JP5905805B2 - 油圧緩衝器及びバルブ - Google Patents

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Description

本発明は、油圧緩衝器及びバルブに関する。
自動車等の車両のサスペンション装置には、走行中に路面から車体へ伝達される振動を適切に緩和して、乗心地、操縦安定性を向上させるために、減衰力発生装置を用いた油圧緩衝器を備えている。
そして、例えば、特許文献1に記載の油圧緩衝器のリーフバルブは、吸込不足や閉じ遅れを生じることのない新たな構成を提供するべく、以下のように構成されている。すなわち、リーフバルブは、バルブシートの内周側上面への定着を可とするように形成された内周固定部と内周固定部と分離されてその外方に位置決められるように形成された外周本体部とを有してなるとともに、外周本体部と内周固定部との間には両端を連結する連結部を有する。ここで、このリーフバルブに設けられる連結部は、内周固定部の半径方向以外の方向に延在される。また、リーフバルブは、内周固定部と外周本体部と連結部とにより区画されるように形成された切欠部を有する。
実開昭61−40534号公報
バルブにおいて周方向に延びる貫通穴を形成した場合、この貫通穴の周方向端部において応力が集中し、バルブの耐久性に影響を与え得る。
本発明は、周方向に延びる貫通穴が形成されたバルブの耐久性を向上させることを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、閉ざされた空間を区分するとともに、当該閉ざされた空間を当該閉ざされた空間の外部と連続させる通路が形成された区分部材と、前記区分部材に対して中心側が固定され、当該区分部材の前記通路の開口端を覆うとともに、当該区分部材側から力を受けた際に当該区分部材から離れる方向に変形可能な部材であり、周方向に貫通穴が形成されるバルブと、前記区分部材との間に前記バルブを挟むとともに、当該バルブの前記貫通穴を覆い当該貫通穴よりも当該バルブの径方向外側に外周が位置する覆い部材とを備え、前記バルブは、前記貫通穴の周方向端部から前記覆い部材の外周までの径方向の距離を、当該貫通穴の周方向中心から当該覆い部材の外周までの径方向の距離よりも大きくすることを特徴とする油圧緩衝器である。
ここで、前記バルブの前記貫通穴は、当該貫通穴の前記周方向端部の曲率半径を、当該貫通穴の前記周方向中心における曲率半径よりも小さくするとよい。
また、前記バルブの前記貫通穴は、当該貫通穴の前記周方向端部の径方向における幅を、当該貫通穴の前記周方向中心の径方向における幅よりも小さくするとよい。
また、前記覆い部材は、前記区分部材から離れる方向に変形可能な部材であるとよい。
また、前記バルブの前記貫通穴は、前記区分部材の前記通路の開口端に対峙して配置されるとよい。
他の観点から捉えると、本発明は、油圧緩衝器内において閉ざされた空間を区分するとともに、当該閉ざされた空間を外部と連続させる通路が形成された区分部材に対して中心側が固定され、当該区分部材の前記通路の開口端を覆うとともに、当該区分部材側から力を受けた際に当該区分部材から離れる方向に変形可能な部材であり、周方向に貫通穴が形成され、かつ当該貫通穴を覆い当該貫通穴よりも径方向外側に外周が位置する覆い部材と当該区分部材とにより挟まれて配置されるバルブであって、前記貫通穴の周方向端部から前記覆い部材の外周までの径方向の距離が、当該貫通穴の周方向中心から当該覆い部材の外周までの径方向の距離よりも大きいバルブである。
本発明によれば、周方向に延びる貫通穴が形成されたバルブの耐久性を向上させることができる。
