JP2004012720A - 光フィルタ - Google Patents

光フィルタ Download PDF

Info

Publication number
JP2004012720A
JP2004012720A JP2002164902A JP2002164902A JP2004012720A JP 2004012720 A JP2004012720 A JP 2004012720A JP 2002164902 A JP2002164902 A JP 2002164902A JP 2002164902 A JP2002164902 A JP 2002164902A JP 2004012720 A JP2004012720 A JP 2004012720A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
birefringent plate
birefringent
pass filter
optical low
filter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002164902A
Other languages
English (en)
Inventor
Takakazu Aritake
有竹 敬和
Fumio Yamagishi
山岸 文雄
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2002164902A priority Critical patent/JP2004012720A/ja
Publication of JP2004012720A publication Critical patent/JP2004012720A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)

Abstract

【課題】コストを低減させ、歩留まりを向上させること。
【解決手段】複屈折板71、複屈折板72、色フィルタ73および複屈折板74が直接接合により積層されてなり、所定の空間周波数の光成分をフィルタリングする光フィルタ70において、複数の複屈折板71、複屈折板72および複屈折板74のうち、屈折率が異なる他の媒質(空気等)と接する複屈折板71の境界面には、利用波長以下のピッチで反射防止構造部71aが形成されているとともに、複屈折板74の境界面にも同ピッチで反射防止構造部74aが形成されており、光の反射が防止される。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、デジタルスチルカメラに用いられ、特定の空間周波数の光成分のみを透過させる光フィルタに関するものであり、特に、コストを低減させ、歩留まりを向上させることができる光フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、デジタルスチルカメラ等の撮像装置においては、撮像素子としてCCD(Charge Coupled Device)が用いられている。このCCDは、光情報を電気信号に変換する半導体素子である。撮像装置では、画素に対応させて縦横に二次元配列された複数のCCDがCCDエリアセンサとして用いられている。
【0003】
このCCDエリアセンサにおいては、各CCDが色を感知する位置に空間的に所定の画素ピッチをもって配置されているため、該画素ピッチ以上の高周波数成分を含む画像を撮像した場合、擬似的に色が生じるという問題があった。
【0004】
そこで、従来の撮像装置では、上記問題を回避するために、所定の空間周波数の光成分のみを透過させる光フィルタの一例として、光ローパスフィルタが光学系に配置される。
【0005】
図15は、上述した従来の撮像装置の概略構成を示す斜視図である。図16は、同撮像装置の概略構成を示す平面図である。これらの図には、撮像対象10を撮像するための撮像装置の光学系(レンズ20、レンズ30、光ローパスフィルタ40(または60)およびCCDエリアセンサ50)が図示されている。
【0006】
レンズ20および30は、撮像対象10からの入射光を集光し、光ローパスフィルタ40へ導く。光ローパスフィルタ40は、入射光における特定の空間周波数の光成分のみを透過させる光フィルタであり、結晶軸に対して異なる方向で切り出された複屈折性の材料が張り合わされてなる。
【0007】
図17は、図15および図16に示した光ローパスフィルタ40の構成を示す側面図である。この図において、光ローパスフィルタ40は、複屈折板41、複屈折板42、色フィルタ43、複屈折板44が積層されてなる。複屈折板41、42および44は、複屈折結晶の一つである水晶であり、結晶軸に対して所定角度をもって切り出されている。これらの複屈折板41、42および44の屈折率は、1.5とされている。色フィルタ43は、例えば、赤外線をカットするためのフィルタである。
【0008】
ここで、図18を参照して、光ローパスフィルタ(光ローパスフィルタ40、光ローパスフィルタ60の総称)の光線分離原理を説明する図である。この図において、複屈折結晶1は、水晶やLN(LiNbO3 :リチウムナイオベート)からなり、結晶軸2に対して角度θをもって切り出されており、複屈折という光学的性質を有している。また、複屈折結晶1の厚さは、dとされている。
【0009】
複屈折は、複屈折結晶1の境界面で屈折する光が一つではなく、二つになる現象をいう。すなわち、複屈折結晶1の一端面に入射光Piが入射させると、屈折率楕円体3に基づく進相軸と遅相軸に沿って、分離角φをもって二つの偏光に分解された後、複屈折結晶1の他端面により常光Paおよび異常光Pbが出射される。
【0010】
図17に戻り、複屈折板41と複屈折板42とは、接着剤45により接合されている。また、複屈折板41における入射側の境界面には、反射を防止するための反射防止膜46がコーティングされている。
【0011】
この反射防止膜46の反射率は、1%以下とされている。従って、反射率が1%である場合、入射光Piのうち、1%が反射防止膜46で反射され、残りの99%が光ローパスフィルタ40に入射される。
【0012】
複屈折板42と色フィルタ43とは、接着剤45により接合されている。同様にして、色フィルタ43と複屈折板44とは、接着剤45により接合されている。ここで、接着剤45、45および45の屈折率は、共に水晶の屈折率(=1.5)と同値とされている。また、複屈折板44における出射側の境界面には、反射を防止するための反射防止膜47(反射率=1%以下)がコーティングされている。
【0013】
