JP4572773B2 - 車両のサスペンション装置 - Google Patents

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本発明は、車輪側のばね下部材に対する車体側のばね上部材の上下動に対してばね作用及び減衰力を付与する車両のサスペンション装置に関するものである。
従来の車両のサスペンション装置では、車輪に対する車体の上下動に対して減衰力を付与するためのダンパ装置と、ケース内に封入した空気室内の気体によりばね作用を付与するためのエアばね装置とを有している。即ち、この車両のサスペンション装置では、ショックアブソーバ(ダンパ装置)におけるシリンダの下端部が車輪側に連結される一方、ピストンロッドの上端部が車体側に連結され、ショックアブソーバの上部を囲繞するように可撓性を有するケースが車体側に固定され、このケース内に気体が封入されてエアばね装置が構成されている。
従って、ケース内に対して気体を給排することで、全体を伸縮して車高を調整することができると共に、路面から車輪に入力される振動を減衰することで、車両の乗り心地を向上させることができる。
このような従来の車両のサスペンション装置としては、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載された車両のサスペンション装置は、上述したように、車輪から路面の振動が入力されると、この振動がショックアブソーバのシリンダに伝達され、車体側に連結されたピストンロッドに対してシリンダが上昇することで、ダンパ機構及びエアばね機構により振動を減衰することができる。そして、車輪から入力される振動が比較的大きいときには、この大きな振動をショックアブソーバやエアばね装置だけでは十分に減衰することができないため、車体側(ピストンロッドの上端部)にシリンダの過大なストロークを制限するためのバウンドクッションが設けられている。従って、路面から車輪に大きな振動が入力されると、この振動がショックアブソーバエアばね装置により減衰されると共に、シリンダの上端部がバウンドクッションに当接することで、残りの振動が減衰される。
特開平11−037200号公報
上述した従来の車両のサスペンション装置にあっては、車輪から大きな振動が入力されたとき、この振動はショックアブソーバ及びエアばね装置により減衰された後、シリンダの上端部がバウンドクッションに当接することで残りの振動が減衰される。このバウンドクッションは、その形状変形と弾性変形により振動を減衰するものであり、シリンダの上端部がバウンドクッションに当接すると、まず、バウンドクッションが押しつぶされることでその形状変形及び弾性変形により振動を減衰し、形状変形が限界に達すると、次に、弾性変形のみで振動を減衰する。
このバウンドクッションにより振動を減衰するとき、バウンドクッションの形状変形及び弾性変形による振動の減衰量と、弾性変形のみの振動減衰量が大きく相違するため、シリンダの上端部がバウンドクッションに当接した後に、乗員に対してショックが作用して不快感を与えてしまう。そこで、バウンドクッションによる減衰力を向上させるために、材料や形状を工夫することが考えられるが、それによってバウンドクッションが複雑なものとなり、製造コストが増加してしまうという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためのものであって、構造の複雑化及び製造コストの増加を抑制しながら車両の乗心地の向上を図った車両のサスペンション装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の車両のサスペンション装置は、下端部がばね下部材に連結されて作動液が封入されたシリンダと、該シリンダの上部から進退可能に突出して上端部がばね上部材に連結されたピストンロッドと、前記ばね上部材のばね下部材に対する上下動により減衰力を発生するダンパ装置と、前記シリンダ及び前記ピストンロッドの外側に設けられて下端部が該シリンダの外周面に支持されると共に上端部が前記ばね上部材に支持された可撓性を有するケースと、該ケース内に前記シリンダの上端部に対向して設けられて形状変形及び弾性変形により荷重を減衰可能なバウンドクッションと、前記ケース内に封入した気体によりばね上部材のばね下部材に対する上下動に対してばね作用を付与するエアばね装置とを具えた車両のサスペンション装置において、前記ケース内が仕切板により第1室と第2室に区画され、前記バウンドクッションに形成された連通路により前記第1室と前記第2室が連通可能に設けられると共に、前記シリンダの上端部が前記バウンドクッションに当接したときに前記シリンダの上端部が前記連通路を閉塞して前記ケース内を前記第1室と前記第2室に分離することを特徴とするものである。
