JP7094565B2 - ストレプトアビジン突然変異タンパク質およびそれらを使用する方法 - Google Patents
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Description
本発明は、新規な安定化ストレプトアビジン突然変異タンパク質、組換えDNA技術によってそのような突然変異タンパク質を生成する方法、ならびに変性条件下で組換えタンパク質などの生体物質を単離する、精製する、および決定するためのこれらのストレプトアビジン突然変異タンパク質の使用に関する。したがって本発明はまた、本発明のストレプトアビジン突然変異タンパク質が固定化された固相、および本発明の突然変異タンパク質をコードする核酸分子に関する。本発明はさらに、例えば固相上に固定化された、本発明の突然変異タンパク質を含む、タンパク質の検出、単離、または精製に適したキットに関する。
大腸菌 (Escherichia coli) において多くの組換えタンパク質を高レベルで発現させると、一般に封入体と称される高度に凝集したタンパク質が形成される。封入体は通常、細胞質内で形成される。しかしながら、分泌ベクターが用いられる場合には、封入体はペリプラズム空間内でも形成され得る。しかしながら、封入体は大腸菌に限定されず、例えば、酵母細胞、哺乳動物細胞、および昆虫細胞でも生じ得る。封入体が形成された場合、ポリヒスチジンアフィニティータグを保有する融合タンパク質は、精製過程中に6 M塩酸グアニジウム(塩酸グアニジンとしても公知である)または8 M尿素などの変性条件を使用することによって精製することができる(例えば、Palmer & Wingfield "Preparation and Extraction of Insoluble Inclusion-Body Proteins from Escherichia coli", Curr Protoc Protein Sci. 2004 November; CHAPTER: Unit-6.3. doi:10.1002/0471140864.ps0603s38(非特許文献1)、またはBornholst & Falke "Purification of Proteins Using Polyhistidine Affinity Tags", Methods Enzymol. 2000; 326: 245-254(非特許文献2)を参照されたい)。アフィニティークロマトグラフィー樹脂とヘキサヒスチジン (His6) タグなどのポリヒスチジンタグとの相互作用は、ペプチドタグの特定の立体構造を必要とせず、それによって変性条件を使用する効率的な精製が可能になる。このような理由から、His6タグはSchmidtおよびSkerraによって、例えば6 M塩酸グアニジンの存在下で可溶化封入体から組換えタンパク質を単離するための、Strep-Tag(登録商標)IIよりも優れた代替物と見なされていた (Schmidt & Skerra, "The strep-tag system for one-step purification and high-affinity detection or capturing of proteins." Nature Protocols 2 (2007), 1528-1535(非特許文献3))。Strep-tag(登録商標)アフィニティータグなどのストレプトアビジン結合アフィニティータグを使用する場合には、したがって、そのようなストレプトアビジン結合アフィニティータグおよびHis6タグの両方を組換えタンパク質に融合して、最初にHis6タグによって変性条件下で封入体から組換えタンパク質を精製し、タンパク質の再折りたたみ後に、ストレプトアビジン結合ペプチドによって生理的条件下で第2のアフィニティー精製を行うことができるようにすることが推奨されてきた。そうすることで、封入体から高純度でかつ高度に均質なタンパク質調製物を得ることができるはずである。
(a) SEQ ID NO: 1に記載の野生型ストレプトアビジンのアミノ酸配列を基準として、127位の配列位置にCys残基を有し、かつ
(b) SEQ ID NO: 1に記載の野生型ストレプトアビジンのアミノ酸配列を基準として、115~121位のアミノ酸位置の領域内に少なくとも1つの変異を含む
突然変異タンパク質を提供する。
(a) SEQ ID NO: 1に記載の野生型ストレプトアビジンのアミノ酸配列を基準として、127位の配列位置にCys残基を有し、かつ
(b) SEQ ID NO: 1に記載の野生型ストレプトアビジンのアミノ酸配列を基準として、115~121位のアミノ酸位置の領域内に少なくとも1つの変異を含む
ストレプトアビジン突然変異タンパクをコードする配列を含む核酸分子を提供する。
(a) ストレプトアビジン突然変異タンパク質をコードする核酸を含むベクターで適切な宿主細胞を形質転換する段階、
(b) ストレプトアビジン突然変異タンパク質の発現が起こる条件下で、該宿主細胞を培養する段階、
(c) 該突然変異タンパク質を単離する段階
を含む方法を提供する。
a) 式Trp-Xaa-His-Pro-Gln-Phe-Yaa-Zaa (SEQ ID NO: 8) のペプチド配列であって、式中、Xaaは任意のアミノ酸を示し、かつYaaおよびZaaはいずれもGlyを示すか、またはYaaはGluを示しかつZaaはArgもしくはLysを示す、前記ペプチド配列、または
b) 少なくとも2つのストレプトアビジン結合モジュールの連続配置を含むペプチド配列であって、該2つのモジュール間の距離が少なくとも0でありかつ50アミノ酸以下であり、一方の結合モジュールが3~8アミノ酸を有しかつ少なくとも配列-His-Pro-Baa-を含み、ここでBaaはグルタミン、アスパラギン、もしくはメチオニンであり、かつ他方の結合モジュールが、配列-Oaa-Xaa-His-Pro-Gln-Phe-Yaa-Zaa- (SEQ ID NO: 9) を有し、ここでOaaはTrp、Lys、もしくはArgであり、Xaaは任意のアミノ酸であり、かつYaaおよびZaaはいずれもGlyであるか、またはYaaはGluでありかつZaaはLysもしくはArgである、前記ペプチド配列
と融合されているタンパク質を変性条件下で単離する、精製する、または決定する方法であって、該タンパク質を含む試料を、本明細書に記載されるストレプトアビジン突然変異タンパク質と、該ペプチド配列が該ストレプトアビジン突然変異タンパク質に結合するのに適した条件下で接触させる段階、および得られた複合体を該試料から分離する段階を含む前記方法を提供する。
a) 式Trp-Xaa-His-Pro-Gln-Phe-Yaa-Zaa (SEQ ID NO: 8) のペプチド配列であって、式中、Xaaは任意のアミノ酸を示し、かつYaaおよびZaaはいずれもGlyを示すか、またはYaaはGluを示しかつZaaはArgもしくはLysを示す、前記ペプチド配列、または
b) 少なくとも2つのストレプトアビジン結合モジュールの連続配置を含むペプチド配列であって、該2つのモジュール間の距離が少なくとも0でありかつ50アミノ酸以下であり、一方の結合モジュールが3~8アミノ酸を有しかつ少なくとも配列-His-Pro-Baa-を含み、ここでBaaはグルタミン、アスパラギン、もしくはメチオニンであり、かつ他方の結合モジュールが、配列-Oaa-Xaa-His-Pro-Gln-Phe-Yaa-Zaa- (SEQ ID NO: 9) を有し、ここでOaaはTrp、Lys、もしくはArgであり、Xaaは任意のアミノ酸であり、かつYaaおよびZaaはいずれもGlyであるか、またはYaaはGluでありかつZaaはLysもしくはArgである、前記ペプチド配列