本実施の形態に係る油圧緩衝器の概略構成を示す図である。 油圧緩衝器の圧縮行程時のオイルの流れを示す図である。 油圧緩衝器の伸張行程時のオイルの流れを示す図である。 第2バルブ装置の分解した構成を示す図である。 第2バルブ装置の概略構成を示す図である。 図5における円内を拡大した構成を示す図である。 微低速バルブの概略構成を示す図である。 微低速バルブおよびバルブシートの断面を示す図である。 本実施の形態とは異なる比較例の微低速バルブの概略構成を示す図である。 微低速バルブの変形例の概略構成を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<油圧緩衝器100>
図1は、本実施の形態に係る油圧緩衝器100の概略構成を示す図である。本実施の形態に係る油圧緩衝器100は、ストラット型サスペンションの一部を構成する複筒型式油圧緩衝器である。
油圧緩衝器100は、図1に示すように、薄肉円筒状の外シリンダ11と、外シリンダ11内に収容される薄肉円筒状の内シリンダ12と、円筒状の外シリンダ11の円筒の軸方向(図1では上下方向)の一方の端部を塞ぐ底蓋13とを有するシリンダ10を備えている。以下では、外シリンダ11の円筒の軸方向を、単に「軸方向」と称す。
また、油圧緩衝器100は、内シリンダ12内で軸方向において移動可能に配置されたピストン41と、軸方向に沿って配置されるとともに軸方向の一方の端部(図1では下端部)でピストン41を支持するピストンロッド22と、外シリンダ11の内側に配置されてピストンロッド22をガイドするロッドガイド25と、ロッドガイド25に対してピストン41とは反対側に設けられシリンダ10内の液体の漏れやシリンダ10内への異物の混入を防ぐオイルシール27とを備えている。
さらに、油圧緩衝器100は、内シリンダ12における軸方向の一方の端部に配置された第1バルブ装置30と、ピストンロッド22における軸方向の一方の端部に配置された第2バルブ装置40と、油圧緩衝器100が取り付けられる車輪のナックル(不図示)へ連結するためのブラケット53と、ピストンロッド22における軸方向の他方の端部(図1では上端部)に取り付けられる上スプリングシート(不図示)と、上スプリングシートとともにスプリング(不図示)を支持する下スプリングシート52とを備えている。
ここで、区分部材の一例であるピストン41は、内シリンダ12の内周に接触し、内シリンダ12内の液体(本実施の形態においてはオイル)が封入された空間を、閉ざされた空間の一例でありピストン41よりも軸方向の一方の端部側の第1油室Y1と、ピストン41よりも軸方向の他方の端部側の第2油室Y2とに区分する。
さらに説明をすると、本実施の形態に係る油圧緩衝器100においては、内シリンダ12の外周と外シリンダ11の内周とで、リザーバ室Rを形成している。図示は省略するが、リザーバ室Rの内部は、オイルが封入された油室と、エア、不活性ガス等が封入されたガス室とで区画される。第1バルブ装置30は、図1に示すように、バルブボディ31により第1油室Y1とリザーバ室Rとを区分する。
第1バルブ装置30は、軸方向に形成された第1油路311、第2油路312を有する円柱状の部材であるバルブボディ31を備えている。また、第1バルブ装置30は、バルブボディ31に形成された第1油路311における軸方向の一方の端部を塞ぐ第1バルブ32と、バルブボディ31に形成された第2油路312における軸方向の他方の端部を塞ぐ第2バルブ33とを備えている。
第2バルブ装置40は、上述のピストン41を備えている。ここで、ピストン41は、通路の一例であり、軸方向に形成された第1油路411、第2油路412を有する。また、第2バルブ装置40は、ピストン41に形成された第1油路411における軸方向の一方の端部(開口端)を塞ぐ第1バルブ42と、ピストン41に形成された第2油路412における軸方向の他方の端部を塞ぐ第2バルブ51とを備えている。
次に、上述のように構成された油圧緩衝器100の作用について説明する。
先ずは、油圧緩衝器100の圧縮行程時の作用について説明する。
図2は、油圧緩衝器100の圧縮行程時のオイルの流れを示す図である。