本発明の車両のサスペンション装置では、前記シリンダの上端部及び前記バウンドクッションは前記第1室に設けられ、前記シリンダの上端部が前記バウンドクッションに当接して前記連通路を閉塞すると、前記第1室に対して前記第2室が分離されることを特徴としている。
本発明の車両のサスペンション装置では、前記バウンドクッションは前記仕切板に固定され、前記連通路は、前記バウンドクッション及び前記仕切板を貫通して形成されたことを特徴としている。
本発明の車両のサスペンション装置では、前記連通路は、前記バウンドクッションの中心部に軸方向に沿って形成されて前記ピストンロッドが所定隙間をもって貫通する貫通孔と、前記バウンドクッションの上面部に径方向に沿って形成された複数の連通溝とを有することを特徴としている。
本発明の車両のサスペンション装置では、前記連通路に流通する気体を分散させるフィルタが設けられたことを特徴としている。
本発明の車両のサスペンション装置によれば、作動液が封入されたシリンダの下端部をばね下部材に連結する一方、シリンダの上部から進退可能に突出したピストンロッドの上端部をばね上部材に連結し、ばね上部材のばね下部材に対する上下動により減衰力を発生するダンパ装置を設け、また、シリンダ及びピストンロッドの外側に可撓性を有するケースを設け、このケース内に封入した気体によりばね上部材のばね下部材に対する上下動に対してばね作用を付与するエアばね装置を設けると共に、ケース内にシリンダの上端部に対向して形状変形及び弾性変形により荷重を減衰可能なバウンドクッションを設け、ケース内を仕切板により第1室と第2室に区画し、バウンドクッションに形成された連通路により第1室と第2室を連通可能とすると共に、シリンダの上端部がバウンドクッションに当接したときにこのシリンダの上端部が連通路を閉塞してケース内を第1室と第2室に分離するので、路面から車輪に大きな振動が入力されると、この振動がダンパ装置及びエアばね装置により減衰された後、シリンダの上端部がバウンドクッションに当接し、連通路が閉塞されて第1室から第2室が分離されるため、エアばね装置のばね定数が増加して振動減衰量が増加することとなり、バウンドクッションがその形状変形及び弾性変形による振動減衰状態から弾性変形による振動減衰状態に移行するときのショックを緩和することができ、構造の複雑化及び製造コストの増加を抑制しながら、車両の乗心地を向上することができる。
以下に、本発明に係る車両のサスペンション装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る車両のサスペンション装置を表す要部概略図、図2は、図1のII−II断面図、図3は、実施例1の車両のサスペンション装置の作用説明図、図4は、実施例1の車両のサスペンション装置の収縮時における入力荷重に対するストローク変化を表すグラフ、図5は、実施例1の車両のサスペンション装置の概略構成図である。
実施例1の車両のサスペンション装置は、ばね上部材としての車体とばね下部材としての車輪(ロアアーム)との間に、ダンパ装置と、エアばね装置を配設している。
この実施例1の車両のサスペンション装置において、図5に示すように、ダンパ装置は、シリンダ11とこのシリンダ11内に軸方向に移動自在に支持されたピストンロッド12とを有している。シリンダ11は円筒形状をなし、下端部がロアアームLAにブッシュ13を介して連結されている。ピストンロッド12は、シリンダ11から上方へ進退自在に延出されており、その上端部がゴム等の弾性材料で構成した環状のクッション部材14を介し、固定ねじ15により車体BDに固定されたハウジング16に組付けられている。このクッション部材14は、ピストンロッド12の車体BDに対する傾きの若干の変化を許容している。
シリンダ11内には、ピストンロッド13の下部外周面にメインピストン17とサブピストン18が所定間隔をあけて固定されている。このメインピストン17及びサブピストン18は、シリンダ11の内周面に対して液密的に接触した状態で軸方向に摺動可能に支持されることで、シリンダ11の内部を上室R1と下室R2とに区画している。各室R1,R2には作動液(作動油)が満たされると共に、メインピストン17及びサブピストン18には上下室R1,R2を連通させる図示しないオリフィスが形成されている。従って、シリンダ11に対してピストンロッド12が上下動するとき、シリンダ11内をメインピストン17及びサブピストン18が移動するのに伴って、各室R1,R2の作動液がオリィフィスを通して移動することで、減衰力を発生することができる。