と融合されているタンパク質を変性条件下で固定化する方法であって、該タンパク質を固定化するための条件下で、該タンパク質を、第1局面によるストレプトアビジン突然変異タンパク質を保有する固相に接触させる段階を含む前記方法を提供する。
ストレプトアビジンの突然変異タンパク質より選択される突然変異タンパク質であって、
(a) 野生型ストレプトアビジン(SEQ ID NO: 1に記載)のアミノ酸配列を基準として、127位の配列位置にCys残基を有し、かつ
(b) SEQ ID NO: 1に記載の野生型ストレプトアビジンのアミノ酸配列を基準として、115~121位のアミノ酸位置の領域内に少なくとも1つの変異を含む、
前記突然変異タンパク質。
[本発明1002]
(b) に記載される変異として、野生型ストレプトアビジンの117~121位のアミノ酸位置の領域内に少なくとも1つの変異を含む、本発明1001の突然変異タンパク質。
[本発明1003]
アミノ酸残基が114位の配列位置に存在し、該アミノ酸残基が野生型スレオニンまたは任意の他のアミノ酸のいずれかである、本発明1001または1002の突然変異タンパク質。
[本発明1004]
117位の配列位置に芳香族アミノ酸残基を保有する、本発明1001~1003のいずれかの突然変異タンパク質。
[本発明1005]
117位の配列位置の芳香族アミノ酸残基がTrp、Tyr、His、またはPheである、本発明1004の突然変異タンパク質。
[本発明1006]
117位の配列位置に荷電アミノ酸残基を保有する、本発明1001~1003のいずれかの突然変異タンパク質。
[本発明1007]
117位の配列位置の荷電アミノ酸残基がGlu、Asp、またはArgである、本発明1006の突然変異タンパク質。
[本発明1008]
117位の配列位置に親水性残基を保有する、本発明1001~1003のいずれかの突然変異タンパク質。
[本発明1009]
親水性アミノ酸残基がAsn、Gln、Leu、Met、Ser、Ala、またはGlyである、本発明1008の突然変異タンパク質。
[本発明1010]
120位の配列位置に小さいアミノ酸残基を保有するか、またはMetもしくはProより選択されるアミノ酸残基を保有する、本発明1003~1009のいずれかの突然変異タンパク質。
[本発明1011]
120位の配列位置の小さいアミノ酸残基がSer、Ala、またはGlyである、本発明1010の突然変異タンパク質。
[本発明1012]
121位の配列位置に疎水性アミノ酸残基を保有する、本発明1003~1011のいずれかの突然変異タンパク質。
[本発明1013]
121位の配列位置に芳香族アミノ酸残基を保有する、本発明1012の突然変異タンパク質。
[本発明1014]
121位の配列位置のアミノ酸残基がTrp、Tyr、またはPheである、本発明1012または1013の突然変異タンパク質。
[本発明1015]
120位の配列位置に疎水性アミノ酸残基を保有する、本発明1004~1009のいずれかの突然変異タンパク質。
[本発明1016]
120位の配列位置の疎水性アミノ酸残基がLeu、Ile、Met、Val、Tyr、またはPheである、本発明1015の突然変異タンパク質。
[本発明1017]
121位の配列位置に小さいアミノ酸残基を保有する、本発明1015または1016の突然変異タンパク質。
[本発明1018]
121位の配列位置の小さいアミノ酸残基がGly、Ala、Ser、またはGlnである、本発明1017の突然変異タンパク質。
[本発明1019]
121位の配列位置に疎水性アミノ酸残基を保有する、本発明1015または1016の突然変異タンパク質。
[本発明1020]
121位の配列位置の疎水性アミノ酸残基がLeu、Val、Ile、Trp、Tyr、Phe、またはMetである、本発明1019の突然変異タンパク質。
[本発明1021]
118位および/または119位のアミノ酸残基が欠失している、本発明1001~1003のいずれかの突然変異タンパク質。
[本発明1022]
117位の配列位置に任意のアミノ酸残基を保有する、本発明1021の突然変異タンパク質。
[本発明1023]
120位の配列位置にかさ高い疎水性アミノ酸残基を保有する、本発明1022の突然変異タンパク質。
[本発明1024]
120位の配列位置のアミノ酸残基がPhe、Tyr、Val、またはTrpである、本発明1022または本発明1023の突然変異タンパク質。
[本発明1025]
121位の配列位置に疎水性アミノ酸残基を保有する、本発明1021~1024のいずれかの突然変異タンパク質。
[本発明1026]
121位の配列位置のアミノ酸残基がMet、Leu、Tyr、またはPheである、本発明1025の突然変異タンパク質。
[本発明1027]
121位の配列位置に小さい親水性アミノ酸残基を保有する、本発明1022~1023のいずれかの突然変異タンパク質。
[本発明1028]
小さい親水性残基がヒドロキシル基を有するアミノ酸である、本発明1027の突然変異タンパク質。
[本発明1029]
前記アミノ酸残基がSerまたはThrである、本発明1027または1028の突然変異タンパク質。
[本発明1030]
121位の配列位置にArgまたはAsp残基を保有する、本発明1022~1024のいずれかの突然変異タンパク質。
[本発明1031]
120位の配列位置にGly残基 (Gly 120 ) を含む、本発明1001~1003のいずれかの突然変異タンパク質。
[本発明1032]
121位の配列位置にPheまたはTyr残基を保有する、本発明1031の突然変異タンパク質。
[本発明1033]
117位の配列位置にGlu、Asp、Arg、His、Asn、Gln、Thr、Ser、Leu、またはMet残基を保有する、本発明1031または1032の突然変異タンパク質。
[本発明1034]
Aaa 177 がTyr、Phe、Arg、Trp、またはGlnであってよく、Baa 120 がTyr、Phe、Leu、Ile、またはMetであってよく、かつCaa 121 が任意のアミノ酸であってよく、Caa 121 が好ましくはLeu、Ile、Met、Gly、Gly、Trp、Ser、Ala、またはVal残基である、配列モチーフAaa 117 Baa 120 Caa 121 を含む、本発明1001~1003のいずれかの突然変異タンパク質。
[本発明1035]
Daa 117 およびHaa 121 が任意のアミノ酸であってよく、Eaa 118 およびFaa 119 がどちらも欠失しており、かつGaa 120 がTrpまたはValであってよく、Daa 117 が好ましくはHis、Glu、Gln、Thr、Ala、またはIle残基であり、かつHaa 121 が好ましくはTyr、Leu、Met、またはArg残基である、配列モチーフDaa 117 Eaa 118 Faa 119 Gaa 120 Haa 121 を含む、本発明1001~1003のいずれかの突然変異タンパク質。
[本発明1036]
ストレプトアビジンの44~47位の配列位置に少なくとも1つの変異をさらに含む、本発明1001~1035のいずれかのストレプトアビジン突然変異タンパク質。
[本発明1037]
