JP2008030697A - 車両用空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】車載バッテリに対する負荷を低減することができる車両用空調システムを提供する。
【解決手段】車両10のピラー50,52,54を中空の柱状に形成し、車室19外側側面に外気取入れ口50a,52a,54a、外気排出口50b,52b,54bを設ける。また、車室19内側側面に内気取入れ口50c,52c,54c、内気排出口50d,52d,54dを設ける。そして、中空部分に酸素及び二酸化炭素を透過させ、炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び微小固体成分を遮断する機能を有する選択分離材13を、車室19の内側と外側とを隔てるように配置する。このように構成した結果、車室19外側から内側への汚染物質の進入を抑えることができるとともに、車室19内側の酸素及び二酸化炭素の濃度を一定に保つことができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、車室内側への有害気体や有害微粒子の進入をできるだけ防止する車両用空調システムに関する。
従来、都会や幹線道路を走行したり、トラック等のディーゼルエンジン車両等の後方を走行する場合、大気が汚染されているので、外気をそのまま車室内側へ導入することは乗員の健康面から問題があった。
そこで、大気中の有毒ガスや粉塵などの汚染物質を除去するための様々なフィルタが開発されている。そして車室内側へ外気を導入するための外気導入口にそのフィルタを取り付け、ブロワを用いてフィルタを通して車室内側へ大気を導入していた。このようにフィルタとブロワを用いて、車室内側へ導入する大気をフィルタで濾過し、有毒ガスや粉塵などの汚染物質を除去した清浄な空気を車室内側へ導入する技術があった(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−193525号公報
ところが、上記のようにブロワとフィルタを用いて大気を車室内側へ導入する方法では、大量の外気を車室内側へ導入するので、数百ワットにも達する電力が必要となる場合がある。つまり、車載バッテリに対する負荷が大きなものであった。
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、車載バッテリに対する負荷を低減することができる車両用空調システムを提供することを目的としている。
かかる問題を解決するためになされた請求項1に記載の車両用空調システムは、ピラーの中空部分に選択分離材を備えたことを特徴としている。
ピラーは、中空の柱状に形成され、車室外側に車室外側の空気を前記中空部分に取り入れるための外気取入れ口及び取り入れた空気を車室外側に排出するための外気排出口を有し、車室内側に車室内側の空気を前記中空部分に取り入れるための内気取入れ口及び取り入れた空気を車室内側に排出するための内気排出口とを有している。そして、ピラーの中空部分に、外気取入れ口から取り入れられ、外気排出口から排出される外気と、内気取入れ口から取り入れられ、内気排出口から排出される内気とを隔てるように、選択分離材が備えられている。
また、選択分離材は、酸素及び二酸化炭素を濃度の高い方から濃度の低い方へ透過させ、炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び微小固体成分を遮断する機能を有する。
このように構成された車両用空調システムによれば、外気をブロワなどで車室内側へ導入しなくても、選択分離材によって乗員が消費した酸素を取り入れ、排出した二酸化炭素を車室外に排出することができる。以下、この効果について詳細に説明する。
外気は外気取入れ口から取り入れられ外気排出口から排出され、内気は内気取入れ口から取り入れられ内気排出口から排出される。
したがって、選択分離材の車室外側の面は一定濃度の酸素や二酸化炭素を含む外気と接触することになる。一方、車室内側の空気は乗員の呼吸などにより、二酸化炭素の濃度が高くなり、酸素濃度は低くなる。また、選択分離材は、二酸化炭素や酸素を濃度の高い方から低い方へ透過させる。
したがって、車室内側の酸素濃度が外気の酸素濃度よりも低くなれば、車室外側から濃度が低くなった車室内側へ選択分離材を介して酸素が供給される。また、二酸化炭素濃度が外気の濃度よりも高くなれば、濃度が高くなった車室内側から車室外側へ選択分離材を介して二酸化炭素が排出される。
特に、車両走行中には、外気取入れ口から取り入れられる外気の量が増えるので、車両走行中には、選択分離材の車室外側の面に外気が当たり続ける。つまり、選択分離材の車室外側の面には、一定濃度の酸素、二酸化炭素、硫黄酸化物及び微小固体成分を有する外気が供給され続ける。
したがって、車両走行中には、外気をブロワなどで車室内側へ導入しなくても、選択分離材によって乗員が消費した酸素を取り入れ、排出した二酸化炭素を車室外に排出することができる。そして、ブロワを作動させる必要がないので、車載バッテリに対する負荷を低減することができる。
ところで、車室内側と車室外側とで酸素や二酸化炭素を交換する場合には、選択分離材の表面積が広い方がよい。ところが、ピラーの中空部分は狭い。したがって、選択分離材の表面積を大きくするために、請求項2に記載のように、選択分離材を平板状に形成し、さらに、その平板状に形成した選択分離材を蛇腹状に折って、ピラーの中空部分に配置するとよい。
このようにすると、ピラーの狭い中空部分に配置される選択分離材の充填密度が上がる。つまり、ピラー中空部分に配置された選択分離材の表面積が増えるので車室内側と車室外側とで交換できる酸素や二酸化炭素の量が増える。したがって、車室内側の酸素や二酸化炭素の濃度が変化しても短時間で車室内側の酸素や二酸化炭素の濃度を所定の値に回復させることができる。