ピストンロッド22が、白抜き矢印のようにシリンダ10に対して軸方向の一方の端部側(図2においては下方)へ移動すると、ピストン41の移動により第1油室Y1内の圧力は高まる。そして、この第1油室Y1内のオイルは、第2バルブ装置40の第2油路412を塞ぐ第2バルブ51を開き、第2バルブ装置40の上方の第2油室Y2に流入する(矢印A参照)。この第1油室Y1から第2油室Y2へのオイルの流れは、第2油路412および第2バルブ51で絞られ、油圧緩衝器100の圧縮行程時における減衰力を得る。
また、第1油室Y1のオイルは、第1油路311を閉塞する第1バルブ32を開き、内シリンダ12と外シリンダ11との間に形成されるリザーバ室Rに流入する(矢印B参照)。この第1油室Y1からリザーバ室Rへのオイルの流れは、第1油路311および第1バルブ32で絞られ、油圧緩衝器100の圧縮行程時における減衰力を得る。
次に、油圧緩衝器100の伸張行程時の挙動について説明する。
図3は、油圧緩衝器100の伸張行程時のオイルの流れを示す図である。
ピストンロッド22が、白抜き矢印のようにシリンダ10に対して軸方向の他方の端部側(図3においては上方)へ移動すると、その体積分のオイルが第1油室Y1に不足することにより第1油室Y1内は負圧となる。これにより、第2油室Y2内のオイルが第2バルブ装置40の第1油路411を閉塞する第1バルブ42を開き、第1油室Y1に流入する(矢印C参照)。この第2油室Y2から第1油室Y1へのオイルの流れは、第2バルブ装置40の第1油路411および第1バルブ42で絞られ、油圧緩衝器100の伸張行程時における減衰力を得る。
また、ピストンロッド22がシリンダ10に対して軸方向の他方の端部側(図3においては上方)へ移動すると、リザーバ室R内のオイルが第1バルブ装置30のバルブボディ31の第2油路312を閉塞する第2バルブ33を開き、第1油室Y1内に流入する(矢印D参照)。このリザーバ室Rから第1油室Y1へのオイルの流れは、第1バルブ装置30の第2油路312および第2バルブ33で絞られ、油圧緩衝器100の伸張行程時における減衰力を得る。
以上のように構成された油圧緩衝器100は、この油圧緩衝器100が取り付けられた車両の走行時における衝撃力を吸収する。
<第2バルブ装置40>
ここで、図4および図5を参照しながら、第2バルブ装置40の構成について説明をする。図4は、第2バルブ装置40の分解した構成を示す図である。また、図5は、第2バルブ装置40の概略構成を示す図である。なお、図4および図5(さらに、後述する図6および図8)は、図1乃至図3と上下方向が反対となっている。
第2バルブ装置40は、上述のように第1油路411および第2油路412(図1参照)が形成されたピストン41を有する。また、第2バルブ装置40は、複数の略円板状部材を含んで構成される第1バルブ42と、ピストン41との間で第1バルブ42を挟んで固定するバルブストッパ48およびナット49とを備える。図示の例においては、ピストン41、第1バルブ42、バルブストッパ48およびナット49はピストンロッド22と同軸に設けられている。
図4に示すように、ピストン41は、ピストン41におけるピストンロッド22の先端側の端面41Aから、ピストン41の軸方向に突出する内周円環部413を有する。また、ピストン41は、この内周円環部413よりもピストン41の半径方向外側に位置するとともに、ピストンロッド22の先端側の端面41Aから、ピストン41の軸方向において内周円環部413よりも突出する外周円環部415を有する。なお、図5に示すように、内周円環部413と外周円環部415との段差は、微低速バルブ43(後述)の厚さよりも大きく、例えば微低速バルブ43の厚さおよびバルブシート44(後述)の厚さの総和と概ね等しい。
図4に示すように、第1バルブ42は、それぞれが弾性変形可能な略円板形状で構成される微低速バルブ43と、バルブシート44と、スリットバルブ45と、ディスクバルブ46とを有する。