44位の配列位置においてGluが疎水性脂肪族アミノ酸によって置換され、45位の配列位置に任意のアミノ酸が存在し、46位の配列位置に疎水性脂肪族アミノ酸が存在し、または/かつ47位の配列位置においてValが塩基性アミノ酸によって置換されている、本発明1036の突然変異タンパク質。
[本発明1038]
Alaが46位に存在する、本発明1037の突然変異タンパク質。
[本発明1039]
Argが47位に存在する、本発明1037または1038の突然変異タンパク質。
[本発明1040]
44~47位のアミノ酸位置の領域内に配列Val 44 -Thr 45 -Ala 46 -Arg 47 (SEQ ID NO: 10) が存在する、本発明1037~1039のいずれかの突然変異タンパク質。
[本発明1041]
44~47位のアミノ酸位置の領域内に配列Ile 44 Gly 45 Ala 46 Arg 47 (SEQ ID NO: 11) が存在する、本発明1037~1039のいずれかの突然変異タンパク質。
[本発明1042]
N末端が野生型ストレプトアビジンのアミノ酸10~16の領域内で始まり、かつC末端が野生型ストレプトアビジンのアミノ酸133~142の領域内で終結する最小ストレプトアビジンの突然変異タンパク質である、前記本発明のいずれかの突然変異タンパク質。
[本発明1043]
117~121位の配列位置に、
の群からなるアミノ酸配列を含む、本発明1001~1042のいずれかの突然変異タンパク質。
[本発明1044]
突然変異タンパク質m1-9C (SEQ ID NO: 16) もしくはm302C (SEQ ID NO: 14) の配列を含むか、または突然変異タンパク質m1-9C (SEQ ID NO: 16) もしくはm302C (SEQ ID NO: 14) の配列からなる、本発明1043の突然変異タンパク質。
[本発明1045]
本発明1001~1044のいずれかのストレプトアビジン突然変異タンパク質をコードする配列を含む核酸分子。
[本発明1046]
有効な機能的環境中に、本発明1045の核酸の少なくとも1コピーを含むベクター。
[本発明1047]
本発明1046のベクターで形質転換またはトランスフェクトされた細胞。
[本発明1048]
本発明1001~1044のいずれかのストレプトアビジン突然変異タンパク質を生成する方法であって、
(a) ストレプトアビジン突然変異タンパク質をコードする核酸を含むベクターで適切な宿主細胞を形質転換する段階、
(b) ストレプトアビジン突然変異タンパク質の発現が起こる条件下で、該宿主細胞を培養する段階、
(c) 該突然変異タンパク質を単離する段階
を含む、前記方法。
[本発明1049]
段階 (c) が、宿主細胞を溶解すること、封入体の形態のストレプトアビジン突然変異タンパク質を単離すること、および該ストレプトアビジン突然変異タンパク質を再生することを含む、本発明1048の方法。
[本発明1050]
段階 (b) における発現が、シグナルペプチド保有ストレプトアビジンの発現、および宿主細胞のペリプラズムまたは培養基中へのその分泌を含む、本発明1049の方法。
[本発明1051]
宿主細胞が大腸菌 (E. coli) である、本発明1048~1050のいずれかの方法。
[本発明1052]
a) 式Trp-Xaa-His-Pro-Gln-Phe-Yaa-Zaa (SEQ ID NO: 8) のペプチド配列であって、式中、Xaaは任意のアミノ酸を示し、かつYaaおよびZaaはいずれもGlyを示すか、またはYaaはGluを示しかつZaaはArgもしくはLysを示す、前記ペプチド配列、または
b) 少なくとも2つのストレプトアビジン結合モジュールの連続配置を含むペプチド配列であって、該2つのモジュール間の距離が少なくとも0でありかつ50アミノ酸以下であり、一方の結合モジュールが3~8アミノ酸を有しかつ少なくとも配列-His-Pro-Baa-を含み、ここでBaaはグルタミン、アスパラギン、もしくはメチオニンであり、かつ他方の結合モジュールが、配列-Oaa-Xaa-His-Pro-Gln-Phe-Yaa-Zaa- (SEQ ID NO: 9) を有し、ここでOaaはTrp、Lys、もしくはArgであり、Xaaは任意のアミノ酸であり、かつYaaおよびZaaはいずれもGlyであるか、またはYaaはGluでありかつZaaはLysもしくはArgである、前記ペプチド配列
と融合されているタンパク質を変性条件下で単離する、精製する、または決定する方法であって、
該タンパク質を含む試料を、本発明1001~1044のいずれかのストレプトアビジン突然変異タンパク質と、該ペプチド配列が該ストレプトアビジン突然変異タンパク質に結合するのに適した条件下で接触させる段階、および得られた複合体を該試料から分離する段階を含む、前記方法。
[本発明1053]
ストレプトアビジン突然変異タンパク質が固相に結合しているか、または固相に結合することができる、本発明1052の方法。
[本発明1054]
複合体から融合タンパク質を放出させるために、ビオチンおよびその誘導体より選択される、十分な量のストレプトアビジン突然変異タンパク質のリガンドと共に、該複合体をインキュベートする、本発明1053の方法。
[本発明1055]
ビオチン誘導体がチオビオチンである、本発明1054の方法。
[本発明1056]
ペプチド配列が、
より選択される、本発明1052~1055のいずれかの方法。
[本発明1057]
前記複合体から前記タンパク質を放出させる段階をさらに含む、本発明1052~1056のいずれかの方法。
[本発明1058]
前記タンパク質を決定する、単離する、または精製する段階をさらに含む、本発明1057の方法。
[本発明1059]
変性条件がカオトロピック剤の存在によって起こる、本発明1052~1058のいずれかの方法。
[本発明1060]
カオトロピック剤が、尿素、チオ尿素、塩酸グアニジン、過塩素酸リチウム水酸化物イオン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、本発明1059の方法。
[本発明1061]
a) 式Trp-Xaa-His-Pro-Gln-Phe-Yaa-Zaa (SEQ ID NO: 8) のペプチド配列であって、式中、Xaaは任意のアミノ酸を示し、かつYaaおよびZaaはいずれもGlyを示すか、またはYaaはGluを示しかつZaaはArgもしくはLysを示す、前記ペプチド配列、または
b) 少なくとも2つのストレプトアビジン結合モジュールの連続配置を含むペプチド配列であって、該2つのモジュール間の距離が少なくとも0でありかつ50アミノ酸以下であり、一方の結合モジュールが3~8アミノ酸を有しかつ少なくとも配列-His-Pro-Baa-を含み、ここでBaaはグルタミン、アスパラギン、もしくはメチオニンであり、かつ他方の結合モジュールが、配列-Oaa-Xaa-His-Pro-Gln-Phe-Yaa-Zaa- (SEQ ID NO: 9) を有し、ここでOaaはTrp、Lys、もしくはArgであり、Xaaは任意のアミノ酸であり、かつYaaおよびZaaはいずれもGlyであるか、またはYaaはGluでありかつZaaはLysもしくはArgである、前記ペプチド配列
と融合されているタンパク質を変性条件下で固定化する方法であって、
該タンパク質を固定化するための条件下で、該タンパク質を、本発明1001~1044のいずれかのストレプトアビジン突然変異タンパク質を保有する固相に接触させる段階を含む、前記方法。
[本発明1062]
ペプチド配列が、
である、本発明1061の方法。
