JP2008054599A - Ss25ペプチド、ss25’ペプチド、および/またはクッションタンパク質を含む、クッション性吸着剤 - Google Patents

Ss25ペプチド、ss25’ペプチド、および/またはクッションタンパク質を含む、クッション性吸着剤 Download PDF

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Abstract

【課題】固体表面に吸着後の目的タンパク質やペプチドの残存活性を増加できる、特定の配列からなるペプチド、およびクッションタンパク質からなる群から選択される少なくとも1つを含む、固体表面に吸着できるクッション性吸着剤を提供する。さらに、これらクッション性吸着剤を有する固体を提供する。
【解決手段】 特定の配列からなるペプチド、およびクッションタンパク質からなる群から選択される少なくとも1つを含む、固体表面に吸着できるクッション性吸着剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、SS25ペプチド、SS25’ペプチド、およびクッションタンパク質からなる群から選択される少なくとも1つを含む、固体表面に吸着できるクッション性吸着剤に関するものである。
特に、本発明は、クッションタンパク質がサーモコッカス コダカレンシスのリボヌクレアーゼHIIまたはその変異体である、上記クッション性吸着剤に関するものである。
さらに、本発明は、これらクッション性吸着剤を有する固体に関するものである。
タンパク質やペプチド(例えば、酵素、抗体、レセプター、ペプチドホルモンなど)を固体表面に吸着させて、タンパク質の精製における担体、生体高親和性材料、バイオセンサーやマイクロバイオリアクターなどに応用することが考えられている。
しかし、タンパク質やペプチドを固体表面に吸着した場合、固体表面とタンパク質やペプチドとの相互作用により、吸着後のタンパク質やペプチドはそれらの活性を失うことが多かった。特に、固体表面が金属や金属酸化物である場合には、タンパク質やペプチドを金属や金属酸化物に直接吸着することが困難であり、吸着後のタンパク質やペプチドの活性損失も著しかった。ただし、金については、硫黄原子と金との表面吸着作用によりタンパク質やペプチドを金に吸着できることが知られている(非特許文献1)。
そこで、タンパク質やペプチドの金属や金属酸化物への吸着を可能とし、吸着後のタンパク質やペプチドの活性損失の原因と考えられる、タンパク質やペプチドと金属や金属酸化物表面との相互作用を緩和するための方法として、金属や金属酸化物表面に化学的処理を施す方法(特許文献1)、金属や金属酸化物表面にポリマーコーティング処理を施す方法(特許文献2)、核酸のハイブリダイゼーションを利用する方法(特許文献3)、金属や金属酸化物に対する親和性ペプチドを利用する方法(非特許文献2)、または硫黄原子と金間の表面吸着作用と抗体断片を利用する方法(特許文献4)などが報告されている。
本発明者も、これまでにベータラクトグロブリンのトリプシン消化断片よりステンレス表面に対して高い親和性を示すT5ペプチドを単離し、このT5ペプチドと酵素タンパク質とのキメラタンパク質を作製し、ステンレス表面に対するキメラタンパク質の吸着量と酵素タンパク質の残存活性を調べている。しかし、このT5ペプチドは、吸着量の増加させることについては効果を示したが、酵素の残存活性を増加させることについてはあまり効果を示さなかった。
本発明者は、新たに大腸菌鞭毛ランダムペプチドライブラリーディスプレイシステム(FliTrx random peptide library display system、Invitrogen)に基づき,さらに相互作用解析を行うことによって、ステンレスや酸化チタンに対して吸着性を有するSS25ペプチドを見出し、このSS25ペプチドと酵素タンパク質を連結して固体表面に吸着させた時、吸着後の酵素の残存活性が、酵素タンパク質単独で吸着させた時より有為に増加することを見出した。
また、本発明者は、サーモコッカス コダカレンシスのリボヌクレアーゼHIIが、ステンレスや酸化チタンに吸着することができ、吸着後も他の酵素タンパク質と比較して高い残存酵素活性を保持できることを見出した。
さらに、このサーモコッカス コダカレンシスのリボヌクレアーゼHIIとSS25ペプチドとを連結してステンレスに吸着させたときには、吸着後のサーモコッカス コダカレンシスのリボヌクレアーゼHIIの残存酵素活性が、サーモコッカス コダカレンシスのリボヌクレアーゼHII単独の時と比較してさらに高まることを見出した。
特表2006-506642 特表2005-524058 特開2006-32980 特開2005-312446 Progress in Surface Science, 2000, vol. 65, no. 5-8, pp.151-256 Nat. Mater. 2003 Sep;(9):577-85
本発明は、固体表面に吸着後の目的タンパク質やペプチドの残存活性を増加できる、配列番号1〜4のペプチド、およびクッションタンパク質からなる群から選択される少なくとも1つを含む、固体表面に吸着できるクッション性吸着剤を提供することを目的とする。さらに、本発明は、これらクッション性吸着剤を有する固体を提供することを目的とする。
1、本発明は、配列番号1〜4のペプチド、およびクッションタンパク質からなる群から選択される少なくとも1つを含む、固体表面に吸着できるクッション性吸着剤に関する。
2、本発明は、クッションタンパク質が、配列番号5および/または6に示されるタンパク質から選択される、上記1に記載のクッション性吸着剤に関する。
3、本発明は、固体が、金属、プラスチック、ガラスからなる群から選択される、上記1または2に記載のクッション性吸着剤に関する。
4、本発明は、上記1〜3のいずれか1項に記載のクッション性吸着剤を有する固体に関する。
目的のタンパク質やペプチドを固体表面に吸着する際に、目的のタンパク質やペプチドを、本発明の配列番号1〜4のペプチドおよび/またはクッションタンパク質と連結した形態で吸着させることにより、目的のタンパク質やペプチドを単独で吸着させたときよりも、吸着後の目的のタンパク質やペプチドの残存活性を増加させることができる。
さらに、目的の固体表面に吸着できる別のペプチドやタンパク質と連結した本発明の配列番号1〜4のペプチドおよび/またはクッションタンパク質を、目的のタンパク質やペプチドと連結して目的の固体表面に吸着させることによっても、目的の固体表面上における吸着後の目的のタンパク質やペプチドの残存活性を増加させることができる。
本発明における「固体」とは、定まった形と体積をもつ物質を意味し、「固体表面」とは、その固体の表面を意味する。固体と固体表面を構成する材料は特に限定されないが、例えば、金属、プラスチック、ガラスなどの材料が挙げられる。これらの材料は、単一で用いられても、組合せで用いられてもよい。また、固体と固体表面の材料は同じであっても異なっていても良い。
本発明における「金属」には、ステンレス、チタン(Ti)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、タンタル(Ta)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、鉛(Pb)、ケイ素(Si)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、カルシウム(Ca) およびそれらの酸化物や硫化物を含み、さらにカーボン(C)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、チタン酸カルシウム、ガリウム砒素(GaAs)、ゼオライト、ハイドロキシアパタイトなども含む。ここで、ステンレスとは、鉄(Fe)にクロム(Cr)やニッケル(Ni)などを混ぜて作られた鉄の一種(合金)を意味し、ステンレスの種類には、SUS304、SUS304L、SUS310S、SUS316、SUS316L、SUS321、SUS321、SUS347、SUS430が挙げられるが、好ましくは、SUS316Lのステンレスである。なお、これらは単一で用いられても、組合せで用いられてもよい。
本発明における「プラスチック」には、ポリスチレン、ポリブチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。好ましくはポリスチレンである。なお、これらは単一で用いられても、組合せで用いられてもよい。
本発明における「ガラス」とは、二酸化ケイ素(SiO2)を主成分とした物質を意味する。
本発明における、好ましい固体および固体表面は、金属、プラスチック、ガラスなどの材料からなり、より好ましくは、ステンレス、酸化チタン(TiO2)、ポリスチレン、ガラスなどの材料からなり、さらに好ましくは、ステンレス、酸化チタン(TiO2)などの材料からなる。なお、これらは単一で用いられても、組合せで用いられてもよい。
本発明における固体および固体表面の形状や大きさは、特に限定されない。
本発明における固体および固体表面の材料は、すべて市場より入手でき、そして、これら材料を用いて固体および固体表面を作製できる。
本発明において、ペプチドとタンパク質は、供にアミノ酸が2個以上ペプチド結合により連結したアミノ酸の重合体を意味しており、ペプチドとタンパク質は相互互換的に用いられても良い。
本発明における「配列番号1〜4のペプチド」とは、以下に示すアミノ酸配列を有するペプチドを意味する。
配列番号1(SS25’ペプチド):RRGSTWEGEGDA
配列番号2(SS25ペプチド):KKGSTWEGEGDA
配列番号1のペプチドは、SS25'ペプチドとも呼ばれる。
配列番号2のペプチドは、SS25ペプチドとも呼ばれ、前記SS25'ペプチドの2つのRがKに置き換わったものである。
さらに、本発明の配列番号1、2のペプチドはそのアミノ酸配列が反対配列であってもよい。すなわち、
配列番号3(SS25'revペプチド):ADGEGEWTSGRR、
配列番号4(SS25revペプチド):ADGEGEWTSGKK、
であってもよい。
これら配列番号1〜4のペプチドは、それぞれ単一で用いられても、重合体で用いられてもよい。なお、本発明において、重合体とは、ペプチドやタンパク質がペプチド結合により2個以上連結した形態を意味する。配列番号1〜4のペプチドの重合体は、配列番号1〜4のペプチドの中から選択された1種類のペプチドが2個以上連結したものであっても、2種類以上のペプチドが2個以上連結したものであってもよい。
さらに、本発明の配列番号1〜4のペプチドは、クッションタンパク質および/または固体表面に吸着できる別のペプチドやタンパク質、例えば、以下で示す固体表面親和性ペプチドと重合体を形成しても良い。これにより、別のペプチドやタンパク質が有する固体表面への親和特性を本発明の配列番号1〜4のペプチドが有することができるようになる。
本発明における配列番号1〜4のペプチドやそれらの重合体は、化学的に合成してもよいし、または組換えDNA技術を用いて合成してもよい。組換えDNA技術を用いたこれらタンパク質の合成方法は当業者においては周知である。(DNA組換え技術については、例えば、Sambrook, J., et al.(1989)Molecular Cloning 2nd Edition.やAusubel, F. M., et al.(1987)Current Protocol In Molecular Biology., J. Wiley and Sons, New Yorkを参照)。
本発明における「クッションタンパク質」とは、分子構造を表示するプログラムRasMol(有機化合物や生体高分子などの座標データを読み込んで分子構造を表示することができるプログラムで、インターネット(www.scl.kyoto-u.ac.jp/scl/appli/rasmol.html)上で無料で利用することができる)により表示されるタンパク質の分子構造が、例えば、以下の配列番号5に示すサーモコッカス コダカレンシスのリボヌクレアーゼHIIの分子構造のようにタンパク質のN(アミノ基)末端とC(カルボキシル基)末端が互いに逆方向に存在する構造を有する単量体のタンパク質であって、固体表面に吸着後のタンパク質の残存活性が、残存活性率として、5.0%以上、好ましくは8.0%以上、より好ましくは10.0%以上であるタンパク質を意味する。好ましくは、超好熱菌に由来する上記タンパク質である。
