JP5960034B2 - 圧力緩衝装置および懸架装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圧力緩衝装置および懸架装置に関する。
自動車等の車両のサスペンション装置は、走行中に路面から車体へ伝達される振動を適切に緩和して、乗心地や操縦安定性を向上させるために、減衰力発生器を用いた圧力緩衝装置を備えている。この種の圧力緩衝装置においては、路面の状況に応じて変化する振動の周波数に応じて、例えば低周波域で減衰力を高く、高周波域で減衰力を低くするように減衰力調整機構を備えた圧力緩衝装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2011−202786号公報
ところで、例えば急旋回時や悪路走行時など急激に変化する場合などの高速域において、減衰力を高くして操縦安定性を向上させる必要がある。これは、例えば低周波域で減衰力を高く、高周波域で減衰力を低くする減衰力調整機構を備えた圧力緩衝装置においても同様に要求される。
本発明は、低周波域で減衰力を高く高周波域で減衰力を低くする減衰力調整機構を備えた圧力緩衝装置において、高速域での減衰力の応答性を高めることを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、液体を収容するシリンダと、シリンダ内の空間を、液体を収容する第1液室と第2液室とに区画する区画部材と、第2液室から第1液室への液体の流路を形成する流路部と、流路部を介した第2液室からの第1液室への液体の流れを開閉する開閉部と、開閉部の一方側に対峙し、液体の流入を受ける空間を形成する第1空間形成部と、開閉部の他方側に対峙し、液体の流入を受ける空間を形成する第2空間形成部と、流路部に接続し流路部から第1空間形成部への液体の流入経路を形成するとともに、流路部よりも流路断面積が小さい第1流入部と、流路部に接続し流路部から第2空間形成部への液体の流入経路を形成するとともに、第1流入部よりも流路断面積が大きく流路部よりも流路断面積が小さい第2流入部と、を備えることを特徴とする圧力緩衝装置である。
ここで、区画部材は、第1液室と第2液室との液体の流れを連通する連通路を有し、棒状の部材であって区画部材の軸方向の一方の端部側を保持して軸方向に移動するとともに、流路部が形成されるロッド部材を備えるとよい。
そして、第2流入部は、開閉部に対向して設けられる対向部材に設けられ流路部と第2空間形成部とを接続する切欠きによって構成されるとよい。
また、第2流入部は、開閉部に対向して設けられる対向部材に設けられ流路部と第2空間形成部とを接続するよう形成された孔によって構成されるとよい。
また、かかる目的のもと、他の観点から捉えた本発明は、振動および衝撃を緩和するスプリングと、スプリングによる振動を減衰させる圧力緩衝装置と、を備える懸架装置であって、圧力緩衝装置は、液体を収容するシリンダと、シリンダ内の空間を、液体を収容する第1液室と第2液室とに区画する区画部材と、第2液室から第1液室への液体の流路を形成する流路部と、流路部を介した第2液室からの第1液室への液体の流れを開閉する開閉部と、開閉部の一方側に対峙し、液体の流入を受ける空間を形成する第1空間形成部と、開閉部の他方側に対峙し、液体の流入を受ける空間を形成する第2空間形成部と、流路部に接続し流路部から第1空間形成部への液体の流入経路を形成するとともに、流路部よりも流路断面積が小さい第1流入部と、流路部に接続し流路部から第2空間形成部への液体の流入経路を形成するとともに、第1流入部よりも流路断面積が大きく流路部よりも流路断面積が小さい第2流入部と、を備えることを特徴とする懸架装置である。
本発明によれば、低周波域で減衰力を高く高周波域で減衰力を低くするように減衰力調整機構を備えた圧力緩衝装置において、高速域での減衰力の応答性を高めることが可能になる。
本実施形態の懸架装置の概略構成を示す図である。 本実施形態の油圧緩衝装置の全体構成図である。 油圧緩衝装置を詳細に説明するための図である。 減衰力調整部を説明するための図である。 圧縮行程時のオイルの流れを示す図である。 伸張行程時のオイルの流れを示す図である。 低周波域の伸張行程時における減衰力調整部の動作を説明するための図である。 高周波域の伸張行程時における減衰力調整部の動作を説明するための図である。 他の例の第3バルブストッパを説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態の懸架装置100の概略構成を示す図である。
懸架装置100は、図1に示すように、油圧緩衝装置1と、油圧緩衝装置1の外側に配置されたコイルスプリング2とを備えている。そして、懸架装置100は、油圧緩衝装置1の外周に取り付けられてコイルスプリング2の下端部を支持する下スプリングシート3と、油圧緩衝装置1の端部側における外周に取り付けられてコイルスプリング2の上端部を支持する上スプリングシート4とを備えている。そして、上スプリングシート4には、懸架装置100を車体等に取り付けるためのボルト5が取り付けられている。さらに、懸架装置100は、油圧緩衝装置1の下部に設けられた車輪側取付部6を備えている。
