JP2008034643A - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】球状の第1半導体およびその表面を被覆する第2半導体層からなる光電変換素子、並びに各素子を装着する孔を有する支持体を備えた光電変換装置の製造方法において、多数の素子を支持体に固定した段階で、第1半導体側の電気的導通をとるための第2半導体層の開口部を効率的に形成する。
【解決手段】支持体の孔の部分に素子を導電性接着剤により液密に装着し、その支持体の裏面側に砥粒もしくは砥粒を含む研磨部材またはエッチング液を保持させた部材を擦り合わせ、支持体の裏面側に露出している第2半導体層の少なくとも一部を除去して、第1半導体の一部を露出させる開口部を形成する。
【選択図】図7

Description

本発明は、球状の光電変換素子を搭載した光電変換装置の製造方法に関する。
クリーンなエネルギー源として光電変換装置が注目されている。代表的な光電変換装置は、結晶シリコン半導体ウエハからなる素子を用いたもの、およびアモルファスシリコンからなる半導体層を用いたものである。前者は、単結晶インゴットの製造、および単結晶インゴットから半導体ウエハを製造するまでの工程が繁雑であり、しかも結晶の切削屑などにより高価なシリコン原料の利用率が低いので、コスト高となる。後者は、シリコンの未結合手に水素が結合しているアモルファス構造が、光照射によって水素が放たれて構造変化を起こしやすいため、光電変換効率が光照射により徐々に低下するという問題がある。
上記のような特性低下がなく、安価で、高出力が期待できる光電変換装置として、第1半導体である球状のp型半導体の表面に、第2半導体層であるn型半導体層を形成した光電変換素子を用いた球状太陽電池が検討されている。これに関しては、例えば、穴のあいた偏平なアルミニウム箔にシリコンの球状素子を埋込み、そのアルミニウム箔の裏面から、n型半導体層をエッチングして内部のp型半導体を露出させ、露出したp型半導体を、もう1つのアルミニウム箔に接続して構成したソーラ・アレーが提案されている(特許文献1など)。
この提案は、直径1mm前後の小さな素子を用いることで光電変換部全体の平均厚みを薄くし、高純度シリコンの使用量を軽減しようとするものである。しかし、この球状太陽電池は反射光を活用しない方式なので、素子当たりの出力が低い。従って、モジュールの受光面当たりの変換効率を向上させるために、多数の素子を相互に近接して配置する必要がある。そのため、素子とアルミニウム箔との接続作業が繁雑な上に、素子数が多くなり、原価を低減させる効果が少ない。
また、上記提案には、アルミニウム箔製の導電体層とシリコン半導体とを接合して良好な電気的接続を得るために、500〜577℃で熱処理をして、接合部にアルミニウムとシリコンの合金層を形成する方法が含まれている。第2半導体層は厚み0.5μm以下の薄層であるため、上記の熱処理時に導電体層が第2半導体層を突き抜け、短絡現象を引き起こす。このため、開放電圧および曲線因子等の大幅な低下を招く欠点がある。
これらの問題を解決するため、多数の凹部を有する支持体の各凹部内に直径1mm前後の球状の光電変換素子を取り付け、凹部内面を反射鏡として働かせる太陽電池が提案されている(特許文献2、3および4)。これらの太陽電池はマイクロ集光型または低集光型球状太陽電池と呼ばれている。この構成による第1の利点は、素子の材料、特に高価なシリコンの使用量を低減できることである。第2の利点は、反射鏡の作用により、直接照射される光の4〜6倍の光を素子に照射できるので、光を有効に利用できることである。
この種の光電変換装置の従来の代表的な製造方法として、本発明者らが先に行った提案(特許文献4)について説明する。光電変換素子は、球状の第1半導体およびその表面を被覆する第2半導体層からなり、第1半導体の一部は第2半導体層から露出している。第1半導体の露出部および第2半導体層にはあらかじめ電極が形成されている。この素子を個々に取り付ける複数の凹部を有する支持体は、第2半導体層と電気的に接続される第2導電体層およびその背面に設けた電気絶縁層からなっている。電気絶縁層の背面には、第1半導体の電極を相互に電気的に接続する第1導電体層が取り付けられる。
この構成によると、支持体に素子を配置する以前に、高温の熱処理を要する電極形成を行うので、電極と導電体層との接続工程など、素子を支持体に装着した後の工程を、比較的低温下で実施できるという利点を有する。しかし、第2半導体層側の電極を第2半導体層の開口部周辺の曲面上に設けるため、正確に位置決めされた位置に、微細な形状に電極を形成することが困難であり、量産には不向きである。
また、上記の支持体は、素子を収納する凹部を有する第2導電体層と電気絶縁層とからなる二層構造になっている。この支持体は、例えば、金属シートを加工して底部に孔を有する複数の凹部を形成した第2導電体層と、前記孔に対応した孔を有する電気絶縁性シートとを重ね合わせて、一体化して作製される。しかし、実際には、接着や熱圧着などにより両者を一体化する過程において、樹脂製の電気絶縁性シートが変形するため、孔のピッチや寸法、形状が変化して位置ずれが起こり易く、精度良く支持体を製作することは困難である。特許文献2および3に開示されている三層構造の支持体においても上記の二層構造の支持体と同様の問題がある。
さらに、球状太陽電池では、極めて小さい多数の球状素子の全てを支持体の個々の小さい凹部内の所定位置に、正確かつ迅速に装着し、固定することが非常に重要な課題である。もし、素子の位置決めが不正確であったり、球状太陽電池の製造工程中や使用中に位置づれを起こしたりすると、第2導電体層が第1半導体の露出部や電極と接触して短絡したり、半導体側と導電体層側との電気的接続ができなかったりするなどの問題を引き起こす。素子が脱落すれば光電変換装置の出力が低下する。
この問題を解決するため、例えば、特許文献4では、導電性ペーストを第2半導体側電極に塗布した素子を支持体の凹部内に位置決めした後、加熱して素子を固定する方法が提案されている。しかし、この方法には、微小な電極部に導電性ペーストを高速で塗布することが困難なことや、素子を支持体に位置決めする過程で、素子に塗布した導電性ペーストが凹部の反射鏡部分に付着して光電変換効率を低下させるなどの問題がある。また、上記提案においては、あらかじめ、第1半導体側および第2半導体層側にそれぞれの電極を形成した素子を支持体の凹部に位置決めする。そのため、素子を特定の姿勢に制御した状態で支持体の凹部に配置するための煩雑な工程を必要とし、生産性に難点がある。
特開昭61−124179号公報 特開2002−50780号公報 特開2002−164554号公報 特開2004−63564号公報
本発明の目的は、上記のように、球状の第1半導体及びその表面を被覆する第2導電体層からなる複数のほぼ球状の光電変換素子、前記素子を1個ずつ配置するための複数の孔を有し、第2半導体層と電気的に接続された導電性の支持体、並びに、支持体の裏面に電気絶縁層を介して接合され、電気絶縁層の孔および第2半導体層の開口部をとおして第1半導体と電気的に接続された導電体層からなる光電変換装置の組み立て方法を合理化し、信頼性および生産性の高い光電変換装置を提供することである。
本発明は、特に、素子を接続した支持体の裏面側に露出している第2半導体層の少なくとも一部を除去して第1半導体の一部を露出させる工程を改良し、支持体の表面側および支持体の表面側に臨む部位の素子に損傷を与えることなく、所定部位の第2半導体層のみを確実、かつ効率的に除去することを可能にする方法を提供することを目的とする。