Figure 2008054599
本発明における「タンパク質のN(アミノ基)末端とC(カルボキシル基)末端が互いに逆方向に存在する構造」とは、N末端を平面に接触させた場合に、その点(平面と接触したN末端)より引いた垂線に対して、C末端とN末端を結ぶ線が±60°、好ましくは±45°、より好ましくは±30°の範囲にある構造を意味する.
本発明における「単量体のタンパク質」とは、1本鎖の形態で活性を有するタンパク質を意味する。
本発明における超好熱菌とは、生育至適温度が80℃以上の微生物群を指し、系統学上でアーキアまたは細菌に分類されるPyrococcus furiosus、Pyrococcus abysii、Methanococcus jannaschii、Thermotoga maritimaなどを意味する。
本発明におけるクッションタンパク質は、上記の要件を満たすタンパク質であれば限定されないが、例えば、以下に示す配列番号5のタンパク質、配列番号6のタンパク質などが挙げられる。
配列番号5(RNaseHIITK):
MKIAGIDEAGRGPVIGPMVIAAVVVDENSLPKLEELKVRDSKKLTPKRREKLFNEILGVLDDYVILELPPDVIGSREGTLNEFEVENFAKALNSLKVKPDVIYADAADVDEERFARELGERLNFEAEVVAKHKADDIFPVVSAASILAKVTRDRAVEKLKEEYGEIGSGYPSDPRTRAFLENYYREHGEFPPIVRKGWKTLKKIAEKVESEKKAEERQATLDRYFRKV
配列番号6(RNaseHIITK D7,105A):
MKIAGIAEAGRGPVIGPMVIAAVVVDENSLPKLEELKVRDSKKLTPKRREKLFNEILGVLDDYVILELPPDVIGSREGTLNEFEVENFAKALNSLKVKPDVIYAAAADVDEERFARELGERLNFEAEVVAKHKADDIFPVVSAASILAKVTRDRAVEKLKEEYGEIGSGYPSDPRTRAFLENYYREHGEFPPIVRKGWKTLKKIAEKVESEKKAEERQATLDRYFRKV
配列番号5に示すタンパク質は、サーモコッカス コダカレンシスのリボヌクレアーゼHII(Thermococcus kodakarensis ribonuclease H II;以後、RNaseHIITKと表記する)であり、配列番号6に示すタンパク質は、RNaseHIITKの変異体(これは、RNaseHIITKのアミノ酸配列の7番目および105番目のアスパラギン酸(D)をアラニン(A)に変換することにより、活性部位を破壊した変異体である。)である。
これらクッションタンパク質は、単一で用いられても、重合体で用いられてもよい。クッションタンパク質の重合体は、1種類のクッションタンパク質が2個以上連結したものであっても、2種類以上のクッションタンパク質が2個以上連結したものであってもよい。
さらに、本発明のクッションタンパク質は、配列番号1〜4のペプチドおよび/または固体表面に吸着できる別のペプチドやタンパク質、例えば、以下で示す固体表面親和性ペプチドと重合体を形成しても良い。これにより、別のペプチドやタンパク質が有する固体表面への親和特性を本発明のクッションタンパク質が有することができるようになる。
本発明におけるクッションタンパク質やその重合体は、化学的に合成してもよいし、または組換えDNA技術を用いて合成してもよい。組換えDNA技術を用いたこれらタンパク質の合成方法は当業者においては周知である。(DNA組換え技術については、例えば、Sambrook, J., et al.(1989)Molecular Cloning 2nd Edition.やAusubel, F. M., et al.(1987)Current Protocol In Molecular Biology., J. Wiley and Sons, New Yorkを参照)。
ペプチドやタンパク質の重合体を作製する場合、場合により、ペプチドやタンパク質の連結部分に、またはペプチドやタンパク質のアミノ末端側に、余分なアミノ酸が存在していても良い。これら余分なアミノ酸は、組換えDNA技術によって製造する場合に、発現のために必要とされるものであったり、ペプチドやタンパク質をコードするDNA同士を連結する際に必要とされる制限酵素部位等の配列に由来するものであったりする。
本発明における「固体表面に吸着できる別のペプチドやタンパク質」とは、固体表面に吸着できるペプチドやタンパク質であれば限定されないが、例えば、固体表面に吸着できる別のペプチド(固体表面親和性ペプチドとも呼ぶ)には、以下に記載する配列番号7〜52に示すペプチドが挙げられる。また、これらの固体表面親和性ペプチドは、配列番号1、2において示したようにそのアミノ酸配列が反対配列であってもよい。
SS23ペプチド(配列番号7):PKSEVALRVDVE、
T5ペプチド(配列番号8):KELAEDDVEPT、
PS19ペプチド(配列番号9):RAFIASRRIKRP、
PS23ペプチド(配列番号10):AFLRLKKAAIHR、
Tiペプチド(配列番号11):RKLPDAPGMHTW
KPS19R10ペプチド(配列番号12):KRAFIASRRIRRP
Zeo1ペプチド(配列番号13):VKTQATSREEPPRLPSKHRPG、
Zeo2ペプチド(配列番号14):MDHGKYRQKQATPG、
Au1ペプチド(配列番号15):MHGKTQATSGTIQS、
Au2ペプチド(配列番号16):LGQSGQSLQGSEKLTNG、
Au3ペプチド(配列番号17):EKLVRGMEGASLHPA、
Pt1ペプチド(配列番号18):DRTSTWR、
Pt2ペプチド(配列番号19):QSVTSTK、
Pt3ペプチド(配列番号20):SSSHLNK、
Pd1ペプチド(配列番号21):SVTQNKY、
Pd2ペプチド(配列番号22):SPHPGPY、
Pd3ペプチド(配列番号23):HAPTPML、
Ag1ペプチド(配列番号24):AYSSGAPPMPPF、
Ag2ペプチド(配列番号25):NPSSLFRYLPSD、
Ag3ペプチド(配列番号26):SLATQPPRTPPV、
Si1ペプチド(配列番号27):MSPHPHPRHHHT、
Si2ペプチド(配列番号28):RGRRRRLSCRLL、
Si3ペプチド(配列番号29):KPSHHHHHTGAN、
ZnO1ペプチド(配列番号30):NTRMTARQHRSANHKSTQRARS、
ZnO2ペプチド(配列番号31):TRRGTHNKD、
CaCO3 1ペプチド(配列番号32):HTQNMRMYEPWF、
CaCO3 2ペプチド(配列番号33):DVFSSFNLKHMR、
Cr2O31ペプチド(配列番号34):WRPKAATN FEMS、
Cr2O32ペプチド(配列番号35):RIRHRLVGQ、
PbO21 ペプチド(配列番号36):YPPFHNNDHRS、
PbO22ペプチド(配列番号37):SKPLARSSGA、
CoO1ペプチド(配列番号38):GRMQRRVAH、
CoO2ペプチド(配列番号39):LGKDRPHFHRS、
MnO21ペプチド(配列番号40):HHMLRRRNT、
MnO22ペプチド(配列番号41):HINASQRVA、
Fe2O3ペプチド(配列番号42):RRTVKHHVN、
GaAs1ペプチド(配列番号43):AQNPSDNNTHTH、
GaAs2ペプチド(配列番号44):RLELAIPLQGSG、
GaAs3ペプチド(配列番号45):TPPRPIQYNHTS、
ZnSペプチド(配列番号46):NNPMHQN、
Cnh1ペプチド(配列番号47):DYFSSPYYEQLF、
Cnh2ペプチド(配列番号48):WPGWHHVPAVS、
Cnh3ペプチド(配列番号49):GHWHHITKVSKQ、
Cnt ペプチド(配列番号50):HWSAWWRSNQS、
Zn2 + 1ペプチド(配列番号51):HFQAQMRHGHGH および
Zn2 + 2ペプチド(配列番号52):HQSHHYGPRDHT
配列番号7に示すペプチドは、SS23ペプチドとも呼ばれ、ステンレスに吸着できることが本発明の実施例において示されている。
配列番号8に示すペプチドは、T5ペプチドとも呼ばれ、ステンレス、酸化チタンに吸着できることが本発明の実施例において示されている。
配列番号9に示すペプチドは、PS19ペプチドとも呼ばれ、ポリスチレンに吸着できることが報告されている(Biotechnol. Prog. 2006 Mar-Apr;22(2):401-5.)。
配列番号10に示すペプチドは、PS23ペプチドとも呼ばれ、ポリスチレンに吸着できることが報告されている(Biotechnol. Prog. 2006 Mar-Apr;22(2):401-5.)。
配列番号11に示すペプチドは、Tiペプチドとも呼ばれ、チタンに吸着できることが報告されている(J. Am. Chem. Soc. 2003 Nov 26;125(47):14234-5.)。
配列番号12に示すペプチドは、KPS19R10ペプチドとも呼ばれ、ポリスチレンに吸着できることが報告されている(Journal of Biotechnology, in press(2006).)。
配列番号13、14に示すペプチドは、それぞれZeo1、Zeo2ペプチドとも呼ばれ、ゼオライトに吸着できることが報告されている(Adv. Mater. 14, 1853-1856(2002).)。
配列番号15、16、17に示すペプチドは、それぞれAu1、Au2、Au3ペプチドとも呼ばれ、金に吸着できることが報告されている(Nature Biotechnol. 15, 269-272(1997).)。
配列番号18、19、20に示すペプチドは、それぞれPt1、Pt2、Pt3ペプチドとも呼ばれ、白金に吸着できることが報告されている(Nature Mater. 2, 577-585(2003).)。
配列番号21、22、23に示すペプチドは、それぞれPd1、Pd2、Pd3ペプチドとも呼ばれ、パラジウムに吸着できることが報告されている(Nature Mater. 2, 577-585(2003).)。
配列番号24、25、26に示すペプチドは、それぞれAg1、Ag2、Ag3ペプチドとも呼ばれ、銀に吸着できることが報告されている(Nature Mater. 1, 169-172(2002).)。
配列番号27、28、29に示すペプチドは、それぞれSi1、Si2、Si3ペプチドとも呼ばれ、酸化ケイ素に吸着できることが報告されている(J. Nanosci. Nanotechnol. 2, 1-6(2002).)。
配列番号30、31に示すペプチドは、それぞれZnO1、ZnO2ペプチドとも呼ばれ、酸化亜鉛に吸着できることが報告されている(Appl. Env. Microbiol. 66, 10-14(2000).)。
配列番号32、33に示すペプチドは、それぞれCaCO31、CaCO32ペプチドとも呼ばれ、炭酸カルシウムに吸着できることが報告されている(Biotech. Lett. 22, 1211-1216(2000).)。
配列番号34、35に示すペプチドは、それぞれCr2O31、Cr2O32ペプチドとも呼ばれ、酸化クロム(III)に吸着できることが報告されている(Microbiol. Lett. 170, 363-371(1999).)。
配列番号36、37に示すペプチドは、それぞれPbO21、PbO22ペプチドとも呼ばれ、二酸化鉛に吸着できることが報告されている(Microbiol. Lett. 170, 363-371(1999).)。
配列番号38、39に示すペプチドは、それぞれCoO1、CoO2ペプチドとも呼ばれ、酸化コバルトに吸着できることが報告されている(Microbiol. Lett. 170, 363-371(1999).)。
配列番号40、41に示すペプチドは、それぞれMnO21、MnO22ペプチドとも呼ばれ、二酸化マンガンに吸着できることが報告されている(Microbiol. Lett. 170, 363-371(1999).)。