また、請求項3に記載のように、蛇腹状に折られた選択分離材の稜線が、柱状に形成されたピラーの柱の中心軸方向と一致するように配置すると、外気取入れ口から外気排出口へ流れる外気の流れが蛇腹部分で妨げられることがなくズムーズに流れる。したがって、選択分離材において外気と内気との間での酸素や二酸化炭素の交換を効率よく行うことができる。
ところで、車室内側と車室外側とで交換できる酸素や二酸化炭素の量は、選択分離材の表面に接する時間が長ければ長いほど増加する。したがって、請求項4に記載のように、外気取入れ口はピラーの上部又は下部の何れかに設けられ、外気排出口は外気取入れ口に対して上下方向の反対側に設けられており、さらに、内気取入れ口はピラーの上部又は下部の何れかに設けられ、内気排出口は、内気取入れ口に対して上下方向の反対側に設けられているようにするとよい。
このようにすると、外気取入れ口から取り入れられた外気が外気排出口から排出されるまでの外気導入経路が長くなる。つまり、外気が選択分離材に長い時間接触することになる。また、内気についても同じことが言える。したがって、車室内側と車室外側とで交換できる酸素や二酸化炭素の量が増加する。
また、外気取入れ口、外気排出口、内気取入れ口及び内気排出口を請求項5に記載のように配置するとよい。すなわち、外気取入れ口から取り入れられ、外気排出口から排出される外気の流れと、内気取入れ口から取り入れられ、内気排出口から排出される内気の流れとが反対向きになるように配置するのである。
このようにすると、内気と外気の流れが向流となるので、内気と外気に含まれる酸素や二酸化炭素の濃度差が少ない場合でも、選択分離材において酸素や二酸化炭素の交換を効率よく行なうことができる。
また、請求項6に記載のように、選択分離材を筒状に形成し、筒状に形成された選択分離材の内面に外気取入れ口から取り入れられた外気が導入され、外面に内気取入れ口から取り入れられた内気が導入されるようにピラーの中空部分に配置する。若しくは、選択分離材の外面に外気取入れ口から取り入れられた外気が導入され、内面に内気取入れ口から取り入れられた内気が導入されるようにピラーの中空部分に配置する。
このようにすると、外気と内気とを簡単な構造で分離することができ、かつ、選択分離材において外気と内気との間での酸素や二酸化炭素の交換を確実に行うことができる。
また、請求項7に記載のように外気取入れ口から取り入れられ、外気排出口から排出される外気と内気取入れ口から取り入れられ、内気排出口から排出される内気とを隔てるために、選択分離材のピラーの中空部分に接する部分に密着性のある材料を装着するようにするとよい。
このようにすると、選択分離材に密着性のある材料を装着するという簡単な構成で、ピラー内面と選択分離材とを密着させることができる。つまり、簡単な構成で、選択分離材により外気と内気とを分離することができ、かつ、選択分離材において外気と内気との間での酸素や二酸化炭素の交換を確実に行なうことができる。
ここで、「密着性のある材料」とは、例えば、ゴムなどの弾性体、あるいは、接着材やシール材のように粘着性のある材料をいう。
また、請求項8に記載のように、選択分離材は、中空糸状に形成され、中空糸の内部に外気が導入され、中空糸の外部に内気が導入される、若しくは、中空糸の内部に内気が導入され、中空糸の外部に外気が導入されるように構成されていてもよい。
このように構成すれば、狭いピラーの中空部に多くの選択分離材を充填することができる。また、中空糸状に形成されているので表面積も大きい。したがって、ピラーの中空部分に配置される選択分離材の表面積が大きくなるので、外気と内気との間での酸素や二酸化炭素の交換を効率よく行なうことができる。
また、請求項9に記載のように、選択分離材を膜状に形成し、膜状に形成した選択分離材を2つ折りに形成する。、さらに、その2つ折りにした選択分離材の稜部を内側に巻き込んだ渦巻き状に形成する。そして、選択分離材が2つ折りされることによって形成される内側の空間に外気が導入され、外側の空間に内気が導入されるように構成してもよい。
若しくは、選択分離材が2つ折りされることによって形成される内側の空間に内気が導入され、外側の空間に外気が導入されるように構成してもよい。
このように構成しても、ピラーの中空部分に配置される選択分離材の表面積を大きくすることができるので、外気と内気との間での酸素や二酸化炭素の交換を効率よく行なうことができる。
ところで、選択分離材に必要な性能は、設置される場所によって異なると考えられる。そこで、請求項10に記載のように、選択分離材は、多孔質形状、繊維形状又は薄膜形状あるいはそれらの複合形状を有するようにするとよい。
このようにすると、例えば、選択分離材の設置面積が制限されるような場所に選択分離材を設置する場合には、選択分離材を薄膜形状にすると単位面積当たりの酸素や二酸化炭素の透過性能を向上させることができるので、設置面積を抑制することができる。
また、エアフィルターのような繊維形状にしても、通気抵抗を減少させるので透過性能を向上させることができる。
また、請求項11に記載のように、選択分離材の炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び微小固体成分を遮断する機能は、吸着、吸収、分解又は表面反応により発現されるようにするとよい。
吸着では、炭化水素等の濃度が高くなった場合、一度それらを主として物理的に保持し、濃度が低くなった場合、それらを再び外気に放出することにより、選択分離材の吸着性能を再生することができる。
また、吸収では、炭化水素等を選択分離材にて主として化学的に固定化し、遮断することができる。
