JP2008056518A - サファイア単結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】単結晶内にある小傾角粒界を低減し、気泡を低減させたサファイア単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】サファイア単結晶の育成軸をC軸([0001]の向き)から0.1〜15度の範囲内で傾けて単結晶サファイアを育成するサファイア単結晶の製造方法。ここで、サファイア単結晶は、引上げ法又はキロプロス法により製造され、傾ける向きは、a軸の向き、m軸の向き、又はa軸の向きとm軸の向きを合成した向きのいずれでもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、青色発光ダイオードや電子デバイスなどの基板として用いられるサファイア単結晶の製造方法に関するものである。
サファイアは、六方晶系の結晶構造を有する酸化アルミニウムであり、雑誌「エレクトロニクス」1994年6月号34−37頁に掲載されているように、青色発光ダイオードとして使用される窒化ガリウム膜をMOCVD法などで堆積するための基板として用いられている。
単結晶窒化ガリウム膜は、特定の方向にθ°だけ傾けた表面を持つサファイアC面基板上に成長させるのが一般的である。いわゆるθ°のオフ角のついたサファイア基板の例としては、C面がm軸方向に約0.1°のオフ角を有する基板が例示できる。
サファイア単結晶は、一般的に、チョコルスキー(チョクラルスキー)法、キロプロス(キロポーラス;Kyropoulos)法又はEFG(Edge−defined Film−fed Growth)法などによって製造される。これらの方法では、所定方位の結晶面を有するサファイア単結晶の種結晶をサファイア融液につけてから、単結晶をゆっくり成長させて作製する(特許文献1参照)。
サファイア単結晶を作製する工程として、引上げ法の場合は、イリジウムるつぼに高純度アルミナ原料を所定量チャージして、融点である2,040℃以上に加熱して融液状態にする。その後、所定方位の結晶面を有するサファイア単結晶の種をゆっくり下げて融液に浸漬し、所定の温度範囲に調整してから、数mm/hrの速度で引上げ、2〜4インチの直径の所定形状に成長させる。引上げ後に、ゆっくり温度を室温まで下げる。さらに結晶に残っている熱歪を低減するためにアニール処理を行っている。
キロプロス法の場合は、モリブデンるつぼ又はモリブデンタングステン合金るつぼに、高純度アルミナ原料を所定量チャージして、融点である2,040℃以上に加熱して、融液状態にする。その後、成長させるための所定の方位を有するサファイア単結晶の種を、水冷したシャフトの先端に取り付けて、その種をゆっくり下げて、融液に浸漬して、所定の温度範囲に調整してから、最初は、1mm/hrの速度で、所定直径に広げた後に、るつぼ温度を0.数℃〜数℃/時間と、ゆっくり温度を下げて、るつぼの中で結晶を成長させていき、るつぼ底まで成長させた後に、ゆっくり温度を室温まで下げる。
このとき、方位によっては、結晶が成長しやすい方位、逆に、成長しにくい方位が存在する。サファイア結晶の場合は、[1120]方位もしくは[1102]方位で引上げると、単結晶が比較的容易に成長する。それとは反対に[0001]方位で成長させる場合は、単結晶が比較的成長しにくいか、又は単結晶に小傾角粒界や気泡が入りやすい。
小傾角粒界とは、育成した単結晶を切断した断面の中で、数度以下の範囲ではあるが、微妙に面方位がずれていることをいう。この欠陥は、切断したサファイア結晶の両端面を研磨して透明にした状態で、直交偏光状態で観察するか、サファイア結晶から約1mmの厚みのウエーハを切断して、そのウエーハをX線トポグラフにより観察することができる。
[0001]方位に引上げる場合は、特許文献2にあるように、メルト直上10mmでの温度勾配が、少なくとも30℃/cm以上にすることで、欠陥の少ない結晶を引上げることが可能であるが、しかし温度勾配を大きくすることは、引上げ時に歪が入りやすく、クラックの原因になる。そのため、この米国特許出願公開でもアニールを行うことがポイントになっている。
