JP2008037914A - フッ素樹脂水性分散液 - Google Patents

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Abstract

【課題】
はじきを生じにくく、増粘温度が高く、消泡性が良く、こすれ安定性が良く、焼成後にも着色が少ないフッ素樹脂塗膜が得られる、フッ素樹脂水性分散液を提供する。
【解決手段】
フッ素樹脂微粒子を20〜70質量%、一般式(1)R−O−A−X(式中、Rは炭素数6〜18のアルキル基であり、Oは酸素原子であり、Aは1〜3個のオキシブチレン基と5〜20個のオキシエチレン基からなるポリオキシアルキレン鎖であり、Xは水素原子またはメチル基である。)で表される非イオン性界面活性剤をフッ素樹脂質量に対して1〜12質量%含有するフッ素樹脂水性分散液。
【選択図】なし

Description

本発明は、フッ素樹脂微粒子を含むフッ素樹脂水性分散液に関する。
フッ素樹脂微粒子を含むフッ素樹脂水性分散液は、フッ素樹脂の特性である耐熱性、耐薬品性、非粘着性、自己潤滑性、耐候性、撥水撥油性などを生かした用途に広く用いられている。フッ素樹脂は、一般的には、乳化重合法により製造されている。例えば、乳化重合法によるポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという。)は、純水、過酸化物系重合開始剤、アニオン性のフッ素系界面活性剤、および重合安定剤である高級パラフィン等の混合物を撹拌しつつ、テトラフルオロエチレン(以下、TFEという。)を単独で重合あるいはコモノマーと共重合させることにより、平均粒径が0.1〜0.5μmのPTFE微粒子が分散した乳化重合液として得られている(非特許文献1参照)。
この乳化重合液は凝集しやすく不安定であるため、従来は、この乳化重合液にポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系非イオン性界面活性剤、たとえば、平均分子構造がC81764O(C24O)10Hであるユニオンカーバイド社製トライトンX100などを加えて安定化されたPTFE低濃度水性分散液を得たり、または、このPTFE低濃度水性分散液を電気泳動法や相分離法等の公知の方法を用いて濃縮してPTFE高濃度水性分散液としたり、さらに長期保存時の安定化や各種用途に適した粘度などの液物性とするために、水、アンモニア、界面活性剤やその他の成分の1種以上を添加し、PTFE水性分散液としている。
しかし、上記従来例におけるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系非イオン性界面活性剤を使用したPTFE水性分散液は、下記の問題点があった。
(1)PTFE水性分散液をコーティングし、PTFEの融点以上、たとえば380℃10分間焼付け加工されたPTFE塗膜は黄色く着色し、厚みが厚くなるほど著しくなる。
この着色の原因は、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの熱分解残渣であるタール成分がPTFE塗膜中に残留するためと考えられる。
(2)工程中でPTFE水性分散液に泡が発生すると消えにくく、泡が製品に付着すると、塗膜の厚みむらとなり製品の欠陥になりやすい。
(3)厚い塗膜を得ようとする場合、一度に厚く塗るとクラックが発生するため、一定厚さ以下でPTFE水性分散液を塗り重ねる必要がある。しかし、PTFE塗膜の表面はPTFE水性分散液を非常にはじきやすいため、PTFE塗膜の一部にPTFE水性分散液を塗れない部分が生じて、はじきという現象が起こり、はじいた跡がPTFE塗膜の厚みむらとなり製品の欠陥になりやすい。
(4)PTFE水性分散液は、一定温度以上で急激に増粘するため、塗布時に温度コントロールを行ない、塗布厚を安定させる必要がある。しかし、一般に、塗布を行なう場所は焼成炉と隣接しているために室温が上昇しやすく調整困難である場合が多い。PTFE水性分散液の増粘温度を高くすることは界面活性剤の配合調整により可能であるが、液の表面張力が高くなり、はじきを生じやすい。
また、PTFE以外のフッ素樹脂水性分散液も、同様な問題点があった。
前記問題点(1)に対する方法として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤を使用する方法が提案されており(特許文献1参照)、焼成後の着色がないことが記載されている。しかしこの化合物を用いた場合にも、(2)、(3)、(4)の問題は解消されない。
また、オキシエチレン基とオキシプロピレン基を有するアルキルエーテル系界面活性剤を使用する方法が提案されており(特許文献2参照)、焼成後の着色がなく、消泡性が良いことが記載されている。しかしこの化合物を用いた場合にも、(3)、(4)の問題は充分には解消されない。
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、焼成後の着色がなく、消泡性が良く、塗布時にもフッ素樹脂水性分散液のはじきが発生せず、高温でも粘度が増加し難い、好適に使用できるフッ素樹脂水性分散液を提供することを目的とする。
なお、本発明において、フッ素樹脂水性分散液とは、フッ素樹脂乳化重合液に非イオン性界面活性剤を溶解させて得られるフッ素樹脂低濃度水性分散液、フッ素樹脂低濃度水性分散液を濃縮したフッ素樹脂高濃度水性分散液、フッ素樹脂低濃度水性分散液またはフッ素樹脂高濃度水性分散液を使用して非イオン性界面活性剤やその他の成分の1種以上を配合して得られるフッ素樹脂水性分散液の総称である。
ふっ素樹脂ハンドブックP28、里川孝臣編、日刊工業新聞社発行 特開平8−269285号公報(USP6153688) 特開平11−240993号公報(USP6498207)