さらに、分解では、吸着や吸収した炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物を化学的に分解し、無臭化又は無害化することができる。
表面反応では、選択分離材の表面の構造的特徴により、炭化水素等を選択的に吸着しにくくし、膜内への進入を防ぐことにより遮断することができる。
ここで、分解する手段としては、例えば、電気的に分解する方式及び熱的に分解する方式、薬品等を用いて化学的に分解する方式又は微生物等を用いた生物的に分解する方式等が考えられる。さらにこれらの方式の組み合わせにて能力を向上させる方法も考えられる。
また、固体微小成分を遮断する機能は、請求項12に記載のように、濾別によって発現されてもよい。
ところで、車両が炎天下に晒されたりして、選択分離材が比較的高い温度に晒されることがある。そこで、請求項13に記載のように、選択分離材を冷却できるようにするとよい。
つまり、選択分離材の表面温度を計測するための温度センサと、外気取入れ口から外気排出口に至る外気導入経路、又は、内気取入れ口から内気排出口に至る内気循環経路に設置され、温度センサで計測した選択分離材の表面温度が所定の温度となった場合に選択分離材を冷却する冷却手段と、を備えるようにするのである。
このようにすると、選択分離材の表面温度が所定の温度となった場合、冷却手段で選択分離材を冷却できるので選択分離材の性能を保つことができる。
ここで、「所定の温度」とは、選択分離材の酸素及び二酸化炭素の透過性能及び炭化水素などの遮断性能が必要とされる最低の値以下となる温度のことをいう。
ところで、選択分離材をピラーの中空部分に配置して、外気や内気を中空部分に取り入れると、選択分離材の車室内側及び車室外側の表面には、車室内外に浮遊している粉塵が付着する。したがって、選択分離材の酸素や二酸化炭素の透過性能が低下する。
そこで、請求項14に記載のように、選択分離材を振動させ、選択分離材の表面に付着した粉塵を除去するための振動手段を備えるようにするとよい。
このようにすると、振動により選択分離材の車室内側及び車室外側表面に付着した粉塵をふるい落とすことによって除去することができるので、選択分離材の酸素や二酸化炭素の透過性能を回復させることができる。
さらに、選択分離材の表面に付着した粉塵の量が多くなった場合、選択分離材を交換できるようになっていると都合がよい。そこで、請求項15に記載のように、ピラーの中空部分に着脱可能に構成されたカートリッジに選択分離材を収納し、ピラーをカートリッジを中空部分に脱着可能に形成するとよい。
このようにすると、選択分離材の表面に粉塵が多量に付着したり選択分離材が汚れた場合に容易に交換することができるので、酸素や二酸化炭素の交換性能を速やかに回復させることができる。
ところで、選択分離材の透過性能が低下して車室内側の酸素濃度が低下したり、二酸化炭素濃度が上昇したりする場合、あるいは、不測の事態により他のガス、例えば一酸化炭素などの人体に危険を及ぼすガスの濃度が急激に上昇したりする場合が考えられる。
このような事態に対応するため、請求項16に記載のように、車室内側のガス濃度を検出するガス濃度検出手段と、車室外側の空気を車室内側へ導入又は車室側内の空気を車室外側へ排出可能な内外気交換手段と、ガス濃度検出手段で検出したガス濃度が所定の値となった場合に内外気交換手段を介して車室外側の空気を車室内側へ導入又は車室内側の空気を車室外側へ排出させる制御手段と、を備えるようにするとよい。
このようにすると、車室内側の酸素濃度が低下したり、二酸化炭素濃度が上昇したりした場合には、外気を車室内側へ導入することにより、酸素や二酸化炭素の濃度を短時間で適切な値にすることができる。また、不測の事態により人体に危険を及ぼすガスの濃度が急激に上昇したりした場合には、そのガスを急速に車室外側へ排出することができるので、車室内側に居る乗員の安全性を確保することができる。
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[第1実施形態]
(空調システムが組み込まれた車両の構成)
図1は、本実施形態の空調システムが組み込まれた車両10の概略断面図である。車両10は、図1に示すように、空気を通さないアルミやガラスなどの壁面で囲まれ、外気が進入しない車両10と外気が進入することができるトランクやエンジンルームなどの車室19外の空間とからなる。
また、車室19を構成する壁面の一部として、ピラー50,52,54を備えている。このピラー50,52,54には、車室19前部のフロントガラスの両端部分に設けられたフロントピラー50、車両10両側のウィンドウの車両10前後方向のほぼ中央部分に設けられたセンターピラー52、車室19後部のリアウィンドウの両端部分に設けられたリアピラー54がある。
また、車両10には図示しないエアコンが備えられている。このエアコンは、内気循環モードのみを備えている。
(車両用空調システムの構造)
次に、車両用空調システムの構成について図2を用いて説明する。図2(a)は、車両10及び車両10に設けられた各ピラー50,52,54の概略構成図であり、図2(b)はセンターピラー52の構造を模式的に示した概略構造図である。
図2(a)に示すように、車両10には、フロントピラー50、センターピラー52、リアピラー54が備えられている。各ピラー50,52,54は同じ構造であるので、以下センターピラー52を例に詳細を説明する。
センターピラー52は、図2(b)に示すように、上端部52e及び下端部52fが楕円形状をした中空の円柱状に形成されている。円柱の車室19外側の側面に外気取入れ口52a及び外気排出口52bを有し、車室19内側の側面に内気取入れ口52c及び内気排出口52dとを有している。
