JP2015112962A - 情報処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】機能診断の対象となる監視装置の数が増加した場合であっても、各監視装置の監視機能を含むチェックすべき全ての項目の機能診断を漏れなく実施しつつ、プライマリチェックにおける機能診断時間を所定のデッドラインまでに収めることが可能な情報処理装置を提供すること。【解決手段】車両に搭載され、マイコンが正常に動作しているか否かを監視し、前記マイコンの動作が異常である場合、前記マイコンをリセットする第1の監視装置、及び第2の監視装置を備えた情報処理装置であって、前記第1の監視装置は、イグニッションスイッチがオフ状態において、前記車両のドアが開扉した際に出力される所定の信号を受信したときに、前記マイコンをリセットするリセット信号を出力し、前記第2の監視装置は、前記リセット信号を検知することが可能であり、前記リセット信号が検知されたか否かによって、前記第1の監視装置による前記マイコンの監視機能の異常を検知する。【選択図】図5
Description
本発明は、複数の監視装置でマイコンを監視する情報処理装置に関する。
車載された電子制御装置(ECU)のマイコンが動作可能であることを確認するため、例えば、イグニッションオン(IG−ON)を契機にしてマイコンの機能診断が行われている。このような機能診断をプライマリチェックという場合がある。
ここで、IG−ON後、マイコンが起動処理を完了させるまでの時間にはデッドラインが設けられる場合があるため、デッドライン内にプライマリチェックを終了させる技術が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、デッドラインまでの間にプライマリチェックが終了するようにタスクをスケジューリングする電子制御装置が開示されている。
ところで、プライマリチェックにおいて、マイコンが正常か異常かを監視する装置(監視装置)の監視機能が機能診断される場合がある。また、1つの監視装置の監視機能が正常でなくてもマイコンを監視できるようにするため、電子制御装置に複数の監視装置を配置する場合がある。
しかしながら、電子制御装置が、複数の監視装置の機能診断を時間的に連続して行おうとすると、特許文献1のようにスケジューリングしてもデッドラインを守れない場合がある。例えば、メインマイコンの監視をサブマイコンだけでなく他の監視装置でも行う場合、サブマイコンの監視機能及び他の監視装置の監視機能の機能診断に要する合計処理時間がそもそもデッドラインを超える場合がある。
また、特許文献1のようにスケジューリングすることで、複数の監視装置の機能診断をデッドラインまでに実施可能な場合であっても、タスクのスケジューリングにより毎回実施されないプライマリチェック項目が発生する場合がある。
また、これらを解決するため、デッドラインを延長すると、電子制御装置の通常処理への移行に更なる時間を要することになるため、車両性能が低下したり、他の電子制御装置(ECU)との調整が必要になるという別の不都合が生じる場合がある。
そこで、上記課題に鑑み、機能診断の対象となる監視装置の数が増加した場合であっても、各監視装置の監視機能を含むチェックすべき全ての項目の機能診断を漏れなく実施しつつ、プライマリチェックにおける機能診断時間を所定のデッドラインまでに収めることが可能な情報処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、一実施形態において、情報処理装置は、
車両に搭載され、マイコンが正常に動作しているか否かを監視し、前記マイコンの動作が異常である場合、前記マイコンをリセットする第1の監視装置、及び第2の監視装置を備えた情報処理装置であって、
前記第1の監視装置は、
イグニッションスイッチがオフ状態において、前記車両のドアが開扉した際に出力される所定の信号を受信したときに、前記マイコンをリセットするリセット信号を出力し、
前記第2の監視装置は、
前記リセット信号を検知することが可能であり、前記リセット信号が検知されたか否かによって、前記第1の監視装置による前記マイコンの監視機能の異常を検知する。
車両に搭載され、マイコンが正常に動作しているか否かを監視し、前記マイコンの動作が異常である場合、前記マイコンをリセットする第1の監視装置、及び第2の監視装置を備えた情報処理装置であって、
前記第1の監視装置は、
イグニッションスイッチがオフ状態において、前記車両のドアが開扉した際に出力される所定の信号を受信したときに、前記マイコンをリセットするリセット信号を出力し、
前記第2の監視装置は、
前記リセット信号を検知することが可能であり、前記リセット信号が検知されたか否かによって、前記第1の監視装置による前記マイコンの監視機能の異常を検知する。
