JP2007304573A - 近紫外線及び赤外線カットフィルタ、近紫外線及び赤外線カットフィルタ付き複屈折板、光学ローパスフィルタ、及び撮像装置 - Google Patents

近紫外線及び赤外線カットフィルタ、近紫外線及び赤外線カットフィルタ付き複屈折板、光学ローパスフィルタ、及び撮像装置 Download PDF

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Shigeto Murakoso
成人 村社
Koji Yamaguchi
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Abstract

【課題】赤外線と近紫外線とを共にカットすることができる近紫外線及び赤外線カットフ
ィルタを提供すること。
【解決手段】光透過部材からなる基板2と、基板2の一方の主面に赤外線を防止する高屈
折率膜と低屈折率膜とを交互に重ねて積層した第1の多層膜2aと、基板2の他方の主面
に近紫外線を防止する高屈折率膜と低屈折率膜とを交互に重ねて積層した第2の多層膜2
bとを備え、第1の多層膜2aの総層数を20層以上、第2の多層膜2bの総層数を19
層以上として近紫外線及び赤外線カットフィルタを構成するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、近紫外線及び赤外線カットフィルタ、近紫外線及び赤外線カットフィルタ付
き複屈折板、これを用いた光学ローパスフィルタ及び撮像装置に関する。
近年、ビデオカメラやデジタルカメラの小型化、高性能化に伴って、これらに用いられ
る光学デバイスも、小型・高性能化が要求されるようになった。ビデオカメラやデジタル
カメラに用いられる固体撮像素子(Charge Coupled Device:以下「CCD」という)は
、光の強さに応じて蓄電容量が変化するシリコンフォトダイオードからなる光電素子(画
素)を、マトリクス状に配列して構成されている。このような固体撮像素子を用いて、対
象物を撮影すると、規則的に配列された画素上の蓄電容量が変化し、これを空間的にサン
プリングすることにより、観察した対象物に対応する電気信号を生成し、それを変換して
像を構成する。CCDは空間サンプリング素子であり、画素の周期(画素のピッチ)より
短い波長(高い空間周波数)の光が入ると、エイリアシングを生じ、干渉縞が生じる。所
謂モアレ現象が生じる。このため、固体撮像素子を用いた機器では、撮影像に含まれる空
間的な高周波成分を抑制すべく、光学ローパスフィルタ(Optical Low Pass Filter:以
下「OLPF」という)を用いている。
また、CCDは人の目には感じない赤外線まで感知するので、赤外線を除去して、視感
度補正を行うフィルタを光学ローパスフィルタと共に用いるのが一般的である。
光学ローパスフィルタは空間周波数の高い成分を除去するためのフィルタであり、複屈
折性を有する、例えば水晶などを用いて構成され、入射光を光学的に分離し、空間周波数
の高い成分の像をぼかすようにする。また、赤外線を除去するフィルタは、光学ガラスに
添加する成分により透過率を変え、赤外線を吸収するようにした赤外線吸収ガラス(以下
、IRガラスと称す)や、光学ガラスの面に誘電体膜を多層に形成し、その層数と夫々の
膜厚とを精度よく制御することにより、光の透過特性を変化させるコーティングタイプと
がある。
後者の例は、例えば特許文献1等に開示されている。図14に示すように、水晶等から
なる基板60の一方の面に総膜厚が2.4μm程度の多層膜61を形成し、基板60の他
方の面に総膜厚が2.0μm程度の多層膜62を形成する。多層膜61は、高屈折率膜の
五酸化ニオブ(Nb25)63と、低屈折率膜の二酸化シリコン(SiO2)64とが、
所定の厚さで、交互に20層積層された多層膜からなる。一方、多層膜62は同様にSi
2膜とNb25膜とが所定の厚さで、交互に19層積層された多層膜からなる。このよ
うに、高屈折率膜と低屈折率膜とを交互に積層して形成した多層膜は、赤外線カットフィ