また、外気取入れ口52aはセンターピラー52の下部に設けられ、外気排出口52bはセンターピラー52の上部に設けられている。さらに、内気取入れ口52cはセンターピラー52の上部に設けられ、内気排出口52dはセンターピラー52の上部に設けられている。
また、センターピラー52の中空部分に、外気取入れ口52aから取り入れられ、外気排出口52bから排出される外気と、内気取入れ口52cから取り入れられ、内気排出口52dから排出される内気とを隔てるように選択分離材13が設置されている。
具体的には、センターピラー52の楕円形状の上下端部52e,52fの長手軸に、選択分離材13の上下端部13b、13cが各々一致するように選択分離材13が配置される。そして、選択分離材13の上端部13bがセンターピラー52の楕円形状の上端部52eの内側に接着剤で密着して固定され、選択分離材13の下端部13cがセンターピラー52の楕円形状の下端部52fの内側に接着剤で密着して固定される。
また、蛇腹状に折られた選択分離材13の両端部13dは、センターピラー52の楕円断面形状を有する円柱側面の劣弧部分内側面に円柱の中心軸方向に接着剤で密着して固定されている。
なお、図2(b)においては、選択分離材13を模式的に平板状に図示しているが、後述する選択分離材13の構造で詳細に述べるように、実際には蛇腹状に折られた形状を有している。
また、選択分離材13の車室19外側の表面には温度センサ60が設けられており、センターピラー52内部には2つのファン56a,56bが設けられている。
温度センサ60は、選択分離材13の表面温度を計測するためのものであり、熱電対やペルチェ素子など、選択分離材13の表面温度を電気信号に変換して出力するものである。
ファン56a,56bは、外気取入れ口52aから外気排出口52bに至る外気導入経路及び内気取入れ口52cから内気排出口52dに至る内気循環経路に設置されている。そして、温度センサ60で計測した選択分離材13の表面温度が選択分離材13の所定の温度となった場合に作動し、外気取入れ口52aから外気、内気取入れ口52cから内気を取り入れて選択分離材13を冷却(空冷)する。
以上にセンターピラー52を例として説明したが、フロントピラー50、リアピラー54においても同様である。
(選択分離材の構造)
次に、センターピラー52を例として、各ピラー50,52,54の中空部分に配置されている選択分離材13の構造について図3に基づいて説明する。図3は選択分離材13の概略を示す構造図である。図3(a)は、蛇腹状に折った選択分離材13の斜視図であり、図3(b)は、蛇腹状に折った選択分離材13の側面図とセンターピラー52の斜視図である。図3(a)及び図3(b)においては、分かりやすくするため、蛇腹状に折った選択分離材13を両端部13d方向に少し開いて図示している。
選択分離材13は、酸素及び二酸化炭素を濃度の高い方から濃度の低い方へ透過させ、炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び微小固体成分を遮断する機能を有する薄膜形状を有している。
選択分離材13の膜厚は薄ければ気体を透過させるために有利であるが、薄くなれば膜強度が減少して破損しやすくなるため、製造上の限界が存在する。本実施形態では、100ナノメートルの膜厚となっている。
また、選択分離材13の炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び微小固体成分を遮断する機能は、吸着、吸収、分解又は表面反応により発現される。
選択分離材13は、平板状に形成されており、さらに、その平板状に形成された選択分離材13は、図3に示すように蛇腹状に折られてセンターピラー52の中空部分に配置されている。また、蛇腹状に折られた選択分離材13の稜線13aが柱状のセンターピラー52の中心軸方向と一致するように配置されている。
以上にセンターピラー52を例として説明したが、フロントピラー50、リアピラー54においても同様である。
(車両用空調システムの特徴)
外気は外気取入れ口50a,52a,54aから取り入れられ外気排出口50b,52b,54bから排出され、内気は内気取入れ口50c,52c,54cから取り入れられ内気排出口50d,52d,54dから排出される。
したがって、選択分離材13の車室19外側の面は一定濃度の酸素や二酸化炭素を含む外気と接触することになる。一方、車室19内側の空気は乗員の呼吸などにより、二酸化炭素の濃度が高くなり、酸素濃度は低くなる。また、選択分離材13は、二酸化炭素や酸素を濃度の高い方から低い方へ透過させる。
したがって、車室19内側の酸素濃度が外気の酸素濃度よりも低くなれば、車室19外側から濃度が低くなった車室19内側へ選択分離材13を介して酸素が供給される。また、二酸化炭素濃度が外気の濃度よりも高くなれば、濃度が高くなった車室19内側から車室19外側へ選択分離材13を介して二酸化炭素が排出される。
特に、車両10走行中には、外気取入れ口50a,52a,54aから取り入れられる外気の量が増えるので、車両10走行中には、選択分離材13の車室19外側の面に外気が当たり続ける。つまり、選択分離材13の車室19外側の面には、一定濃度の酸素、二酸化炭素、硫黄酸化物及び微小固体成分を有する外気が供給され続ける。
したがって、車両10走行中には、外気をブロワなどで車室19内側へ導入しなくても、選択分離材13によって車室19内側の酸素と二酸化炭素の濃度を外気と同じ濃度に保つことができる。そして、ブロワを作動させる必要がないので、車載バッテリに対する負荷を低減することができる。
また、選択分離材13は平板状に形成され、さらに、その平板状に形成された選択分離材13が蛇腹状に折られて、ピラー50,52,54の中空部分に配置されている。したがって、ピラー50,52,54の狭い中空部分に配置される選択分離材13の充填密度が上がる。