配列番号42に示すペプチドは、Fe2O3ペプチドとも呼ばれ、酸化鉄(III)に吸着できることが報告されている(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89, 8651-8655(1992).)。
配列番号43、44、45に示すペプチドは、それぞれGaAs1、GaAs2、GaAs3ペプチドとも呼ばれ、ガリウム砒素に吸着できることが報告されている(Nature 405, 665-668(2000).)。
配列番号46に示すペプチドは、ZnSペプチドとも呼ばれ、硫化亜鉛に吸着できることが報告されている(Science 296, 892-895(2002).)。
配列番号47、48、49に示すペプチドは、それぞれCnh1、Cnh2、Cnh3ペプチドとも呼ばれ、カーボンナノホーンに吸着できることが報告されている(Langmuir 6;21(25):11907-14(2005).)。
配列番号50に示すペプチドは、Cntペプチドとも呼ばれ、カーボンナノチューブに吸着できることが報告されている(Nature Mater. 2, 196-200(2003).)。
配列番号51、52に示すペプチドは、それぞれZn2 + 1、Zn2 + 2ペプチドとも呼ばれ、ポリスチレンに吸着できることが報告されている(J. Mol. Biol. 299, 725-732(2000).)。
また、配列番号1〜4に示すペプチドは、固体表面に吸着できるので本発明のクッション性吸着剤であるだけでなく固体表面親和性ペプチドでもあリ得る。
これら固体表面親和性ペプチドは、単一で用いられても、重合体で用いられてもよい。重合体は、1種類の固体表面親和性ペプチドが2個以上連結したものであっても、2種類以上の固体表面親和性ペプチドが2個以上連結したものであってもよい。
これら固体表面親和性ペプチドを、ペプチド結合により本発明のクッションタンパク質や配列番号1〜4のペプチドに連結することにより、本発明のクッションタンパク質や配列番号1〜4のペプチドは、これら固体表面親和性ペプチドが有する固体表面への親和特性(固体表面への吸着特性)も有することができるようになる。
本発明における「固体表面に吸着」とは、固体表面を、本発明の吸着実験で使用した溶媒(例えば、10〜100 mM KNO3、pH3.0〜9.0の溶媒)を用いて連続的に5分以上洗浄した場合においても、洗浄前と比較して、重量で50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上が固体表面に結合していること、または、バイアル瓶中で、吸着実験で使用した溶媒(例えば、10〜100 mM KNO3、pH3.0〜9.0の溶媒)に懸濁することとその溶媒を取り除くことからなる洗浄操作を2回以上、好ましくは5回以上、より好ましくは10回以上繰り返した後においても、洗浄前と比較して、重量で50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上が固体表面に結合していることを意味する。
本発明における「残存活性」とは、固体表面に吸着後のタンパク質やペプチドの活性を意味し、タンパク質やペプチドを吸着させた固体表面を洗浄した後にそれらの活性を測定し、比活性(タンパク質もしくはペプチドの重量あたりの活性)として算出する。この値を吸着操作を行っていない遊離タンパク質の比活性で割ることで残存活性率を算出する。残存活性は吸着時のタンパク質の配向ならびに構造変化を反映するもので、固体表面における吸着タンパク質の配向が不規則であったり,または構造が変化することによって値は低下する。
本発明における「配列番号1〜4のペプチド、およびクッションタンパク質からなる群から選択される少なくとも1つを含む」とは、配列番号1〜4のペプチド、またはクッションタンパク質それぞれを単一の形態で1個以上含むことだけでなく、重合体の形態で1個以上含むことも意味する。
そして、重合体の形態には、配列番号1〜4のペプチド、またはクッションタンパク質から選択された1種類のペプチドやタンパク質が2個以上ペプチド結合により連結した形態だけでなく、2種類以上のペプチドやタンパク質が2個以上ペプチド結合により連結した形態も含む。
さらに、重合体の形態には、固体表面に吸着できる別のペプチドやタンパク質、例えば、上記の固体表面親和性ペプチドと連結した形態、すなわち、上記の固体表面親和性ペプチドと配列番号1〜4のペプチドもしくはそれらの重合体がペプチド結合により連結した形態や固体表面親和性ペプチドとクッションタンパク質もしくはその重合体がペプチド結合により連結した形態も含む。
ここで、ペプチド結合により連結した形態とは、ペプチドやタンパク質がそれらのアミノ末端やカルボキシル末端においてペプチド結合により他のペプチドやタンパク質と結合している形態(重合体)を意味する。タンパク質やペプチドがペプチド結合により連結した形態は、当業者に周知の化学的合成手法や組換えDNA技術によって製造できる。
本発明における「クッション性吸着剤」とは、目的のタンパク質やペプチドを固体表面に吸着する時に、吸着後の目的タンパク質やペプチドの残存活性を高めるために用いるタンパク質やペプチドであって、先に記載の固体表面に吸着でき、かつ、本クッション性吸着剤を目的のタンパク質やペプチドとペプチド結合により連結した形態で固体表面に吸着させた時に、固体表面に吸着後の目的のタンパク質やペプチドの残存活性を、目的のタンパク質やペプチドを単独で吸着させた時と比較して、残存活性率として、1.5倍以上、好ましくは3倍以上、より好ましくは5倍以上に高めることができるタンパク質やペプチドを意味する。
本発明における「目的のタンパク質やペプチド」とは、酵素、抗体、サイトカイン、レセプター、ホルモンなどを意味する。
本発明における「目的のタンパク質やペプチドの活性」には、酵素、抗体、サイトカイン、レセプター、ホルモンの活性だけでなく、抗体や受容体との結合性も含む。
本発明における「本クッション性吸着剤が目的のタンパク質やペプチドとペプチド結合により連結した形態」とは、本発明のクッション性吸着剤が目的のタンパク質やペプチドとそれらのアミノ末端やカルボキシル末端においてペプチド結合により結合している形態を意味する。かかるクッション性吸着剤と目的のタンパク質やペプチドとが連結した形態は、当業者に周知の化学的合成手法や組換えDNA技術によって製造できる。場合により、本クッション性吸着剤と目的のタンパク質やペプチドとの間には、または本クッション性吸着剤や目的のタンパク質やペプチドのアミノ末端側には、余分なアミノ酸が存在していても良い。これら余分なアミノ酸は、組換えDNA技術によって製造する場合に、発現のために必要とされるものであったり、本クッション性吸着剤をコードするDNAと目的のタンパク質やペプチドをコードするDNAとを連結する際に必要とされる制限酵素部位等の配列に由来するものであったりする。
本発明のクッション性吸着剤や、目的のタンパク質やペプチドと連結した形態のクッション性吸着剤は、溶媒、好ましくは水性溶媒に溶解した形態で用いられ、用いられる際の溶媒のpHは、pH1.0〜12.0、好ましくはpH3.0〜12.0、より好ましくはpH3.0〜9.0である。ここで、水性溶媒とは、水を含む溶媒を意味する。また、溶媒には、使用目的に応じて他の成分が含まれていてもよい。
本発明における「クッション性吸着剤を有する固体」とは、本発明のクッション性吸着剤や、目的のタンパク質やペプチドと連結した形態のクッション性吸着剤を、上記の固体表面に吸着した状態で有する上記の固体を意味する。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、これらの実施例は、本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。実験は、特に記載がない限り、室温(18℃〜25℃)、常圧(1気圧)下で実施し、水は特に記載がない場合はイオン交換水を用いた。また、下記の実施例で、特に実施条件等を記載していないDNA組換え技術や培養技術等は、当業者に周知の、標準的な試薬、器具、条件を用いることで実施できる(DNA組換え技術および培養技術の教科書、例えば、Sambrook, J., et al.(1989)Molecular Cloning 2nd EditionやAusubel, F. M., et al.(1987)Current Protocol In Molecular Biology., J. Wiley and Sons, New Yorkを参照)。
SS25'ペプチドのステンレス粒子への吸着
(1)SS23ペプチド、SS25'ペプチド、T5ペプチド、K4A2D4ペプチドの合成
SS23ペプチドおよびSS25'ペプチドは、大腸菌鞭毛ランダムペプチドライブラリーディスプレイシステム(FliTrx random peptide library display system、Invitrogen)からステンレス(SUS316L)への親和性に基づいてスクリーニングされたペプチドである。
T5ペプチドは既に報告されているステンレス吸着性ペプチド(J. Biosci. Bioeng., 1999, vol. 88, No. 5, pp. 536-541)である。
K4A2D4ペプチドは連続的に塩基性-酸性アミノ酸残基が並ぶように任意に設計したコントロールのためのペプチドである。
SS25'ペプチド(配列番号1):RRGSTWEGEGDA、
SS23ペプチド(配列番号7):PKSEVALRVDVE、
T5ペプチド(配列番号8):KELAEDDVEPT、および
K4A2D4ペプチド(配列番号53):KKKKAADDDD
をペプチド合成機(Applied Biosystems社 pionner)を用いて合成した。上記のアミノ酸配列を入力し、サポート樹脂、Fmocアミノ酸(Applied Biosystems)の必要量を算出した。必要量のサポート樹脂、Fmocアミノ酸を測り取り、サポート樹脂を十分量のDMF(dimethylformamido、ナカライ)で約30分膨潤させた。さらに、アミノ酸にHATU(Applied Biosystems)を0.12〜0.15g加えた。樹脂をカラムに充填し本体にセット後、ペプチド合成機にプログラムを入力し、合成を開始した。
合成完了後、樹脂をDMFで洗いながら漏斗に移し、ジクロロメタンで3回洗浄した。樹脂をほぐし、ドラフト内で風乾させた。風乾した樹脂をエッペンドルフチューブに小分けし、切り出し液(TFA(trifluoroacetic acid) 2.2 ml、フェノール 125μl、TIPS(triisopropylsilane) 50μl、イオン交換水 125μl)を加え、30℃で2時間振とうした。樹脂をろ紙でろ過し、ろ液に10倍量のジエチルエーテルを加え、3000rpmで5分遠心し、沈殿を回収した。この操作を3回繰り返すことでペプチド成分を分離した。ジエチルエーテルをドラフト内で完全に蒸発させることで、粗ペプチド粉末を得た。粗ペプチドを適当量の水に溶解させ、HPLC(流速0.8 ml/min、〜30分:1-40% acetnitrile、30〜40分:40-30% acetonitrile)で精製後、遠心濃縮により乾固した。その後、ペプチドは水に溶解してペプチド溶液とした。
(2)試料溶液の調製
吸着実験に用いる溶媒として100 mMの KNO3(Wako) 水溶液を調製し、0.05 M KOH(Wako)を用いてpH 6.0に調整した。
透析チューブ(Wako Dialysis Membrane、Size8)の前処理として、透析チューブを50 cmほどに切断し、イオン交換水の入ったビーカーに入れ、これを煮沸した湯の中に10分間浸した。その後、透析チューブの内外をイオン交換水で洗浄し、イオン交換水が入った別のビーカーに移した後、オートクレーブし、4℃で保存した。
前処理後の透析チューブを約15 cmの長さに切り、イオン交換水で内外を洗浄した後、(1)で調製したペプチド溶液を中に加えた。透析チューブの両端を専用の器具で留め、吸着実験で使用する溶媒(pH 6.0の100 mMの KNO3、ペプチド溶液のおよそ100倍量)中に浸し、4℃で攪拌しながら6時間インキュベーションした。その後、溶媒を交換し、再度6時間インキュベーションし、ペプチド溶液を回収した。
