JP2008071834A - 光電変換装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】球状の第1半導体とその表面を被覆する第2半導体層を有する光電変換素子を孔の部分に装着した支持体、およびその裏面に電気絶縁層を介して接合した金属シートを具備する光電変換装置の前記第1半導体と金属シートの電気的接続機構の改良とその工程を合理化する。
【解決手段】支持体の裏面側に臨む第1半導体の露出部もしくは該露出部上の電極に形成した導体バンプを、電気絶縁層に圧入して貫通させ、圧力下でその先端を金属シートに当接させる。導体バンプは円錐状ないしは角錐状であり、前記圧力により塑性変形して金属シートと当接していることが好ましい。
【選択図】図7

Description

本発明は、球状の光電変換素子を搭載した光電変換装置およびその製造方法に関する。
安価で、高出力が期待できる光電変換装置として、第1半導体である球状のp型半導体の表面に、第2半導体層であるn型半導体層を形成した光電変換素子を用いた球状太陽電池が検討されている。これに関しては、例えば、穴のあいた偏平なアルミニウム箔にシリコンの球状素子を埋込み、そのアルミニウム箔の裏面から、n型半導体層をエッチングして内部のp型半導体を露出させ、露出したp型半導体を、もう1つのアルミニウム箔に接続して構成したソーラ・アレーが提案されている(特許文献1など)。
この提案は、直径1mm前後の小さな素子を用いることで光電変換部全体の平均厚みを薄くし、高純度シリコンの使用量を軽減しようとするものである。しかし、この球状太陽電池は反射光を活用しない方式なので、素子当たりの出力が低い。従って、モジュールの受光面当たりの変換効率を向上させるために、多数の素子を相互に近接して配置する必要がある。そのため、素子とアルミニウム箔との接続作業が繁雑な上に、素子数が多くなり、原価を低減させる効果が少ない。
また、上記提案には、アルミニウム箔製の導電体層とシリコン半導体とを接合して良好な電気的接続を得るために、500〜577℃で熱処理をして、接合部にアルミニウムとシリコンの合金層を形成する方法が含まれている。第2半導体層は厚み0.5μm以下の薄層であるため、上記の熱処理時に導電体層が第2半導体層を突き抜け、短絡現象を引き起こす場合がある。このため、開放電圧および曲線因子等の大幅な低下を招き易い。
これらの問題を解決するため、多数の凹部を有する支持体の各凹部内に直径1mm前後の球状の光電変換素子を取り付け、凹部内面を反射鏡として働かせる太陽電池が提案されている(特許文献2、3および4)。これらの太陽電池はマイクロ集光型または低集光型球状太陽電池と呼ばれている。この構成による第1の利点は、素子の材料、特に高価なシリコンの使用量を低減できることである。第2の利点は、反射鏡の作用により、直接照射される光の4〜6倍の光を素子に照射できるので、光を有効に利用できることである。
この種の光電変換装置の従来の代表的な製造方法として、本発明者らが先に行った提案(特許文献4)について説明する。光電変換素子は、球状の第1半導体およびその表面を被覆する第2半導体層からなり、第1半導体の一部は第2半導体層から露出している。第1半導体の露出部および第2半導体層にはあらかじめ電極が形成されている。この素子を個々に取り付ける複数の凹部を有する支持体は、第2半導体層と電気的に接続される第2導電体層およびその背面に設けた電気絶縁層からなっている。電気絶縁層の背面には、第1半導体の電極を相互に電気的に接続する第1導電体層が取り付けられる。
この構成によると、支持体に素子を配置する以前に、高温の熱処理を要する電極形成を行うので、素子を支持体に装着した後の工程を、比較的低温下で実施できるという利点を有する。また、上記の支持体は、素子を収納する凹部を有する導電体層と電気絶縁層とからなる二層構造になっている。この支持体は、例えば、金属シートを加工して底部に孔を有する複数の凹部を形成した導電体層と、前記孔に対応した孔を有する電気絶縁性シートとを重ね合わせて、一体化して作製される。しかし、実際には、接着や熱圧着などにより両者を一体化する過程において、樹脂製の電気絶縁性シートが変形するため、孔のピッチや寸法、形状が変化して位置ずれが起こり易く、精度良く支持体を製作することは困難である。特許文献2および3に開示されている三層構造の支持体においても上記の二層構造の支持体と同様の問題がある。
さらに、球状太陽電池では、極めて小さい多数の球状素子の全てを支持体の個々の小さい凹部内の所定位置に、正確かつ迅速に装着し、固定することが非常に重要な課題である。もし、素子の位置決めが不正確であったり、球状太陽電池の製造工程中や使用中に位置ずれを起こしたりすると、第2導電体層が第1半導体の露出部や電極と接触して短絡したり、半導体側と導電体層側との電気的接続ができなかったりするなどの問題を引き起こす。素子が脱落すれば光電変換装置の出力が低下する。
この問題を解決するため、例えば、特許文献4では、導電性ペーストを第2半導体側電極に塗布した素子を支持体の凹部内に位置決めした後、加熱して固定する方法が提案されている。しかし、この方法には、微小な電極部に導電性ペーストを高速で塗布することが困難なことや、素子を支持体に位置決めする過程で、素子に塗布した導電性ペーストが凹部の反射鏡部分に付着して光電変換効率を低下させるなどの問題がある。また、上記提案においては、あらかじめ、第1半導体側および第2半導体層側にそれぞれの電極を形成した素子を支持体の凹部に位置決めする。そのため、素子を特定の姿勢に制御した状態で支持体の凹部に配置するための煩雑な工程を必要とし、生産性に難点がある。
特開昭61−124179号公報 特開2002−50780号公報 特開2002−164554号公報 特開2004−63564号公報
本発明は、複数の球状の光電変換素子、前記の素子を1個ずつ配置するための複数の孔を有する導電性の支持体、前記支持体の裏面に電気絶縁層を介して形成された導電体層を具備する光電変換装置、特にその製造方法の改良に関する。前記素子は、球状の第1半導体およびその表面を被覆する第2半導体層からなり、第2半導体層は、第1半導体の一部を露出させる開口部を有する。そして、素子は、その第2半導体層が支持体の前記孔の縁部に電気的に接続され、第1半導体の露出部は、支持体の裏面側に位置し、前記電気絶縁層の孔をとおして、電気接続体により前記導電体層に電気的に接続される。
上記の光電変換装置の製造上の課題は、電気絶縁層および導電体層の形成方法と関連して、素子の第1半導体と導電体層との電気的な接続方法である。
本発明の第1の目的は、上記の光電変換装置の組み立て方法を合理化し、信頼性の高い光電変換装置を提供することである。すなわち、本発明は、前記光電変換装置およびその製造方法において、素子の第1半導体と電気的に接続された導電体層を支持体の裏面側に電気絶縁層を介して形成する方法を改良するものである。
本発明の第2の目的は、特に、特許文献4に記載のような構造の光電変換装置を改良するとともに、その効率的な製造方法を提供することである。
本発明の光電変換装置は、(1)球状の第1半導体およびその表面を被覆する第2半導体層を具備し、前記第2半導体層が前記第1半導体を露出させる開口部を有する複数のほぼ球状の光電変換素子、並びに、前記光電変換素子を1個ずつ配置するための複数の孔を有する導電性の支持体からなり、前記光電変換素子がその第2半導体層が前記孔の縁部に電気的に接続され、かつ前記第1半導体の露出部が前記支持体の裏面側に臨んでいる組立体、
(2)前記組立体の裏面に形成された電気絶縁層、
(3)前記電気絶縁層の裏面に接合された導電性金属シート、および
(4)前記第1半導体と前記導電性金属シートとを電気的に接続する層間接続部、
を具備し、前記層間接続部は、前記第1半導体の露出部もしくは該露出部に形成された電極上に形成された導体バンプの先端が、前記電気絶縁層中にその厚さ方向に圧入され前記導電性金属シートの対向面に押圧されて該対向面に電気的に接続されていることを特徴とするものである。
本発明の光電変換装置の製造方法は、上記の本発明の光電変換装置を効率的に製造する方法である。