微低速バルブ43は、複数の貫通穴43Dを有するとともに、外周部がピストン41の内周円環部413と接触する寸法で形成されている。この微低速バルブ43は、ピストンロッド22の先端側の端面41Aに対峙して配置される。なお、微低速バルブ43の詳細な構成については後述する。
覆い部材の一例であるバルブシート44は、微低速バルブ43よりも小径である。このバルブシート44は、微低速バルブ43の貫通穴43Dを覆う寸法で形成されており、貫通穴43Dをオイルが通過することを抑制する。また、バルブシート44は、微低速バルブ43の背面(図4においては上方の面)に重ねて配置される。
スリットバルブ45は、微低速バルブ43およびバルブシート44よりも大径であり、かつピストン41の外周円環部415と接触する寸法で形成されている。このスリットバルブ45は、バルブシート44の背面に重ねて配置される。また、スリットバルブ45の外縁には、スリットバルブ45の半径方向に延びるスリット45Aが複数(図示の例では5つ)形成されている。このスリット45Aは、スリットバルブ45がピストン41の外周円環部415と接触して配置された際に、外周円環部415の内側と外側とを連続させる。
ディスクバルブ46は、第1ディスクバルブ46Aと、第1ディスクバルブ46Aよりも小径の第2ディスクバルブ46Bと、第2ディスクバルブ46Bよりも小径の第3ディスクバルブ46Cと、第3ディスクバルブ46Cよりも小径のディスクバルブシート46Dとを備える。ディスクバルブ46は、スリットバルブ45の背面に、第1ディスクバルブ46A、第2ディスクバルブ46B、第3ディスクバルブ46C、ディスクバルブシート46Dの順で重ねて配置される。
バルブストッパ48は、円環状の部材であり、ディスクバルブ46のディスクバルブシート46Dに重ねて配置される。また、図5に示すように、ナット49は、バルブストッパ48に重ねて配置されながら、ピストンロッド22の先端部に形成されたネジ部22Aと噛み合わされることにより、ピストン41との間に挟む第1バルブ42の位置がピストンロッド22に対して固定される。
次に、図6を参照しながら、第2バルブ装置40の動作について説明をする。なお、図6は、第2バルブ装置40の動作を示す図である。より詳細には、図6(a)は図5における円内を拡大した図であり、ピストンロッド22が微低速から低速の範囲で移動する際の第2バルブ装置40の動作を示す図である。また、図6(b)は図5における円内を拡大した図であり、ピストンロッド22が低速から高速の範囲で移動する際の第2バルブ装置40の動作を示す図である。
図6(a)に示すように、油圧緩衝器100の伸張行程において、ピストンロッド22が微低速から低速の範囲で移動する際には、第2油室Y2(図3参照)のオイルが、第1油路411を通過するとともに、微低速バルブ43を撓ませ、微低速バルブ43をピストン41の内周円環部413から離間させる。このことにより、オイルが、微低速バルブ43と内周円環部413との間から流出し、スリットバルブ45のスリット45Aを通過して第1油室Y1(図3参照)へと流入する(図中矢印E1参照)。ここで、ピストンロッド22が微低速から低速の範囲で移動する際には、第1バルブ42の微低速バルブ43は撓むのに対して、スリットバルブ45およびディスクバルブ46は撓まないことから、第2バルブ装置40は、後述する低速から高速の範囲で移動する際と比較して低減衰力を発生させる。
一方、図6(b)に示すように、ピストンロッド22が低速から高速の範囲で移動する際には、第2油室Y2(図3参照)から第1油路411を通過したオイルが、微低速バルブ43に加えて、スリットバルブ45およびディスクバルブ46を撓ませ、スリットバルブ45をピストン41の外周円環部415から離間させる。このことにより、オイルが、スリットバルブ45と外周円環部415との間から流出し、第1油室Y1(図3参照)へと流入する(図中矢印E2参照)。ここで、上述のピストンロッド22が微低速から低速の範囲で移動する際とは異なり、微低速バルブ43に加えてスリットバルブ45およびディスクバルブ46が撓むことから、第2バルブ装置40はより高減衰力を発生させる。