また、懸架装置100は、油圧緩衝装置1から飛び出す後述のピストンロッド20の外周に圧入されたバンプラバー7を備えている。そして、懸架装置100は、油圧緩衝装置1の一部の端部および油圧緩衝装置1から突出するピストンロッド20の外周を覆う蛇腹状のダストカバー8を備えている。さらに、懸架装置100は、ピストンロッド20の上端部側において上下方向に配置され、振動を吸収する複数(本実施形態においては2個)のマウントラバー9を備えている。
図2は、本実施形態の油圧緩衝装置1の全体構成図である。
図3は、油圧緩衝装置1を詳細に説明するための図である。
油圧緩衝装置1は、図2に示すように、周波数応答型のサスペンションの一部を構成する複筒型式油圧緩衝装置である。そして、油圧緩衝装置1は、シリンダ部10と、ピストンロッド20と、ピストンバルブ30と、減衰力調整部40と、ボトムバルブ60と、を備えている。
〔シリンダ部10の構成・機能〕
シリンダ部10は、薄肉円筒状の外シリンダ11と、外シリンダ11内に収容される薄肉円筒状の内シリンダ12と、円筒状の外シリンダ11の円筒の中心軸方向(図2では上下方向)の一方の端部を塞ぐ底蓋13とを備えている。なお、以下の説明においては、外シリンダ11の円筒の中心軸方向を、単に「軸方向」と称す。また、外シリンダ11の軸方向において図中下側の端部側を「一方」と称し、外シリンダ11の図中上側の端部側を「他方」と称する。
また、シリンダ部10は、外シリンダ11の内側に配置されてピストンロッド20をガイドするロッドガイド14と、ピストンロッド20を摺動させるとともに、外シリンダ11における軸方向の他方の端部に装着されたバンプストッパキャップ15とを備えている。また、シリンダ部10は、バンプストッパキャップ15の内側であって、ロッドガイド14に対してピストン31とは反対側に設けられ、シリンダ部10内の液体の漏れやシリンダ部10内への異物の混入を防ぐオイルシール16を備えている。
そして、シリンダ部10においては、外シリンダ11における軸方向の長さの方が内シリンダ12の長さよりも長く、内シリンダ12は、外シリンダ11と同心に配置される。つまり、内シリンダ12における軸方向の一方の端部は、ボトムバルブ60を構成する部品の一つである後述するバルブボディ61と底蓋13とを介して、外シリンダ11における軸方向の一方の端部に支持される。
他方、内シリンダ12における軸方向の他方の端部は、ロッドガイド14にて支持される。これらにより、内シリンダ12の外周と外シリンダ11の内周との間隙が軸方向に一定となるように、内シリンダ12は、外シリンダ11と同心に配置される。そして、内シリンダ12の外周面と外シリンダ11の内周面とで、リザーバ室Rを形成している。ボトムバルブ60は、図2に示すように、後述するバルブボディ61により第1油室Y1とリザーバ室Rとを区分する。
〔ピストンロッド20の構成・機能〕
ピストンロッド20は、軸方向に延びるとともに軸方向の一方の端部でピストンバルブ30および減衰力調整部40に接続する。
ピストンロッド20は、中実または中空の棒状の部材であり、円柱状または円筒状のロッド部21と、軸方向の一方の端部にピストンバルブ30や減衰力調整部40などを取り付けるための一方側取付部22aと、軸方向の他方の端部にこのピストンロッド20を車体などへ取り付けるための他方側取付部22bと、を有している。一方側取付部22aおよび他方側取付部22bの端部の外面には螺旋状の溝が切られて雄ねじが形成されており、ボルトとして機能する。
また、一方側取付部22aは、ロッド部21と比較して外径が小さくなっている。それによって、一方側取付部22aは、ロッド部21との接続点において段差23を形成する。さらに、ピストンロッド20は、一方側取付部22aにおいて、軸方向に伸びて形成されたオイルの経路であって、第2油室Y2と第1油室Y1との間でオイルを流通させる流路部の一例としてのバイパス路25を備えている。
バイパス路25は、図3に示すように、一方側取付部22aの一部の断面をD字形状にする所謂Dカット加工によって構成している。そして、バイパス路25は、後述する第1バルブストッパ351の開口部351Hや、第2バルブストッパ352、第2バルブ群322、ピストン31、第1バルブ群321、第3バルブストッパ353および減衰力可変バルブ41にそれぞれ形成される一方側取付部22aを通す孔との間に形成される隙間によってオイルの流路を構成する。
さらに、一方側取付部22aには、他の部分と比較してさらに外径が小さく形成される第1縮径部a1と、第2縮径部a2とを有している。そして、第1縮径部a1は、後述する第1バルブストッパ351の開口部351Hと対向する位置に形成される。また、第2縮径部a2は、後述する第3バルブストッパ353の連通路37と対向する位置に形成している。
〔ピストンバルブ30の構成・機能〕
ピストンバルブ30は、図3(a)に示すように、区画部材の一例としてのピストン31と、ピストン31に形成された複数の油路の内の一部の油路における軸方向の一方の端部を塞ぐ第1バルブ群321と、ピストン31に形成された複数の油路の内の一部の油路における軸方向の他方の端部を塞ぐ第2バルブ群322と、を備えている。また、ピストンバルブ30は、第1バルブストッパ351、第2バルブストッパ352および第3バルブストッパ353を備えている。
