JP2008058427A - 積層光学部材および光学フィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 光学ローパスフィルタまたはビームスプリッタなどの積層光学部材において、接着剤を拭き取る必要をできるだけ少なくし、また拭き取る場合でも容易に拭き取ることができる積層光学部材を提供する。
【解決手段】
積層光学部材は、水晶板(12)の周縁部および光学板(13)の周縁部に接着剤(19)の溜まり部(J)を有する。また、赤外線カット(14)の薄膜が形成され、この赤外線カットの薄膜が接着材(19)で接着される。
【選択図】図1
【解決手段】
積層光学部材は、水晶板(12)の周縁部および光学板(13)の周縁部に接着剤(19)の溜まり部(J)を有する。また、赤外線カット(14)の薄膜が形成され、この赤外線カットの薄膜が接着材(19)で接着される。
【選択図】図1
Description
本発明は、光学ローパスフィルタまたはビームスプリッタなどの積層光学部材に係る。特に、複数枚の光学素子を接着剤で貼り合わせた積層光学部材に関する。
ビデオカメラや電子スチルカメラ等の撮像装置に備えられ、光学的疑似信号を濾波して画質の劣化を防止するための光学ローパスフィルタが知られている。この光学ローパスフィルタは、例えば特許文献1に開示されているように、水晶複屈折板を備え、この水晶複屈折板によって入射光を分離することにより、CCD等の撮像素子に対する入力光をぼかし、モアレ像を誘発する疑似信号を減衰させるようになっている。
また、この光学ローパスフィルタは、水晶複屈折板と赤外線カットガラスとの2枚以上の光学素子を接着剤で貼り合わせて光学ローパスフィルタを提供している。また、液晶プロジェクタや光ディスク記録再生装置用光学素子として、2枚以上の光学素子を接着剤で貼り合わせたビームスプリッタが広く使用されている。
特開平11−218612号公報
接着剤の層を一定の厚さにしないと屈折率などの影響で、光学ローパスフィルタまたはビームスプリッタなどの性能に影響してしまう。二枚の光学素子を貼り合わせる際に、接着剤の量が少ないと接着剤がまんべんなく行きわたらないため二枚の光学素子の間に空隙が生じてしまう。このような空隙を防ぐため、通常、接着剤を必要量よりも余分に塗布している。そして、二枚の光学素子を貼り付けて接着剤の層を一定の厚さにする。そうすると、余分な接着剤が二枚の光学素子の周縁部よりはみ出してくる。はみ出した接着剤を拭き取るなどして除去するが、完全に除去できない場合がある。このような完全に接着剤が拭き取ることのできない光学ローパスフィルタまたはビームスプリッタなどは、不良品となってしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、光学ローパスフィルタまたはビームスプリッタなどの積層光学部材において、接着剤を拭き取る必要をできるだけ少なくし、また拭き取る場合でも容易に拭き取ることができる積層光学部材を提供することにある。
第一の観点による積層光学部材は、水晶板の周縁部および光学板の周縁部に接着剤の溜まり部を有する。
この構成により、水晶板と光学板とを接着する際に生じる余分な接着剤を、溜まり部に溜めることができる。従来必須であった、水晶板と光学板との合わせ面から溢れ出ていた余分な接着剤を拭き取る作業が不要となる。また、余分な接着剤を拭き取る際に、不十分な拭き取りにより生じていた品質不要も解消される。
この構成により、水晶板と光学板とを接着する際に生じる余分な接着剤を、溜まり部に溜めることができる。従来必須であった、水晶板と光学板との合わせ面から溢れ出ていた余分な接着剤を拭き取る作業が不要となる。また、余分な接着剤を拭き取る際に、不十分な拭き取りにより生じていた品質不要も解消される。
また、第二の観点による積層光学部材は、光学板には、赤外線カットの薄膜が形成され、この赤外線カットの薄膜が接着材と接する。
この構成により、外的な影響に弱い赤外線カットの薄膜を接着剤によって保護することができる。このため、赤外線カットの薄膜の傷付きを防止することができ、安定した赤外線カット機能を維持することができる。また、赤外線カットコート層が湿度の影響を受けることを回避でき、分光特性の変動を防止することができる。
この構成により、外的な影響に弱い赤外線カットの薄膜を接着剤によって保護することができる。このため、赤外線カットの薄膜の傷付きを防止することができ、安定した赤外線カット機能を維持することができる。また、赤外線カットコート層が湿度の影響を受けることを回避でき、分光特性の変動を防止することができる。