本実施の形態によれば、機能診断の対象となる監視装置の数が増加した場合であっても、各監視装置の監視機能を含むチェックすべき全ての項目の機能診断を漏れなく実施しつつ、プライマリチェックにおける機能診断時間を所定のデッドラインまでに収めることが可能な情報処理装置を提供することができる。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。
図1は、電子制御装置100の構成の一例を示す概略構成図である。以下、電子制御装置100の構成について説明をする。
電子制御装置100は、メインマイコン10、サブマイコン20、及び、統合IC30を含む。メインマイコン10とサブマイコン20は、一般的な情報処理装置のハードウェア構成であってよい。例えば、バスに接続されたCPU、ROM、RAM、I/O、DMAC等を有する。
メインマイコン10は、イグニッションオン(IG−ON)状態において、電子制御装置100の主たる機能を提供するマイコンである。メインマイコン10の機能は、電子制御装置100の種類によって様々であり、限定されない。例えば、電子制御装置100がブレーキECUの場合、各輪のホイルシリンダ圧を制御する処理等を行う。なお、IG−ON/OFFは、電気モータを動力源とする車両やハイブリッド車におけるメインシステムのON/OFF(Ready−ON/OFF)も含む概念として使用する。
また、メインマイコン10は、サブマイコン20及び統合IC30により正常に動作しているか否かが監視される。具体的には、WDパルス生成部11を有し、WD(Watchdog)パルス(周期的にHiとLoを繰り返す信号)をサブマイコン20と統合IC30に出力する。そして、該WDパルスに基づいて、マイコン20と統合IC30によるメインマイコン10の監視が行われる。また、メインマイコン10は、サブマイコン20又は統合IC30からリセット信号が入力された場合、自身をリセットする。具体的には、サブマイコン20又は統合IC30によりメインマイコン10の異常が検知された場合、サブマイコン20又は統合IC30からメインマイコン10にリセット信号が出力され、メインマイコン10は、当該リセット信号に応じて、自身をリセットする。
なお、メインマイコン10は、サブマイコン20から出力されるWDパルスが周期的にHiとLoとを出力しているか否かに基づき、サブマイコン20が正常に動作しているか否かを監視することができる。但し、当該監視を行うか否かは任意である。
サブマイコン20は、メインマイコン10から受信したWDパルスに基づいて、メインマイコン10が正常に動作しているか否かを監視する。該WDパルスは周期的にHiとLoを繰り返す信号なので、サブマイコン20は、メインマイコン10から出力されるWDパルスとして周期的にHiとLoが出力されているか否かに基づきメインマイコン10が正常に動作しているか否かを監視することができる。サブマイコン20は、メインマイコン10をリセットする機能を有し、メインマイコン10から受信したWDパルスが(HiからLo又はLoからHiへ)反転しない等の異常を検知すると、メインマイコン10にリセット信号を出力する。
また、サブマイコン20は、プライマリチェックにおいて、サブマイコン20自身によるメインマイコン10の監視機能が正常であるか否かを診断(判定)する。具体的には、サブマイコン20からメインマイコン10へのリセット信号を伝達する信号線に接続されたモニタ線22を通じて、該リセット信号を検知することにより、サブマイコン20の上記リセット機能が正常であるか否かを診断する。なお、モニタ線22は、サブマイコン20からのリセット信号と統合IC30からのリセット信号の両方をメインマイコン10に伝達する信号線部分に接続され、統合IC30からのリセット信号も検知することができる。プライマリチェックにおけるサブマイコン20によるメインマイコン10の監視機能診断の詳細については、後述する。
また、サブマイコン20は、統合IC30によるメインマイコン10の監視機能が正常であるか否かを診断する。具体的には、モニタ線22を通じて、統合IC30からメインマイコン10へのリセット信号が検知されたか否かにより、統合IC30によるリセット機能が正常であるか否かを診断する。統合IC30によるメインマイコン10の監視機能診断の詳細については、後述する。
また、サブマイコン20は、統合IC30により正常に動作しているか否かが監視される。具体的には、WDパルス生成部21を有し、WDパルスを(メインマイコン10と)統合IC30に出力する。そして、該WDパルスに基づいて、統合IC30によるサブマイコン20の監視が行われる。また、サブマイコン20は、統合IC30からリセット信号が入力された場合、自身をリセットする。具体的には、統合IC30によりサブマイコン20の異常が検知された場合、統合IC30からサブマイコン20にリセット信号が出力され、サブマイコン20は、当該リセット信号に応じて、自身をリセットする。