本発明者らは、前述した課題を克服するために研究を重ねた結果、特定の分子構造を有する非イオン性界面活性剤をフッ素樹脂水性分散液に配合することにより、前述の問題点をすべて解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、フッ素樹脂微粒子を20〜70質量%、一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤をフッ素樹脂の質量に対して1〜12質量%含有することを特徴とする、フッ素樹脂水性分散液を提供する。
−O−A−X (1)
(式中、Rは炭素数6〜18のアルキル基であり、Oは酸素原子であり、Aは1〜3個のオキシブチレン基と5〜20個のオキシエチレン基からなるポリオキシアルキレン鎖であり、Xは水素原子またはメチル基である。)
また、本発明は、上記フッ素樹脂水性分散液において、一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤の他に、オキシブチレン基を有しない非イオン性界面活性剤が含まれており、非イオン性界面活性剤全体の平均値として、非イオン性界面活性剤1分子当りのオキシブチレン基数が0.5〜2であるフッ素樹脂水性分散液を提供する。
また、本発明は、上記フッ素樹脂水性分散液において、前記フッ素樹脂水性分散液が、さらに、フッ素系界面活性剤を含有し、フッ素系界面活性剤の含有量が、フッ素樹脂の質量に対して0.2質量%以下であるフッ素樹脂水性分散液を提供する。
また、本発明は、上記フッ素樹脂水性分散液において、前記フッ素系界面活性剤が、下記一般式(2)で表されるフッ素系界面活性剤であるフッ素樹脂水性分散液を提供する。
−COOY (2)
(式中、Rは、1〜2個のエーテル性酸素原子を含んでもよい炭素数5〜9のアルキル基における水素原子の90〜100%がフッ素原子で置換されているフルオロアルキル基であり、Oは酸素原子であり、Yはアンモニウムイオンである。)
また、本発明は、上記フッ素樹脂水性分散液において、前記フッ素樹脂が、PTFEであるフッ素樹脂水性分散液を提供する。
本発明のフッ素樹脂水性分散液は、含有される非イオン性界面活性剤の熱分解温度が200〜350℃であるため、通常350〜395℃で行なわれるフッ素樹脂の焼成工程でほぼ完全に熱分解し、残渣がほとんど残らず、焼成後の塗膜の着色が抑えられる。
また、本発明のフッ素樹脂水性分散液は、消泡性が良いために、攪拌操作等によってフッ素樹脂水性分散液に生じた泡が消えやすい利点があり、製品に欠点が発生しにくい。
また、本発明のフッ素樹脂水性分散液は、塗布時にもフッ素樹脂水性分散液のはじきが発生せず、高温でも粘度が増加し難い。また、増粘温度が高いために塗膜厚みが安定する。
さらに、本発明のフッ素樹脂水性分散液は、フッ素樹脂微粒子の分散安定性が良く、こすれ安定性の試験(ポンプで一定時間循環運転して凝集物発生量を調べる方法)での凝集物発生が少なく、攪拌に対する安定性も良好である。
本発明のフッ素樹脂水性分散液に使用されるフッ素樹脂微粒子は、乳化重合法により重合したものである。
乳化重合法は、水媒体中でビニル基を有するフッ素樹脂モノマーを単独重合もしくは共重合してフッ素樹脂乳化重合液を得る重合法である。フッ素樹脂の乳化重合法は、一般的には、水、重合開始剤、界面活性剤などの混合物を撹拌しつつ、フッ素樹脂モノマーを単独重合もしくは共重合することにより行われる。例えば、PTFEの好適な乳化重合法としては、耐圧オートクレーブ中で、水、重合開始剤、アニオン性フッ素系界面活性剤、パラフィンワックス等の重合安定剤等の混合物を撹拌しつつTFEを加圧下で注入することにより重合する方法が挙げられる。
重合開始剤としては、過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウム等の過硫酸塩、ジコハク酸パーオキシド、ジグルタル酸パーオキシド、tert−ブチルヒドロパーオキシド等の水溶性有機過酸化物、塩素酸塩や臭素酸塩や過マンガン酸塩と還元剤との組み合わせによる酸化還元系重合開始剤等の1種以上が使用できる。
重合安定剤としては、高級パラフィンなどが挙げられる。
重合温度は、特に制限がないが、30〜100℃が好ましく、特に50〜90℃が好ましい。
アニオン性フッ素系界面活性剤としては、一般式(2)のフッ素系界面活性剤が使用される。
−COOY (2)
(式中、Rは、1〜2個のエーテル性酸素原子を含んでもよい炭素数5〜9のアルキル基における水素原子の90〜100%がフッ素原子で置換されているフルオロアルキル基であり、Oは酸素原子であり、Yはアンモニウムイオンである。)
一般式(2)のフッ素系界面活性剤の具体例としては、C15COONH、HC14COONH、C13COONH、HC12COONH、C17COONH、COCOCFCOONH、COCOCFCOONH、COCF(CF)CFOCF(CF)COONH、COCF(CF)CFOCF(CF)COONH、COCF(CF)COONH等が挙げられるが、C15COONH(パーフルオロオクタン酸アンモニウム)、COCOCFCOONHが、重合プロセスが安定し好ましい。
一般式(2)のフッ素系界面活性剤は、PTFEの重合時に、最終的に得られるPTFEの質量に対して0.05〜1.0質量%を使用することが好ましく、より好ましくはPTFEの質量に対して0.1〜0.5質量%であり、さらに好ましくは0.15〜0.3質量%である。この範囲よりも少ないと、PTFE微粒子が凝集して製品の歩留まりが低下し、この範囲よりも多いとPTFEが微粒子として得られにくくなる。フッ素系界面活性剤は、重合反応開始前の水に溶解させておいてもよく、重合中のオートクレーブに水溶液として注入してもよい。
なお、一般式(2)のフッ素系界面活性剤は自然界中で分解されにくいため、PTFE水性分散液中の濃度を低く押えることが望ましい。濃度を低く押える方法としては、できるだけ少ない使用量で重合を行なうほか、国際公開WO03/078479号パンフレットに記載されるような濃縮時の上澄みからフッ素系界面活性剤を除去する方法、国際公開WO00/35971号パンフレットに示される陰イオン交換樹脂を用いる方法、特開55−120631号公報に示されるような限外濾過による方法等の公知の方法により、フッ素系界面活性剤濃度を低減させることができる。