本発明の光電変換装置の第1の製造方法は、(a)球状の第1半導体およびその全表面を被覆する第2半導体層からなる複数のほぼ球状の光電変換素子、並びに、前記光電変換素子を1個ずつ装着するための複数の孔を有する導電性の支持体からなり、前記光電変換素子が、その第2半導体層が前記孔の周縁部に塗着された導電性接着剤により、前記孔の縁部に電気的および物理的に接続され、かつ前記光電変換素子の一部が前記支持体の裏面側に臨んでいる組立体を準備する工程、(b1)前記組立体における支持体の裏面側に、砥粒もしくは砥粒を含む研磨部材を擦り合わせ、前記支持体の裏面側に露出している第2半導体層の少なくとも一部を研磨して除去することにより、前記第1半導体の一部を露出させる開口部を形成する工程、および、(c)前記支持体の裏面側に、導電体層および前記支持体と前記導電体層とを絶縁する電気絶縁層を接合し、前記電気絶縁層に設けられた孔をとおして前記導電体層と前記第1半導体とを電気的に接続する工程を含むことを特徴とするものである。
上記本発明の第1の製造方法における研磨部材は、ブラシの毛材、または、スポンジ状、シート状、スラリー状もしくはペースト状の部材であり、かつ砥粒を含むものであることが好ましい。前記砥粒は、炭化ケイ素、アルミナ、酸化セリウム、酸化クロムおよびダイヤモンドよりなる群から選ばれた少なくとも一種を含むものであることが好ましい。
上記本発明の第1の製造方法における工程(b1)は、砥粒を含む毛材を用いたブラシを回転させながら前記支持体の裏面側に前記毛材を接触させる工程を含むことが好ましい。さらに、工程(b1)は、砥粒を含むスラリーまたは前記砥粒を含む気流を、前記支持体の裏面側に吹きつけながら、その支持体の裏面側にブラシの毛材またはスポンジ状もしくはシート状の部材を擦り合わせる工程を含むことが好ましい。
また、前記工程(b1)は、前記支持体の裏面側に露出している第2半導体層の少なくとも一部を粗研磨する工程、および、粗研磨された部位を、粗研磨工程における研磨部材より細かい砥粒もしくは該砥粒を含む研磨部材により精研磨する工程を含むことが好ましい。砥粒の平均粒径は、粗研磨工程において3〜20μmであり、精研磨工程において0.1〜0.5μmであることが好ましい。
本発明の光電変換装置の第2の製造方法は、(a)球状の第1半導体およびその全表面を被覆する第2半導体層からなる複数のほぼ球状の光電変換素子、並びに、前記光電変換素子を1個ずつ装着するための複数の孔を有する導電性の支持体からなり、前記光電変換素子が、その第2半導体層が前記孔の周縁部に塗着された導電性接着剤により、前記孔の縁部に電気的および物理的に接続され、かつ前記光電変換素子の一部が前記支持体の裏面側に臨んでいる組立体を準備する工程、(b2)前記組立体における前記支持体の裏面側に、エッチング液を含浸させた部材を擦り合わせ、前記支持体の裏面側に露出している第2半導体層の少なくとも一部をエッチングして除去することにより、前記第1半導体の一部を露出させる開口部を形成する工程、および、(c)前記支持体の裏面側に、導電体層および前記支持体と前記導電体層とを絶縁する電気絶縁層を接合し、前記電気絶縁層に設けられた孔をとおして前記導電体層と前記第1半導体とを電気的に接続する工程を含むことを特徴とするものである。
上記本発明の第2の製造方法における工程(b2)は、少なくとも表面層がスポンジ状もしくは微細な凹凸状の構造を有するドラムの一部をエッチング液に接触させながら回転させて前記表面層にエッチング液を保持させ、その表面層を前記支持体の裏面側に接触させる工程を含むことが好ましい。前記第1の製造方法においても、工程(b1)に次いで前記の工程(b2)を実施することがさらに好ましい。
上記本発明の第1および第2の製造方法において、工程(a)における光電変換素子は、第2半導体層の全表面を被覆する反射防止膜を有しており、前記工程(b1)または工程(b2)において、反射防止膜の一部が前記第2半導体層と共に除去されて、前記開口部が形成されることが好ましい。また、工程(c)は、前記第1半導体の露出部に導電性ペーストを塗着する工程、導電性ペーストを熱処理して電極を形成する工程、および電極と導電体層とを電気的に接続する工程を含むことが好ましい。さらに、前記支持体は、前記孔を底部に有する凹部を隣接して有し、凹部の内面に反射鏡層を有することが好ましい。
光電変換素子の第2半導体層に、第1半導体の露出部を形成させる開口部を形成するための、研磨もしくはエッチングを施す組立体においては、素子の第2半導体層が支持体の孔の周縁部に塗着された導電性接着剤により前記孔の縁部に接続されている。従って、研磨もしくはエッチングを施す工程中に研磨材やエッチング液が支持体の表側に入り込むことなく、所定部分の第2半導体層のみを確実に除去して第1半導体の露出部を形成することができる。また、本発明による研磨工程およびエッチング工程を適宜に組み合わせることにより、所定部位の第2半導体層を迅速に除去し、かつダメージのない状態で第1半導体を露出させることができる。上記の組み合わせによる方法は、素子の第2半導体層が反射防止膜で被覆されている場合に特に有効である。
本発明により高品質かつ高信頼性の光電変換装置を効率的に製造することができる。
本発明は、導電性の支持体、支持体の孔の部分に装着された球状の光電変換素子、および支持体の裏面に電気絶縁層を介して接合された導電体層を具備した光電変換装置の製造に適用される。上記の素子は、第1半導体およびその表面を被覆する第2半導体層を具備し、第2半導体層は支持体に電気的に接続され、第1半導体は、第2半導体層の開口部および電気絶縁層の孔をとおして、前記導電体層に電気的に接続されている。第2半導体層の表面は反射防止膜で被覆されている場合もある。
本発明の第1の特徴は、まず、素子の一部が支持体の裏面側に臨むように、支持体の孔に素子が装着された組立体を構成する工程において、素子の外周部(第2半導体層または反射防止膜)と支持体の孔の周縁部との接合部を液密にするために、予め支持体の孔の周縁部に塗着された導電性接着剤により前記の接合部が閉塞されるように素子を支持体の孔に装着することである。
素子の外周部と孔の周縁部とを液密にするために、予め、支持体の孔の周縁部にリング状に導電性接着剤を塗布しておき、その導電性接着剤が乾燥する以前の、粘着性を有する間に素子を支持体の孔に嵌め込む。これを加熱して導電性接着剤を固化させることにより、支持体の孔の縁部に素子の外周部が、液密に、かつ電気的および物理的に接続される。導電性接着剤には、低融点ガラスフリットをバインダーとする低温ガラスフリット型導電性ペーストまたは熱硬化性樹脂をバインダーとする樹脂型導電性ペーストなどが用いられる。
上記のように、素子を支持体の孔の縁部に液密に装着することにより、後の工程において支持体の裏面側の第2半導体層(および反射防止膜)を除去する際に、研磨材やエッチング液が素子の外周部と支持体の孔の周縁部との接合部の隙間から表側に回り込むことが防止できる。
