JP2008042485A - 半導体集積回路、電子制御装置、および電子被制御機器の制御方法 - Google Patents

半導体集積回路、電子制御装置、および電子被制御機器の制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008042485A
JP2008042485A JP2006213563A JP2006213563A JP2008042485A JP 2008042485 A JP2008042485 A JP 2008042485A JP 2006213563 A JP2006213563 A JP 2006213563A JP 2006213563 A JP2006213563 A JP 2006213563A JP 2008042485 A JP2008042485 A JP 2008042485A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
output
semiconductor integrated
integrated circuit
detection signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006213563A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4812554B2 (ja
Inventor
Kazuto Suga
和人 菅
Taiji Tani
泰司 谷
Yoshikazu Niimi
慶和 新美
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Ten Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Denso Ten Ltd
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Ten Ltd, Toyota Motor Corp filed Critical Denso Ten Ltd
Priority to JP2006213563A priority Critical patent/JP4812554B2/ja
Publication of JP2008042485A publication Critical patent/JP2008042485A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4812554B2 publication Critical patent/JP4812554B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Communication Control (AREA)

Abstract

【課題】マイクロコンピュータから送信される通信信号により所定の電圧信号を出力し、出力ドライバ回路を駆動して電子被制御機器を制御するための半導体集積回路、電子制御装置および制御方法に関し、車両等の衝突が発生したときにフェイルセーフ処理を実行し、通信信号を処理するASICの占有面積と製造コストを節減することを目的とする。
【解決手段】マイクロコンピュータ9から送信される通信信号に予め含まれている専用ビットを読み取る専用ビット読取手段1と、専用ビット読取手段にて読み取られた専用ビットの状態に基づき、通信信号をそのまま通過させて出力ドライバ回路7に供給するスルー出力モードに設定するか、または、通信信号に対して所定のプロトコルによるプロトコル変換を行ってから通信信号を出力ドライバ回路に供給するプロトコル出力モードに設定するかを切り替える出力切替手段2とを備えるように構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両等の移動体内のマイクロコンピュータから送信される任意の通信信号に基づいて所定の電圧信号を出力し、当該電圧信号により出力ドライバ回路を駆動することによって各種の電子被制御機器(例えば、エアバッグや電子制御式エンジン等)を制御するように構成される半導体集積回路、当該半導体集積回路を有する電子制御装置、および当該電子被制御機器の制御方法に関する。
一般に、車両等の移動体内には、マイクロコンピュータおよび統合ASIC(Application Specific Integrated Circuit :特殊用途向けの半導体集積回路)(単に、ASICと呼ぶこともある)を有する電子制御装置が設けられている。このような電子制御装置は、通常、ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)と呼ばれている。このECUにおいては、車両等の衝突やECUの一部に何らかの故障が発生したことが検知された場合に、このような車両等の衝突やECUの一部の故障の影響をできる限り緩和させるために、マイクロコンピュータおよび統合ASICにより移動体内の電子被制御機器(例えば、エアバッグや電子制御式エンジン等)を正しく制御してフェイルセーフ処理を実行することが要求される。ここで、「フェイルセーフ処理」とは、車両等の衝突やECUの一部に何らかの故障が発生した場合に、移動体内の電子被制御機器を安全側に作用させることによって衝突や故障等による被害を最小限に抑える処理を行うことを指している。
このため、従来は、マイクロコンピュータから入力されるシリアル通信形式の通信信号を適宜処理して出力ドライバ回路を駆動するための2チャネルの拡張出力回路を統合ASICに内蔵していた。
より詳しく説明すると、従来の統合ASICに内蔵されている2チャネルの拡張出力回路において、ECUの制御下で車両等が正常に走行しているときには、マイクロコンピュータから一方のチャネルに入力される通常のシリアル通信形式の通信信号をそのまま出力して出力ドライバ回路に供給するようになっている。また一方で、車両等の衝突やECUの一部に何らかの故障が発生したことがマイクロコンピュータにより検知されたときには、一方のチャネルにて通常のシリアル通信形式の通信信号をそのまま出力する代わりに、他方のチャネルにて上記通信信号に対し所定のプロトコル変換を行って得られる信号を出力して出力ドライバ回路に供給するようになっている。これによって、車両等の衝突やECUの一部の故障が検知されたときには、MOSトランジスタ素子を有する出力ドライバ回路が駆動されて適切なレベルの電圧信号が移動体内の電子被制御機器に供給されるので、これらの電子被制御機器を制御してフェイルセーフ処理を行うことができるようになる。
しかしながら、従来の2チャネルの拡張出力回路は、それぞれ独立に動作するように構成されており、両方のチャネルから一度に信号を出力することができないようになっている。それゆえに、マイクロコンピュータにより車両等の衝突やECUの一部の故障が検知されたときには、その度にマイクロコンピュータから所定の制御信号を入力することによって他方のチャネルの拡張出力回路を選択しなければならない。このため、車両等の衝突やECUの一部の故障が発生した場合に、マイクロコンピュータの負荷が増大することになるので、移動体内の電子被制御機器を迅速かつ的確に制御してフェイルセーフ処理を誤りなく実行することが難しくなるという問題が発生する。
また一方で、運転者や他の乗員等のユーザによっては、2チャネルの拡張出力回路から出力される2種の信号を一度に監視したい場合が生じてくる。この場合でも、ある期間内では、いずれか一方のチャネルから出力される信号しか監視することができない。
さらに、従来の2チャネルの拡張出力回路では、ASIC内の回路の規模が大きくなって、ASICの占有面積が増大すると共にその製造コストが増加するという問題も発生する。
ここで、参考のため、従来の拡張出力回路に関連した技術内容が記載された5件の先行技術文献(特許文献1〜特許文献5)を呈示する。