ピストン31は、軸方向に形成された複数の油路を有する円柱状の部材である。そして、ピストン31は、その外周面に設けられたシール部材を介して内シリンダ12の内周面に接触し、内シリンダ12内の液体(本実施形態においてはオイル)が封入された空間を、ピストン31よりも軸方向の一方の端部側の第1油室Y1と、ピストン31よりも軸方向の他方の端部側の第2油室Y2とに区分する(図2参照)。
そして、ピストン31には、ピストンロッド20の一方側取付部22aを通すために軸方向に形成された取付孔31Rと、取付孔31Rよりも半径方向の外側の部位に軸方向に形成された第1油路341と、第1油路341よりも半径方向の外側の部位に軸方向に形成された第2油路342とが形成されている。第1油路341および第2油路342は、円周方向に等間隔に複数(本実施形態においては4つ)形成されており、第1油室Y1と第2油室Y2とを連通する。
第1バルブ群321は、ピストンロッド20の一方側取付部22aを通すボルト孔が形成された円盤状の部材が複数重ねられることで構成される。そして、第1バルブ群321を構成する個々のバルブは、第1油路341を塞ぎ、かつ第2油路342を開放するように設定されている。
第2バルブ群322は、ピストンロッド20の一方側取付部22aを通すボルト孔が形成された円盤状の部材が複数重ねられることで構成される。そして、第2バルブ群322を構成する個々のバルブは、第2油路342を塞ぎ、かつ第1油路341を開放するように設定されている。
第1バルブストッパ351および第2バルブストッパ352は、それぞれ概形が円柱形状をしている。第1バルブストッパ351および第2バルブストッパ352は、軸方向に伸びてピストンロッド20の一方側取付部22aが貫通可能な内径を有する取付孔351Rおよび取付孔352Rをそれぞれ備える。さらに、第1バルブストッパ351は、取付孔351Rに隣接して形成され軸方向に貫通する開口部351Hを有する。
そして、第1バルブストッパ351および第2バルブストッパ352は、取付孔351Rに一方側取付部22aが嵌め込まれ、ピストン31との間に第2バルブ群322を挟み込む。
また、第1バルブストッパ351の開口部351Hは、軸方向の一方側が第2油室Y2に対して開口し、他方側が第2バルブストッパ352の内側に位置するピストンロッド20に形成されるバイパス路25に臨む。そして、開口部351Hは、バイパス路25を介したオイルの流れの流出入部として機能する。
なお、例えば油圧緩衝装置1の伸縮動作に伴って第1バルブストッパ351はピストンロッド20回りを回転する。この場合に、第1縮径部a1が周方向に形成されるため、第1バルブストッパ351の開口部351Hがいずれの回転角度であっても、第1縮径部a1を介して開口部351Hからバイパス路25にオイルを流すことができる。
第3バルブストッパ353は、概形が円柱形状をしている。そして、第3バルブストッパ353は、軸方向に伸びてピストンロッド20の一方側取付部22aが貫通可能な内径を有する取付孔353Rを有する。さらに、第3バルブストッパ353は、後述の減衰力可変バルブ41に対峙する第2空間形成部の一例としての環状凹部36と、環状凹部36とバイパス路25との間のオイルの流路を形成する第2流入部の一例としての連通路37とを有している。
そして、第3バルブストッパ353は、取付孔353Rに一方側取付部22aが嵌め込まれることで、ピストンロッド20に保持される。また、ピストンロッド20に取り付けられた状態で、第3バルブストッパ353は、ピストン31との間に第1バルブ群321を挟み込む。
環状凹部36は、第3バルブストッパ353における後述の減衰力可変バルブ41に対向する側の端部に設けられる環形状に形成された凹部である。環状凹部36は、図3に示すように二重の環形状の凹部によって構成される。また、環状凹部36を構成する環形状の凹部は、相互にオイルが行き来できるように接続している。そして、環状凹部36には、後述の減衰力可変バルブ41が対向するように配置される。さらに、連通路37からオイルが流入することにより、オイルの圧力によって減衰力可変バルブ41を押圧する。
連通路37は、第3バルブストッパ353に穿孔して形成された断面が円形状の管路である。連通路37は、一端の開口が取付孔353Rに形成され、他端の開口が環状凹部36に設けられる円管路である。連通路37は、取付孔353Rから環状凹部36側に向け軸方向に対して斜めに形成される。そして、連通路37は、バイパス路25と環状凹部36との間のオイルの流れの流路を形成する。なお、本実施形態では、連通路37を斜めに形成することで、バイパス路25から連通路37へとオイルを流入させ易くしている。
そして、連通路37におけるオイルの流路断面積は、バイパス路25の流路断面積よりも小さく、後述するスリットバルブ42のスリット42Sの流路断面積よりも大きくしている。なお、本実施形態では、バイパス路25の流路断面積とは、バイパス路24を構成するオイルの流路において最も狭いピストン31部分における流路断面積として定義し、以下の説明を行う。