上記構成において、図15および図16に示した撮像対象10からの光がレンズ20および30により図19および図17に示した光ローパスフィルタ40に入射光Piとして、複屈折板41の反射防止膜46に入射される。これにより、光ローパスフィルタ40内部を所定の空間周波数の光成分のみが透過し、複屈折により、常光および異常光がCCDエリアセンサ50のCCD51〜51にそれぞれ検知される。
【0014】
また、従来では、複屈折結晶として、上述した水晶に代えて、リチウムナイオベートが用いられる。この場合には、図15および図16においては、水晶からなる光ローパスフィルタ40に代えて、リチウムナイオベートからなる光ローパスフィルタ60が用いられる。
【0015】
ここで、リチウムナイオベートは、分離角φ(図18参照)が水晶に比して大きいという光学的性質を備えている。このような分離角φが大きいリチウムナイオベートを用いた光ローパスフィルタは、水晶を用いた光ローパスフィルタに比べて、厚さを薄くすることができ、光学系への負荷を低減させることができるという利点を備えている。また、リチウムナイオベートの屈折率は、水晶の屈折率(=1.5)よりも大きく、2.3とされている。
【0016】
図20は、図15および図16に示した光ローパスフィルタ60の構成を示す側面図である。この図において、光ローパスフィルタ60は、複屈折板61、複屈折板62、色フィルタ63、複屈折板64が積層されてなる。
【0017】
複屈折板61、62および64は、複屈折結晶の一つであるリチウムナイオベートであり、前述した水晶と同様にして、結晶軸に対して所定角度をもって切り出されている。これらの複屈折板61、62および64の屈折率は、前述したように、2.3とされている。色フィルタ63は、例えば、赤外線をカットするためのフィルタである。
【0018】
複屈折板61と複屈折板62とは、マッチング膜65、接着剤66およびマッチング膜65を介して接合されている。ここで、マッチング膜65〜65は、複屈折板61、62および64(屈折率=2.3)と接着剤661 〜66(屈折率=1.5)との間で屈折率の整合をとるための膜である。
【0019】
また、複屈折板61における入射側の境界面には、反射を防止するための反射防止膜67がコーティングされている。この反射防止膜67の反射率は、1%以下とされている。
【0020】
複屈折板62と色フィルタ63とは、マッチング膜65および接着剤662 を介して、接合されている。色フィルタ63と複屈折板64とは、接着剤66およびマッチング膜65を介して接合されている。また、複屈折板64における出射側の境界面には、反射を防止するための反射防止膜68(反射率=1%以下)がコーティングされている。
【0021】
上記構成において、図15および図16に示した撮像対象10からの光がレンズ20および30により図19および図20に示した光ローパスフィルタ60に入射光Piとして、複屈折板61の反射防止膜67に入射される。これにより、光ローパスフィルタ60内部を所定の空間周波数の光成分のみが透過し、複屈折により、常光および異常光がCCDエリアセンサ50のCCD51〜51にそれぞれ検知される。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したように、従来の光ローパスフィルタ40(図17参照)および光ローパスフィルタ60(図20参照)においては、各基板(複屈折板、色フィルタ)を接着剤で張り合わせている。
【0023】
しかしながら、従来の光ローパスフィルタの製造工程においては、上記接着剤に気泡が混入する危険が高い。このように接着剤に気泡が混入した場合には、当該光ローパスフィルタは、不良品として破棄される。従って、従来の光ローパスフィルタでは、接着剤により各基板を張り合わせているため、気泡混入による歩留まりの低下が避けられないという問題があった。
【0024】
また、図20に示した従来の光ローパスフィルタ60(リチウムナイオベート製)においては、複屈折板(屈折率=2.3)と接着剤(屈折率=1.5)との間の屈折率の整合を採るためのマッチング膜や反射防止膜等の複数種類の膜が各境界面で必要とされる。
【0025】
従って、従来の光ローパスフィルタ60においては、境界面毎に使用すべき膜に応じて、個別的に界面処理を施す必要があるため、製造のコストが高くつくという問題があった。
【0026】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、コストを低減させ、歩留まりを向上させることができる光フィルタを提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、複数の複屈折結晶板が積層されてなり、所定の空間周波数の光成分をフィルタリングする光フィルタにおいて、前記複数の複屈折結晶板のうち、屈折率が異なる他の媒質と接する複屈折結晶板の境界面に利用波長以下のピッチで反射防止構造部が形成されていること、を特徴とする。
【0028】
この発明によれば、積層された複数の複屈折結晶板のうち、屈折率が異なる他の媒質と接する複屈折結晶板の境界面に利用波長以下のピッチで反射防止構造部を形成することとしたので、マッチング膜や反射防止膜等の複数種類の膜が不要となり、コストを低減させることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明にかかる光フィルタの実施の形態1〜5について詳細に説明する。
【0030】
(実施の形態1)
図1は、本発明にかかる実施の形態1の構成を示すブロック図である。この図において、図15の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。同図においては、図15に示した光ローパスフィルタ40(または60)に代えて、光ローパスフィルタ70(または80、90)が設けられている。
【0031】
図1には、例えば、デジタルスチルカメラ等の撮像装置の光学系(レンズ20、レンズ30、光ローパスフィルタ70(または80、90)およびCCDエリアセンサ50)が図示されている。
【0032】
光ローパスフィルタ70は、入射光における特定の空間周波数の光成分のみを透過させる光フィルタであり、結晶軸に対して異なる方向で切り出された複屈折性の材料が積層されてなる。
【0033】
図2は、図1に示した光ローパスフィルタ70の構成を示す側面図である。この図において、光ローパスフィルタ70は、複屈折板71、複屈折板72、色フィルタ73、複屈折板74が積層されてなる。
【0034】
複屈折板71、72および74は、複屈折結晶の一つである水晶であり、結晶軸に対して所定角度をもって切り出されている。これらの複屈折板71、72および74の屈折率は、1.5とされている。色フィルタ73は、例えば、赤外線をカットするためのフィルタである。
【0035】