第2の特徴は、上記のように、素子を支持体の孔の縁部に液密に装着した上で、その支持体の裏面側に、砥粒もしくは砥粒を含む研磨部材を擦り合わせて研磨するか、エッチング液を保持させた部材を擦り合わせてエッチングすることである。このような方法で支持体の裏面側の第2半導体層を除去することにより、支持体の表面側に研磨材やエッチング液が回り込むことが一層効果的に防止される。これにより、支持体の表面側や支持体の表面側に臨む部位の素子に損傷を与えることなく、支持体の裏面側に露出している第2半導体層の所定部位のみを確実に除去することができる。反射防止膜が第2半導体層の表面に形成されている場合には、これを第2半導体層とともに除去して開口部を形成し、その内部に第1半導体を露出させる。
従来の研磨法としては、支持体の裏面側に砥粒を噴射する方法などがあり、エッチング法としては、支持体の裏面側にフッ酸などのエッチング液をスプレーする方法および支持体の裏面側をエッチング液に浸漬する方法などがある。しかし、これらの方法には、前記の液密性が多少でも不十分な場合には、エッチング液や砥粒が支持体の表面側に容易に回り込むという問題がある。
本発明における研磨およびエッチングの方法は、前記の液密性が多少不十分な場合でも、砥粒(研磨材)やエッチング液が支持体の表側に入り込むことがないように改良された方法であり、砥粒やエッチング液をブラシの毛材やスポンジなどの部材により支持体の裏面側に擦り合わせるという方法である。
本発明において第1半導体の露出部を形成する第1の方法は、支持体の裏面側に、砥粒、または、砥粒を含む毛材あるいは砥粒を含むスポンジなどの研磨部材を擦り合わせ、支持体の裏面側の第2半導体層の少なくとも一部を研磨して除去する方法である。第2の方法は、支持体の裏面側に、表面層にエッチング液を含浸もしくは保持させたスポンジなどの部材を擦り合わせ、支持体の裏面側に露出している第2半導体層の少なくとも一部をエッチングして除去する方法である。
これら第1および第2の方法によれば、工程中に砥粒やエッチング液の必要量を支持体の裏面側に接触させ、擦り合わせる方法なので、支持体の孔の周縁部と素子の外周部との接合部、あるいは支持体の外周部から、支持体の表側に砥粒やエッチング液が回り込むことが防止でき、上記の従来の方法における問題点が解決される。さらに、支持体の裏面側に上記の部材を擦り合わせることにより、素子の表面層が擦り取られて素子表面から迅速に分離されるので、作業時間が短縮される。
また、上記の研磨工程を粗研磨工程と精研磨工程に分けて実施したり、研磨工程に次いでエッチング工程を実施するなどの適宜な組み合わせにより、迅速に所定部位の第2半導体層を除去し、かつ素子の作動特性にダメージを与えることなく、第1半導体の露出部を形成することができる。
以下に、本発明の光電変換装置の製造方法の実施形態について工程順に詳細に説明する。
1)工程(a)
本工程では、球状の第1半導体およびその全表面を被覆する第2半導体層からなる複数のほぼ球状の光電変換素子、並びに、前記素子を1個ずつ装着するための複数の孔を有する導電性の支持体からなる組立体を準備する。この組立体の素子の第2半導体層は、導電性接着剤により、支持体の孔の縁部に、液密に、かつ電気的および物理的に接続され、かつ素子の一部が支持体の裏面側に臨んでいる。
上記の球状の第1半導体は、例えば、極微量のホウ素を含むp型多結晶シリコン塊を坩堝内に供給し、不活性ガス雰囲気中で溶融させ、この融液を坩堝底部の微小なノズル孔から滴下させ、その液滴を自然落下中に冷却して固化させることにより、作製することができる。通常は、その表面を研磨し、さらにエッチングなどにより表面層の約50μmを除去したものを用いる。この第1半導体は、多結晶または単結晶のp型半導体である。
p型の第1半導体を、例えば、オキシ塩化リンを拡散源として800〜950℃で10〜30分間熱処理することにより、その表面に、第2半導体層、即ちn型半導体層として、厚さ約0.5μm程度の燐の拡散層が形成される。n型半導体層は、フォスフィンを含むシランなどの混合ガスを用いたCVD法によって形成することもできる。
ここでは、第1半導体がp型半導体であり、第2半導体層がn型半導体層である素子を例示したが、素子は、第1半導体がn型半導体であり、第2半導体層がp型半導体層であってもよい。第1半導体は、芯体の外周面に第1半導体層が被覆されたものや、中心付近が空洞のものであってもよい。第1半導体は、真球が好ましいが、ほぼ球状であればよい。第1半導体の直径は、0.8〜1.2mmが好ましいが、0.5〜2mmであればよい。
図1に第1半導体1の表面に第2半導体層2が形成されている素子を示し、図2に第2半導体層2の表面に、さらに反射防止膜9が形成されている素子を示す。図1および図2に示す素子のいずれもが本発明における光電変換素子に包含される。図2の素子は、後の工程において、多くの場合に、第2半導体層と支持体とが反射防止膜を介して電気的に接続される場合が多い。従って、反射防止膜は導電性を有することが好ましい。例えば、溶液析出法、霧化法あるいはスプレー法などで形成したZnO、SnO2 またはITO(In23−SnO2)などを主体とする薄膜を反射防止膜に適用することができる。
反射防止膜は、導電性および屈折率などから、フッ素およびアンチモンの少なくとも一方をドープした、厚さ50〜100nmの酸化錫(SnO2)膜が特に好ましい。例えば、第2半導体層を形成した多数の素子を加熱板上において400〜600℃に加熱して回転させながら、ドープ材料および錫化合物を溶解した溶液の微粒子を素子に向けて吹きつけることにより、前記微粒子中の成分が素子の表面またはその近傍において熱分解し、その表面にほぼ一定厚みのSnO2膜が形成される。ドープ材料としては、フッ化アンモニウム、フッ酸、五塩化アンチモンまたは三塩化アンチモンなどを用い、錫化合物としては、四塩化錫、二塩化ジメチル錫またはトリメチル塩化錫などを用いることができる。
SnO2膜は高い導電性が得られることから、従来から平板状の光電変換素子を用いる光電変換装置の透明導電膜用として検討されてきた。これらの膜は、400〜1000nmと比較的厚いので、シリコン半導体の表面に形成した場合には12.3%程度の非常に高い反射率を示す。そのため反射防止膜としての機能を十分に果たすことができない。
ここでは、結晶シリコン半導体を主成分とする素子を例示したが、化合物半導体などからなってもよく、単結晶、多結晶以外に、アモルファス材料などからなってもよい。また、素子は、第1半導体と第2半導体層の界面にノンドープ層を形成したpin形構造のもの、MIS形、ショットキーバリヤ形、ホモ接合形、またはヘテロ接合形などの構成を有していてもよい。
上記の素子が接続される支持体は、素子を所定の位置に装着するための多数の孔を規則的に有する。支持体は、その表面を反射鏡として利用できるように、素子を装着するための孔を底部に有する凹部を形成したものが好ましい。支持体は、第2半導体層と電気的に接続される導電体層を兼ねるので、少なくとも表面側は導電性を有することが必要である。図3は好ましい形態の支持体の代表例の部分的な平面図であり、図4はその4−4線の断面図である。この支持体15は、例えば、厚さ0.2mmのアルミニウム薄板をプレス加工して作製される。支持体の凹部16は蜂の巣状に形成され、その開口端は六角形である。各開口端は相互に隣接し、凹部16は底になるほど狭く、その底部の孔17は素子の外径より小さい。
支持体の耐熱性が乏しいと、素子を支持体に固定する際の熱処理工程などによって変形あるいは変質し易いので、耐熱性材料からなる支持体が好ましい。支持体の主材料としては、加工性、導電性、フレキシブル性およびコスト等を総合するとアルミニウムが好ましいが、銅、ステンレス鋼およびニッケルなどの他の導電性材料であっても良い。導電性および反射性に優れた銀などの層を、メッキ、スパッタリング又は真空蒸着などで支持体の凹部内面に形成すれば、導電体層および反射鏡としての機能が高まる。反射鏡層の作用により、光電変換装置の出力を大幅に増大させることができる。