また、例えば油圧緩衝装置1の伸縮動作に伴って第3バルブストッパ353はピストンロッド20回りに回転する。この場合に、第2縮径部a2が周方向に形成されるため、第3バルブストッパ353の連通路37がいずれの回転角度であっても、第2縮径部a2を介してバイパス路25を流れるオイルを連通路37にて受け入れることができる。
〔減衰力調整部40の構成・機能〕
図3(a)に示すように、減衰力調整部40は、開閉部の一例としての減衰力可変バルブ41と、第1流入部の一例としてのスリットバルブ42と、ピストンナット43と、スプール44と、支持バネ46とを有する。さらに、減衰力調整部40は、エンドキャップ51と、フロートバルブ52と、圧力調整室スプリング53とを有する。
減衰力可変バルブ41は、円盤状の部材であって、環状凹部36の外側の縁における外径より大きく形成される。そして、減衰力可変バルブ41は、第3バルブストッパ353の環状凹部36を覆うように取り付けられる。そして、減衰力可変バルブ41は、後述するように変形動作することで、環状凹部36全体を覆う状態と、環状凹部36から少なくとも一部が離れた状態とを形成する。
そして、減衰力可変バルブ41は、環状凹部36を覆う状態では、バイパス路25を介した第2油室Y2から第1油室Y1側へのオイルの流れを制限する。一方、減衰力可変バルブ41は、環状凹部36から少なくとも一部が離れた状態では、バイパス路25を介して第2油室Y2から第1油室Y1側にオイルを流す。このように、減衰力可変バルブ41は、バイパス路25を介した第2油室Y2から第1油室Y1側へのオイルの流れの開閉機構として機能する。
スリットバルブ42は、図3(b)に示すように、円盤状の部材である。そして、スリットバルブ42は、中央部にピストンロッド20の一方側取付部22aが貫通する開口部42Hと、開口部42Hを囲む環状部42Cの内周面より径方向外方へ外周寄りの位置まで切り込まれたスリット42S(本実施形態では、スリット42Sは周方向において2箇所)とを備えている。また、本実施形態では、スリット42Sの流路断面積がバイパス路25および連通路37よりも小さくなるように設定している。なお、複数のスリット42Sを有する場合には、複数のスリット42Sの流路断面積の総和が、バイパス路25および連通路37よりも小さくなるようにすればよい。
そして、スリットバルブ42は、減衰力可変バルブ41と共に、第3バルブストッパ353の第1油室Y1側(一方側)の端部と、ピストンナット43の環状突出部432(後述)との間に挟み込まれて保持される。このとき、スリット42Sの先端側は、環状突出部432(後述)を越えてその径方向外方へ延出して後述する圧力室47へ連通する。また、スリット42Sの基端側はバイパス路25の下端部へ連通する。このように、スリット42Sは、バイパス路25から圧力室47へのオイルの流路を形成する。
ピストンナット43は、円柱状部431と、円柱状部431の軸方向における一端側に設けられる環状突出部432と、他端側に設けられる円筒部433とを有して構成される。
円柱状部431は、軸方向に伸びピストンロッド20の一方側取付部22aが嵌め込まれる貫通孔であるボルト孔43Rと、ボルト孔43Rに隣接し軸方向に環状突出部432側から円筒部433まで貫通して形成される連絡通路43Hを有している。なお、本実施形態では、連絡通路43Hは、ピストンナット43の周方向において複数設けられている。
ピストンナット43は、ボルト孔43Rに一方側取付部22aが固定されることで、ピストンロッド20に支持される。そして、本実施形態では、ピストンナット43のボルト孔43Rを一方側取付部22aに取り付ける。これによって、ピストンナット43は、ピストンバルブ30、減衰力調整部40などのピストンナット43とピストンロッド20の段差23との間に挟まれる部材を段差23との間に挟み込み、これらの部材をピストンロッド20に保持させる。
また、連絡通路43Hは、後述する圧力室47と圧力調整室55とを連通し、圧力室47と圧力調整室55との間におけるオイルの流路を形成する。
なお、ピストンロッド20のバイパス路25、圧力室47、連絡通路43H、円筒部433(圧力調整室55)、エンドキャップ51の貫通孔51H(後述)によって、第2油室Y2と第1油室Y1との間に一つのオイルの流路が形成される。この流路においては、後述するように、ピストンバルブ30の動作に応じてオイルが流れる。
スプール44は、円筒形状の概形をしている。スプール44は、一端側の開口部において軸方向に直交する方向に向けて折れ曲がった内向きフランジ状の上端部44aを有し、他端側がピストンナット43の円柱状部431の外側に嵌り込む。スプール44と円柱状部431との間にはOリング45が設けられる。そして、スプール44は、ピストンナット43の円柱状部431に対して、軸方向において移動可能に取り付けられる。
また、スプール44の上端部44aは、軸方向の一端側にて減衰力可変バルブ41に接触可能に形成されるとともに、他端側にて支持バネ46に接触するように形成される。そして、スプール44は、支持バネ46により第3バルブストッパ353に向けて付勢され、減衰力可変バルブ41を第3バルブストッパ353の環状凹部36に押し付ける。