以上のように、第2バルブ装置40は、ピストンロッド22の微低速から高速までの移動速度に対応させた減衰力を発生させる。
なお、図示の例における油圧緩衝器100の圧縮行程では、第1油室Y1(図2参照)のオイルは第1バルブ42を通過して第2油室Y2(図2参照)へと流入する。すなわち、第1油室Y1(図2参照)のオイルは、図6(a)において矢印Fで示すように、第1バルブ42のスリットバルブ45におけるスリット45A、バルブシート44よりも半径方向外側であってかつ軸方向においてスリットバルブ45と微低速バルブ43とに挟まれた間隙、バルブシート44と微低速バルブ43とが接触する領域、および微低速バルブ43の貫通穴43D、第1油路411を通過して、第2油室Y2(図2参照)へと流入する。このことにより、第2バルブ装置40の第1バルブ42は、圧縮工程時においてもオイルの流路を形成し、減衰力を発生させる。
<微低速バルブ43>
ここで、図7を参照しながら、微低速バルブ43の構成について説明をする。
なお、図7は、微低速バルブ43の概略構成を示す図である。より詳細には、図7(a)は微低速バルブ43の平面図であり、図7(b)は図7(a)における円内を拡大した構成を示す図である。
バルブの一例である微低速バルブ43は、貫通穴43Dよりも半径方向内側でピストンロッド22(図4参照)に対して固定される内環部43Aと、貫通穴43Dよりも半径方向外側でピストン41の内周円環部413(図4参照)に対して接離可能である外環部43Bと、内環部43Aと外環部43Bとを半径方向で接続する接続部43Cとを有する。
また、微低速バルブ43は、上述のように、複数(2つ)の貫通穴43Dが形成されている。この貫通穴43Dは、それぞれ微低速バルブ43の略円周方向に沿って形成された円弧状の長穴である。なお、貫通穴43Dは、内環部43Aと外環部43Bと接続部43Cとにより区画される。
ここで、貫通穴43Dの円周方向における端部(周方向端部)43D1と、貫通穴43Dの円周方向における中央部(周方向中心)43D2とは、微低速バルブ43の半径方向における位置(微低速バルブ43の中心軸CLからの距離)が異なる(図7(b)の矢印参照)。具体的には、貫通穴43Dの端部43D1は、中央部43D2と比較して、微低速バルブ43の中心軸CL側に配置されている。また、貫通穴43Dの端部43D1における貫通穴43Dの幅(微低速バルブ43の半径方向における長さ)は、中央部43D2よりも狭い(後述)。
付言すると、貫通穴43Dの半径方向の中心軸MLにおいて、端部43D1の曲率(R形状)を、中央部43D2と比較して大きくする(曲率半径を小さくする)。このことにより、貫通穴43Dは、貫通穴43Dの半径方向の中心軸に沿って中央部43D2から貫通穴43Dの端部43D1へ進むに従い、微低速バルブ43の半径方向内側へ徐々に入りこむ形状として捉えることができる。
さて、図7および図8を参照しながら、断面方向における微低速バルブ43およびバルブシート44の構成について詳細に説明をする。
なお、図8は、微低速バルブ43およびバルブシート44の断面を示す図である。より詳細には、図8(a)は図7(a)におけるVIIIa―VIIIa断面を示す図であり、図8(b)は図7(a)におけるVIIIb―VIIIb断面を示す図である。
まず、図7(a)に示すように、微低速バルブ43の外環部43Bにおいて、半径方向外側の縁を外縁43Fとし、外環部43Bの半径方向内側の縁を内縁43Gとする。また、上述のように微低速バルブ43の背面(図8(a)および図8(b)においては上方の面)には、バルブシート44が重ねられる。図7(a)に示すように、このバルブシート44の外周面44Aは、貫通穴43D(内縁43G)よりも、微低速バルブ43の半径方向外側に位置する。
