と同様のため、ここでは省略する。
【0037】成膜に用いたスパッタ機の概略図を図11
に示す。前述の方法により作製した試料1104をスパッタ
機のチャンバー内にあるステージ1103上にセットした
後、真空ポンプに接続した配管1108側から真空チャンバ
ー内の圧力を下げて高真空状態にする。チャンバー内の
クリーニング及びターゲット表面の不純物等の除去を行
うために、成膜開始時のプリスパッタ時には高周波出力
を600Wまで上げた状態でプラズマ放電を保持してク
リーニングを行う。こうしたプリスパッタにより、チャ
ンバー内に付着したゴミや不純物等を除去すると同時
に、ターゲット1105自体のゴミや不純物等も同時に取り
除く。この時、試料自体と目的とする成膜材料で形成さ
れたターゲット間にはシャッター1109が存在するため、
この状態においてプラズマは試料にほとんど影響しな
い。
【0038】実施の形態1及び実施の形態2のように出
力を制御する代わりに、試料自体をプラズマ放電から保
護する役割を果たしているシャッター1109に加えて、こ
のシャッターと試料の間に網目のメッシュ状シャッター
1110を挿入する。シャッターの形状は図10にある通り
で、メッシュ1002は軸受け1001により独立にコントロー
ルすることができるようになっている。なお、このシャ
ッターの形状は特に規定しない。
【0039】まず、出力は600Wと一定の状態にして
安定させた後、シャッター1109を開く。この状態ではプ
ラズマ放電と試料間にはメッシュ状シャッター1110が存
在し、放電が試料に与える影響は小さい。3分間の間、
この状態で放電を十分に安定させた後、メッシュ状シャ
ッター1110を取り除く。この時には、既に放電は安定し
ており試料に与える影響も小さい。この手法を用いるこ
とにより、高周波出力は一定で成膜することができ、か
つ試料自体へのプラズマダメージ及び電気的ダメージを
抑制することができ、高周波出力を制御する実施の形態
1及び実施の形態2と同様の効果が期待できる。また、
実施の形態1及もしくは実施の形態2と実施の形態4を
組み合わせる事も可能であり、そうした場合にはさらな
るダメージ抑制が期待できる。
【0040】
【発明の効果】以上に説明してきたように、本発明は各
種スパッタ方法による成膜工程における半導体デバイス
への劣化を抑止する。成膜開始時の高周波出力を抑える
ことで半導体層直上に緻密な膜を形成し、形成する膜自
体と半導体層との密着性を向上させることが出来る。ま
た、高周波出力を制御する事により膜の光学特性を変化
させることが出来る点を利用し、半導体層に近い方から
徐々に屈折率が変化する層を構成することにより、高い
反射率を実現することが可能となる。特に半導体レーザ
の場合、端面コーティング時の半導体層へのプラズマダ
メージを抑えることにより端面における光学損失を減少
することができ、低閾値値電流化に貢献する。そして素
子自体の寿命向上に繋がり、デバイスの実用化に貢献す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】出力のコントロール(1)を示す図
【図2】出力のコントロール(2)を示す図
【図3】従来の出力コントロールの例を示す図
【図4】半導体レーザ構造の一例を示す図
【図5】スパッタ装置の一例を示す図
【図6】RFパワーとフォトルミ強度の関係を示す図
【図7】端面反射率の膜厚依存性(1)を示す図
【図8】端面反射率の膜厚依存性(2)を示す図
【図9】リング状シャッターを示す図
【図10】網目状シャッターを示す図
【図11】スパッタ装置の一例を示す図
【図12】屈折率の膜厚依存性を示す図
【符号の説明】
401 サファイア基板 402 GaNバッファ層 403 n-GaN層 404 n型電極 405 n-AlGaNクラッド層 406 n-GaNガイド層 407 InGaN系MQW活性層 408 p-GaNガイド層 409 p-AlGaNクラッド層 410 p-GaNコンタクト層 411 p型電極 501 真空チャンバー 502 高周波電源 503 試料台 504 試料(基板) 505 ターゲット 506 ターゲット固定軸 507 スパッタガス 508 真空ポンプへと接続 509 シャッター 901 リング状シャッター軸受け 902 リング状シャッター(円形) 903 リング状シャッター(リング形1) 904 リング状シャッター(リング形2) 905 リング状シャッター(リング形3) 1001 網目状シャッター軸受け 1002 網目状シャッター 1101 真空チャンバー 1102 高周波電源 1103 試料台 1104 試料(基板) 1105 ターゲット 1106 ターゲット固定軸 1107 スパッタガス 1108 真空ポンプへと接続 1109 シャッター 1110 シャッター(網目状)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横川 俊哉 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4K029 AA07 BA44 BC08 BD01 CA05 DA13 EA09 5F045 AA19 AB31 AB32 AB33 AC16 BB16 BB17 CA12 DC66 EH19 5F073 AA04 AA74 AA83 AA84 CA07 CB05 DA05 DA24 DA32 DA33 DA35 EA28

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成膜を行う際、成膜開始時に放電用電源
    の出力を低減し、成膜開始後に出力を上昇させることを
    特徴とするスパッタ方法。
  2. 【請求項2】 成膜開始時に放電用電源の出力を1/3以
    下に抑えることを特徴とする請求項1に記載のスパッタ
    方法。
  3. 【請求項3】 成膜開始後に放電用電源の出力上昇を段
    階的に上昇させることを特徴とする請求項1に記載のス
    パッタ方法。
  4. 【請求項4】 放電用電源の出力を制御することによ
    り、膜の屈折率を制御することを特徴とするスパッタ方
    法。
  5. 【請求項5】 膜の屈折率が半導体側より光学波長の1/
    4の厚みで周期的に変化をすることを特徴とする請求項
    4に記載のスパッタ方法。
  6. 【請求項6】 膜の屈折率が半導体側より光学波長の1/
    4の厚み以下の領域で段階的に変化することを特徴とす
    る請求項4に記載のスパッタ方法。
  7. 【請求項7】 成膜開始時において、試料自体を保護す
    る役割を持つシャッターの開き方を段階的もしくは連続
    的に行うことを特徴とするスパッタ方法。
  8. 【請求項8】 成膜開始時において、試料自体を保護す
    る役割を持つシャッターに加え、網目状シャッターを併
    用することを特徴とするスパッタ方法。
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