そして、図3(a)に示すように、スプール44の上端部44aと、ピストンナット43の環状突出部432と、減衰力可変バルブ41とによって囲まれた空間によって、第1空間形成部の一例としての圧力室47を形成する。圧力室47は、減衰力可変バルブ41の環状凹部36が配置される側とは反対側に設けられることで、減衰力可変バルブ41に対峙する。そして、圧力室47は、スリットバルブ42を介してバイパス路25から流入するオイルの圧力によってスプール44とともに減衰力可変バルブ41を押圧する。
支持バネ46は、図3(c)に示すように、リング状を有するとともに、外周部にて径方向外側へ突出する突出部46aが複数突出形成される。また、支持バネ46は、内周部にピストンナット43の環状突出部432にて支持される。そして、図3(a)に示すように、支持バネ46は、突出部46aをスプール44の上端部44aへ接触させ、スプール44を軸方向において移動可能に保持する。
図4は、減衰力調整部40を説明するための図である。
エンドキャップ51は、図4に示すように、概形が有底円筒形状を有する部材である。エンドキャップ51は、側面部511と、一方側端部512と、他方側端部513とを備える。
エンドキャップ51の側面部511の外径は、ピストンナット43の円筒部433の内径と同程度に設定される。そして、エンドキャップ51は、ピストンナット43の円筒部433の内側に嵌め込まれる。この際に、側面部511の外周に形成されるネジ(不図示)と、円筒部433の内周に形成されるネジ(不図示)とが嵌め合わされて固定される。
そして、エンドキャップ51は、ピストンナット43の円筒部433の内側に嵌め合わされた状態で、他方側端部513と円筒部433との間に空間である圧力調整室55を形成する。この圧力調整室55には、図3(a)に示すように、フロートバルブ52および圧力調整室スプリング53が収容される。
エンドキャップ51の他方側端部513は、図4に示すように、円形の縁に沿って形成され軸方向に突出する環状部51Cと、環状部51Cよりも径方向の内側に設けられ環状部51Cよりも軸方向において一段低くなった段差状の凹部からなる変形規制部51Gとを備えて構成される。
環状部51Cは、後述する圧力調整室スプリング53との間に、フロートバルブ52の外縁を挟み込む。また、変形規制部51Gは、フロートバルブ52が撓み変形した際に、その変形量を所定範囲で許容するための間隔を形成する。
さらに、エンドキャップ51は、他方側端部513から一方側端部512に向けて貫通する貫通孔51Hを備えている。この貫通孔51Hは、一方側が圧力調整室55と連通し、他方側が第1油室Y1に臨む(図3(a)参照)。
フロートバルブ52は、図4に示すように、円板形状を有する板バネである。フロートバルブ52は、中央部に、オイルの圧力によって湾曲状に撓む弾性撓み部52Fを有している。
フロートバルブ52は、外周部がエンドキャップ51の環状部51Cへ圧力調整室スプリング53によりエンドキャップ51に向けて付勢される。なお、フロートバルブ52は、後述する圧力調整室スプリング53の付勢力に抗して移動することが可能であり、軸方向および軸方向に直交する方向において変位する。さらに、フロートバルブ52は、エンドキャップ51の環状部51Cに接触しながら、圧力を受けることによって、中央部の弾性撓み部52Fが変形規制部51Gに接触するまで変形する。
以上のように、フロートバルブ52は、伸張行程時や圧縮行程時において、変形および変位することで、圧力調整室55の容積を変化させる。また、エンドキャップ51の貫通孔51Hを塞ぐことによって圧力調整室55と第1油室Y1側とのオイルの流れを遮断したり、開放したりする。
圧力調整室スプリング53は、図4に示すように、薄板環状ばねであり、板状円環部53aと、板状円環部53aの外周に放射状に設けられる複数の上向きばね脚53bと下向きばね脚53cとを有する。上向きばね脚53bおよび下向きばね脚53cは、板状円環部53aの周方向において一定の間隔で設けられる。さらに、上向きばね脚53bと下向きばね脚53cとは、板状円環部53aの外周にて、交互に斜め上向きと斜め下向きに並ぶように配置される。
そして、圧力調整室スプリング53は、上向きばね脚53bをピストンナット43の円筒部433の端部面に対向して取り付けられ、下向きばね脚53cによりフロートバルブ52をエンドキャップ51の環状部51Cに向けて押し付けるように支持する。
〔ボトムバルブ60の構成・機能〕
図2に示すように、ボトムバルブ60は、軸方向に形成された複数の油路を有するバルブボディ61と、バルブボディ61に形成された複数の油路の内の一部の油路における軸方向の一方の端部を塞ぐ第1バルブ621と、バルブボディ61に形成された複数の油路の内の一部の油路における軸方向の他方の端部を塞ぐ第2バルブ622、これらの部材を固定するボルト60Bとを備えている。
バルブボディ61は、円盤状の円盤状部63と、この円盤状部63の半径方向の最外部から軸方向に延びた円筒状の円筒状部64と、を有し、シリンダ部10内における閉ざされた空間を区分する。