また、非特許文献1にあるように、Tiを数−数十ppm添加して、小傾角粒界を低減する方法がある。これは、小傾角粒界のすきまに、サファイアの構成元素であるAl原子の配置に、Alよりもイオン半径が大きいTiを高濃度に偏析させ、Tiによってピン止め効果により、その小傾角粒界がそれ以上広がらなくする方法である。
しかしTiは、不活性雰囲気では揮散しやすく、イオン価数も4価、3価と不安定で、サファイア結晶にドープすると、うすくピンク色に着色してしまい、窒化ガリウム膜の光学特性が劣化する懸念があるといわれている。
また、青色発光ダイオードや電子デバイスなどに使用される窒化ガリウム(GaN)膜をエピタキシャル成長させる基板として用いられるサファイア単結晶は、前述したように、C面から特定方向に故意に傾けたオフ角基板として使用する。
具体的には[0001]方位に対して、0.05〜1度の範囲において、[1120]方位(a軸の向き)又は[1120]方位に垂直かつ[0001]方位に垂直な方向(m軸の向き)に、傾けて使用するのが一般的である。このため、[1120]方位で引上げると引上げ方位と、デバイスに使用する基板方位が合致しなくなる。
そのため、[1120]方位で成長させた場合は、成長させる方位と垂直な方向から結晶をくりぬいてから、デバイスに使用する基板として加工しなくてはならない。
したがって、[1120]方位で成長させた場合は、くりぬくためには、結晶直径を少なくとも1.2倍以上の大きさにしなくてはならず、またくりぬいた残りの結晶は、製品として使用できずに、ムダになってしまう。
また、[1102]方位で成長させた場合は、成長方向に対して斜め方向に結晶をくりぬいてから、デバイスに使用する基板として加工しなくてはならない。したがってこの方位の場合は、[1120]方位よりもさらに手間を要する。
加えて、上述のように、従来のサファイア単結晶の製造方法では、単結晶内にある小傾角粒界が多く、また気泡が多く含まれるのも問題であった。
特開昭61−247683号公報 米国特許出願公開第2004/0177802号明細書 Journal of Materials Science,2001年,vol.36('01),p.2295-2301
本発明が解決しようとする課題は、サファイア単結晶を育成する場合、特に引上げ法又はキロプロス法で成長させる場合において、単結晶内にある小傾角粒界を低減し、気泡を低減させたサファイア単結晶の製造方法を提供することである。
本発明が解決しようとする課題は、下記1)の手段により解決された。好ましい実施形態である2)〜9)と共に以下に記載する。
1)サファイア単結晶の育成軸をC軸([0001]の向き)から0.1〜15度の範囲内で傾けて単結晶サファイアを育成することを特徴とするサファイア単結晶の製造方法、
2)サファイア単結晶の育成軸をC軸から0.1〜15度の範囲内で傾けて単結晶サファイアを引上げる1)に記載のサファイア単結晶の製造方法、
3)サファイア単結晶の引上げ軸をC軸からa軸([1120]の向き)方向に0.1〜15度の範囲内で傾けて単結晶サファイアを引上げる2)に記載のサファイア単結晶の製造方法、
4)サファイア単結晶の引上げ軸をC軸からm軸(C軸とa軸とに垂直な向き)方向へ0.1〜15度の範囲内で傾けて単結晶サファイアを引上げる2)に記載のサファイア単結晶の製造方法、
5)サファイア単結晶の引上げ軸を、a軸方向とm軸方向の両成分を合成した特定の向きにC軸から0.1〜15度の範囲内で傾けて単結晶サファイアを引上げる2)に記載のサファイア単結晶の製造方法、
6)サファイア単結晶の結晶成長軸をC軸から0.1〜15度の範囲内で傾けて、キロプロス(Kyropoulos)法により単結晶サファイアを結晶成長させる1)に記載のサファイア単結晶の製造方法、
7)サファイア単結晶の結晶成長軸をC軸から[1120]の向きに0.1〜15度の範囲内で傾けて結晶成長させる6)に記載のサファイア単結晶の製造方法、
8)サファイア単結晶の成長軸をm軸方向に0.1〜15度の範囲内で傾けて単結晶サファイアを成長させる6)に記載のサファイア単結晶の製造方法、
9)サファイア単結晶の成長軸をa軸方向とm軸方向の両成分を合成した特定の向きにC軸から0.1〜15度の範囲内で傾けて単結晶サファイアを成長させる6)に記載のサファイア単結晶の製造方法。