エアばね装置は、円筒形状をなす上部ケース19及び下部ケース20と、この上下のケース19,20を気密的に連結する可撓性を有する連結ケース21とを有しており、各ケース19,20,21によりシリンダ11及びピストンロッド12の外側に空気室R3を形成している。この空気室R3には、チェック弁22を介して電気的に制御される切換弁23を介して図示しない吸気及び排気装置が接続されており、この切換弁23を切換制御することで、空気室R3内の空気量を調整することができる。
即ち、上部ケース19は円筒形状をなし、上端部がハウジング16の下端部と接合されている。下部ケース20は上部ケース19より小径の円筒形状をなし、下端部に円筒形状の支持リング24が接合されており、この支持リング24はシリンダ11の外周面に気密的に接合されている。連結ケース21は、弾性に富むゴムを主体としたダイヤフラムにより円筒形状に形成されており、一端部が上部ケース19の下端部に気密的に接合される一方、他端部は下部ケース20の上端部に気密的に接合されている。
上述した上部ケース19と下部ケース20と連結ケース21とにより構成された空気室R3は、仕切板25により第1室R31と第2室R32とに区画されている。即ち、図1及び図2、図5に示すように、この仕切板25はリング形状をなし、中央部に平坦な支持部25aが形成されると共に、その中心部にピストンロッド12が貫通する貫通孔25bが形成され、外周部が上部ケース19の内周面に接合されている。従って、空気室R3は仕切板25により下方の第1室R31と上方の第2室R32とに区画される。
そして、ハウジング16とこの仕切板25との間には箱型形状をなすアッパサポート26が固定され、内部に弾性部材27が装着される一方、アッパサポート26を貫通するピストンロッド12にはブッシュ28が固結され、弾性部材27内に嵌合している。従って、ピストンロッド12の微小な上下動をこの弾性部材27により減衰して吸収することができる。
また、仕切板25における支持部25aの下面にはバウンドクッション29が固定される一方、このバウンドクッション29に対向するシリンダ11の上端部にはストッパ30が固定されている。バウンドクッション29は、ピストンロッド12に対してシリンダ11が所定のストロークを超えて移動したときに、ストッパ30が当接することで車体BD側のバウンドを弾性的に規制するものである。そのため、このバウンドクッション29は、ゴムやウレタン等の弾性部材からなると共に、外周部に複数のリング形状をなす凹み29aが形成されることで、弾性変形及び形状変形により荷重を減衰可能となっている。
また、このバウンドクッション29は、その中心部に軸方向に沿って連通孔31が形成されており、この連通孔31にはピストンロッド12が所定隙間をもって貫通している。そして、バウンドクッション29の上面部には、その中心部に連通孔31に連続する凹部32が形成されると共に、この凹部32から放射状をなすように、その径方向に沿って複数(本実施例では、4つ)の連通溝33が形成されている。更に、仕切板25における支持部25aの外周部には、バウンドクッション29の各連通溝33に対応して連通孔25cがそれぞれ形成されている。この場合、バウンドクッション29に形成された連通孔31、凹部32、連通溝33により本発明の連通路が構成されることとなる。
従って、図1に示すように、仕切板25により区画された第1室R31と第2室R32は、バウンドクッション29の連通孔31、凹部32、各連通溝33及び仕切板25の各連通孔25cにより連通可能となっている。そして、図3に示すように、シリンダ11が上方に移動してストッパ30がバウンドクッション29の下端部に当接すると、このストッパ30が連通孔31の下端部を閉塞することができ、第1室R31に対して第2室R32が分離され、空気室R3の容積を小さくすることができる。