円盤状部63には、ボルト60Bの軸部を通すために軸方向に形成されたボルト孔65Rと、ボルト孔65Rよりも半径方向の外側の部位に軸方向に形成された第1油路661と、第1油路661よりも半径方向の外側の部位に軸方向に形成された第2油路662とが形成されている。第1油路661および第2油路662は、円周方向に等間隔に複数(本実施形態においては4つ)形成されており、第1油室Y1とリザーバ室Rとを連通する連通路として機能する。
円筒状部64は、軸方向の一方の端部側に端面から凹んだ凹部64aを、円周方向に等間隔に複数(本実施形態においては4つ)有している。この凹部64aにより、円筒状部64の内部とリザーバ室Rとを連通している。
第1バルブ621は、ボルト60Bの軸部を通すボルト孔が形成された円盤状の部材である。そして、第1バルブ621の外径は、第1油路661を塞ぐ大きさであり、かつ第2油路662を開放する大きさに設定されている。
第2バルブ622は、ボルト60Bの軸部を通すボルト孔が形成された円盤状の部材である。そして、第2バルブ622の外径は、第2油路662を塞ぐ大きさに設定されている。また、第2バルブには、半径方向の中心から見た場合の第1油路661に対応する位置に、円周方向に等間隔に複数(本実施形態においては9つ)の油孔が形成されている。
続いて、本実施形態の油圧緩衝装置1の動作を説明する。
はじめに、圧縮行程時および伸張行程時におけるピストンバルブ30とボトムバルブ60の動作について説明する。
図5は、圧縮行程時のオイルの流れを示す図である。
図5に示すように、ピストン31が、白抜き矢印のようにシリンダ部10に対して軸方向の一方の端部側(図5においては下方)へ移動すると、ピストン31の移動で第1油室Y1内のオイルは押され、ピストンバルブ30下側の圧力は上昇し、ピストンバルブ30の第2油路342に高圧が作用する。その結果、この第2油路342を塞ぐ第2バルブ群322が開き、オイルは図5の矢印Aに示すように第2油路342を通ってピストンバルブ30の上方の第2油室Y2に流入する。この第1油室Y1から第2油室Y2へのオイルの流れは、第2バルブ群322および第2油路342で絞られ、油圧緩衝装置1の圧縮行程時における減衰力を得る。
また、ピストン31の軸方向の一方の端部側への移動により高まった第1油室Y1の圧力は、ボトムバルブ60の第1油路661に作用し、これを閉塞する第1バルブ621を開く。そして、第1油室Y1内のオイルは、図5の矢印Bに示すように、バルブボディ61の第1油路661、凹部64aを通って内シリンダ12と外シリンダ11との間に形成されるリザーバ室Rに流入する。この第1油室Y1からリザーバ室Rへのオイルの流れは、第1バルブ621および第1油路661で絞られ、油圧緩衝装置1の圧縮行程時における減衰力を得る。
図6は、伸張行程時のオイルの流れを示す図である。
図6に示すように、ピストン31が、白抜き矢印のようにシリンダ部10に対して軸方向の他方の端部側(図6においては上方)へ移動すると、その体積分のオイルが第1油室Y1に不足することにより負圧となる。これにより、第2油室Y2内のオイルがピストンバルブ30の第1油路341を通り、この第1油路341を閉塞する第1バルブ群321を開き、図6の矢印Cのように、第1油室Y1に流入する。この第2油室Y2から第1油室Y1へのオイルの流れは、ピストンバルブ30の第1バルブ群321および第1油路341で絞られ、油圧緩衝装置1の伸張行程時における減衰力を得る。
また、ピストン31が図6の白抜き矢印の方向に移動すると、リザーバ室R内のオイルがボトムバルブ60のバルブボディ61の凹部64a、第2油路662を通り、この第2油路662を閉塞する第2バルブ622を開き、図6の矢印Dのように、第1油室Y1内に流入する。このリザーバ室Rから第1油室Y1へのオイルの流れは、ボトムバルブ60の第2バルブ622および第2油路662で絞られ、油圧緩衝装置1の伸張行程時における減衰力を得る。
次に、減衰力調整部40の動作について説明する。
図7は、低周波域の伸張行程時における減衰力調整部40の動作を説明するための図である。
低周波域の伸張行程において、ピストン31が移動することで、第2油室Y2の圧力が高くなる(図2参照)。このとき、第2油室Y2に臨む第1バルブストッパ351の開口部351Hからバイパス路25へとオイルが流入する。そして、図7に示すように、バイパス路25のオイルの流れは、連通路37およびスリットバルブ42のスリット42Sに達する。このとき、オイルの流れは、連通路37やスリット42Sにて絞られることなく、速やかに環状凹部36や圧力室47へ伝達される。また、圧力調整室55が連絡通路43Hを介して圧力室47と連通している。従って、フロートバルブ52は押し込まれ、圧力調整室55も圧力室47と同圧になって、圧力室47の液圧低下を生じさせない。そのため、環状凹部36および圧力室47のオイルの圧力は第2油室Y2と同圧となる。その結果、減衰力調整部40における減衰力可変バルブ41は閉じた状態になる。