ペプチドまたはタンパク質濃度の測定(BCA法)
ペプチドまたはタンパク質濃度の測定はBCA protein assay kit(PIERCE)を使用した。BCA protein assay reagent AとBCA protein assay reagent Bを50:1で混合し、これをBCA reagentとした。BCA reagentとサンプルを20:1で混合し、37℃で30分間インキュベートした後、562 nmで吸光度を測定した。検量線作成に牛血清アルブミン(BSA、PIERCE)を用い、ペプチドまたはタンパク質濃度を算出した。
(3)ステンレス粒子の前処理と平衡化
ステンレス粒子((福田金属箔粉工業、SUS316L、比表面積:0.25m2/g、等電点(pI):6.5)100 gに0.1 N NaOH 200 mlを加え、75℃で1時間振とうしながら洗浄した。この操作を3回繰り返した後、室温に戻して大量(計10 L以上)のイオン交換水を20回に分けて加え懸濁することで残存するNaOHを除去した。pH試験紙によって洗浄水が中性になるまでこの操作を繰り返した。続いて、室温下でメタノール(Wako)を約150 ml加えよく撹拌した。この操作を2回繰り返し、最後にアセトン(Wako)150 mlで洗浄し、乾燥機(50℃)で乾燥させた。
乾燥させたステンレス粒子約3 gをカラムに充填し、吸着実験で使用する溶媒を連続的に流した(4〜5 ml/minで約2時間)。通過液はpHメーターを用いて、通過液のpHが溶媒とほぼ等しくなるまで行った。ステンレス粒子を取り出し、50℃にて乾燥後、吸着実験に用いた。
(4)吸着実験および吸着等温線の作成
(1)で調製した試料溶液2 mlを20 mlバイアル瓶(日電理化硝子株式会社)中に入れ、(3)で調製したステンレス粒子500 mgを試料溶液に加えて懸濁し、瓶口に付属のゴム栓をし、その上からアルミキャップ(日電理化硝子株式会社)をして完全に密栓した。バイアル瓶をよく振って十分に懸濁し、30℃に保ったシェーカーに設けた振とう機にバイアルを横倒しに設置し、振とう中も懸濁状態が十分に維持できるようにした。振とう速度125 strokes/minとし、2時間振とうした。振とう終了後、上清をフィルター(Millipore、Millex-LG 0.2μm)ろ過し、BCA法を用いてタンパク質濃度を測定した(実験後のpHを吸着実験におけるpHとした) 。このようにして測定したろ液中のペプチド濃度を平衡濃度とし、吸着実験に使用したはじめのペプチド溶液のペプチド濃度とろ液中のペプチド濃度との差より吸着量(表面積1m2あたりのペプチド量(mgもしくはnmol))を算出し、平衡濃度を横軸、吸着量を縦軸にプロットすることで吸着等温線を作成した。
吸着等温線について
吸着等温線においては、ろ液中の吸着しなかったペプチドまたはタンパク質の濃度を平衡濃度とし、平衡濃度が0である間の吸着量を見掛け不可逆吸着量と考える。吸着実験で使用するタンパク質の濃度を上げても吸着量が増加しない(この場合、横軸(平衡濃度)に平行な直線が得られる)場合、タンパク質の吸着が固体表面において単層かつ不可逆的に吸着がなされたと考えられる。一方、平衡濃度の上昇とともに吸着量の増加が見られる場合は、可逆的な吸脱着が固体表面上において起こっていると考えられる。
(5)結果、
図1に示されるように、SS25'ペプチドは、T5ペプチドと同程度かそれ以上のステンレスに対する吸着量を示した。
RNaseA、RNaseA-T5、RNaseA-SS25のステンレス粒子に対する吸着
(1) RNaseA(168.0 unit/mg)はSigma社より購入したものを使用した。
(2) RNaseA-SS25の調製
SS25ペプチド(配列番号2:KKGSTWEGEGDA)と牛膵臓由来Ribonuclease Aとのキメラタンパク質(RNaseA-SS25)を作製した。
実験に使用された培地の組成と牛膵臓由来RNaseAのDNA配列とアミノ酸配列を以下に示す。
SOC培地
トリプトン 2%(w/v) (ナカライテスク)
酵母エキス 0.5%(w/v) (ナカライテスク)
塩化ナトリウム 0.05%(w/v) (Wako)
塩化マグネシウム 2 mM (Wako)
D-グルコース 4 mM (Wako)
LB+Amp培地
トリプトン 1%(w/v) (ナカライテスク)
酵母エキス 0.5%(w/v) (ナカライテスク)
塩化ナトリウム 1%(w/v) (Wako)
Agar 1.5%(w/v) (Wako)
Ampicillin(終濃度100 μg/ml) (Wako)
牛膵臓由来RNaseA(Ribonuclease A、GENBANK/AAB36134)をコードするDNA配列(配列番号54):
5'-
AAAGAGACAGCAGCCGCAAAGTTTGAGCGTCAGCATATGGATAGTAGCACCAGTGCTGCCAGTTCTTCCAACTACTGTAACCAGATGATGAAGTCTAGAAACTTGACCAAGGACAGATGTAAGCCAGTTAACACATTTGTCCACGAGAGTTTGGCTGATGTCCAAGCCGTCTGCAGTCAGAAAAACGTTGCATGCAAGAACGGTCAAACGAACTGTTACCAGAGTTACAGCACCATGTCCATCACTGACTGTCGTGAGACAGGCTCGAGCAAGTATCCTAATTGTGCTTACAAGACCACACAGGCGAACAAACACATCATTGTTGCTTGTGAAGGTAACCCTTACGTTCCTGTCCACTTTGACGCCAGTGTTTGA-3'
牛膵臓由来RNaseAのアミノ酸配列(配列番号55):
KETAAAKFERQHMDSSTSAASSSNYCNQMMKSRNLTKDRCKPVNTFVHESLADVQAVCSQKNVACKNGQTNCYQSYSTMSITDCRETGSSKYPNCAYKTTQANKHIIVACEGNPYVPVHFDASV
終止コドンを含まないRNaseAをコードするDNAの増幅とpBXR'プラスミドの構築
RNaseA-SS25の調製のためには、京都大学の林研究室の茶谷氏より供与されたプラスミドpBXR(図2a)を使用した。このプラスミドpBXRは、pET22b(+)(Novagen)のT7 promoter領域下流のpelB leader配列に続いて牛膵臓由来RNaseAをコードするDNAが連結されて組み込まれたものである。
FW-A-MscI(配列番号56):5'-GCCGGCGATGGCCAAAGAGACAGCAGCCGCAAA-3' (下線部はMscIサイトを意味する)と
RV-A-SacI(配列番号57):5'-GGCGAGCTCGAAACACTGGCGTCAAAGTGGACAGG-3' (下線部はSacIサイトを意味する)
のプライマーおよび鋳型としてpBXRを用いたPCRにより、終止コドンを含まないRNaseAをコードするDNAを増幅した。次いで、MscI(TOYOBO)およびSacI(Takara)で制限酵素処理を行った後、予めMscIおよびSacIで消化されて、終止コドンを含むRNaseAが取り除かれている pBXRに挿入して、終止コドンを含まないRNaseAを有するプラスミドpBXR'を作成した。
SS25ペプチドをコードするDNAの調製
PCR用チューブに以下に記載するSS25ペプチドをコードするオリゴヌクレオチド25fwとその相補鎖25rev(2 pmol/μl)((株)BEXに委託合成して入手した)をそれぞれ2μl(4 pmol)加え、さらにアニーリングバッファー(TE buffer pH 8.0(10 mM Tris-HCl + 1 mM EDTA)を4μl添加後、サーマルサイクラー(TaKaRa、Takara PCR Thermal Cycler Dice)にセットした。94℃で5分保温した後、電源を切って室温に戻すことで、SS25ペプチドをコードするDNAを調製した。
なお、このSS25ペプチドをコードするオリゴヌクレオチドは、SS25ペプチドのためのオリゴヌクレオチド配列以外に、SacIサイトのための配列、stopコドンのための配列、NotIサイトのための配列を、5'−(SacIサイト)−(SS25ペプチド)−(stopコドン)−(NotIサイト)−3'の順番で含む。
SS25ペプチドをコードするオリゴヌクレオチド25fwとその相補鎖25revのオリゴヌクレオチド配列を示す。
25fw(配列番号58):5'-CCAAGAAGGGATCAACATGGGAAGGAGAAGGAGATGCATGAGC-3'
25rev(配列番号59):5'-GGCCGCTCATGCATCTCCTTCTCCTTCCCATGTTGATCCCTTCTTGGAGCT-3'
pBXR'-SS25プラスミドの構築、およびRNaseA-SS25の発現と精製
pBXR'および得られたSS25ペプチドをコードするDNAをそれぞれSacI、NotI(Takara)の2種類の制限酵素で処理するために、各DNA溶液に各制限酵素を1μlとそれらのbuffer(Takara)を添加し、37℃で一晩インキュベートした。制限酵素処理後、滅菌水を加えて全量60μlとし、エッペンドルフチューブに移した。DNAを精製するために、等量のPCI溶液(PHenol-Chroloform-isoamylalcohol混合溶液(混合比は体積比で25:24:1))を加え、ボルテックスミキサーでよく撹拌し、遠心分離(15,000 rpm、8 min)した。上層(水層)を回収し、再び等量のPCI溶液を加え、同様の操作を行った。そして、DNAをアルコール沈殿するために、回収した水層に1/10量の3M 酢酸ナトリウム溶液と、2.5倍量の100% エタノールを加え、混合した。冷凍庫(-20℃)で30分放置し、遠心(15,000 rpm、30分)した。上清除去後、70% エタノールを1ml加え、軽く撹拌し、遠心(15,000 rpm、15分)した。上清除去後、室温で乾燥させた。制限酵素処理を行ったSS25ペプチドをコードするDNA、pBXR'をそれぞれ20μl、10μlの滅菌水に溶解させた。エッペンドルフチューブにSS25ペプチドをコードするDNAを3μl(約3 pmol)、pBXR'を1μl(約0.03 pmol)、滅菌水を8μl加えた。さらに、DNA ligation kit Ver.2 solution I(Takara)を12μl添加し、16℃で6時間インキュベートした。ライゲーション終了後、反応液3μlを100μlの大腸菌HB101コンピテントセルに加え、氷上で20分放置した。次に42℃の温水に45秒間浸した後、氷上で2分放置した。ここへSOC培地を0.4 ml加え、37℃で1時間インキュベートした。培養終了後、培養液をLB+Amp(0.1 mg/ml)寒天プレートに植菌し、30℃で一晩培養した。翌日コロニーを数個ピックアップし、5 mlのLB+Amp(0.1 mg/ml)培地に植菌した。37℃で一晩培養後、プラスミドを単離し、RNaseAをコードするDNAの3'末端とSS25ペプチドをコードするDNAの5'末端が連結していることを確認した。なお、RNaseAとSS25ペプチドの間には、両者の連結に使用した制限酵素を含む配列(TCGAGCTCC)に由来する3つのセリン(-Ser-Ser-Ser-)が存在する。このプラスミドをpBXR'-SS25プラスミドと命名した(図2b)。
単離したプラスミドpBXR'-SS25 1μl(1 ng/μl)をE. coli BL21 Condensed cell 40μLに加えた。尚、プラスミドは260 nmにおける吸光度が1のときに濃度50μg/mlとした。また、Condensed cellは、以下の手順により調製した。LB培地中37℃で一晩培養したE. coli BL21株培養液のうち10 mlを取り出し、400 mlのLB培地中に添加して37℃、1.5 hr程度培養する(OD600 = 〜0.4が目安)。そして、容器ごと氷上にて15〜30分冷却し、遠心(1000 g x 15 min、4℃)する。上清を捨てた後、氷冷水を400 ml添加し懸濁する。さらに遠心(1000 g x 20 min、4℃)と上清の除去操作を2度繰り返す。このとき1度目の遠心後は250 ml、2度目は10 mlの氷冷した10% glycerolをそれぞれ添加し懸濁する。そして、再度遠心(1000 g x 20 min、4℃)し、上清を捨てた後、1 mlの氷冷したGYT培地(10%(v/v) glycerol、0.125 %(w/v) yeast extract、0.25%(w/v) tryptone)を添加し、懸濁して調製した。