本発明の製造方法の前半の工程においては、球状の第1半導体およびその表面を被覆する第2半導体層を具備し、前記第2半導体層が前記第1半導体を露出させる開口部を有する複数のほぼ球状の光電変換素子、前記第1半導体の露出部もしくは該露出部に形成された電極上に形成された導体バンプ、並びに、前記光電変換素子を1個ずつ配置するための複数の孔を有する導電性の支持体からなり、前記光電変換素子がその第2半導体層が前記孔の縁部に電気的に接続され、かつ前記第1半導体の露出部が前記支持体の裏面側に臨んでいる組立体を準備する。前記第2半導体層は反射防止膜で覆われているのが好ましい。
後半の工程においては、前記組立体の支持体の裏面に電気絶縁層を接合し、その電気絶縁層を介して、光電変換素子の第1半導体と導電性金属シートを電気的に接続する。その手段として、前記電気絶縁層に前記導体バンプを圧入して貫通させ、さらにその先端を前記電気絶縁層に接合する導電性金属シートの対向面に当接させる。本発明による第1半導体と導電性金属シートとの電気的接続方法の具体的な実施形態は多様であり、それらは後述の第1〜第4の製造方法に分類される。
従来の金属シートと第1半導体を電気的に接続する方法は、例えば、第1半導体の露出部ないしは該露出部上の電極を露出させる孔を電気絶縁層に設け、その孔内を満たすよりやや多く充填した導電性ペーストにより、両者を電気的に接続するのが一般的である。しかし、この方法は工程が煩雑であり、さらに、第1半導体の露出部もしくは電極を露出させるための所定の部位に上記の孔を正確に位置決めして形成することが困難なので、孔の位置ずれが発生し易い。そのため、上記の電気的接続の信頼性が低く、更に、第1半導体と第2半導体層あるいは支持体との間で短絡が発生し易いという問題がある。
本発明によれば、電気絶縁層に孔を形成する必要はないので工程が簡略化される。さらに、第1半導体と電気的に接続された導体バンプを電気絶縁層に圧入して貫通させ、その先端を直接に金属シートに接触させるので、前記の孔の位置ずれが発生しない。これにより、前記の電気的接続の信頼性が高まり、さらに前記の短絡が発生することもなくなる。本発明の効果を高めるには、導体バンプが円錐状もしくは角錐状に形成されていることが好ましい。さらに、軟化もしくは熱可塑化するまで加熱した樹脂製の電気絶縁層に導体バンプを圧入するのが好ましい。これらの手法により、導体バンプの先端部が電気絶縁層に厚さ方向に容易に圧入されて電気絶縁層を貫通し易くなる。
さらに、導体バンプを金属シートの対向面に押圧して塑性変形させることにより導体バンプの先端と金属シートがより強く、広く接触し、両者の電気的接続の信頼性を一層高めることができる。導体バンプを円錐状もしくは角錐状に形成した上で、上記の電気絶縁層を軟化もしくは熱可塑化させるための加熱および導体バンプを塑性変形させるための押圧を行うことにより、本発明の一層顕著な効果が得られる。
導電路となる孔を電気絶縁層の所定の位置に精度よく形成することが必要な前記の従来法と異なり、本発明では上記の孔を予め形成する必要はなく、工程が簡略化される。さらに、上記の導体バンプを直接に金属シートに接触させるので、両者の電気的接続の信頼性が高まる。これにより、高品質、高信頼性の光電変換装置を実現でき、これを効率的に製造することができる。
本発明の光電変換装置の製造方法には下記の四種類の製造方法がある。
本発明の光電変換装置の第1の製造方法は、
(a)球状の第1半導体およびその表面を被覆する第2半導体層を具備し、前記第2半導体層が前記第1半導体を露出させる開口部を有する複数のほぼ球状の光電変換素子、前記第1半導体の露出部もしくは該露出部に形成された電極上に形成された導体バンプ、並びに、前記光電変換素子を1個ずつ配置するための複数の孔を有する導電性の支持体からなり、前記光電変換素子がその第2半導体層が前記孔の縁部に電気的に接続され、かつ前記第1半導体の露出部が前記支持体の裏面側に臨んでいる組立体を準備する工程、
(b)前記支持体の裏面側に電気絶縁性シートを貼り合わせる工程、および
(c)前記電気絶縁性シートの裏面側に導電性金属シートを圧力下において貼り合わせることにより、前記導体バンプの先端を前記導電性金属シートに当接させ、前記第1半導体と前記導電性金属シートとを前記導体バンプにより電気的に接続する工程、を含むことを特徴とする。
本発明の光電変換装置の第2の製造方法は、
(a)上記第1の製造方法と同じ組立体を準備する工程、
(b)前記支持体の裏面側に電気絶縁性シートを貼り合わせ、前記導体バンプの先端を電気絶縁性シートの裏面側に突き出させる工程、
(c)前記電気絶縁性シートの裏面側に突き出た部位の導体バンプないしはその周辺部の電気絶縁性シートに導電性ペーストを塗着する工程、および
(d)前記電気絶縁性シートの裏面側に導電性金属シートを圧力下において貼り合わせることにより、前記導体バンプの先端ないしは前記導電性ペーストを前記導電性金属シートに当接させ、前記第1半導体と前記導電性金属シートとを前記導体バンプにより電気的に接続する工程、を含むことを特徴とする。
本発明の光電変換装置の第3の製造方法は、
(a)上記第1の製造方法と同じ組立体を準備する工程、
(b)前記支持体の裏面側に、導電性金属シートおよび前記導電性金属シートと支持体を電気的に絶縁する電気絶縁性シートを貼り合わせる工程、および
(c)前記導電性金属シートを前記支持体の裏面側に加圧することにより、前記導体バンプの先端を前記導電性金属シートに当接させ、前記第1半導体と前記導電性金属シートとを前記導体バンプにより電気的に接続する工程、を含むことを特徴とする。
本発明の光電変換装置の第4の製造方法は、
(a)上記第1の製造方法と同じ組立体を準備する工程、
(b)前記支持体の裏面側に樹脂ペーストを塗着して電気絶縁性樹脂層を形成する工程、および
(c)前記電気絶縁性樹脂層の裏面側に導電性金属シートを圧力下において貼り合わせることにより、前記導体バンプの先端を前記導電性金属シートに当接させ、前記第1半導体と前記導電性金属シートとを前記導体バンプにより電気的に接続する工程、を含むことを特徴とする。
前記の第1ないし第4の製造方法において、導体バンプは、その先端が円錐状もしくは角錐状に形成され、前記第1半導体と前記導電性金属シートとを導体バンプにより電気的に接続する工程において、導体バンプの先端を塑性変形せる工程を含むことが好ましい。また、前記工程(b)、もしくは前記第1半導体と前記導電性金属シートとを導体バンプにより電気的に接続する工程において、導体バンプの先端が軟化もしくは可塑化した電気絶縁性シートもしくは電気絶縁性樹脂層に圧入される工程を含むことが好ましい。
前記の第1ないし第3の製造方法において、前記工程(b)における電気絶縁性シートが半硬化状態であり、前記第1半導体と前記導電性金属シートとを電気的に接続する工程において、電気絶縁性シートを加熱して硬化させる工程を含むことが好ましい。半硬化状態の電気絶縁性シートは、半硬化状態の熱硬化性樹脂を主体とするシート、または基材の樹脂シートの両面に半硬化状態の熱硬化性樹脂層を形成したシートであることが好ましい。
前記の第1ないし第4の製造方法において、電極は、第1半導体の露出部に導電性ペーストを塗着し、熱処理することにより第1半導体との接合面に形成された第1半導体とのオーミックな導電性を有する層を第1半導体との接合面側に有するものが好ましい。また、導体バンプは、第1半導体の露出部もしくは前記電極に導電性ペーストを塗着することにより形成されることが好ましい。さらに光電変換素子は、第2半導体層の表面を被覆する反射防止膜を有し、第2半導体層および反射防止膜は、第1半導体を露出させる開口部をそれぞれ同部位に有することが好ましい。光電変換素子の主材料はシリコンであることが好ましい。
前記の第1ないし第4の製造方法において、支持体は、孔を底部に有する凹部を隣接して表面に有し、前記凹部の内面に反射鏡層を有するものが好ましい。光電変換素子は、その第2半導体層が導電性接着剤により支持体の孔の縁部に電気的に接続されていることが好ましい。また、支持体および金属シートのそれぞれの基材がアルミニウムであり、金属シートの少なくとも導体バンプが当接する部位に、銀、銅、ニッケル、および錫からなる群より選ばれた少なくとも一種を含む表面層を有することが好ましい。
本発明に用いる光電変換素子について詳細に説明する。素子の中核を構成する球状の第1半導体は、例えば、極微量のホウ素を含むp型多結晶シリコン塊を坩堝内に供給し、不活性ガス雰囲気中で溶融させ、この融液を坩堝底部の微小なノズル孔から滴下させ、その液滴を自然落下中に冷却して固化させることにより作製できる。この第1半導体は、多結晶または単結晶のp型半導体である。通常は、その表面を研磨し、さらにエッチングなどにより表面層の約50μmを除去した後、球状の第1半導体として用いる。