なお、C軸とは[0001]の向きをいい、a軸とは[1120]の向きをいい、また、m軸とはa軸及びC軸に垂直な向きをいう。図1にC軸、a軸及びm軸の関係を示した。
サファイア単結晶を引上げ法もしくはキロプロス法で作製する場合において、成長方位を、[0001]の向き、すなわちC軸から0.1〜15度の範囲内で傾けた方位にて、結晶を成長させることによって、結晶内部に入る小傾角粒界などの結晶欠陥を抑制することが可能になった。
本発明のサファイア単結晶の製造方法は、サファイア単結晶の育成軸をC軸から0.1〜15度の範囲内で傾けて単結晶サファイアを育成することを特徴とする。
ここで、単結晶サファイアを「育成する」とは、単結晶サファイアを引上げ法によって「引上げる」こと、及び、単結晶サファイアをキロプロス法によって「成長させる」ことを含む。
引上げ方向又は成長方位が、[1120]方位の場合、小傾角粒界は、結晶成長方位に対して、結晶外周部に抜ける方向に広がっていく。そのため、種付けしてから、成長させていくと、コーンもしくは直胴部の早い位置で、小傾角粒界がほとんど外に抜けてしまって、それより以降の成長した結晶には、小傾角粒界が少ない状態になっている。成長方位に直角な方向に切断したウエーハを、直交偏光下で観察すると、小傾角粒界がほとんどみえない。
しかし、成長方位が、[0001]方位(C軸)の場合、小傾角粒界は、結晶成長方位に対して、結晶外周部に抜けずに、そのまま真直ぐ伸びていく方向に広がっていく。そのため、種付けしてから、成長させていくと、最初に入った小傾角粒界の多くは、そのまま残ってしまい、また成長途中で入った小傾角粒界も抜けずに残ってしまうため、直胴後半の結晶内部は、かなりの小傾角粒界が入ってしまい、結晶品質が大幅に低下してしまう。成長方位に直角な面で切断したウエーハを、直交偏光下で観察すると、小傾角粒界が多く入っている。
そこで、単結晶の育成軸を[0001]方位(C軸)から、[1120]方位(a軸)の向きに、0.1〜15度の範囲内で傾けると、小傾角粒界も結晶外周部に抜ける方向になるため、小傾角粒界や気泡などの結晶欠陥が少なくなる。なお傾ける方向として、a軸の向きでなくて、C軸及びa軸の向きに垂直な方位(m軸の向き)であっても、またはa軸方向とm軸方向を両成分を合成した特定の向きでも、小傾角粒界が結晶外周部に抜けることが可能になる。
なお、傾ける角度が0.1度以下であると、小傾角粒界が引上げ方位に対して広がる角度が小さいため、結晶外周に向かって抜けにくくなって、小傾角粒界が引上げた結晶内に残ってしまう傾向が強い。
また、傾ける角度が15度を越えると、小傾角粒界が引上げ方位に対して広がる角度が大きくなるため、小傾角粒界が引上げた結晶の外周に向かって抜けていくが、成長する結晶面が本来の方位よりずれるので、成長しやすい異なった方位面が出現しやすく、そこからクラックが入りやすくなる。
このことから、C軸から傾ける角度は、0.1〜15度の範囲が好ましく、1〜12度がより好ましく、5〜10度の範囲が特に好ましい。
(実施例1)
サファイア単結晶(化学式:Al23)を引上げるためのイリジウム150φるつぼに、住友化学(株)製の4N焼結原料を7,000g仕込み、高周波加熱法にてイリジウムるつぼをサファイアの融点2,040℃以上に加熱して、原料を融解させた。
引上げるときの融液直上50mmまでの温度勾配を20℃/cmになるように、ジルコニアセラミックなどを用いて断熱構造を組立てた。
次いでC軸([0001]方位)に対して5度だけa軸([1120]方位)の向きに傾けたサファイア単結晶の種をゆっくり融液に浸漬させてから、回転数を20rpmに保ち、引上げ速度3mm/hrで引上げて直径80mm長さ50mmの結晶を成長させた。その後100℃/hrで室温までゆっくり温度を下げて結晶を取り出した。
取り出した結晶を、ダイヤ内周刃切断装置でテイル側を切断し、そこから厚さ1mmのウエーハを切り出して、両面を研磨して、直交偏光下で観察すると、小傾角粒界がほとんどみえなかった。また、切断した結晶の両端面をダイヤで研磨して、He−Neレーザで観察したところ、散乱中心が少なく、気泡は入っていなかった。