以上のように、低周波域においては、バイパス路25を介したオイルの流れがほとんど形成されない状態になる。そのため、第2油室Y2から第1油室Y1へのオイルの流れは、ピストンバルブ30を介する移動経路のみとなり(図6参照)、油圧緩衝装置1において減衰力が高い状態が形成される。
図8は、高周波域の伸張行程時における減衰力調整部の動作を説明するための図である。
高周波域の伸張行程時において、ピストン31が移動することで、第2油室Y2の圧力が高くなる(図2参照)。そして、ピストン31が移動し始める微振幅の範囲において、図8に示すように、バイパス路25のオイルの流れは、バイパス路25を介したオイルの流路上に設けられるスリットバルブ42のスリット42Sによって圧力室47へ遅れて伝達される。そのため、圧力室47のオイルの圧力は上昇し難い。
一方で、バイパス路25のオイルの流れは、連通路37に達している。連通路37は、スリットバルブ42のスリット42Sよりも流路断面が大きいため、スリットバルブ42を介した経路よりもオイルが流れやすい。そして、連通路37を介して環状凹部36へとオイルが流入する。そして、環状凹部36の圧力は上昇する。
そして、圧力室47のオイルの圧力が環状凹部36の圧力よりも低くなることで、圧力室47と環状凹部36との間に圧力の差が発生する。この圧力差によって、図8に示すように、減衰力可変バルブ41が押されることでスプール44とともに開いて、バイパス路25を介した第2油室Y2から第1油室Y1側へのオイルの流れを生じさせる。
その結果、第2油室Y2のオイルの圧力が第1油室Y1へ逃げ、ピストンバルブ30の第2油路342および第2バルブ群322に加えて、バイパス路25および減衰力可変バルブ41を介する合計2つのオイルの流路が形成されることによって、油圧緩衝装置1における減衰力が低くなる。
また、スリットバルブ42による圧力伝達の遅れによって低下していた圧力室47のオイルの圧力はその後に上昇しようとする。このとき、圧力調整室55のフロートバルブ52は押し下げられ圧力室47の容積が拡大する。そのため、圧力室47の液圧上昇が遅れ、この遅れは、フロートバルブ52がエンドキャップ51の変形規制部51Gに接触するまで持続される。
以上のように、例えば高周波数において微振幅の範囲においては、油圧緩衝装置1の減衰力が低い状態が形成され、乗り心地が向上する。
さらにその後、フロートバルブ52の弾性撓み部52Fが変形規制部51Gに接触すると、急速に圧力室47の液圧が上昇し、環状凹部36と圧力室47との圧力差が解消される。そして、スプール44が支持バネ46に押されて減衰力可変バルブ41が閉じる。そして、最終的には、ピストンバルブ30を介するオイルの移動経路のみとなり、油圧緩衝装置1の減衰力が高くなる。
このように、例えば高周波域であってピストンロッド20の振幅が大きく急激に移動するときなどにおいては、油圧緩衝装置1の減衰力が高い状態が形成される。
ここで、本実施形態の油圧緩衝装置1では、連通路37の流路断面積をバイパス路25の流路断面積と比較して小さくしている。そのため、バイパス路25から連通路37へとオイルが流入するとき、そのオイルの圧力が低下する。そして、連通路37からオイルの流入を受ける環状凹部36の圧力も低くなる。
一方で、バイパス路25を介したオイルの流入によって圧力室47の圧力は、フロートバルブ52の弾性撓み部52Fが変形規制部51Gに接触することで、圧力室47の液圧が上昇する。そのため、フロートバルブ52の弾性撓み部52Fが変形規制部51Gに接触した後は、環状凹部36の圧力が圧力室47に対して高くなる状態になる。そして、本実施形態では、スプール44が減衰力可変バルブ41に向けてより速く移動し易く、減衰力可変バルブ41が閉じ易くなっている。
ここで、本実施形態の油圧緩衝装置1の構成と、仮に連通路37の流路断面積をバイパス路25よりも大きくした油圧緩衝装置の構成とを比較について説明する。
仮に連通路37の流路断面積をバイパス路25よりも大きくした構成の場合、バイパス路25を介して連通路37に流入するオイルの圧力低下はほとんど生じない。そのため、連通路37に接続する環状凹部36の圧力が高い状態が維持される。従って、仮に連通路37の流路断面積をバイパス路25よりも大きくした構成では、本実施形態が適用される油圧緩衝装置1と比較して減衰力可変バルブ41が閉じ難くなる。
これに対して、本実施形態が適用される油圧緩衝装置1では、高周波域においてピストンロッド20が高速に大きく移動するときなどにおいて、スプール44が移動し易く、減衰力可変バルブ41をより速く閉じ易くなっている。これによって、本実施形態の油圧緩衝装置1では、例えば急旋回や悪路などピストンロッド20が急激に伸張するシチュエーションにおける減衰力の応答性を向上させることができる。
図9は、変形例の第3バルブストッパを説明するための図である。
図9(a)には、変形例の第3バルブストッパ953を備えた油圧緩衝装置1を示し、図9(b)には、変形例の第3バルブストッパ953を減衰力可変バルブ41が配置される側(一方側)からみた底面図である。