特許文献1(特開2000−101651号公報)においては、種々のプロトコルのデータの変換が可能であり、あるプロトコルの入力信号を他のプロトコルの出力信号へ変換するためのプロトコル変換を行うようなASICの構成が開示されている。
特許文献2(実用新案登録第3071607号公報)においては、ホストであるパーソナルコンピュータからプリンタのASICに送信される信号のデータを保存し、かつ、保存されたデータのモードを判断し、さらに、このようなモード判断結果に基づいて当該データを処理するようなコンピュータ周辺装置およびプリンタ装置の構成が開示されている。
特許文献3(特開2001−333139号公報)においては、通信速度が切り替わるタイミングが検出されたときに、通信プロトコルの切り替えを行うようなPIAFSプロトコルモニタ装置の構成が開示されている。
特許文献4(特開平8−56241号公報)においては、受信した信号の周波数パターンに応じて、通信プロトコルの切り替えを行うようなモデム装置の構成が開示されている。
特許文献5(特開平5−160871号公報)においては、信号パターンのフラグ状態に応じて、通信プロトコルの切り替えを行うような通信制御装置の構成が開示されている。
しかしながら、特許文献1〜特許文献5のいずれにおいても、車両等の衝突やECUの一部の故障が発生した場合に、移動体内の電子被制御機器を迅速かつ的確に制御してフェイルセーフ処理を誤りなく実行するための具体的な手法には言及していない。したがって、特許文献1〜特許文献5のいずれにおいても、前述のような従来の拡張出力回路の場合と同様の問題が依然として残る。
特開2000−101651号公報 実用新案登録第3071607号公報 特開2001−333139号公報 特開平8−56241号公報 特開平5−160871号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、車両等の衝突や電子制御装置(例えば、車両等に設けられたECU)の一部の故障が発生した場合に、マイクロコンピュータの負荷を増大させることなく、移動体内の電子被制御機器を迅速かつ的確に制御してフェイルセーフ処理を誤りなく実行すると共に、マイクロコンピュータから入力される通信信号を出力処理するASIC等の占有面積および製造コストを節減することができるような半導体集積回路、電子制御装置、および電子被制御機器の制御方法を提供することを目的とするものである。
上記問題点を解決するために、本発明は、マイクロコンピュータから送信される通信信号を入力し、所定の電圧信号を出力して出力ドライバ回路を駆動することにより電子被制御機器(例えば、エアバッグや電子制御式エンジン等)を制御するように構成され、上記通信信号に予め含まれている専用ビットを読み取る専用ビット読取手段と、この専用ビット読取手段にて読み取られた上記専用ビットの状態に基づき、上記通信信号をそのまま通過させて上記出力ドライバ回路に供給するスルー出力モードに設定するか、または、上記通信信号に対して予め規定されたプロトコルによるプロトコル変換を行ってから上記通信信号を上記出力ドライバ回路に供給するプロトコル出力モードに設定するかを切り替える出力切替手段とを備える半導体集積回路(例えば、ASIC)を提供する。ここで、上記の専用ビット読取手段および出力切替手段は、一つのチャネルの拡張出力回路により構成され得る。
好ましくは、本発明の半導体集積回路において、上記出力切替手段によって上記スルー出力モードに設定された場合、上記マイクロコンピュータからの通信信号の任意のビットの値を変えずにそのまま通過させるようになっている。
さらに、好ましくは、本発明の半導体集積回路において、上記出力切替手段によって上記プロトコル出力モードに設定された場合、上記プロトコルに含まれる複数種の信号パターンの中から、上記専用ビットの状態に応じて選択された信号パターンに従って、上記マイクロコンピュータからの通信信号の任意のビットの値を変換するようになっている。
さらに、好ましくは、本発明の半導体集積回路において、上記複数種の信号パターンは、上記電子被制御機器が正常状態になったことを示す正常信号、上記電子被制御機器が異常状態になったことを示す異常信号、上記電子被制御機器に状態の変化があったことを検知する第1の検知信号、上記電子被制御機器に対してフェイルセーフ処理が行われたことを検知する第2の検知信号、および上記電子被制御機器の直前の状態を保持することを示す前状態保持信号を少なくとも含む。
さらに、好ましくは、本発明の半導体集積回路において、上記正常信号、上記第1の検知信号または上記第2の検知信号から上記異常信号への切り替えは、上記正常信号、上記第1の検知信号または上記第2の検知信号における1フレームの期間の終了を待つことなく直ちに実行され、また一方で、上記正常信号から上記第1の検知信号または上記第2の検知信号への切り替えは、上記正常信号における1フレームの期間の終了を待つことなく直ちに実行される。
さらに、好ましくは、本発明の半導体集積回路において、上記第1の検知信号または上記第2の検知信号から上記正常信号への切り替えは、上記第1の検知信号または上記第2の検知信号における1フレームの期間の終了を待ってから実行され、また一方で、上記第2の検知信号から上記第1の検知信号への切り替えは、上記第2の検知信号における1フレームの期間の終了を待ってから実行される。
さらに、好ましくは、本発明の半導体集積回路において、上記専用ビットが少な上記マイクロコンピュータと上記半導体集積回路との間のシリアル通信線が断線したときに、上記スルー出力モードに強制的に切り替えられるようになっている。
さらに、好ましくは、本発明の半導体集積回路において、上記マイクロコンピュータと上記半導体集積回路との間のシリアル通信線が断線したときに、上記シリアル通信線の断線による異常が発生したことを上記半導体集積回路にて判別するための信号が、上記出力ドライバ回路から出力されるようになっている。
さらに、好ましくは、本発明の半導体集積回路において、上記出力ドライバ回路の電源がショートした場合に、電源ショート検出部により上記出力ドライバ回路の電源のショートを検出してから所定の時間が経過した後に、上記出力ドライバ回路がオフ状態に設定され、上記半導体集積回路を含むシステム全体のシステムリセットが行われるまで、上記出力ドライバ回路のオフ状態が継続されるようになっている。
さらに、本発明は、前述のような構成の半導体集積回路と、この半導体集積回路に接続されるマイクロコンピュータとを具備する電子制御装置(例えば、車両等に設けられたECU)を提供する。
さらに、本発明は、マイクロコンピュータから送信される通信信号に予め含まれている専用ビットを読み取るステップと、読み取られた上記専用ビットの状態に基づき、上記通信信号をそのまま通過させて出力ドライバ回路に供給するスルー出力モードに設定するか、または、上記通信信号に対して予め規定されたプロトコルによるプロトコル変換を行ってから上記通信信号を上記出力ドライバ回路に供給するプロトコル出力モードに設定するかを切り替えるステップと、上記スルー出力モードまたは上記プロトコル出力モードに設定された状態で所定の電圧信号を出力し、上記出力ドライバ回路を駆動することにより電子被制御機器を制御するステップとを有する電子被制御機器の制御方法を提供する。
要約すれば、本発明では、ASIC等の半導体集積回路に内蔵された一つのチャネルの拡張出力回路内で、移動体内のマイクロコンピュータから送信される通信信号に予め含まれている専用ビットの状態に応じて、通信信号をそのまま通過させて出力するスルー出力モードに設定するか、または、通信信号に対して予め規定されたプロトコル変換を行ってから上記通信信号を出力するプロトコル出力モードに設定するかを切り替えるようになっている。
それゆえに、本発明によれば、車両等の衝突やECUの一部の故障が発生したことをマイクロコンピュータにて検知した場合に、このマイクロコンピュータからの通信信号にて設定されている専用ビットの状態に応じてプロトコル出力モードに自動的に切り替えられるようになっているので、マイクロコンピュータの負荷を増大させることなく、移動体内の電子被制御機器を迅速かつ的確に制御してフェイルセーフ処理を誤りなく実行することが可能になる。