本発明のPTFE水性分散液中の一般式(2)のフッ素系界面活性剤の含有量は、PTFEの質量に対して0.2質量%以下が好ましく、0.18質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下がさらに好ましく、0.05質量%以下が一層好ましく、0.01質量%以下が特に好ましい。
PTFE乳化重合液中のPTFE濃度は、通常10〜50質量%であり、PTFE濃度が15〜40質量%のものが好ましく、20〜35質量%が特に好ましい。PTFE濃度がこの範囲より小さいと、生産効率が低くなるのみでなく、PTFEの分子量が低くなるために機械的強度等の物性が低下する。また、PTFE濃度がこの範囲より大きいと、重合中の歩留まりが低下する。
本発明で使用されるPTFE微粒子の粒径は、平均粒径が0.10〜0.50μmのものであり、平均粒径0.15〜0.40μmのものが好ましく、0.20〜0.35μmのものが特に好ましい。平均粒径が小さすぎるとPTFEの分子量が低くPTFE製品としての機械的物性が低下し、大きすぎるとPTFE微粒子の沈降が速すぎて保存安定性が劣り好ましくない。
PTFEの平均分子量は任意に選ぶことができるが、50万〜3000万の範囲が好ましく、100万〜2500万の範囲が特に好ましい。この範囲よりも小さいとPTFEの機械的物性が低下し、この範囲よりも大きいと工業的に製造することが困難である。
以上、PTFEを中心に、乳化重合法及び乳化重合液中の濃度や平均粒径について説明したが、上記事項は、PTFE以外の他のフッ素樹脂についても同様である。
本発明でいうフッ素樹脂とは、PTFE、PFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)の共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体)、PVDF(ビニリデンフルオライドの重合体)などの、乳化重合法により得られる重合体をいう。パーフルオロアルキルビニルエーテルとしては、パーフルオロメチルビニルエーテル、パーフルオロエチルビニルエーテル、パーフルオロプロピルなどが挙げられ、これらの1種または2種以上を含んだものであってもよい。
また、PTFEとしては、TFEの単独重合物のみでなく、実質的に溶融加工性を付与しない程度の微量のクロロトリフルオロエチレン等のハロゲン化エチレン、ヘキサフルオロプロピレン等のハロゲン化プロピレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)等のフルオロビニルエーテル等の、TFEと共重合しうる共重合成分に基づく重合単位を含むいわゆる変性PTFEも含まれる。
本発明のフッ素樹脂水性分散液に含まれるフッ素樹脂微粒子は、外側層と内部とが異なるフッ素樹脂組成または異なる分子量分布をもつ構造をもつものであってもよい。また、2層以上の複数の組成または異なる分子量分布をもつ複数構造であってもよく、これらの層の組成または分子量分布は連続的に変わるものであってもよい。例えば、テトラフルオロエチレンの重合中に重合開始剤の添加パターンを変えることにより外側層を高分子量PTFE化または低分子量PTFE化したもの、テトラフルオロエチレンの重合後期に共重合モノマーを注入して外側層を共重合体としたもの、重合初期にのみクロロトリフルオロエチレンを注入しその後はテトラフルオロエチレンを重合させ内部を共重合体としたもの、などが挙げられる。
本発明のフッ素樹脂水性分散液のフッ素樹脂濃度は20〜70質量%であり、35〜67質量%が好ましく、50〜65質量%がより好ましい。フッ素樹脂濃度が低すぎると、フッ素樹脂水性分散液の粘度が低く、保存安定性が充分でない。また、フッ素樹脂濃度が高すぎると粘度が高く取扱いにくい。
本発明のフッ素樹脂水性分散液には、上記一般式(1)の非イオン性界面活性剤が含有されている。
一般式(1)において、Rで示されるアルキル基の炭素数は6〜18の範囲が本発明に適しているが、好ましくは8〜16であり、さらに好ましくは10〜14である。アルキル基の炭素数が少なすぎるとフッ素樹脂水性分散液の表面張力が高くなりぬれ性が低下し、逆にアルキル基の炭素数が多すぎると分散液を放置した場合にはフッ素樹脂水性分散液の保存安定性が損なわれる。アルキル基の炭素数がこの範囲にあれば、ぬれ性が良く、保存安定性も良い。
で示されるアルキル基が分岐構造を有する場合、さらにぬれ性が良好で好適な水性分散液が得られるため好ましい。枝分かれのある炭素原子は、第二級炭素原子でもよいし、第三級炭素原子でもよいが、好ましくは第二級炭素原子である。分岐構造を有するアルキル基の好適な具体例としては、たとえば、C1021CH(CH)CH−、C19CH(C)−、C13CH(C13)−、CH(CHCHCH(CHCHCH(CH(CHCH−などが挙げられる。
で示されるアルキル基は、そのアルキル基中の水素原子の10%以下が、フッ素、塩素、臭素、等のハロゲン元素で置き換えられたものであってもよい。また、アルキル基中には1〜2個の不飽和結合を有していてもよい。
一般式(1)中のAは1〜3個のオキシブチレン基と5〜20個のオキシエチレン基からなるポリオキシアルキレン鎖である。オキシブチレン基の基数は、好ましくは1〜2.5であり、特に好ましくは1〜2である。この範囲よりも多すぎるとフッ素樹脂水性分散液の粘度上昇や安定性の低下を生じ、この範囲よりも少なすぎるとフッ素樹脂水性分散液組成物の消泡性やぬれ性や粘度特性が劣る。この範囲内であれば、粘度や安定性や消泡性やぬれ性等の特性が良好であり好ましい。
また、オキシブチレン基は、分岐したものであってもよいし、直鎖のものであってもよいが、分岐したものが好ましい。