複屈折板71は、入射光Piが入射される入射側の端面に反射防止構造部71aが形成されている。具体的には、図3に示したように、複屈折板71の端面には、高さhの断面波形状の突起体が、ピッチΛをおいて、反射防止構造部71aとして複数形成されている。
【0036】
この反射防止構造部71aは、一次元の周期構造物であり、可視光の波長帯域で回折光を生じさせない程度の微細な構造を有している。ここで、高さhは、100nm以上であることが望ましい。このように形成された反射防止構造部71aは、前述した反射防止膜46(図17参照)と同様にして、入射光Piの反射を防止する作用がある。
【0037】
具体的には、図4に示したように、反射防止構造部71a(但し、高さh=160nm、ピッチΛ=200nm)を有する光ローパスフィルタ70の場合、400nm〜700nmの波長帯域における光(TE波、TM波)の反射率が0.01(1%)以下とされ、反射率が極めて低く抑えられる。ピッチΛは、利用波長以下であり、回折光を生じさせない値とされている。
【0038】
図2に戻り、複屈折板71と複屈折板72とは、接着剤を用いることなく、研磨された接合面同士が圧力により直接接合されている。同様にして、複屈折板72と色フィルタ73、色フィルタ73と複屈折板74の双方は、研磨された接合面同士が圧力によりそれぞれ直接接合されている。
【0039】
複屈折板74は、複屈折板71と同様の構成とされており、常光および異常光の出射側の端面に反射防止構造部74aが形成されている。具体的には、図3に示したように、複屈折板74の端面には、複屈折板71と同様にして、高さhの断面波形状の突起体が、ピッチΛをおいて、反射防止構造部74aとして複数形成されている。
【0040】
図4に示したように、この反射防止構造部74a(但し、高さh=160nm、ピッチΛ=200nm)を有する光ローパスフィルタ70の場合にも、光(TE波、TM波)の反射率が0.01(1%)以下とされ、反射率が極めて低く抑えられる。
【0041】
上記構成において、図1に示した撮像対象10からの光がレンズ20および30により図2に示した光ローパスフィルタ70に入射光Piとして、複屈折板71に入射される。このとき、反射防止構造部71aにより、反射率が1%以下に抑えられ、ほとんどの光成分が入射する。そして、光ローパスフィルタ70内部を所定の空間周波数の光成分のみが透過し、複屈折により、常光および異常光がCCDエリアセンサ50のCCD51〜51にそれぞれ検知される。
【0042】
なお、実施の形態1では、複屈折結晶として、上述した水晶に代えて、リチウムナイオベートを用いてもよい。この場合には、図1においては、水晶からなる光ローパスフィルタ70に代えて、前述したリチウムナイオベートからなる光ローパスフィルタ80が用いられる。
【0043】
図5は、図1に示した光ローパスフィルタ80の構成を示す側面図である。この図において、光ローパスフィルタ80は、入射光Piにおける特定の空間周波数の光成分のみを透過させる光フィルタであり、結晶軸に対して異なる方向で切り出されたリチウムナイオベート、色フィルタが積層されてなる。
【0044】
具体的には、光ローパスフィルタ80は、複屈折板81、複屈折板82、色フィルタ83、複屈折板84が直接接合により積層されてなる。複屈折板81、82および84は、複屈折結晶の一つであるリチウムナイオベート(LN)であり、結晶軸に対して所定角度をもって切り出されている。これらの複屈折板81、82および84の屈折率は、前述したように2.3とされている。色フィルタ83は、例えば、赤外線をカットするためのフィルタである。
【0045】
複屈折板81は、入射光Piが入射される入射側の端面に反射防止構造部81aが形成されている。具体的には、図6に示したように、複屈折板81の端面には、高さhの断面三角形状の突起体が、ピッチΛをおいて、反射防止構造部81aとして複数形成されている。ここで、高さhは、200nm以上であることが望ましい。
【0046】
この反射防止構造部81aは、一次元の周期構造物であり、可視光の波長帯域で回折光を生じさせない程度の微細な構造を有している。このように形成された反射防止構造部81aは、前述した反射防止膜67(図20参照)と同様にして、入射光Piの反射を防止する作用がある。
【0047】
具体的には、図7に示したように、反射防止構造部81a(但し、高さh=380nm、ピッチΛ=200nm)を有する光ローパスフィルタ80の場合、400nm〜700nmの波長帯域における光(TE波、TM波)の反射率が0.01(1%)以下とされ、反射率が極めて低く抑えられる。
【0048】
図5に戻り、複屈折板81と複屈折板82とは、接着剤を用いることなく、研磨された接合面同士が圧力により直接接合されている。同様にして、複屈折板82と色フィルタ83、色フィルタ83と複屈折板84の双方は、研磨された接合面同士が圧力によりそれぞれ直接接合されている。
【0049】
複屈折板84は、複屈折板81と同様の構成とされており、常光および異常光の出射側の端面に反射防止構造部84aが形成されている。具体的には、図6に示したように、複屈折板84の端面には、複屈折板81と同様にして、高さhの断面三角形状の突起体が、ピッチΛをおいて、反射防止構造部84aとして複数形成されている。
【0050】
図7に示したように、この反射防止構造部84a(但し、高さh=380nm、ピッチΛ=200nm)を有する光ローパスフィルタ80の場合、光(TE波、TM波)の反射率が0.01(1%)以下とされ、反射率が極めて低く抑えられる。
【0051】
上記構成において、図1に示した撮像対象10からの光がレンズ20および30により図5に示した光ローパスフィルタ80に入射光Piとして、複屈折板81に入射される。このとき、反射防止構造部81aにより、反射率が1%以下に抑えられ、ほとんどの光成分が入射する。そして、光ローパスフィルタ80内部を所定の空間周波数の光成分のみが透過し、複屈折により、常光および異常光がCCDエリアセンサ50のCCD51〜51にそれぞれ検知される。
【0052】
また、実施の形態1では、図6に示した断面三角形状の反射防止構造部81aに代えて、図9に示した四角錐形状の反射防止構造部91aを有するリチウムナイオベートからなる光ローパスフィルタ90を用いてもよい。この場合、図1においては、レンズ30とCCDエリアセンサ50との間に光ローパスフィルタ90が配設される。
【0053】
図8は、図1に示した光ローパスフィルタ90の構成を示す側面図である。この図において、光ローパスフィルタ90は、光ローパスフィルタ80(図5参照)と同様にして、入射光Piにおける特定の空間周波数の光成分のみを透過させる光フィルタであり、結晶軸に対して異なる方向で切り出されたリチウムナイオベート、色フィルタが積層されてなる。
【0054】
具体的には、光ローパスフィルタ90は、複屈折板91、複屈折板92、色フィルタ93、複屈折板94が直接接合により積層されてなる。複屈折板91、92および94は、複屈折結晶の一つであるリチウムナイオベート(LN)であり、結晶軸に対して所定角度をもって切り出されている。色フィルタ93は、例えば、赤外線をカットするためのフィルタである。
【0055】
複屈折板91は、入射光Piが入射される入射側の端面に反射防止構造部91aが形成されている。具体的には、図9に示したように、複屈折板91の端面には、高さhの四角錐形状の突起体が、ピッチΛをおいて、反射防止構造部91aとして複数形成されている。ここで、高さhは、200nm以上であることが望ましい。
【0056】
この反射防止構造部91aは、二次元の周期構造物であり、可視光の波長帯域で回折光を生じさせない程度の微細な構造を有している。このように形成された反射防止構造部91aは、前述した反射防止膜67(図20参照)と同様にして、入射光Piの反射を防止する作用がある。
【0057】
具体的には、図10に示したように、反射防止構造部91a(但し、高さh=380nm、ピッチΛ=200nm)を有する光ローパスフィルタ90の場合、400nm〜700nmの波長帯域における光の反射率が0.005(0.5%)以下とされ、図7に示した光ローパスフィルタ80の反射率に比べて、反射率がさらに低く抑えられる。
【0058】
図8に戻り、複屈折板91と複屈折板92とは、接着剤を用いることなく、研磨された接合面同士が圧力により直接接合されている。同様にして、複屈折板92と色フィルタ93、色フィルタ93と複屈折板94の双方は、研磨された接合面同士が圧力によりそれぞれ直接接合されている。
【0059】
複屈折板94は、複屈折板91と同様の構成とされており、常光および異常光の出射側の端面に反射防止構造部94aが形成されている。具体的には、図9に示したように、複屈折板94の端面には、複屈折板91と同様にして、高さhの四角錐形状の突起体が、ピッチΛをおいて、反射防止構造部94aとして複数形成されている。
【0060】
図10に示したように、この反射防止構造部94a(但し、高さh=380nm、ピッチΛ=200nm)を有する光ローパスフィルタ90の場合、光の反射率が0.005(0.5%)以下とされ、反射率が低く抑えられる。
【0061】
上記構成において、図1に示した撮像対象10からの光がレンズ20および30により図8に示した光ローパスフィルタ90に入射光Piとして、複屈折板91に入射される。このとき、反射防止構造部91aにより、反射率が0.5%以下に抑えられ、ほとんどの光成分が入射する。そして、光ローパスフィルタ90内部を所定の空間周波数の光成分のみが透過し、複屈折により、常光および異常光がCCDエリアセンサ50のCCD51〜51にそれぞれ検知される。
【0062】
なお、実施の形態1においては、反射防止構造部の構造として、断面波形状(反射防止構造部71a:図3参照)、断面三角形状(反射防止構造部81a:図6参照)、四角錐形状(反射防止構造部91a:図9参照)等を例にとって説明したが、これらの形状に限定されることなく、反射防止の条件を満たす形状であればいかなるものであってもよい。
【0063】
例えば、反射防止の条件を満たす形状としては、異なる媒質の境界面において、屈折率が大きい媒質(上述の場合、水晶(=1.5)やリチウムナイオベート(=2.3))から、屈折率が小さい媒質(上述の場合、空気(=1.0))にかけて境界面と平行する断面積(開口面積)が変化する形状(上述した境界面と垂直方向の断面波形状、断面三角形状、四角錐形状(多角錐形状)等)が挙げられる。
【0064】
以上説明したように、実施の形態1によれば、図2に示した積層された複数の複屈折板71、複屈折板72、複屈折板74のうち、屈折率が異なる他の媒質(空気等)と接する複屈折板71および複屈折板74の境界面に利用波長以下のピッチ(回折光を発生させないピッチ)で反射防止構造部71a、反射防止構造部74a(図3参照)を形成することとしたので、マッチング膜や反射防止膜等の複数種類の膜が不要となり、コストを低減させることができる。
【0065】
また、実施の形態1によれば、光ローパスフィルタ70、80または90における複数の複屈折結晶板を、直接接合により積層することとしたので、接着剤への気泡混入が無くなり、歩留まりを向上させることができる。
【0066】
(実施の形態2)
さて、上述した実施の形態1においては、図2に示したように、複屈折板72と複屈折板74との間に色フィルタ73を介挿した構成について説明したが、色フィルタを出射側に設ける構成としてもよい。以下では、この構成例を実施の形態2として説明する。
【0067】
図11は、実施の形態2における光ローパスフィルタ100の構成を示す側面図である。この図において、光ローパスフィルタ100は、光ローパスフィルタ70(図2参照)と同様にして、入射光Piにおける特定の空間周波数の光成分のみを透過させる光フィルタであり、結晶軸に対して異なる方向で切り出された水晶、色フィルタが積層されてなる。
【0068】
具体的には、光ローパスフィルタ100は、複屈折板101、複屈折板102、複屈折板103および色フィルタ104が直接接合により積層されてなる。複屈折板101〜103のそれぞれは、複屈折結晶の一つである水晶であり、結晶軸に対して所定角度をもって切り出されている。色フィルタ104は、例えば、赤外線をカットするためのフィルタである。
【0069】
複屈折板101は、入射光Piが入射される入射側の端面に反射防止構造部101aが形成されており、複屈折板71(図3参照)と同一構造とされている。複屈折板101と複屈折板102とは、接着剤を用いることなく、研磨された接合面同士が圧力により直接接合されている。同様にして、複屈折板102と複屈折板103とは、研磨された接合面同士が直接接合されている。
【0070】
複屈折板103は、複屈折板101と同様の構成とされており、常光および異常光の出射側の端面に反射防止構造部103aが形成されている。複屈折板103と色フィルタ104とは、直接接合されている。
【0071】
なお、実施の形態2においては、光ローパスフィルタ100を水晶に代えて、リチウムナイオベートにより構成してもよい。この場合には、複屈折板101および103は、図6に示した複屈折板81および84、または図9に示した複屈折板91および94と同一の構造とされる。
【0072】
以上説明したように、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0073】
(実施の形態3)
さて、上述した実施の形態2においては、図11に示したように、出射側に反射防止構造部103aおよび色フィルタ104を設けた構成について説明したがこれらに代えて、干渉フィルタにより光反射を防止するとともに、赤外線をカットする構成としてもよい。以下では、この構成例を実施の形態3として説明する。
【0074】
図12は、実施の形態3における光ローパスフィルタ110の構成を示す側面図である。この図において、光ローパスフィルタ110は、光ローパスフィルタ70(図2参照)と同様にして、入射光Piにおける特定の空間周波数の光成分のみを透過させる光フィルタであり、結晶軸に対して異なる方向で切り出された水晶、干渉フィルタが積層されてなる。
【0075】
具体的には、光ローパスフィルタ110は、複屈折板111、複屈折板112、複屈折板113および干渉フィルタ114が直接接合により積層されてなる。複屈折板111〜113のそれぞれは、複屈折結晶の一つである水晶であり、結晶軸に対して所定角度をもって切り出されている。干渉フィルタ114は、光の反射を防止する機能と、赤外線をカットする機能とを兼ね備えたフィルタである。
【0076】
複屈折板111は、入射光Piが入射される入射側の端面に反射防止構造部111aが形成されており、複屈折板71(図3参照)と同一構造とされている。複屈折板111と複屈折板112とは、接着剤を用いることなく、研磨された接合面同士が圧力により直接接合されている。同様にして、複屈折板112と複屈折板113とは、研磨された接合面同士が直接接合されている。
【0077】
複屈折板113は、複屈折板111と同様の構成とされている。なお、複屈折板113には、反射防止構造部が形成されていない。複屈折板113と干渉フィルタ114とは、研磨された接合面同士が直接接合されている。
【0078】
なお、実施の形態3においては、光ローパスフィルタ110を水晶に代えて、リチウムナイオベートにより構成してもよい。この場合には、複屈折板111は、図6に示した複屈折板81、または図9に示した複屈折板91と同一の構造とされる。
【0079】
以上説明したように、実施の形態3によれば、実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0080】
(実施の形態4)
さて、上述した実施の形態2においては、図11に示したように、複屈折板103(反射防止構造部103a)と色フィルタ104とを直接接合した例について説明したが、この接合面のみ接着剤により接合してもよい。以下では、この構成例を実施の形態4として説明する。
【0081】
図13は、実施の形態3における光ローパスフィルタ120の構成を示す側面図である。この図において、光ローパスフィルタ120は、光ローパスフィルタ70(図2参照)と同様にして、入射光Piにおける特定の空間周波数の光成分のみを透過させる光フィルタであり、結晶軸に対して異なる方向で切り出された水晶、色フィルタが積層されてなる。
【0082】
具体的には、光ローパスフィルタ120は、複屈折板121、複屈折板122、複屈折板123、接着剤124および色フィルタ125が直接接合(および接着剤接合)により積層されてなる。複屈折板121〜123のそれぞれは、複屈折結晶の一つである水晶であり、結晶軸に対して所定角度をもって切り出されている。色フィルタ125は、例えば、赤外線をカットするためのフィルタである。
【0083】
複屈折板121は、入射光Piが入射される入射側の端面に反射防止構造部121aが形成されており、複屈折板71(図3参照)と同一構造とされている。複屈折板121と複屈折板122とは、接着剤を用いることなく、研磨された接合面同士が圧力により直接接合されている。同様にして、複屈折板122と複屈折板123とは、研磨された接合面同士が直接接合されている。
【0084】
複屈折板123は、複屈折板121と同様の構成とされており、常光および異常光の出射側の端面に反射防止構造部123aが形成されている。複屈折板123(反射防止構造部123a)と色フィルタ125とは、接着剤接合されている。
【0085】
なお、実施の形態4においても、光ローパスフィルタ120を水晶に代えて、リチウムナイオベートにより構成してもよい。この場合には、複屈折板121および123は、図6に示した複屈折板81および84、または図9に示した複屈折板91および94と同一の構造とされる。
【0086】
以上説明したように、実施の形態4によれば、接着剤124への気泡混入の可能性もあるが、従来に比べて、接着剤の層数が少ないため、実施の形態1とほぼ同様の効果を奏する。
【0087】
(実施の形態5)
さて、上述した実施の形態4においては、図13に示したように、複屈折板121〜123のそれぞれを圧力により直接接合した例について説明したが、直接接合に代えて、反射防止構造部と同様の構造を有するマッチング構造部(従来のマッチング膜の代用)を形成し、接合面同士を接着剤により接合してもよい。以下では、この構成例を実施の形態5として説明する。
【0088】
図14は、実施の形態5における光ローパスフィルタ130の構成を示す側面図である。この図において、光ローパスフィルタ130は、光ローパスフィルタ70(図2参照)と同様にして、入射光Piにおける特定の空間周波数の光成分のみを透過させる光フィルタであり、結晶軸に対して異なる方向で切り出されたリチウムナイオベート、色フィルタが積層されてなる。
【0089】
具体的には、光ローパスフィルタ130は、複屈折板131、複屈折板132、複屈折板133および色フィルタ134が接着剤接合により積層されてなる。複屈折板131〜133のそれぞれは、複屈折結晶の一つであるリチウムナイオベートであり、結晶軸に対して所定角度をもって切り出されている。色フィルタ134は、例えば、赤外線をカットするためのフィルタである。
【0090】
複屈折板131においては、入射光Piが入射される入射側の一端面に反射防止構造部131aが、他端面にマッチング構造部131bが形成されており、これらの反射防止構造部131aおよびマッチング構造部131bは、反射防止構造部81a(図6参照)と同一構造とされている。反射防止構造部131aは、光の反射を防止する機能を備えている。
【0091】
一方、マッチング構造部131bは、複屈折板131(屈折率=2.3)と、後述する接着剤135(屈折率=1.5)との間で屈折率の整合をとるための機能を備えている。
【0092】
複屈折板132は、複屈折板131とほぼ同一の構造とされている。但し、複屈折板132においては、両端面にマッチング構造部132aおよび132bが形成されている。マッチング構造部132aは、接着剤135(屈折率=1.5)と複屈折板132(屈折率=2.3)との間で屈折率の整合をとるための機能を備えている。
【0093】