さらに、本発明によれば、ASIC内の一つのチャネルの拡張出力回路でスルー出力モードとプロトコル出力モードとの間の切り替えが行われるように制御されるので、従来の2チャネルの拡張出力回路よりもASICの占有面積および製造コストを節減することが可能になる。
さらに、本発明によれば、ASIC内の一つのチャネルでスルー出力モードとプロトコプロトコル出力モードとの間の切り替えが行われるように制御されるので、スルー出力モードにて出力される通信信号、およびプロトコル出力モードにて出力される通信信号の両方を一度に監視することが可能になる。
以下、添付図面(図1〜図10)を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る統合ASICおよびECUの構成を示すブロック図である。ただし、ここでは、ASIC8に代表される半導体集積回路の構成と、このASIC8を具備するECU80の構成を簡略化して示す。なお、これ以降、前述した構成要素と同様のものについては、同一の参照番号を付して表すこととする。
図1に示すように、車両等の移動体内には、マイクロコンピュータ9および統合ASIC8を有するECU80が設けられている。このECU80は、車両等の衝突やECU80の一部に何らかの故障が発生したことが検知された場合に、マイクロコンピュータ9および統合ASIC8により移動体内の電子被制御機器(例えば、エアバッグまたは電子制御式エンジン:ここでは図示していない)を正しく制御してフェイルセーフ処理を実行する機能を有する。より具体的にいえば、ECU80は、マイクロコンピュータ9および統合ASIC8によりエアバッグの点火時期や、電子制御式エンジンの燃料噴射量等を適切に制御することによって、フェイルセーフ処理が誤りなく実行されるように構成される。
図1の実施例において、統合ASIC8では、マイクロコンピュータ9から送信されるシリアル通信形式の通信信号を認識してマイクロコンピュータ9との間で双方向の通信を行うシリアル通信部6と、このシリアル通信部6からの通信信号Scomに予め含まれている専用ビットに応じて、通信信号Scomをそのまま通過させて出力するスルー出力モードに設定するか、または、通信信号Scomに対して予め規定されたプロトコルによるプロトコル変換を行ってから通信信号Scomを出力するプロトコル出力モードに設定するかの切り替えを行う機能を有する拡張出力回路10とが形成されている。ここでは、従来の拡張出力回路の場合と異なり、一つのチャネルの拡張出力回路10のみがASIC8内に形成されている点に注意すべきである。
さらに、統合ASIC8では、拡張出力回路10から出力される通信信号Scom(ここでは、拡張出力回路10の内部からの出力信号DRMOSD)により駆動されて適切なレベルの電圧信号DRVOを電子被制御機器に供給する出力ドライバ回路7が形成されている。この出力ドライバ回路7は、出力信号DRMOSDに応じてオン/オフ動作を行って“H(High)”レベルまたは“L(Low )”レベルの電圧信号DRVOを電子被制御機器に供給するMOSトランジスタ素子27と、このMOSトランジスタ素子27に侵入するノイズを抑制するためのノイズ抑制用抵抗17とを具備している。
ここで、マイクロコンピュータ9とシリアル通信部6との間で双方向の通信を行う際に、通信の基本となるクロック信号COMCLK、チップイネーブル信号CE、およびスルー出力モード/プロトコル出力モードを切り替えるための専用ビット(例えば、コマンドビット)を含むシリアル通信信号COMINが、マイクロコンピュータ9からシリアル通信部6へ転送されると共に、ECU80内の異常をマイクロコンピュータ9に通知するためのシリアル通信信号COMOUTが、シリアル通信部6からマイクロコンピュータ9へ転送される。
より詳しく説明すると、図1の実施例に係る拡張出力回路10は、シリアル通信形式の通信信号に予め含まれている専用ビットを読み取る専用ビット読取部1と、この専用ビット読取部1にて読み取られた専用ビットの状態に基づき、通信信号Scomをそのまま通過させて出力するスルー出力モードに設定するか、または、通信信号Scomに対してプロトコル変換部3で規定されたプロトコルによるプロトコル変換を行ってから通信信号Scomを出力するプロトコル出力モードに設定するかを切り替えて選択するための出力切替制御部2と、この出力切替制御部2による切替選択動作に従ってスルー出力モードまたはプロトコル出力モードのいずれか一方のモードに設定された状態で出力信号DRMOSDを出力ドライバ回路7に供給するための出力切替スイッチ部20とを備えている。上記の専用ビット読取部1は、本発明の専用ビット読取手段に対応しており、上記の出力切替制御部2および出力切替スイッチ部20は、本発明の出力切替手段に対応している。
さらに、上記の拡張出力回路10は、通信信号Scomに関連した各種のデータの演算処理を行ったり外部から入力される任意の信号の処理を行ったりするインタフェース4を備えている。また一方で、インタフェース4は、制御信号Sscによりシリアル通信部6との通信を行うと共に、制御信号Smcによりマイクロコンピュータ9との通信を行う機能を有している。
さらに、上記の拡張出力回路10は、出力ドライバ回路7のMOSトランジスタ素子27をオン状態またはオフ状態にする時間を設定するためのタイマ5を備えている。
ここで、ECU80の制御下で移動体内の電子被制御機器が正常に動作していること(すなわち、車両等が正常に走行していること)がマイクロコンピュータ9により検知された場合は、その旨を示す専用ビットを含むシリアル通信形式の通信信号が拡張出力回路10に入力される。このときに、拡張出力回路10は、専用ビット読取部1により読み取られた専用ビットの状態に基づき、出力切替制御部2および出力切替スイッチ部20によりスルー出力モードに切り替えることによって、上記通信信号の任意のビットの値(例えば、特定ビットの値)を変えずにそのまま通過させて得られる出力信号DRVOSDを出力ドライバ回路7に供給するように動作する。
また一方で、車両等の衝突やECUの一部に何らかの故障が発生したことがマイクロコンピュータ9により検知された場合は、その旨を示す専用ビットを含むシリアル通信形式の通信信号が拡張出力回路10に入力される。このときに、拡張出力回路10は、専用ビット読取部1により読み取られた専用ビットの状態に基づき、出力切替制御部2および出力切替スイッチ部20によりプロトコル出力モードに切り替えることによって、プロトコル変換部3で規定されたプロトコルに含まれる複数種の信号パターンの中から、当該専用ビットの状態に応じて選択された信号パターンに従って、上記通信信号の任意のビットの値を変換して得られる出力信号DRVOSDを出力ドライバ回路7に供給するように動作する。
好ましくは、上記のような複数種の信号パターンとして、マイクロコンピュータ9による検知結果として移動体内の電子被制御機器が正常状態になっていることを示す正常信号、マイクロコンピュータ9による検知結果として電子被制御機器が異常状態になっていることを示す異常信号、車両等の衝突により電子被制御機器に状態の変化があったこと(例えば、異常が発生していること)を検知するための第1の検知信号、電子被制御機器に対してフェイルセーフ処理が行われたことを検知するための第2の検知信号、および電子被制御機器の直前の状態をそのまま保持することを示す前状態保持信号が挙げられる。ただし、上記のような複数種の信号パターン(ここでは、5つの信号パターン)の中に、専用ビット読取部により読み取られた専用ビットの状態に該当する信号パターンが存在しなかった場合、プロトコル出力モードに切り替えることなく現状のスルー出力モードのままで通信信号を出力することが望ましい。