この反応液全量をエレクトロポレーション用のチャンバー(Gene Pulser Cuvette(BIO-RAD、Cat. No. 165-2086)に移し、エレクトロポレーションによる形質転換を行った(電圧2.5 V、電気容量1 μF)。
これに1 mlのLB培地を加え、滅菌したパスツールピペットで1.5 mlのエッペンドルフチューブに移し、37℃で30分間、インキュベートした。この培養液100μlをLB+Amp寒天プレートに植菌し、30℃で終夜培養した。
寒天プレートから単一コロニーを選抜し、50 mlのLB+Amp(0.1 mg/ml)培地に植菌し、30℃で終夜前培養した(約16時間)。翌日、450 mlのLB+Amp(0.1 mg/ml)培地に5 mlの前培養液を加え、37℃で培養した。常時、吸光度を測定し、OD600=1.9の時に、RNaseA-SS25発現誘導のために100mM IPTG(isopropyl 1-thio-β-D-galactoside、Wako)を4.5 ml加え(終濃度 1 mM)、さらに3時間培養した。その後、遠心分離(10,000 rpm、10 min)により集菌した。菌体を100 mM NaClに懸濁した(100 mM NaClは450 mlの培地からの集菌量に対して40 mlの割合で加える)。超音波により菌体破砕した(TOMY UD-201の出力メモリ 7を用いて0.25 sec間隔で0.75 secの出力を10 min実施した)。破砕後、遠心分離(10,000 g、20 min)により沈殿を回収した。
沈殿をpH 6.0の50 mM HEPES-NaOH(同仁化学)30 mlに溶解した。次にDnaseI処理のために1 M MgSO4 0.15 mlを加えた(終濃度 5 mM)。さらに、20 mg/ml DNaseI(Takara)を7.5μl加え、37℃で30分間保温することにより沈殿中の染色体DNAの分解除去を行った。遠心分離(10,000 g、20 min)により沈殿を回収した。沈殿に100 mM HEPES-NaOH、6 M urea、1 mM EDTA、pH 8.0を1 Lの培養液当たり10 mlの割合で添加した。ここへ終濃度100 mMとなるように2-メルカプトエタノールを加えた。窒素置換を行い、37℃で90分間インキュベートした。その後、BCA法を用いて沈殿中のタンパク質濃度を定量した。
沈殿のタンパク質濃度が0.1 mg/mlとなるように3 mM 還元型グルタチオン(Wako)および0.5 mM 酸化型グルタチオン(Wako)を含む50 mM HEPES緩衝液 pH 8.0により希釈した。希釈したタンパク質溶液を4℃で72時間インキュベートした。この間、RNaseA-S25のRNaseA活性を追跡し、タンパク質のリフォールディングの確認を行った。
反応液のpHを酢酸で5.5に調整し、室温で30分間放置した。遠心分離(10,000 g x 20 min)した後、上清を回収し、濾過した。POROS HS/M 陽イオン交換カラム(PerSeptive Biosystems)および装置としてBIOCAD SPRINTTM(PerSeptive Biosystems)を用いてRNaseA-S25の精製を行った。精製は緩衝液に20 mM MES-NaOH buffer pH 5.5(同仁化学)を使用し、室温、流速3 ml/min、0-0.8 M NaClの直線グラジエント(20 min)の条件でタンパク質の溶出を行った。
回収したフラクションのタンパク質濃度とRNaseA-S25のRNaseA活性を測定し、活性画分を回収した。その結果、濃度が0.039 mg/ml、比活性が23.0 unit/mgのRNaseA-S25溶液が得られた。
得られたRNaseA-S25溶液を吸着実験に用いる溶媒に対して透析を行うことで、脱塩及びpHの調整を行った。また、精製したRNaseA-S25の純度をSDS-PAGE(ゲル濃度15 %)により確認した。
RNaseA-S25のRNaseA活性の測定
0.1 M MES-NaOH緩衝液pH7(0.1 M NaCl、1 mM EDTA)(同仁化学)中に0.06 % Yeast RNA(Sigma)を添加し、これを基質溶液とした。基質溶液2.9 mlにRNaseA-S25溶液0.1 mlを添加し、30℃で反応を開始した。300 nmにおける吸光度を経時的に測定し、その初速度からRNAの加水分解速度を測定した。30℃で、1分間に反応溶液1 ml当たりの300 nmの吸光度を1減少させる酵素量を1uintとした。
(3)RNaseA-T5の調製
T5ペプチド(配列番号8:KELAEDDVEPT)とRibonuclease Aとのキメラタンパク質(RNaseA-T5)を作製した。
T5ペプチドをコードするDNAの調製
PCR用の小型の滅菌チューブに、T5ペプチドの塩基配列をコードしたオリゴヌクレオチドT5fw(2 pmol/μl)2μlとその相補鎖T5rev(2 pmol/μl)2μlを加えた。さらにアニーリングbufferを4μl加え、このマイクロチューブをサーマルサイクラー(TaKaRa BIOMEDICALS)にセットし、94℃で5分間保温した後、電源を切って一晩かけて室温に戻すことで、T5ペプチドをコードするDNAを調製した。
T5ペプチドをコードするオリゴヌクレオチドT5fwとその相補鎖T5revのオリゴヌクレオチド配列を示す。
T5fw(配列番号60):5'-CCAAGGAGCTCGCCGAGGATGATGTGGAGCCTACTTGAGC-3'
T5rev(配列番号61):5'-GGCCGCTCAAGTAGGCTCCACATCATCCTCGGCGAGCTCCTTGGAGCT-3'
なお、このT5ペプチドをコードするオリゴヌクレオチドは、T5ペプチドのためのオリゴヌクレオチド配列以外に、SacIサイトのための配列、stopコドンのための配列、NotIサイトのための配列を、5'−(SacIサイト)−(T5ペプチド)−(stopコドン)−(NotIサイト)−3'の順番で含む。
pBXR'-T5プラスミドの構築、およびRNaseA-T5の発現と精製
エッペンドルフチューブにSac I、Not I制限酵素処理を行ったpBXR'を約0.03 pmol、アニーリングを行ったT5 ペプチドをコードするDNAを約0.3 pmol加え、滅菌水にて全量12μlにした。さらにここへ、DNA Ligation Kit Ver.2 Solution Iを12μl添加し、16℃で2時間インキュベーションした。
ライゲーション終了後、反応液 3μlを100μlのE.coli HB101 competent cellに加え、氷上で20秒間放置した。次に42℃の温水に45秒間浸した後に氷上で2分間放置することによりヒートショックによる形質転換を行った。ここへ、SOC培地を0.4 ml加え、37℃で1時間インキュベーションした。培養終了後、培養液をLB + Amp(0.1 mg/ml)培地に植菌し、30℃で終夜培養した。翌日、単一コロニーを白金耳で数個選びとり、5 mlのLB + Amp(0.1 mg/ml)培地に植菌し、37℃で終夜培養した後、プラスミドの単離を行った。
T5ペプチドをコードするDNAの導入を確認するためにアガロースゲル電気泳動を行った。アガロースゲルは1 %で、1×TAEを用いた。T5ペプチドをコードするDNAの導入が確認されたプラスミドをDNAシークエンサーにより塩基配列の確認を行った。得られたRNaseA-T5発現プラスミドをpBXR’-T5(図2c)とした。なお、RNaseAとT5ペプチドの間には、両者の連結に使用した制限酵素を含む配列(TCGAGCTCC)に由来する3つのセリン(-Ser-Ser-Ser-)が存在する。
単離したpBXR'-T5プラスミドを用いてE. coli BL21を形質転換した。RNaseA-T5の発現および調製は、(2)に記載のRNaseA-SS25と同様の手順、方法で行い、RNaseA-T5溶液を調製した。その結果,濃度が2.5 mg/ml, 比活性が85.0 unit/mgであるRNaseA-T5溶液が得られた。
(4) 吸着実験
吸着実験は、実施例1と同様に実施した。ただし、ペプチド溶液の代わりに、RNaseA、RNaseA-T5およびRNaseA-SS25溶液を用いた。また、吸着実験に用いる溶媒は、100 mMの KNO3(和光純薬)水溶液を調製し、0.05 M KOH(和光純薬)水溶液を用いてpH を、pH3.3〜3.5、pH4.6〜4.7、pH7.0〜7.1に調整した。
(5) 結果
図2dに示されるように、酸性〜中性(pH3.3〜7.1)の条件下において、SS25ペプチドを連結したRNaseA(RNaseA-SS25)とT5ペプチドを連結したRNaseA(RNaseA-T5)のステンレスに対する吸着量は、RNaseA単独の場合と比較し高いことが示された。さらに、RNaseA-SS25のステンレスに対する吸着量の方がRNaseA-T5のそれよりも高いことが示された。これより、タンパク質をステンレスに吸着させる際、SS25ペプチドが有効であることが明らかとなった。
RNaseA、RNaseA-T5またはRNaseA-SS25のステンレス粒子に対する可逆または不可逆吸着
(1)不可逆吸着量の測定
実施例2の吸着実験後のRNaseA、RNaseA-T5またはRNaseA-SS25が吸着しているステンレス粒子をカラム(ポリプロピレン製、内径1.5 cm、高さ10 cm)に充填し、吸着実験で使用したpH3.3〜3.5、pH4.6〜4.7またはpH7.0〜7.1の100 mMの KNO3(和光純薬)水溶液を洗浄液として連続的に流速4 ml/minで1時間供給することにより、可逆的に吸着した酵素を取り除いた。
次に、この洗浄したステンレス粒子を50℃で乾燥させ、この乾燥したステンレス粒子をバイアル瓶中で0.1 N NaOH 1 mlと混合した。瓶口に付属のゴム栓をし、その上からアルミキャップをして完全に密栓した。これを75℃に保った恒温槽中で5時間振とうさせることで、不可逆的に吸着した酵素を脱離させた。その後、上清を膜ろ過し、先に記載したBCA法にてタンパク質濃度を測定し、不可逆吸着量を求めた。
(2)結果
図3に示されるように、ペプチドを有さないRNaseAでは、吸着量の顕著な減少が認めらた。一方、SS25ペプチドやT5を有するRNaseAでは、吸着量の減少は、ペプチドを有さないRNaseAに比較して少ないものであった。これより、タンパク質をステンレスに強固に吸着させる際、SS25ペプチドが有効であることが明らかとなった。
RNaseAまたはRNaseA-SS25のチタン粒子に対する吸着
(1)チタン粒子の調製
チタン粒子(フルウチ化学株式会社、TIM-72005A、比表面積:0.107 m2/g、pI:4〜5)100 gを高温乾燥機内で一晩高温乾燥(120℃)処理した。この後、イオン交換水を約1L加え、1時間超音波洗浄を行った。この操作を3回繰り返し、室温下でメタノールを約200 ml加えよく撹拌した。この操作を3回繰り返し、最後にアセトン200 mlを加え撹拌する操作を3回行い、乾燥機(50℃)で乾燥させた。
(2)吸着実験
吸着実験は、RNaseAとRNaseA-SS25について、ステンレス粒子をチタン粒子に置き換え、吸着実験に用いる溶媒をpH3.3またはpH5.2の100 mMの KNO3(和光純薬)水溶液に置き換えて実施例2と同様に行なった。
(3)結果
図4に示されるように、pH3.3の条件下において、ペプチドを有さないRNaseA(RNaseA)と比較してSS25ペプチドを有するRNaseA(RNaseA-SS25)の吸着量の増加が認められた。これより、タンパク質をチタンに吸着させる際、SS25ペプチドが有効であることが明らかとなった。
RNaseAまたはRNaseA-SS25のチタン粒子に対する可逆または不可逆吸着