統合IC30は、監視部31等を含む。
監視部31は、メインマイコン10、サブマイコン20から受信したWDパルスに応じて、メインマイコン10、サブマイコン20の動作の監視を行う。監視部31は、メインマイコン10から受信したWDパルスに基づいて、メインマイコン10の異常を検知すると、メインマイコン10にリセット信号を出力することにより、メインマイコン10をリセットする。また、監視部31は、サブマイコン20から受信したWDパルスに基づいて、サブマイコン20の異常を検知すると、サブマイコン20にリセット信号を出力することにより、サブマイコン20をリセットする。
また、統合IC30は、車両のドアが開扉された際に、LIN(Local Interconnect Network)通信により出力される信号(以下、LIN信号と呼ぶ)を受信可能に構成される。そして、IG−OFF状態で、該LIN信号を受信した場合、一定時間、メインマイコン10へのリセット信号を所定時間間隔で出力する。これにより、サブマイコン20は、該リセット信号が検知されたか否かにより統合IC30のリセット機能が正常であるか否かを診断することができる。
なお、LIN信号は、ドアに設けられるドアオープンセンサから出力された信号であってよい。また、LIN信号は、車両にユーザが乗り込む際に開始される通信信号の一例であり、ユーザが運転を開始することを検出することが可能であれば、任意の信号の受信を契機にして、統合IC30は上記リセット信号を出力してよい。
次いで、メインマイコン10、サブマイコン20、及び統合IC30の動作、特に、IG−ON前後におけるメインマイコン10の監視機能診断に関する動作について説明をする。
まず、メインマイコン10による自身のリセット処理について説明をする。
図2は、メインマイコン10が自身をリセット(WDパルスの生成を停止)する処理手順の一例を示すフローチャートである。当該処理は、IG−ON直後に起動されて、実行されてよい。
図2を参照するに、メインマイコン10は、IG−ONにより起動し、WDパルスの生成を開始する(ステップS101)。
メインマイコン10は、CPU間通信を介して、サブマイコン20のプライマリチェック状態を確認する。(ステップS102)。そして、サブマイコン20にリセットが発生しているか否かを判定する(ステップS103)。
サブマイコン20にリセットが発生していない場合(ステップS103のN)、メインマイコン10は、自身をリセットして、WDパルスの生成を停止し(ステップS104)、処理を終了する。これにより、サブマイコン20は、後述するように、メインマイコン10からのWDパルスに反転がないことを検知し、メインマイコン10にリセット信号を出力する。
また、サブマイコン20にリセットが発生している場合(ステップS103のY)、確認したサブマイコン20のプライマリチェック状態をクリアにし(ステップS105)、イニシャル処理(通常処理)を開始し(ステップS106)、本フローチャートによる処理を終了する。
このように、ステップS104におけるWDパルスの生成停止により、メインマイコン10がリセット信号を要求することによりサブマイコン20にリセット信号を出力させることができる。そのため、後述するように、該リセット信号が検知されるか否かによりサブマイコン20によるメインマイコン10のリセット機能(監視機能)を診断することができる。
次に、統合IC30の動作、即ち、LIN信号受信時におけるメインマイコン10へのリセット信号の出力動作について説明をする。
図3は、LIN信号の受信時に、統合IC30がメインマイコン10にリセット信号を出力する処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、当該処理は、車両のIG−OFF状態において、実行される。
図3を参照するに、統合IC30は、車両のIG−OFF状態において、車両のドアが開扉されたことを示すLIN信号を受信するまで待機する(ステップS201)。そして、LIN信号を受信すると、内部タイマのカウントアップを開始する(ステップS202)。
統合IC30は、タイマのカウントアップ開始から(2回目以降は、前回のリセット信号の出力から)の経過時間が所定時間ΔT以上であるか否かを判定する(ステップS203)。そこで、経過時間が所定時間ΔT以上であれば(ステップS203のY)、メインマイコン10へリセット信号を出力する。