つまり、選択分離材13の表面積が増えるので車室19内側と車室19外側とで交換できる酸素や二酸化炭素の量が増える。したがって、車室19内側の酸素や二酸化炭素の濃度が変化しても短時間で車室19内側の酸素や二酸化炭素の濃度を所定の値に回復させることができる。
また、外気取入れ口50a,52a,54aはピラー50,52,54の下部に設けられ、外気排出口50b,52b,54bはピラー50,52,54の上部に設けられている。さらに、内気取入れ口50c,52c,54cはピラー50,52,54の上部に設けられ、内気排出口50d,52d,54dはピラー50,52,54の下部に設けられている。
したがって、外気取入れ口50a,52a,54aから取れられた外気が外気排出口50b,52b,54bから排出されるまでの外気導入経路が長くなる。つまり、外気が選択分離材13に長い時間接触することになる。また、内気についても同じことが言える。したがって、車室19内側と車室19外側とで交換できる酸素や二酸化炭素の量が増加する。
また、外気取入れ口50a,52a,54aから取り入れられ、外気排出口50b,52b,54bから排出される外気の流れと、内気取入れ口50c,52c,54cから取り入れられ、内気排出口50d,52d,54dから排出される内気の流れとが向流となっている。
したがって、内気と外気に含まれる酸素や二酸化炭素の濃度差が少ない場合でも、選択分離材13において酸素や二酸化炭素の交換を効率よく行なうことができる。
また、蛇腹状に折られた選択分離材13の稜線13aが、ピラー50,52,54の軸方向と一致するように配置されている。したがって、外気取入れ口50a,52a,54aから外気排出口50b,52b,54bへ流れる外気の流れが蛇腹部分で妨げられることがなくズムーズに流れる。つまり、選択分離材13において外気と内気との間での酸素や二酸化炭素の交換を効率よく行うことができる。
また、選択分離材13は、薄膜形状を有しているので、単位面積当たりの酸素や二酸化炭素の透過性能を向上させることができる。したがって、設置面積を抑制することができる。
また、選択分離材13の炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び微小固体成分を遮断する機能は、吸着、吸収、分解又は表面反応により発現される。
吸着では、炭化水素等の濃度が高くなった場合、一度それらを主として物理的に保持し、濃度が低くなった場合、それらを再び外気に放出することにより、選択分離材13の吸着性能を再生することができる。
また、吸収では、炭化水素等を選択分離材13にて主として化学的に固定化し、遮断することができる。
さらに、分解では、吸着や吸収した炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物を化学的に分解し、無臭化又は無害化することができる。
表面反応では、選択分離材13の表面の構造的特徴により、炭化水素等を選択的に吸着しにくくし、膜内への進入を防ぐことにより遮断することができる。
ここで、分解する手段としては、例えば、電気的に分解する方式及び熱的に分解する方式、薬品等を用いて化学的に分解する方式又は微生物等を用いた生物的に分解する方式等が考えられる。さらに、これらの方式の組み合わせにて能力を向上させる方法も考えられる。
また、温度センサ60で計測した選択分離材13の表面温度が所定の温度となった場合に選択分離材13を冷却するファン56a,56bで選択分離材13を冷却するので選択分離材13を耐熱温度以下とすることができる。
ここで、「所定の温度」とは、選択分離材13の酸素及び二酸化炭素の透過性能及び炭化水素などの遮断性能が必要とされる最低の値以下となる温度のことをいう。
[第2実施形態]
次に、車室19内側の酸素濃度が低下したときに外気を導入して車室19内側の酸素濃度を急速に回復させる方法について図4に基づいて説明する。
図4は、車室19内の酸素濃度制御方法を示す図である。図4(a)は、酸素センサ18の取り付け状態を示した図であり、図4(b)は酸素センサ18で測定した車室19内の酸素濃度の変化を示すグラフであり、図4(c)は、内外気ダンパ17の開口度を示すグラフである。
上記のように本空調システムでは、車室19内側の乗員が消費する酸素及び二酸化炭素を優位に透過させ、かつ炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び微小固体成分を遮断する機能を有する選択分離材13とを備えている。
しかしながら、選択分離材13の透過性能が何らかの理由で劣化した場合、車室19内側の乗員が消費する酸素量を補う量の酸素が導入できなくなるおそれがある。それを防止するため、図4(a)に示すように車室19内側に取り付けた酸素センサ18にて車室19内側の酸素濃度αを図4(b)に示すように検出し、図示しない制御部において、検出した酸素濃度αが濃度閾値β(図4(b)では20%)を下回ったか否かを判定する。そして図示しない制御部において酸素濃度αが濃度閾値βを下回ったと判定した場合に、内外気ダンパ17を開口し、一時的に外気を車室19内に導入することにより、酸素濃度を上げることができるようになっている。
図示しない制御部では、内外気ダンパ17の開口度γが、例えば、図4(c)に示すように複数段階(図4(c9では3段階)に設定されている。また、上記の酸素濃度αの濃度閾値βは、自由に設定できるようになっているので、車室19内側の酸素濃度の管理値をも変えることができる。
以上のように構成された車両用空調システムによれば、車室19内に内外気ダンパ17を設け、酸素センサ18で検出した車室19内の酸素濃度に基づいて外気を車室19内に導入しているので、車室19内を最適な酸素濃度にすることができる。
なお、酸素センサ18以外に、二酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物の濃度センサ又は微小固体成分の個数をカウントするセンサを用いて、各々に対する車室19内の濃度を調整するようにしてもよい。
[第3実施形態]
また、蛇腹状に折られた選択分離材13の両端部13dをセンターピラー52の楕円断面形状を有する円柱側面の劣弧部分内側面に円柱の中心軸方向に接着剤で密着して固定する代りに、図5(a)に示すように選択分離材13の両端部13dにワイパーの断面形状と同様の断面形状のゴムを装着する。そして、図5(b)に示すように、ゴムが装着された両端部13dをセンターピラー52の円柱側面の劣弧部分内側面に円柱の中心軸方向に密着させるようにしてもよい。
このようにすると、外気と内気とを簡単な構造で分離することができ、かつ、選択分離材13において外気と内気との間での酸素や二酸化炭素の交換を確実に行うことができる。
[第4実施形態]
次に、選択分離材13の形状を変更した実施形態について、図6〜図8に基づいて説明する。
図6に示すように、平板状の選択分離材13を蛇腹状に折ったものの両端部13dを接着して円柱状に形成する。また、外気取入れ口52aから取り入れられ、外気排出口52bから排出される外気を円柱状に形成した選択分離材13の下端部13cから円柱状の選択分離材13の内部に導入し、内気取入れ口52cから取り入れられ、内気排出口52dから排出される内気を円柱状の選択分離材13の外部に導入するようにする。
このようにすると、選択分離材13を円柱状に形成するという簡単な構成で、選択分離材13により外気と内気とを分離することができ、かつ、選択分離材13において外気と内気との間での酸素や二酸化炭素の交換を確実に行なうことができる。
また、図7(a)に示すように、選択分離材13を中空糸状に形成して、円柱状のカートリッジ80に収納し、そのカートリッジ80を図7(b)に示すセンターピラー52に着脱するようにしてもよい。
カートリッジ80には、円柱の側面上部に内気をカートリッジ80内に導入するための内気導入口80a、円柱の側面下部にカートリッジ80内に導入した内気を排出するための内気排気口80bが設けられている。また、円柱下端部52fには外気を導入するための外気導入口80c、円柱上端部52eには、カートリッジ80内に導入した外気を排出するための外気排気口80dが設けられている。
カートリッジ80の内部では、中空糸の内部に外気を導入し、中空糸の外部に内気を導入するようになっている。
また、センターピラー52は、図7(b)に示すように、円柱上端部52eが着脱可能になっており、円柱上端部52eを外した状態で、カートリッジ80をセンターピラー52内部に挿入して、選択分離材13をセンターピラー52中空部分(センターピラー52内部)に配置する。
このようにすると、狭いピラー50,52,54の中空部に多くの選択分離材13を充填することができる。また、中空糸状に形成されているので表面積も大きい。したがって、ピラー50,52,54の中空部分に配置される選択分離材13の表面積が大きくなるので、外気と内気との間での酸素や二酸化炭素の交換を効率よく行なうことができる。
なお、中空糸の内部に内気を導入し、中空糸の外部に外気を導入するようにしてもよい。
また、図8に示すように、膜状の選択分離材13を2つ折りにし、さらに、その2つ折りにされた稜部を内側に巻き込んだ渦巻き状に形成する。そして、選択分離材13を2つ折りにすることによって形成される内側の空間に外気を導入し、外側の空間に内気を導入するようにしてもよい。
このようにすると、各ピラー50,52,54の中空部分に配置される選択分離材13の表面積を大きくすることができるので、外気と内気との間での酸素や二酸化炭素の交換を効率よく行なうことができる。
また、、選択分離材13の表面に粉塵が多量に付着したり選択分離材13が汚れた場合に容易に交換することができるので、酸素や二酸化炭素の交換性能を速やかに回復させることができる。
なお、選択分離材13を2つ折りにすることによって形成される内側の空間に内気を導入し、外側の空間に外気を導入するようにしてもよい。
[第5実施形態]
次に、選択分離材13の表面に付着した粉塵を除去する方法について図9に基づいて説明する。図9は、モータ70によって選択分離材13を振動させて、選択分離材13の表面に付着した粉塵を除去する方法を模式的に示した模式図である。
図9に示すように、モータ70の回転軸に円板70aを装着する。円板70aの外縁部に、円板と選択分離材13とを接続する接続棒70bを取り付ける。
このモータ70に図示しない車載バッテリから電力を供給すると回転軸に装着した円板が回転する。円板が回転すると、円板の外縁に取り付けられた接続棒70bがすりこぎ運動をする。接続棒70bがすりこぎ運動をすると接続棒70bに接続されている選択分離材13が振動する。
このようにして、モータ70の回転により選択分離材13を振動させることにより、選択分離材13の表面に付着した粉塵を除去することができる。
なお、車載バッテリから定期的にモータ70へ電力を供給して、定期的に選択分離材13を振動させて粉塵を除去してもよいし、粉塵センサなどで選択透過材表面の粉塵による汚れ度合いを検出し、汚れ度合いが大きくなった場合に、モータ70へ電力を供給して、選択分離材13を振動させて粉塵を除去してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
(1)例えば、上記実施形態では、選択分離材13として、薄膜形状の材料を使用していたが、薄膜形状の材料の代りに細孔径が50ナノメートル以下である多孔質形状の材料を用いてもよい。
このようにすると、クヌーセン流れが発生することなくさらに、人体に沈着し発がん性を有する10ナノメートル以上の微小固体成分の透過を防止することができる。
(2)また、薄膜形状の材料の代りに、炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び微小固体成分を遮断する機能を有する繊維形状の材料で選択分離材13を形成すると、酸素及び二酸化炭素の透過性を高めることができる。
(3)また、薄膜形状の代りに、無機材料又は酸化物を有する組成を含む結晶構造を有する材料で選択分離材13を構成すると、無機材料又は酸化物を有する組成を含む材料は、多孔質の細孔径が制御しやすく、特に酸化物は、周期律表の多くの元素を用いることができるので有効である
具体的な材料としては、ゼオライトや粘土鉱物(モンモリロナイト、カオリナイト、ハロサイトなど)がある。より好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、珪素又はアルミニウムを含んだ物質がよい。また、酸化物では、粘土鉱物のように層間隔をサブナノメートル単位で制御することができる材料を使用してもよい。
(4)また、薄膜形状の材料の代りに、炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び微小固体成分を遮断する機能を有する繊維形状の材料を用いてもよい。
(5)また、上記実施形態では、選択分離材13として、有機系高分子を使用していたが、有機系高分子の代りに結晶材料や炭素を含む材料を用いてもよい。結晶材料としては、無機材料や又は酸化物を有する組成を含む材料がある。また、炭素を含む材料としては、グラファイトを含む材料がある。
(6)また、上記実施形態の選択分離材13では、吸着、吸収、分解各機能を有する薄膜材料により、酸素及び二酸化炭素の透過と炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び微小固体成分を遮断していたが、それらの成分に対する表面反応を示す薄膜材料で選択分離材13を形成してもよい。
(7)さらに、車室19内に、炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び微小固体成分を吸着する材料、例えば、活性炭粒子、活性炭素繊維等の炭素材料やゼオライト等の無機材料又は吸収液や吸収液を含んだ繊維状物質などで吸着させる脱臭装置、あるいは、炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び微小固体成分を分解する方法、例えば、電気的に分解する方式、熱的に分解する方式、薬品等を用いて化学的に分解する方式又は微生物等を用いた生物的に分解する方式を用いた脱臭装置を設けるようにしてもよい。
(8)また、本車両用空調システムの適用対象としては、酸素の導入と二酸化炭素の排出が必要であり、炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び微小固体成分を遮断する必要である空間であればよい。そのようなものととして、自動車以外に、列車、モノレール、航空機などの車両10に適用することができる。
なお、ファン56a,56bが冷却手段に相当し、モータ70が振動手段に相当し、内外気ダンパ17が内外気交換手段に相当し、酸素センサ18がガス濃度検出手段に相当する。
空調システムが組み込まれた車両10の概略断面図である ピラー50,52,54の概略構成及び概略構造を示す図である。 選択分離材13の概略を示す構造図である。 車室19内の酸素濃度制御方法を示す図である。 選択分離材13の両端部13dにワイパーの断面形状と同様の断面形状のゴムを装着した様子を示す図である。 選択分離材13を円柱状に形成したときの概略構造図である。 選択分離材13を中空糸状に形成して、円柱状のカートリッジ80に収納したときの概略構造図である。 選択分離材13を渦巻き状に形成したときの概略構造図である。。 モータ70によって選択分離材13の表面に付着した粉塵を除去する方法を模式的に示した模式図である。
符号の説明
10…車両、13…選択分離材、13a…稜線、13b…上端部、13c…下端部、13d…両端部、17…内外気ダンパ、18…酸素センサ、19…車室、50…フロントピラー、50a,52a,54a…外気取入れ口、50b,52b,54b…外気排出口、50c,52c,54c…内気取入れ口、50d,52d,54d…内気排出口、52…センターピラー、52e…上端部、52f…下端部、54…リアピラー、56a,56b…ファン、60…温度センサ、70…モータ、70a…円板、70b…接続棒、80…カートリッジ、80a…内気導入口、80b…内気排気口、80c…外気導入口、80d…外気排気口。

Claims (16)

  1. 中空の柱状に形成され、車室外側の空気を前記中空部分に取り入れるための外気取入れ口及び取り入れた空気を車室外側に排出するための外気排出口を車室外側に有し、車室内側の空気を前記中空部分に取り入れるための内気取入れ口及び取り入れた空気を車室内側に排出するための内気排出口とを車室内側に有したピラーの前記中空部分に、
    前記外気取入れ口から取り入れられ前記外気排出口から排出される外気と、前記内気取入れ口から取り入れられ前記内気排出口から排出される内気とを隔てるように配置され、
    酸素及び二酸化炭素を濃度の高い方から濃度の低い方へ透過させ、炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び微小固体成分を遮断する機能を有する選択分離材を備えたことを特徴とする車両用空調システム。
  2. 請求項1に記載の車両用空調システムにおいて、
    選択分離材は、平板状に形成されており、さらに、その平板状に形成された選択分離材は、蛇腹状に折られて前記ピラーの中空部分に配置されていることを特徴とする車両用空調システム。