さらに、好ましくは、上記のような専用ビット読取部1、出力切替制御部2および出力切替スイッチ部20の機能を実行するためのロジックが、インタフェース4内に格納されている。したがって、前述の専用ビット読取部1、出力切替制御部2および出力切替スイッチ部20は、インタフェース4により動作させることによって実現され得る。
さらに、図1に示すように、統合ASIC8では、拡張出力回路10を含むコンピュータシステム(例えば、ECU)全体のシステムリセットが行われてシステムクリアの状態になったことを検出するシステムリセット検出部11が形成されている。このシステムリセット検出部11は、システムリセット用の制御信号のレベル(“H”レベルまたは“L”レベル)を検出するための論理回路により構成されることが可能である。
ここで、コンピュータシステム全体のシステムクリアの状態が解除された後にマイクロコンピュータ8から入力される通信信号の初期値に関しては、スルー出力モードに設定することが望ましい。この理由として、システムクリアの状態が解除されてマイクロコンピュータ9が立ち上がった直後は、マイクロコンピュータ9がまだ正常に動作していないこともあり得るので、マイクロコンピュータ9が正常に動作するようになるまでの間はスルー出力モードに設定することによって、変な信号が出力ドライバ回路7に供給されないようにする必要があることが挙げられる。より具体的には、システムリセット検出部11から出力される検出信号Srdが出力切替制御部2に供給されてから一定の時間が経過するまでは、出力切替制御部2および出力切替スイッチ部20によりスルー出力モードに切り替えられるようになっている。
さらに、図1に示すように、統合ASIC8では、出力ドライバ回路7の電源(電源電圧VDD)とアース(グランドレベルの電圧DRVGND)との間でショートが発生した場合に、出力ドライバ回路7を流れる電流の最大値を制限するための電流制限部70が形成されている。好ましくは、この電流制限部70は、出力ドライバ回路7を流れる電流が急激に増大してMOSトランジスタ素子27ひいては統合ASIC8が焼損するのを防止するために、当該電流の最大値を一定に保持する電流源により構成される。
さらに、図1に示すように、統合ASIC8では、出力ドライバ回路7を流れる電流が増大して最大値に達したことを検出する電源ショート検出部12が形成されている。好ましくは、電源ショート検出部12は、電流制限回路70に直列に接続された第1の抵抗(図示していない)と当該第1の抵抗に並列に接続された第2の抵抗(図示していない)との組み合わせにより出力ドライバ回路7を流れる電流が増大したことを検出することによって、出力ドライバ回路7の電源とアースとの間でショートが発生したことを検知するようになっている。
さらに、図1に示すように、統合ASIC8では、出力ドライバ回路7内のMOSトランジスタ素子27のドレインの電圧(すなわち、MOSトランジスタ素子27の出力端子の電圧)と、予め定められた基準電源74の基準電圧Vrefとを比較するコンパレータ72と、コンパレータ72の反転入力端子(−)とMOSトランジスタ素子27のドレインとの間に接続される入力抵抗76と、コンパレータ72の反転入力端子(−)とアースとの間に接続される補助抵抗75とが形成されている。
より具体的には、出力ドライバ回路内のMOSトランジスタ素子27がオン状態において出力ドライバ回路7の電源がショートした場合、出力ドライバ回路7を流れる電流が増大したことが電源ショート検出部12により検出されると、この電源ショート検出部12から出力される検出信号Ssdが出力切替制御部2に供給される。
このときに、コンパレータ72の反転入力端子(−)の入力電圧が非反転入力端子(+)の基準電圧Vrefよりも低くなって、コンパレータ72の比較結果出力信号DRVFAILが“L”レベルになる。この“L”レベルの比較結果出力信号DRVFAILが、タイマ5を経由してインタフェース4に入力される。インタフェース4では、タイマ5にて設定された一定時間が経過した後に拡張出力回路10の出力信号(出力ドライバ回路7の入力信号)DRMOSDのレベルを“L”レベルに設定する。このようにして、出力ドライバ回路内のMOSトランジスタ素子27の出力端子の電圧が“H”レベルになり、MOSトランジスタ素子27がオフ状態になって出力ドライバ回路7の電流が流れなくなる。その後、拡張出力回路10を含むコンピュータシステム全体のシステムリセットが行われるまで、出力ドライバ回路内のMOSトランジスタ素子27のオフ状態が継続されるようになっている。換言すれば、コンピュータシステム自体がリセットされて出力ドライバ回路7の電源がショートした状態がなくなるまで、出力ドライバ回路7が復帰しないように構成されている。
また一方で、マイクロコンピュータ9と拡張出力回路10との間のシリアル通信線が断線した場合、シリアル通信部6からの通信信号Scomが“H”レベル(または“L”レベル)のままになっていることを出力切替制御部2に通知することによって、スルー出力モードに強制的に切り替えられるようになっている。この理由として、プロトコル出力モードに設定した状態になっていると、変な信号が出力ドライバ回路7に供給されない可能性があることが挙げられる。
さらに、マイクロコンピュータ9と拡張出力回路10との間のシリアル通信線が断線して当該シリアル通信線が機能しなくなっている場合、出力ドライバ回路内のMOSトランジスタ27の出力端子の電圧レベルは不定になっている。予め定められた時間(タイマ5により設定された時間)内でMOSトランジスタ27の出力端子の電圧レベルが不定のままになっている場合、上記シリアル通信線の断線による異常が発生したことを拡張出力回路10にて判別するための信号が出力ドライバ回路内のMOSトランジスタ27から出力され、コンパレータ72により検出される。
コンパレータ72により検出された信号は、タイマ5を経由して拡張出力回路10内のインタフェース4に入力される。インタフェース4では、タイマ5にて設定された一定時間が経過した後に、マイクロコンピュータ9と拡張出力回路10との間のシリアル通信線が断線した旨をマイクロコンピュータ9にフィードバックすると共に、拡張出力回路10の出力信号DRMOSDのレベルを“L”レベルに固定する。このようにして、出力ドライバ回路内のMOSトランジスタ素子27の出力端子の電圧が“H”レベルに固定され、MOSトランジスタ素子27がオフ状態に固定されて出力ドライバ回路7の電流が流れなくなる。その後、マイクロコンピュータ9と拡張出力回路10との間でシリアル通信線が接続された状態になって拡張出力回路10を含むコンピュータシステム全体のシステムリセットが行われるまで、出力ドライバ回路内のMOSトランジスタ素子27のオフ状態が継続されるようになっている。
前述のように、図1の実施例では、ASIC内の一つのチャネルの拡張出力回路にて、マイクロコンピュータからシリアル通信部を介して送信される通信信号に予め含まれている専用ビットの状態に応じて、スルー出力モードに設定するかまたはプロトコル出力モードに設定するかを容易に切り替えることができるようになっている。
それゆえに、図1の実施例によれば、車両等の衝突やASIC内のシリアル通信線の断線や電源のショート等が発生したことをマイクロコンピュータにて検知した場合に、このマイクロコンピュータからの通信信号にて設定されている専用ビットの状態に応じてプロトコル出力モードに自動的に切り替えられるようになっているので、マイクロコンピュータの負荷を増大させることなく、移動体内の電子被制御機器を迅速かつ的確に制御してフェイルセーフ処理を誤りなく実行することが可能になる。
さらに、図1の実施例によれば、ASIC内の一つのチャネルの拡張出力回路によってスルー出力モードとプロトコル出力モードとの間の切り替えが行われるように制御されるので、従来の2チャネルの拡張出力回路よりもASICの占有面積および製造コストを節減することが可能になる。