図9(a)および図9(b)に示すように、変形例の第3バルブストッパ953は、概形が円柱形状をしている。そして、第3バルブストッパ953は、軸方向に伸びてピストンロッド20の一方側取付部22aが貫通可能な内径を有する取付孔953Rを有する。さらに、第3バルブストッパ953は、減衰力可変バルブ41に対向して設けられる環状凹部96と、環状凹部96とバイパス路25との間のオイルの流路を形成する連通路97とを有している。
環状凹部96は、図9(a)に示すように、第3バルブストッパ953における減衰力可変バルブ41に対向する側の端部に設けられる環形状に形成された凹部である。環状凹部96は、図9に示すように二重の凹部によって構成される。また、環状凹部96を構成する二重の環形状の凹部は、互いにオイルが行き来できるように接続している。そして、環状凹部96は、連通路97から流入するオイルの圧力により、減衰力可変バルブ41を押圧する。
連通路97は、第3バルブストッパ953に形成された切欠きである。連通路97は、図9(b)に示すように、取付孔953Rから径方向に環状凹部96まで伸びて形成される。そして、連通路97は、バイパス路25と環状凹部96との間のオイルの流れの流路を形成する。また、連通路97におけるオイルの流路断面積は、スリットバルブ42のスリット42Sよりも大きくバイパス路25よりも小さくしている。
上記のように構成される第3バルブストッパ953を備える油圧緩衝装置1において、連通路97によるバイパス路25を流れるオイルの流れの絞りによって、ピストンロッド20が高速に移動する際に減衰力可変バルブ41をより速く閉じ易くし、減衰力の応答性を高めることができる。
また、上記のように切欠き形状の連通路97を採用する場合、型抜き加工や、片側からの切削加工等によって例えば環状凹部96と同時に形成できるなど、製造工程の簡易化を図ることが可能となる。
1…油圧緩衝装置、10…シリンダ部、20…ピストンロッド、25…バイパス路、30…ピストンバルブ、36…環状凹部、37…連通路、40…減衰力調整部、41…減衰力可変バルブ、42…スリットバルブ、44…スプール、47…圧力室、60…ボトムバルブ

Claims (5)

  1. 液体を収容するシリンダと、
    前記シリンダ内の空間を、液体を収容する第1液室と第2液室とに区画する区画部材と、
    前記第2液室から前記第1液室への液体の流路を形成する流路部と、
    前記流路部を介した前記第2液室からの前記第1液室への液体の流れを開閉する開閉部と、
    前記開閉部の一方側に対峙し、液体の流入を受ける空間を形成する第1空間形成部と、
    前記開閉部の他方側に対峙し、液体の流入を受ける空間を形成する第2空間形成部と、
    前記流路部に接続し当該流路部から前記第1空間形成部への液体の流入経路を形成するとともに、当該流路部よりも流路断面積が小さい第1流入部と、
    前記流路部に接続し当該流路部から前記第2空間形成部への液体の流入経路を形成するとともに、前記第1流入部よりも流路断面積が大きく当該流路部よりも流路断面積が小さい第2流入部と、
    を備えることを特徴とする圧力緩衝装置。
  2. 前記区画部材は、前記第1液室と前記第2液室との液体の流れを連通する連通路を有し、
    棒状の部材であって前記区画部材の軸方向の一方の端部側を保持して当該軸方向に移動するとともに、前記流路部が形成されるロッド部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の圧力緩衝装置。
  3. 前記第2流入部は、前記開閉部に対向して設けられる対向部材に設けられ前記流路部と前記第2空間形成部とを接続する切欠きによって構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の圧力緩衝装置。
  4. 前記第2流入部は、前記開閉部に対向して設けられる対向部材に設けられ前記流路部と前記第2空間形成部とを接続するよう形成された孔によって構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の圧力緩衝装置。
  5. 振動および衝撃を緩和するスプリングと、スプリングによる振動を減衰させる圧力緩衝装置と、を備える懸架装置であって、
    前記圧力緩衝装置は、
    液体を収容するシリンダと、
    前記シリンダ内の空間を、液体を収容する第1液室と第2液室とに区画する区画部材と、
    前記第2液室から前記第1液室への液体の流路を形成する流路部と、
    前記流路部を介した前記第2液室からの前記第1液室への液体の流れを開閉する開閉部と、
    前記開閉部の一方側に対峙し、液体の流入を受ける空間を形成する第1空間形成部と、
    前記開閉部の他方側に対峙し、液体の流入を受ける空間を形成する第2空間形成部と、
    前記流路部に接続し当該流路部から前記第1空間形成部への液体の流入経路を形成するとともに、当該流路部よりも流路断面積が小さい第1流入部と、
    前記流路部に接続し当該流路部から前記第2空間形成部への液体の流入経路を形成するとともに、前記第1流入部よりも流路断面積が大きく当該流路部よりも流路断面積が小さい第2流入部と、を備えることを特徴とする懸架装置。
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