JP2008051246A - シリンダ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリンダ内でピストンロッドに案内されると共に上記リバウンドスプリングの端部を着座する着座部を有する自由端側着座部材7を備えるショックアブソーバなどを構成するシリンダ装置である。自由端側着座部材7に設けた減速手段によって、質量体としてのリバウンドスプリングの軸直方向への速度を減少させることで当該リバウンドスプリングの軸直方向への慣性力を低減する。
【選択図】 図2
Description
これによって、車輪がリバウンドして上記リバウンドスプリングを圧縮する方向にストロークした際に、上記リバウンドスプリングの自由端に設けられた着座部材は、リバウンドシートやロッドガイドに対しストッパラバーを介して当接することとなり、樹脂製の着座部材がリバウンドシート等に直接当接することによる干渉音発生を回避している。
すなわち、上記カラーからなる着座部材は、その中央の貫通穴をピストンロッドが貫通した状態になっており、その着座部材の内径面は、ピストンロッド外径面に案内されるように、当該ピストンロッド外径面との間に所定のクリアランスが設けられている。このため、リバウンドスプリング自身の振動が着座部材に伝達されて当該着座部材が横方向に変位するとピストンロッドに衝突して干渉音を発生することになる。
本発明は、このような点に着目して成されたもので、リバウンドスプリングの速度を減速することで、シリンダ装置に内在するリバウンドスプリングの自由端部に設けられた着座部材と、ピストロッドとの干渉音を低減することを課題としている。
自由端側着座部材に設けた減速手段によって、質量体としてのリバウンドスプリングの軸直方向への速度を減少させることで当該リバウンドスプリングがピストンロッドに衝突する際に生じる軸直方向への慣性力を低減するものである。
図1は、本実施形態に係るシリンダ装置を構成するショックアブソーバの断面図である。
(構成)
図1に示すように、シリンダ1が、内筒1aと外筒1bの二重管構造から構成され、その下端部がブラケット2を介して不図示のナックルやサスペンションアーム等の車輪側部材に連結する。そのシリンダ1の内筒1a内は、ピストン3によって上室と下室とに分けられている。そのピストン3に、ピストンロッド4の下端部が固定されている。ピストンロッド4は、上室内を上方に延び、シリンダ1の上端部(ロッドガイド9など)を貫通して外部に延出している。そのピストンロッド4の上端部は、不図示の車体側部材(車体フレーム等)に連結される。
上記リバウンドスプリング5の下端部は、ピストンロッド4に固定された固定側着座部材6に圧入固定されている。また、リバウンドスプリング5の上端部は、ピストンロッド4に案内可能に配置された自由端側着座部材7に圧入固定されている。
上記自由端側着座部材7は、図2および平面図である図3のように、リバウンドスプリング5の上端部を着座させる着座部本体10と、ピストンロッド外径面に対向して当該ピストンロッドに案内されるガイド部11と、その着座部本体10とガイド部11との間に介装される介装部材12と、から構成される。
また、ガイド部11は、樹脂製の円筒部材から構成される。そのガイド部11は、内径面11aがピストンロッド4の外径面と摺動可能なガイド面となっていると共に、外径面が上記着座部本体10の内面面と径方向に所定の間隔を空けて対向配置されている。
ここで、車両が停止して、車輪がストロークしていない状態では、図1のように、上記自由端側着座部材7と上方のロッドガイド9との間に所定のクリアランスが設定されている。
上記ショックアブソーバでは、車輪がリバウンドしてショックアブソーバが伸びることで、シリンダ1内をピストン3が上昇する。その上昇に伴い、上記自由端側着座部材7も上方に移動して、自由端側着座部材7のうち弾性部材からなる介装部材12のうちの上側ストッパ部12bがロッドガイド9に当接し、さらに上記車輪がリバウンドするに伴って、つまりピストン3が上昇するにつれて上記リバウンドスプリング5が圧縮変形してバネ反力を発生する。