さらに、図1の実施例によれば、ASIC内の一つのチャネルでスルー出力モードとプロトコプロトコル出力モードとの間の切り替えが行われるように制御されるので、スルー出力モードにて出力される通信信号、およびプロトコル出力モードにて出力される通信信号の両方を一度に監視することが可能になる。
図2は、通信信号の中でスルー出力モード/プロトコル出力モードを切り替えるための専用ビットを示すビット構成図である。
図2に示すように、シリアル通信形式の通信信号に予め含まれているシリアルの専用ビットは、DS1およびDS2の2ビットにより構成されている。より具体的には、スルー出力モード(例えば、コンピュータシステム全体のシステムリセットが解除された後の初期値)に切り替えられる場合には2つの“0”が連続して配置されるビット構成になっており、プロトコル出力モードに切り替えられる場合には2つの“1”が連続して配置されるビット構成になっている。代表的に、プロトコル出力モードでは、車両等の衝突を検知し、燃料の供給を停止して車両等の炎上を防止するためのフューエルカットのモードに設定されるか、または、車両等の衝突を検知し、高電圧電源リレーを遮断し乗員およびレスキュー隊員の感電を防止するためのHVカット(ハイブリッドカット)のモードに設定される。なお、上記以外のビット構成では、ASICや電子被制御機器等の直前の状態が保持されるモード(前状態保持モード)になっている。
上記のように、専用ビットを2ビット構成にすることによって、1ビット化けによる誤りが生じても、マイクロコンピュータの誤った判断によるスルー出力モードとプロトコル出力モードとの間の切り替えが起こらないようになっている。なお、専用ビットを3ビット構成にした場合、スルー出力モードとプロトコル出力モードとの間の切り替えに関する信頼性はさらに向上する。
図3は、通信信号の中でスルー出力モードの場合の専用ビットを示すビット構成図である。
図3に示すように、DS1およびDS2の2ビットが連続して“0”になるようなビット構成によってスルー出力モードに切り替えられている場合のシリアルの専用ビットは、DR1の1ビットにより構成されている。スルー出力モードにおいては、DR1の専用ビットの値がそのまま出力される。より具体的には、DR1の専用ビットの値が“0”のときには、通信信号出力制御装置の内部からの出力信号DRMOSDが“H”レベルに設定され、出力ドライバ回路の出力信号(電圧信号DRVO)が“L”レベルに設定される。また一方で、DR1の専用ビットの値が“1”のときには、通信信号出力制御装置の内部からの出力信号DRMOSDが“L”レベルに設定され、出力ドライバ回路の出力信号が“H”レベルに設定される。なお、コンピュータシステム全体のシステムリセットが解除された後の初期値として、出力ドライバ回路の出力信号が“H”レベルに設定されるようになっている。
図4は、通信信号の中でプロコトル出力モードの場合の専用ビットを示すビット構成図である。
図4に示すように、DS1およびDS2の2ビットが連続して“1”になるようなビット構成によってプロトコル出力モードに切り替えられている場合のシリアルの専用ビットは、DR1、FC1およびFC2の3ビットにより構成されている。プロトコル出力モードにおいては、マイクロコンピュータから入力される上記3ビットの専用ビットの状態に応じて、予め規定されたプロトコルに含まれる複数種の信号パターンを切り替えて選択するようになっている。
ここでは、上記プロトコルに含まれる5つの信号パターンの中から、上記3ビットの専用ビットの状態に応じて選択された信号パターンに従って、マイクロコンピュータからの通信信号の特定ビットの値を変換するようになっている。このようにして、それぞれ対応する信号パターンに従ってプロトコル変換が行われた出力ドライバ回路の出力信号(電圧信号DRVO)は、移動体内の電子機器に供給される。
より具体的には、図4のテーブルに示すように、シリアル専用ビットのDR1、FC1およびFC2が全て“0”の場合には、マイクロコンピュータによる検知結果として移動体内の電子被制御機器が正常状態になっていることを示す正常信号(例えば、プロトコル出力モードに切り替えられた後の初期値)が出力され、シリアル専用ビットのDR1、FC1およびFC2が “1”、 “0”および“1”の場合には、マイクロコンピュータによる検知結果として電子被制御機器が異常状態になっていることを示す異常信号が出力される。また一方で、シリアル専用ビットのDR1、FC1およびFC2が “0”、 “1”および“1”の場合には、車両等の衝突により電子被制御機器に状態の変化があったことを検知するための第1の検知信号が出力され、シリアル専用ビットのDR1、FC1およびFC2が “1”、 “1”および“0”の場合には、電子被制御機器に対してフェイルセーフ処理が行われたことを検知するための第2の検知信号が出力される。なお、上記以外のビット構成では、ASICや電子被制御機器等の直前の状態が保持された状態(前状態保持の状態)で信号が出力される。
つぎに、図5〜図9に基づき、プロトコル出力モードに設定されている場合に、予め規定されたプロトコルに含まれる複数の信号パターン(ここでは、5つの信号パターン)の中で、一つの信号パターンによる出力から他の信号パターンによる出力へ切り替えられる様子を説明する。
図5は、正常信号出力から異常信号出力への切り替えの様子を示す信号波形図である。図5の時間t(任意単位)に対する信号波形図に示すように、正常信号の信号パターンにおいては、1フレーム(Tfn)内の“H”レベルの期間および“L”レベルの期間がほぼ同じであるような複数のフレームの信号パターンが、無限に繰り返される。その後の異常信号の信号パターンにおいては、“H”レベルのままになっている。
さらに、図5の正常信号から異常信号への切り替えのタイミングから明らかなように、正常信号の信号パターンから異常信号の信号パターンへの切り替えは、正常信号における1フレーム(Tfn)の期間の終了を待つことなく直ちに実行される。この理由として、車両等の衝突によって移動体内の電子被制御機器が異常状態(すなわち、移動体内のユーザが危険な状態)になったときには、この異常状態を早急に統合ASIC等に通知する必要があることが考えられる。
図6は、第1の検知信号出力または第2の検知信号出力から異常信号出力への切り替えの様子を示す信号波形図である。ただし、ここでは、第1の検知信号出力から異常信号出力への切り替えの様子を示すこととする。
図6の時間tに対する信号波形図に示すように、第1の検知信号においては、1フレーム(Tfd1)内にパルス幅の異なる2つの“H”レベルのパルス(正のパルス)が含まれている。なお、第2の検知信号においても、1フレーム(Tfd2)内にパルス幅の異なる2つの“H”レベルのパルスが含まれている。ただし、第1の検知信号と第2の検知信号は、図9にて後述するように、一方の“H”レベルのパルスのパルス幅が互いに異なっている。第1の検知信号および第2の検知信号のいずれにおいても、1フレームについて上記のような信号波形を有する複数のフレームの信号パターンが、無限に繰り返される。その後の異常信号の信号パターンにおいては、“H”レベルのままになっている。
さらに、図6の第1の検知信号(または第2の検知信号)から異常信号への切り替えのタイミングから明らかなように、第1の検知信号(または第2の検知信号)の信号パターンから異常信号の信号パターンへの切り替えは、第1の検知信号(または第2の検知信号)における1フレーム(Tfd1(またはTdf2))の期間の終了を待つことなく直ちに実行される。この場合も、前述の図5の場合とほぼ同様の理由により、車両等の衝突によって移動体内の電子被制御機器に状態の変化が生じて異常状態になったときには、この異常状態を早急に統合ASIC等に通知しなければならない。
図7は、正常信号出力から第1の検知信号出力または第2の検知信号出力への切り替えの様子を示す信号波形図である。ただし、ここでは、正常信号出力から第1の検知信号出力への切り替えの様子を代表して示す。