(1)実施例3のステンレス粒子を実施例4の吸着実験後のRNaseAまたはRNaseA-SS25が吸着したチタン粒子に置き換え、洗浄液をpH3.3またはpH5.2の100 mMの KNO3(和光純薬)水溶液に置き換えて、実施例3と同様に行なった。
(2)結果
図5に示されるように、pH3.3および5.2の条件下において、SS25ペプチドを有するRNaseA(RNaseA-SS25)の方が、ペプチドを有さないRNaseA(RNaseA)と比較して不可逆吸着率が高いことが示された。
これより、タンパク質をチタンに強固に吸着させる際、SS25ペプチドが有効であることが明らかとなった。
RNaseA、RNaseA-T5またはRNaseA-SS25のステンレス吸着後の残存活性
(1)残存活性の測定方法
測定には、実施例3において、pH7.0〜7.1の100 mMの KNO3水溶液を用いた洗浄操作により可逆的に吸着した酵素を取り除いた、RNaseA、RNaseA-T5またはRNaseA-SS25が吸着したステンレス粒子を用いた。
実施例3における洗浄操作後のRNaseA、RNaseA-T5またはRNaseA-SS25が吸着したステンレス粒子を0.06 % Yeast RNA(10 mM ホウ酸buffer、pH7)5mlに懸濁し、振とうした。反応溶液は振とう後、上清を膜ろ過(Millipore、Millex-LG 0.2μm)した。ろ液の300 nmにおける吸光度変化より、RNAの加水分解速度を測定し、残存活性を求めた。活性の初速度は反応開始0、30秒、1分の3点から算出した。なお、バックグラウンドとしては吸着操作を行っていないステンレス粒子を用いて上記と同様の手順で処理を行ったサンプルを採用した。このようにして算出した残存比活性(unit/mg)を遊離酵素の比活性(吸着実験に用いたRNaseA溶液中のRNaseA活性(168.0 unit/mg)、RNaseA-T5溶液中のRNaseA活性(85.0 unit/mg)、またはRNaseA-SS25溶液中のRNaseA活性(23.0 unit/mg))で割ることにより残存活性率を算出した。
(2)結果
図6に示すとおり、SS25ペプチドを有するRNaseA(RNaseA-SS25)は、T5ペプチドを有するRNaseA(RNaseA-T5)やペプチドを有さないRNaseA(RNaseA)と比較して、残存活性率の増加が認められた。
これより、ステンレスに吸着後のタンパク質の活性の保持にSS25ペプチドが有効であることが明らかとなった。
RNaseAまたはRNaseA-SS25のチタン吸着後の残存活性
(1)残存活性の測定方法は、実施例6と同様である。ただし、実施例3における洗浄操作後のRNaseA、RNaseA-T5またはRNaseA-SS25が吸着したステンレス粒子の代わりに、実施例5の洗浄操作後のRNaseAまたはRNaseA-SS25が吸着したチタン粒子を用いた。
(2)結果
図7に示すとおり、SS25ペプチドを有するRNaseAは、ペプチドを有さないRNaseAと比較して、高い残存活性率が認められた。
これより、チタンに吸着後のタンパク質の活性の保持にSS25ペプチドが有効であることが明らかとなった。
RNaseHIITKのステンレスまたはチタンに対する吸着
(1)RNaseHIITKの調製
配列番号62
5'-
ATGAAGATAGCGGGCATTGACGAGGCCGGGAGGGGGCCAGTTATCGGACCAATGGTGATAGCGGCGGTTGTGGTGGATGAGAATAGCCTCCCAAAGCTCGAAGAACTGAAGGTCAGGGACTCTAAAAAACTGACACCAAAGAGACGGGAGAAGCTTTTCAATGAAATACTCGGAGTTTTAGATGATTATGTAATTCTTGAATTGCCTCCCGATGTCATTGGTTCCAGGGAGGGCACGCTCAACGAGTTCGAGGTTGAGAACTTCGCGAAGGCCCTGAACTCGCTCAAGGTAAAGCCCGATGTAATCTACGCTGACGCGGCTGACGTTGACGAGGAACGCTTTGCGAGAGAGCTTGGGGAGAGGCTGAACTTCGAGGCTGAAGTCGTTGCGAAGCACAAGGCCGACGACATCTTTCCCGTCGTCTCAGCTGCTTCAATCCTCGCCAAGGTTACAAGGGACAGGGCGGTTGAAAAGCTCAAAGAAGAGTACGGGGAGATAGGCTCTGGCTACCCAAGCGACCCAAGAACGAGGGCTTTTCTTGAGAACTATTATCGGGAGCACGGTGAGTTTCCGCCGATAGTTAGGAAGGGCTGGAAGACGCTGAAGAAGATAGCAGAAAAAGTTGAGAGCGAGAAAAAGGCCGAAGAAAGGCAGGCTACTCTTGACCGCTACTTTCGGAAGGTCTGA-3'
に示す、Thermococcus kodakarensis 由来のRNaseHII(GENBANK/AB012613)をコードするDNAは、大阪大学 金谷茂則教授よりプラスミドpJAL700Kに組み込まれ、pJAL700Kが大腸菌 MIC3009株に保持された状態で供与された。
プラスミドpJAL700Kの単離
RNaseHIITkをコードする遺伝子全長を含む発現用プラスミド(大阪大学 金谷茂則教授より供与されたpJAL700K(J Bacteriol, 1998 December; 180(23): 6207-6214.) を有する大腸菌 MIC3009株を試験管内の5 ml LB+Amp培地で一晩培養し、菌体を回収後、Quantum Prep Plasmid Miniprep Kit(Bio-Rad)を用いてプラスミド(pJAL700K) を単離した。
単離方法は、まず、5 mlの培養液をファルコンチューブに移し、遠心(15000 rpm、30 sec、4℃) を行い集菌した。上清を除去した後、200μlのCell Resuspension Solutionを加え、ピペッティングにより菌を懸濁した。懸濁した溶液に250μlのCell Lysis Solutionを加え、Neutralization Solution 250μlを加え、遠心(15000 rpm、5 min、4℃)した。遠心中に、Wash tubeにSpin Filterをセットした。遠心後、上清をSpin Filterに添加し、200μlのQuantum prep matrixを加え軽くピペッティング後、さらに遠心(15000 rpm、1 min、4℃)を行った。そして素通り溶液を除いた後、500μlのWash Bufferを加え、遠心(15000 rpm、1 min、4℃)を行った。素通りした溶液を捨て、再度500μlのWash Bufferを加え、遠心(15000 rpm、1 min、4℃)を行った。Spin Filterをエッペンチューブに挿し、100μlのTE bufferを加え、遠心(15000 rpm、2 min、4℃)し、RNaseHIITkをコードする全長DNAを含むプラスミド(pJAL700K)を溶出した。なお、Cell Resuspension Solution、Cell Lysis Solution、Neutralization Solution、Wash tube、Spin Filter、Quantum prep matrix、Wash Buffer、TE bufferは、Quantum Prep Plasmid Miniprep Kit(Bio-Rad)に含まれているものである。
RNaseHIITkをコードする全長DNAを増幅
上記により精製したプラスミドpJAL700Kを用い、RNaseHIITkをコードする全長DNAを増幅するために以下の条件と組成にてPCRを行った。
PCR条件:
94℃、5 min→(94℃、15 sec→50℃、30 sec→68℃、40 sec)×25→4℃、
組成:
プラスミド(pJAL700K) 1μl 10 ng(終濃度)
プライマー(RNase HII-FW、RNase HII-RV) 2μl×2 0.3 μM(終濃度)
2 mM dNTP(TOYOBO) 5μ l0.2 mM(終濃度)
10×KOD Plus Buffer(TOYOBO) 5μl 1 x(終濃度)
25 mM MgSO4 (TOYOBO) 2μl 1 mM(終濃度)
滅菌水 32μl
KOD Plus(TOYOBO) 1μl 1.0 U(終濃度)
Total 50μl
使用したプライマーの配列は以下の通りである。
RNase HII-FW(配列番号63):5'-CATATGAAGATAGCGGGCATTG-3' (下線部はNdeIサイトを意味する)
RNase HII-RV(配列番号64):5'-TTGGATCCTCAGACCTTCCGAAAG-3' (下線部はBamHIサイトを意味する)
RNaseHIITkをコードする全長DNAのプラスミドpUC118へのクローニングとシークエンス
PCRによって増幅したRNaseHIITkを遺伝子全長を含むDNA断片にKination kit(TOYOBO)を用いてリン酸を付加した。
リン酸化のための各試薬は以下のように加えた。
PCR産物 39μl
Blunt End kination buffer(TOYOBO) 5μl
10 mM ATP(Takara) 5μl
Polynucleic Kinase(TOYOBO) 1μl(9 U)
Total 50μl
その後37℃で1時間インキュベートし、これに3 M CH3COONaを5μl、イソプロパノールを38.5μl加え、室温で10分間インキュベートし、DNAをアルコール沈殿させた。遠心(15000 rpm、15 min、4℃)し、上清を捨て、さらに70%エタノールを500μlを加えた。これを再び遠心(15000 rpm、5 min、4℃)し、上清を捨て、乾燥させた後、5μlのTEを加えDNAを溶解させた。
次に、ライゲーションキット(TOYOBO)を用い、各試薬を以下のように加え、16℃で2時間インキュベートし、ライゲーションを行った。
Kination後のDNAを含むTE溶液 1μl
pUC118 HincII/BAP(Takara) 1μl
滅菌水 1μl
Ligation high(TOYOBO) 3μl
Total 6μl
E. coli DH5αコンピテントセル100μlにライゲーション反応溶液を6μl加え、氷上で30分間インキュベートした。その後42℃で1分間放置し、氷上で2〜3分間放置した後、300μlのSOC培地を加えた。これを37℃、1時間インキュベートし、0.1 mM のX-gal(5-Bromo-4-Chloro-3-Indolyl-β-D-Galactoside、Wako)および0.1 mM のIPTGを含むLB+Amp寒天プレートに100μlまき、15時間、37℃で培養し、形質転換を行った。
LB+Ampプレート上でコロニーを形成した株のうち、白いコロニーを選抜し、爪楊枝を用いて5 mlのLB+Amp液体培地に接種した。37℃、15時間培養し、Quantum Prep Plasmid Miniprep Kit(Bio-Rad)を用いてプラスミドを単離した。コロニーの中に目的のDNA断片が挿入されているか調べるため、プラスミドの一部を制限酵素処理し、アガロース電気泳動を行った。電気泳動によりインサートが入っていることが確認されたプラスミドについてはDNAシーケンシングを行った。RNaseHIITkをコードする全長DNA配列を確認したプラスミドをpUC-rnh2とした。
RNaseHIITkをコードする全長DNAのプラスミドpET22b(+)へのクローニング、およびRNaseHIITkの発現と精製