[本発明1063]
本発明1001~1044のいずれかのストレプトアビジン突然変異タンパク質を含む、それが固定化された固相。
[本発明1064]
アフィニティークロマトグラフィーマトリックスである、本発明1063の固相。
[本発明1065]
アフィニティークロマトグラフィーマトリックスが、セルロース膜、プラスチック膜、多糖ゲル、ポリアクリルアミドゲル、アガロースゲル、多糖グラフトシリカ、ポリビニルピロリドングラフトシリカ、ポリエチレンオキシドグラフトシリカ、ポリ(2-ヒドロキシエチルアスパルトアミド)シリカ、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)グラフトシリカ、スチレン-ジビニルベンゼンゲル、アクリル酸またはアクリルアミドとジオールとの共重合体、多糖とN,N'-メチレンビスアクリルアミドとの共重合体、およびそれらのうちの任意の2つまたはそれ以上の組み合わせからなる群より選択される、本発明1064の固相。
[本発明1066]
本発明1001~1044のいずれかのストレプトアビジン突然変異タンパク質または本発明1063~1066のいずれかの固相を含む試薬キット。
[本発明1067]
緩衝液、補助物質、および添加物からなる群より選択される少なくとも1つの試薬をさらに含む、本発明1066の試薬キット。
本発明のこれらの局面は、以下の説明、図面、および非限定的な実施例を考慮して、より十分に理解されるであろう。
野生型ストレプトアビジンの127位の配列位置に存在するヒスチジン残基を置換することにより、変性条件下でストレプトアビジン結合ペプチドによる融合タンパク質の精製を可能にする突然変異タンパク質が提供されることが、本発明において見出された。野生型ストレプトアビジンにおいてHis 127をシステイン残基によって置換すると、7 M塩酸グアニジン中でのストレプトアビジンの安定性はわずかに増加しただけであったため、この知見は特に驚くべきことである (Reznik et al., "Streptavidins with intersubunit crosslinks have enhanced stability", Nat Biotechnol. 1996 Aug;14(8):1007-11.)。したがって、このアミノ酸交換によって、ストレプトアビジン結合ペプチドと可逆的に結合するストレプトアビジン突然変異タンパク質が、変性条件下でアフィニティークロマトグラフィーによるタンパク質精製に使用できるようになることは、予測されなかった可能性がある。このことは正に事実である、というのも、変性条件下でのタンパク質精製には、His6タグ/固定化金属キレートアフィニティークロマトグラフィー (IMAC) を使用するというSchmidt & Skerra, Nature Protocols 2、前記の推奨と一致して、wt-ストレプトアビジン配列の44~47位のアミノ酸位置においてアミノ酸配列Val44-Thr45-Ala46-Arg47 (SEQ ID NO: 10) を有するUS 6,103,493のストレプトアビジン突然変異タンパク質「1」は、生理的条件下では本発明の突然変異タンパク質よりも顕著に安定しているものの、変性条件下でのタンパク質精製には適していないことが本発明においてもまた見出されたためである(本出願の実施例4および5を参照されたい)。さらには本明細書において、SEQ ID NO: 1に記載の野生型ストレプトアビジンのアミノ酸配列を基準として、115~121位のアミノ酸位置の領域内に少なくとも1つの変異を含むストレプトアビジン突然変異タンパク質が、His 127のCysによる置換の恩恵を受けることが見出された。115~121位のアミノ酸位置のセグメントの領域内に少なくとも1つの変異を含むそのようなストレプトアビジン突然変異タンパク質は、国際特許出願第WO 20140/76277号に記載されている。したがって、本発明は、タンパク質がその産生中に封入体を形成する場合に備えてストレプトアビジン結合アフィニティータグおよびHis6タグの両方を組換えタンパク質に融合する必要性がなくなるという利点を有する。
1. 114~121位の配列位置における野生型アミノ酸残基
が欠失している突然変異タンパク質。この突然変異タンパク質は、Fletcher et alにおいてSAPVと命名されている。
2. 欠失された9アミノ酸残基Thr-Thr-Glu-Asp-Asn-Ala-Trp-Lys (SEQ ID NO: 17) がアミノ酸配列
によって置換されている、Fletcher et alにおいてSAPV-Alb5およびSAPV-84と命名された2つの突然変異タンパク質。
それらは、
i) 120位における、SerもしくはAla、または最も好ましくはGlyのような小さい残基と組み合わせて、次にこれを121位における疎水性残基、最も好ましくはTrp、Tyr、もしくはPheのようなかさ高い疎水性残基と組み合わせて、または
ii) Leu、Ile、Met、もしくはVal、またはより好ましくはTyrもしくはPheである、120位の疎水性残基と組み合わせて、次にこれを121位における、Gly、Ala、もしくはSerのような小さい残基、またはGln、またはLeu、Val、lle、Trp、Tyr、Phe、もしくはMetのような疎水性残基と組み合わせて、
117位に、最も好ましくは、Trp、Tyr、もしくはPheのような大きな疎水性残基、またはGlu、Asp、もしくはArgのような荷電残基、またはAsnもしくはGlnのような親水性残基を保有し、またはより低い好ましさで、疎水性残基Leu、Met、もしくはAla、または極性残基Thr、Ser、もしくはHisを保有する。
Phe、Tyr、またはTrpのようなかさ高い疎水性残基の好ましさはより低いが、117位は任意のアミノ酸であってよく、次に120位は最も好ましくはTrpであり、かつより低い好ましさでValであり、121位は同様に疎水性アミノ酸、最も好ましくはMet、Leu、Tyr、もしくはPheであるか、または121位は小さい親水性残基、最も好ましくはSerもしくはThrであるか、または121位はArgである。例証的な特定の突然変異タンパク質配列の概要をまた、下記の表1~5に示す。
Xaa117Gly120Yaa121
を特徴とし得、ここでXaaは任意のアミノ酸であってよく、かつYaaはPheまたはTyrまたはMetであってよい。
Aaa117Baa120Caa121
を特徴とし得、ここでAaaはTyr、Phe、Arg、Trp、またはGlnであってよく、BaaはTyr、Phe、Leu、Ile、またはMetであってよく、かつCaaは任意のアミノ酸であってよい。
を特徴とし得、ここでDaaおよびHaaは任意のアミノ酸であってよく、EaaおよびFaaはどちらも欠失しており、かつGaaはTrpまたはValであってよい。
の群からなるアミノ酸配列を含む。そのような突然変異タンパク質も同様に、例えば、任意の他の位置において、野生型ストレプトアビジン配列、突然変異タンパク質「1」または突然変異タンパク質「2」の配列のいずれかを含み得る(本発明のすべての突然変異タンパク質によって共有される127位のCys残基は別として)。