図7の時間tに対する信号波形図、および正常信号から第1の検知信号(または第2の検知信号)への切り替えのタイミングに示すように、正常信号から第1の検知信号(または第2の検知信号)への切り替えは、正常信号における1フレーム(Tfn)の期間の終了を待ってから実行される。この理由として、移動体内の電子被制御機器が正常状態に変化したときには、車両等の衝突により電子被制御機器に状態の変化が生じたこと(例えば、異常が発生したこと)に関する検知が完了しているか否かを早急に確認したり電子被制御機器に対してフェイルセーフ処理が完了しているか否かの検知を早急に行ったりして、車両に対する安全性を確実に保証しなければならないことが考えられる。
図8は、第1の検知信号出力または第2の検知信号出力から正常信号出力への切り替えの様子を示す信号波形図である。ただし、ここでは、第1の検知信号出力から正常信号出力への切り替えの様子を代表して示す。
図8の時間tに対する信号波形図、および第1の検知信号(または第2の検知信号)から正常信号への切り替えのタイミングに示すように、第1の検知信号(または第2の検知信号)から正常信号への切り替えは、上記第1の検知信号または上記第2の検知信号における1フレーム(Tfd1(またはTdf2))の期間の終了を待ってから実行される。この理由として、第1の検知信号(または第2の検知信号)が電子被制御機器にきちんと送出されたことをマイクロコンピュータおよび通信信号出力制御装置にて判断した上で、正常信号への切り替えを行う必要があることが考えられる。
図9は、第2の検知信号出力から第1の検知信号出力への切り替えの様子を示す信号波形図である。
図9の時間tに対する信号波形図に示すように、第2の検知信号においては、1フレーム(Tfd2)内にパルス幅の異なる2つの“H”レベルのパルス(正のパルス)が含まれている。さらに、第1番目の“H”レベルのパルスと第2番目の“H”レベルのパルスとの間の間隔(“L”レベルの期間)Pcが定義されると共に、第2番目の“H”レベルのパルスのパルス幅Pdが定義される。また一方で、第1の検知信号においては、1フレーム(Tfd1)内にパルス幅の異なる2つの“H”レベルのパルスが含まれている。さらに、第1番目の“H”レベルのパルスと第2番目の“H”レベルのパルスとの間の間隔(“L”レベルの期間)Paが定義されると共に、第2番目の“H”レベルのパルスのパルス幅Pbが定義される。第2の検知信号における間隔Pcおよびパルス幅Pdの値は、第1の検知信号における間隔Paおよびパルス幅Pbの値と異なっている。これによって、移動体内の電子被制御機器は、第1の検知信号と第2の検知信号とを互いに識別することが可能になる。なお、ここでは、第2の検知信号における第1番目の“H”レベルのパルスのパルス幅は、第1の検知信号における第1番目の“H”レベルのパルスのパルス幅と同じになっている。
さらに、図9の第2の検知信号から第1の検知信号への切り替えのタイミングから明らかなように、第2の検知信号から第1の検知信号への切り替えは、第2の検知信号における1フレーム(Tfd2)の期間の終了を待ってから実行される。この理由として、車両等の衝突により電子被制御機器に状態の変化が生じたこと(例えば、異常が発生したこと)に関する検知が完了しているか否かを早急に確認したり電子被制御機器に対してフェイルセーフ処理が完了しているか否かの検知を早急に行ったりして、電子被制御機器に対するフェイルセーフ処理に関連した第2の検知信号による通信がきちんと成立するようになってから、車両等の衝突により電子被制御機器に異常が発生していることの検知に関連した第1の検知信号への切り替えを行う必要があることが考えられる。
図10は、本発明に係る電子被制御機器の制御フローを説明するためのフローチャートである。ここでは、本発明に係る電子被制御機器の制御方法に従って統合ASIC内のインタフェース(図1参照)等を動作させることで、移動体内のマイクロコンピュータから入力される通信信号に関してスルー出力モードに設定するか、またはプロトコル出力モードに設定するかを切り替えて出力ドライバ回路を駆動するための制御フローを説明する。
図10のステップS1に示すように、まず、シリアル通信形式の通信信号が、移動体内のマイクロコンピュータから統合ASICに入力される。
つぎに、ステップS2に示すように、シリアル通信形式の通信信号に予め含まれている専用ビット(例えば、2ビット構成のコマンドビット)が読み取られる。
さらに、ステップS3に示すように、統合ASIC内のインタフェース等が、前述のステップS2で読み取られた専用ビットの状態に基づき、シリアル通信形式の通信信号をそのまま通過させて出力するスルー出力モードに設定するか、または、シリアル通信形式の通信信号に対して予め規定されたプロトコルによるプロトコル変換を行ってから上記通信信号を出力するプロトコル出力モードに設定するかを切り替えて選択するように動作する。
さらに、ステップS4に示すように、現在スルー出力モードに設定されているかまたはプロトコル出力モードに設定されているか否かが判別される。
ここで、前述のステップS4にてスルー出力モードに設定されている場合、ステップS5に示すように、シリアル通信形式の通信信号をそのまま通過させることによって、特定ビットの値が変化しない通信信号が出力される。
また一方で、前述のステップS4にてプロトコル出力モードに設定されている場合、ステップS6に示すように、予め規定されたプロトコルに含まれる幾つかの信号パターンの中から選択された信号パターンに従って通信信号の特定ビットの値を変換することによって、プロトコル変換後の通信信号が出力される。
最終的に、ステップS7に示すように、スルー出力モードまたはプロトコル出力モードに設定された状態で出力される通信信号により出力ドライバ回路を駆動することによって、移動体内の電子被制御機器を制御するための所定のレベルの電圧信号が出力される。
本発明の半導体集積回路、電子制御装置、および電子被制御機器の制御方法は、エアバッグや電子制御式エンジン等の電子被制御機器を制御するために車両等の移動体内に設けられたECUに適用することが可能である。特に、本発明の半導体集積回路、電子制御装置、および電子被制御機器の制御方法は、車両等の衝突やECUの一部に何らかの故障が発生した場合に、衝突や故障等による被害を最小限に抑えるために移動体内の電子被制御機器を的確に制御してフェイルセーフ処理を実行するためのコンピュータシステムに使用され得る。
本発明の一実施例に係る統合ASICおよびECUの構成を示すブロック図である。 通信信号の中でスルー出力モード/プロトコル出力モードを切り替えるための専用ビットを示すビット構成図である。 通信信号の中でスルー出力モードの場合の専用ビットを示すビット構成図である。 通信信号の中でプロトコル出力モードの場合の専用ビットを示すビット構成図である。 正常信号出力から異常信号出力への切り替えの様子を示す信号波形図である。 第1の検知信号出力または第2の検知信号出力から異常信号出力への切り替えの様子を示す信号波形図である。 正常信号出力から第1の検知信号出力または第2の検知信号出力への切り替えの様子を示す信号波形図である。 第1の検知信号出力または第2の検知信号出力から正常信号出力への切り替えの様子を示す信号波形図である。 第2の検知信号出力から第1の検知信号出力への切り替えの様子を示す信号波形図である。 本発明に係る電子被制御機器の制御フローを説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 専用ビット読取部
2 出力切替制御部
3 プロトコル変換部
4 インタフェース
5 タイマ
6 シリアル通信部
7 出力ドライバ回路
8 統合ASIC
9 マイクロコンピュータ
10 拡張出力回路
11 システムリセット検出部
12 電源ショート検出部
17 ノイズ抑制用抵抗
20 出力切替スイッチ部
27 MOSトランジスタ素子
70 電流制限部
72 コンパレータ
80 ECU