(実施例2)
サファイア単結晶(化学式:Al23)を引上げるためのイリジウム150φるつぼに住友化学(株)製の4N焼結原料を7,000g仕込み、高周波加熱法にてイリジウムるつぼをサファイアの融点2,040℃以上に加熱して、原料を融解させた。
引上げるときの融液直上50mmまでの温度勾配を20℃/cmになるように、ジルコニアセラミックなどを用いて断熱構造を組立てた。
次いでC軸から2度だけa軸([1120])方位に傾き、かつ2度だけm軸(図1参照)方位に傾く、両方位を合成した方向にC軸から約5度傾けた向きに、サファイア単結晶の種をゆっくり融液に浸漬させてから、回転数20rpm、引上げ速度3mm/hで引上げて直径80mm長さ50mmの結晶を成長させた。その後100℃/hrでゆっくり温度を下げて結晶を取り出した。
その結晶を、ダイヤ内周刃切断装置でテイル側を切断し、そこから厚さ1mmのウエーハを切り出して、両面を研磨して、直交偏光下で観察すると、小傾角粒界がほとんどみえなかった。また、切断した結晶の両端面をダイヤで研磨して、He−Neレーザで観察したところ、散乱中心が少なく、気泡は入っていなかった。
(実施例3)
サファイア単結晶(化学式:Al23)をキロプロス法で成長させるためのモリブデン200φるつぼに、住友化学製の4N焼結原料を8,000g仕込み、カーボンヒータによる抵抗加熱法にてモリブデンるつぼをサファイアの融点2,040℃以上に加熱して、原料を融解させた。
成長させるときの融液直上50mmまでの温度勾配を5℃/cmになるように、モリブデン、もしくはタングステンモリブデン合金などを用いて断熱構造を組立てた。
水冷させているシャフトの先端に、[0001]方位に対して5度だけ[1120]方位の方向に傾けたサファイア単結晶の種をゆっくり融液に浸漬させてから、回転はさせずに、引上げ速度1mm/hで引上げて直径180mm長さ5mmの結晶を成長させた。
その後、1−2℃/時間で温度を下げて、融液の中で結晶を成長させていった。そうすると、結晶はるつぼ壁近くまで広がり、かつ融液量を低減させながらゆっくり成長していく。るつぼ底に近づくまで広がると、ゆっくり結晶を上げながら、切離していった。次いで、100℃/hrでゆっくり温度を室温まで下げて結晶を取り出した。
その結晶を、ダイヤ内周刃切断装置でテイル側を切断し、そこから厚さ1mmのウエーハを切り出して、両面を研磨して、直交偏光下で観察すると、小傾角粒界が少なかった。また、切断した結晶の両端面をダイヤで研磨して、He−Neレーザで観察したところ、散乱中心が少なく、気泡は入っていなかった。
(実施例4)
サファイア単結晶(化学式:Al23)をキロプロス法で成長させるためのモリブデン200φるつぼに、住友化学(株)製の4N焼結原料を8,000g仕込み、カーボンヒータによる抵抗加熱法にてモリブデンるつぼをサファイアの融点2,040℃以上に加熱して、原料を融解させた。
成長させるときの融液直上50mmまでの温度勾配を5℃/cmになるように、モリブデン、もしくはタングステンモリブデン合金などを用いて断熱構造を組立てた。
水冷させているシャフトの先端に、C軸に対して5度だけ[1120]方位に垂直な方向に傾けたサファイア単結晶の種をゆっくり融液に浸漬させてから、回転はさせずに、引上げ速度1mm/hrで引上げて直径180mm長さ5mmの結晶を成長させた。
その後、1−2℃/hrで温度を下げて融液の中で、結晶を成長させていった。そうすると、結晶はるつぼ壁近くまで広がり、かつ融液量を低減させながら、ゆっくり成長していった。るつぼ底に近づくまで広がると、ゆっくり結晶を上げながら、切離した。そして、100℃/hrでゆっくり温度を下げて結晶を取り出した。
その結晶を、ダイヤ内周刃切断装置でテイル側を切断し、そこから厚さ1mmのウエーハを切り出して、両面を研磨して、直交偏光下で観察すると、小傾角粒界が少なかった。また、切断した結晶の両端面をダイヤで研磨して、He−Neレーザで観察したところ、散乱中心が少なく、気泡は入っていなかった。
(比較例1)