p型の第1半導体を、例えば、オキシ塩化リンを拡散源として800〜950℃で10〜30分間熱処理することにより、その表面に、第2半導体層、即ちn型半導体層として、厚さ約0.5μm程度の燐の拡散層が形成される。
ここでは、第1半導体がp型半導体であり、第2半導体層がn型半導体層である素子を例示したが、素子は、第1半導体がn型半導体であり、第2半導体層がp型半導体層であってもよい。第1半導体は、芯体の外周面に第1半導体層が被覆されたものや、中心付近が空洞のものであってもよい。第1半導体は、真球が好ましいが、ほぼ球状であればよい。第1半導体の直径は、0.8〜1.2mmが好ましいが、0.5〜2mmであればよい。
図1(a)は球状の第1半導体1の表面に第2半導体層2が形成されている素子10Aを示す。図1(b)は第2半導体層2に、第1半導体1の一部を露出させる開口部4が形成された素子10Bを示す。第2半導体層2および第1半導体1が部分的に研磨によって削りとられて第1半導体の露出部3が形成されている。図1(c)は図1(b)における第1半導体の露出部3に電極6が形成されている素子10Cを示す。
図2は第2半導体層2上に、反射防止膜5が形成されている素子を示す。図2(a)は図1(a)の素子に対応するもので、これを加工することにより、図2(b)および図2(c)に示すような、図1(b)および図1(c)のそれぞれの素子に対応する素子とすることができる。第2半導体層上に反射防止膜が形成されている素子は、後の工程において、多くの場合に、第2半導体層と支持体とが反射防止膜を介して電気的に接続される。従って、本発明における反射防止膜は導電性を有することが好ましい。例えば、溶液析出法、霧化法あるいはスプレー法などで形成したZnO、SnO2またはITO(In23−SnO2)などを主体とする薄膜を反射防止膜に適用することができる。
反射防止膜は、導電性および屈折率などから、特に、フッ素およびアンチモンの少なくとも一方をドープした、厚さ50〜100nmのSnO2膜が好ましい。例えば、第2半導体層を形成した多数の素子を加熱板上において400〜600℃に加熱するとともに回転させながら、ドープ材料および錫化合物を溶解した溶液の微粒子を、素子に向けて吹きつけることにより、前記微粒子中の成分が素子の表面またはその近傍において熱分解し、その表面にほぼ一定の厚みのSnO2膜が形成される。ドープ材料としては、フッ化アンモニウム、フッ酸、五塩化アンチモンまたは三塩化アンチモンなどを用い、錫化合物としては、四塩化錫、二塩化ジメチル錫またはトリメチル塩化錫などが用いられる。
SnO2膜は高い導電性が得られることから、従来から平板状の光電変換素子を用いる光電変換装置の透明導電膜用として検討されてきた。これらの膜は、400〜1000nmと比較的厚いので、シリコン半導体の表面に形成した場合には12.3%程度の非常に高い反射率を示す。そのため反射防止膜としての機能を十分に果たすことができない。
ここでは、結晶シリコン半導体を主成分とする光電変換素子を例示したが、化合物半導体などからなってもよく、単結晶、多結晶以外に、アモルファス材料などからなってもよい。また、素子は、第1半導体と第2半導体層の界面にノンドープ層を形成したpin形構造のもの、MIS形、ショットキーバリヤ形、ホモ接合形、またはヘテロ接合形などの構成を有していてもよい。
本発明における支持体は、素子を所定の位置に装着するための多数の孔を規則的に有する。支持体の表面を反射鏡として利用できるように、素子を装着するための孔を底部に有する凹部を形成するのが好ましい。支持体は、素子の第2半導体層と電気的に接続される導電体層を兼ねるので、少なくとも表面側、好ましい形態では受光面となる側は、導電性を有することを必要とする。図3に代表的な支持体を示す。この支持体20は、例えば、厚さ0.2mmのアルミニウム薄板をプレス加工して作製される。支持体20の凹部21は蜂の巣状に形成され、その開口端は六角形である。各開口端は相互に隣接し、凹部21は底になるほど狭く、その底部に形成された孔22は素子の外径より小さい。
支持体の耐熱性が乏しいと、素子を支持体に固定する際の熱処理工程などによって変形あるいは変質し易いので、金属などの耐熱性材料からなる支持体を用いることが好ましい。例えば、アルミニウム製の支持体は、熱処理の最高温度が550℃に達しても変形しない。支持体の主材料としては、加工性、導電性、フレキシブル性およびコスト等を総合するとアルミニウムが好ましいが、銅、ステンレス鋼およびニッケルなどの他の導電性材料であってもよい。導電性および反射性に優れた銀などの層を、メッキ、スパッタ、又は真空蒸着などで凹部の内面に形成すれば、導電体層および反射鏡としての機能が高まる。反射鏡層の作用により、光電変換装置の出力を大幅に増大させることができる。
素子の第2半導体層と支持体を接続するための導電性接着剤は、銀、アルミニウム、銅、ニッケルなどの導電材、バインダー、および溶媒ないしは分散媒を含む。バインダーにエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を用いる樹脂型導電性ペースト、またはバインダーに低融点ガラスフリットを用いる低温ガラスフリット型導電性ペーストを使用できる。好ましい導電性接着剤は、例えば、エポキシ系接着剤にAg粉を導電材として混合した樹脂型導電性ペーストで、25℃における粘度は約100Pa・sである。
導電性接着剤を支持体の凹部の孔の周縁部に塗着する方法としては、たとえば転写法がある。支持体の孔に先端部が嵌合するような球面状の転写ピンを、均一な厚さの導電性接着剤層に押しつけて転写ピンの先端に導電性接着剤を付着させ、これを支持体の孔に向けて押しつけることにより、導電性接着剤を支持体の孔の周縁部に、リング状に塗着することができる。
導電性接着剤を塗着した支持体に、接着剤が乾燥する以前の、粘着性を有する間に、図1または図2の素子を配置し、加熱して接着剤を固化させることにより、素子を支持体に固定するとともに素子の第2半導体層と支持体とを電気的に接続することができる。図1および図2のそれぞれの(b)または(c)の素子を用いるときには、素子を特定の方向に配向させて、すなわち、素子の第1半導体の露出部またはそこに形成された電極が支持体の裏面に臨むように姿勢を制御して、支持体の所定の位置に固定する。導電性接着剤が樹脂型導電性ペーストであるときは100〜200℃、低温ガラスフリット型導電性ペーストであるときは200〜500℃の温度で固化させるのが好ましい。
次に、第1半導体の露出部に形成する電極および導体バンプについて説明する。導体バンプは、第1半導体の露出部に直接に形成してもよいが、予め第1半導体の露出部に形成された電極上に形成するのが好ましい。
電極は、第1半導体の露出部に導電性ペーストを塗着し、これを熱処理することにより形成される。導体バンプは、第1半導体の露出部もしくは該露出部に形成した電極上に導電性ペーストを塗着し、これを乾燥させることにより形成される。
電極形成用の導電性ペーストは、銀、金、銅、ニッケルなどの金属あるいはそれらの合金の粉末などの導電材、バインダー、および溶媒ないしは分散媒を含む樹脂型導電性ペーストまたはガラスフリット型導電性ペーストを使用できる。第1半導体がp型の場合はアルミニウム粉末、第1半導体がn型の場合はリンもしくはリン化合物などの添加材を含むものが好ましい。電極を形成する際のレーザ照射などの熱処理により、第1半導体とのオーミックな導電性に富んだ層が、電極の第1半導体との接合面側に形成される。この導電層は、第1半導体と導体バンプとを低抵抗で電気的に接続するために有効に作用する。この導電層は、例えば、導電性ペースト中のアルミニウムなどの上記の添加剤と第1半導体表面のシリコンとの合金層ないしは拡散層として形成される。
導体バンプ形成用の導電性ペーストには、電極形成用の導電性ペーストと同様の導電材、バインダーおよび溶媒ないしは分散媒が含まれる。アルミニウム粉末などの上記の添加材は必ずしも必要としないが、第1半導体の露出部に直接に導体バンプを形成する場合には、上記の添加剤が添加された導電性ペーストを用いるのが好ましい。塗着された導電性ペーストの乾燥温度は、導電性接着剤が樹脂型導電性ペーストの場合は100〜200℃、ガラスフリット型導電性ペーストの場合は200〜500℃が好ましい。