Claims (11)

  1. マイクロコンピュータから送信される通信信号を入力し、所定の電圧信号を出力して出力ドライバ回路を駆動することにより電子被制御機器を制御するように構成される半導体集積回路において、
    前記通信信号に予め含まれている専用ビットを読み取る専用ビット読取手段と、
    該専用ビット読取手段にて読み取られた前記専用ビットの状態に基づき、前記通信信号をそのまま通過させて前記出力ドライバ回路に供給するスルー出力モードに設定するか、または、前記通信信号に対して予め規定されたプロトコルによるプロトコル変換を行ってから前記通信信号を前記出力ドライバ回路に供給するプロトコル出力モードに設定するかを切り替える出力切替手段とを備えることを特徴とする半導体集積回路。
  2. 前記出力切替手段によって前記スルー出力モードに設定された場合、前記マイクロコンピュータからの通信信号の任意のビットの値を変えずにそのまま通過させることを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路。
  3. 前記出力切替手段によって前記プロトコル出力モードに設定された場合、前記プロトコルに含まれる複数種の信号パターンの中から、前記専用ビットの状態に応じて選択された信号パターンに従って、前記マイクロコンピュータからの通信信号の任意のビットの値を変換することを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路。
  4. 前記複数種の信号パターンは、前記電子被制御機器が正常状態になったことを示す正常信号、前記電子被制御機器が異常状態になったことを示す異常信号、前記電子被制御機器に状態の変化があったことを検知する第1の検知信号、前記電子被制御機器に対してフェイルセーフ処理が行われたことを検知する第2の検知信号、および前記電子被制御機器の直前の状態を保持することを示す前状態保持信号を少なくとも含むことを特徴とする請求項3記載の半導体集積回路。
  5. 前記正常信号、前記第1の検知信号または前記第2の検知信号から前記異常信号への切り替えは、前記正常信号、前記第1の検知信号または前記第2の検知信号における1フレームの期間の終了を待つことなく直ちに実行され、また一方で、前記正常信号から前記第1の検知信号または前記第2の検知信号への切り替えは、前記正常信号における1フレームの期間の終了を待つことなく直ちに実行されることを特徴とする請求項4記載の半導体集積回路。
  6. 前記第1の検知信号または前記第2の検知信号から前記正常信号への切り替えは、前記第1の検知信号または前記第2の検知信号における1フレームの期間の終了を待ってから実行され、また一方で、前記第2の検知信号から前記第1の検知信号への切り替えは、前記第2の検知信号における1フレームの期間の終了を待ってから実行されることを特徴とする請求項4記載の半導体集積回路。
  7. 前記マイクロコンピュータと前記半導体集積回路との間のシリアル通信線が断線したときに、前記スルー出力モードに強制的に切り替えられることを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路。
  8. 前記マイクロコンピュータと前記半導体集積回路との間のシリアル通信線が断線したときに、前記シリアル通信線の断線による異常が発生したことを前記半導体集積回路にて判別するための信号が、前記出力ドライバ回路から出力されることを特徴とする請求項11記載の半導体集積回路。
  9. 前記出力ドライバ回路の電源がショートした場合に、電源ショート検出部により前記出力ドライバ回路の電源のショートを検出してから所定の時間が経過した後に、前記出力ドライバ回路がオフ状態に設定され、前記半導体集積回路を含むシステム全体のシステムリセットが行われるまで、前記出力ドライバ回路のオフ状態が継続されることを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の半導体集積回路と、前記半導体集積回路に接続されるマイクロコンピュータとを具備することを特徴とする電子制御装置。
  11. マイクロコンピュータから送信される通信信号に予め含まれている専用ビットを読み取るステップと、
    読み取られた前記専用ビットの状態に基づき、前記通信信号をそのまま通過させて出力ドライバ回路に供給するスルー出力モードに設定するか、または、前記通信信号に対して予め規定されたプロトコルによるプロトコル変換を行ってから前記通信信号を前記出力ドライバ回路に供給するプロトコル出力モードに設定するかを切り替えるステップと、
    前記スルー出力モードまたは前記プロトコル出力モードに設定された状態で所定の電圧信号を出力し、前記出力ドライバ回路を駆動することにより電子被制御機器を制御するステップとを有することを特徴とする、電子被制御機器の制御方法。
JP2006213563A 2006-08-04 2006-08-04 半導体集積回路、電子制御装置、および電子被制御機器の制御方法 Expired - Fee Related JP4812554B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006213563A JP4812554B2 (ja) 2006-08-04 2006-08-04 半導体集積回路、電子制御装置、および電子被制御機器の制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006213563A JP4812554B2 (ja) 2006-08-04 2006-08-04 半導体集積回路、電子制御装置、および電子被制御機器の制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008042485A true JP2008042485A (ja) 2008-02-21
JP4812554B2 JP4812554B2 (ja) 2011-11-09