ルタ(IRカットフィルタ)として機能し、可視光は透過するが、680nm以上の赤外
線の透過率を十分に小さくすると開示されている。なお、基板の両面にほぼ均等な厚さの
多層膜を設けることで、両面の多層膜の応力の釣り合いが取れるようにしたと開示されて
いる。
しかし、ビデオカメラやデジタルカメラの性能向上には、赤外線を防止するだけでは不
十分であり、レンズ系の近紫外線領域の色収差により、撮影された画像に紫色の輪郭ぼけ
が発生することが知られている。これは光学系を構成する媒質の屈折率が光の波長に依存
する性質があり、同一媒質であっても可視光に対する屈折率と、近紫外線に対する屈折率
とが異なることに起因している。そこで、UVカットフィルタを用い可視光は透過するが
、近紫外線以下の波長をほぼ吸収することにより、レンズ系で発生する色収差を除去して
映像信号の偽色を低減することが可能になると、特許文献2に開示されている。
また、特許文献3には図15に示すような光学フィルタユニット65が開示されている
。光学フィルタユニット65はCCDの受光面に重ねて設けられ、紫外線カットフィルタ
66と、光学ローパスフィルタ67と、赤外線カットフィルタ68と、光学ローパスフィ
ルタ69、70とからなる。光学ローパスフィルタ66、69、70は被写体光の空間周
波数の中から、CCDの画素間隔で決まる標本化空間周波数に近い空間周波数成分を低減
させるように作用する。この光学ローパスフィルタ66、69、70を設けたことにより
、偽色(モアレ)が生じるのを防止する。赤外線カットフィルタ68を設けることにより
、CCDが人間の目には見えない赤外光を受光するのを防止する。また、紫外線カットフ
ィルタ66は、CCDが撮像した画像に青色や紫色の色にじみが生じるのを防止すること
ができると開示されている。
図16は、水晶や光学ガラス等の基板の片面に1層、2層、3層・・と高屈折率膜の二
酸化チタン(TiO2)と、低屈折率膜の二酸化シリコン(SiO2)と、を交互に重ねて
積層した多層膜の、各層の膜の材質と、その膜の厚さ(μm)とを一覧表にした図である
。この多層膜により近紫外線カットフィルタ(UVカットフィルタ)と、赤外線カットフ
ィルタ(IRカットフィルタ)との機能を有するように構成した。図17が、図16に示
した多層膜からなる近紫外線及び赤外線カットフィルタ(UVIRカットフィルタ)の波
長(nm)−透過率(%)特性である。
特開2003−279726号公報 特開2003−46821号公報 特開2005−121723号公報
しかしながら、特許文献1に開示された赤外線カットフィルタ付き光学ローパスフィル
タは、赤外線をカットすると共に基板の反りを抑制できるものの、性能向上のため最近の
ビデオカメラやデジタルカメラに要求される近紫外線カット(UVカット)の機能を有し
ないという問題があった。
また、特許文献2、3に開示されたように、赤外線や近紫外線を吸収する素材を用いた
赤外線カットフィルタや近紫外線カットフィルタを用いることで、赤外線や近紫外線は防
止できるものの、フィルタユニットが大きくなり、最近の要求を満たさないという問題が
あった。
本発明は、赤外線と近紫外線とを共にカットする多層膜の近紫外線及び赤外線カットフ
ィルタ(UVIRカットフィルタ)と、これを用いた光学ローパスフィルタ及び撮像装置
を提供することにある。
本発明の近紫外線及び赤外線カットフィルタは、光透過部材からなる基板と、基板の一
方の主面に赤外線を防止する高屈折率膜と低屈折率膜とを交互に重ねて積層した第1の多
層膜と、基板の他方の主面に近紫外線を防止する高屈折率膜と低屈折率膜とを交互に重ね
て積層した第2の多層膜と、を備え、第1の多層膜の総層数を20層以上、前記第2の多
層膜の総層数を19層以上とした。このように構成した近紫外線及び赤外線カットフィル
タは、波長380nm以下の近紫外線と、波長680nmから1180nmの赤外線を大
幅にカットするという効果がある。
また、本発明の近紫外線及び赤外線カットフィルタ付き複屈折板は、複屈折性を有する
基板と、基板の一方の主面に赤外線を防止する高屈折率膜と低屈折率膜とを交互に重ねて