そして、統合IC30は、タイマのカウントアップ開始からの合計経過時間が所定時間T以上であるか否かを判定し(ステップS205)、当該条件を満たすまで、ステップS203〜S205を繰り返す。即ち、統合IC30は、タイマのカウントアップ開始から所定時間Tの間、所定時間ΔT毎にメインマイコン10へのリセット信号を出力する。
タイマのカウントアップ開始からの合計経過時間が所定時間T以上になった場合(ステップS205のY)、内部タイマをカウントクリアにし(ステップS206)、処理を終了する。
このように、メインマイコン10へのリセット信号を一定時間、繰り返し出力することで、後述するように、該リセット信号が検知されたか否かにより、統合IC30によるメインマイコン10のリセット機能(監視機能)を診断することができる。
次に、サブマイコン20の動作、即ち、統合IC30によるメインマイコン10の監視機能の診断を含むメインマイコン10の監視機能全体を診断する動作について説明をする。
図4は、サブマイコン20が、統合IC30によるメインマイコン10の監視機能の診断を含むメインマイコン10の監視機能全体を診断する処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、サブマイコン20は、LIN信号の受信により起動し、当該処理は、サブマイコン20の起動直後、実行される。
図4を参照するに、サブマイコン20は、メインマイコン10からのWDパルスが停止している(即ち、メインマイコン10が停止している)ことを確認する(ステップS301)。そして、モニタ線22を通じて、統合IC30からメインマイコン10へのリセット信号が検知されたか否かを判定する(ステップS302)。上述したとおり、統合IC30は、LIN信号を受信すると、一定時間、所定時間毎にリセット信号を出力するので、ステップS302では、該リセット信号が検知されたか否かを判定する。
統合IC30からメインマイコン10へのリセット信号が検知された場合(ステップS302のY)、サブマイコン20は、統合IC30によるメインマイコン10のリセット機能が正常であると判定して、リセット機能確認フラグAをONにする(ステップS303)。また、統合IC30からメインマイコン10へのリセット信号が検知されなかった場合(ステップS302のN)、サブマイコン20は、統合IC30によるメインマイコン10のリセット機能が異常であると判定して、リセット機能確認フラグAをOFFにする(ステップS304)。
続いて、サブマイコン20は、メインマイコン10(WDパルス生成部11)が起動するまで待機する(ステップS305)。メインマイコン10(WDパルス生成部11)が起動すると(ステップS305のY)、メインマイコン10からのリセット要求を受信するまで、即ち、メインマイコン10によるWDパルスの生成が停止されるまで待機する(ステップS306)。メインマイコン10によるWDパルスの生成が停止された場合(ステップS306のY)、モニタ線22を通じて、サブマイコン20自身からメインマイコン10へのリセット信号が検知されたか否かを判定する(ステップS307)。上述したとおり、メインマイコン10は、IG−ONにより起動し、起動後、リセット処理によりWDパルスの生成を停止する(図2のステップS104)ので、サブマイコン20は、WDパルスが反転しないことを検知し、メインマイコン10にリセット信号を出力する。そのため、ステップS307では、該リセット信号が検知されるか否かを判定する。
サブマイコン20からメインマイコン10へのリセット信号が検知された場合(ステップS307のY)、サブマイコン20によるメインマイコン10のリセット機能は正常であると判定し、リセット機能確認フラグBをONにする(ステップS308)。また、サブマイコン20からメインマイコン10へのリセット信号が検知されなかった場合(ステップS307のN)、サブマイコン20によるメインマイコン10のリセット機能は異常であると判定し、リセット機能確認フラグBをOFFにする(ステップS309)。
続いて、サブマイコン20は、メインマイコン10の監視機能全体の診断を行う。具体的には、リセット機能確認フラグAがON、かつ、リセット機能確認フラグBがONであるか否かを判定する(ステップS310)。即ち、統合IC30によるメインマイコン10のリセット機能(監視機能)とサブマイコン20によるメインマイコン10のリセット機能(監視機能)が共に正常であるか否かを判定する。当該条件を満足する場合(ステップS310のY)、サブマイコン20と統合IC30によるメインマイコン10の2重監視が保障されていることを示す監視機能保障フラグをONにし、メインマイコン10の監視を保障するレベル(保障レベル)を最も高いレベル3に設定する(ステップS313)。