さて、外環部43Bの外縁43Fとバルブシート44の外周面44Aとの距離は、貫通穴43Dの中央部43D2と端部43D1とで一致する(図8(a)および図8(b)の距離L1参照)。それに対して、内縁43Gと外周面44Aとの距離は、貫通穴43Dの中央部43D2(図8(a)の距離L2参照)と端部43D1(図8(b)の距離L3参照)とで異なる。すなわち、図8(a)の距離L2は、図8(b)の距離L3よりも小さい。また、貫通穴43Dにおける中央部43D2の幅W1(図8(a)参照)は、端部43D1の幅W2(図8(b)参照)よりも長い。
次に、図7および図8を参照しながら、微低速バルブ43に生じる応力について説明をする。
まず、図7(a)に示すように、外環部43Bは微低速バルブ43の円周方向に連続している。また、図8(a)および図8(b)に示すように、オイルの流れにより外環部43Bの外縁43Fがピストン41から離れる方向(図中上方)へ撓むとき、外環部43Bがバルブシート44により反力を受けることで、外環部43Bの内縁43Gはバルブシート44から離れる方向(図中下方)に移動しようとする。このとき、外環部43Bが円周方向に連続していることから、内縁43Gのバルブシート44から離れる方向への移動は制限される状態となる。この状態は、図8(a)および図8(b)に示すように、いわば、梃子である外環部43Bが、バルブシート44の外周面44Aを支点43Eとして、外縁43Fと内縁43Gとにそれぞれ力(図中の力F1、F2、F3参照)を受けている状態として考えることもできる。
そして、外環部43Bを梃子として考えた場合、貫通穴43Dの円周方向の中央部43D2および端部43D1において、それぞれ次の関係が成り立つ。
すなわち、図8(a)に示すように、貫通穴43Dの円周方向の中央部43D2においては、外縁43Fに加わる力F1と、内縁43Gに加わる力F2と、距離L1、L2との関係は、F1×L1=F2×L2となる。また、図8(b)に示すように、貫通穴43Dの円周方向の端部43D1においては、内縁43Gに加わる力F3とすると、力F1と力F3と、距離L1、L3の関係は、F1×L1=F3×L3となる。
以上のことから、F2×L2=F3×L3という関係が導かれる。また、上述のように、距離L3は距離L2よりも大きい(L3>L2)。したがって、円周方向の端部43D1に加わる力F3は、円周方向の中央部43D2に加わる力F2よりも小さくなる(F3<F2)。
次に、図7乃至図9を参照しながら、本実施の形態とは異なる例と比較して、本実施の形態における微低速バルブ43の作用について説明をする。
なお、図9は、本実施の形態とは異なる比較例の微低速バルブ143の概略構成を示す図である。より詳細には、図9(a)は比較例の微低速バルブ143の平面図であり、図9(b)は図9(a)における円内を拡大した構成を示す図である。
まず、図9(a)に示すように、比較例の微低速バルブ143においては、実施の形態とは異なり、貫通穴143Dの端部143D1と中央部143D2とで、微低速バルブ143の半径方向における位置(微低速バルブ143の中心軸CLからの距離)が一致する。すなわち、貫通穴143Dの端部143D1と中央部143D2とで、貫通穴143Dとバルブシート44の外周面44Aとの距離が等しい。
この微低速バルブ143を、上述の円形のバルブシート44とともに用いた場合、油圧緩衝器100の伸張行程時に微低速バルブ143に生じる応力は、端部143D1付近(図9(b)の着色部参照)に集中することが確認された。さらに説明をすると、貫通穴143Dの中央部143D2よりも端部143D1において生じる応力が大きいことが確認された。
それに対して、本実施の形態の微低速バルブ43を用いた場合において、端部43D1付近に生じる応力は、比較例の微低速バルブ143を用いた場合と比較して、小さくなることが確認された。さらに説明をすると、比較例の微低速バルブ143における貫通穴143Dの中央部143D2と端部143D1とにそれぞれ生じる応力の差よりも、本実施の形態の微低速バルブ43における貫通穴43Dの中央部43D2と端部43D1とにそれぞれ生じる応力の差が小さくなることが確認された。