積層した第1の多層膜と、基板の他方の主面に近紫外線を防止する高屈折率膜と低屈折率
膜とを交互に重ねて積層した第2の多層膜と、を備え、第1の多層膜の総層数を20層以
上、第2の多層膜の総層数を19層以上とした。このように構成した近紫外線及び赤外線
カットフィルタ付き複屈折板は、波長380nm以下の近紫外線と、波長680nmから
1180nmの赤外線を反射するという効果がある。
本発明の光学ローパスフィルタは、本発明の近紫外線及び赤外線カットフィルタ付き複
屈折板と、1/4波長板と、複屈折板と、を備え、赤外線カットフィルタ付き複屈折板の
出射面側に1/4波長板と前記複屈折板とを配置した。このように構成した光学ローパス
フィルタは、最近の高級な光学ローパスフィルタに要求される、波長380nm以下の近
紫外線をカットすると共に、波長680nmから1180nm赤外線をカットして、仕様
を十分に満たすことができるという効果がある。
また本発明の光学ローパスフィルタは、1/4波長板をさらに備え、本発明の近紫外線
及び赤外線カットフィルタ付き複屈折板の入射面側に1/4波長板を配置した。このよう
に構成した光学ローパスフィルタは、高級な光学ローパスフィルタに要求される、波長3
80nm以下の近紫外線をカットすると共に、波長680nmから1180nm赤外線を
カットすると共に、例えば波打つ海面からのからの反射光があるような厳しい条件で撮影
するような場合にもデジタルカメラで撮影することが可能になるという効果がある。
また本発明の光学ローパスフィルタは、本発明の近紫外線及び赤外線カットフィルタ付
き複屈折板と、1/4波長板と、を備え、近紫外線及び赤外線カットフィルタ付き複屈折
板の入射面側に1/4波長板を配置した。このように構成した光学ローパスフィルタは、
一般的な光学ローパスフィルタに要求される、波長380nm以下の近紫外線をカットす
ると共に、波長680nmから1180nm赤外線をカットすると共に、例えば波打つ海
面からのからの反射光があるような厳しい条件で撮影するような場合にもデジタルカメラ
で撮影することが可能になるという効果がある。
また本発明の撮像装置は、本発明の光学ローパスフィルタを備えることを特徴とする。
このように構成した撮像装置は、近紫外線及び赤外線を防止する機能を有しているので、
赤外線による視感度の問題も解消し、光学系に起因する近紫外線の色収差、つまり、青色
や紫色の色にじみの問題も解決されるという効果がある。
以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る近紫外線及び赤外線カットフィルタ1の構成を示す斜視図であっ
て、光透過部材からなる基板2と、該基板2の一方の主面に赤外線を防止するための、高
屈折率膜と低屈折率膜とを交互に重ねて積層した第1の多層膜2aと、基板2の他方の主
面に近紫外線を防止するための、高屈折率膜と低屈折率膜とを交互に重ねて積層した第2
の多層膜2bと、を備えている。
高屈折率膜の材料としては二酸化チタン(TiO2)、五酸化ニオブ(Nb25)、五
酸化タンタル(Ta25)等があり、低屈折率膜の材料としては二酸化シリコン(SiO
2)、フッカマグネシウム(MgF2)等が知られている。例えば、高屈折率膜として二酸
化チタン(TiO2)を、低屈折率膜として二酸化シリコン(SiO2)を用い、赤外線カ
ットフィルタ(IRカットフィルタ)を形成すべく、図2に示すように基板2の図中上の
面に交互に積層する二酸化チタン膜の層数とその膜厚、二酸化シリコン膜の層数とその膜
厚を種々変え、周知の光に関するフィルタ理論を用いてIRカットフィルタのシミュレー
ションを行った。
その結果の一例を図3(a)に示す。
基板2に接する層を二酸化チタン膜とその厚さ0.017μm、次の層を二酸化シリコ
ン膜とその厚さ0.031μmと、交互に積層して、総層数を20層としてIRカット膜
を構成した。このIRカットフィルタの波長(nm)−透過率(%)特性を図4に示す。
次に、近紫外線カットフィルタ(UVカットフィルタ)を形成すべく、図2に示すよう
に基板2の図中下の面に交互に積層する二酸化シリコン膜の層数とその膜厚、二酸化チタ