また、当該条件を満足しない場合(ステップS310のN)、リセット機能確認フラグBがONであるか否かを判定する(ステップS311)。即ち、サブマイコン20によるメインマイコン10のリセット機能(監視機能)が正常であるか否かを判定する。当該条件を満足する場合(ステップS311のY)、保障レベルをレベル2に設定する(ステップS314)。
また、当該条件を満足しない場合(ステップS311のN)、リセット機能確認フラグAがONであるか否かを判定する(ステップS312)。即ち、統合IC30によるメインマイコン10のリセット機能(監視機能)が正常であるか否かを判定する。当該条件を満足する場合(ステップS312のY)、保障レベルをレベル1に設定する(ステップS315)。
また、当該条件を満足しない場合(ステップS312のN)、保障レベルを、メインマイコン10の動作が正常であるか否かの監視がされていない(未監視)状態であることを示すレベル0に設定する(ステップS316)。
このように、メインマイコン10の監視機能全体の診断手法の一例として、メインマイコン10の監視機能の状態が良好なほど高いレベルが割り当てられる。具体的には、統合IC30によるメインマイコン10の監視機能とサブマイコン20によるメインマイコン10の監視機能の両方が正常である場合に、最も高いレベル3が割り当てられる。また、両方が異常である場合に最も低いレベル0が割り当てられる。また、サブマイコン20による監視機能のみが正常な場合、レベル2が割り当てられ、統合IC30による監視機能のみが正常な場合、レベル1が割り当てられる。
サブマイコン20は、メインマイコン10が2重監視下にあるか否かを示す監視機能保障フラグ(及び設定された保障レベル)をCPU間通信によりメインマイコン10に送信して(ステップS317)、処理を終了する。
次に、統合IC30及びサブマイコン20によるメインマイコン10の監視機能診断処理全体の動作について、図5のタイミングチャートを用いて、具体的に説明をする。
図5は、統合IC30及びサブマイコン20によるメインマイコン10の監視機能が正常な場合のタイミングチャートである。図5において、図示した信号は上から順番に、a)LIN信号、b)IG信号、c)WDパルス(メインマイコン10)、d)WDパルス(サブマイコン20)、e)リセット信号(統合IC30→メインマイコン10)、f)リセット信号(サブマイコン20→メインマイコン10)、g)リセット機能確認フラグA(統合IC30)、h)リセット機能確認フラグB(サブマイコン20)、i)監視機能保障フラグ(2重監視保障フラグ)である。
以下、時刻t0から時刻t5にかけての時間経過に沿って、図5のタイミングチャートの説明を行う。
時刻t0:運転者等による車両のドア開扉に対応して、LIN信号が出力される(図中A)。サブマイコン20は、当該LIN信号を受信すると、起動し、WDパルスの生成を開始する(図中B)。また、統合IC30は、当該LIN信号を受信すると、一定時間の間、具体的には、時刻t0から時刻t2の間で、所定時間毎にリセット信号を出力する。本例で、統合IC30は、メインマイコン10へのリセット信号を3回出力する。
時刻t1:統合IC30がメインマイコン10へのリセット信号(1回目)を出力すると、サブマイコン20が該リセット信号を検知し、統合IC30によるメインマイコン10の監視機能は正常であると判定し、リセット機能確認フラグAをONにする(図中D)。なお、統合IC30からメインマイコン10へのリセット線の断線等により、リセット信号が検知されない場合、統合IC30によるメインマイコン10の監視機能は異常であると判定し、リセット機能確認フラグAをOFFの状態に維持(確定)する。
時刻t2:統合IC30は、メインマイコン10へのリセット信号(3回目)を出力し、LIN信号の受信に対応したメインマイコン10へのリセット信号出力処理を終了する。
時刻t3:運転者によるイグニッションスイッチのオン操作によりIG信号がON(IG−ON)になる。これにより、メインマイコン10が起動し、WDパルスの生成を開始する(図中E)。
時刻t4:メインマイコン10は、サブマイコン20のプライマリチェック状態を確認し、サブマイコン20がリセットしていないので、自身をリセットし、WDパルスの生成を一時的に停止する(図中F)。これにより、メインマイコン10のWDパルスが反転しないため、サブマイコン20は、メインマイコン10にリセット信号を出力する(図中G)。