オキシブチレン基の具体例としては、例えば、−CH−CH(C)−O−、−CH(C)CH−O−、−CH(CH)−CH(CH)−O−、−CHCH−CH(CH)−O−、−CHCHCHCH−O−などが挙げられ、−CH−CH(C)−O−、−CH(C)CH−O−、−CHCH−CH(CH)−O−が好ましい。オキシブチレン基の原料としては、種々のブチレンオキシドが挙げられ、具体例としては、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、メチルオキセタンなどが挙げられる。
ポリオキシアルキレン鎖中のオキシエチレン基の基数は、5〜20であり、好ましくは6〜15であり、特に好ましくは7〜12である。この値が小さすぎると、フッ素樹脂微粒子が沈降しやすいために水性分散液組成物の保存安定性が劣り、また大きすぎるとぬれ性が低下し好ましくない。この範囲内であれば、粘度や安定性や消泡性やぬれ性等の特性が良好であり好ましい。
ポリオキシアルキレン鎖中のオキシブチレン基は、ブロック構造であってもよいし、ランダム構造であってもよい。
オキシブチレン基は、ポリオキシアルキレン鎖中のどの部分に存在してもよいが、R−O−基側からポリオキシアルキレン鎖の全長の70%までの範囲に存在することが好ましく、R−O−基側からポリオキシアルキレン鎖の全長の50%までの範囲に存在することがより好ましい。
ポリオキシアルキレン鎖のR−O−基に結合する部分は、オキシブチレン基であることが好ましく、1〜2のオキシブチレン基からなるポリオキシブチレン鎖であることがより好ましい。また、ポリオキシアルキレン鎖のX基に結合する部分は、オキシエチレン基であることが好ましく、5〜20のオキシエチレン基からなるポリオキシエチレン鎖であることがより好ましい。
これらの好ましい構造を有するポリオキシアルキレン鎖は、粘度や安定性や消泡性やぬれ性等の特性がより良好であり好ましい。
また、一般式(1)中のXは水素原子またはメチル基であるが、水素原子が好ましい。
一般式(1)の非イオン性界面活性剤は、公知の方法により、高級アルコールにブチレンオキシドおよびエチレンオキシドを付加反応させることにより得ることができる。また、ブチレンオキシドおよびエチレンオキシドは混合して同時に反応させてもよく、ブチレンオキシドを先に反応させたのちにエチレンオキシドを反応させたり、エチレンオキシドを先に反応させたのちにブチレンオキシドを反応させてもよいが、ブチレンオキシドを先に反応させたのちにエチレンオキシドを反応させることが好ましい。
一般式(1)の非イオン性界面活性剤の具体例としては、たとえば、C1327OCHCH(C)O(CO)H、C1021CH(CH)CHOCHCH(C)O(CO)H、C1021CH(CH)CHOCH(C)CHO(CO)H、C1225OCHCH(C)O(CO)H、C17OCHCH(C)O(CO)10H、C1225OCH2CH(C)O(CO)10H、C1327OCHCH(C)O(CO)11H、C1327OCHCHOCHCH(C)O(CO)H、C1225O(CHCH(C)O)(CO)H、C1021CH(CH)CHO(CO)CHCH(C)OH、C1633OCOCH(C)CHO(CO)H、C1225OCHCH(C)O(CO)CHCH(C)OH、C1327OCH(CH)CH(CH)O(CO)H、C1021CH(CH)CHOCH(CH)CH(CH)O(CO)H、C1021CH(CH)CHOCH(CH)CH(CH)O(CO)H、C1225OCH(CH)CH(CH)O(CO)H、C17OCH(CH)CH(CH)O(CO)10H、C1225OCH(CH)CH(CH)O(CO)10H、C1327OCH(CH)CH(CH)O(CO)11H、C1327O(CHO(CO)H、C1225O(CHO(CO)H、C17O(CHO(CO)10H、C1225O(CHO(CO)10H、C1327O(CHO(CO)11H、C1327O(CHCH(CH)O(CO)H、C1225O(CHCH(CH)O(CO)H、C17O(CHCH(CH)O(CO)10H、C1225O(CHCH(CH)O(CO)10H、C1327O(CHCH(CH)O(CO)11Hなどが挙げられる。
なお、一般的には、非イオン性界面活性剤は一定の鎖長分布や異性体の混在する複数の分子の混合物であり、一般式(1)中の鎖長は複数の分子における平均鎖長を表わす。また、各数値は整数に限らない。
また、本発明のフッ素樹脂水性分散液組成物においては、一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤の他に、オキシブチレン基を有しない非イオン性界面活性剤が含まれていてもよい。オキシブチレン基を有しない非イオン性界面活性剤としては、例えば、一般式(1)において、オキシブチレン基を有しない非イオン性界面活性剤、C1327O(CO)H、C1021CH(CH)CHO(CO)H、C1021CH(CH)CHO(CO)H、C1225O(CO)H、C17O(CO)10H、C1225O(CO)10H、C1327O(CO)11Hなどが挙げられる。
オキシブチレン基を有しない非イオン性界面活性剤が含まれている場合、非イオン性界面活性剤全体の平均値として、非イオン性界面活性剤1分子当りのオキシブチレン基数が0.5〜2が好ましく、0.7〜1.7がより好ましく、0.9〜1.5が特に好ましい。
オキシブチレン基を有しない非イオン性界面活性剤は、別途添加するものであってもよいし、一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤を調製する際に、副生されるオキシブチレン基を有しない非イオン性界面活性剤であってもよいが、後者が好ましい。
なお、上記の非イオン性界面活性剤は、冬期に固体もしくは半固体となり取り扱いにくい場合があるが、5〜20質量%の水を溶解させておくと粘度が低下し取り扱いやすくなる。また、水または温水で濃度が5〜40質量%となるようにあらかじめ希釈しておくと溶解しやすくなる。
本発明のフッ素樹脂水性分散液組成物において、一般式(1)の非イオン性界面活性剤の含有量は、フッ素樹脂に対して2〜12質量%であり、3〜11質量%が好ましく、4〜10質量%が特に好ましい。2質量%より少ないと保存安定性が低下するほか、フッ素樹脂塗膜にクラックを生じやすくなり、はじき易くなる。また、8〜10質量%と多く配合した場合には厚く塗付する用途に特に適するが、12質量%より多いとフッ素樹脂塗膜に微小なクラックを生じやすくなる。
本発明のフッ素樹脂水性分散液には、フッ素樹脂微粒子の分散媒として水が含有されるが、この水は、フッ素樹脂乳化重合液に含まれる水であってもよいし、フッ素樹脂乳化重合液の水とは別に用意した水であってもよい。
本発明のフッ素樹脂水性分散液には、必要に応じてアンモニア等のpH調整剤、アニオン性界面活性剤、ポリエチレンオキサイド系増粘剤、ポリウレタン系増粘剤、チキソトロピ性付与剤、シリコーン系ぬれ性改良剤、フッ素系ぬれ性改良剤、防腐剤などの1種以上が適宜微量含有されていてもよい。また、さらに、水溶性有機溶剤、トルエン、キシレン等の有機溶媒、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、コバルトブルー等の顔料、硝子粉末、中空ガラスビーズ、黒鉛微粒子、シリカ微粒子、雲母又は酸化チタン被覆雲母粉末等の着色剤等の1種以上が配合されていてもよい。
特に、平均分子量10万〜200万のポリエチレンオキサイド系増粘剤や、水溶性ポリウレタン系会合型増粘剤を、フッ素樹脂の質量に対して0.1−1.0質量%することにより、フッ素樹脂水性分散液のこすれ安定性や攪拌安定性を改良することができる。
フッ素樹脂低濃度水性分散液の濃縮方法としては、非特許文献1の第32頁に記載されるように、遠心沈降法、相分離法、電気泳動法などの公知の方法が利用できる。
相分離法は、加熱して一定時間放置してフッ素樹脂微粒子を沈降させる方法である。具体的には、フッ素樹脂乳化重合液に一般式(1)の非イオン性界面活性剤をフッ素樹脂質量に対して8〜20質量%溶解し、フッ素樹脂低濃度水性分散液を調整したのち、50〜100℃で加熱し、1〜48時間放置し、上部に発生する上澄みを除去してフッ素樹脂高濃度水性分散液を得ることができる。濃縮前のフッ素樹脂低濃度水性分散液のpHは、6以上が好ましく、7〜12が特に好ましく、これらはアンモニア水等のpH調整剤の添加によって調整することができる。
電気泳動法は、フッ素樹脂微粒子が負帯電していることを利用して、電力を印加して半透膜表面に溜まったフッ素樹脂高濃度水性分散液を回収する方法である。この場合、フッ素樹脂乳化重合液に一般式(1)の非イオン性界面活性剤濃度を、フッ素樹脂質量に対して2〜10質量%溶解させ、フッ素樹脂低濃度水性分散液を得たのち、50〜500V/mの電圧を印加し、フッ素樹脂微粒子を電気泳動させ、上部に発生する上澄みを除去してフッ素樹脂高濃度水性分散液を得ることができる。
本発明のフッ素樹脂水性分散液は、乳化重合に用いられた一般式(2)のアニオン性フッ素系界面剤の含有量が、工程中で除去または低減されたものであってもよい。特に、陰イオン交換樹脂を用いて、一般式(1)の非イオン性界面活性剤で安定化されたフッ素樹脂水性分散液からアニオン性フッ素系界面剤を除去する場合、従来の非イオン性界面活性剤で安定化されたフッ素樹脂水性分散液の場合と比較して、より高い除去効率が得られる。
アニオン性フッ素系界面剤の含有量が一定量以下、たとえばフッ素樹脂質量に対して0.02質量%以下になると濃縮が遅くなる場合があるが、一般式(2)のアニオン性フッ素系界面剤以外のアニオン性界面剤、たとえばラウリン酸アンモニウム、ラウリン酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等をフッ素樹脂質量に対して0.2質量%以下で添加して、濃縮を速めることができる。また、これらの添加剤はアニオン性フッ素系界面剤の低減されたフッ素樹脂水性分散液の濃縮を速めるだけでなく、粘度や分散安定性を改良する効果も有する。
本発明のフッ素樹脂水性分散液の粘度は、塗布しやすさの点から、23℃で300mPa・s以下が好ましく、3〜100mPa・sがより好ましく、5〜50mPa・sが特に好ましい。
本発明におけるフッ素樹脂水性分散液の増粘温度は30〜60℃であることが好ましく、35〜55℃がさらに好ましく、特に好ましくは40〜50℃である。増粘温度が低すぎる場合には塗布温度の変動により粘度変化を生じやすく好ましくない。また、増粘温度が高すぎる場合には液の表面張力が高くなり、はじきを生じやすい。上記範囲内であれば、粘度変化が少なく、はじきを生じにくく好適である。
本発明のフッ素樹脂水性分散液のpHは、粘度安定化および保存安定性のため、8.0〜11.0にすることが好ましく、9.0〜11.0のpHがさらに好ましい。pH調整のためには、アンモニアやアンモニア水の添加が好ましい。
本発明のフッ素樹脂水性分散液の表面張力は、24〜30mN/mが好ましく、25〜29mN/mがより好ましく、26〜28mPa・sが特に好ましい。24mN/mより小さいと、消泡性が低下して好ましくなく、30mN/mより大きいと、はじきを生じやすくなるため好ましくない。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、これらは何ら本発明を限定するものではない。実施例は例1〜7であり、結果概要を表1に示す。また、比較例は例8〜12であり、結果概要を表2に示す。
なお、各実施例で使用した非イオン性界面活性剤(a)〜(g)は、表3のそれぞれに対応する符号の非イオン性界面活性剤に相当する。非イオン性界面活性剤の分子構造を表1に示す。サンプルの作製方法および各項目の評価方法を以下に示す。
(A)PTFE濃度、界面活性剤濃度:アルミ皿(質量W)にPTFE水性分散液を約7g入れて秤量し(質量W)、120℃1時間乾燥後の質量(質量W)、および380℃35分間乾燥後の質量(質量W)から、次式によって求めた。なお、本発明でいう界面活性剤濃度は、非イオン性界面活性剤、フッ素系界面活性剤およびその他の熱分解成分を含む数値である。
PTFE濃度(質量%)=[ (W−W) /(W−W) ]×100
界面活性剤濃度(質量%/PTFE)=[ (W−W) /(W−W)]×100
(B)フッ素系界面活性剤濃度:LCMS(質量分析装置付き高速液体クロマトグラフィー)を用い、あらかじめ濃度既知のフッ素系界面活性剤を使用して得られたピーク面積から検量線を作成した。次に、PTFE水性分散液を70℃で16時間乾燥後、フッ素系界面活性剤をエタノールで抽出し、LCMSでのピーク面積を測定し、検量線を用いて、サンプル中のフッ素系界面活性剤濃度を求めた。
(C)pH:ガラス電極法によって測定した。
(D)粘度、増粘温度:ブルックフィールド型粘度計で#1スピンドルを用い、液温23℃、60rpmで粘度を測定した。また、液温を17〜60℃の間で上昇させ、温度上昇によって23℃の粘度が50%増加した温度を増粘温度とした。なお、増粘温度が40℃以上は良好であり、40℃未満は不良とした。
(E)表面張力:白金線リングを用い、輪環法により測定した。
(F)クラック限界厚:厚み200μmまで連続的に塗布厚みが変化するアプリケーターを用い、厚み0.5mmのアルミ板上にPTFE水性分散液を塗布し、120℃10分間乾燥後、380℃10分間焼成した。PTFE塗膜を観察し、発生したクラックの先端部の厚みをパーマスコープで5点測定し平均値を求め、クラック限界厚とした。なお、クラック限界厚が10μm以上であれば良好であり、10μm未満は不良とした。
(G)消泡性:PTFE水性分散液100mlを500ml容量のメスシリンダに入れ、ディフューザーストーンを用いて空気を吹き込み、泡高さが200mmになったのちに空気を止めて自然放置し、10分後の泡高さを測定し、消泡性の指標とした。なお、10分後の泡高さが20mm以下であれば消泡性は良好であり、20mm超は不良とした。
(H)ポンプ運転テスト(こすれ安定性):コールパルマー社製チューブ式ポンプに外径7.9mm内径4.8mmのタイゴン製チューブを装着し、100ccのPTFE水性分散液を入れた200ccビーカーにチューブ両端を入れ、液が乾燥しないようにアルミ箔で開口部を覆った。この装置を用い、室温23℃、送液量毎分200ccにてPTFE水性分散液を1時間循環させ、終了後に200メッシュナイロンフィルターで濾過し凝集物を補集し、120℃1時間乾燥後の質量を測定した。なお、この凝集物量が1g以下であればこすれ安定性は良好であり、1g超は不良とした。
(I)塗布テストおよび外観:1m当たりの質量が80グラムで10cm×5cmの大きさのガラス繊維布を、400℃1時間カラ焼きし、ビーカーに入れたPTFE水性分散液に浸漬し、引上げ塗布し、120℃10分乾燥後、380℃10分焼成し、さらにPTFE水性分散液を塗布し乾燥し焼成する操作を6回繰り返し、PTFE加工されたガラス繊維布を作成した。塗布前のガラス繊維布の色相L*、a*、b*をスガ試験機製SMカラーコンピューターで測定し、塗布前のガラス繊維布の色相L*、a*、b*を引いたΔL*、Δa*、Δb*を算出した。黄色の着色を示すΔb*の値が3未満の場合には良好、3以上の場合には不良とした。また、塗布時にPTFE水性分散液のはじきが発生した場合には不良とした。
[例1]
重合後に得られるPTFE質量に対して0.24質量%のパーフルオロオクタン酸アンモニウムをアニオン性フッ素系界面活性剤として使用し、0.1質量%のジコハク酸パーオキシド触媒を使用し、乳化重合法によりTFEを重合して、PTFEの平均分子量が300万であり、PTFEの平均粒子径が0.25μmであり、PTFE微粒子濃度が28質量%であるPTFE乳化重合液を得た。
PTFEの平均分子量は、諏訪(J.Appl.Polym.Sci,17,3253(1973)記載)の方法によって示差熱分析での潜熱量から求め、PTFEの平均粒径はPTFE乳化重合液を乾燥後、走査型電子顕微鏡を用いて10000倍で写真撮影し計測した。
このPTFE乳化重合液に、非イオン性界面活性剤(a)を、PTFE質量に対して3質量%の割合で溶解させ、電気泳動法により濃縮を行い、上澄みを除去し、PTFE濃度が65.8質量%であり、界面活性剤濃度がPTFE質量に対して2.1質量%であるPTFE高濃度水性分散液を得た。
このPTFE高濃度水性分散液に、非イオン性界面活性剤(a)をPTFE質量に対して2.7質量%、水および500ppmのアンモニアを加え、PTFE濃度が60.5質量%、界面活性剤濃度がPTFE質量に対して4.8質量%であるPTFE水性分散液を得た。このPTFE水性分散液の23℃での粘度は20mPs、pH=9.2、表面張力は27.2(mN/m)であり、消泡試験での10分後の泡高さは18mmと低く、消泡性が優れていた。
このPTFE水性分散液を用い、ガラス繊維布に塗布テストを行なったが、はじきの発生はなく、塗膜の着色もなく、良好であった。得られたPTFE水性分散液の評価結果を表1に示す。
[例2]
例1で得られたPTFE高濃度水性分散液に、PTFE質量に対して7.4質量%の非イオン性界面活性剤(a)、水およびアンモニアを添加し、PTFE濃度が55.5質量%、界面活性剤濃度がPTFEに対し9.5質量%のPTFE水性分散液を得た。
例1と同様にして、ガラス繊維布に6回の重ね塗りを行なったが、塗付時にはじきの発生はなく、焼成後のガラス繊維布に着色も認められなかった。
得られたPTFE水性分散液の評価結果を表1に示す。
[例3]
例1と同じPTFE乳化重合液に、非イオン性界面活性剤(b)を、PTFE質量に対して4質量%の割合で溶解させ、電気泳動法により濃縮を行い、上澄みを除去し、PTFE濃度が65.3質量%であり、界面活性剤濃度がPTFE質量に対して2.3質量%であるPTFE高濃度水性分散液を得た。
このPTFE高濃度水性分散に、非イオン性界面活性剤(a)をPTFE質量に対して6.7質量%、水およびアンモニアを加え、PTFE濃度が55.4質量%、界面活性剤濃度がPTFE質量に対して9.0質量%であるPTFE水性分散液を得た。