ン膜の層数とその膜厚を種々変えて、UVカットフィルタのシミュレーションを行った。
その結果の一例を図3(b)に示す。
基板2に接する層を厚さ0.368μmの二酸化シリコン膜、次の層を厚さ0.011
μmの二酸化チタン膜と、交互に積層して総層数が19層からなるUVカット膜を構成し
た。このUVカットフィルタの波長(nm)−透過率(%)特性を図5に示す。なお、こ
のUVカット膜は可視光の反射防止(AR)を兼ねる機能を備えている。
本発明に係る近紫外線及び赤外線カットフィルタ(UVIRカットフィルタ)の波長(
nm)−透過率(%)特性は、図4に示すIRカットフィルタの波長(nm)−透過率(
%)特性と、図5に示すUVカットフィルタの波長(nm)−透過率(%)特性との積に
なるので、図6に示す波長(nm)−透過率(%)特性が得られた。図17に示した波長
(nm)−透過率(%)特性と比較して、300nmから320nmの近紫外線が大幅に
カットされると共に、赤外線領域でも1150nm近傍の赤外線が抑圧されることが判明
した。
図7は本発明に係る第2の実施例である光学ローパスフィルタの一例の構成を示す斜視
図であって、光学ローパスフィルタ3は、複屈折性を有する水晶基板5と、該基板5の一
方の主面に赤外線を防止するための、高屈折率膜と低屈折率膜とを交互に重ねて積層した
第1の多層膜5aと、基板2の他方の主面に近紫外線を防止するための、高屈折率膜と低
屈折率膜とを交互に重ねて積層した第2の多層膜5bと、1/4波長板6と、水晶板7と
、を備えている。本実施例のように、水晶基板5の両面に夫々赤外線カット膜(IRカッ
ト膜)5aと、近紫外線カット膜(UVカット膜)5bを形成することにより、光学ロー
パスフィルタ(OLPF)3を薄型化することが可能となり、最近のビデオカメラ、デジ
タルカメラ等の要求を満たすことができる。
図8は、図7に示した光学ローパスフィルタの分解斜視図である。互いに直交する光学
軸を有する2枚の水晶複屈折板5、7のうち、例えば水晶複屈折板5の一方の面にIRカ
ット膜を、他方の面にUVカット膜を夫々形成し、IR/UVARコート複屈折板4とい
うことにする。
入射光(ランダム光)9はIR/UVARコート0°複屈折板4(光学軸の方位角0°
)を通過する際に、入射光(ランダム光)9はIR/UVARコート0°複屈折板4の両
面に夫々形成されたIRカット膜とUVカット膜とにより、赤外線と近紫外線の成分がカ
ットされ、可視光のみが透過する。そして、IR/UVARコート0°複屈折板4の複屈
折性により常光線10と、異常光線11とに分離される。常光線10はIR/UVARコ
ート0°複屈折板4を直進し、異常光線11はY軸方向に屈折し、2本の偏光光に分離さ
れ、1/4波長板6に入射する。入射した常光線10と異常光線11とは、1/4波長板
6により夫々位相が90°変換されることにより、互いに回転方向が異なる円偏光12、
13に変換されて、90°複屈折板7に入射する。入射した円偏光12は、90°複屈折
板7により常光線14と、異常光線15とに分離され、常光線14は90°複屈折板7を
直線し、異常光線15はX軸方向に屈折し、常光線14と、異常光線15との2本の偏光
光に分離される。
また、円偏光13は、90°複屈折板7により常光線16と、異常光線17とに分離さ
れ、常光線16は90°複屈折板7を直進し、異常光線17は90°複屈折板7によりX
軸方向に屈折し、常光線16と、異常光線17の2本の偏光光に分離される。このように
、2枚の複屈折板5、7を備えた光学ローパスフィルタは入射光を4本の光線に分離する
作用を有している。
本発明の光学ローパスフィルタ3は、UVカット膜とIRカット膜とを備えているので
、赤外線による視感度の問題も解消し、光学系に起因する近紫外線の色収差、つまり、青
色や紫色の色にじみの問題も解決され、最近の高級なビデオカメラやデジタルカメラ等に
要求される、光学ローパスフィルタの規格を十分に満たすことができる。
図9は本発明に係る第3の実施例である光学ローパスフィルタの一例の構成を示す斜視
図であって、光学ローパスフィルタ18は、1/4波長板19と、IR/UVARコート