本発明における導体バンプは、後の工程で電気絶縁層に圧入して貫通させ、好ましくは塑性変形させて、その先端が金属シートに当接するに十分な厚みが要求されるので、一般的に、100〜300μm程度が好ましい。また、導体バンプは、電気絶縁層に貫通し易いように、先端部が尖った形状のもの、とりわけ前記の円錐状もしくは角錐状のものが好ましい。
導体バンプを形成するための導電性ペーストの塗布層は、電極形成の場合と異なり、肉厚であることが必要である。そのため、2000〜4000Pa・s程度の比較的高粘度の導電性ペーストを用い、厚さ50〜200μm程度の比較的厚いメタルマスクを用いた印刷法により塗布層を形成することが好ましい。これにより、肉厚で、かつ先細状の塗布層が形成され、一般的には円錐状もしくは角錐状に形成される。この塗布層を乾燥することにより、ペースト中の固形組成物を主体とした、塗布層とほぼ同じ、ないしはやや小さい相似形の導体バンプが得られる。因みに、電極形成用の100〜200Pa・s程度の比較的低粘度の導電性ペーストを用いた場合には、上記のような厚肉で先細塗布層を形成することは困難である。
次に、電気絶縁層について説明する。電気絶縁層を形成する一般的な方法としては、電気絶縁性樹脂もしくはこれを主体とするシートないしはフィルムを支持体の裏面に貼り合わせる方法がある。電気絶縁性樹脂としては、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂は、例えばポリカーボネイト、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、熱可塑性ポリイミドおよびポリエーテルエーテルケトンなどを用いることができる。例えば、ポリエーテルエーテルケトン系の樹脂シートを支持体の裏面全面を覆うように配置し、熱処理により樹脂シートを支持体に密着させる。支持体の裏面または樹脂シートの表面に設けた接着剤層により支持体に接着することもできる。樹脂シートの厚みは50μm以上であれば強度的にも十分である。
特に好ましい樹脂シートは、半硬化状態の電気絶縁シートであり、半硬化状態(B−状態)の熱硬化性樹脂もしくはこれを主体とするシート、または基材の樹脂シートの両面に半硬化状態の熱硬化性樹脂層を形成したシートである。これらのシートは一般的にプリプレグと呼ばれる。熱硬化性樹脂を主体とするシートには、半硬化状態の熱硬化性樹脂に補強用繊維を混合したシート、基材の織布や不織布などに半硬化状態の熱硬化性樹脂を含浸したシートなどが含まれる。両面に熱硬化性樹脂層を形成したシートの基材には、通常、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリイミドなどのシートが用いられる。補強用繊維または基材の織布や不織布を構成する繊維には、ガラス繊維およびアラミド繊維などが用いられる。
支持体の裏面に半硬化状態の樹脂シートを熱圧着する際の加熱により、樹脂シートに適度な柔軟性が付与され、導体バンプがこの樹脂シートに容易に圧入される。さらに、この樹脂シートに金属シートを接合する際の熱圧着時の加圧により、導体バンプが金属シートの対向面に強く押圧されて塑性変形し、導体バンプの先端と金属シートがより確実に電気的に接続される。さらに加圧を継続しながら加熱してこの樹脂シートを硬化させれば、接着剤を用いることなく、支持体および金属シートを樹脂シートを介して強固に結合することができる。
熱硬化性樹脂としては、通常エポキシ樹脂が用いられる。シートの製造過程では、通常、未硬化の状態(A−状態)の樹脂が基材に塗布、含浸あるいは混合される。電気絶縁性シートまたはこれに含まれている熱硬化性樹脂は半硬化状態であるため、通常、使用前のシートは両面に張り合わされたセパレータ層によって保護されている。長期保管は冷蔵庫で行い、常温では数週間ないし数カ月の可使時間である。
電気絶縁性シートを支持体に貼り付けるとともに導体バンプを圧入させるときの温度T1は材料によって異なるが、硬化温度を超えず、樹脂に適度な柔軟性と粘着性が付与される温度、通常は70〜180℃の温度範囲から選ばれる。この場合の加圧力は、導体バンプが貫通しない程度に電気絶縁性シートを貼り付けるときには面圧0.1〜0.5MPa、導体バンプの先端を電気絶縁性シートから突出させるときには面圧0.3〜3MPa、の範囲からそれぞれ選ばれる。
電気絶縁性シートに金属シートを張り合わせるときの温度も上記と同様に70〜180℃の温度範囲から選択すればよい。この場合の面圧は0.1〜3MPaから選択されるが、特に、導体バンプを塑性変形させ、その先端を金属シートに当接させるときには、面圧1〜3MPaで加圧するのが好ましい。
電気絶縁性シートを最終的に硬化させるときの熱処理温度T2は、前記の温度T1より高く、通常は120〜200℃の温度範囲から選ばれる。この熱処理によって半硬化状態から電気絶縁性シートは硬化状態(C−状態)に変化し、支持体と金属シートとを一体に結合した電気絶縁層が形成される。
半硬化状態の電気絶縁性シートとしては、例えば、日立化成工業(株)よりAS系接着フィルムとして販売されているものが好適に用いられる。この半硬化状態のシートを支持体に貼り合わせ、かつ導体バンプを貫通させるときは、面圧0.5MPa程度の圧力をかけて120℃程度で10秒〜30秒間保持する。この電気絶縁性シートに金属シートを貼り合わせ、導体バンプを塑性変形させて金属シートに当接させるときは、温度および保持時間を上記と同様として、面圧1.5Mpaで加圧する。電気絶縁性シートを硬化させるには、金属シート側から面圧1.5MPa未満の圧力をかけて、180℃で15分間以上保持する。
電気絶縁層を形成する他の方法として、前記組立体の支持体の裏面に、樹脂ペーストを塗布し乾燥する方法がある。樹脂ペーストは、ポリイミド系、シリコーン系、ウレタン系、アクリル系などの樹脂を有機溶媒や水に溶解または分散させたものである。樹脂ペーストの塗布方法は、スクリーン印刷法、スプレー法、オフセット印刷法、インクジェット法などがある。この電気絶縁層に金属シートを熱圧着もしくは接着する際の加圧力により、導体バンプを電気絶縁層に貫通させ、さらにその先端を金属シートに当接させることができる。
金属シートには、アルミニウム以外に、ニッケル、銅、ステンレス鋼などの、例えば厚さ15〜100μm程度の薄板が用いられる。特に、アルミニウム製の金属シートを用いる場合には、その表面に酸化膜が形成され易いため、導体バンプと金属シートとの接合界面の電気抵抗が大きくなる場合が多い。これを防止して金属シートと第1半導体もしくは電極とを低抵抗で電気的に接続するためには、アルミニウムシートを基材として、導体バンプが接する部位に、導電性が良好な表面層を設けることが好ましい。この表面層は、銀、銅、ニッケル、および錫よりなる群から選ばれた少なくとも一種を含むことが好ましい。表面層はメッキ、スパッタリング又は真空蒸着などで形成することができる。
アルミニウム基材の表面に上記のように導電性が良好な層を形成した金属シートは、特に、支持体の基材がアルミニウムである場合に用いるのが有効である。支持体と金属シートの基材が同材質であることによって、両者の熱膨張率が等しくなり、金属シートと支持体を電気絶縁層を介して一体化する際に、熱処理による歪みをなくすることができる。これにより、上記三者を湾曲などの変形がない状態で、強固に結合させることができる。
次に、本発明の製造方法の工程を前半の工程と後半の工程に分けて、それぞれの実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
1)前半の工程の実施形態
前記の第1ないし第4の製造方法における工程(a)を、本発明の製造方法の前半の工程として、その実施形態を説明する。本工程においては、球状の第1半導体およびその表面を被覆する第2半導体層を具備し、第2半導体層が第1半導体を露出させる開口部を有する複数のほぼ球状の光電変換素子、第1半導体の露出部もしくは該露出部に形成された電極上に形成された導体バンプ、並びに、素子を1個ずつ配置するための複数の孔を有する導電性の支持体からなり、前記素子がその第2半導体層が支持体の孔の縁部に電気的に接続され、かつ第1半導体の露出部が支持体の裏面側に臨んでいる組立体を準備する。
実施形態1−1