このPTFE水性分散液を用い、ガラス繊維布に6回の重ね塗りを行なったが、塗付時にはじきの発生はなく、焼成後のガラス繊維布に着色も認められず、外観が優れていた。
得られたPTFE水性分散液の評価結果を表1に示す。
[例4]
例1と同じPTFE乳化重合液に、非イオン性界面活性剤(a)を、PTFE質量に対して15質量%の割合で溶解させ、アンモニアをPTFE質量に対して500ppm添加し、pHを9.7としたのち、80℃で24時間かけて相分離法で濃縮を行い、上澄みを除去し、PTFE濃度が66.3質量%であり、界面活性剤濃度がPTFE質量に対して2.8質量%であるPTFE高濃度水性分散液を得た。
さらに非イオン性界面活性剤(a)をPTFE質量に対して2.0質量%の割合で溶解させ、PTFE水性分散液を得た。得られたPTFE水性分散液の評価結果を表1に示す。
[例5]
例4で得られたPTFE高濃度水性分散液を用い、非イオン性界面活性剤(c)をPTFE質量に対して6.8質量%の割合で溶解させ、PTFE水性分散液を得た。
得られたPTFE水性分散液の評価結果を表1に示す。
[例6]
例1で使用したPTFE乳化重合液に、非イオン性界面活性剤(a)を、PTFE質量に対して3質量%の割合で溶解させ、陰イオン交換樹脂である三菱化学製ダイアイオン(登録商標)WA−30をPTFE質量に対して3質量%加えて48時間攪拌を行ない、100メッシュフィルターで濾過することにより、パーフルオロオクタン酸アンモニウムの濃度をPTFE質量に対して0.006質量%に低減させた。電気泳動法により、30時間かけて濃縮を行なうことにより、PTFE濃度が66.1質量%であり、界面活性剤濃度がPTFE質量に対して2.2質量%であるPTFE高濃度水性分散液を得た。
次に、このPTFE高濃度水性分散液に、非イオン性界面活性剤(a)をPTFE質量に対して2.8質量%、水およびアンモニアを添加し、PTFE濃度が約60.6質量%、界面活性剤濃度がPTFEに対して5.0質量%であるPTFE水性分散液を得た。
得られたPTFE水性分散液の評価結果を表1に示すが、物性は良好であった。
[例7]
重合後に得られるPTFE質量に対して0.25質量%のパーフルオロオクタン酸アンモニウムおよび0.02質量%のジコハク酸パーオキシド触媒を使用し、乳化重合法によりTFEを重合して、PTFEの平均分子量が1500万であり、PTFEの平均粒子径が0.30μmであり、PTFE微粒子濃度が25質量%であるPTFE乳化重合液を得た。
このPTFE乳化重合液に、非イオン性界面活性剤(a)を、PTFE質量に対して3質量%の割合で溶解させ、PTFE低濃度水性分散液を作った。
次に、直径0.9cmで長さ100cmの透明アクリル樹脂製カラムを用い、弱塩基型陰イオン交換樹脂であるランクセス社製レバチット(登録商標)MP62WSを50cc充填し(充填長さは約80cm)、約1リッターの純水を通過させ、イオン交換樹脂カラムを準備した。
チューブ式ポンプを用い、10リッターのPTFE低濃度水性分散液を1時間に約100ccの速度でイオン交換樹脂カラムを通過させた。通過後のPTFE低濃度水性分散液中のパーフルオロオクタン酸アンモニウム濃度は、PTFE質量に対して0.008質量%であった。
あらかじめ水71.5g、アンモニア水(濃度28%)10.1g、ラウリン酸18.4gを混合溶解して用意したラウリン酸アンモニウム水溶液10.8gを、10リッターのPTFE低濃度水性分散液に溶解させ、電気泳動法により20時間かけて濃縮を行ない、PTFE濃度が66.7質量%であり、界面活性剤濃度がPTFE質量に対して2.2質量%であるPTFE高濃度水性分散液を得た。
次に、このPTFE高濃度水性分散液に、非イオン性界面活性剤(a)をPTFE質量に対して2.8質量%、分子量50万のポリエチレンオキサイドをPTFEの質量に対して0.1質量%、水およびアンモニアを添加し、PTFE濃度が約60.8質量%、界面活性剤濃度がPTFEに対して5.1質量%であるPTFE水性分散液を得た。
得られたPTFE水性分散液の評価結果を表1に示すが、物性は良好であった。
[例8]
例1と同じPTFE乳化重合液に、非イオン性界面活性剤(d)を、PTFE質量に対して3質量%の割合で溶解させ、電気泳動法で濃縮を行い、上澄みを除去し、PTFE濃度が65.5質量%であり、界面活性剤濃度がPTFE質量に対して2.1質量%であるPTFE高濃度水性分散液を得た。
さらに非イオン性界面活性剤(d)をPTFE質量に対して2.7質量%の割合で溶解させ、PTFE水性分散液を得た。
得られたPTFE水性分散液の表面張力は高く、消泡性が悪く、ポンプ運転テストでの凝集物発生量も多く、ガラス繊維布への塗布テストにおいてもはじきを生じ、好ましくなかった。
評価結果を表2に示す。
[例9]
非イオン性界面活性剤(e)を使用した以外は例8と同様にしてPTFE水性分散液を得た。
得られたPTFE水性分散液の評価結果を表2に示すが、塗布テストで著しいはじきを生じた。
[例10]
非イオン性界面活性剤(f)を使用した以外は例8と同様にしてPTFE水性分散液を得た。得られたPTFE水性分散液の評価結果を表2に示すが、塗布テストで著しいはじきを生じた。
[例11]
非イオン性界面活性剤(g)を使用した以外は例8と同様にしてPTFE水性分散液を得た。得られたPTFE水性分散液の評価結果を表2に示すが、消泡性が大きく劣り、塗布テストではじきを生じたほか、得られたシートは黄色に着色した。
[例12]
例7で得られたPTFE乳化重合液に、非イオン性界面活性剤(d)を、PTFE質量に対して2.8質量%の割合で溶解させ、PTFE低濃度水性分散液を作った。
次に、例7と同じ条件で陰イオン交換樹脂カラムを通過させたが、通過後のPTFE低濃度水性分散液中のパーフルオロオクタン酸アンモニウム濃度は、PTFE質量に対して0.015質量%であった。
例7と同じラウリン酸アンモニウム水溶液10.8gを10リッターのPTFE低濃度水性分散液に対して溶解させ、電気泳動法により20時間かけて濃縮を行ない、PTFE濃度が65.8質量%であり、界面活性剤濃度がPTFE質量に対して2.2質量%であるPTFE高濃度水性分散液を得た。