複屈折板20とを備えている。IR/UVARコート複屈折板20は、複屈折性を有する
水晶基板21(光学軸方位角45°)と、該基板21の一方の主面に赤外線を防止するた
めの、高屈折率膜と低屈折率膜とを交互に重ねて積層した第1の多層膜21aと、基板2
1の他方の主面に近紫外線を防止するための、高屈折率膜と低屈折率膜とを交互に重ねて
積層した第2の多層膜21bとからなる。第2の多層膜21bは反射防止(AR)の機能
を有している。
図10は、図9に示した光学ローパスフィルタ18の分解斜視図であって、その作用に
ついて説明する。入射光9が1/4波長板19に入射すると、該1/4波長板19により
円偏光21に変換されて出射し、IR/UVARコート45°複屈折板に入射する。IR
/UVARコート45°複屈折板を透過する際に、その両面に夫々形成されたIRカット
膜、UVカット膜により、赤外線と近紫外線がカットされ、可視光のみが透過することに
なる。さらに、45°複屈折性により、常光線22と異常光線23の2点に分離される。
つまり、入射光9は光学ローパスフィルタ18により、モアレ等を引き起こす疑似色信号
を除去し、2点に分離された出射光となる。その上、出射光は複屈折板21の両面に形成
されたIR膜、UV膜により、可視光のみとなる。
図11は、本発明に係る第4の実施例である光学ローパスフィルタ25の一例の構成を
示す斜視図、図12はその分解斜視図である。図7に示した光学ローパスフィルタ3と異
なる点は、光学ローパスフィルタ25の入射面に1/4波長板26が付加された点である
。1/4波長板26の作用は、90度位相を変換することにより、直線偏光を円偏光に、
また逆に円偏光を直線偏光に変換することである。それ以下の光学作用は図8で説明した
通りである。
図9、図11に示すように光学系の入射側に1/4波長板を設ける理由を説明する。波
打つ海面に自然光(ランダム光)が入射すると、その反射光には直線偏光光が含まれるこ
ととなり、該反射光が1/4波長板が入射側にない光学ローパスフィルタへ入射すると、
前記直線偏光と複屈折板の光学軸の方向が同一の場合、前記直線偏光が複屈折板で分離さ
れることなく次の光学素子へ入射することになるので、画像の色再現等に悪影響を及ぼし
てしまうこととなる。そこで、水面から反射してきた自然光が光学ローパスフィルタに入
射する際に、複屈折板に自然光が入射する前に、確実に全ての光成分をランダム光(円偏
光)とした上で、複屈折板に入射させ入射光全てを常光、異常光に分割せしめて撮像素子
へ導くことにより画像の色再現性等を高めるという手法(図9、図11の構造)が好適な
のである。
以上の光学ローパスフィルタについての説明では複屈折板に水晶板を用いて説明したが
、ニオブ酸リチウム、ルチル、四酸化バナジウム(YVO4)、光学異方性高分子成形体
等の複屈折性を有する材料を用いてよい。また、水晶複屈折板の光学軸が0度、90度、
45度のものを用いて説明したが、光学軸が他の角度のものを用いて構成してもよいこと
は説明するまでもない。1/4波長板としては水晶波長板、樹脂波長板、構造複屈折の波
長板等がある。また、光透過材、例えば光学ガラスの両面に夫々IRカット膜、UVカッ
ト膜を形成したUV/IRカットフィルタと、1/4波長板、複屈折板を用いて前記の光
学ローパスフィルタを形成してもよい。
図13は、本発明に係る第5の実施例の撮像装置50の構造を示す断面図であって、凹
陥型のセラミックパッケージ51と、個体撮像素子(CCD等)52と、上記で説明した
光学ローパスフィルタ53と、から構成される。撮像装置50は、セラミックパッケージ
51の凹部底面に個体撮像素子(CCD等)52を埋め込み、個体撮像素子(CCD等)
52の端子(図示しない)と、セラミックパッケージ51の端子(図示しない)とを電気
的に接続する。そして、セラミックパッケージ51の上部周縁に形成された段差部に、本
発明に係る光学ローパスフィルタ53をはめ込み、接着剤等で密閉する。光学ローパスフ
ィルタ53は、図7、図9、図11で説明した光学ローパスフィルタのいずれかを用いる