第三の観点による積層光学部材は、溜まり部がエッチングによって曲面上に形成される。
この構成により、水晶板の周縁部および光学板の周縁部に形成する溜まり部を、エッチングたとえばハーフエッチング手法により、曲面状に形成することができる。
この構成により、水晶板の周縁部および光学板の周縁部に形成する溜まり部を、エッチングたとえばハーフエッチング手法により、曲面状に形成することができる。
第四の観点による積層光学部材は、溜まり部が機械加工によって直線上に形成される。
この構成により、水晶板の周縁部および光学板の周縁部に形成する溜まり部を、機械加工、たとえばヤスリによる研削により、直線状に形成することができる。
この構成により、水晶板の周縁部および光学板の周縁部に形成する溜まり部を、機械加工、たとえばヤスリによる研削により、直線状に形成することができる。
第五の観点による積層光学部材は、接着剤の粘度は、1センチポアズないし5000センチポアズである。
この接着剤の粘度が余りに低いと接着剤が水のように垂れてくるためである。逆に、接着剤の粘度が余りに高いと接着剤の厚さを均一にすることが困難になるからである。また、溜まり部の体積が小さい場合、または接着剤を多く塗布する場合には、接着剤の粘度は高めの方が好ましい。具体的には、接着剤19の粘度は200センチポアズから2000センチポアズがよい。
この接着剤の粘度が余りに低いと接着剤が水のように垂れてくるためである。逆に、接着剤の粘度が余りに高いと接着剤の厚さを均一にすることが困難になるからである。また、溜まり部の体積が小さい場合、または接着剤を多く塗布する場合には、接着剤の粘度は高めの方が好ましい。具体的には、接着剤19の粘度は200センチポアズから2000センチポアズがよい。
第六の観点による入射光の特性を変える光学フィルタは、第一の観点ないし第五の観点による積層光学部材において、積層光学部材を複数に分離して製造される。
積層光学部材が、半径約100mmの水晶ウエハおよび光学ウエハによって構成されていた場合に、ダイヤモンドカッタなどの分離装置によって分離して、複数に10mm角の光学フィルタを製造することができる。この場合に、水晶ウエハおよび光学ウエハに溜まり部を形成すればよく、一つ一つの光学フィルタに溜まり部を設ける必要がなくなる。このため光学フィルタの生産性を高くすることができる。
積層光学部材が、半径約100mmの水晶ウエハおよび光学ウエハによって構成されていた場合に、ダイヤモンドカッタなどの分離装置によって分離して、複数に10mm角の光学フィルタを製造することができる。この場合に、水晶ウエハおよび光学ウエハに溜まり部を形成すればよく、一つ一つの光学フィルタに溜まり部を設ける必要がなくなる。このため光学フィルタの生産性を高くすることができる。
本発明によれば、水晶板と光学板との合わせ面から溢れ出ていた余分な接着剤を拭き取る作業をできるだけ少なくすることができる。また、余分な接着剤を拭き取る際に、不十分な拭き取りにより生じていた品質不要も解消される。さらに、接着剤の塗布量が溜まり分の体積に比して多すぎた場合でも、溜まり部から容易に拭き取ることができる。
以下、本発明の複数の実施形態について、ビデオカメラに備えられる光学ローパスフィルタを例にして説明する。
<第1実施形態>
図1は、1枚の水晶複屈折板12と1枚の赤外線カットガラス13とを備えた光学ローパスフィルタ10を示した図である。図1Aは光学ローパスフィルタ10を構成する各部材を接着する前の状態である。図1Bはこれら各部材が接着されて形成された光学ローパスフィルタ10の側面図である。図1Cは、光学ローパスフィルタ10の正面図である。
図1は、1枚の水晶複屈折板12と1枚の赤外線カットガラス13とを備えた光学ローパスフィルタ10を示した図である。図1Aは光学ローパスフィルタ10を構成する各部材を接着する前の状態である。図1Bはこれら各部材が接着されて形成された光学ローパスフィルタ10の側面図である。図1Cは、光学ローパスフィルタ10の正面図である。