金属材料からなる支持体は、素子と支持体を接続する際に、例えば低融点ガラスフリットをバインダーとする低温ガラスフリット型導電性ペーストおよび熱硬化性樹脂をバインダーとする樹脂型導電性ペーストのいずれを導電性接着剤として用いた場合でも、熱処理により変形することはない。例えば、アルミニウム製の支持体の場合は、熱処理温度が550℃に達しても変形しない。
孔の周縁部と装着される素子との接合部を隙間なく閉塞させるためには、導電性接着剤は支持体の孔の周縁部にリング状に切れ目なく塗着されていることが好ましい。上記のように導電性接着剤を支持体の凹部の孔の周縁部に塗着する方法としては、たとえば転写法がある。転写法について、図5に沿って説明する。まず、平滑な表面を有する金属製の板123に供給された導電性接着剤121を、スキージ120を右方向に移動させることによって板123上に薄く広げ、均一な厚さの導電性接着剤層122を形成する(図5(1))。導電性接着剤は、例えば、エポキシ系接着剤に銀粉を導電材として混合した樹脂型導電性ペーストであり、粘度は約100Pa・sに調整されている。
次いで、その上方から、図3の支持体15の孔17と同じピッチで転写ピン124が埋め込まれた転写板125を垂直方向に降下させ(図5(2))、転写ピンの先端部126を導電性接着剤層122に接触させる。次いで、導電性接着剤51を転写ピンの先端部126に付着させた転写板125を上方に引き上げる(図5(3))。次いで、凹部16と転写ピン124の双方の中心が重なるように転写板125を支持体15の上方から降下させる(図5(4))。転写ピンの先端部126を孔17の周縁部に押し付けた後、転写ピン124を上方に引き上げる(図5(5))。
転写ピンの先端部126の形状はリング状であり、その外径は支持体の孔の直径より約0.15mm程度大きく、内径は支持体の孔の直径よりも約0.15mm程度小さい。これにより、転写ピンの先端部126に付着している導電性接着剤51が支持体の孔17の周縁部22に転写され、リング状に塗着される。転写ピンの先端部は孔の周縁部に導電性接着剤をリング状に塗着できる形状であればよく、支持体の孔の直径よりやや大きい円形であったり、曲面を有していてもよい。転写ピンの材質は、ステンレス鋼などの金属、およびフッ素樹脂やポリプロピレンなどの比較的硬質で耐薬品性に優れたものが好ましい。
上記のように導電性接着剤を塗着した支持体に、接着剤が乾燥する以前の、粘着性を有する間に素子を配置し、加熱して導電性接着剤を固化させる。これにより、図6のように、素子10の第2半導体層2の一部が支持体15の裏面に臨むように位置決めされ、第2半導体層2が、支持体の凹部16の孔の周縁部に塗着された導電性接着剤51により、支持体15の孔の縁部に電気的および物理的に接続された組立体が構成される。上記の加熱温度は、導電性接着剤が樹脂型導電性ペーストであるときは100〜200℃、低温ガラスフリット型導電性ペーストであるとき200〜500℃が好ましい。
上記のように、素子の第2半導体層と支持体の孔の周縁部は、孔の周縁部にリング状に塗布された導電性接着剤を介して接続されるので、両者の接合部に隙間が生じることがない。これは、後の工程で第2半導体層の一部を除去する際に、砥粒(研磨材)やエッチング液が支持体の裏側から表側に回り込んで支持体の表側や支持体の表側に臨む部位の素子に損傷を与えたり、腐食させる現象を防止することに寄与する。
2)工程(b)
本工程では、工程(a)で準備した組立体における支持体の裏面側に臨む部位の第2半導体層の少なくとも一部を除去して、第1半導体を露出させる開口部を形成する。第2半導体層の表面に反射防止膜が形成されている場合には、第2半導体層とともに同部位の反射防止膜を除去して、上記開口部を形成する。通常、下地の第1半導体の表面に近い層を含めて、深さ数μmの素子の表面層が除去され、第1半導体の露出部が形成される。
2−1)本発明の第1の製造方法における工程(b1)
本工程では、前記組立体における支持体の裏面側に、砥粒もしくは砥粒を含む研磨部材を擦り合わせ、支持体の裏面側に露出している第2半導体層の少なくとも一部を研磨して除去する。
上記の研磨部材の好ましい形態の一つとしてブラシ用の毛材がある。これはナイロンなどの樹脂素材の中に砥粒(研磨材)を練りこみ、フィラメントとして加工したもので、ブラシの土台に植え込まれる。砥粒を含む他の研磨部材として、研磨用パッド、ペーパー状シートおよび樹脂フィルムシートなどシート状のもの、並びにスポンジ状のものなどがある。これらの研磨部材は基材の表面にコーティングなどにより砥粒を保持させたものである。さらに、砥粒を水やグリコールなどの液体に分散させたコンパウンドタイプの研磨部材があり、比較的粘度が低いスラリータイプと高粘度のペーストタイプがある。これら研磨部材に含まれる砥粒は、炭化ケイ素、酸化セリウム、酸化クロム、アルミナおよびダイヤモンドから選ばれた少なくとも一種であることが好ましい。
上記の各研磨部材は、その形態に応じて、以下に例示するように、本発明の製造方法に好ましく使用することができる。
2−1−1)第1の実施形態
砥粒を含む毛材を用いたブラシを回転させながら支持体の裏面側に接触させることにより、支持体の裏面側に臨む部位の素子の少なくとも一部の表面層を除去する。例えば図7に示すように、ダイヤモンド砥粒が練り込まれたナイロン製の毛材59を土台に植え込んだブラシを備えた研磨器60を矢印方向に回転させながら、支持体15の裏面側に露出した素子10の表面に毛材59を接触させ、表面層を削り取る。
組立体30は、上下に配列された搬送ローラ57および58の間に挟まれ、これらローラの回転と研磨器の回転および押え板61による方向修正により、図矢印の方向に移動する。その間、支持体15は、その裏面側を回転するブラシの毛材59と擦り合わしながら移動する。これにより、素子10の表面層の研磨屑は毛材59によって支持体の裏面から擦り取られ、毛材59の磨耗屑とともに受け皿62に落下する。この際、毛材と支持体の裏面との摩擦熱が大きいと、毛材の樹脂成分が軟化して研磨効率が低下するとともに、毛材が偏磨耗する場合がある。このような場合には、例えばブラシの中央部に設けたノズルから支持体の裏面側に向けて冷却水を噴射しながら研磨を行うことによって毛材の軟化を防止し、研磨効率を高めることができる。
2−1−2)第2の実施形態
砥粒がコーティングされたスポンジ状またはシート状の研磨部材を組立体の裏面側に擦り合わせることにより、素子の表面層を除去する方法である。研磨部材はスポンジ状の樹脂シートなどのように、厚み方向にフレキシブルに変形し易い研磨部材であることが好ましい。このような研磨部材を用いることにより、組立体の裏面側の凸部、即ち除去すべき第2半導体層が存在する部位、が強く研磨部材に擦り合わされ、凹部、即ち支持体の裏面、が凸部より弱く擦り合わされる。これにより、支持体の裏面の磨耗を抑制するとともに、第2半導体層を優先的に除去することができる。ブラシの毛材で支持体の裏面側を研磨する第1の実施形態においても同様の効果が得られる。
2−1−3)第3の実施形態
砥粒を含むスラリー、または砥粒を含む気流を、組立体の裏面側に吹きつけながら、支持体の裏面側にブラシの毛材またはスポンジ状もしくは布などのシート状の部材を擦り合わせる方法を採ることもできる。スラリー状の研磨部材を使用する場合は、毛材や上記部材を組立体の裏面側に擦り合わせる際の摩擦熱はスラリー中の水などの分散媒によって吸収されるので、毛材や上記部材の軟化や偏磨耗の心配がない。一方、砥粒を含む気流を吹きつける場合は、上記の摩擦熱によって毛材や上記部材が軟化して偏磨耗したり、吹きつけられた砥粒が飛散するので、これらを防止するために、冷却水を組立体の裏面側に吹きつけながら研磨することが好ましい。これらの場合にも、第2半導体層が支持体の裏面よりも強く、毛材や上記部材が擦りあわされるので、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
2−1−4)第4の実施形態
砥粒を含むペーストを塗着した支持体の裏面側に、ブラシの毛材、またはスポンジ状もしくは布などのシート状の部材を擦り合わせる方法を採ることもできる。その変形例として、砥粒を含むペーストを塗着したブラシの毛材または上記の部材を支持体の裏面側に擦り合わせる方法がある。
2−1−5)第5の実施形態
支持体の裏面側の素子の表面層を高速で除去し、しかも第1半導体層の露出面をダメージのない状態に研磨するためには、粗研磨した後、精研磨を実施することも有効である。粗研磨および精研磨の方法は、例えば上記の各実施形態のうちから適宜選択すればよい。まず、粗研磨工程において、比較的大きい粒径の砥粒もしくはこれを用いた研磨部材により、素子の所定部位の表面層の大半を迅速に除去する。
しかし、この状態では研磨面に第2半導体層の一部が残存していたり、第2半導体の開口部とその開口部内の第1半導体が荒削りの状態で露出している。特に、第1半導体の露出部と第2半導体の開口部との境界部が平滑な状態に研磨されていないと、pn接合部がダメージを受けて作動時にリーク電流が流れ、素子の光電変換効率が低下する。そこで、精研磨工程では、比較的小さい粒径の砥粒もしくはこれを用いた研磨部材により、先に粗研磨された面を精研磨する。これにより、第2半導体層を完全に除去するとともに、pn接合部にダメージを与えることなく、第1半導体を露出させることができる。粗研磨工程および精研磨工程の間に、必要に応じて中間的な研磨工程を設けてもよい。
粗研磨から精研磨のそれぞれの工程の条件を適切に設定することにより、一回の研磨工程のみで本工程を実施する場合よりも所要時間が短縮され、しかも良好な作動特性を得ることができる。これにより、低コストで高性能の光電変換装置が得られる。粗研磨工程における砥粒あるいは研磨部材に用いられる砥粒の平均粒径は、3〜20μmであり、精研磨工程においては、0.1〜0.5μmが好ましい。一回の研磨工程のみで本工程を実施する場合の砥粒あるいは研磨部材に用いられる砥粒は、上記の精研磨工程における砥粒の平均粒径と同じ、あるいは粗研磨工程および精研磨工程の中間的な平均粒径のものを用いるのが一般的である。
図8に、本工程(b1)の上記の各実施形態により、第1半導体の露出部が形成された構造体を示す。図6の構造体30の支持体15の裏面側の第2半導体層2が除去されて開口部が形成され、その開口部内に第1半導体1の露出部14が形成されている。
2−2)本発明の第2の製造方法における工程(b2)
本工程では、前記組立体における支持体の裏面側に、エッチング液を含浸もしくは保持させた部材を擦り合わせ、支持体の裏面側に露出している第2半導体層の少なくとも一部をエッチングして除去する。エッチング液を含浸もしくは保持させる部材としては、少なくとも表面層が、スポンジ状の樹脂、吸液性に富む布および紙などからなるものが用いられる。
本工程の好ましい実施形態の代表例として、少なくとも表面層がスポンジ状もしくは微細な凹凸状の構造を有する含浸層を形成し、ドラムの一部をエッチング液に接触させながら回転させて前記表面層にエッチング液を保持させ、その表面層を支持体の裏面側に接触させる方法を説明する。
図9は、組立体30の裏面に、エッチング液を接触させてエッチングする装置の概略構成を示している。ローラ54はその周面に含浸層55を有しており、このローラ54を回転させ、その一部を槽53に収容したエッチング液に接触させることにより、スポンジ状あるいは微細な凹凸状の表面層からなる含浸層55にエッチング液を含浸させる。この含浸層55を支持体15の裏面の素子10に接触させ、ローラ54と組立体30の上方の搬送ローラ65の回転により、組立体30を図矢印方向に移動させる。このように、支持体15の裏面に露出する素子表面の第2半導体層を含浸層55で擦り合わせながらエッチングする。エッチング後は、支持体の裏面側を水洗し、乾燥する。
エッチング液には、例えば、濃度約60%のフッ酸と濃度約40%の硝酸を体積比4:1の割合で混合した液を用いる。他のエッチング液として、水酸化テトラメチルアンモニウムと、酸化剤として例えば過酸化水素を溶解させたアルカリ性水溶液を用いることができる。これらのエッチング液は、シリコンや反射防止膜を溶解するが、アルミニウムを比較的溶解し難い。従って、処理時間などの条件を適切に設定することにより、実質的にアルミニウム製支持体に損傷を与えることなく、素子の表面層のみを除去することができる。支持体に銀の表面層が形成されている場合には、銀を溶解し難い前記のアルカリ性水溶液を用いるのが一層好ましい。
本発明における研磨工程(b1)およびエッチング工程(b2)は、これらを組み合わせて実施してもよい。本発明による研磨工程とエッチング工程とを比較すると、一般的な傾向として、前者の手法の条件設定によっては所要時間が短縮され、素子の表面層のうち、特に反射防止膜が除去されやすい。一方、後者の手法では、概して、反射防止膜よりもシリコンが除去されやすく、また、pn接合部にダメージのない状態で第2半導体層の開口部と第1半導体の露出部を形成させるには適している。
従って、上記の各手法の特質を利用して、先ず、研磨工程により主として反射防止膜および大半の第2半導体層を除去し、次いでエッチング工程により、残余の第2半導体層がある場合にはこれを除去し、第2半導体層の開口部を形成して第1半導体の一部を露出させ、さらにその表面を前記のダメージが無い状態にまでエッチングする方法が有効である。
この方法の実施形態としては、まず、図7に示したように、砥粒を含む毛材を用いたブラシを回転させながら、組立体の裏面側に接触させることにより研磨工程を実施し、次いで、図9に示したように、スポンジ状あるいは微細な凹凸状の表面層を有するドラムの一部をエッチング液に接触させながら回転させ、表面層にエッチング液を保持させ、その表面層を支持体の裏面側に接触させることによりエッチング工程を実施するのが好ましい。エッチング工程に連続した次の工程として、支持体の裏面側に水を吹き付け、これを乾燥する工程を設ければよい。
本工程(b2)の上記の実施形態、および研磨工程(b1)とエッチング工程(b2)との組み合わせにより、第1半導体の露出部が形成された構造体の状態は図8と同様である。
3)工程(c)
本工程では、工程(b)により、支持体の裏面側の第1半導体の一部を露出させた後、支持体の裏面に導電体層および支持体と導電体層とを絶縁する電気絶縁層を接合し、電気絶縁層に設けた孔をとおして導電体層と第1半導体とを電気的に接続する。本工程の実施形態は、第1半導体の露出部に形成した電極を介して導電体層と第1半導体とを電気的に接続する方法と、電極を形成せずに第1半導体の露出部と導電体層とを直接に接続する方法に大別される。より確実に第1半導体を導電体層と電気的に接続するには、前者に属する実施形態を採るのが好ましい。以下に、それぞれの実施形態について具体的に説明する。