このように構成された本実施例の車両のサスペンション装置において、図5に示すように、路面の凹凸により車輪に振動が入ってロアアームLAが車体BDに対して上下動すると、シリンダ11が下部ケース20を介して連結ケース21を撓ませながらピストンロッド12に沿って上下動する。このとき、空気室R3内の容積が変わって空気圧が増減することで、エアばね装置がロアアームLAの上下動に対してばね作用を付与する。また、このとき、各ピストン17,18のオリフィスによりダンパ装置がロアアームLAの上下動に対して減衰力を付与する。
具体的に説明すると、図1に示すように、路面から車輪を通してロアアームLAに車体BDに対して上方への振動が入力されると、シリンダ11が連結ケース21を撓ませながらピストンロッド12に沿って上昇する。このとき、第1室R31と第2室R32とが連通状態にある空気室R3内の容積が減少することで空気圧が増加し、エアばね装置がロアアームLAの上昇(振動)に対してばね作用を付与すると共に、各ピストン17,18のオリフィスによりダンパ装置がロアアームLAの上昇(振動)に対して減衰力を付与する。
そして、図3に示すように、シリンダ11がピストンロッド12に沿って上昇し、所定のストロークを超えると、ストッパ30がバウンドクッション29に当接することで、それ以上の上昇が弾性的に規制される。このとき、図3に示すように、シリンダ11のストッパ30がバウンドクッション29の下端部に当接すると、このストッパ30が連通孔31を閉塞することで、第1室R31に対して第2室R32を分離し、空気室R3を第1室R31だけとしてその容積が小さくなる。そのため、エアばね装置のばね作用を発揮する気体の体積が小さくなり、空気室R3内の空気圧がピストンロッド12の上昇に対して増加しやすくなることで、このばね作用のばね定数は大きくなる。
即ち、シリンダ11のストッパ30がバウンドクッション29の下端部に当接した後、バウンドクッション29は、まず、自身が押しつぶされることで、その形状変形及び弾性変形により振動を減衰し、形状変形が限界に達すると、次に、弾性変形のみで振動を減衰する。この場合、バウンドクッション29の形状変形及び弾性変形による振動の減衰量と、弾性変形のみによる振動減衰量が大きく相違するため、この切り換わり時にショックが大きく乗員に対して不快感を与えてしまう。
ところが、本実施例では、シリンダ11のストッパ30がバウンドクッション29に当接したとき、連通孔31を閉塞して第1室R31から第2室R32を分離し、空気室R3の容積を小さくすることでエアばね装置のばね定数を大きくする。そのため、シリンダ11のストッパ30がバウンドクッション29に当接した後には、バウンドクッション29の形状変形及び弾性変形による振動の減衰に加えて、エアばね装置のばね作用が大きく付与されて振動を減衰することとなる。従って、バウンドクッション29の形状変形及び弾性変形による振動の減衰状態から、弾性変形のみによる振動の減衰状態に移行するときのショックを緩和することができ、乗員に対して不快感を与えることなく車両の乗り心地を良好とすることができる。
ここで、本実施例の車両のサスペンション装置によるストロークに対する荷重(減衰力)の変化を説明する。図4に示すように、ロアアームLAへの入力荷重が増加すると、シリンダ11がピストンロッド12に沿って上昇することでストロークが増加する。入力荷重F1のときに、ストッパ30がバウンドクッション29に当接すると、従来のサスペンション装置では、点線で示すように、ここから入力荷重に対してバウンドクッション29自身の形状変形及び弾性変形により振動を減衰するため、入力荷重に対するストロークが若干減少(S1〜S3)する。そして、入力荷重F2のときに、バウンドクッション29の形状変形が限界に達すると、ここから入力荷重に対してバウンドクッション29は弾性変形のみで振動を減衰するため、入力荷重に対するストロークが大きく減少(S3〜S4)する。
一方、本実施例のサスペンション装置では、実線で示すように、入力荷重F1のときに、ストッパ30がバウンドクッション29に当接すると、このストッパ30が連通孔31を閉塞して空気室R3は第1室R31だけとなってその容積が小さくなり、エアばね装置のばね定数が大きくなる。そのため、ここから入力荷重に対してバウンドクッション29自身の形状変形及び弾性変形とエアばね装置の増加したばね作用により振動を減衰するため、入力荷重に対するストロークが従来より減少(S1〜S2)する。そして、入力荷重F2のときに、バウンドクッション29の形状変形が限界に達すると、ここから入力荷重に対してバウンドクッション29は弾性変形のみで振動を減衰するため、入力荷重に対するストロークが減少(S2〜S4)する。