Family

ID=39177029

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006213563A Expired - Fee Related JP4812554B2 (ja) 2006-08-04 2006-08-04 半導体集積回路、電子制御装置、および電子被制御機器の制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4812554B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200048367A (ko) 2018-10-30 2020-05-08 박성삼 무선통신 및 무선충전 기능이 구비된 수중펌프

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6065645A (ja) * 1983-09-21 1985-04-15 Hitachi Ltd 端末処理装置
JPS61217850A (ja) * 1985-03-22 1986-09-27 Nec Corp 通信制御装置
JPS62219824A (ja) * 1986-03-20 1987-09-28 Mitsubishi Electric Corp 情報伝送システム
JPH02198249A (ja) * 1989-01-27 1990-08-06 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 通信端末接続装置
JPH05160871A (ja) * 1991-12-06 1993-06-25 Hitachi Ltd 通信制御装置
JP2000078238A (ja) * 1998-08-27 2000-03-14 Zexel Corp データ伝送方法及び通信制御装置並びにデータ伝送プログラムを記録した記録媒体
JP2001320391A (ja) * 2000-05-12 2001-11-16 Yamatake Sangyo Systems Co Ltd 通信制御装置
JP2003309509A (ja) * 2002-04-12 2003-10-31 Sumitomo Electric Ind Ltd 車内通信システム、車内通信装置、及び通信装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6065645A (ja) * 1983-09-21 1985-04-15 Hitachi Ltd 端末処理装置
JPS61217850A (ja) * 1985-03-22 1986-09-27 Nec Corp 通信制御装置
JPS62219824A (ja) * 1986-03-20 1987-09-28 Mitsubishi Electric Corp 情報伝送システム
JPH02198249A (ja) * 1989-01-27 1990-08-06 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 通信端末接続装置
JPH05160871A (ja) * 1991-12-06 1993-06-25 Hitachi Ltd 通信制御装置
JP2000078238A (ja) * 1998-08-27 2000-03-14 Zexel Corp データ伝送方法及び通信制御装置並びにデータ伝送プログラムを記録した記録媒体
JP2001320391A (ja) * 2000-05-12 2001-11-16 Yamatake Sangyo Systems Co Ltd 通信制御装置
JP2003309509A (ja) * 2002-04-12 2003-10-31 Sumitomo Electric Ind Ltd 車内通信システム、車内通信装置、及び通信装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200048367A (ko) 2018-10-30 2020-05-08 박성삼 무선통신 및 무선충전 기능이 구비된 수중펌프

Also Published As

Publication number Publication date
JP4812554B2 (ja) 2011-11-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6547857B2 (ja) 電子制御装置及びそれを搭載した電動パワーステアリング装置
JP4643419B2 (ja) 自己診断機能を備えた負荷駆動装置
JP5283651B2 (ja) 車両用の制御装置
JP2009077542A (ja) 負荷駆動回路
JP2011111015A (ja) 電動ステアリングロック装置
JP5094777B2 (ja) 車載用電子制御装置
JP2006036187A (ja) 自動車用制御装置およびそれの異常監視方法
JP4812554B2 (ja) 半導体集積回路、電子制御装置、および電子被制御機器の制御方法
CN107340763B (zh) 基于外部看门狗的电动助力转向系统及其控制方法
WO2020179818A1 (ja) 電動モータの駆動制御装置
JP2013256143A (ja) 電動パワーステアリング制御装置
JP2018078682A (ja) 電子制御装置
JP6111224B2 (ja) シートベルト装置
JP2005163706A (ja) アクチュエータ駆動系の異常診断装置
JP2004122942A (ja) 車両用制御装置
CN109690333B (zh) 电子控制装置和电子控制装置的连接状态的诊断方法
JP4453616B2 (ja) 電子制御装置及び通信システム並びにサージ吸収素子の検査方法
JP2006082591A (ja) 乗員保護装置の通信制御装置
JP2015112962A (ja) 情報処理装置
JP2005257304A (ja) 加速度検出ユニットの診断方法
JP2014034221A (ja) モータ制御装置、及びシートベルト装置
JP2011189767A (ja) シートベルトリトラクタ制御装置
JP2007330050A (ja) モータ駆動装置及びモータ駆動装置の異常通知方法
JP2002370609A (ja) エアバッグ装置の誤作動防止システム
JP2023122184A (ja) 電子制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090313

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110419

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110726

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110823

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140902

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees