JP2008040395A - ズームレンズおよび撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フォーカスの際の作動性に優れた大口径で高変倍比のズームレンズおよび撮像装置を提供する。
【解決手段】変倍群G2に対して物体側にフォーカス群G1を配置する。フォーカス群G1は、物体側より順に、正の屈折力を持つ第1群G11と、正の屈折力を持つ第2群G12と、正の屈折力を持つ第3群G13とで構成する。第1群G11は、物体側より順に少なくとも1枚の凹レンズ(L11)と少なくとも1枚の凸レンズとを有する。無限遠物体から至近物体にフォーカスする際には、物体距離の変化に対して、無限遠寄りでは第2群G12の移動量が大きく、至近寄りでは第3群G13の移動量が大きくなるようにして、第2群G12と第3群G13とを移動させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、テレビカメラやビデオカメラ等に好適なズームレンズに関し、特に変倍群よりも物体側にフォーカス群を備え、その一部のレンズ群を移動してフォーカスするようにしたズームレンズ、およびそのズームレンズを備えた撮像装置に関する。
従来より、テレビカメラやビデオカメラ等に好適な大口径・高変倍比のズームレンズとして、物体側から順に、正の屈折力を有するフォーカス群と、負の屈折力を有する変倍群と、正または負の屈折力を有する補正群と、正の屈折力を有するリレーレンズ群とを備えた4群方式のズームレンズが知られている。また、そのような4群方式のズームレンズにおいて、フォーカス群を複数のレンズ群に分割し、その分割された一部のレンズ群を移動させてフォーカスを行うインナーフォーカス式のレンズが知られている。例えば特許文献1には、4群方式のズームレンズにおいて、フォーカス群を物体側より順に、負の屈折力の第A群、正の屈折力の第B1群、および正の屈折力の第B2群の3つのレンズ群に分け、それらのうち第B1群および第B2群を移動させるインナーフォーカス式のレンズが記載されている。特許文献1に記載のズームレンズでは、無限遠物体から近距離物体へのフォーカスの際には第B1群と第B2群とを異なる移動量で物体側へ移動させ、かつ、第B1群および第B2群の移動量を各々MB1,MB2として、MB2/MB1<1なる条件を満足するようにフォーカスが行われる。
特許第3495772号公報
しかしながら、特許文献1に記載のズームレンズは、全体として正の屈折力を有するフォーカス群において、第1群(第A群)を負の屈折力で構成しているために、第2群(第B1群)および第3群(第B2群)の正の屈折力を大きくしなければならず、第2群および第3群の厚みおよびレンズ径が大きくなりがちで質量増大傾向になるために、フォーカスの際の作動性が悪くなるという問題がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、フォーカスの際の作動性に優れた大口径で高変倍比のズームレンズおよび撮像装置を提供することにある。
本発明によるズームレンズは、変倍群と、変倍群に対して物体側に配置されたフォーカス群とを備え、フォーカス群は、物体側より順に、正の屈折力を持つ第1群と、正の屈折力を持つ第2群と、正の屈折力を持つ第3群とで構成され、かつ第1群は、物体側より順に少なくとも1枚の凹レンズと少なくとも1枚の凸レンズとを有し、無限遠物体から至近物体にフォーカスする際に、第2群と第3群とを互いに異なる移動量で移動させるようになされているものである。
本発明による撮像装置は、上記本発明によるズームレンズを備えたものである。
本発明によるズームレンズおよび撮像装置では、フォーカス群内の各群を正の屈折力を有する構成にしたことで、正の屈折力が各群に適当に分配される。これにより、フォーカス群内の第1群を負の屈折力とした場合に比べて、第2群および第3群の正の屈折力を必要以上に大きくしなくて済み、第2群および第3群の質量増大傾向が抑制され、フォーカスの際の作動性の悪化が防止される。
そして、さらに、次の好ましい条件を適宜採用して満足することで、作動性と収差性能とをより良好なものとすることができる。
本発明によるズームレンズにおいて、フォーカスする際に物体距離の変化に対して、無限遠寄りでは第2群の移動量が大きく、至近寄りでは第3群の移動量が大きくなるように第2群と第3群とを移動させるようにしても良い。
これにより、無限遠物体から最至近へとフォーカスする際に第2群および第3群を物体側へ移動させるものとすると、無限遠物体時において第1群と第2群との間の空気間隔に比べて第2群と第3群との間の空気間隔が狭い場合であっても第2群および第3群が互いに機構的に干渉することなく、適切に移動が行われる。
また、フォーカスする際に、最至近時での第2群および第3群の移動量をそれぞれZ2,Z3、無限遠物体を含む任意の有限物体時での第2群および第3群の移動量をそれぞれX2,X3としたとき、
0≦X2≦Z2/2 となる範囲で、
|X3/Z3|≦0.14 ……(1)
となる関係で第2群と第3群とを移動させることが好ましい。
これにより、無限遠寄りでのフォーカス移動量が適切に規制される。
また、フォーカスする際に、最至近時での第2群および第3群の移動量をそれぞれZ2,Z3、最至近物体を含む任意の有限物体時での第2群および第3群の移動量をそれぞれY2,Y3としたとき、
Z3/2≦Y3≦Z3 となる範囲で、
|(Z2−Y2)/Z2|≦0.05 ……(2)
となる関係で第2群と第3群とを移動させることが好ましい。
これにより、至近物体寄りでのフォーカス移動量が適切に規制される。
また、フォーカス群全体の屈折力をφF、第1群、第2群および第3群の屈折力をそれぞれφ1,φ2,φ3とするとき、以下の条件式を満足することが好ましい。
これにより、フォーカス群内の各群の屈折力が最適化され、作動性を確保しつつ収差性能に有利となる。
0.013≦φ1/φF≦0.15 ……(3)
0.36≦φ2/φF≦0.65 ……(4)
0.74≦φ2/φ3≦1.60 ……(5)
また、第1群の凹レンズのd線に対する屈折率をNd1、アッベ数をνd1とするとき、凹レンズは下記不等式をすべて満足する領域に存在するレンズ材料で構成されていることが好ましい。
これにより、第1群の凹レンズのレンズ材料が最適化され、収差性能に有利となる。
Nd1≧0.014νd1+1.22 (ただし、νd1≧40) ……(6)
Nd1≧0.00267νd1+1.673 (ただし、νd1≦40) ……(7)
Nd1≦0.052νd1+0.44 ……(8)
本発明のズームレンズまたは撮像装置によれば、フォーカス群内の各群を正の屈折力を有する構成とし、正の屈折力がフォーカス群内の各群で適当に分配されるようにしたので、フォーカス群内の第1群を負の屈折力とした場合に比べて、第2群および第3群の正の屈折力を必要以上に大きくすることなく、第2群および第3群の質量増大傾向を抑制することができ、フォーカスの際の作動性を優れたものとすることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るズームレンズの第1の構成例を示している。この構成例は、後述の第1の数値実施例(図9、図10(A)および図10(B))のレンズ構成に対応している。図2は、第2の構成例を示しており、後述の第2の数値実施例(図12、図13(A)および図13(B))のレンズ構成に対応している。図3は、第3の構成例を示しており、後述の第3の数値実施例(図15、図16(A)および図16(B))のレンズ構成に対応している。図4は、第4の構成例を示しており、後述の第4の数値実施例(図18、図19(A)および図19(B))のレンズ構成に対応している。図5は、第5の構成例を示しており、後述の第5の数値実施例(図21、図22(A)および図22(B))のレンズ構成に対応している。なお、図1〜図5には、広角端で無限遠物体にフォーカスしている状態でのレンズ配置を示す。図1〜図5において、符号R1は、最も物体側の構成要素の面の曲率半径を示す。符号Diは、i番目の面とi+1番目の面との光軸Z上の面間隔を示す。なお符号Diについては、変倍に伴って変化する部分の面間隔部分に符号を付している。なお、各構成例共に基本的な構成は同じである。
このズームレンズは、テレビカメラやビデオカメラ等に好適な大口径・高変倍比のズームレンズとなっている。このズームレンズは、光軸Zに沿って物体側から順に、正の屈折力を有するフォーカス群G1と、負の屈折力を有する変倍群G2と、正または負の屈折力を有する補正群G3と、正の屈折力を有するリレーレンズ群G4とを備えた4群方式のズームレンズとなってている。補正群G3は、図1および図2に示した第1および第2の構成例では負の屈折力を有し、図3ないし図5に示した第3ないし第5の構成例では正の屈折力を有している。絞りStは、補正群G3とリレーレンズ群G4との間に配置されている。
このズームレンズの結像面(撮像面)Simgには、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の図示しない撮像素子が配置される。また、リレーレンズ群G4と撮像面との間には、色分解用のプリズムブロックGPが配置されている。図示しない撮像素子は、このズームレンズによって形成された被写体像に応じた電気信号(撮像信号)を出力する。少なくともズームレンズと撮像素子とを備えて撮像装置が構成される。
このズームレンズにおいて、変倍群G2および補正群G3は、変倍に伴い、各図にその軌跡を示したように移動する。すなわち、変倍群G2は、広角端(W)から望遠端(T)へと変倍させるに従い光軸Z上で像側に移動するようになっている。補正群G3は、変倍に伴う像面変動を補正するために、図1および図2に示した第1および第2の構成例では、広角端から望遠端へと変倍させるに従い、光軸Z上を物体側に移動した後、像側に移動する。また、図3ないし図5に示した第3ないし第5の構成例では、補正群G3は、広角端から望遠端へと変倍させるに従い、光軸Z上を物体側に移動する。フォーカス群G1は、各変倍域においてフォーカスする際に、内部の一部のレンズ群が光軸Z上を移動する。リレーレンズ群G4は、変倍およびフォーカシングの際に常時固定となっている。
フォーカス群G1は、物体側より順に、第1群G11、第2群G12および第3群G13で構成されている。第1群G11、第2群G12および第3群G13はすべて正の屈折力を有している。
第1群G11は、物体側より順に少なくとも1枚の凹レンズと少なくとも1枚の凸レンズとを有している。第1群G11は例えば、1枚の凹レンズL11と、3枚の凸レンズL12,L13,L14とで構成されている。ただし、第2および第4の構成例(図2、図4)のように、第1群G11を、1枚の凹レンズL11と、2枚の凸レンズL12,L13とで構成しても良い。また、第3および第5の構成例(図3、図5)のように、第1群G11を、1枚の凹レンズL11と、1枚の凸レンズL12とで構成しても良い。
第2群G12は例えば、1枚のレンズL21で構成されている。ただし、第3の構成例のように、2枚のレンズL21,L22で構成しても良い。また、第5の構成例のように、3枚のレンズL21,L22,L23で構成しても良い。第3群G13は例えば、1枚のレンズL31で構成されている。
第2群G12と第3群G13は、無限遠物体から最至近物体へとフォーカスする際に、最至近時では無限遠物体の位置に比べて物体側へ移動するようになっている。この際、第2群G12と第3群G13は、光軸Z上を互いに異なる移動量で移動するようになされている。例えばフォーカスする際に物体距離の変化に対して、無限遠寄りでは第2群G12の移動量が大きく、至近寄りでは第3群G13の移動量が大きくなるように移動させることが好ましい。これにより、無限遠物体から最至近へとフォーカスする際に第2群G12および第3群G13を物体側へ移動させるものとすると、無限遠物体時において第1群G11と第2群G12との間の空気間隔に比べて第2群G12と第3群G13との間の空気間隔が狭い場合であっても第2群G12および第3群G13が互いに機構的に干渉することなく、適切に移動を行わせることができる。なお、第1群G11は、フォーカス時および変倍時に常に移動しない固定群となっている。
また、フォーカスする際に、最至近時での第2群G12および第3群G13の移動量をそれぞれZ2,Z3、無限遠物体を含む任意の有限物体時での第2群G12および第3群G13の移動量をそれぞれX2,X3としたとき、
0≦X2≦Z2/2 となる範囲で、
|X3/Z3|≦0.14 ……(1)
となる関係で第2群G12と第3群13とを移動させることが好ましい。
また、フォーカスする際に、最至近時での第2群G12および第3群G13の移動量をそれぞれZ2,Z3、最至近物体を含む任意の有限物体時での第2群G12および第3群G13の移動量をそれぞれY2,Y3としたとき、
Z3/2≦Y3≦Z3 となる範囲で、
|(Z2−Y2)/Z2|≦0.05 ……(2)
となる関係で第2群G12と第3群13とを移動させることが好ましい。
また、フォーカス群G1全体の屈折力をφF、第1群G11、第2群G12および第3群G13の屈折力をそれぞれφ1,φ2,φ3とするとき、以下の条件式を満足することが好ましい。
0.013≦φ1/φF≦0.15 ……(3)
0.36≦φ2/φF≦0.65 ……(4)
0.74≦φ2/φ3≦1.60 ……(5)
また、第1群G11の凹レンズL11のd線に対する屈折率をNd1、アッベ数をνd1とするとき、凹レンズL11は下記不等式(6)〜(8)をすべて満足する領域に存在するレンズ材料で構成されていることが好ましい。
Nd1≧0.014νd1+1.22 (ただし、νd1≧40) ……(6)
Nd1≧0.00267νd1+1.673 (ただし、νd1≦40) ……(7)
Nd1≦0.052νd1+0.44 ……(8)
次に、以上のように構成されたズームレンズの作用および効果を説明する。なお、このズームレンズの特徴はフォーカス群G1の構成にあるので、特に、その部分の構成に関わる作用および効果を説明する。
高倍率で長焦点のズームレンズの場合、望遠側寄りでの軸上色収差とフォーカス群G1で発生するコマ収差とをバランス良く補正する必要がある。その軸上色収差の残存2次スペクトル量を抑えるためには、第1群G11内の凹レンズL11を適切に選択する必要がある。それにより、第1群G11に後続するフォーカス群G1内の凸レンズの屈折力配分、形状、およびレンズ材料は、最適化により比較的容易に決定しうる。凹レンズL11の材料の選択を誤ると、最適に軸上色収差量を補正したときフォーカス群G1で発生するコマ収差が、それ以降の主に変倍群G2で拡大されて補正不足となり、球面収差と像面湾曲がアンダーに倒れることと相まって、高周波成分のMTFの劣化や、開口絞りStを絞り込んだとき像面がアンダーに倒れることによる性能劣化を生じてしまう。このように第1群G11内の凹レンズL11の硝材選択とそれ以降のフォーカス群G1内の凸レンズの屈折力とを適切に配置することが必要になる。合わせて、フォーカス群G1内の各群をすべて正の屈折力で構成することで、正の屈折力をフォーカス群G1内の各群に適当に分配する。これにより、フォーカス群G1内の第1群G11を負の屈折力とした場合に比べて、第2群G12および第3群G13の正の屈折力を必要以上に大きくすることなく、第2群G12および第3群G13の質量増大傾向を抑制することができ、フォーカスの際の作動性を優れたものとすることができる。
以下、上述の各条件式について説明する。
まず、図6および図7を参照して、条件式(1),(2)について説明する。図6および図7において横軸は物体距離、縦軸はフォーカスの際の第2群G12の移動量(δ2)および第3群G13の移動量(δ3)を示す。移動量δ2,δ3は、無限遠物体にフォーカスしている状態でのレンズ位置を基準とした移動量を示す。なお、図6および図7は条件式(1),(2)の概念を説明するための模式図であり、各構成例のレンズがこれと全く同一の動きをするわけではない。各構成例のレンズにおけるフォーカス移動量の具体例は後述する。
図6および図7に示したように、第2群G12および第3群G13は、無限遠物体での位置に比べて最至近物体での位置が物体側となるように移動する。この際、物体距離の変化に対して、第2群G12の移動量δ2と第3群G13の移動量δ3とが異なるようにして第2群G12および第3群G13が移動する。
条件式(1)は、無限遠物体を含む任意の有限物体時での第2群G12の移動量X2が、
0≦X2≦Z2/2 となる範囲での第3群G13のフォーカス移動量を規制している。物体距離の変化に対して、無限遠寄りでは第2群G12の移動量を大きくし、至近寄りでは第3群G13の移動量が大きくなるように移動させた場合、
0≦X2≦Z2/2 となる範囲とは、図6に示したように、無限遠物体寄りでの移動量を示す。すなわち、条件式(1)は、第3群G13の無限遠物体寄りでのフォーカス移動量を規制している。条件式(1)を満足することは、無限遠物体寄りでは第3群G13のフォーカス移動量が至近側に比べて相対的に小さいことを意味する。条件式(1)を満足するようにして無限遠物体寄りではほとんど第2群G12のみを移動させてフォーカスすることで、遠距離寄りの軸上色収差の変動を抑えると共に、基準波長での像面湾曲の距離変動を抑えることができる。
条件式(2)は、最至近物体を含む任意の有限物体時での第3群G13の移動量Y3が、
Z3/2≦Y3≦Z3 となる範囲での第2群G12のフォーカス移動量を規制している。物体距離の変化に対して、無限遠寄りでは第2群G12の移動量を大きくし、至近寄りでは第3群G13の移動量が大きくなるように移動させた場合、
Z3/2≦Y3≦Z3 となる範囲とは、図7に示したように、至近物体寄りでの移動量を示す。すなわち、条件式(2)を満足することは、至近物体寄りでは第2群G12のフォーカス移動量が至近側に比べて相対的に小さいことを意味する。条件式(2)を満足するようにして至近物体寄りではほとんど第3群G13のみを移動させてフォーカスすることで、移動レンズ群の軽量化が図れ、作動性を良くすることができる。
条件式(3)〜(5)は、フォーカス群G1内の各群の屈折力を最適化するものである。特に、条件式(3)は第1群G11の適切な屈折力を規定している。条件式(3)の下限を下回ると第1群G11での屈折力が弱くなり、第2群G12以降の屈折力が増大し、球面収差や像面湾曲がアンダーに大きくなりコマ収差も増大する。それを補正するためにはレンズ枚数を増やすことによる大型化が免れなくなる。条件式(3)の上限を上回ると、第2群G12および第3群G13の正の屈折力が弱くなり、フォーカス移動量が増大してしまうため、レンズ全長が伸びてしまう。
条件式(4)は第2群G12の適切な屈折力を規定している。条件式(4)は、フォーカス群G1の小型化を可能とし、かつ無限遠から至近側へフォーカスする際、有効に収差補正が良好に抑えられるよう第2群G12の屈折力を規制する。条件式(4)の下限を下回ると第2群G12の屈折力が弱くなり、任意の物体距離で移動量を大きく取る必要があるためフォーカス系全長が長くなってしまう。条件式(4)の上限を上回ると、第2群G12の屈折力が強くなり、球面収差の増大、コマ収差の増大、および像面湾曲がアンダーになる収差劣化が生じ、それを補正するためにレンズ枚数を増やす必要が生じ、フォーカス系が大型傾向になってしまう。
条件式(5)は第2群G12と第3群G13との屈折力の適切なバランスを規定している。条件式(5)は、このズームレンズによるフォーカス方式によって無限遠物体から至近側へフォーカスを行った際に、収差補正が良好に行えるフォーカス範囲を広く保つための関係式である。第2群G12と第3群G13とが一体となってフォーカスが行われる一群インナーフォーカス方式との違いを生じさせる関係式とも言える。条件式(5)の下限を下回ると第2群G12の移動でフォーカスできる範囲が狭まる。すなわち、良好に補正できうる無限遠からのフォーカス範囲が狭まる。また、条件式(5)の上限を上回ると第2群G12の屈折力が強くなり第2群G12の移動による無限遠からのフォーカス範囲は広く取れるようになるが、諸収差の劣化が著しくなる。
不等式(6)〜(8)は、第1群G11内の凹レンズL11のレンズ材料の適切な存在可能範囲を規制した式で、これら3つの式すべてを満たす範囲に凹レンズL11のレンズ材料が存在していることが好ましい。不等式(6)、(7)の条件から外れると、凹レンズL11の曲率が大きくなり、そこで発生する高次収差を後続するフォーカス群G1内のレンズで補正することが困難となる。また不等式(6)の条件を外れると、短波長側で軸上色収差が補正不足となる。不等式(8)の条件式から外れると、軸上色収差の残存2次スペクトルが大きくなり、高性能化を満足することができない。不等式(6)〜(8)は、より好ましくは、下記不等式(9)〜(11)のように範囲を狭めることで、より高性能化が図れる。
Nd1≧0.02νd1+1.0 (ただし、νd1≧40) ……(9)
Nd1≧0.0009νd1+1.764 (ただし、νd1≦40) ……(10)
Nd1≦0.08νd1−0.53 ……(11)
図8は、不等式(6)〜(8)または不等式(9)〜(11)で規定されるレンズ材料の範囲を図示したものである。図8の横軸はアッベ数νd、縦軸は屈折率Ndとなっている。領域Aが不等式(6)〜(8)で規定される範囲、領域Bが不等式(9)〜(11)で規定される範囲となっている。
以上説明したように、本実施の形態に係るズームレンズによれば、フォーカス群G1内の各群を正の屈折力を有する構成とし、正の屈折力がフォーカス群内の各群で適当に分配されるようにしたので、フォーカス群G1内の第1群G11を負の屈折力とした場合に比べて、第2群G12および第3群G13の質量増大傾向を抑制することができ、フォーカスの際の作動性を優れたものとすることができる。また、適宜好ましい条件を採用して満足することで、作動性と収差性能とをより良好なものとすることができる。
次に、本実施の形態に係るズームレンズの具体的な数値実施例について説明する。以下では、第1ないし第5の数値実施例をまとめて説明する。
図1に示したズームレンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例1として、図9に示す。図9に示したレンズデータにおける面番号Siの欄には、実施例1に係るズームレンズについて、最も物体側の構成要素の面を1番目として、像側に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目(i=1〜44)の面の番号を示している。曲率半径Riの欄には、図1において付した符号R1を1番目として物体側からi番目の面の曲率半径の値(mm)を示す。面間隔Diの欄についても、同様に物体側からi番目の面Siとi+1番目の面Si+1との光軸上の間隔(mm)を示す。Ndiの欄には、隣り合うレンズ面間のd線(波長587.6nm)に対する屈折率の値を示す。νdjの欄には、物体側からj番目の光学要素のd線に対するアッベ数の値を示す。図9にはまた、諸データとして、広角端および望遠端における全系の近軸焦点距離f(mm)、Fナンバー(FNO.)、および半画角ωの値についても示す。
実施例1に係るズームレンズは、変倍に伴って変倍群G2および補正群G3が光軸上を移動するため、これらの各群の前後の面間隔D12,D22,D25の値は可変となっている。図10(A)には、これらの可変面間隔の変倍時のデータとして、広角端、中間焦点距離および望遠端における値を示す。また、この実施例1に係るズームレンズは、各変倍域においてフォーカスする際に、フォーカス群G1内の第2群G12および第3群G13が光軸上を移動する。図10(B)には、フォーカスの際の有限物体距離での第2群G12の移動量δ2(mm)および第3群G13の移動量δ3(mm)を示す。また、図11には、横軸を物体距離、縦軸をフォーカスの際の移動量として、第2群G12および第3群G13の移動量δ2,δ3の変化を示す。なお、各変倍域でフォーカスの際の移動量δ2,δ3の軌跡は同じである。
以上の実施例1に係るズームレンズと同様にして、図2に示したズームレンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例2として、図12に示す(i=1〜41)。この実施例2に係るズームレンズも、変倍に伴って変倍群G2および補正群G3が光軸上を移動するため、これらの各群の前後の面間隔D10,D17,D20の値が可変となっている。図13(A)には、これらの可変面間隔の変倍時のデータを示す。図13(B)には、フォーカスの際の有限物体距離での第2群G12の移動量δ2および第3群G13の移動量δ3を示す。また、図14には、横軸を物体距離、縦軸をフォーカスの際の移動量として、第2群G12および第3群G13の移動量δ2,δ3の変化を示す。なお、各変倍域でフォーカスの際の移動量δ2,δ3の軌跡は同じである。
同様にして、図3に示したズームレンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例3として、図15に示す(i=1〜48)。この実施例3に係るズームレンズも、変倍に伴って変倍群G2および補正群G3が光軸上を移動するため、これらの各群の前後の面間隔D10,D20,D29の値が可変となっている。図16(A)には、これらの可変面間隔の変倍時のデータを示す。図16(B)には、フォーカスの際の有限物体距離での第2群G12の移動量δ2および第3群G13の移動量δ3を示す。また、図17には、横軸を物体距離、縦軸をフォーカスの際の移動量として、第2群G12および第3群G13の移動量δ2,δ3の変化を示す。なお、各変倍域でフォーカスの際の移動量δ2,δ3の軌跡は同じである。
同様にして、図4に示したズームレンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例4として、図18に示す(i=1〜48)。この実施例4に係るズームレンズも、変倍に伴って変倍群G2および補正群G3が光軸上を移動するため、これらの各群の前後の面間隔D10,D20,D29の値が可変となっている。図19(A)には、これらの可変面間隔の変倍時のデータを示す。図19(B)には、フォーカスの際の有限物体距離での第2群G12の移動量δ2および第3群G13の移動量δ3を示す。また、図20には、横軸を物体距離、縦軸をフォーカスの際の移動量として、第2群G12および第3群G13の移動量δ2,δ3の変化を示す。なお、各変倍域でフォーカスの際の移動量δ2,δ3の軌跡は同じである。
同様にして、図5に示したズームレンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例5として、図21に示す(i=1〜50)。この実施例5に係るズームレンズも、変倍に伴って変倍群G2および補正群G3が光軸上を移動するため、これらの各群の前後の面間隔D12,D22,D31の値が可変となっている。図22(A)には、これらの可変面間隔の変倍時のデータを示す。図22(B)には、フォーカスの際の有限物体距離での第2群G12の移動量δ2および第3群G13の移動量δ3を示す。また、図23には、横軸を物体距離、縦軸をフォーカスの際の移動量として、第2群G12および第3群G13の移動量δ2,δ3の変化を示す。なお、各変倍域でフォーカスの際の移動量δ2,δ3の軌跡は同じである。
図24(A),図24(B)には、上述の各条件式に関する値を、各実施例についてまとめたものを示す。なお、図24(A)において網掛けして強調表示している部分は、条件式から値が外れていることを示す。すなわち、実施例1に係るズームレンズは、フォーカス移動量に関する条件式(1)、(2)の条件を満たしていない。これは実施例1に係るズームレンズは、望遠端の焦点距離が他の実施例に比べて比較的短く、残存軸上色収差の絶対量も元々小さいため、本発明のフォーカス方式で軸上色収差の距離変動を抑える効果をあまり必要とせず、基準波長の距離変動による諸収差の変動も抑えられているためである。実施例1に係るズームレンズが条件式(1)、(2)の条件を満たしていないことを除いて、各実施例の値は、各条件式の数値範囲内となっている。
図25(A)〜図25(C)はそれぞれ、実施例1に係るズームレンズにおいて望遠端で無限遠物体にフォーカスしている状態での球面収差、非点収差、およびディストーション(歪曲収差)を示している。各収差図には、d線を基準波長とした収差を示す。球面収差図および軸上色収差図には、g線(波長435.8nm),C線(波長656.3nm)についての収差も示す。非点収差図において、実線はサジタル方向、破線はタンジェンシャル方向の収差を示す。FNO.はF値、ωは半画角を示す。同様にして、3mの物体距離にフォーカスしている状態での諸収差を図26(A)〜図26(C)に示す。また、1.4mの物体距離にフォーカスしている状態での諸収差を図27(A)〜図27(C)に示す。また、0.75mの最至近、最短物体距離(M.O.D)にフォーカスしている状態での諸収差を図28(A)〜図28(C)に示す。
同様にして、実施例2に係るズームレンズにおいて望遠端で無限遠物体にフォーカスしている状態での諸収差を図29(A)〜図29(C)に示す。同様にして、9.6mの物体距離にフォーカスしている状態での諸収差を図30(A)〜図30(C)に示す。また、3.41mの物体距離にフォーカスしている状態での諸収差を図31(A)〜図31(C)に示す。また、2.2mの最至近、最短物体距離(M.O.D)にフォーカスしている状態での諸収差を、図32(A)〜図32(C)に示す。
同様にして、実施例3に係るズームレンズにおいて望遠端で無限遠物体にフォーカスしている状態での諸収差を図33(A)〜図33(C)に示す。同様にして、13.9mの物体距離にフォーカスしている状態での諸収差を図34(A)〜図34(C)に示す。また、3.96mの物体距離にフォーカスしている状態での諸収差を図35(A)〜図35(C)に示す。また、2.75mの最至近、最短物体距離(M.O.D)にフォーカスしている状態での諸収差を、図36(A)〜図36(C)に示す。
同様にして、実施例4に係るズームレンズにおいて望遠端で無限遠物体にフォーカスしている状態での諸収差を図37(A)〜図37(C)に示す。同様にして、15.9mの物体距離にフォーカスしている状態での諸収差を図38(A)〜図38(C)に示す。また、4.06mの物体距離にフォーカスしている状態での諸収差を図39(A)〜図39(C)に示す。また、2.75mの最至近、最短物体距離(M.O.D)にフォーカスしている状態での諸収差を、図40(A)〜図40(C)に示す。
同様にして、実施例5に係るズームレンズにおいて望遠端で無限遠物体にフォーカスしている状態での諸収差を図41(A)〜図41(C)に示す。同様にして、13.03mの物体距離にフォーカスしている状態での諸収差を図42(A)〜図42(C)に示す。また、3.89mの物体距離にフォーカスしている状態での諸収差を図43(A)〜図43(C)に示す。また、2.75mの最至近、最短物体距離(M.O.D)にフォーカスしている状態での諸収差を、図44(A)〜図44(C)に示す。
以上の各数値データおよび各収差図から分かるように、各実施例について、フォーカスの際の諸収差の変動が良好に抑えられた大口径・高変倍比のズームレンズが実現できている。
なお、本発明は、上記実施の形態および各実施例に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔および屈折率の値などは、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得る。また、本発明は、特にフォーカス群の構成に特徴があり、ズーム方式自体は上記実施の形態で説明した例に限られるものではない。
本発明の一実施の形態に係るズームレンズの第1の構成例を示すものであり、実施例1に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係るズームレンズの第2の構成例を示すものであり、実施例2に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係るズームレンズの第3の構成例を示すものであり、実施例3に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係るズームレンズの第4の構成例を示すものであり、実施例4に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係るズームレンズの第5の構成例を示すものであり、実施例5に対応するレンズ断面図である。 無限遠物体寄りでのフォーカス移動量についての説明図である。 至近物体寄りでのフォーカス移動量についての説明図である。 好ましいレンズ材料の範囲を示す説明図である。 実施例1に係るズームレンズの基本的なレンズデータを示す図である。 実施例1に係るズームレンズにおいて、変倍に伴って移動する部分の面間隔(A)とフォーカスに伴って移動するレンズ群の移動量(B)を示す図である。 実施例1に係るズームレンズにおけるフォーカス時のレンズ移動量を示すグラフである。 実施例2に係るズームレンズの基本的なレンズデータを示す図である。 実施例2に係るズームレンズにおいて、変倍に伴って移動する部分の面間隔(A)とフォーカスに伴って移動するレンズ群の移動量(B)を示す図である。 実施例2に係るズームレンズにおけるフォーカス時のレンズ移動量を示すグラフである。 実施例3に係るズームレンズの基本的なレンズデータを示す図である。 実施例3に係るズームレンズにおいて、変倍に伴って移動する部分の面間隔(A)とフォーカスに伴って移動するレンズ群の移動量(B)を示す図である。 実施例3に係るズームレンズにおけるフォーカス時のレンズ移動量を示すグラフである。 実施例4に係るズームレンズの基本的なレンズデータを示す図である。 実施例4に係るズームレンズにおいて、変倍に伴って移動する部分の面間隔(A)とフォーカスに伴って移動するレンズ群の移動量(B)を示す図である。 実施例4に係るズームレンズにおけるフォーカス時のレンズ移動量を示すグラフである。 実施例5に係るズームレンズの基本的なレンズデータを示す図である。 実施例5に係るズームレンズにおいて、変倍に伴って移動する部分の面間隔(A)とフォーカスに伴って移動するレンズ群の移動量(B)を示す図である。 実施例5に係るズームレンズにおけるフォーカス時のレンズ移動量を示すグラフである。 条件式に関する値を各実施例についてまとめて示した図である。 実施例1に係るズームレンズの望遠端、かつ物体距離・無限遠における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)は歪曲収差を示す。 実施例1に係るズームレンズの望遠端、かつ物体距離・3mにおける諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーションを示す。 実施例1に係るズームレンズの望遠端、かつ物体距離・1.4mにおける諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーションを示す。 実施例1に係るズームレンズの望遠端、かつ最至近物体距離・0.75mにおける諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーションを示す。 実施例2に係るズームレンズの望遠端、かつ物体距離・無限遠における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)は歪曲収差を示す。 実施例2に係るズームレンズの望遠端、かつ物体距離・9.6mにおける諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーションを示す。 実施例2に係るズームレンズの望遠端、かつ物体距離・3.41mにおける諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーションを示す。 実施例2に係るズームレンズの望遠端、かつ最至近物体距離・2.2mにおける諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーションを示す。 実施例3に係るズームレンズの望遠端、かつ物体距離・無限遠における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)は歪曲収差を示す。 実施例3に係るズームレンズの望遠端、かつ物体距離・13.9mにおける諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーションを示す。 実施例3に係るズームレンズの望遠端、かつ物体距離・3.96mにおける諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーションを示す。 実施例3に係るズームレンズの望遠端、かつ最至近物体距離・2.75mにおける諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーションを示す。 実施例4に係るズームレンズの望遠端、かつ物体距離・無限遠における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)は歪曲収差を示す。 実施例4に係るズームレンズの望遠端、かつ物体距離・15.9mにおける諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーションを示す。 実施例4に係るズームレンズの望遠端、かつ物体距離・4.06mにおける諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーションを示す。 実施例4に係るズームレンズの望遠端、かつ最至近物体距離・2.75mにおける諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーションを示す。 実施例5に係るズームレンズの望遠端、かつ物体距離・無限遠における諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)は歪曲収差を示す。 実施例5に係るズームレンズの望遠端、かつ物体距離・13.03mにおける諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーションを示す。 実施例5に係るズームレンズの望遠端、かつ物体距離・3.89mにおける諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーションを示す。 実施例5に係るズームレンズの望遠端、かつ最至近物体距離・2.75mにおける諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーションを示す。
符号の説明
GP…プリズムブロック、G1…フォーカス群、G2…変倍群、G3…補正群、G4…リレーレンズ群、G11…フォーカス群内の第1群、G12…フォーカス群内の第2群、G13…フォーカス群内の第3群、St…絞り、Ri…物体側から第1番目のレンズ面の曲率半径、Di…物体側から第1番目と第1+1番目のレンズ面との面間隔、Z…光軸。

Claims (7)

  1. 変倍群と、前記変倍群に対して物体側に配置されたフォーカス群とを備え、
    前記フォーカス群は、物体側より順に、正の屈折力を持つ第1群と、正の屈折力を持つ第2群と、正の屈折力を持つ第3群とで構成され、かつ前記第1群は、物体側より順に少なくとも1枚の凹レンズと少なくとも1枚の凸レンズとを有し、無限遠物体から至近物体にフォーカスする際に、前記第2群と前記第3群とを互いに異なる移動量で移動させるようになされている
    ことを特徴とするズームレンズ。
  2. フォーカスする際に物体距離の変化に対して、無限遠寄りでは前記第2群の移動量が大きく、至近寄りでは前記第3群の移動量が大きくなるように前記第2群と前記第3群とを移動させる
    ことを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
  3. フォーカスする際に、最至近時での前記第2群および前記第3群の移動量をそれぞれZ2,Z3、無限遠物体を含む任意の有限物体時での前記第2群および前記第3群の移動量をそれぞれX2,X3としたとき、
    0≦X2≦Z2/2 となる範囲で、
    |X3/Z3|≦0.14 ……(1)
    となる関係で前記第2群と前記第3群とを移動させる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のズームレンズ。
  4. フォーカスする際に、最至近時での前記第2群および前記第3群の移動量をそれぞれZ2,Z3、最至近物体を含む任意の有限物体時での前記第2群および前記第3群の移動量をそれぞれY2,Y3としたとき、
    Z3/2≦Y3≦Z3 となる範囲で、
    |(Z2−Y2)/Z2|≦0.05 ……(2)
    となる関係で前記第2群と前記第3群とを移動させる
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  5. 前記フォーカス群全体の屈折力をφF、前記第1群、前記第2群および前記第3群の屈折力をそれぞれφ1,φ2,φ3とするとき、以下の条件式を満足する
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のズームレンズ。
    0.013≦φ1/φF≦0.15 ……(3)
    0.36≦φ2/φF≦0.65 ……(4)
    0.74≦φ2/φ3≦1.60 ……(5)
  6. 前記第1群の凹レンズのd線に対する屈折率をNd1、アッベ数をνd1とするとき、前記凹レンズは下記不等式をすべて満足する領域に存在するレンズ材料で構成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のズームレンズ。
    Nd1≧0.014νd1+1.22 (ただし、νd1≧40) ……(6)
    Nd1≧0.00267νd1+1.673 (ただし、νd1≦40) ……(7)
    Nd1≦0.052νd1+0.44 ……(8)
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のズームレンズを備えたことを特徴とする撮像装置。

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