本実施形態では図1(a)もしくは図2(a)の素子を用いて上記の組立体を構成する。まず、例えば、図1(a)の素子10Aを支持体の孔の部分に固定した構造体30Aを準備する。図4に示す構造体30Aは、複数の光電変換素子10A、並びに、前記素子を1個ずつ配置するための複数の孔を有する導電性の支持体20からなり、素子10Aがその第2半導体層2が支持体20の凹部の孔の縁部に、導電性接着剤24により、電気的に接続され、かつ素子10Aの一部が支持体20の裏面側に臨んでいる。
図4には、図3のIV−IV線で切った断面図に相当する支持体の一部のみを示しているが、例えば、支持体はサイズが50×150mmで、直径約1mmの素子を約1800個固定している。このようなユニットを多数製作し、直列あるいは並列に接続することにより所望の電力を取り出せる太陽電池を組み立てることができる。
次いで、構造体30Aの支持体20の裏面側に臨む部位の光電変換素子の第2半導体層2の少なくとも一部を除去して、第1半導体を露出させる。
具体的には、エッチング、もしくはサンドブラスト、ブラッシングなどの機械的な研磨、またはこれらの手法の併用などにより、第2半導体層(厚さ1μm未満)を含む素子の表面層(厚さ約1〜3μm)を除去する。
サンドブラスト法では、構造体30Aの裏面側に、例えばアルミナからなる微粉状の研磨材を、空気とともにノズルから吹き付け、支持体の裏面側に位置する部位の第2半導体層を含む素子の表面層を研磨材で削り取る。ブラッシング法では、例えば、ダイヤモンド砥粒が練り込まれたナイロン製のブラシを有する研磨器を回転させながら、支持体の裏面側に露出した素子の表面に接触させ、表面層を削り取る。その他の機械的な研磨の方法として、例えば、組立体30Aの裏面側にスポンジ状の樹脂の細孔に砥粒が充填された研磨シートを擦り合わせることにより、素子の表面層を除去する方法などがある。
本発明における光電変換素子の表面層は、先に説明したように、第1半導体の表面層とその上に形成した第2半導体層から構成されるものと、その上に反射防止膜を形成したものがある。サンドブラスト法などの機械的な方法では、反射防止膜やシリコンのような硬質の材料、とりわけ反射防止膜は研磨され易いが、アルミニウム製の支持体や導電性接着剤などの軟質の材料は比較的研摩され難い。従って、これらの方法により、支持体に実質的な損傷を与えることなく、支持体の裏面側の素子の表面層を除去することができる。
エッチング法は、構造体30Aの裏面側に、エッチング液を接触させて第2半導体層の表面層を溶解させて除去した後、水洗、乾燥する方法が一般的である。例えば、濃度約60%のフッ酸と濃度約40%の硝酸を体積比4:1の割合で混合したエッチング液を用い、10〜20秒間のエッチングを行う。他のエッチング液として、水酸化テトラメチルアンモニウムと、酸化剤として例えば過酸化水素を溶解させたアルカリ性水溶液を用いることもできる。
これらのエッチング液は、シリコンや反射防止膜を溶解するが、アルミニウムを比較的溶解し難い。従って、処理時間などの条件を適切に設定することにより、実質的にアルミニウム製支持体に損傷を与えることなく、素子の表面層のみを除去することができる。支持体の表面に銀の反射鏡層が形成されている場合には、銀を溶解し難い前記のアルカリ性水溶液を用いるのが好ましい。
前記の機械的な手法による研磨によって、素子の表面層のうち、特に反射防止膜が除去されやすく、エッチング法では、特に研磨面を平滑化する効果がある。従って、特に、第2半導体層上に反射防止膜が形成されている場合には、上記の各手法の特質を利用して、先ず、研磨により主として反射防止膜および半導体の表面層の大半を除去し、次いでエッチングにより主として研磨面を平滑化する方法が有効である。
上記の各方法によれば、極く薄い表面層が除去されるので、本工程の実施前後で素子の形状は殆ど変わらず球状のままである。図5(1)に図4の構造体30Aの支持体20の裏面側に臨む部位の素子10に第1半導体の露出部13が形成された状態を示す。上記以外にも、支持体の裏面側に位置する部位の素子を、第2導電体層の開口部と第1半導体の露出部が同一平面になるように、グラインディングなどで研削して除去する方法がある。この方法では、研削時に支持体の裏面側から素子に加わる荷重によって素子が支持体から分離しないような配慮が必要である。
次に、図5(1)の構造体の素子10の第1半導体の露出部13に電極を形成し、その上に導体バンプを形成する。まず、印刷法あるいはディスペンサーを用いて、常温での粘度が約100Pa・sに調整された導電性ペーストを、第1半導体の露出部13に塗着し、直径約300μm、厚さ約50μmの塗布層を形成する。次いで、その導電性ペーストにレーザを照射して局部的に加熱し、図5(2)のような電極16を形成する。レーザ照射は、例えば、YAGレーザ装置を用い、スキャン速度1000mm/sec、印字パルス周期10μmの条件で行う。レーザを照射により局所的な高温の熱処理を施すことにより、第1半導体の露出面のシリコンとペースト内のアルミニウムが合金化して導電層を形成する。この際、ペースト内の樹脂などのバインダー成分の大半は分解して気化し、形成された電極は上記の導電層を主体とした薄肉の層となる。
次に上記の電極上に導電性ペーストを塗着し、乾燥することにより導体バンプを形成する。まず、図5(2)の構造体の各素子10の電極16の位置、即ち支持体の各孔の中央部、に対応するパターンで直径300μmの多数の孔が設けられた厚さ100μmのステンレス鋼板製のメタルマスクを、支持体の裏面側に位置合わせして重ね合わせ、スキージを用いて導電性ペーストをメタルマスクの孔に充填する。導電性ペーストは、例えば、エポキシ樹脂をバインダーとし、導電材に銀を用い、常温での粘度が2500Pa・sに調整されたものを用いる。次いで、メタルマスクを支持体の裏面側から引き上げると、孔内の導電性ペーストが電極上もしくは第1半導体の露出面に転写され、先細状でほぼ円錐状の高さ150〜200μmの導電性ペーストの塗着層が形成される。次いでこれを150〜180℃で乾燥して、上記の塗布層と相似形で、底部の直径が約300μm、高さ約150μmの、半硬化もしくは硬化状態の円錐状の導体バンプ7が形成される(図5(3))。
以上のプロセスにより、工程(a)における組立体を準備することができる。
実施形態1−2
本実施形態では、図1(b)もしくは図2(b)の素子を用いる。まず、例えば、図9(1)に示すような、図1(b)の素子10Bを導電性接着剤24により支持体20に固定した構造体30Bを準備する。次いで、実施形態1−1の方法に準じて、第1半導体の露出部に電極26を形成し(図9(2))、その電極26の上に円錐状の導体バンプ17を形成する(図9(3))。これにより、工程(a)の組立体を準備することができる。
実施形態1−3
本実施形態では、図1(c)もしくは図2(c)の素子を用いる。まず、例えば、図10(1)に示すような、図1(c)の素子10Cを導電性接着剤24により支持体20に固定した構造体30Cを準備する。次いで、実施形態1−1の方法に準じて、素子10Cの電極6の上に導体バンプ27を形成する(図10(2))。これにより、工程(a)の組立体を構成することができる。素子10Cは、素子10Bの第1半導体の露出部にガラスフリット型導電性ペーストを塗布し、600〜700℃での熱処理により電極6を形成したものである。
実施形態1−4
上記の実施形態1−1ないし1−3では、第1半導体に電極を設け、この電極上に導体バンプを形成する方法を採って、工程(a)の組立体を構成した。また、支持体には反射鏡の機能を有する凹部を設け、さらに導電性接着剤により素子を支持体に接続する方法を採用した。本実施形態では、上記の電極および凹部を設けず、さらに導電性接着剤を用いずに、工程(a)の組立体を構成する。その工程を図11(1)〜(5)により説明する。
まず、支持体25として、光電変換素子を装着する孔32を有するアルミニウム箔を準備する(図11(1))。次に、孔32に素子15を装着する(図11(2)。素子15は、第1半導体11およびその全表面を被覆する第2半導体層12からなる。次に、支持体25の裏面側を減圧にして素子15を孔32内に押し込み、その後、支持体25を約500℃に加熱し、インパクト成形を行う。これにより、素子15を孔32の縁部に結合する(図11(3))。こうして、素子15の第2半導体層12が支持体25に電気的に接続される。