本実施形態に係る光学ローパスフィルタ10は、水晶複屈折板12と赤外線カットガラス13とを接着剤19で接着している。赤外線カットガラス13は材質として弗リン酸系ガラスからなる。水晶複屈折板12および赤外線カットガラス13は、それぞれ0.7mmから1.8mmの厚さであり、一辺の幅が5mmないし30mm前後の大きさである。水晶複屈折板12の外側面(図1A中の右側)には反射防止膜15が形成されており、フレアまたはゴーストを防いでいる。反射防止膜15は、フッ化マグネシュウム(MgF2)、酸化珪素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)等の薄膜を真空蒸着により形成している。赤外線カットガラス13の一面には赤外線カットコート層14が真空蒸着により形成されている。赤外線カットコート層14は、酸化チタン(TiO2)と酸化珪素(SiO2)とが真空蒸着により交互に積層され、例えば20層の積層体により形成されている。この赤外線カットガラス13と赤外線カットコート層14とが一体となって赤外線カットを行っている。
つまり、光学ローパスフィルタ10の作用は次の通りである。入射光が水晶複屈折板12を通過する際に、その光学軸方向に分離され、これによって入射光が複数分離される。このように入射光を分離することにより、CCD等の撮像素子に対する入力光をぼかし、モアレ像を誘発する疑似信号を減衰させる。また、入射光が赤外線カットガラス13および赤外線カットコート層14を通過する際に赤外線が遮断され、撮像素子が赤外線を受光することがないようになっている。
また、水晶複屈折板12の内側面の周縁部には、円弧上の切り欠け部12Cが形成されている。また、赤外線カットガラス13の赤外線カットコート層14側にも円弧上の切り欠け部13Cが形成されている。水晶複屈折板12の切り欠け部12Cまたは赤外線カットガラス13の切り欠け部13Cは、エッチング液に浸すハーフエッチングまたはヤスリなどの機械加工により、形成することができる。
赤外線カットコート層14の面と水晶複屈折板12の内側面(図1A中の左側)とが接着剤19で接着される。赤外線カットコート層14がキズなどの外的要因に弱いため、赤外線カットコート層4を外側に出さないようにして保護するためである。図1Aでは、水晶複屈折板12の内側面に接着剤19が塗布されているが赤外線カットコート層14に塗布してもよい。水晶複屈折板12と赤外線カットガラス13とを接着するに必要な接着剤19の必要量Vnは、水晶複屈折板12または赤外線カットガラス13の片側の面積に接着剤の厚さD((図1Bを参照)で求まる。しかし、水晶複屈折板12と赤外線カットガラス13との間に空隙ができないように、接着剤19の塗布量Vvは、接着剤19の必要量の1.5倍程度から5倍程度になる。
接着剤19は、シリコーン樹脂系、ウレタン樹脂系、ポリイミド樹脂系またはエポキシ樹脂系の接着剤を用いることができる。接着剤19は、熱硬化性または紫外線硬化性の特性も有していることが、作業工程および製品の使用状況の点から好ましい。また、接着剤19の粘度は、25度C前後で1センチポアズから5000センチポアズ(100cP=1P=1gf/cm・s)程度が好ましい。さらに好ましくは25度C前後で200センチポアズから2000センチポアズがよい。余りに粘度が低いと接着剤が水のように垂れてくるためであり、余りに粘度が高いと接着剤の厚さDを均一にすることが困難になるからである。
水晶複屈折板12と赤外線カットガラス13とを互いに所定の押力で押し付ける。そして、接着剤の所定の厚さDを、たとえば0.1mmに設定する。すると、塗布した接着剤19の量が接着剤19の必要量よりも多いため、余分な接着剤が、切り欠け部12Cと切り欠け部13Cとの間に形成された溜まり部Jに溜まる。このため、これまで水晶複屈折板12と赤外線カットガラス13との合わせ面から溢れ出ていた余分な接着剤を拭き取る作業が不要となる。また、余分な接着剤19を拭き取る際に、不十分な拭き取りにより生じていた品質不良も解消される。接着剤19は、溜まり部Jに溜まった余分な接着剤19とともに、熱硬化もしくは紫外線照射により硬化させて接着を完了させる。
なお、赤外線カットガラス13の外側面(図1Aの左側面)にも反射防止膜15を形成するようにしてもよい。これによれば赤外線カットガラス13を保護することができる。また図1では、赤外線カットコート層14を形成した後、切り欠け部13Cを形成する図になっているが、赤外線カットガラス13に切り欠け部13Cを形成した後、赤外線カットコート層14を形成してもよい。
<第2実施形態>
図2は、2枚の水晶複屈折板12と1枚の赤外線カットガラス13とを備えた第2光学ローパスフィルタ11を示した図である。図2Aは第2光学ローパスフィルタ11を構成する各部材を接着する前の状態である。図2Bはこれら各部材が接着されて形成された第2光学ローパスフィルタ11の側面図である。
図2は、2枚の水晶複屈折板12と1枚の赤外線カットガラス13とを備えた第2光学ローパスフィルタ11を示した図である。図2Aは第2光学ローパスフィルタ11を構成する各部材を接着する前の状態である。図2Bはこれら各部材が接着されて形成された第2光学ローパスフィルタ11の側面図である。