m400、m402、m4001、突然変異タンパク質「1」-m36、突然変異タンパク質「1」-m23、突然変異タンパク質「1」-m41、突然変異タンパク質「1」-m4、突然変異タンパク質「1」-m12、突然変異タンパク質「1」-m22、突然変異タンパク質「1」-m31、突然変異タンパク質「1」-m32、突然変異タンパク質「1」-m35、突然変異タンパク質「1」-m38、突然変異タンパク質「1」-m40、突然変異タンパク質「1」-m42、突然変異タンパク質「1」-m45、突然変異タンパク質「1」-m46、突然変異タンパク質「1」-m47、突然変異タンパク質「1」-m7、突然変異タンパク質「1」-m10、突然変異タンパク質「1」-m17、突然変異タンパク質「1」-m21、突然変異タンパク質「1」-m24、突然変異タンパク質「1」-m27、突然変異タンパク質「1」-m28、突然変異タンパク質「1」-m30、突然変異タンパク質「1」-m33、突然変異タンパク質「1」-m1、突然変異タンパク質「1」-m3、突然変異タンパク質「1」-m8、突然変異タンパク質「1」-m15、突然変異タンパク質「1」-m6、突然変異タンパク質「1」-m9、突然変異タンパク質「1」-m20、突然変異タンパク質「1」-m34、突然変異タンパク質「1」-m14、突然変異タンパク質「1」-m18、突然変異タンパク質「1」-m19、m4001-m8、m4001-m21、m4001-m9、m4001-m1、m4001-m2、m4001-m3、m4001-m5、m4001-m13、m4001-m14、m4001-m24、m4001-m4、m4001-m6、m4001-m7、m4001-m10、m4001-m15、m4001-m23、m4001-m17、m4001-m12、m4001-m20、突然変異タンパク質「1」-m101、突然変異タンパク質「1」-m106、突然変異タンパク質「1」-m111、突然変異タンパク質「1」-m100、突然変異タンパク質「1」-m110、突然変異タンパク質「1」-m104、突然変異タンパク質「1」-m108、突然変異タンパク質「1」-m207、突然変異タンパク質「1」-m212、突然変異タンパク質「1」-m202、突然変異タンパク質「1」-m204、突然変異タンパク質「1」-m206、突然変異タンパク質「1」-m208、突然変異タンパク質「1」-m203、突然変異タンパク質「1」-m209、突然変異タンパク質「1」-m200、突然変異タンパク質「1」-m201、突然変異タンパク質「1」-m211、突然変異タンパク質「1」-m300、突然変異タンパク質「1」-m301、突然変異タンパク質「1」-m302、突然変異タンパク質「1」-m303、突然変異タンパク質「1」-m304、およびm1-9
のいずれかの配列を含み得るか、またはそのような配列からなり得る。
(a) ストレプトアビジン突然変異タンパク質をコードする核酸を含むベクターで適切な宿主細胞を形質転換する段階、
(b) ストレプトアビジン突然変異タンパク質の発現が起こる条件下で、該宿主細胞を培養する段階、
(c) 該ポリペプチドを単離する段階。
、di-tag2配列
、または配列
(SEQ ID NO: 7、Twin-Strep-tag(登録商標)としても公知である)である。ペプチド配列は好ましくは、タンパク質のN末端または/およびC末端に融合される。ストレプトアビジン突然変異タンパク質は、固相に結合していてよく、またはそれに結合することができる。
である。別の態様において、ペプチド配列は、配列
である。この固定化は好ましくは、マイクロタイタープレート、ビーズ(例えば、アガロース、または例えばポリメタクリル酸のような他のポリマーでできている)、有機材料もしくは常磁性材料でできたマイクロビーズ、有機材料もしくは常磁性材料でできたナノビーズ、またはBiacore(商標)チップなどのセンサーチップ、または例えば側方流動アッセイのために、もしくはタンパク質アレイを作製するために用いられるような他の支持体などの、本発明のストレプトアビジン突然変異タンパクでコーティングされた固相上で実施される。
(図2)ストレプトアビジン配列の残基117~121のペプチドセグメント内に少なくとも1つの変異を有する本発明の突然変異タンパク質の3つの配列モチーフを示す。好ましい残基を太文字で示し、それほどは好ましくない残基を通常文字で示す。アミノ酸残基は位置的 (positionwise) であると見なされ、原理的には、各々を別の位置に存在する任意の他のものと組み合わせることができる。配列モチーフ1は、グリシンが120位で非常に好ましく、かつ、121位の大きな疎水性残基、好ましくはチロシンもしくはフェニルアラニン、またはより低い好ましさでメチオニン、および117位の荷電残基、好ましくはグルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン、もしくはヒスチジン、またはより低い好ましさでグルタミン、アスパラギン、セリン、もしくはスレオニンのような親水性残基、またはロイシンもしくはメチオニンのような疎水性残基と組み合わせることができることを特徴とする。配列モチーフ2は、120位において、小さなグリシンの代わりに大きな疎水性残基、好ましくはチロシンまたはフェニルアラニンが非常に好ましく、しかしトリプトファンは好ましくなく、またこの120位においてはロイシン、イソロイシン、またはメチオニンがそれほどは好ましくないことを特徴とする。疎水性残基はまた117位および121位でも好ましく、それによって芳香族チロシンまたはフェニルアラニンが117位には好ましく、大きいが非芳香族の疎水性残基、最も好ましくはロイシン、イソロイシン、およびメチオニンが121位には好ましい。117位にそれほどは好ましくないのは、残基アルギニン、トリプトファン、またはグルタミンであり、121位にそれほどは好ましくないのは、残基グルタミン、グリシン、トリプトファン、セリン、アラニン、またはバリンである。配列モチーフ3は、118位および119位のアミノ酸が欠失していることを特徴とする。この場合、元の120位のトリプトファンが極めて好ましく、バリンはそれほどは好ましくなく、これらの残基は好ましくは121位のチロシンと組み合わせることができ、それによってロイシン、メチオニン、スレオニン、セリン、フェニルアラニン、またはアルギニンのような他の残基が121位に存在してもよく、117位には、最も好ましくは、ヒスチジン、グルタミン、もしくはグルタミン酸のような水素結合受容体および/もしくは供与体、またはより低い好ましさで、スレオニン、アルギニン、アスパラギン、リジン、セリン、アラニン、もしくはイソロイシンのような他の残基を有する。
(図3)野生型ストレプトアビジン (SEQ ID NO: 2)、および米国特許第6,103,493号に記載される突然変異タンパク質「1」(SEQ ID NO: 12)(「Strep-tactin(登録商標)」という登録商標で市販されている)の14~139位のアミノ酸位置のアミノ酸配列と整列させた、本明細書において実験的に作製され、特徴づけられたすべての突然変異タンパク質(突然変異タンパク質m302 (SEQ ID NO: 13)、m302C (SEQ ID NO: 14)、m1-9 (SEQ ID NO: 15)、およびm1-9C (SEQ ID NO: 16))のアミノ酸配列を示す。突然変異タンパク質が大腸菌によって、その後再折りたたみ、精製、および解析される封入体としてサイトゾル中に産生された場合、得られたタンパク質配列は、示されるようにN末端(13位、図4には示していない)に付加的なメチオニンを伴って産生された。突然変異タンパク質m302およびm302Cにおける欠失アミノ酸は、ダッシュ記号 (-) によって示す。これら2つの突然変異タンパク質に関して、アミノ酸の番号付けは、相当する位置の比較性を維持する様式で行った。しかしながら、118位および119位の配列位置のアミノ酸残基が欠失している突然変異タンパク質m302およびm302Cは、突然変異タンパク質「1」ならびに突然変異タンパク質m1-9およびm1-9C(127アミノ酸残基の長さを有する)よりも2アミノ酸短い125アミノ酸残基を有することに留意すべきである。本発明の突然変異タンパク質(m302Cおよびm1-9C)において、127位の配列位置のCys残基に下線を引き、太字で示す。加えて、突然変異タンパク質m302、m302C、m1-9、およびm1-9Cにおける117~121位の配列位置の領域内の変異したアミノ酸を太文字で示す。