これは、次のことによるとも考えられる。すなわち、図8(a)および図8(b)を参照しながら説明をしたように、貫通穴43Dの円周方向の端部43D1において内縁43Gに加わる力F3は、貫通穴43Dの円周方向の中央部43D2において内縁43Gに加わる力F2よりも小さくなる。すなわち、貫通穴43Dの配置を調整することで、より応力が集中しやすい端部43D1の内縁43Gに加わる力F3を抑制し、貫通穴43Dの円周方向の端部43D1に生じる応力と、貫通穴43Dの円周方向の中央部43D2との応力の差が小さくなったとも考えられる。
さて、本実施の形態の微低速バルブ43は、比較例の微低速バルブ143と比較して、端部43D1における応力を抑制し得る。いわば、本実施の形態の微低速バルブ43は、貫通穴43Dの端部43D1における支点43Eからの距離を大きくすることで、微低速バルブ43に生じる応力を分散するものと捉えることができる。その結果、微低速バルブ43は、端部43D1における割れを抑制し、その耐久性を向上させ得る。
また、上述のように油圧緩衝器100の圧縮行程(図2参照)において、第1油室Y1(図2参照)のオイルが、バルブシート44と微低速バルブ43とが接触する領域等を通過することで、第2バルブ装置40は減衰力を発生させる。
ここで、微低速バルブ43に形成される貫通穴43Dの位置を、油圧緩衝器100の伸張行程(図3参照)において微低速バルブ43に生じる応力を分散するべく、単に支点43Eから離した(微低速バルブ43の半径方向内側に配置した)場合、バルブシート44と微低速バルブ43とが接触する領域が大きくなる。この場合、油圧緩衝器100の圧縮行程(図2参照)において、バルブシート44と微低速バルブ43とが接触する領域でオイルが受ける抵抗が増加することにより、オイルの流れが抑制され得る。
したがって、本実施の形態の微低速バルブ43は、油圧緩衝器100の圧縮行程(図2参照)におけるバルブシート44と微低速バルブ43との間におけるオイルの流れを促進するべく、貫通穴43Dの中央部43D2における支点43Eからの距離を、貫通穴43Dの端部43D1における支点43Eからの距離よりも小さくするものとして捉えることができる。
<変形例>
次に、図10を参照しながら、微低速バルブ43の変形例について説明をする。なお、図10は、微低速バルブ43の変形例の概略構成を示す図である。
上記では、図7等を参照しながら本実施の形態の微低速バルブ43を説明した。しかしながら、微低速バルブ43は、略円周方向に延びる貫通穴43Dを有するとともに、その円周方向の端部43D1が、円周方向の中央部43D2と比較して微低速バルブ43の中心軸CL側に配置されていれば、図7等に示す形状に限定されない。
まず、図7等の微低速バルブ43では、外縁が円形の部材として説明をしたが、楕円形等、他の形状であってもよい。
また、例えば、図10(a)に示すように、微低速バルブ430が、その外縁に外周切り欠き43Hを形成してもよい。図示の例においては、微低速バルブ430の外縁であって、直径方向において互いに対向する位置に2つの外周切り欠き43Hが形成されている。なお、外周切り欠き43Hが形成されることにより、外周切り欠き43Hが形成されない場合と比較して、微低速バルブ430の外環部43Bはより撓みやすくなる。
また、図7等の微低速バルブ43では、2つの貫通穴43Dおよび2つの接続部43Cを有する構成として説明をしたが、貫通穴43Dおよび接続部43Cの個数は、3つ以上であってもよい。あるいは、例えば、図10(b)に示すように、微低速バルブ431が貫通穴43Dおよび接続部43Cをそれぞれ1つ有する構成であってもよい。なお、接続部43Cを1つとすることにより、例えば2つの接続部43Cを有する場合と比較して、微低速バルブ431の外環部43Bはより撓みやすくなる。