第2光学ローパスフィルタ11は、赤外線カットガラス13が2枚の水晶複屈折板12で挟まれる構造になっている。それぞれの水晶複屈折板12の外側面には反射防止膜15が形成されている。赤外線カットガラス13を中央にして、それぞれの水晶複屈折板12の内側面の周縁部には、円弧上の切り欠け部12Cが形成されている。また、赤外線カットガラス13の両面の周縁部には、円弧上の切り欠け部13Cが形成されている。
接着剤19の必要量Vnの1.5倍程度から5倍程度の接着剤19の塗布量Vvがそれぞれの水晶複屈折板12の内側面に塗布されている。そして2枚の水晶複屈折板12で赤外線カットガラス13を挟み込むように所定の押力で押し付ける。すると、塗布した接着剤19の塗布量Vvが接着剤19の必要量Vnよりも多いため、余分な接着剤が、切り欠け部12Cと切り欠け部13Cとの間に形成された溜まり部Jに溜まる。この状態で、接着剤19は、溜まり部Jに溜まった余分な接着剤19とともに、熱硬化もしくは紫外線照射により硬化させる。
なお、赤外線カットコート層14は、赤外線カットガラス13の片面に形成されているが、両面に形成してもよい。また図2では、赤外線カットコート層14を形成した後、切り欠け部13Cを形成する図になっているが、赤外線カットガラス13に切り欠け部13Cを形成した後、赤外線カットコート層14を形成してもよい。
<第3実施形態>
図3は、図2で説明した第2光学ローパスフィルタ11において、接着剤19が多く溢れ出た場合を示した図である。図3Aは、第2光学ローパスフィルタ11の溜まり部Jから接着剤19が溢れている状態を示した図である。図3Bは溜まり部Jから接着剤19を取り除いた図である。
図3は、図2で説明した第2光学ローパスフィルタ11において、接着剤19が多く溢れ出た場合を示した図である。図3Aは、第2光学ローパスフィルタ11の溜まり部Jから接着剤19が溢れている状態を示した図である。図3Bは溜まり部Jから接着剤19を取り除いた図である。
水晶複屈折板12の内側面の切り欠け部12および赤外線カットガラス13の切り欠け部13Cの長さL(図3Aを参照)は、できるだけ短いほうが、第2光学ローパスフィルタ11の有効面積を大きくすることができる。一方で溜まり部Jの体積は小さくなってしまう。このため、水晶複屈折板12または赤外線カットガラス13の周縁端を越えて接着剤19が溢れ出る。また、水晶複屈折板12と赤外線カットガラス13との間に空隙ができないように、接着剤19の必要量より、十分すぎるほど接着剤19を塗布した場合も同様である。この状態で、第2光学ローパスフィルタ11を搬送したりすると、他の第2光学ローパスフィルタ11の表面に付着したり、他の装置に付着したりして、製品または作業に問題が生じる。
このような場合には、溜まり部Jの形状に近似したスプーン21で取り去ることができる。スプーン21または第2光学ローパスフィルタ11の一方を固定し、他方を回転させることで、溜まり部Jからはみ出た接着剤19を取り除くことができる。図3Bに示すように、溜まり部Jから接着剤19をすべて取り除く必要はなく、一部に接着剤19が残っていても問題はない。なお、溜まり部Jの体積が小さい場合、または接着剤19が十分すぎる場合には、接着剤19の粘度は高いほうが好ましい。接着剤19の粘度が低いと、水晶複屈折板12または赤外線カットガラス13の表面にこぼれてしまうからである。具体的には、接着剤19の粘度は200センチポアズから2000センチポアズがよい。
<溜まり部の形状>
図4は、各種の溜まり部Jの形状を示した図である。
図4Aの溜まり部Jは、図1ないし図3で示したように、水晶複屈折板12の切り欠け部12Cおよび赤外線カットガラス13の切り欠け部13Cが形成されていない。水晶複屈折板12の円弧状の切り欠け部12Cのみが形成された場合である。
図4は、各種の溜まり部Jの形状を示した図である。
図4Aの溜まり部Jは、図1ないし図3で示したように、水晶複屈折板12の切り欠け部12Cおよび赤外線カットガラス13の切り欠け部13Cが形成されていない。水晶複屈折板12の円弧状の切り欠け部12Cのみが形成された場合である。
図4Bでは、水晶複屈折板12の周縁部に、段差の切り欠け部12Dが形成されている。また、赤外線カットガラス13の周縁部にも、段差の切り欠け部13Dが形成されている。これにより、断面では、矩形形状の溜まり部Jが形成される。