(図4)突然変異タンパク質「1」と比較した突然変異タンパク質m302、m302C、m1-9、およびm1-9Cの安定性のSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動 (PAGE) 解析を示す。ストレプトアビジン突然変異タンパク質に及ぼすSDS(界面活性剤)の変性効果の影響を決定することができるように、SDS-PAGE用の試料は、ゲルに負荷する前に煮沸しなかった。SDS-PAGEは非還元条件下で行った。
(図5)ストレプトアビジンペプチド
がC末端に融合されたネコ免疫不全ウイルスGagタンパク質(FIV GAG)の、変性条件下でのアフィニティークロマトグラフィーによる精製の効率のSDS-PAGEゲル解析を示す。図5のSDS-PAGE解析は、本発明のストレプトアビジン突然変異タンパク質m1-9Cを用いるアフィニティークロマトグラフィーと、突然変異タンパク質「1」およびm1-9を用いるアフィニティークロマトグラフィーとの比較を示す。より詳細には、
‐レーン1は、4 M尿素の存在下でアフィニティー試薬として突然変異タンパク質「1」を用いる精製の溶出を示す、
‐レーン2は、4 M塩酸グアニジウムの存在下でアフィニティー試薬として突然変異タンパク質「1」を用いる精製の溶出を示す、
‐レーン3は分子マーカーを示す、
‐レーン4は、4 M尿素の存在下でアフィニティー試薬として突然変異タンパク質m1-9を用いる精製の溶出を示す、
‐レーン5は、6 M尿素の存在下でアフィニティー試薬として突然変異タンパク質m1-9を用いる精製の溶出を示す、
‐レーン6は、4 M塩酸グアニジウムの存在下でアフィニティー試薬として突然変異タンパク質m1-9を用いる精製の溶出を示す、
‐レーン7は、6 M塩酸グアニジウムの存在下でアフィニティー試薬として突然変異タンパク質m1-9を用いる精製の溶出を示す、
‐レーン8は、4 M尿素の存在下でアフィニティー試薬として突然変異タンパク質m1-9Cを用いる精製の溶出を示す、
‐レーン9は、6 M尿素の存在下でアフィニティー試薬として突然変異タンパク質m1-9Cを用いる精製の溶出を示す、
‐レーン10は、4 M塩酸グアニジウムの存在下でアフィニティー試薬として突然変異タンパク質m1-9Cを用いる精製の溶出を示す、
‐レーン11は、6 M塩酸グアニジウムの存在下でアフィニティー試薬として突然変異タンパク質m1-9Cを用いる精製の溶出を示す。
(図6-1)野生型ストレプトアビジン(wt-strep、SEQ ID NO: 2)、ストレプトアビジン突然変異タンパク質「1」 (SEQ ID NO: 12)、ストレプトアビジン突然変異タンパク質m1-9 (SEQ ID NO: 15)、およびストレプトアビジン突然変異タンパク質m1-9C (SEQ ID NO: 16) の融解温度曲線を示す。
(図6-2)図6-1の説明を参照のこと。
DNA操作は従来の遺伝子操作方法によって実施し(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning. A Laboratory Manual (1989), Cold Spring Harbor Pressを参照されたい)、ストレプトアビジンペプチド
に融合されたネコ免疫不全ウイルスGagタンパク質(FIV GAG)のクローニングには大腸菌K12 TOP10 (Life Technologies) を使用し、封入体の形成下での発現には大腸菌BL21を使用した。Sepharoseに結合させるための、その後のタンパク質単離のためのストレプトアビジン突然変異タンパク質のサイトゾル発現は、Schmidt & Skerra, J. Chromatogr. A 676 (1994), 337-345に従って実施した。配列決定は、Sequence Laboratories Gottingen GmbHにより、標準的なジデオキシ技法に従って実施した。プライマーおよびオリゴヌクレオチドは、Applied Biosystems Expedite DNA合成機を使用して合成した。
突然変異タンパク質m302Cおよびm1-9Cをコードする発現ベクターは、それぞれ親突然変異タンパク質m302およびm1-9の発現ベクターから始めて、部位特異的変異誘発によって作製した(突然変異タンパク質m302およびm1-9のpASK75ベースの発現ベクターの説明については、国際特許出願第WO 2014/076277号の実施例8を参照されたい)。変異His 127→Cysのためのコドンは、発現ベクターの増幅に使用したプライマーを介して導入した。逆方向を有する増幅用のこれら2つのプライマーを発現ベクターにアニールさせ、次いでPCRにより発現ベクターを増幅した。
ストレプトアビジン突然変異タンパク質「1」(SEQ ID NO: 12)、m1-9 (SEQ ID NO: 15)、およびm302 (SEQ ID NO: 13) は、例えば国際特許出願第WO 2014/076277号に記載されるように生成した。同様に組換え最小ストレプトアビジンの公知の発現系(Schmidt and Skerra (1994)、前記)を使用して、ストレプトアビジン突然変異タンパク質m1-9C (SEQ ID NO: 16)およびm302C (SEQ ID NO: 14)を調製規模で生成した。このために、wt-ストレプトアビジンのコード領域およびT7プロモーターを含むベクターpSA1から、唯一のSacIIおよびHindIII制限部位を使用してコード領域の主要部分を除去し、変異型pASK-IBA2-SAm1プラスミドからの対応する領域によって置換した。続いて、Schmidt and Skerra (1994)、前記によって記載されているように、wt-ストレプトアビジンおよびストレプトアビジン突然変異タンパク質を細胞質封入体の形態で発現させ、可溶化し、再生し、分画硫酸アンモニウム沈殿によって精製した。得られたストレプトアビジン突然変異タンパク質の純度を、Agilent 2100 Bioanalyzerによって調べた。
ストレプトアビジン突然変異タンパク質の安定性を決定するために、SDS-PAGE解析を行った。ストレプトアビジン突然変異タンパク質に及ぼすSDS(界面活性剤)の変性効果の影響を決定することができるように、SDS-PAGE用の突然変異タンパク質の試料は、ゲルに負荷する前に煮沸しなかった。SDS-PAGEを非還元条件下で行い、ゲルをクマシーブリリアントブルーで染色した。図4は、これらの変性条件下で、突然変異タンパク質m302、m302C、m1-9、およびm1-9Cの安定性を突然変異タンパク質「1」の安定性と比較する、SDS-PAGEの結果を示す。