本発明の撮像装置は近紫外線及び赤外線を防止する機能を有しているので、赤外線によ
る視感度の問題も解消し、光学系に起因する近紫外線の色収差、つまり、青色や紫色の色
にじみの問題も解決されるという効果がある。
本発明に係る近紫外線及び赤外線カットフィルタの概略斜視図。 図1の膜構成要素の詳細を示す図。 (a)はIRカット膜の各層の材質とその膜厚を示す図、(b)はUVカット膜の各層の材質とその膜厚を示す図。 IRカット膜の波長(nm)−透過率(%)特性を示す図。 UVカット膜の波長(nm)−透過率(%)特性を示す図。 UV及びIRカット膜の波長(nm)−透過率(%)特性を示す図。 UV及びIRカット膜付き光学ローパスフィルタの斜視図。 図7の分解斜視図。 UV及びIRカット膜付き光学ローパスフィルタの斜視図。 図9の分解斜視図。 UV及びIRカット膜付き光学ローパスフィルタの斜視図。 図11の分解斜視図。 UV及びIRカット膜付き光学ローパスフィルタを用いた撮像装置を示す図。 従来のIRカット膜付き光学ローパスフィルタの構成を示す図。 光学フィルタユニットの構成を示す断面図。 従来のUV及びIRカットフィルタの構成を示す図。 図12のフィルタの波長(nm)−透過率(%)特性を示す図。
符号の説明
1…近紫外線及び赤外線カットフィルタ、2…光透過部材、2a,5a,21a,28
a…赤外線カット膜、2b,5b,21b,28b…近紫外線カット膜、L3…酸化チタ
ン膜、L2…酸化シリコン膜、3,18,25,53…近紫外線及び赤外線カット膜付き
光学ローパスフィルタ、4,20,27…近紫外線及び赤外線カット膜付き複屈折板、5
,7,21,28,30…複屈折板、6,19,26,29…1/4波長板、9…光軸、
10,14,16,22,32,36,38…常光線、11,15,17,23,33,
37,39…異常光線、12,13,19',21,31,34,35…円偏光、4x,
4z,7y,7z,20x,20z,27x,27z,30y,30z…光軸、50…撮
像装置、51…セラミックパッケージ、52…CCD。

Claims (6)

  1. 光透過部材からなる基板と、
    前記基板の一方の主面に赤外線を防止する高屈折率膜と低屈折率膜とを交互に重ねて積
    層した第1の多層膜と、
    前記基板の他方の主面に近紫外線を防止する高屈折率膜と低屈折率膜とを交互に重ねて
    積層した第2の多層膜と、を備え、
    前記第1の多層膜の総層数を20層以上、前記第2の多層膜の総層数を19層以上とし
    たことを特徴とする近紫外線及び赤外線カットフィルタ。
  2. 複屈折性を有する基板と、
    前記基板の一方の主面に赤外線を防止する高屈折率膜と低屈折率膜とを交互に重ねて積
    層した第1の多層膜と、
    前記基板の他方の主面に近紫外線を防止する高屈折率膜と低屈折率膜とを交互に重ねて
    積層した第2の多層膜と、を備え、
    前記第1の多層膜の総層数を20層以上、前記第2の多層膜の総層数を19層以上とし
    たことを特徴とする近紫外線及び赤外線カットフィルタ付き複屈折板。
  3. 請求項2に記載の近紫外線及び赤外線カットフィルタ付き複屈折板と、1/4波長板と
    、複屈折板と、を備え、前記赤外線カットフィルタ付き複屈折板の出射面側に前記1/4
    波長板と前記複屈折板とを配置したことを特徴する光学ローパスフィルタ。
  4. 1/4波長板をさらに備え、前記近紫外線及び赤外線カットフィルタ付き複屈折板の入
    射面側に1/4波長板を配置したことを特徴とする請求項3に記載の光学ローパスフィル
    タ。
  5. 請求項2に記載の近紫外線及び赤外線カットフィルタ付き複屈折板と、1/4波長板と
    、を備え、前記近紫外線及び赤外線カットフィルタ付き複屈折板の入射面側に前記1/4
    波長板を配置したことを特徴とする光学ローパスフィルタ。
  6. 請求項3乃至5のいずれか一項に記載の光学ローパスフィルタを備えたことを特徴とす
    る撮像装置。
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