JP2008030695A - 車両用空調システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フロントガラス30の下部を略長方形に切り取る。切り取られた箇所に、酸素及び二酸化炭素を濃度の高い方から濃度の低い方へ透過させ、炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び微小固体成分を遮断する機能を有する透明の選択分離材13をはめ込む。そして、選択分離材13へ水滴がかからないようにするために、選択分離材13の外気に接する側を覆うカバー12を設ける。カバー12には、空間20へ外気を導入するための外気導入口26及び外気を排出するための外気排出口28と、外気導入口26及び外気排出口28から空間20内へ水滴を浸入させないための前部堰27a及び後部堰27bを設ける。
【選択図】図1
Description
また、車室を構成するガラスは、通常、車両を構成する部材の中でも面積が大きいので、選択分離材が外気及び車室内の空気と接する面積を広くすることができる。外気及び車室内の空気と接する面積が広ければ車室内の二酸化炭素の排出と酸素の取り入れを短時間で行うことができる。つまり、車室内の二酸化炭素濃度及び酸素濃度が変化しても、短時間にそれらの濃度を一定値にすることができる。
また、ガラスとは、純粋な二酸化珪素を成分とするものだけでなく、アクリルガラスなど、上記車室を形成する部分に用いられる透明なガラス状のもの全般を意味している。
したがって、請求項5に記載のように、酸素及び二酸化炭素を濃度の高い方から濃度の低い方へ透過させ、炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び微小固体成分を遮断する機能を有する平板状に形成された透明又は半透明の選択分離材を、空気を通過可能な多孔質ガラス面に装着し、選択分離材を装着した多孔質ガラスで車両の車室を形成するガラスを構成してもよい。
ところで、選択分離材で遮断する微小固体成分には種々のものがあり、また、微小固体成分を遮断する方法にも種々のものがある。例えば、請求項6に記載のように、選択分離材は、酸素及び二酸化炭素を透過させるための細孔を有し、細孔の大きさは、微小固体成分を遮断するために、SPM、花粉、ウィルス及び細菌のうち最も小さいものよりも小さくするとよい。
さらに、分解では、吸着や吸収した炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物を化学的に分解し、無臭化又は無害化することができる。
ここで、分解する手段としては、例えば、電気的に分解する方式及び熱的に分解する方式、薬品等を用いて化学的に分解する方式又は微生物等を用いた生物的に分解する方式等が考えられる。さらにこれらの方式の組み合わせにて能力を向上させる方法も考えられる。
(車両用空調システムの構成)
図1は、本発明に係る車両用空調システムの概略構成図である。車両用空調システムは、図1(b)に示すように、車両10のフロントガラスの下部に設けられており、カバー12、外気導入口26、外気排出口28、前部堰27a、後部堰27b、選択分離材13などからなる。
このような前部堰27aによって、空間20へ導入される外気に含まれる水滴は、前部堰27aにより除去され、車両10のボディ外面上に滴下し、ボディの外面上を伝わって図示しないドレインから車両10の外部へ排出される。
(選択分離材の構造)
ここで、選択分離材13の構造について図2を用いて説明する。図2は、選択分離材13の構造を示す斜視図である。
この構造例1では、選択分離材13を折り曲げると折り曲げた際に山側になる膜表面に亀裂が生じる場合があるため、平面のままで使用する。
また、選択分離材13には、窒素酸化物、硫黄酸化物又は微小固体成分が所定量以上吸着あるいは吸収されたことを検知する吸着物センサ17と、吸着物センサ17が所定量以上の炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物又は微小固体成分が選択分離材13に吸着あるいは吸収されたことを検知すると、選択分離材13を加熱するヒータ15とが備えられている。
以上のように構成された車両用空調システムにおいては、車両10が走行すると、図1(b)に示すように、外気導入口26から空間20へ外気が導入され、外気排出口28から排出される。
以上のような車両用空調システムでは、カバー12の外気導入口26から空間20へ外気が導入され、空間20へ導入された外気が外気排出口28から排出される。選択分離材13は、フロントガラス30に平板状に形成された選択分離材13の片面が外気導入口26から空間20へ導入された外気と接し、反対面が車室19内の空気と接するように配置されている。
また、車両10のフロントガラス30は、通常、車両を構成する部材の中でも面積が大きいので、選択分離材13が外気及び車室19内の空気と接する面積を広くすることができる。外気及び車室19内の空気と接する面積が広いので、車室19内の二酸化炭素の排出と酸素の取り入れを短時間で行うことができる。つまり、車室19内の二酸化炭素濃度及び酸素濃度が変化しても、短時間にそれらの濃度を一定値にすることができる。
次に、選択分離材13を多孔質ガラス32に装着した車両用空調システムについて図3に基づいて説明する。図3は、選択分離材13を多孔質ガラス32に装着したときの構造を示す図である。
選択分離材13は、酸素及び二酸化炭素を濃度の高い方から濃度の低い方へ透過させ、炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び微小固体成分を遮断する機能を有する平板状に形成された透明又は半透明のものである。
この多孔質ガラス32の車室19側の全面に選択分離材13が密着した状態で装着されている。また、多孔質ガラス32に装着された選択分離材13の車室19側には、選択分離材13を補強するためにメッシュ状の材料で形成された補強材34が装着されている。