時刻t5:サブマイコン20は、モニタ線22を通じて、サブマイコン20自身からメインマイコン10へのリセット信号を検知することにより、サブマイコン20によるメインマイコン10の監視機能は正常であると判定し、リセット機能確認フラグBをONにする(図中H)。また、リセット機能確認フラグA、及びリセット機能確認フラグB共に、ONであるため、監視機能保障フラグ(2重監視保障フラグ)をONにする。なお、サブマイコン20からメインマイコン10へのリセット線の断線等により、リセット信号が検知されない場合、サブマイコン20によるメインマイコン10の監視機能は異常であると判定し、リセット機能確認フラグBをOFFの状態に維持(確定)する。また、リセット機能確認フラグA又はリセット機能確認フラグBの少なくとも一方がOFFの場合、監視機能保障フラグはOFF状態に維持(確定)する。
上述したように、監視機能保障フラグは、CPU間通信を通じて、サブマイコン20からメインマイコン10に通知される。メインマイコン10は、監視機能保障フラグがONであることを確認することにより、メインマイコン10自身が2重監視状態にあることを認知することができ、通常の制御処理に移行してよい。
以上、本実施形態における電子制御装置100では、IG−ON以前、即ち、LIN信号の受信時に、サブマイコン20と統合IC30が起動する。そして、メインマイコン10の停止状態において、統合IC30がメインマイコン10へのリセット信号を出力し、該リセット信号をサブマイコン20が検知したか否かにより統合IC30によるメインマイコン10の監視機能を診断することができる。また、IG−ON時には、サブマイコン20が、プライマリチェックにおいて、サブマイコン20によるメインマイコン10の監視機能を診断する。
このように、IG−OFF状態(LIN信号受信時)において、統合IC30によるメインマイコン10の監視機能が正常か否かを判定することにより、プライマリチェック時のデッドラインを超えることなく、複数の監視装置(サブマイコン20及び統合IC30)それぞれによるメインマイコン10に対する監視機能を診断することができる。また、LIN信号受信時に、追加されたメインマイコン10の監視装置(統合IC30)の機能診断を実施することにより、プライマリチェックにおけるチェック項目に影響を与えることがなく、例えば、タスク調整等によりチェックされない項目が生じることもない。
また、メインマイコン10に対する監視機能の診断が二重化されるので、サブマイコン20と統合IC30のうち一方の監視機能が異常になったとしても、車両は走行することができる。そのため、例えば、メインマイコン10の監視機能の一方が異常になった場合、ワーニングランプ等により運転者に異常であることを通知することで、運転者はディーラー等に自走して車両を持ち込み、該車両を修理することができる。
また、プライマリチェックのデッドラインを延長する必要もないので、運転者によるイグニッションスイッチのオン操作からエンジン始動やメインシステムの起動までの時間が延長することによる運転者への違和感を抑制することができる。また、同様に、電子制御装置100にCAN(Controller Area Network)通信のゲートウェイ機能が統合されている場合において、デッドラインが延長されることによるCAN通信開始の遅延を防止することができる。
以上、本発明を実施するための形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、統合IC30は、3つ目のマイコンにより置き換えてもよい。また、3つ以上の監視装置を有していてもよい。この場合、メインマイコン10の監視機能を三重以上にすることができる。
また、上述した実施形態では、1つの電子制御装置100内にメインマイコン10の監視装置であるサブマイコン20と統合IC30が配置されていたが、サブマイコン20と統合IC30の少なくとも一方が電子制御装置100の外部に配置されていてもよい。
10 メインマイコン(マイコン)
20 サブマイコン(第2の監視装置)
30 統合IC(第1の監視装置)
100 電子制御装置(情報処理装置)
20 サブマイコン(第2の監視装置)
30 統合IC(第1の監視装置)
100 電子制御装置(情報処理装置)
Claims (1)
- 車両に搭載され、マイコンが正常に動作しているか否かを監視し、前記マイコンの動作が異常である場合、前記マイコンをリセットする第1の監視装置、及び第2の監視装置を備えた情報処理装置であって、
前記第1の監視装置は、
イグニッションスイッチがオフ状態において、前記車両のドアが開扉した際に出力される所定の信号を受信したときに、前記マイコンをリセットするリセット信号を出力し、
前記第2の監視装置は、
前記リセット信号を検知することが可能であり、前記リセット信号が検知されたか否かによって、前記第1の監視装置による前記マイコンの監視機能の異常を検知する、
情報処理装置。
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