図4Cでは、水晶複屈折板12の周縁部に、面取り切り欠け部12Eが形成されている。また、赤外線カットガラス13の周縁部にも、面取り切り欠け部13Eが形成されている。これにより、断面では、台形形状の溜まり部Jが形成される。
図4Cでは、水晶複屈折板12の周縁部に、面取り切り欠け部12Eが形成されている。また、赤外線カットガラス13の周縁部にも、面取り切り欠け部13Eが形成されている。これにより、断面では、台形形状の溜まり部Jが形成される。
水晶複屈折板12の切り欠け部12Dもしくは12E、または赤外線カットガラス13の切り欠け部13Dもしくは13Eは、エッチング液に浸すハーフエッチングまたはヤスリなどの機械加工により、形成することができる。図4に示した形状以外にも、切り欠け部12Eと切り欠け部13Dとの組み合わせのように非対称の組み合わせでもよい。また、図4に示さない凸凹状などの形状にしてもよい。
ここで、水晶複屈折板12の切り欠け部12Dおよび赤外線カットガラス13の切り欠け部13Dで溜まり部Jを形成する場合の寸法設計について検討する。
Ac=(Vv−Vn)×S/Ll
ここで、水晶複屈折板12と赤外線カットガラス13との貼り合わせに必要な接着剤19の必要量Vn、接着剤の塗布量Vv、光学ローパスフィルタ10または第2光学ローパスフィルタ11の4辺の合計長さLl、切り欠け部断面積Ac、安全率S(1から5)である。
このようにして、接着剤の塗布量Vvと溜まり部Jの体積を決定すればよい。
Ac=(Vv−Vn)×S/Ll
ここで、水晶複屈折板12と赤外線カットガラス13との貼り合わせに必要な接着剤19の必要量Vn、接着剤の塗布量Vv、光学ローパスフィルタ10または第2光学ローパスフィルタ11の4辺の合計長さLl、切り欠け部断面積Ac、安全率S(1から5)である。
このようにして、接着剤の塗布量Vvと溜まり部Jの体積を決定すればよい。
以上の実施形態では、一辺の幅が5mmないし30mm前後の矩形の水晶複屈折板2および赤外線カットガラス13で説明してきた。しかし、矩形形状でなくても、円形状または多角形などの形状であってもよい。
また、図5に示したように切り欠け部41C、51Cを有する直径75mmないし150mmの水晶ウエハ41および赤外線カットガラス51を接着剤19で接着する。そして、ダイヤモンドカッタなどで直線43に沿って、光学ローパスフィルタ10または第2光学ローパスフィルタ11の形状に切り出してもよい。この方法によれば、一つ一つのローパスフィルタに切り欠け部を設ける必要がなく、生産性を高くすることができる。
また、以上の実施形態ではローパスフィルタを使って説明してきたが、ビームスプリッタなどにも本発明を適用することができる。さらに、上記実施形態では、水晶複屈折板および赤外線カットガラスを接着する実施形態で説明したが、水晶複屈折板同士を接着する場合にも本発明は適用できる。
10、11 … 光学ローパスフィルタ
12 … 水晶複屈折板
12C,12D,12E、13C,13D,13E … 切り欠け部
13 … 赤外線カットガラス
14 … 赤外線カットコート層
15 … 反射防止膜
19 … 接着剤
J … 溜まり部
12 … 水晶複屈折板
12C,12D,12E、13C,13D,13E … 切り欠け部
13 … 赤外線カットガラス
14 … 赤外線カットコート層
15 … 反射防止膜
19 … 接着剤
J … 溜まり部
Claims (6)
- 水晶板と光学板とを接着剤で貼り合わせて構成する積層光学部材において、
前記水晶板の周縁部および前記光学板の周縁部に、前記接着剤の溜まり部を有することを特徴とする積層光学部材。 - 前記光学板には、赤外線カットの薄膜が形成され、この赤外線カットの薄膜が前記接着材と接することを特徴とする請求項1に記載の積層光学部材。
- 前記溜まり部は、エッチングによって曲面上に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層光学部材。
- 前記溜まり部は、機械加工によって直線上に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層光学部材。
- 前記接着剤の粘度は、1センチポアズないし5000センチポアズであることを特徴とする積層光学部材。
- 入射光の特性を変える光学フィルタにおいて、
請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の積層光学部材を複数に分離して製造されたことを特徴とする光学フィルタ。
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