本出願の実施例3および国際特許出願第WO 2014/076277号の実施例9に記載されるように、ストレプトアビジン突然変異タンパク質m1-9 (SEQ ID NO: 15) およびm1-9C (SEQ ID NO: 16)、ならびに米国特許第6,103,493号のストレプトアビジン突然変異タンパク質「1」(SEQ ID NO: 12)を調製した。次いで、製造業者の説明書に従って、ストレプトアビジン突然変異タンパク質をNHS活性化Sepharose 4 Fast Flow (GE Healthcare) に結合させた(Schmidt and Skerra, 1994、前記を参照されたい)。製造業者の説明書に従って、および国際特許出願第WO 2014/076277号に記載されるように、BCAアッセイ (Pierce) を用いて、各ストレプトアビジン突然変異タンパク質によるSepharoseゲルの負荷(Superflow(商標))を決定した。
(「Twin-Strep-tag(登録商標)」という登録商標でも公知である)に融合された組換えネコ免疫不全ウイルスGagタンパク質を、発現ベクターpASG-103(IBA GmbH、カタログ番号5-4103-001)を用いて大腸菌BL 21で発現させた。この発現ベクターを使用することで、大腸菌BL 21のサイトゾル中にFIV GAGタンパク質の封入体が形成される。
熱安定性を評価するために、Boivin et al. Protein Expression and Purification 91 (2013) 192-206によって記載されるThermofluorベースのアッセイを用いて、野生型コアストレプトアビジン(SEQ ID NO: 2、カタログ番号02-20203でIBA GmbHから入手可能)、ストレプトアビジン突然変異タンパク質「1」 (SEQ ID NO: 12)、m1-9 (SEQ ID NO: 15)、およびm1-9C (SEQ ID NO: 16) に関して生理的条件下で融解温度を決定した。より詳細には、測定は、25μlの総試料容量を用いて緩衝液W(100 mM Tris-Cl pH 8、150 mM NaCl、1 mM EDTA)中で行った。2μl SYPROオレンジを含む試料を用いて(この溶液は5000x SYPROオレンジ保存液ゲル染色剤S5692-50 UL (Sigma) を62xの濃度まで事前希釈することによって調製し、試料中で5x SYPROの最終濃度が得られた)、SYPROオレンジをthermofluorとして使用した。タンパク質濃度は5μMであった。測定のため、試料を96ウェルRT-PCRプレートにピペットで分注し、ウェルを透明フィルムで密封した。次いで、1℃/分という加熱速度を用いてサーモサイクラーを起動し、継時的な蛍光の増加をモニターした。
SEQ ID NO: 1 成熟野性型ストレプトアビジンのアミノ酸配列(1~159位の残基)
SEQ ID NO: 2 成熟野性型ストレプトアビジンのアミノ酸配列(14~139位の残基)
SEQ ID NO: 8 Trp-Xaa-His-Pro-Gln-Phe-Yaa-Zaa、配列中、Xaaは任意のアミノ酸を示し、かつYaaおよびZaaはいずれもGlyを示すか、またはYaaはGluを示しかつZaaはArgもしくはLysを示す
SEQ ID NO: 9 Oaa-Xaa-His-Pro-Gln-Phe-Yaa-Zaa-、配列中、OaaはTrp、Lys、もしくはArgであり、Xaaは任意のアミノ酸であり、かつYaaおよびZaaはいずれもGlyであるか、またはYaaはGluでありかつZaaはLysもしくはArgである
SEQ ID NO: 10 Val44-Thr45-Ala46-Arg47
SEQ ID NO: 11 Ile44-Gly45-Ala46-Arg47
SEQ ID NO: 12 突然変異タンパク質「1」
SEQ ID NO: 13 突然変異タンパク質m302
SEQ ID NO: 14 突然変異タンパク質m302C
SEQ ID NO: 15 突然変異タンパク質m1-9
SEQ ID NO: 16 突然変異タンパク質m1-9C
Claims (32)
- ストレプトアビジンの突然変異タンパク質より選択される突然変異タンパク質であって、
(a) 野生型ストレプトアビジン(配列番号: 1に記載)のアミノ酸配列を基準として、127位の配列位置にCys残基を有し、
(b) 配列番号: 1に記載の野生型ストレプトアビジンのアミノ酸配列を基準として、117~121位の配列位置に、
Glu117Asn118Ala119Gly120Phe121 (配列番号: 56)、
Asp117Asn118Ala119Gly120Tyr121 (配列番号: 57)、および
Glu117Asn118Ala119Gly120Tyr121 (配列番号: 58)
からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、かつ
(c) 配列番号: 1に記載の野生型ストレプトアビジンと比較して、変性条件下で安定である、
前記突然変異タンパク質。 - ストレプトアビジンの44~47位の配列位置に少なくとも1つの変異をさらに含む、請求項1記載のストレプトアビジン突然変異タンパク質。
- 44位の配列位置においてGluが疎水性脂肪族アミノ酸によって置換され、45位の配列位置に任意のアミノ酸が存在し、46位の配列位置に疎水性脂肪族アミノ酸が存在し、または/かつ47位の配列位置においてValが塩基性アミノ酸によって置換されている、請求項2記載の突然変異タンパク質。
- Alaが46位に存在する、請求項3記載の突然変異タンパク質。
- Argが47位に存在する、請求項3または4記載の突然変異タンパク質。
- 44~47位のアミノ酸位置の領域内に配列Val44-Thr45-Ala46-Arg47 (配列番号: 10) が存在する、請求項3~5のいずれか一項記載の突然変異タンパク質。
- 44~47位のアミノ酸位置の領域内に配列Ile44 Gly45 Ala46 Arg47 (配列番号: 11) が存在する、請求項3~5のいずれか一項記載の突然変異タンパク質。
- N末端が野生型ストレプトアビジンのアミノ酸10~16の領域内で始まり、かつC末端が野生型ストレプトアビジンのアミノ酸133~142の領域内で終結する最小ストレプトアビジンの突然変異タンパク質である、請求項1~7のいずれか一項記載の突然変異タンパク質。
- 突然変異タンパク質m1-9C (配列番号: 16) の配列を含むか、または突然変異タンパク質m1-9C (配列番号: 16) の配列からなる、請求項1~8のいずれか一項記載の突然変異タンパク質。
- 請求項1~9のいずれか一項記載のストレプトアビジン突然変異タンパク質をコードする配列を含む、核酸分子。
- 有効な機能的環境中に、請求項10記載の核酸の少なくとも1コピーを含むベクター。
- 請求項11記載のベクターで形質転換またはトランスフェクトされた細胞。
- 請求項1~9のいずれか一項記載のストレプトアビジン突然変異タンパク質を生成する方法であって、
(a) ストレプトアビジン突然変異タンパク質をコードする核酸を含むベクターで適切な宿主細胞を形質転換する段階、
(b) ストレプトアビジン突然変異タンパク質の発現が起こる条件下で、該宿主細胞を培養する段階、
(c) 該突然変異タンパク質を単離する段階
を含む、前記方法。 - 段階 (c) が、宿主細胞を溶解すること、封入体の形態のストレプトアビジン突然変異タンパク質を単離すること、および該ストレプトアビジン突然変異タンパク質を再生することを含む、請求項13記載の方法。