また、ショックアブソーバがストロークしていない定常状態やバウンド時は、リバウンドスプリング5の上端部は自由端となっている。このため、車輪側から入力された振動等によってリバウンドスプリング5が横方向(ピストンロッド4の軸直方向)に振動し、その振動でリバウンドスプリング5の上端部に取り付けられた自由端側着座部材7も横方向(ピストンロッド4の軸直方向)に揺動して、内径面(ガイド面)側がピストンロッド4に繰り返し衝突する。なお、リバウンドスプリング5は、下端部を支点として横方向に振動することから、横方向の速度は、自由端である上端部で大きくなる傾向にある。
また、上記自由端側着座部材7は軽量であるので、自由端側着座部材7自体に着目した場合には、当該自由端側着座部材7がピストンロッド4に衝突する際の衝撃力は小さいが、リバウンドスプリング5を含めて考えると、リバウンドスプリング5が長くなって振動の速度が大きくなったり、リバウンドスプリング5の質量が増したりするほど、自由端側着座部材7がピストンロッド4に衝突する際の衝撃力は大きくなる。したがって、リバウンドスプリング5が重くなったりするほど、本件特許が問題としている課題が顕著となり、本件発明の適用による効果が有効に働く。
また、本実施形態では、上記弾性部材からなる介装部材12が、リバウンドスプリング5の横方向(ピストンロッド4の軸直方向)への速度を減衰させる減速手段を構成すると共に、軸方向の衝突時の干渉音を低減するストッパ部材も兼ねることで、軸方向の衝突時の干渉音を低減するストッパ部材を別部品とする場合に比べて、部品点数を削減できコスト低減に繋がる。
また、上記実施形態では、対象となるシリンダ装置が車両のショックアブソーバを構成する場合で説明しているが、これに限定されない。他の装置に使用されるリバウンドスプリング5を備えたシリンダ装置であって、上述の干渉音が問題となるようなものに使用されていれば、本件発明は適用することが出来る。
次に、第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、上記各実施形態と同様な部品などについては同一の符号を付して説明する。
(構成)
本実施形態の基本構成は、上記第1実施形態と同様であるが、自由端側着座部材7の構成が異なる。
すなわち、図5及び平面図である図6に示すように、上記介装部材12を上記ガイド部11と一体に構成すると共に、ガイド部11を弾性部材から構成したものである。
上記弾性部材からなるガイド部11の外径面に、着座部本体10の内径面を嵌め込む嵌め込み部11cを設けると共に、上部に第1実施形態と同様に、上端面に上方に突出する上側ストッパ部12bを設けている。本実施形態では、上側ストッパ部12bが上記嵌め込み部の一部を構成している。
基本的な作用効果は上記第1実施形態と同様であって、車輪のリバウンドストローク時に、上記自由端側着座部材7は、弾性部材からなる上側ストッパ部12bだけがロッドガイド9に当接することで、ストローク方向(ピストンロッド4軸方向)における衝突時の干渉音が低減される。また、自由端側着座部材7がロッドガイド9に当接していない定常状態や車輪バウンド時は、リバウンドスプリング5が、当該リバウンドスプリング5が横方向(ピストンロッド4の軸直方向)に振動し、その振動でリバウンドスプリング5の上端部に取り付けられた自由端側着座部材7も横方向(ピストンロッド4の軸直方向)に揺動して、内径面11a(ガイド面)側がピストンロッド4に衝突する際に、弾性部材からなるガイドロッドの弾性変形でエネルギーが吸収されることで、上記リバウンドスプリング5の速度が減速されて振動が減衰する。また上記ガイド部11の弾性変形でエネルギーが吸収されるために、上記ピストンロッド4に伝達される衝撃力が小さくなって、ピストンロッド4に自由端側着座部材7が衝突することによる干渉音の発生を低減することが出来る。
その他の構成や作用効果は上記第1実施形態と同様である。
次に、第3実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお。上記第1実施形態と同様な部材などについて上記各実施形態と同様な符号を付して説明する。
(構成)
本実施形態の基本構成は、上記実施形態と同様な構成であるが、自由端側着座部材7の構成が異なる。
次に、本実施形態の自由端側着座部材7の構成について説明する。
本実施形態の自由端側着座部材7は、一部品で構成されると共に、その上方に配置されたストッパラバー14と別体に構成される。すなわち、自由端側着座部材7は、樹脂製からなる円筒状の部品であって、下面にリバウンドスプリング5を着座させる着座部が構成されていると共に、内径面11aがピストンロッド4の外径面4aに摺接するガイド面を構成している。