実施例1、2と同じように、サファイア単結晶(化学式:Al23)を引上げるためのイリジウム150φるつぼに、住友化学(株)製の4N焼結原料を5,000g仕込み、高周波加熱法にてイリジウムるつぼをサファイアの融点2,040℃以上に加熱して、原料を融解させた。
引上げるときの融液直上50mmまでの温度勾配を20℃/cmになるように、ジルコニアセラミックなどを用いて断熱構造を組立てた。
そこに[0001]方位のサファイア単結晶の種をゆっくり融液に浸漬させてから、回転数20rpm、引上げ速度3mm/hrで引上げて直径80mm長さ50mmの結晶を成長させた。その後100℃/hrでゆっくり温度を下げて結晶を取り出した。
その結晶を、ダイヤ内周刃切断装置でテイル側を切断し、そこから厚さ1mmのウエーハを切り出して、両面を研磨して、直交偏光下で観察すると、小傾角粒界とみられるスジが、全面に放射状にみられた。また、切断した結晶の両端面をダイヤで研磨して、He−Neレーザで観察したところ、散乱中心が結晶中央部5φにみえて、その部分に気泡が入っていた。
(比較例2)
実施例1、2と同じように、サファイア単結晶(化学式:Al23)を引上げるためのイリジウム150φるつぼに、住友化学製の4N焼結原料を5,000g仕込み、高周波加熱法にてイリジウムるつぼをサファイアの融点2,040℃以上に加熱して、原料を融解させた。
引上げるときの融液直上50mmまでの温度勾配を20℃/cmになるように、ジルコニアセラミックなどを用いて断熱構造を組立てた。
そこに[0001]方位から20度だけ[1120]方位に傾けたサファイア単結晶の種をゆっくり融液に浸漬させてから、回転数20rpm、引上げ速度3mm/hで引上げて直径80mm長さ50mmの結晶を成長させた。その後100℃/hrでゆっくり温度を下げて結晶を取り出した。
その結晶を、ダイヤ内周刃切断装置でテイル側を切断し、そこから厚さ1mmのウエーハを切り出して、両面を研磨して、直交偏光下で観察すると、小傾角粒界とみられるスジが、全面に放射状にみられた。また、切断した結晶の両端面をダイヤで研磨して、He−Neレーザで観察したところ、散乱中心が結晶中央部10φにみえて、その部分に気泡が入っていた。
サファイア単結晶の引上げ軸がC軸からm軸の方向に0.1°のオフ角を有する場合を示す概念図である。なお、C軸、a軸及びm軸は相互に直交している。

Claims (9)

  1. サファイア単結晶の育成軸をC軸([0001]の向き)から0.1〜15度の範囲内で傾けて単結晶サファイアを育成することを特徴とするサファイア単結晶の製造方法。
  2. サファイア単結晶の育成軸をC軸から0.1〜15度の範囲内で傾けて単結晶サファイアを引上げる請求項1に記載のサファイア単結晶の製造方法。
  3. サファイア単結晶の引上げ軸をC軸からa軸([1120]の向き)方向に0.1〜15度の範囲内で傾けて単結晶サファイアを引上げる請求項2に記載のサファイア単結晶の製造方法。
  4. サファイア単結晶の引上げ軸をC軸からm軸(C軸とa軸とに垂直な向き)方向へ0.1〜15度の範囲内で傾けて単結晶サファイアを引上げる請求項2に記載のサファイア単結晶の製造方法。
  5. サファイア単結晶の引上げ軸を、a軸方向とm軸方向の両成分を合成した特定の向きにC軸から0.1〜15度の範囲内で傾けて単結晶サファイアを引上げる請求項2に記載のサファイア単結晶の製造方法。
  6. サファイア単結晶の結晶成長軸をC軸から0.1〜15度の範囲内で傾けて、キロプロス(Kyropoulos)法により単結晶サファイアを結晶成長させる請求項1に記載のサファイア単結晶の製造方法。
  7. サファイア単結晶の結晶成長軸をC軸から[1120]の向きに0.1〜15度の範囲内で傾けて結晶成長させる請求項6に記載のサファイア単結晶の製造方法。
  8. サファイア単結晶の成長軸をm軸方向に0.1〜15度の範囲内で傾けて単結晶サファイアを成長させる請求項6に記載のサファイア単結晶の製造方法。
  9. サファイア単結晶の成長軸をa軸方向とm軸方向の両成分を合成した特定の向きにC軸から0.1〜15度の範囲内で傾けて単結晶サファイアを成長させる請求項6に記載のサファイア単結晶の製造方法。
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