3−1)第1の実施形態
本実施形態では下記の4工程を順次実施する。
(c−1−i)支持体の裏面に電気絶縁層を形成する工程。
(c−1−ii)電気絶縁層に第1半導体の露出部の少なくとも一部を露出させる孔を形成する工程。
(c−1−iii)電気絶縁層の孔内の第1半導体の露出部に電極を形成する工程。
(c−1−iv)電気絶縁層の上に、電極を相互に電気的に接続する導電体層を形成する工程。
工程(c−1−i)では、例えば、図10に示すように、樹脂シートを支持体の裏面側に接着剤や熱圧着などで接着して電気絶縁層を形成する。まず、工程(b)により第1半導体の一部を露出させた組立体を、支持体15の受光面が下になるよう配置し、支持体15の裏面に、例えば厚み約50μmのポリエーテルエーテルケトン系の樹脂シート38を配置する(図10(1))。次いで、約380℃、約10分間の熱圧着により、樹脂シート38を支持体15の裏面に結合させる(図10(2))。
電気絶縁層を形成する他の方法として、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を主体とする半硬化状態の樹脂シートを用いてもよい。この方法では、先ず、図10(1)と同様に支持体の裏面側に配置した樹脂シートを、約120℃程度の比較的低い温度の熱ロール式ラミネータにて押圧する。この樹脂シートは上記の低温の加熱によっては硬化せず、適度な柔軟性と粘着性が付与されるので、押圧によって、図10(2)と同じ状態に支持体の裏面に貼り付けられる。
この樹脂シートを熱処理せずに半硬化状態のまま維持させておけば、後の工程(c−1−iv)において、この樹脂シートに金属シートを貼り合わせる際の
接着剤の役割を果たす。上記の熱硬化性樹脂シートの代わりに、樹脂基材の両面に半硬化状態の熱硬化性樹脂を設けたシート、および半硬化状態の熱硬化性樹脂にガラス繊維などを混ぜたシートなどを用いてもよい。電気絶縁層の他の形成方法としては、スクリーン印刷法、スプレー法などにより樹脂ペーストを塗布し、乾燥する手法がある。樹脂ペーストには、エポキシ系やポリイミド系の樹脂材料を有機溶媒や水に溶解または分散させたものを用いる。
次に、工程(c−1−ii)により、各素子の電極を相互に接続するための導電路となる孔を電気絶縁層に形成する。この孔は、レーザ照射により被照射部の樹脂シートを分解させて除去することにより形成される。具体的には、図10(3)のように、第1半導体1の露出部14を覆う部位の樹脂シート38の全面もしくは一部にレーザ28を照射し、被照射部に孔60を形成する。レーザ光照射用の装置79として50WのYAGレーザを用い、照射時間約0.01秒で直径約100〜150μmの被照射領域の樹脂シート38を除去できる。前記の半硬化状態の樹脂シートを用いた場合や、樹脂ペーストを塗布して電気絶縁層を形成した場合にも上記とほぼ同じ条件で孔を形成できる。
工程(c−1−iii)において電極を形成するには、図11に示すように、導電性ペーストを第1半導体の露出面に塗布し、これにレーザを照射する方法が好ましい。先ず前工程で得られた図11(1)の構造体を用意し、印刷法あるいはディスペンサーにより導電性ペースト73を電気絶縁層の孔60に充填するとともに、孔内の第1半導体の露出部14に塗布する(図11(2))。
次いで、導電性ペースト73にレーザを照射して局部的に加熱して、電極72を形成する(図11(3))。レーザ照射は、例えば、YAGレーザ装置を用い、スキャン速度1000mm/sec、印字パルス周期10μmの条件で行う。導電性ペーストは、ガラスフリットをバインダーとし、銀、アルミニウムなどの導電材を含むガラスフリット型の導電性ペーストが好ましい。
他の電極形成の方法として、第1半導体の露出部の中央部に導電性ペーストを塗布し、約100℃に加熱して乾燥した後、電気絶縁層を支持体の裏面に形成し、次いで電気絶縁性層に孔を開け、孔内に露出した導電性ペーストにレーザを照射して電極を形成する方法がある。
工程(c−1−iv)における第1導電体層の形成方法としては、アルミニウム箔などからなる導電性金属シートを電気絶縁層に接着する方法(図12)や、電気絶縁層の各孔内の電極を相互に繋ぐように導電性ペーストを塗布し、これを固化させる方法(図13)などがある。
前者の方法では、まず、図11(3)の構造体を準備し、導電性ペースト63を電気絶縁層38の孔内の電極72の表面に塗布するとともに孔を満たすよりやや多目に充填する(図12(1))。次いで、この導電性ペーストを接着剤として金属シートを電気絶縁層の表面に貼り合わせる。必要に応じて、図12(2)のように、導電性接着剤64を電気絶縁層38の表面に塗布し、この面に金属シート70を貼り合わせてもよい(図12(3))。次に、熱処理を施し、導電性ペースト63および導電性接着剤64を固化させることにより、各素子の電極72と金属シート70が電気的に接続され、第1導電体層が形成される。
前記の半硬化状態の樹脂シートを電気絶縁層として用いた場合には、電気絶縁層の孔に導電性ペーストを充填するとともに電極表面に塗布した後、金属シートを電気絶縁層に重ね合わせて、約120℃に加熱した熱ロール式ラミネータで圧着した後、150〜200℃で熱処理して導電性ペーストを固化させ、同時に樹脂シートを硬化させる。この方法によれば、図11のような導電性接着剤を必要とせずに、金属シートと電気絶縁層との接合および電極と金属シートとの電気的接続を確実に行うことができる。
上記の各方法において使用される導電性ペーストあるいは導電性接着剤が加熱されると、これらに含まれる有機溶剤や樹脂成分などの一部が揮発あるいは熱分解により気化する。その気化成分が電気絶縁層の孔やその周辺、あるいは電気絶縁層と金属シートの間に介在すると、両者間の接合が不十分になったり、電極と金属シートとの電気的導通が不安定になる。
これら気化成分を外部に逸散させるためには、電気絶縁層の孔に対応した位置に通気孔を設けた金属シートを用いることが有効である。上記の通気孔を設けた金属シートを用いる場合には、電気絶縁層の孔に導電性ペーストを充填した後に金属シートを貼り合わせてもよく、電気絶縁層に金属シートを貼り合わせて形成される両者の連通孔に導電性ペーストを充填してもよい。
例えば、170mm×54mmのサイズの支持体の場合には、直径1mmの素子が約1800個装着されるので、金属シートは、ほぼ均一な分布で1800個以上の通気孔を有することが好ましい。金属シートには、アルミニウム以外に、ニッケル、銅、ステンレス鋼などの、例えば厚さ50〜100μm程度の薄板が用いられる。アルミニウムを用いる場合には、表面の酸化皮膜の影響で電極との電気的接続が不十分になる場合があるので、少なくとも導電性ペーストに接触する部位にはニッケル、銅、または銀などの導電性の良好な表面層を設けるのが好ましい。
次に、導電性ペーストにより各電極が相互に繋がれた導電体層を形成する方法を図13により説明する。ディスペンサーのノズル36から導電性ペースト31を吐出させながら、図11(3)の構造体の支持体15の裏面の電気絶縁層38の各孔内の電極72を繋ぐ直線に沿ってノズル36を移動させる(図13(1))。これにより、電気絶縁層38上に線状の導電性ペーストの塗布層32を形成する(図13(2))。この塗布層32により、支持体15上の一直線上に配列された各素子の電極72が相互に繋がれる。