一方、マッチング構造部132bも、複屈折板132(屈折率=2.3)と、後述する接着剤136(屈折率=1.5)との間で屈折率の整合をとるための機能を備えている。
【0094】
複屈折板133は、複屈折板132と同一の構造とされている。すなわち、複屈折板133においては、両端面にマッチング構造部133aおよび133bが形成されている。マッチング構造部133aは、接着剤136(屈折率=1.5)と複屈折板133(屈折率=2.3)との間で屈折率の整合をとるための機能を備えている。
【0095】
一方、マッチング構造部133bも、複屈折板133(屈折率=2.3)と、後述する接着剤137(屈折率=1.5)との間で屈折率の整合をとるための機能を備えている。
【0096】
また、複屈折板131(マッチング構造部131b)と複屈折板132(マッチング構造部132a)とは、接着剤135により接合されている。複屈折板132(マッチング構造部132b)と複屈折板133(マッチング構造部133a)とは、接着剤136により接合されている。また、複屈折板133(マッチング構造部133b)と色フィルタ134とは、接着剤137により接合されている。
【0097】
以上説明したように、実施の形態5によれば、従来のマッチング膜に代えて、複屈折板にマッチング構造部を形成することとしたので、マッチング膜や反射防止膜等の複数種類の膜が不要となり、コストを低減させることができる。
【0098】
以上本発明にかかる実施の形態1〜5について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成例はこれらの実施の形態1〜5に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0099】
例えば、実施の形態1〜5においては、複屈折材料として水晶およびリチウムナイオベートを例にとって説明したが、これらに限定されることなく、ルチル、方解石等の他の複屈折材料を用いてもよい。
【0100】
また、実施の形態1〜5においては、反射防止構造部やマッチング構造部の構造例について説明したが、例えば、水晶における構造例をリチウムナイオベート(その他の複屈折材料)に適用してもよく、その逆であってもよい。
【0101】
(付記1)複数の複屈折結晶板が積層されてなり、所定の空間周波数の光成分をフィルタリングする光フィルタにおいて、
前記複数の複屈折結晶板のうち、屈折率が異なる他の媒質と接する複屈折結晶板の境界面に利用波長以下のピッチで反射防止構造部が形成されていること、
を特徴とする光フィルタ。
【0102】
(付記2)前記反射防止構造部は、前記境界面において、屈折率が大きい媒質から、屈折率が小さい媒質にかけて境界面と平行する断面積が変化する形状であり、一次元の周期構造であることを特徴とする付記1に記載の光フィルタ。
【0103】
(付記3)前記反射防止構造部は、前記境界面に対して垂直方向の断面波形状であることを特徴とする付記2に記載の光フィルタ。
【0104】
(付記4)前記複数の複屈折結晶板は、水晶からなることを特徴とする付記3に記載の光フィルタ。
【0105】
(付記5)前記反射防止構造部は、前記境界面に対して垂直方向の断面三角形状であることを特徴とする付記2に記載の光フィルタ。
【0106】
(付記6)前記反射防止構造部は、前記境界面において、屈折率が大きい媒質から、屈折率が小さい媒質にかけて境界面と平行する断面積が変化する形状であり、二次元の周期構造であることを特徴とする付記1に記載の光フィルタ。
【0107】
(付記7)前記反射防止構造部は、多角錐形状であることを特徴とする付記6に記載の光フィルタ。
【0108】
(付記8)前記複数の複屈折結晶板は、リチウムナイオベートからなることを特徴とする付記2、5、6または7に記載の光フィルタ。
【0109】
(付記9)前記複数の複屈折結晶板は、直接接合により積層されてなることを特徴とする付記1〜8のいずれか一つに記載の光フィルタ。
【0110】
(付記10)前記反射防止構造部が形成された複屈折結晶板に、赤外線をカットする色フィルタが接着剤により接合されていることを特徴とする付記9に記載の光フィルタ。
【0111】
(付記11)前記複数の複屈折結晶板、および赤外線をカットする色フィルタが直接接合により積層されてなることを特徴とする付記1〜8のいずれか一つに記載の光フィルタ。
【0112】
(付記12)複数の複屈折結晶板が積層されてなり、所定の空間周波数の光成分をフィルタリングする光フィルタにおいて、
前記複数の複屈折結晶板のうち、光が入射する複屈折結晶板の境界面に利用波長以下のピッチで反射防止構造部を形成し、光が出射する複屈折結晶板に、赤外線をカットするとともに反射防止特性を有する干渉フィルタを直接接合したこと、
を特徴とする光フィルタ。
【0113】
(付記13)複数の複屈折結晶板が積層されてなり、所定の空間周波数の光成分をフィルタリングする光フィルタにおいて、
前記複数の複屈折結晶板のそれぞれには、両端面に、屈折率が異なる他の媒質と接する複屈折結晶板の境界面に利用波長以下のピッチで、反射を防止するとともに、屈折率のマッチングを採る微細構造部が形成されており、前記複数の複屈折結晶板は、接着剤により積層されていること、
を特徴とする光フィルタ。
【0114】
(付記14)前記微細構造部は、前記境界面において、屈折率が大きい媒質から、屈折率が小さい媒質にかけて境界面と平行する断面積が変化する形状であり、一次元の周期構造であることを特徴とする付記13に記載の光フィルタ。
【0115】
(付記15)前記微細構造部は、前記境界面に対して垂直方向の断面波形状であることを特徴とする付記14に記載の光フィルタ。
【0116】
(付記16)前記複数の複屈折結晶板は、水晶からなることを特徴とする付記15に記載の光フィルタ。
【0117】
(付記17)前記微細構造部は、前記境界面に対して垂直方向の断面三角形状であることを特徴とする付記14に記載の光フィルタ。
【0118】
(付記18)前記微細構造部は、前記境界面において、屈折率が大きい媒質から、屈折率が小さい媒質にかけて境界面と平行する断面積が変化する形状であり、二次元の周期構造であることを特徴とする付記13に記載の光フィルタ。
【0119】
(付記19)前記微細構造部は、多角錐形状であることを特徴とする付記18に記載の光フィルタ。
【0120】
(付記20)前記複数の複屈折結晶板は、リチウムナイオベートからなることを特徴とする付記14、17、18または19に記載の光フィルタ。
【0121】
(付記21)前記複屈折結晶板に、赤外線をカットする色フィルタが接着剤により接合されていることを特徴とする付記13〜20のいずれか一つに記載の光フィルタ。