また、図4等のバルブシート44では、外縁が円形の部材として説明をしたが、バルブシート44の外周から貫通穴43Dの端部43D1までの半径方向の距離が、バルブシート44の外周から微低速バルブ43の貫通穴43Dの中央部43D2までの半径方向の距離よりも大きい構成であれば、バルブシート44は、楕円形や外縁の一部が半径方向外側に突出している形状等、他の形状であってもよい。付言すると、この場合、貫通穴43Dの配置としては、中央部43D2と端部43D1とが中心軸CLから等しい距離に配置されても、あるいは中央部43D2よりも端部43D1の方が中心軸CLからの距離が大きくなるように配置されてもよい。
また、上記では第2バルブ装置40が備える微低速バルブ43として説明をしたが、微低速時の減衰力を向上させるバルブが適用可能であれば、例えば第1バルブ装置30の第1バルブ32および第2バルブ33、あるいは第2バルブ装置40の第2バルブ51等に上記構成を適用してももちろんよい。なお、上記構成を適用した場合、チェックバルブ機能よりも、微低速時の減衰機能を優先する構成としても捉えられる。
10…シリンダ、11…外シリンダ、12…内シリンダ、22…ピストンロッド、40…第2バルブ装置、41…ピストン、42…第1バルブ、43…微低速バルブ、43A…内環部、43B…外環部、43C…接続部、43D…貫通穴、43D1…端部、43D2…中央部、44…バルブシート、45…スリットバルブ、100…油圧緩衝器、CL…中心軸

Claims (6)

  1. 閉ざされた空間を区分するとともに、当該閉ざされた空間を当該閉ざされた空間の外部と連続させる通路が形成された区分部材と、
    前記区分部材に対して中心側が固定され、当該区分部材の前記通路の開口端を覆うとともに、当該区分部材側から力を受けた際に当該区分部材から離れる方向に変形可能な部材であり、周方向に貫通穴が形成されるバルブと、
    前記区分部材との間に前記バルブを挟むとともに、当該バルブの前記貫通穴を覆い当該貫通穴よりも当該バルブの径方向外側に外周が位置する覆い部材と
    を備え、
    前記バルブは、前記貫通穴の周方向端部から前記覆い部材の外周までの径方向の距離を、当該貫通穴の周方向中心から当該覆い部材の外周までの径方向の距離よりも大きくする
    ことを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 前記バルブの前記貫通穴は、当該貫通穴の前記周方向端部の曲率半径を、当該貫通穴の前記周方向中心における曲率半径よりも小さくすることを特徴とする請求項1記載の油圧緩衝器。
  3. 前記バルブの前記貫通穴は、当該貫通穴の前記周方向端部の径方向における幅を、当該貫通穴の前記周方向中心の径方向における幅よりも小さくすることを特徴とする請求項1記載の油圧緩衝器。
  4. 前記覆い部材は、前記区分部材から離れる方向に変形可能な部材であることを特徴とする請求項1記載の油圧緩衝器。
  5. 前記バルブの前記貫通穴は、前記区分部材の前記通路の開口端に対峙して配置されることを特徴とする請求項1記載の油圧緩衝器。
  6. 油圧緩衝器内において閉ざされた空間を区分するとともに、当該閉ざされた空間を外部と連続させる通路が形成された区分部材に対して中心側が固定され、当該区分部材の前記通路の開口端を覆うとともに、当該区分部材側から力を受けた際に当該区分部材から離れる方向に変形可能な部材であり、周方向に貫通穴が形成され、かつ当該貫通穴を覆い当該貫通穴よりも径方向外側に外周が位置する覆い部材と当該区分部材とにより挟まれて配置されるバルブであって、
    前記貫通穴の周方向端部から前記覆い部材の外周までの径方向の距離が、当該貫通穴の周方向中心から当該覆い部材の外周までの径方向の距離よりも大きいバルブ。
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