第2半導体層12の表面に反射防止膜が形成されている場合には、孔32の縁部と結合する部分の反射防止膜は上記のインパクト成形工程によって除去されるので、反射防止膜は必ずしも導電性を必要としない。従って、例えば、酸化チタン(TiO2)などの非導電性の薄膜を反射防止膜として用いることができる。一方、先の実施形態1−1ないし1−3のように、導電性接着剤を介して第2半導体層を支持体に電気的に接続する場合には、その接続部に反射防止膜が介在するので、反射防止膜は導電性を必要とする。
次に、支持体の裏面側にエッチング処理を施して、露出している第2半導体層12を除去し、第1半導体の露出部23を形成する(図11(4))。次いで、支持体の裏面側の第1半導体の露出部23に導体バンプ37を形成する(図11(5)。これにより、工程(a)の組立体が構成される。図11(4)および(5)の工程は、実施形態1−1の方法に準じて実施できる。
2)後半の工程の実施形態
後半の工程においては、上記の前半の工程で準備された組立体に組み込まれた光電変換素子の第1半導体と導電性金属シートとを、両者間に介在する電気絶縁層を貫通する導体バンプにより、電気的に接続する。その手段として、支持体の裏面に接合する電気絶縁層に導体バンプを圧入して貫通させ、さらにその先端を電気絶縁層に接合する金属シートの対向面に当接させる。前記の第1ないし第4の製造方法のそれぞれについて、その実施形態を以下に説明する。
実施形態2−1
本実施形態は、前記の第1の製造方法における工程(b)および(c)に対応するもので、支持体の裏面側に電気絶縁性シートを貼り合わせる工程、および電気絶縁性シートの裏面側に金属シートを圧力下において貼り合わせる工程を含む。本実施形態は、工程(a)の組立体の実施形態や電気絶縁層の種類などによって、さらに幾つかの実施形態に細分される。
まず、支持体の裏面に半硬化状態の電気絶縁性シートを貼り付けると同時に、電気絶縁性シートに導体バンプを圧入して貫通させ、次いで、金属シートを電気絶縁性シートに圧力下において貼り付けるとともに導体バンプの先端を金属シートに当接させ、さらに電気絶縁性シートを硬化させる実施形態を説明する。まず、実施形態1−1により構成された図5(3)の組立体の支持体の裏面に電気絶縁性シートを貼り付け、同時に電気絶縁性シートに導体バンプを圧入して貫通させる工程を図6により説明する。図6は、半硬化状態の電気絶縁性シートを支持体20の裏面に貼り付ける装置の要部の構成を示す。
この装置は、上型60、下型61、および中型68を具備している。上型60は、中央に透孔62を有している。上型60には、熱盤64および緩衝材のゴムシート66がセットされている。下型61は、中央に透孔63を有している。下型61には、熱盤65および緩衝材のゴムシート67がセットされている。このゴムシート67を覆うように、ダイヤフラム69が設けられている。ダイヤフラム69の周縁部は、下型61上に、中型68により固定されている。
素材の半硬化状態のエポキシ樹脂からなる電気絶縁性シート40は、その両面にセパレータが貼り合わされている。まず、片面側のセパレータ層を剥がし、露出した電気絶縁性シート40を支持体20の裏面に軽く圧着して仮固定する。これを、他面側のセパレータ層43を下にしてダイヤフラム69上にのせる。この状態で、上型60と下型61との間を減圧にするように、矢印のように、空気を吸引するとともに、上型60と下型61とを近づけながら、ダイヤフラムを上方へ加圧し、同時に熱盤64および65を約120℃に加熱する。この加圧および加熱により半硬化状態の電気絶縁性シート40に適度の粘着性と柔軟性が付与され、電気絶縁性シート40は、支持体20の裏面に貼り付けられる。これと同時に支持体の裏面側に臨む第1半導体の露出部もしくは電極上の各導体バンプ(図示してない)が電気絶縁性シート40に圧入されて同シートを貫通する。
この際、ダイヤフラム69の作用により、電気絶縁性シート40は、支持体20の裏面の凹凸に追随して支持体20に貼り付けられ、同時に電気絶縁性シート40を貫通した導体バンプの先端は押圧されてセパレータ層43にくい込む。この構造体を図6の装置から取り出し、電気絶縁性シート40からセパレータ層43を剥がすことにより、図7(1)のような、支持体20の裏面に貼り付けられた電気絶縁性シート40に導体バンプ7が貫通し、その先端が電気絶縁性シート40から突出した構造体が得られる。
次に、図7(1)の構造体の裏面の電気絶縁性シートに金属シートを貼り付け、同時に導体バンプの先端を金属シートに当接させる。まず、支持体20の裏面に貼り付けられ、半硬化状態が維持されている電気絶縁性シート40に金属シートを軽く圧着して仮止めする。これを、金属シート側を下にして図6の装置のダイヤフラムの上にのせる。上型60と下型61との間を減圧にするとともに、上型60と下型61とを近づけながら、ダイヤフラムを上方へ加圧し、同時に熱盤64および65を120℃程度に加熱する。
これにより、図7(2)のように、金属シート45は支持体20の裏面の電気絶縁性シート40に貼り付けられ、同時に導体バンプ7は金属シートの対向面に押圧され、その先端が金属シート45に当接する。この際、導体バンプは、上記の押圧により塑性変形している。この状態で、熱盤64および65の温度をさらに150℃〜200℃程度に上昇させて絶縁性シート40を硬化させる。これにより、電気絶縁性シート40が支持体20および金属シート45に強固に接合され、さらに、導体バンプ7と金属シート45との図7(2)の接合状態が固定されて第1半導体と金属シート間の電気的接続の信頼性が高まる。
実施形態1−2による図9(3)の組立体を用いた場合にも、図6の装置を用いて、支持体の裏面に電気絶縁層40を貼り付けると同時に導体バンプ17を貫通させ(図9(4))、電気絶縁層に金属シート45を貼り付けると同時に、塑性変形した導体バンプ17の先端を金属シート45に当接させる(図9(5))ことができる。
実施形態1−3による図10(2)の組立体を用いた場合にも、図6の装置を用いて、支持体の裏面に電気絶縁層40を貼り付けると同時に導体バンプ27を貫通させ(図10(3))、電気絶縁層に金属シートを貼り付けると同時に、塑性変形した導体バンプ27の先端を金属シート45に当接させる(図10(4))ことができる。
実施形態1−4による図11(5)の組立体を用いた場合にも、図6の装置を用いて、支持体の裏面に半硬化状態の電気絶縁性シート70を貼り付けるとともに導体バンプ37を電気絶縁性シート70に圧入して貫通させ(図11(6))、次いで、電気絶縁性シート70に金属シート75を貼り付けるとともに塑性変形させた導体バンプ37の先端を金属シート75に当接させる(図11(7)ことができる。
上記の図9(5)、図10(4)、および図11(7)においては、電気絶縁性シート50は半硬化状態のままである。これらの構造体を、図6の装置内で加圧を継続しながら、150〜200℃に加熱して30〜60分間加圧する。これにより、電気絶縁性シートが硬化して支持体および金属シートと強固に接着され、さらに導体バンプと金属シートとの接合状態が固定されるので、両者の電気的接続の信頼性が高まる。
上記の各実施形態では、電気絶縁層を支持体の裏面に貼り付ける同時に導体バンプを電気絶縁層に圧入して貫通させ、次いで、金属シートを電気絶縁層に貼り付けると同時に導体バンプの先端を金属シートに当接させる方法を採った。その変形例として以下の方法を採ることもできる。例えば、まず、図8のように、図5(3)の組立体の支持体の裏面に、導体バンプが電気絶縁性シートを貫通しない程度に、電気絶縁性シートを接着もしくは軽く圧着して固定する。次いで金属シートを圧力下で電気絶縁性シートに貼り付けることにより、電気絶縁性シートに導体バンプを貫通させ、さらにその先端を金属シートに当接させる。これにより、図7(2)と同様の構造体を構成することができる。
実施形態2−2
本実施形態は、前記の第2の製造方法における工程(b)、(c)、および(d)に対応するもので、支持体の裏面側に電気絶縁性シートを貼り合わせ、導体バンプの先端を電気絶縁性シートの裏面側に突き出させる工程、電気絶縁性シートの裏面側に突き出た部位の導体バンプないしはその周辺部の電気絶縁性シートに導電性ペーストを塗着する工程、および、電気絶縁性シートの裏面側に金属シートを圧力下において貼り合わせることにより、導体バンプの先端ないしは前記導電性ペーストを導電性金属シートに当接させる工程を含む。