【0122】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、積層された複数の複屈折結晶板のうち、屈折率が異なる他の媒質と接する複屈折結晶板の境界面に利用波長以下のピッチで反射防止構造部を形成することとしたので、マッチング膜や反射防止膜等の複数種類の膜が不要となり、コストを低減させることができるという効果を奏する。
【0123】
また、本発明によれば、反射防止構造部を、境界面において、屈折率が大きい媒質から、屈折率が小さい媒質にかけて境界面と平行する断面積が変化する形状とし、一次元の周期構造としたので、マッチング膜や反射防止膜等の複数種類の膜が不要となり、コストを低減させることができるという効果を奏する。
【0124】
また、本発明によれば、反射防止構造部を、境界面に対して垂直方向の断面波形状としたので、マッチング膜や反射防止膜等の複数種類の膜が不要となり、コストを低減させることができるという効果を奏する。
【0125】
また、本発明によれば、反射防止構造部を、境界面において、屈折率が大きい媒質から、屈折率が小さい媒質にかけて境界面と平行する断面積が変化する形状とし、二次元の周期構造としたので、マッチング膜や反射防止膜等の複数種類の膜が不要となり、コストを低減させることができるという効果を奏する。
【0126】
また、本発明によれば、複数の複屈折結晶板を、直接接合により積層することとしたので、接着剤への気泡混入が無くなり、歩留まりを向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる実施の形態1の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示した光ローパスフィルタ70の構成を示す側面図である。
【図3】図2に示した複屈折板71(74)の構成を示す斜視図である。
【図4】図2に示した光ローパスフィルタ70の反射特性を示すグラフである。
【図5】図1に示した光ローパスフィルタ80の構成を示す側面図である。
【図6】図5に示した複屈折板81(84)の構成を示す斜視図である。
【図7】図5に示した光ローパスフィルタ80の反射特性を示すグラフである。
【図8】図1に示した光ローパスフィルタ90の構成を示す側面図である。
【図9】図8に示した複屈折板91(94)の構成を示す斜視図である。
【図10】図8に示した光ローパスフィルタ90の反射特性を示すグラフである。
【図11】本発明にかかる実施の形態2における光ローパスフィルタ100の構成を示す側面図である。
【図12】本発明にかかる実施の形態3における光ローパスフィルタ110の構成を示す側面図である。
【図13】本発明にかかる実施の形態4における光ローパスフィルタ120の構成を示す側面図である。
【図14】本発明にかかる実施の形態5における光ローパスフィルタ130の構成を示す側面図である。
【図15】従来の撮像装置の概略構成を示す斜視図である。
【図16】従来の撮像装置の概略構成を示す平面図である。
【図17】図15および図16に示した光ローパスフィルタ40の構成を示す側面図である。
【図18】光ローパスフィルタの光線分離原理を説明する図である。
【図19】光ローパスフィルタの光線分離原理を説明する図である。
【図20】図15および図16に示した光ローパスフィルタ60の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
70 光ローパスフィルタ
71 複屈折板
71a 反射防止構造部
72 複屈折板
73 色フィルタ
74 複屈折板
74a 反射防止構造部
80 光ローパスフィルタ
81 複屈折板
81a 反射防止構造部
82 複屈折板
83 色フィルタ
84 複屈折板
84a 反射防止構造部
90 光ローパスフィルタ
91 複屈折板
91a 反射防止構造部
92 複屈折板
93 色フィルタ
94 複屈折板
94a 反射防止構造部
100 光ローパスフィルタ
110 光ローパスフィルタ
114 干渉フィルタ
120 光ローパスフィルタ
130 光ローパスフィルタ

Claims (5)

  1. 複数の複屈折結晶板が積層されてなり、所定の空間周波数の光成分をフィルタリングする光フィルタにおいて、
    前記複数の複屈折結晶板のうち、屈折率が異なる他の媒質と接する複屈折結晶板の境界面に利用波長以下のピッチで反射防止構造部が形成されていること、
    を特徴とする光フィルタ。
  2. 前記反射防止構造部は、前記境界面において、屈折率が大きい媒質から、屈折率が小さい媒質にかけて境界面と平行する断面積が変化する形状であり、一次元の周期構造であることを特徴とする請求項1に記載の光フィルタ。
  3. 前記反射防止構造部は、前記境界面に対して垂直方向の断面波形状であることを特徴とする請求項2に記載の光フィルタ。
  4. 前記反射防止構造部は、前記境界面において、屈折率が大きい媒質から、屈折率が小さい媒質にかけて境界面と平行する断面積が変化する形状であり、二次元の周期構造であることを特徴とする請求項1に記載の光フィルタ。
  5. 前記複数の複屈折結晶板は、直接接合により積層されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の光フィルタ。
JP2002164902A 2002-06-05 2002-06-05 光フィルタ Pending JP2004012720A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002164902A JP2004012720A (ja) 2002-06-05 2002-06-05 光フィルタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002164902A JP2004012720A (ja) 2002-06-05 2002-06-05 光フィルタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004012720A true JP2004012720A (ja) 2004-01-15

Family

ID=30432923

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002164902A Pending JP2004012720A (ja) 2002-06-05 2002-06-05 光フィルタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004012720A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007183366A (ja) * 2006-01-05 2007-07-19 Pentax Corp 防塵性光透過性部材及びその用途、並びにその部材を具備する撮像装置