- 段階 (b) における発現が、シグナルペプチド保有ストレプトアビジンの発現、および宿主細胞のペリプラズムまたは培養基中へのその分泌を含む、請求項14記載の方法。
- 宿主細胞が大腸菌 (E. coli) である、請求項13~15のいずれか一項記載の方法。
- a) 式Trp-Xaa-His-Pro-Gln-Phe-Yaa-Zaa (配列番号: 8) のペプチドであって、式中、Xaaは任意のアミノ酸を示し、かつYaaおよびZaaはいずれもGlyを示すか、またはYaaはGluを示しかつZaaはArgもしくはLysを示す、前記ペプチド、または
b) 少なくとも2つのストレプトアビジン結合モジュールの連続配置を含むペプチドであって、該2つのモジュール間の距離が少なくとも0でありかつ50アミノ酸以下であり、一方の結合モジュールが3~8アミノ酸を有しかつ少なくとも配列-His-Pro-Baa-を含み、ここでBaaはグルタミン、アスパラギン、もしくはメチオニンであり、かつ他方の結合モジュールが、配列-Oaa-Xaa-His-Pro-Gln-Phe-Yaa-Zaa- (配列番号: 9) を有し、ここでOaaはTrp、Lys、もしくはArgであり、Xaaは任意のアミノ酸であり、かつYaaおよびZaaはいずれもGlyであるか、またはYaaはGluでありかつZaaはLysもしくはArgである、前記ペプチド
と融合されているタンパク質を変性条件下で単離する、精製する、または決定する方法であって、
該タンパク質を含む試料を、請求項1~9のいずれか一項記載のストレプトアビジン突然変異タンパク質と、該ペプチドが該ストレプトアビジン突然変異タンパク質に結合するのに適した条件下で接触させる段階、および得られた複合体を該試料から分離する段階を含む、前記方法。 - ストレプトアビジン突然変異タンパク質が固相に結合しているか、または固相に結合することができる、請求項17記載の方法。
- 複合体から融合タンパク質を放出させるために、ビオチンおよびその誘導体より選択される、十分な量のストレプトアビジン突然変異タンパク質のリガンドと共に、該複合体をインキュベートする、請求項18記載の方法。
- ビオチン誘導体がチオビオチンである、請求項19記載の方法。
- 前記ペプチドの配列が、Trp-Arg-His-Pro-Gln-Phe-Gly-Gly (配列番号: 4)、Trp-Ser-His-Pro-Gln-Phe-Glu-Lys (配列番号: 3)、Trp-Ser-His-Pro-Gln-Phe-Glu-Lys-(GlyGlyGlySer)3-Trp-Ser-His-Pro-Gln-Phe-Glu-Lys (配列番号: 5)、Trp-Ser-His-Pro-Gln-Phe-Glu-Lys-(GlyGlyGlySer)2-Trp-Ser-His-Pro-Gln-Phe-Glu-Lys (配列番号: 6)、またはTrp-Ser-His-Pro-Gln-Phe-Glu-Lys-(GlyGlyGlySer)2-Gly-Gly-Ser-Ala-Trp-Ser-His-Pro-Gln-Phe-Glu-Lys (配列番号: 7)より選択される、請求項17~20のいずれか一項記載の方法。
- 前記複合体から前記タンパク質を放出させる段階をさらに含む、請求項18~21のいずれか一項記載の方法。
- 前記タンパク質を決定する、単離する、または精製する段階をさらに含む、請求項22記載の方法。
- 変性条件がカオトロピック剤の存在によって起こる、請求項17~23のいずれか一項記載の方法。
- カオトロピック剤が、尿素、チオ尿素、塩酸グアニジン、過塩素酸リチウム水酸化物イオン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項24記載の方法。
- a) 式Trp-Xaa-His-Pro-Gln-Phe-Yaa-Zaa (配列番号: 8) のペプチドであって、式中、Xaaは任意のアミノ酸を示し、かつYaaおよびZaaはいずれもGlyを示すか、またはYaaはGluを示しかつZaaはArgもしくはLysを示す、前記ペプチド、または
b) 少なくとも2つのストレプトアビジン結合モジュールの連続配置を含むペプチドであって、該2つのモジュール間の距離が少なくとも0でありかつ50アミノ酸以下であり、一方の結合モジュールが3~8アミノ酸を有しかつ少なくとも配列-His-Pro-Baa-を含み、ここでBaaはグルタミン、アスパラギン、もしくはメチオニンであり、かつ他方の結合モジュールが、配列-Oaa-Xaa-His-Pro-Gln-Phe-Yaa-Zaa- (配列番号: 9) を有し、ここでOaaはTrp、Lys、もしくはArgであり、Xaaは任意のアミノ酸であり、かつYaaおよびZaaはいずれもGlyであるか、またはYaaはGluでありかつZaaはLysもしくはArgである、前記ペプチド
と融合されているタンパク質を変性条件下で固定化する方法であって、
該タンパク質を固定化するための条件下で、該タンパク質を、請求項1~9のいずれか一項記載のストレプトアビジン突然変異タンパク質を保有する固相に接触させる段階を含む、前記方法。 - 前記ペプチドの配列が、Trp-Arg-His-Pro-Gln-Phe-Gly-Gly (配列番号: 4)、Trp-Ser-His-Pro-Gln-Phe-Glu-Lys (配列番号: 3)、Trp-Ser-His-Pro-Gln-Phe-Glu-Lys-(GlyGlyGlySer)3-Trp-Ser-His-Pro-Gln-Phe-Glu-Lys (配列番号: 5)、Trp-Ser-His-Pro-Gln-Phe-Glu-Lys-(GlyGlyGlySer)2-Trp-Ser-His-Pro-Gln-Phe-Glu-Lys (配列番号: 6)、またはTrp-Ser-His-Pro-Gln-Phe-Glu-Lys-(GlyGlyGlySer)2-Gly-Gly-Ser-Ala-Trp-Ser-His-Pro-Gln-Phe-Glu-Lys (配列番号: 7)である、請求項26記載の方法。
- 請求項1~9のいずれか一項記載のストレプトアビジン突然変異タンパク質を含む、それが固定化された固相。
- アフィニティークロマトグラフィーマトリックスである、請求項28記載の固相。
- アフィニティークロマトグラフィーマトリックスが、セルロース膜、プラスチック膜、多糖ゲル、ポリアクリルアミドゲル、アガロースゲル、多糖グラフトシリカ、ポリビニルピロリドングラフトシリカ、ポリエチレンオキシドグラフトシリカ、ポリ(2-ヒドロキシエチルアスパルトアミド)シリカ、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)グラフトシリカ、スチレン-ジビニルベンゼンゲル、アクリル酸またはアクリルアミドとジオールとの共重合体、多糖とN,N'-メチレンビスアクリルアミドとの共重合体、およびそれらのうちの任意の2つまたはそれ以上の組み合わせからなる群より選択される、請求項29記載の固相。
- 請求項1~9のいずれか一項記載のストレプトアビジン突然変異タンパク質または請求項28~30のいずれか一項記載の固相を含む、試薬キット。
- 緩衝液、補助物質、および添加物からなる群より選択される少なくとも1つの試薬をさらに含む、請求項31記載の試薬キット。
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