本実施形態は、上記の実施形態2−1に加えて、電気絶縁層から突き出した部位の導体バンプないしはその周辺部の電気絶縁性シートに導電性ペーストを塗着する工程を設けることにより、導体バンプと金属シートとの電気的接続に信頼性をさらに高めるものである。
まず、実施形態1−1により構成された図5(3)の組立体を用意し、これを実施形態2−1の図7(1)と同様に、半硬化状態の電気絶縁シート40を貼り付けるとともに電気絶縁性シートに導体バンプ7を貫通させる(図12(1))。次に、ディスペンサーなどにより、図12(2)のように、導電性ペースト34を導体バンプ7の突出部ないしはその周辺部の電気絶縁性シート40に塗着する。次いで、図6の装置により、実施形態2−1の方法に準じて電気絶縁性シートの裏面側に金属シートを貼り合わせる。これにより、図12(3)のように、塑性変形した導体バンプ7の先端および導電性ペースト34を金属シート45に当接させることができる。
さらに、継続して加圧しながら、この導体バンプおよび導電性ペーストにより、第1半導体と導電性金属シートとの電気的接続をより確実に行うことができる。導電性ペーストは、素子の第2半導体層と支持体を接続するために導電性接着剤として用いる樹脂型導電性ペーストまたはガラスフリット型導電性ペーストと同様のものを用いることができる。好ましい導電性接着剤は、例えば、エポキシ系接着剤に銀粉を導電材として混合した樹脂型導電性ペーストで、25℃における粘度は約100Pa・sである。
図12では、実施形態1−1による組立体を用いたが、実施形態1−2ないし1−4など、他の実施形態による組立体を用いた場合にも、図12と同様の方法を適用することができる。
実施形態2−3
本実施形態は、前記の第3の製造方法における工程(b)および(c)に対応するもので、金属シート、および金属シートと支持体を電気的に絶縁する電気絶縁性シートを支持体の裏面側に貼り合わせる工程、および、金属シートを支持体の裏面側に加圧することにより、導体バンプの先端を金属シートに当接させる工程を含む。
例えば、図13(1)のように、図5(3)の組立体の支持体の裏面に電気絶縁性シート50を接着もしくは軽く圧着して固定し、次いで、図13(2)のように、電気絶縁性シート50に金属シート55を接着もしくは軽く圧着して固定する。この積層体を表裏から熱板で挟んで加圧することにより、図13(3)のように、電気絶縁性シート50に導体バンプ7を貫通させ、さらに塑性変形させてその先端を金属シート55に当接させることができる。
他の好ましい方法としては、図14(1)のように、支持体20の裏面側に接着剤層89を形成しておき、一方では、電気絶縁性シート91および金属シート92が貼り合わされた複合シート90を用意する。複合シート90の電気絶縁性シート側を、支持体20の裏面側の接着剤層89に軽く圧着して固定する。次いで、この積層体を表裏から熱板で挟んで加圧することにより、図14(2)のように、電気絶縁性シート92に導体バンプ7を貫通させ、さらに塑性変形させてその先端を金属シート91に当接させることができる。この場合、複合シートの電気絶縁性シートが、例えば前記の半硬化状態のシートである場合には、接着剤層を形成する必要はなくなる。
これらの方法によれば、電気絶縁性シートおよび金属シートが支持体の裏面側に貼りつけられた時点では導体バンプは電気絶縁性シートを貫通していないが、その後の加熱しながらの一回の加圧により、導体バンプを電気絶縁層に貫挿させ、さらにその先端を金属シートに当接させることができる。
図13および図14では、実施形態1−1による組立体を用いたが、実施形態1−2ないし1−4など、他の実施形態による組立体を用いた場合にも、図13あるいは図14と同様の方法を適用することができる。
実施形態2−4
本実施形態は、前記の第4の製造方法における工程(b)および(c)に対応するもので、支持体の裏面側に樹脂ペーストを塗着して電気絶縁性樹脂層を形成する工程、および、電気絶縁性樹脂層の裏面側に金属シートを圧力下において貼り合わせることにより、導体バンプの先端を金属シートに当接させる工程を含む。
例えば、エポキシ系樹脂を主成分とする樹脂ペーストを、スプレーにより、図5(3)の組立体の支持体20の裏面側に塗布し、乾燥して、図15(1)のような、厚さ約50μmの電気絶縁性樹脂層80を形成する。次いで、図15(2)のように、金属シート85を支持体の裏面側の電気絶縁性樹脂層80に圧着すると同時に電気絶縁性樹脂層80に導体バンプ7を貫通させ、塑性変形させて、その先端を金属シート85に当接させる。
図15では、実施形態1−1による組立体を用いたが、実施形態1−2ないし1−4など、他の実施形態による組立体を用いた場合にも、図15と同様の方法を適用することができる。
本発明の光電変換装置は、先に詳細に説明した本発明の第1ないし第4の製造方法により、効率的に製造することができるものであって、
(1)本発明の製造方法の工程(a)により準備された組立体、
(2)前記組立体の裏面に形成された電気絶縁層、
(3)前記電気絶縁層の裏面に接合された導電性金属シート、および
(4)前記第1半導体と前記導電性金属シートと電気的に接続する層間接続部、
を具備し、前記層間接続部は、前記第1半導体の露出部もしくは該露出部に形成された電極上に形成された導体バンプの先端が、前記電気絶縁層中にその厚さ方向に圧入され前記導電性金属シートの対向面に押圧されて該対向面に電気的に接続されていることを特徴とするものである。本発明は、特に、素子の第1半導体と導電性金属シートとの電気的接続の信頼性を向上させたものであり、これにより、高品質、高信頼性を備えた光電変換装置を提供することができる。
本発明により、高品質・高信頼性の光電変換装置を効率的に製造することができる。これにより、同光電変換装置を低コストかつ工業的規模で提供することが可能となる。
本発明に用いる光電変換素子の態様を示す縦断面図である。 本発明に用いる光電変換素子の別の態様を示す縦断面図である。 本発明に用いる支持体の一例を示す要部の平面図である。 本発明の第1の製造方法の第1の実施形態における第1段階の製造工程を示す縦断面図である。 本発明の第1の製造方法の第1の実施形態における第2段階の製造工程を示す縦断面図である。 支持体の裏面に電気絶縁性シートを貼り合わせる装置の要部を示す縦断面図である。 本発明の第1の製造方法の第1の実施形態における第3段階の製造工程を示す縦断面図である。 本発明の第1の製造方法の第1の実施形態における第3段階の製造工程の他の実施形態を示す縦断面図である。 本発明の第1の製造方法の第2の実施形態における製造工程を示す縦断面図である。 本発明の第1の製造方法の第3の実施形態における製造工程を示す縦断面図である。 本発明の第1の製造方法の第4の実施形態における製造工程を示す縦断面図である。 本発明の第2の製造方法の製造工程の実施形態を示す縦断面図である。 本発明の第3の製造方法の製造工程の実施形態を示す縦断面図である。 本発明の第3の製造方法の製造工程の他の実施形態を示す縦断面図である。 本発明の第4の製造方法の製造工程の実施形態を示す縦断面図である。
符号の説明
1、11 第1半導体
2、12 第2半導体層
3,13,23 第1半導体の露出部
4 第2半導体層の開口部
5 反射防止膜
6,16,26 電極、
7、17,27、37 導体バンプ
10、10A、10B、10C、15 光電変換素子
20、25 支持体
21 凹部
22、32 孔
24 導電性接着剤
34 導電性ペースト
40、50,70、91 電気絶縁性シート
45、55,75、85、92 金属シート
80 電気絶縁性樹脂層

Claims (17)

  1. (1)球状の第1半導体およびその表面を被覆する第2半導体層を具備し、前記第2半導体層が前記第1半導体を露出させる開口部を有する複数のほぼ球状の光電変換素子、並びに、前記光電変換素子を1個ずつ配置するための複数の孔を有する導電性の支持体からなり、前記光電変換素子がその第2半導体層が前記孔の縁部に電気的に接続され、かつ前記第1半導体の露出部が前記支持体の裏面側に臨んでいる組立体、
    (2)前記組立体の裏面に形成された電気絶縁層、
    (3)前記電気絶縁層の裏面に接合された導電性金属シート、および
    (4)前記第1半導体と前記導電性金属シートとを電気的に接続する層間接続部、