この場合、入力荷重がF1〜F2の領域からF2〜F3の領域に変化するとき、従来のサスペンション装置では、シリンダ11のストロークがS1〜S3〜S4と変化するため、ここで大きなショックが作用する。一方、入力荷重がF1〜F2の領域からF2〜F3の領域に変化するとき、本実施例のサスペンション装置では、シリンダ11のストロークがS1〜S2〜S4と変化するため、ここで大きなショックが作用することはない。
このように実施例1の車両のサスペンション装置にあっては、作動液が封入されたシリンダ11の下端部をロアアームLAに連結する一方、シリンダ11の上部から進退可能に突出したピストンロッド12の上端部を車体BDに連結して減衰力を発生するダンパ装置を構成し、また、シリンダ11及びピストンロッド12の外側にハウジング16と各ケース19,20と連結ケース21により空気室R3を形成することでばね作用を付与するエアばね装置を構成し、空気室R3を仕切板25により第1室R31と第2室R32に区画し、この仕切板25の下部にシリンダ11のストッパ30に対向して形状変形及び弾性変形により荷重を減衰可能なバウンドクッション29を設け、このバウンドクッション29の連通孔31により第1室R31と第2室R32を連通可能とすると共に、ストッパ31がバウンドクッション29に当接したときに連通孔31を閉塞可能としている。
従って、路面から車輪を通してロアアームLAに大きな荷重が入力すると、この荷重がダンパ装置及びエアばね装置により減衰された後、シリンダ11のストッパ30がバウンドクッション29に当接し、連通孔31が閉塞されて第1室R31から第2室R32が分離されるため、エアばね装置のばね定数が増加して振動減衰量が増加することとなり、バウンドクッション29がその形状変形及び弾性変形による振動減衰状態から弾性変形による振動減衰状態に移行するときのショックを緩和することができ、構造の複雑化及び製造コストの増加を抑制しながら、車両の乗心地を向上することができる。
また、バウンドクッション29を仕切板25の下部に固定し、バウンドクッション29に形成した連通孔31、凹部32、連通溝33と仕切板25の連通孔25cにより第1室R31と第2室R32を連通可能とし、シリンダ11のストッパ30により連通孔31を閉塞することで、第1室R31と第2室R32を分離するようにしている。従って、簡単な構成で第1室R31と第2室R32の連通状態と分離状態を切換えることができ、構造の簡素化を図ることができる。
図6は、本発明の実施例2に係る車両のサスペンション装置を表す要部概略図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2の車両のサスペンション装置は、実施例1と同様に、ばね上部材としての車体とばね下部材としてのロアアームとの間にダンパ装置とエアばね装置を配設している。即ち、図6に示すように、ダンパ装置は、シリンダ11と、シリンダ11内に軸方向に移動自在に支持されたピストンロッド12とを有しており、シリンダ11は下端部がロアアームに連結される一方、ピストンロッド12は上端部が車体に連結されている。
エアばね装置は、上部ケース19と下部ケース20と可撓性を有する連結ケース21によりシリンダ11及びピストンロッド12の外側に空気室R3を形成して構成されている。空気室R3は、仕切板25により第1室R31と第2室R32とに区画されており、この仕切板25の下面にはバウンドクッション29が固定される一方、シリンダ11の上端部にはストッパ30が固定されている。このバウンドクッション29は、ゴムやウレタン等の弾性部材からなると共に、外周部に複数のリング形状をなす凹み29aが形成されることで、弾性変形及び形状変形により荷重を減衰可能となっている。
また、このバウンドクッション29は、その中心部に連通孔31が形成され、上面部には連通孔31に連続する凹部32が形成されると共に、この凹部32から放射状をなすように複数の連通溝33が形成されている。更に、仕切板25における支持部25aの外周部に、バウンドクッション29の各連通溝33に対応して連通孔25cがそれぞれ形成されている。従って、仕切板25により区画された第1室R31と第2室R32は、バウンドクッション29の連通孔31、凹部32、各連通溝33及び仕切板25の各連通孔25cにより連通可能であり、ストッパ30がバウンドクッション29の下端部に当接することで連通孔31を閉塞し、第1室R31に対して第2室R32を分離し、第1室R31と第2室R32の間の空気(気体)の移動をなくすことで、空気室R3の容積を小さくすることができる。