JP2008058438A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Canon Electronics Inc 光学フィルタ
JP2009017305A (ja) * 2007-07-05 2009-01-22 Hoya Corp 防塵性光透過性部材の製造方法、その部材の用途、及びその部材を具備する撮像装置
JP2012133398A (ja) * 2012-03-26 2012-07-12 Canon Electronics Inc カメラ
JP2013077617A (ja) * 2011-09-29 2013-04-25 Toppan Printing Co Ltd 低反射構造を成型するための原版の製造方法および原版
US8665520B2 (en) 2006-08-30 2014-03-04 Canon Denshi Kabushiki Kaisha Neutral density optical filter and image pickup apparatus
JP2018146624A (ja) * 2017-03-01 2018-09-20 Agc株式会社 透過型回折素子および反射防止構造
WO2020261026A1 (en) * 2019-06-28 2020-12-30 3M Innovative Properties Company Structured surface and optical ferrule including same

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007183366A (ja) * 2006-01-05 2007-07-19 Pentax Corp 防塵性光透過性部材及びその用途、並びにその部材を具備する撮像装置
JP2008058438A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Canon Electronics Inc 光学フィルタ
US8665520B2 (en) 2006-08-30 2014-03-04 Canon Denshi Kabushiki Kaisha Neutral density optical filter and image pickup apparatus
JP2009017305A (ja) * 2007-07-05 2009-01-22 Hoya Corp 防塵性光透過性部材の製造方法、その部材の用途、及びその部材を具備する撮像装置
JP2013077617A (ja) * 2011-09-29 2013-04-25 Toppan Printing Co Ltd 低反射構造を成型するための原版の製造方法および原版
JP2012133398A (ja) * 2012-03-26 2012-07-12 Canon Electronics Inc カメラ
JP2018146624A (ja) * 2017-03-01 2018-09-20 Agc株式会社 透過型回折素子および反射防止構造
WO2020261026A1 (en) * 2019-06-28 2020-12-30 3M Innovative Properties Company Structured surface and optical ferrule including same
US11726266B2 (en) 2019-06-28 2023-08-15 3M Innovative Properties Company Structured surface and optical ferrule including same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6947215B2 (en) Optical element, optical functional device, polarization conversion device, image display apparatus, and image display system
EP1420275B1 (en) Isolator and optical attenuator
US20060092513A1 (en) Polarizing beam splitter and display including the same
JP4979549B2 (ja) 偏光分離素子及びそれを有する光学機器
TWI352825B (ja)
EP2128666B1 (en) Optical element and optical apparatus
JP2004012720A (ja) 光フィルタ
JP2009092730A (ja) 偏光変換素子
JP2007304573A (ja) 近紫外線及び赤外線カットフィルタ、近紫外線及び赤外線カットフィルタ付き複屈折板、光学ローパスフィルタ、及び撮像装置
JP4157634B2 (ja) 光アイソレータ
JP2001147404A5 (ja)
US8369015B2 (en) Optical element and optical apparatus
JP2007212694A (ja) ビームスプリッタ
JP2008116898A (ja) 光学フィルタ、投射型表示装置及び光学フィルタの製造方法
JP2006284656A (ja) 光反射防止光学系および撮像光学系
JP2001350024A (ja) 偏光ビームスプリッタ
JP2004177832A (ja) 光学フィルタ
JPH08278407A (ja) ビームスプリッター及び光ピックアップ用ビームスプ リッター
JP5468402B2 (ja) 光学デバイス
JP2005106879A (ja) 表面に多層膜を有するプリズムの製造方法
JP2007093900A5 (ja)
JP2000206325A (ja) 赤外線カットフィルタおよび赤外線カットフィルタを用いた撮像装置
JP2515042Y2 (ja) 複屈折板
JP4285032B2 (ja) 偏光ビーム変換素子及びその製造方法、液晶表示装置
JP2012108969A (ja) 光学素子、プリズム、偏光変換素子、光ピックアップ装置及び投射装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050527

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070405

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070501