    を具備し、前記層間接続部は、前記第1半導体の露出部もしくは該露出部に形成された電極上に形成された導体バンプの先端が、前記電気絶縁層中にその厚さ方向に圧入され前記導電性金属シートの対向面に押圧されて該対向面に電気的に接続されていることを特徴とする光電変換装置。
  2. (a)球状の第1半導体およびその表面を被覆する第2半導体層を具備し、前記第2半導体層が前記第1半導体を露出させる開口部を有する複数のほぼ球状の光電変換素子、前記第1半導体の露出部もしくは該露出部に形成された電極上に形成された導体バンプ、並びに、前記光電変換素子を1個ずつ配置するための複数の孔を有する導電性の支持体からなり、前記光電変換素子がその第2半導体層が前記孔の縁部に電気的に接続され、かつ前記第1半導体の露出部が前記支持体の裏面側に臨んでいる組立体を準備する工程、
    (b)前記支持体の裏面側に電気絶縁性シートを貼り合わせる工程、および
    (c)前記電気絶縁性シートの裏面側に導電性金属シートを圧力下において貼り合わせることにより、前記導体バンプの先端を前記導電性金属シートに当接させ、前記第1半導体と前記導電性金属シートとを前記導体バンプにより電気的に接続する工程、
    を含むことを特徴とする光電変換装置の製造方法。
  3. (a)球状の第1半導体およびその表面を被覆する第2半導体層を具備し、前記第2半導体層が前記第1半導体を露出させる開口部を有する複数のほぼ球状の光電変換素子、前記第1半導体の露出部もしくは該露出部に形成された電極上に形成された導体バンプ、並びに、前記光電変換素子を1個ずつ配置するための複数の孔を有する導電性の支持体からなり、前記光電変換素子がその第2半導体層が前記孔の縁部に電気的に接続され、かつ前記第1半導体の露出部が前記支持体の裏面側に臨んでいる組立体を準備する工程、
    (b)前記支持体の裏面側に電気絶縁性シートを貼り合わせ、前記導体バンプの先端を電気絶縁性シートの裏面側に突き出させる工程、
    (c)前記電気絶縁性シートの裏面側に突き出た部位の導体バンプないしはその周辺部の電気絶縁性シートに導電性ペーストを塗着する工程、および
    (d)前記電気絶縁性シートの裏面側に導電性金属シートを圧力下において貼り合わせることにより、前記導体バンプの先端ないしは前記導電性ペーストを前記導電性金属シートに当接させ、前記第1半導体と前記導電性金属シートとを前記導体バンプにより電気的に接続する工程、
    を含むことを特徴とする光電変換装置の製造方法。
  4. (a)球状の第1半導体およびその表面を被覆する第2半導体層を具備し、前記第2半導体層が前記第1半導体を露出させる開口部を有する複数のほぼ球状の光電変換素子、前記第1半導体の露出部もしくは該露出部に形成された電極上に形成された導体バンプ、並びに、前記光電変換素子を1個ずつ配置するための複数の孔を有する導電性の支持体からなり、前記光電変換素子がその第2半導体層が前記孔の縁部に電気的に接続され、かつ前記第1半導体の露出部が前記支持体の裏面側に臨んでいる組立体を準備する工程、
    (b)前記支持体の裏面側に、導電性金属シートおよび前記導電性金属シートと支持体を電気的に絶縁する電気絶縁性シートを貼り合わせる工程、および
    (c)前記導電性金属シートを前記支持体の裏面側に加圧することにより、前記導体バンプの先端を前記導電性金属シートに当接させ、前記第1半導体と前記導電性金属シートとを前記導体バンプにより電気的に接続する工程、
    を含むことを特徴とする光電変換装置の製造方法。
  5. (a)球状の第1半導体およびその表面を被覆する第2半導体層を具備し、前記第2半導体層が前記第1半導体を露出させる開口部を有する複数のほぼ球状の光電変換素子、前記第1半導体の露出部もしくは該露出部に形成された電極上に形成された導体バンプ、並びに、前記光電変換素子を1個ずつ配置するための複数の孔を有する導電性の支持体からなり、前記光電変換素子がその第2半導体層が前記孔の縁部に電気的に接続され、かつ前記第1半導体の露出部が前記支持体の裏面側に臨んでいる組立体を準備する工程、
    (b)前記支持体の裏面側に樹脂ペーストを塗着して電気絶縁性樹脂層を形成する工程、および
    (c)前記電気絶縁性樹脂層の裏面側に導電性金属シートを圧力下において貼り合わせることにより、前記導体バンプの先端を前記導電性金属シートに当接させ、前記第1半導体と前記導電性金属シートとを前記導体バンプにより電気的に接続する工程、
    を含むことを特徴とする光電変換装置の製造方法。
  6. 前記導体バンプの先端が円錐状もしくは角錐状に形成され、前記第1半導体と前記導電性金属シートとを導体バンプにより電気的に接続する工程において、前記導体バンプの先端を塑性変形させる工程を含む請求項2〜5のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  7. 前記工程(b)、もしくは前記第1半導体と前記導電性金属シートとを導体バンプにより電気的に接続する工程において、前記導体バンプの先端が軟化もしくは可塑化した前記電気絶縁性シートもしくは電気絶縁性樹脂層に圧入される工程を含む請求項2〜5のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  8. 前記工程(b)における電気絶縁性シートが半硬化状態であり、前記第1半導体と前記導電性金属シートとを導体バンプにより電気的に接続する工程において、前記電気絶縁性シートを加熱して硬化させる工程、を含む請求項2〜4のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  9. 前記電極が、前記第1半導体の露出部に導電性ペーストを塗着し、熱処理することにより形成された前記第1半導体とのオーミックな導電性を有する層を、前記第1半導体との接合面に有する請求項2〜5のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  10. 前記導体バンプが、前記第1半導体の露出部もしくは前記電極に導電性ペーストを塗着することにより形成される請求項2〜5のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  11. 前記光電変換素子が、前記第2半導体層の表面を被覆する反射防止膜を有し、前記第2半導体層および前記反射防止膜が前記第1半導体を露出させる開口部をそれぞれ同部位に有する請求項2〜10のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  12. 前記支持体が、前記孔を底部に有する凹部を隣接して表面に有し、前記凹部の内面に反射鏡層を有する請求項2〜11のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  13. 前記光電変換素子が、その第2半導体層が導電性接着剤により前記孔の縁部に電気的に接続されている請求項2〜12のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  14. 前記光電変換素子は、その主材料がシリコンである請求項2〜13のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  15. 前記支持体および前記金属シートのそれぞれの基材がアルミニウムであり、前記金属シートの少なくとも前記導体バンプが当接する部位に、銀、銅、ニッケル、および錫からなる群より選ばれた少なくとも一種を含む表面層を有する請求項2〜14のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  16. 前記半硬化状態の電気絶縁性シートが、半硬化状態の熱硬化性樹脂を主体とするシートである請求項8〜15のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  17. 前記半硬化状態の電気絶縁性シートが、基材の樹脂シートの両面に半硬化状態の熱硬化性樹脂層を形成したシートである請求項8〜15のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
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