次にpET22b(+)(Novagen)及びpUC-rnh2をNdeI、BamHIで処理した。その後、アガロース電気泳動を行い、GFXTM PCR DNA and Gel Band Purification Kit(GE Healthcare)を用いて以下の手順でNdeI、BamHI処理済pET-22b とpUC-rnh2から切り出されたRNaseHIITkをコードする全長DNAの精製を行った。まず1.5 mlチューブに切り出したゲル断片を移し、Capture bufferを加えた。これをアガロースゲルが溶けるまで60℃でインキュベートした。GFXカラムをCollection tubeにセットし、ゲルの溶解後、GFXカラムにアプライした。室温で1分間インキュベートし、遠心(12000 rpm、30 sec、RT)後、Collection tubeの溶液を捨て、カラムにWash buffer 500μl加え、遠心(12000 rpm、30 sec、RT)した。GFXカラムを新しいエッペンチューブに移し、50μlのTE bufferを添加した。室温で1分インキュベートし、遠心(12000 rpm、1 min、RT)し、NdeI、BamHI処理済pET-22b またはRNaseHIIをコードする遺伝子全長を回収した。次に、回収したNdeI、BamHI処理済pET-22bとRNaseHIITkをコードする遺伝子全長を含むDNA断片を含む溶液を用い、試薬を以下のように加えて、NdeI、BamHI処理済pET-22bとRNaseHIITkをコードする遺伝子全長を含むDNA断片とのライゲーションを行った。なお、Capture buffer、GFXカラム、Collection tube、Wash buffer、TE bufferはキットに含まれているものである。
NdeI、BamHI処理済のRNaseHIITkをコードする遺伝子全長を含むDNA断片 1μl
NdeI、BamHI処理済pET-22b(+) 1μl
滅菌水 1μl
Ligation high(TOYOBO) 3μl
Total 6μl
その後16℃で2時間インキュベートした。そして、E. coli DH5αコンピテントセル100μlにligation溶液6μl加え、氷上で30分間インキュベートした。その後42℃で1分間放置し、氷上で2〜3分間放置した後、300μlのSOC培地を加えた。これを37℃で1時間インキュベートし、LB+Amp寒天プレートに100μlまき、15時間、37℃で培養した。培養したプレート上で生育の見られたコロニーのうち、いくつかについてRNaseHIITkをコードする全長DNAの挿入についてチェックを行い、さらにシーケンシングによりRNaseHIITk遺伝子の配列確認を行った。そしてRNaseHIITkをコードする全長DNAの配列を確認したプラスミド(以後、pET-rnh2とする)を用いて大腸菌BL21(DE3)株のコンピテントセル懸濁液中に添加し、形質転換を行った。得られた形質転換体を5 ml LB+Amp培地で一晩前培養し、培養液を500 ml LB+Ampに添加した。OD600=0.6に達するまで37℃で培養した。その後、培養液にIPTGを添加(終濃度0.1 mM)し、6時間培養することで発現を誘導した。発現終了後、培養液を遠心分離(10,000 rpm、10 min、4℃)して集菌し、その後、菌体を20 ml のTEバッファーに懸濁した(TEは培養液200 mlの菌体に対し、10 mlの割合で加えた)。超音波破砕後、遠心分離(10,000 g、20 min、4℃)により得られた上清を熱処理(90℃、10分)し、さらに遠心分離(10,000 g、20 min、4℃)後、上清を回収し、フィルター(Millipore、Millex-LG 0.2μm)ろ過した。そしてPOROS HS/M 陽イオン交換クロマトグラフィーによりRNase HIITkの精製を行った。緩衝液pH 8のTEバッファーを使用し、0〜0.8 M NaClによりグラジエント溶出した(流速 3ml/min、RT)。回収したフラクションについてタンパク質濃度(A280)、および以下に記載のRNaseHIITk活性の測定法によりRNaseHIITk活性の測定を行い、活性画分を回収した。精製したタンパク質の純度はSDS-PAGEにより確認した。23.9 unit/mlのRNaseHIITk溶液が9ml得られた。このときタンパク質の濃度は0.281 mg/ml、比活性は82.2 unit/mgであった。
RNaseHIITk活性の測定
POLY(rA)- p(dT)12〜18 (GE Healthcare)
(12〜18個のアデニンのリボヌクレオチド鎖と12〜18個のチミンのデオキシリボヌクレオチド鎖からなるDNA-RNAハイブリッドである2本鎖核酸)
トリスヒドロキシメチルアミノメタン(Tris) (Wako)
NaCl (Wako)
2-メルカプトエタノール (Wako)
BSA (Sigma)
MnCl2 (Wako)
10 mM Tris-HClバッファーpH 8(+ 50 mM NaCl、1 mM 2-メルカプトエタノール、10μg/ml BSA、10 mM MnCl2)に基質として50 ng/μl POLY(rA)- p(dT)12〜18(GE Healthcare)を含む溶液中にて30℃で反応を行った。基質溶液1 mlに酵素溶液100μlを添加し、反応を開始した。260 nmにおける吸光度を経時的に測定することでDNA-RNAハイブリッドの加水分解速度を測定した。30℃で、1分間に反応溶液100μl当たりの260 nmの吸光度を1増加させる酵素量を1 unitとした。
(2)吸着実験
ステンレス粒子に対する吸着実験
ステンレス粒子に対する吸着実験は、試料溶液としてRNaseHIITkの溶液を用い、吸着のための溶媒として10mM KNO3、pH5.5、pH6.6または7.05を用いて、実施例1と同様に実施した。
チタン粒子に対する吸着実験
チタン粒子に対する吸着実験は、試料溶液としてRNaseHIITkの溶液を用い、吸着のための溶媒として10mM KNO3、pH6.6を用いて、実施例4と同様に実施した。
(3)結果
図8に示すように、ステンレスやチタンに対する高い吸着が認められました。
これより、RNaseHIITkがステンレスやチタンに吸着できることが明らかとなった。
RNaseHIITKのステンレス、チタンに対する可逆または不可逆吸着
(1)実施例8の吸着実験後のRNaseHIITKが吸着したステンレスおよびチタン粒子と吸着に用いた10mM KNO3、pH6.6、5.5または7.05の溶媒を洗浄液として用いて、実施例3と同様に行なった。
(2)結果
図9に示されるように、RNaseHIITKでは、不可逆吸着率(ステンレス:68%、チタン73%)が高いことが示された。
これより、RNaseHIITkがステンレスやチタンに強固に吸着できることが明らかとなった。
RNaseHIITkのステンレス吸着後の残存活性
(1)残存活性の測定
実施例8の吸着実験後のRNaseHIITKが吸着したステンレス粒子を用いて、吸着後のRNaseHIITkの残存活性を測定した。
活性測定の前に、実施例8で得られたステンレス粒子の洗浄を次のように行った。RNaseHIITkを吸着させた実施例8のステンレス粒子の入ったバイアル瓶に、吸着実験で用いた溶媒(10 mM KNO3、pH6.5)を1 ml加え懸濁し、再び上清を1ml取り除いた。この操作を数回繰り返した後、上清を膜ろ過し、活性が無いことを確認した。洗浄は10回行えば十分であった。この洗浄操作により、不可逆吸着したRNaseHIITKの活性を測定することが可能となる。
その後、バイアル瓶に基質(POLY(rA)- p(dT)12〜18)の終濃度が50 ng/μlになるようにRNaseHIITKの活性測定用バッファーを加えた。30℃に保った振盪機にバイアル瓶を設置し、振盪速度125 strokes/minとした。振とう開始後0、5、10分後に、膜ろ過(Millipore、Millex-LG 0.2μm)し、ろ液の吸光度を260 nmで測定した。なお、バックグラウンドとしては吸着操作を行っていないステンレス粒子を用いて上記と同様の手順で処理を行ったサンプルを採用した。このようにして算出した残存比活性(unit/mg)を遊離酵素の比活性(吸着実験に用いたRNaseHIITK溶液のRNaseHIITK活性(82.0 unit/mg)で割ることにより残存活性率を算出した。
(2)結果
図10は、RNaseHIITkのステンレス吸着後の残存活性率を示す。この時、比較として実施例6のRNaseAおよびRNaseA-SS25のステンレス吸着後の残存活性率も示す。
RNaseHIITkは、RNaseA-SS25と同程度であり、ペプチドなしRNaseA(RNaseA)より高い残存活性率も示した。
これより、RNaseHIITkがステンレスに吸着後も高い活性を保持できることが明らかとなった。
RNaseHIITkのチタン吸着後の残存活性
(1)実施例8の吸着実験後のRNaseHIITKが吸着したチタン粒子を用いて、吸着後のRNaseHIITkの残存活性を測定した。
吸着後のRNaseHIITkの残存活性測定は、RNaseHIITKの吸着したステンレス粒子の代わりにRNaseHIITKが吸着したチタン粒子を用いたことと洗浄に用いた溶媒が10 mM KNO3、pH6.6であることを除いて、実施例10と同様である。
(2)結果
図11は、RNaseHIITkのチタン吸着後の残存活性率を示す。この時、比較として実施例7のRNaseAおよびRNaseA-SS25のチタン吸着後の残存活性率も示す。
RNaseHIITkは、ペプチドなしRNaseA(RNaseA)より高い残存活性率を示したが、RNaseA-SS25よりは低い残存活性率であった。
これより、RNaseHIITkがチタンに吸着後も高い活性を保持できることが明らかとなった。
RNase HIITk-N-SS25'およびRNase HIITk -C-SS25'のステンレスに対する吸着
(1)RNase HIITk-N-SS25'およびRNase HIITk -C-SS25'の調製
RNase HIITkのN末端に配列番号1のSS25'ペプチドのC末端が連結したキメラタンパク質(RNase HIITk-N-SS25')およびRNase HIITkのC末端にSS25'ペプチドのC末端が連結したキメラタンパク質(RNase HIITk -C-SS25')(図12a)を調製した。
RNase HIITkのN末端またはC末端にSS25'ペプチドが連結したキメラタンパク質の作製は以下の手順に従って行った。
RNase HIITkをコードするDNAにSS25'ペプチドをコードするDNAを付加するため、オーバーラップPCR法を行なった。オーバーラップPCR法により、RNase HIITk をコードするDNAの5'末端または3'末端にSS25'ペプチドをコードするDNAを追加した。PCRはKOD Plus DNA polymerase(TOYOBO)を用いて3回行った。反応条件と組成を以下に示す。
PCR条件:
94℃、5 min→(94℃、15 sec→50℃、30 sec→68℃、40 sec)×25→ 4℃、∞
組成:
鋳型DNA(pET-rnh2) 1μl 10 ng(終濃度)
プライマー 2μl×2 0.3μM(終濃度)
2 mM dNTP(TOYOBO) 5μ l0.2 mM(終濃度)
10×KOD Plus Buffer(TOYOBO) 5μl 1 x(終濃度)
25 mM MgSO4 (TOYOBO) 2μl 1 mM(終濃度)
滅菌水 32μl
KOD Plus(TOYOBO) 1μl 1.0 U(終濃度)
Total 50μl
1回目のPCRではpET-rnh2をテンプレートとして使用した。2回目、3回目のPCRではそれぞれ1回目、2回目のPCR産物をテンプレートとして用いた。
プライマーは、以下の組み合わせを用いた。
RNase HIITk-N-SS25'の場合
1回目のPCRには、SS25'-N-FW-1とRNase HII-RVのプライマーセットを用い、
2回目のPCRには、SS25'-N-FW-2とRNase HII-RVのプライマーセットを用い、
3回目のPCRには、SS25'-N-FW-3とRNase HII-RVのプライマーセットを用いた。
RNase HIITk-C-SS25'の場合
1回目のPCRには、Rnase HII-FWとSS25'-C-RV-1のプライマーセットを用い、
2回目のPCRには、RNase HII-FWとSS25'-C-RV-2のプライマーセットを用い、
3回目のPCRには、RNase HII-FWとSS25'-C-RV-3のプライマーセットを用いた。
上記プライマーの配列は以下の通りである。
SS25'-N-FW-1(配列番号65):
Figure 2008054599