また、バウンドクッション29の連通孔31には、その下端部に位置してリング状をなす凹部41が形成されている。そして、この連通孔31には、その下方からフィルタ42が挿入され、リング状をなす凸部43が連通孔31の凹部41に嵌着することで位置決めされており、中心部にピストンロッド12が貫通する貫通孔44が形成されている。このフィルタ42は、ピストンロッド12と連通孔31との間に流通する空気(気体)を分散させるためのものであり、図示しないが、軸方向に沿って多数の空気孔が形成されている。
このように構成された本実施例の車両のサスペンション装置において、ロアアームLAが車体に対して上下動すると、シリンダ11が下部ケース20を介して連結ケース21を撓ませながらピストンロッド12に沿って上下動する。このとき、空気室R3内の容積が変わって空気圧が増減することで、エアばね装置がロアアームLAの上下動に対してばね作用を付与する。また、このとき、各ピストン17,18のオリフィスによりダンパ装置がロアアームLAの上下動に対して減衰力を付与する。
そして、シリンダ11がピストンロッド12に沿って上昇し、ストッパ30がバウンドクッション29に当接すると、このストッパ30が連通孔31を閉塞することで、第1室R31に対して第2室R32を分離し、空気室R3を第1室R31だけとしてその容積が小さくなり、エアばね装置のばね作用のばね定数は大きくなる。そのため、シリンダ11のストッパ30がバウンドクッション29に当接した後には、バウンドクッション29の形状変形及び弾性変形による振動の減衰に加えて、エアばね装置のばね作用が大きく付与されて振動を減衰することとなる。従って、バウンドクッション29の形状変形及び弾性変形による振動の減衰状態から、弾性変形のみによる振動の減衰状態に移行するときのショックを緩和することができ、乗員に対して不快感を与えることなく車両の乗り心地を良好とすることができる。
また、仕切板25により区画された第1室R31と第2室R32が、バウンドクッション29の連通孔31、凹部32、各連通溝33及び仕切板25の各連通孔25cにより連通状態にあるとき、各室R31,32の空気が連通孔31を通して流通する。この場合、連通孔31を流動する空気の流速が速いため、流動音が発生することが心配される。ところが、連通孔31にフィルタ42が装着されているため、連通孔31を流動する空気がフィルタ42により分散されることで噴流の発生を防止し、流動音の発生を抑制することができる。
このように実施例2の車両のサスペンション装置にあっては、エアばね装置を構成する空気室R3を仕切板25により第1室R31と第2室R32に区画し、この仕切板25の下部にシリンダ11のストッパ30に対向して形状変形及び弾性変形により荷重を減衰可能なバウンドクッション29を設け、このバウンドクッション29の連通孔31により第1室R31と第2室R32を連通可能とすると共に、ストッパ30がバウンドクッション29に当接したときに連通孔31を閉塞可能とし、また、バウンドクッション29の連通孔31にフィルタ42を装着している。
従って、路面から車輪を通してロアアームに大きな荷重が入力すると、この荷重がダンパ装置及びエアばね装置により減衰された後、シリンダ11のストッパ30がバウンドクッション29に当接し、連通孔31が閉塞されて第1室R31から第2室R32が分離されるため、エアばね装置のばね定数が増加して振動減衰量が増加することとなり、ショックを緩和することができ、構造の複雑化及び製造コストの増加を抑制しながら、車両の乗心地を向上することができる。
また、仕切板25により区画された第1室R31と第2室R32がバウンドクッション29の連通孔31、凹部32、各連通溝33及び仕切板25の各連通孔25cにより連通状態にあるとき、各室R31,32の空気が連通孔31を通して流通するが、連通孔31を流動する空気がフィルタ42により分散されることで噴流の発生を防止し、流動音の発生を抑制することができる。
なお、上述した実施例2では、連通路を流通する空気を分散させるためのフィルタを軸方向に沿って多数の空気孔が形成されたものとしたが、この構造に限定されるものではない。例えば、円盤形状をなすメッシュや複数の整流板を設けたものであってもよい。また、フィルタの装着位置も連通路の上部、中間部、下部のいずれであってもよい。