このような塗布層の複数を平行に配列して形成し、それらの各先端部を電気絶縁層の端部に形成された他の線状の塗布層により連結して、これら導電性ペーストを加熱して固化する。これにより、支持体に装着された全ての素子の各電極を相互に電気的に接続する導電体層が形成される。塗布層32の線幅は第1半導体の露出部の直径とほぼ等しければよい。複数の線状の塗布層を網の目状に形成し、網の目を構成する各塗布層の交点にそれぞれの電極が位置するようにしてもよい。要するに、支持体内の全ての素子のそれぞれの電極が、電気絶縁層の孔を通して、何らかの形で導電性ペーストで連結されていればよい。
上記の各方法で用いる導電性ペーストおよび導電性接着剤は、電気絶縁層が変形・変質などのダメージを受けない温度下で固化するものが好ましい。一般的には、100〜200℃という比較的低い熱処理温度で固化する樹脂型導電性ペーストを用いる。電気絶縁層がフッ素系樹脂など比較的耐熱性が優れた材料からなる場合には、低温ガラスフリット型導電性ペーストを使用できる。
3−2)第2の実施形態
本実施形態では下記の4工程を順次実施する。
(c−2−i)第1半導体の露出部に電極を形成する工程。
(c−2−ii)支持体の裏面に電気絶縁層を形成する工程。
(c−2−iii)電気絶縁層に電極を露出させる孔を形成する工程。
(c−2−iv)電気絶縁層の上に、各素子の電極を相互に電気的に接続する導電体層を形成する工程。
本実施形態は、支持体の裏面側に電気絶縁層を形成し、これに孔を開けた後、その孔内の第1半導体の表面に電極を形成する第1の実施形態と異なり、電極を形成した後、電気絶縁層を形成し、これに孔を開けて電極を露出させる。
工程(c−2−i)において電極を形成する工程を、図14により説明する。まず、工程(b)で得られた図8の構造体の第1半導体1の露出部14に、導電性ペースト65を印刷法かディスペンサー法により塗布する(図14(1))。次に、導電性ペースト65の塗布部にレーザを照射して加熱することにより電極67を形成する(図14(2))。レーザ照射の方法および使用する導電性ペーストなどは、工程(c−1−iii)と同様である。
次に、工程(c−2−ii)および工程(c−2−iii)によって、支持体の裏面に電気絶縁層を形成し、その電気絶縁層に孔を形成して電極を露出させる。電気絶縁層の下地が若干異なる以外は工程(c−1−i)および(c−1−ii)と同じなので、これらの工程に準じた方法で実施することができる。代表的な形態として、図14(2)の構造体の裏面に前記の半硬化状態の樹脂シートからなる電気絶縁層71を接合した状態(図15(1))、およびその電気絶縁層71に孔68を形成した状態(図15(2))を示す。
最後に、工程(c−2−iv)により、工程(c−1−iv)と同じ方法で導電体層を形成する。例えば、図15(2)の構造体の電気絶縁層71の孔内に導電性ペースト80を充填するとともに電極67上に塗布し、さらに電気絶縁層71に金属シート70を接合させる(図15(3))。
3−3)第3の実施形態
本実施形態では下記の4工程を順次実施する。
(c−3−i)第1半導体の露出部に電極を形成する工程、
(c−3−ii)支持体の裏面に、金属シートおよび支持体と前記金属シートとを絶縁する電気絶縁層を接合する工程、
(c−3−iii)電気絶縁層および導電性金属シートに電極を露出させる孔を形成する工程、
(c−3−iv)前記孔に導電性ペーストを充填し、これを固化することにより、電極と金属シートとを電気的に接続して、導電体層を形成する工程。
本実施形態は、まず、工程(c−3−i)において、工程(c−2−i)と同様に第1半導体の露出部に電極を形成した後、工程(c−3−ii)においては、例えば、図14(2)の電極形成済みの構造体の支持体の裏面に、電気絶縁層と金属シートを順次または同時に接合する。好ましい方法は、金属シートとその片面に接合した電気絶縁層とからなる複合シートの電気絶縁層側を、予め支持体の裏面側に塗布した接着剤層に接合する方法である。好ましい複合シートの例は、厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる電気絶縁層に厚み20μmのアルミニウムシートを貼り合わせたものである。
前記複合シートを支持体の裏面に接合した状態を図16(1)に例示する。図14(2)の構造体の支持体15の裏面側に接着剤層69が形成され、金属シート92と電気絶縁層91との複合シート90の電気絶縁層側が接着剤層69に接合されている。複合シートを接合した後、必要に応じて、接着剤層の固化あるいは硬化のための熱処理を施す。
上記の複合シートを用いる代わりに、電気絶縁層の樹脂シートや絶縁性接着剤層を支持体裏面に接合させた後、これに金属シートを接合させてもよい。
工程(c−3−iii)においては、例えば、図16(1)の構造体の支持体の孔17の中央に対応する部分にレーザを照射し、図16(2)のように、被照射部の金属シート92、電気絶縁層91および接着剤層69を除去し、電極67が内部に露出する孔93を形成する。レーザ照射用装置として出力12WのYAGレーザを用い、約0.017秒の照射時間で直径約100〜150μmの孔93が形成される。
工程(c−3−iv)においては、例えば、図16(2)の構造体の孔93を満たすよりやや多量の導電性ペースト94をディスペンサーにより充填し、その導電性ペースト94により各素子の電極67と金属シート92とを繋ぐ(図16(3))。充填した導電性ペーストを加熱して固化することにより導電体層が形成される。使用する導電性ペーストや熱処理条件は工程(c−1−iv)と同様であればよい。
3−4)第4の実施形態
本実施の形態は、下記の3工程を順次実施する。
(c−4−i)支持体の裏面に電気絶縁層を形成する工程。
(c−4−ii)電気絶縁層に第1半導体を露出させる孔を形成する工程。
(c−4−iii)電気絶縁層の上に、第1半導体を相互に電気的に接続する導電体層を形成する工程。
上記の実施形態1〜3では、いずれも電極を介して各素子の第1半導体を相互に電気的に接続して導電体層を形成した。本実施形態は、電極を形成せずに各素子の第1半導体を相互に電気的に接続する。その方法を図17に例示する。
図17(1)に、工程(a)で準備された組立体を示す。この組立体は、支持体26として、素子を装着する孔を有する平板状のアルミニウム箔を使用し、導電性接着剤12をリング状に塗布した孔の縁部に素子10を装着した後、加熱して導電接着剤を固化させて構成されている。図17(2)は、工程(b)により、支持体の裏面側に臨んでいる第2半導体層2を除去して第1半導体の露出部11を形成した構造体を示している。
工程(c−4−i)により、上記支持体の裏面に、半硬化状態の樹脂シート74を貼り付け、工程(c−4−ii)により、この樹脂シート74に孔75を設けて、第1半導体1を露出させる(図17(3))。次いで、工程(c−4−iii)において、この孔75に対応する位置に凸部76が形成された金属シート77を樹脂シート74に貼り付け、この構造体を、無酸素雰囲気中において、約200℃に加熱した二枚の熱板で挟んで30〜60分間加圧する。これにより、半硬化状態の樹脂シート74が硬化して支持体26および金属シート74と強固に接着され、同時に第1半導体の露出部11と金属シートの凸部76との必要な電気的接続が確保され、導電体層が形成される(図17(4))。
本発明により、高品質・高信頼性の光電変換装置を効率的に製造することができる。これにより、同光電変換装置を低コストかつ工業的規模で提供することが可能となる。