選択分離材13を多孔質ガラス32へ装着する方法としては、図3(b)に示す方法の他に、図3(c)に示すようにメッシュ状の補強材34と選択分離材13との間に車室19内の埃などが直接選択分離材13に付着しないように防塵用フィルタ36を積層してもよい。
次に、第2実施形態の車両用空調システムと同じように、選択分離材13を多孔質ガラス32に装着したものでサンルーフ38を形成したものについて図4に基づいて説明する。図4は、サンルーフ38を選択分離材13を装着した多孔質ガラス32で構成したときの構成図である。
次に、選択分離材13の表面形状が異なる場合について説明する。上記第1実施形態及び第2実施形態では、選択分離材13の表面は平らであったが、図2(b)に示すように選択分離材13の表面を突起状に形成してもよい。
[その他の実施形態]
(1)上記第1実施形態〜第4実施形態では、選択分離材13として、炭化水素等を吸着又は吸収するものを用いたが、選択分離材13として、炭化水素等を分解又は表面反応により遮断するものであってもよい。
(4)上記第1実施形態では、前部堰27a及び後部堰27bを用いていたが、ヒンジでカバー12やフロントガラス30に取り付けられ、カバー12で覆われた空間20へ導入される外気の圧力により開閉する開閉扉であってもよい。
なお、以上に示す各実施形態において、前部堰27a、後部堰27bが水滴浸入防止手段に相当し、吸着物センサ17が吸着物検知手段に相当する。また、ヒータ15が加熱手段に相当し、太陽電池パネル16がエネルギ変換手段に相当する。
Claims (13)
- 酸素及び二酸化炭素を濃度の高い方から濃度の低い方へ透過させ、炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び微小固体成分を遮断する機能を有する透明又は半透明の選択分離材で、車両の車室を形成するガラスの一部又は全部を構成したことを特徴とする車両用空調システム。
- 請求項1に記載の車両用空調システムにおいて、
水滴を遮断するために、前記選択分離材の外気に接する側を覆うとともに、前記車両進行方向側に、当該カバーで覆われた空間へ外気を導入するための外気導入口及び前記車両進行方向反対側に、前記導入された外気を排出するための外気排出口を備えたカバーを備えていることを特徴とする車両用空調システム。 - 請求項2に記載の車両用空調システムにおいて、
前記外気導入口又は前記外気排出口の少なくとも一方から前記カバーで覆われた空間内へ水滴を浸入させないための水滴浸入防止手段を備えたことを特徴とする車両用空調システム。 - 請求項1〜請求項3の何れかに記載の車両用空調システムにおいて、
前記選択分離材の表面は、撥水処理が施されていることを特徴とする車両用空調システム。 - 酸素及び二酸化炭素を濃度の高い方から濃度の低い方へ透過させ、炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び微小固体成分を遮断する機能を有する平板状に形成された透明又は半透明の選択分離材を、空気を通過可能な多孔質ガラス面に装着し、前記選択分離材を装着した多孔質ガラスで車両の車室を形成するガラスを構成したことを特徴とする車両用空調システム。
- 請求項1〜請求項5の何れかに記載の車両用空調システムにおいて、
前記選択分離材は、前記酸素及び二酸化炭素を透過させるための細孔を有し、
前記細孔の大きさは、前記微小固体成分を遮断するために、SPM、花粉、ウィルス及び細菌のうち最も小さいものよりも小さいことを特徴とする車両用空調システム。 - 請求項1〜請求項6の何れかに記載の車両用空調システムにおいて、
前記選択分離材の表面は、突起状に形成されていることを特徴とする車両用空調システム。 - 請求項1〜請求項7の何れかに記載の車両用空調システムにおいて、
前記選択分離材は、多孔質形状、繊維形状、薄膜形状又はこれらの複合形状を有することを特徴とする車両用空調システム。 - 請求項1〜請求項8の何れかに記載の車両用空調システムにおいて、
前記選択分離材は、細孔径が5ナノメートル以下の多孔質形状であることを特徴とする空調システム。 - 請求項1〜請求項9の何れかに記載の車両用空調システムにおいて、
前記選択分離材は、炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び微小固体成分を吸着、吸収、分解又は表面反応のうち少なくとも1つを生じる成分を有し、
前記選択分離材は、当該成分により、炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び微小固体成分を遮断することを特徴とする空調システム。 - 請求項10に記載の車両用空調システムにおいて、
前記選択分離材の吸着、吸収、分解及び表面反応が生じる成分は、導電性高分子、グラファイト及び金属酸化物を有する組成を含むことを特徴とする車両用空調システム。 - 請求項1〜請求項11の何れかに記載の車両用空調システムにおいて、
前記選択分離材に炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物又は微小固体成分が所定量以上吸着あるいは吸収されたことを検知する吸着物検知手段と、
前記吸着物検知手段が所定量以上の炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物又は微小固体成分が前記選択分離材に吸着あるいは吸収されたことを検知すると、前記選択分離材を加熱する加熱手段と、
を備えたことを特徴とする車両用空調システム。 - 請求項12に記載の車両用空調システムにおいて、
前記加熱手段は、太陽光を熱エネルギ又は電気エネルギに変換するための車載用エネルギ変換手段を有し、前記エネルギ変換手段により変換された熱エネルギ又は電気エネルギを用いて前記選択分離材を加熱することを特徴とする車両用空調システム。
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