また、上述した各実施例では、バウンドクッション29に連通孔31と凹部32と連通溝33を形成し、仕切板25に連通孔25cを形成することで、第1室R31と第2室R32をバウンドクッション29の連通孔31、凹部32、各連通溝33及び仕切板25の各連通孔25cにより連通可能としたが、この構造に限定されるものではない。例えば、仕切板の中央部に貫通孔を形成し、この貫通孔にバウンドクッション29を気密的に嵌着し、このバウンドクッション29に連通孔を設けることで、第1室R31と第2室R32を一つの連通孔により連通可能としてもよい。
以上のように、本発明に係る車両のサスペンション装置は、エアばね装置を構成する空気室を第1室と第2室に区画し、バウンドクッションの連通路により連通可能とすると共に、シリンダの当接により連通路を閉塞可能としてばね定数を可変可能としたものであり、いずれの種類のサスペンション装置に用いても好適である。
本発明の実施例1に係る車両のサスペンション装置を表す要部概略図である。 図1のII−II断面図である。 実施例1の車両のサスペンション装置の作用説明図である。 実施例1の車両のサスペンション装置の収縮時における入力荷重に対するストローク変化を表すグラフである。 実施例1の車両のサスペンション装置の概略構成図である。 本発明の実施例2に係る車両のサスペンション装置を表す要部概略図である。
符号の説明
11 シリンダ
12 ピストンロッド
16 ハウジング
17 メインピストン
18 サブピストン
19 上部ケース
20 下部ケース
21 連結ケース
25 仕切板
25c 連通孔
29 バウンドクッション
30 ストッパ
31 連通孔(連通路)
32 凹部(連通路)
33 連通溝(連通路)
42 フィルタ
BD 車体(ばね上部材)
LA ロアアーム(ばね下部材)
R3 空気室
R31 第1室
R32 第2室

Claims (5)

  1. 下端部がばね下部材に連結されて作動液が封入されたシリンダと、該シリンダの上部から進退可能に突出して上端部がばね上部材に連結されたピストンロッドと、前記ばね上部材のばね下部材に対する上下動により減衰力を発生するダンパ装置と、前記シリンダ及び前記ピストンロッドの外側に設けられて下端部が該シリンダの外周面に支持されると共に上端部が前記ばね上部材に支持された可撓性を有するケースと、該ケース内に前記シリンダの上端部に対向して設けられて形状変形及び弾性変形により荷重を減衰可能なバウンドクッションと、前記ケース内に封入した気体によりばね上部材のばね下部材に対する上下動に対してばね作用を付与するエアばね装置とを具えた車両のサスペンション装置において、前記ケース内が仕切板により第1室と第2室に区画され、前記バウンドクッションに形成された連通路により前記第1室と前記第2室が連通可能に設けられると共に、前記シリンダの上端部が前記バウンドクッションに当接したときに前記シリンダの上端部が前記連通路を閉塞して前記ケース内を前記第1室と前記第2室に分離することを特徴とする車両のサスペンション装置。
  2. 請求項1に記載の車両のサスペンション装置において、前記シリンダの上端部及び前記バウンドクッションは前記第1室に設けられ、前記シリンダの上端部が前記バウンドクッションに当接して前記連通路を閉塞すると、前記第1室に対して前記第2室が分離されることを特徴とする車両のサスペンション装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両のサスペンション装置において、前記バウンドクッションは前記仕切板に固定され、前記連通路は、前記バウンドクッション及び前記仕切板を貫通して形成されたことを特徴とする車両のサスペンション装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の車両のサスペンション装置において、前記連通路は、前記バウンドクッションの中心部に軸方向に沿って形成されて前記ピストンロッドが所定隙間をもって貫通する貫通孔と、前記バウンドクッションの上面部に径方向に沿って形成された複数の連通溝とを有することを特徴とする車両のサスペンション装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一つに記載の車両のサスペンション装置において、前記連通路に流通する気体を分散させるフィルタが設けられたことを特徴とする車両のサスペンション装置。
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