本発明の工程(a)において準備された光電変換素子の縦断面図である。 本発明の工程(a)において準備された、表面に反射防止膜を有する光電変換素子の縦断面図である。 本発明の工程(a)において準備された支持体の平面図である。 図3の支持体の4−4線の断面図である。 本発明の工程(a)において支持体に導電性接着剤を塗着する工程を示す縦断面図である。 図5の工程により導電性接着剤が塗着された支持体の縦断面図である。 本発明の第1の製造方法における工程(b1)の一実施形態を示す縦断面図である。 本発明の第1の製造方法における工程(b1)により得られた構造体の縦断面図である。 本発明の第2の製造方法における工程(b2)の一実施形態を示す縦断面図である。 本発明の工程(c)の第1の実施形態における第1段階の工程を示す縦断面図である。 本発明の工程(c)の第1の実施形態における第2段階の工程を示す縦断面図である。 本発明の工程(c)の第1の実施形態における最終段階の工程を示す縦断面図である。 本発明の工程(c)の第2の実施形態を示す縦断面図である。 本発明の工程(c)の第3の実施形態における前半の工程を示す縦断面図である。 本発明の工程(c)の第3の実施形態における後半の工程を示す縦断面図である。 本発明の工程(c)の第4の実施形態を示す縦断面図である。 本発明の工程(c)の第5の実施形態を示す縦断面図である。
符号の説明
1 第1半導体
2 第2半導体層
9 反射防止膜
10 光電変換素子
11、14 (第1半導体の)露出部
12、51、64、121 導電性接着剤
15、26 支持体
16 (支持体の)凹部
17 (支持体の)孔
30 組立体
31、63、73,80、94 導電性ペースト
32 (導電性ペーストの)塗布層
38、71、74,91 樹脂シート(電気絶縁層)
59 砥粒を含む毛材
60、68、75(電気絶縁層の)孔
67、72 電極
70、77,92 金属シート
93 (電気絶縁層と導電性金属シートの)孔

Claims (13)

  1. (a)球状の第1半導体およびその全表面を被覆する第2半導体層からなる複数のほぼ球状の光電変換素子、並びに、前記光電変換素子を1個ずつ装着するための複数の孔を有する導電性の支持体からなり、前記光電変換素子が、その第2半導体層が前記孔の周縁部に塗着された導電性接着剤により、前記孔の縁部に電気的および物理的に接続され、かつ前記光電変換素子の一部が前記支持体の裏面側に臨んでいる組立体を準備する工程、
    (b1)前記組立体における支持体の裏面側に、砥粒もしくは砥粒を含む研磨部材を擦り合わせ、前記支持体の裏面側に露出している第2半導体層の少なくとも一部を研磨して除去することにより、前記第1半導体の一部を露出させる開口部を形成する工程、および、
    (c)前記支持体の裏面側に、導電体層および前記支持体と前記導電体層とを絶縁する電気絶縁層を接合し、前記電気絶縁層に設けられた孔をとおして前記導電体層と前記第1半導体とを電気的に接続する工程を含むことを特徴とする光電変換装置の製造方法。
  2. 前記研磨部材が、ブラシの毛材、または、スポンジ状、シート状、スラリー状もしくはペースト状の部材であり、かつ砥粒を含む請求項1記載の光電変換装置の製造方法。
  3. 前記砥粒が、炭化ケイ素、アルミナ、酸化セリウム、酸化クロムおよびダイヤモンドよりなる群から選ばれた少なくとも一種を含む請求項1または2に記載の光電変換装置の製造方法。
  4. 前記工程(b1)が、前記砥粒を含む毛材を用いたブラシを回転させながら前記支持体の裏面側に前記毛材を接触させる工程を含む請求項2または3に記載の光電変換装置の製造方法。
  5. 前記工程(b1)が、前記砥粒を含むスラリーまたは前記砥粒を含む気流を前記支持体の裏面側に吹きつけながら、前記支持体の裏面側にブラシの毛材またはスポンジ状もしくはシート状の部材を擦り合わせる工程を含む請求項2または3に記載の光電変換装置の製造方法。
  6. 前記工程(b1)が、前記支持体の裏面側に露出している第2半導体層の少なくとも一部を粗研磨する工程、および、前記粗研磨された部位を、前記粗研磨工程における研磨部材より細かい砥粒もしくは該砥粒を含む研磨部材により精研磨する工程を含む請求項1〜5のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法
  7. 前記砥粒の平均粒径が、前記粗研磨工程において3〜20μmであり、前記精研磨工程において0.1〜0.5μmである請求項6記載の光電変換装置の製造方法。
  8. (a)球状の第1半導体およびその全表面を被覆する第2半導体層からなる複数のほぼ球状の光電変換素子、並びに、前記光電変換素子を1個ずつ装着するための複数の孔を有する導電性の支持体からなり、前記光電変換素子が、その第2半導体層が前記孔の周縁部に塗着された導電性接着剤により、前記孔の縁部に電気的および物理的に接続され、かつ前記光電変換素子の一部が前記支持体の裏面側に臨んでいる組立体を準備する工程、
    (b2)前記組立体における前記支持体の裏面側に、エッチング液を保持させた部材を擦り合わせ、前記支持体の裏面側に露出している第2半導体層の少なくとも一部をエッチングして除去することにより、前記第1半導体の一部を露出させる開口部を形成する工程、および、
    (c)前記支持体の裏面側に、導電体層および前記支持体と前記導電体層とを絶縁する電気絶縁層を接合し、前記電気絶縁層に設けられた孔をとおして前記導電体層と前記第1半導体とを電気的に接続する工程を含むことを特徴とする光電変換装置の製造方法。
  9. 前記工程(b2)が、少なくとも表面層がスポンジ状もしくは微細な凹凸状の構造を有するドラムの一部をエッチング液に接触させながら回転させて前記表面層に前記エッチング液を保持させ、その表面層を前記支持体の裏面側に接触させる工程を含む請求項8記載の光電変換装置の製造方法。
  10. 前記工程(b1)についで、さらに、少なくとも表面層がスポンジ状もしくは微細な凹凸状の構造を有するドラムの一部をエッチング液に接触させながら回転させて前記表面層に前記エッチング液を保持させ、その表面層を前記支持体の裏面側に接触させる工程を実施する請求項1〜7のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  11. 前記工程(a)における光電変換素子が、前記第2半導体層の全表面を被覆する反射防止膜を有しており、前記工程(b1)または(b2)において、前記反射防止膜の一部が前記第2半導体層と共に除去されて、前記開口部が形成される請求項1〜10のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  12. 前記支持体が、前記孔を底部に有する凹部を隣接して有し、凹部の内面に反射鏡層を有する請求項1〜11のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  13. 前記工程(c)が、前記第1半導体の露出部に導電性ペーストを塗着する工程、前記導電性ペーストを熱処理して電極を形成する工程、および前記電極と前記導電体層とを電気的に接続する工程を含む請求項1〜12のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
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