次に、このPTFE高濃度水性分散液に、非イオン性界面活性剤(d)をPTFE質量に対して2.8質量%、水およびアンモニアを添加し、PTFE濃度が約60.4質量%、界面活性剤濃度がPTFEに対して5.0質量%であるPTFE水性分散液を得た。
得られたPTFE水性分散液の評価結果を表2に示すが、ポンプ運転テストでの凝集物発生量も多く、ガラス繊維布への塗布テストにおいてもはじきを生じ、好ましくなかった。
Figure 2008037914
Figure 2008037914
Figure 2008037914
本発明のフッ素樹脂水性分散液は、従来品と比較して、はじきを生じにくく、消泡性が良いため製品に欠陥を生じにくく、焼成後の着色が少なく外観品位が向上し、増粘温度が高いために塗膜厚みが安定する等の特長を有している。このため、従来フッ素樹脂分散液が利用されてきた多くの用途に対し、より好ましく使用できる。例えば、本発明のフッ素樹脂水性分散液は、各種フッ素樹脂コーティング加工する用途や、フッ素樹脂繊維を作製する用途や、粉体の発塵防止用途や、金属フィラーと混合して潤滑性軸受けに加工する用途など、多くの用途に用いられる。好適な具体例としては、ガラス繊維やアラミド繊維やカーボン繊維等の耐熱繊維を織った基材にフッ素樹脂水性分散液を含浸させフッ素樹脂の融点以上の温度で焼成し搬送用耐熱ベルトや建築用膜構造シートやプリント基板用材料に加工する用途、ガラス繊維やアラミド繊維やカーボン繊維やその他各種合成繊維や天然繊維を織った布や編組した紐からなる基材にフッ素樹脂水性分散液を含浸させ乾燥させパッキンに加工する用途、フッ素樹脂水性分散液に顔料や耐熱樹脂を配合しアルミニウムのフライパンや電気釜等の厨房機器にコーティングし非粘着加工する用途、フッ素樹脂水性分散液組成物をフッ素樹脂繊維に加工する用途、フッ素樹脂のフィブリル化を利用して発塵しやすい粉体と混練して発塵を防止する用途、電池製造において活性物質粉末とともに混練して結着させる用途、多孔質パッキンや多孔質金属に含浸する用途、フッ素樹脂水性分散液と鉛等の充填剤との共析物を得たのちに無給油軸受け等に加工する用途、プラスチックの燃焼時のたれ落ち防止のためにプラスチック粉末にフッ素樹脂を添加する用途、フッ素樹脂水性分散液をアルミ板やステンレス板等の耐熱シート基材に塗布し焼成したのちにフッ素樹脂層を剥離して得られるフッ素樹脂極薄シート、その他従来フッ素樹脂分散液が利用されてきた多くの用途が挙げられる。

Claims (8)

  1. フッ素樹脂微粒子を20〜70質量%、一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤をフッ素樹脂の質量に対して1〜12質量%含有することを特徴とする、フッ素樹脂水性分散液。
    −O−A−X (1)
    (式中、Rは炭素数6〜18のアルキル基であり、Oは酸素原子であり、Aは1〜3個のオキシブチレン基と5〜20個のオキシエチレン基からなるポリオキシアルキレン鎖であり、Xは水素原子またはメチル基である。)
  2. ポリテトラフルオロエチレン微粒子を20〜70質量%、一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤をポリテトラフルオロエチレンの質量に対して1〜12質量%含有することを特徴とする、ポリテトラフルオロエチレン水性分散液。
    −O−A−X (1)
    (式中、Rは炭素数6〜18のアルキル基であり、Oは酸素原子であり、Aは1〜3個のオキシブチレン基と5〜20個のオキシエチレン基からなるポリオキシアルキレン鎖であり、Xは水素原子またはメチル基である。)
  3. 一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤の他に、オキシブチレン基を有しない非イオン性界面活性剤が含まれており、非イオン性界面活性剤全体の平均値として、非イオン性界面活性剤1分子当りのオキシブチレン基数が0.5〜2である請求項1に記載のフッ素樹脂水性分散液。
  4. 一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤の他に、オキシブチレン基を有しない非イオン性界面活性剤が含まれており、非イオン性界面活性剤全体の平均値として、非イオン性界面活性剤1分子当りのオキシブチレン基数が0.5〜2である請求項2に記載のポリテトラフルオロエチレン水性分散液。
  5. 前記フッ素樹脂水性分散液が、さらに、フッ素系界面活性剤を含有し、フッ素系界面活性剤の含有量が、フッ素樹脂の質量に対して0.2質量%以下である請求項1又は3に記載のフッ素樹脂水性分散液。
  6. 前記ポリテトラフルオロエチレン水性分散液が、さらに、フッ素系界面活性剤を含有し、フッ素系界面活性剤の含有量が、ポリテトラフルオロエチレンの質量に対して0.2質量%以下である請求項2又は4に記載のポリテトラフルオロエチレン水性分散液。
  7. 前記フッ素系界面活性剤が、下記一般式(2)で表されるフッ素系界面活性剤である請求項5に記載のフッ素樹脂水性分散液。
    −COOY (2)
    (式中、Rは、1〜2個のエーテル性酸素原子を含んでもよい炭素数5〜9のアルキル基における水素原子の90〜100%がフッ素原子で置換されているフルオロアルキル基であり、Oは酸素原子であり、Yはアンモニウムイオンである。)
  8. 前記フッ素系界面活性剤が、下記一般式(2)で表されるフッ素系界面活性剤である請求項6に記載のフッ素樹脂水性分散液。
    −COOY (2)
    (式中、Rは、1〜2個のエーテル性酸素原子を含んでもよい炭素数5〜9のアルキル基における水素原子の90〜100%がフッ素原子で置換されているフルオロアルキル基であり、Oは酸素原子であり、Yはアンモニウムイオンである。)
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