(2重下線部分はSS25'ペプチドをコードするDNA配列、残りはRNase HIITkをコードするDNA配列)
SS25'-N-FW-2(配列番号66):
Figure 2008054599

(2重下線部分はSS25'ペプチドをコードするDNA配列)
SS25'-N-FW-3(配列番号67):
Figure 2008054599

(1本下線部はNdeIサイト、2重下線部分はSS25'ペプチドをコードするDNA配列)
SS25'-C-RV-1(配列番号68):
Figure 2008054599

(2重下線部分はSS25'ペプチドをコードするDNA配列、残りはRNase HIITkをコードするDNA配列)
SS25'-C-RV-2(配列番号69):
Figure 2008054599

(2重下線部分はSS25'ペプチドをコードするDNA配列)
SS25'-C-RV-3(配列番号70):
Figure 2008054599

(1本下線部はBamHIサイト、2重下線部分はSS25'ペプチドをコードするDNA配列)
3回目のPCRの結果として、SS25'をコードするDNAの3'末端をRNase HIITkをコードするDNAの5'末端に連結したDNA断片(以後、rnh2-N-SS25'とする)、またはSS25'ペプチドをコードするDNAの3'末端をRNase HIITkをコードするDNAの3'末端に連結したDNA断片(以後、rnh2-C-SS25'とする)が得られた。rnh2-N-SS25'を用いたRNase HIITk-N-SS25'の調製およびrnh2-C-SS25'を用いたRNase HIITk -C-SS25'の調製は、実施例8に記載したRNase HIITkの調製の場合と同じ手順と方法に従っておこなった。すなわち、RNase HIITk-N-SS25'の調製は、rnh2-N-SS25'をpUC118 HincII/BAP(Takara)にサブクローニングしてpUC-rnh2-N-SS25'を作製し、次いで、pET-rnh2-N-SS25'により、E. coli BL21(DE3)株の形質転換を行い、形質転換体を培養して、RNase HIITk-N-SS25'を発現させ、精製してRNase HIITk-N-SS25'溶液を調製した。そして、RNase HIITk-N-SS25'のRNaseHIITk活性を測定した。RNase HIITk-N-SS25'溶液のタンパク質濃度は0.15 mg/ml、RNase HIITk-N-SS25'のRNaseHIITkの比活性は26.0 unit/mgであった。
同様に、RNase HIITk -C-SS25'の調製は、rnh2-C-SS25'をpUC118 HincII/BAP(Takara)にサブクローニングしてpUC-rnh2-C-SS25'を作製し、次いでpUC-rnh2-C-SS25'を発現用プラスミドpET-22b(+)に挿入してpET-rnh2-C-SS25'を作製し、次いでpET-rnh2-C-SS25'により、E. coli BL21(DE3)株の形質転換を行い、形質転換体を培養して、RNase HIITk -C-SS25'を発現させ、精製してRNase HIITk -C-SS25'溶液を調製した。そして、RNase HIITk -C-SS25'のRNaseHIITk活性を測定した。RNase HIITk -C-SS25'溶液のタンパク質濃度は0.33 mg/ml、RNase HIITk -C-SS25'のRNaseHIITkの比活性は30.8 unit/mgであった。
rnh2-N-SS25'のDNA配列(配列番号71):
Figure 2008054599

(2重下線部分はSS25'ペプチド部分を、残りはRNaseHIITk部分を示す)
RNaseHIITk-N-SS25'のアミノ酸配列(配列番号72):
Figure 2008054599

(2重下線部分はSS25'ペプチド部分を、残りはRNaseHIITk部分を示す)
rnh2-C-SS25'のDNA配列(配列番号73):
Figure 2008054599

(2重下線部分はSS25'ペプチド部分を、残りはRNaseHIITk部分を示す)
RNaseHIITk-C-SS25'のアミノ酸配列(配列番号74):
Figure 2008054599

(2重下線部分はSS25'ペプチド部分を、残りはRNaseHIITk部分を示す)
(2)吸着実験
ステンレス粒子に対する吸着実験は、試料溶液としてRNaseHIITk、RNase HIITk-N-SS25'およびRNase HIITk -C-SS25'溶液を用い、吸着のための溶媒としてRNaseHIITkについては、10mM KNO3、pH7.1を用い、RNase HIITk-N-SS25'およびRNase HIITk -C-SS25'については、10mM KNO3、pH6.6を用いて、実施例1と同様に実施した。
(3)結果
吸着等温線が直角平衡型になる場合とは、吸着時のタンパク質濃度が低い時には全てのタンパク質が固体表面に吸着し、タンパク濃度が高い時でも吸着量の増加が生じない場合である。これは、タンパク質が固体表面に不可逆的に吸着し、単分子吸着層を速やかに形成していることを示唆するものである。一方、平衡濃度の上昇とともに吸着量が増加する場合は、タンパク質が固体表面と可逆的に吸脱着を起こしており、タンパク質と固体表面との相互作用が非常に小さいと考えられる。
図12bに示すように、SS25'ペプチドを有するRNaseHIITkは、直角平衡型の吸着等温線を示したので、RNase HIITk-N-SS25'またはRNase HIITk -C-SS25'はステンレス粒子に非常に強固に吸着している。
これより、SS25'ペプチドとの連結位置に関係なく、RNaseHIITkのステンレスに対する吸着がSS25'ペプチドとの連結により強固になることが明らかとなった。また、これは、SS25'ペプチドの配列が反対であってもその効果が変わらないことを示している。
RNaseHIITK、RNase HIITk-N-SS25'およびRNase HIITk -C-SS25'のステンレス吸着後の残存活性
(1)実施例12の吸着実験後のRNaseHIITK、RNase HIITk-N-SS25'およびRNase HIITk -C-SS25'の吸着したステンレス粒子を用いて、吸着後のRNaseHIITkの残存活性を測定した。
吸着後のRNaseHIITkの残存活性測定は、実施例8の吸着実験後のRNaseHIITKの吸着したステンレス粒子の代わりに実施例12の吸着実験後のRNaseHIITKの吸着したステンレス粒子、RNase HIITk-N-SS25'の吸着したステンレス粒子およびRNase HIITk -C-SS25'の吸着したステンレス粒子を用いることを除いて、実施例10と同様である。
(2)結果
図13は、RNaseHIITK、RNase HIITk-N-SS25'およびRNase HIITk -C-SS25'のステンレス吸着後の残存活性率を示す。この時、比較として実施例7のRNaseA、RNaseA-T5またはRNaseA-SS25'のステンレス吸着後の残存活性率も示す。
ステンレス吸着後の残存活性率は、RNase HIITk-N-SS25'で約70%、RNase HIITk -C-SS25'で約60%と、RNase HIITk の場合と比較して高い残存活性率が得られた。
これにより、連結位置に関係なく、SS25'ペプチドがステンレスに吸着後のタンパク質の活性の保持に有効であることが明らかとなった。また、これは、SS25'ペプチドの配列が反対であってもその効果が変わらないことを示している。
そして、SS25'ペプチドと連結したRNaseHIITkは、ステンレスに吸着後も非常に高い活性を保持できることが明らかとなった。
本発明のクッション性吸着剤を利用することにより、目的タンパク質やペプチドをそれらの活性を保持したまま固体表面に吸着できるので、より生体親和性や活性を向上させた固体材料、特に金属系材料の作製が可能となる。また、新規な医薬品の開発事業への利用も考えられる。
図1は、SS23、SS25'、T5ペプチドおよびK4A2D4のステンレス粒子に対する吸着を示す。 図2aは、RNaseAのDNAを有するプラスミドpBXRを示す。 図2bは、RNaseA-SS25発現用プラスミドpBXR'-SS25を示す。 図2cは、RNaseA-T5発現用プラスミドpBXR'-T5を示す。 図2dは、RNaseA-SS25、RNaseA-T5およびRNaseAのステンレス粒子に対する吸着のpH依存性を示す。 図3は、RNaseA、RNaseA-T5、RNaseA-SS25のステンレス粒子に対する可逆または不可逆吸着を示す。 図4は、RNaseA、RNaseA-SS25のチタン粒子に対する吸着のpH依存性を示す。 図5は、RNaseA、RNaseA-SS25のチタン粒子に対する可逆または不可逆吸着を示す。 図6は、RNaseA、RNaseA-T5およびRNaseA-SS25のステンレス吸着後の残存活性を示す。 図7は、RNaseAおよびRNaseA-SS25のチタン吸着後の残存活性を示す。 図8は、RNaseHIITKのステンレスおよびチタンに対する吸着を示す。 図9は、RNaseHIITKのステンレスおよびチタンに対する可逆または不可逆吸着を示す。 図10は、RNaseA、RNaseA-T5、RNaseA-SS25およびRNaseHIITkのステンレス吸着後の残存活性を示す。 図11は、RNaseA、RNaseA-SS25およびRNaseHIITkのチタン吸着後の残存活性を示す。 図12aは、RNase HIITk-N-SS25'およびRNase HIITk -C-SS25'を示す。 図12bは、RNase HIITk、RNase HIITk-N-SS25'およびRNase HIITk -C-SS25'のステンレスに対する吸着を示す。 図13は、RNaseA、RNaseA-T5、RNaseA-SS25、RNase HIITk、RNase HIITk-N-SS25'およびRNase HIITk -C-SS25'のステンレス吸着後の残存活性を示す。

Claims (4)

  1. 配列番号1〜4のペプチド、およびクッションタンパク質からなる群から選択される少なくとも1つを含む、固体表面に吸着できるクッション性吸着剤。
  2. クッションタンパク質が、配列番号5および/または6に示されるタンパク質から選択される、請求項1に記載のクッション性吸着剤。
  3. 固体が、金属、プラスチック、ガラスからなる群から選択される、請求項1または2に記載のクッション性吸着剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のクッション性吸着剤を有する固体。
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