また、上記凹部20の間において、リバウンドスプリング5側とその背面側とを連通するように上下に延びる切欠きからなる連通部21が形成されている。
また、上記自由端側着座部材7の上面には、ストッパラバー14の下部の突起を嵌め込むための凹みが3箇所形成されている。
なお、ストッパラバー14の外径よりも、上記連通部21が外径側にあるように設定されている。
上記ショックアブソーバでは、車輪がリバウンドしてショックアブソーバが伸びることで、シリンダ1内をピストン3が上昇する。その上昇に伴い、上記自由端側着座部材7も上方に移動する。このとき、自由端側着座部材7は、ストッパラバー14の突起部を介してロッドガイド9に当接することで、ストローク方向(ピストンロッド4軸方向)における衝突時の干渉音が低減される。
ここで、上記連通部21として上下に延びる切欠きを例示しているが、自由端側着座部材7の下面と上面とを連通する貫通穴で上記連通部21を形成しても良い。
ここで、上記第1実施形態及び第2実施形態の自由端側着座部材7の構成に対して、図13〜図18に示すように、第3実施形態で減速手段を構成する凹部20を組み合わせても良い。よりリバウンドスプリングの5の振動を減速する効果が大きくなる。
3 ピストン
4 ピストンロッド
5 バウンドスプリング
7 自由端側着座部材
9 ロッドガイド
10 着座部本体
10a 外径面
11 ガイド部
11a 内径面(ガイド面)
12 介装部材
12b 上側ストッパ部(上下方向ストッパ部)
14 ストッパラバー
20 凹部
21 連通部
Claims (8)
- シリンダと、そのシリンダ内に摺動可能に配置されたピストンと、そのピストンに連結してシリンダの外部に延びるピストンロッドと、上記シリンダ内でピストンロッドの外周に配置されるリバウンドスプリングと、上記シリンダ内でピストンロッドに案内されると共に上記リバウンドスプリングの端部を着座する着座部を有する自由端側着座部材と、を備え、
ピストンロッド軸直方向へのリバウンドスプリングの速度を減少させる減速手段を、上記自由端側着座部材に設けることを特徴とするシリンダ装置。 - 自由端側着座部材は、リバウンドスプリング端部を着座させる着座部本体と、ピストンロッド外径面と対向して案内されるガイド部とを備え、
上記減速手段を、上記ガイド部を弾性部材とすることで構成することを特徴とする請求項1に記載したシリンダ装置。 - 自由端側着座部材は、リバウンドスプリング端部を着座させる着座部本体と、ピストンロッド外径面と対向して案内されるガイド部とを備え、
上記減速手段を、上記ガイド部と着座部本体との間に弾性部材を介装することで構成することを特徴とする請求項1に記載したシリンダ装置。 - 上記弾性部材に、ピストンロッド軸方向において、リバウンドスプリング側とは反対側の背面からピストンロッド軸方向に突出した軸方向用ストッパ部を設けることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載したシリンダ装置。
- 上記減速手段を、自由端側着座部材におけるピストンロッドと対向するガイド面に対し1又は2以上の凹部を設けることで構成することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載したシリンダ装置。
- 上記減速手段は、自由端側着座部材におけるシリンダ内径面と対向する対向面に対し1又は2以上の凹部を設けることで構成することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載したシリンダ装置。
- 上記自由端側着座部材に対し、リバウンドスプリング側とその背面側とを連通する貫通穴若しくは切欠きからなる連通部を設けたことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載したシリンダ装置。
- 上記自由端側着座部材の背面側にストッパラバー配置され、そのストッパラバーと少なくとも一部が対向しない位置に上記連通部を設けたことを特徴とする請求項7に記載したシリンダ装置。
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