  3. 請求項2に記載の車両用空調システムにおいて、
    前記蛇腹状に折られた選択分離材の稜線が、前記柱状に形成されたピラーの柱の中心軸方向と一致するように配置されたことを特徴とする車両用空調システム。
  4. 請求項1〜請求項3の何れかに記載の車両用空調システムにおいて、
    前記外気取入れ口は、前記ピラーの上部又は下部の何れかに設けられ、
    前記外気排出口は、前記外気取入れ口に対して上下方向の反対側に設けられており、
    さらに、前記内気取入れ口は、前記ピラーの上部又は下部の何れかに設けられ、
    前記内気排出口は、前記内気取入れ口に対して上下方向の反対側に設けられていることを特徴とする車両用空調システム。
  5. 請求項1〜請求項4の何れかに記載の車両用空調システムにおいて、
    前記外気取入れ口、前記外気排出口、前記内気取入れ口及び前記内気排出口は、
    前記外気取入れ口から取り入れられ、前記外気排出口から排出される外気の流れと、前記内気取入れ口から取り入れられ、前記内気排出口から排出される内気の流れとが反対向きになるように配置されていることを特徴とする車両用空調システム。
  6. 請求項1〜請求項5の何れかに記載の車両用空調システムにおいて、
    前記選択分離材は筒状に形成され、
    さらに、前記選択分離材は、前記筒状に形成された選択分離材の内面に前記外気取入れ口から取り入れられた外気が導入され、外面に前記内気取入れ口から取り入れられた内気が導入される、若しくは、選択分離材の外面に前記外気取入れ口から取り入れられた外気が導入され、内面に前記内気取入れ口から取り入れられた内気が導入されるように前記ピラーの中空部分に配置されていることを特徴とする車両用空調システム。
  7. 請求項1〜請求項5の何れかに記載の車両用空調システムにおいて、
    前記外気取入れ口から取り入れられ、前記外気排出口から排出される外気と前記内気取入れ口から取り入れられ、前記内気排出口から排出される内気とを隔てるために、前記選択分離材の前記ピラーの中空部分に接する部分に密着性のある材料が装着されていることを特徴とする車両用空調システム。
  8. 請求項1〜請求項5の何れかに記載の車両用空調システムにおいて、
    前記選択分離材は、中空糸状に形成され、前記中空糸の内部に外気が導入され、前記中空糸の外部に内気が導入される、若しくは、中空糸の内部に内気が導入され、中空糸の外部に外気が導入されるように構成されていることを特徴とする車両用空調システム。
  9. 請求項1〜請求項5の何れかに記載の車両用空調システムにおいて、
    前記選択分離材は、膜状に形成され、膜状に形成された前記選択分離材が2つ折りに形成され、さらに、その2つ折りにされた前記選択分離材の稜部が内側に巻き込んだ渦巻き状に形成されており、前記選択分離材が2つ折りされることによって形成される内側の空間に外気が導入され、外側の空間に内気が導入される、若しくは、前記選択分離材が2つ折りされることによって形成される内側の空間に内気が導入され、外側の空間に外気が導入されるように構成されていることを特徴とする車両用空調システム。
  10. 請求項1〜請求項9の何れかに記載の車両用空調システムにおいて、
    前記選択分離材は、多孔質形状、繊維形状又は薄膜形状あるいはそれらの複合形状を有することを特徴とする車両用空調システム。
  11. 請求項1〜請求項10の何れかに記載の車両用空調システムにおいて、
    前記選択分離材の炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び微小固体成分を遮断する機能は、吸着、吸収、分解又は表面反応により発現されることを特徴とする車両用空調システム。
  12. 請求項11に記載の車両用空調システムにおいて、
    前記選択分離材の微小固体成分を遮断する機能は、濾別によっても発現されることを特徴とする車両用空調システム。
  13. 請求項1〜請求項12の何れかに記載の車両用空調システムにおいて、
    前記選択分離材の表面温度を計測するための温度センサと、
    前記外気取入れ口から前記外気排出口に至る外気導入経路、又は、前記内気取入れ口から前記内気排出口に至る内気循環経路に設置され、前記温度センサで計測した前記選択分離材の表面温度が前記選択分離材の所定の温度となった場合に前記選択分離材を冷却する冷却手段と、
    を備えていることを特徴とする車両用空調システム。
  14. 請求項1〜請求項13の何れかに記載の車両用空調システムにおいて、
    前記選択分離材を振動させ、前記選択分離材の表面に付着した粉塵を除去するための振動手段を備えたことを特徴とする車両用空調システム。
  15. 請求項1〜請求項14の何れかに記載の車両用空調システムにおいて、
    前記選択分離材は、前記ピラーの中空部分に着脱可能に構成されたカートリッジに収納され、
    前記ピラーは前記カートリッジを中空部分に脱着可能に形成されていることを特徴とする車両用空調システム。
  16. 請求項1〜請求項14の何れかに記載の車両用空調システムにおいて、
    前記車室内側のガス濃度を検出するガス濃度検出手段と、
    前記車室外側の空気を前記車室内側へ導入又は前記車室内側の空気を前記車室外側へ排出可能な内外気交換手段と、
    前記ガス濃度検出手段で検出したガス濃度が所定の値となった場合に前記内外気交換手段を介して前記車室外側の空気を前記車室内側へ導入又は前記車室内側の空気を前記車室外側へ排出させる制御手段と、
    を備えたことを特徴とする車両用空調システム。
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