JP4682951B2 - 圧力調整用換気装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車室内への有害気体や有害微粒子の進入をできるだけ防止する圧力調整用換気装置に関する。
従来、都会や幹線道路を走行したり、トラック等のディーゼルエンジン車両等の後方を走行する場合、大気が汚染されているので、外気をそのまま車室内へ導入することは乗員の健康面から問題があった。
そこで、大気中の有毒ガスや粉塵などの汚染物質を除去するための様々なフィルタが開発されている。そして車室内へ外気を導入するための外気導入口にそのフィルタを取り付け、ブロワを用いてフィルタを通して車室内へ大気を導入していた。このようにフィルタとブロワを用いて、車室内へ導入する大気をフィルタで濾過し、有毒ガスや粉塵などの汚染物質を除去した清浄な空気を車室内へ導入する技術があった(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−193525号公報
ところが、上記のようにブロワとフィルタを用いて大気を車室内へ導入する方法では、大量の外気を車室内へ導入するので、数百ワットにも達する電力が必要となる場合がある。つまり、車載バッテリに対する負荷が大きなものであった。
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、車載バッテリに対する負荷を低減することができる圧力調整用換気装置を提供することを目的としている。
かかる問題を解決するためになされた請求項1に記載の圧力調整用換気装置は、車両のドアが閉るときに上昇する車室内の圧力によりダンパが開状態になって車室内の空気を車室外に逃すことにより車室内の圧力の上昇を緩和する。また、ドアが閉じた状態ではダンパが閉状態になって車室を密閉状態にする。
そして、ダンパは、略直方体の中空形状に形成されて、車室外側の面が外気に触れる位置に配置され、ダンパの一部又は全部が酸素及び二酸化炭素を濃度の高い方から濃度の低い方へ透過させ、炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び微小固体成分を遮断する機能を有し、蛇腹状に折られて形成された選択分離材で構成されている。
その選択部材は、車室外と車室内とを隔てるように、ダンパの内部に、蛇腹状に形成された選択分離材の稜線と平行な一端がダンパの車室外側面の一辺に密着して接着され、他端は、選択分離材の一端が接着された車両外側側面の一辺と対角の位置にある辺であって、車室内側面の一辺に密着して接着されていることを特徴とする。
このように構成された圧力調整用換気装置によれば、外気をブロワなどで車室内へ導入しなくても、選択分離材によって車室内の酸素と二酸化炭素の濃度を外気と同じ濃度に保つことができる。以下、この効果について詳細に説明する。
車両のドアが閉じた状態では、ダンパが閉状態になって車室が密閉状態になる。そして、ダンパの車室外側の面が外気に触れる位置、例えば、車両のリアバンパ付近で、かつ、車両外から取り入れられる外気の導入・排出通路などに配置されている。
したがって、圧力調整用換気装置のダンパの一部又は全部を上記の選択分離材で構成すると、選択分離材の車室外側の面は一定濃度の酸素や二酸化炭素を含む外気と接触することになる。一方、車室内の空気は乗員の呼吸などにより、二酸化炭素の濃度が高くなり、酸素濃度は低くなる。また、選択分離材は、二酸化炭素や酸素を濃度の高い方から低い方へ透過させる。
したがって、車室内の酸素濃度が外気の酸素濃度よりも低くなれば、車室外から濃度が低くなった車室内へ選択分離材を介して酸素が供給される。また、二酸化炭素濃度が外気の濃度よりも高くなれば、濃度が高くなった車室内から車室外へ選択分離材を介して二酸化炭素が排出される。
特に、車両走行中には、車両外から取り入れられる外気の量が増えるので、車両走行中には、ダンパの一部又は全部を形成する選択分離材の外表面に外気が当たり続ける。つまり、選択分離材の外表面には、一定濃度の酸素、二酸化炭素、硫黄酸化物及び微小固体成分を有する外気が供給され続ける。
したがって、車両走行中には、外気をブロワなどで車室内へ導入しなくても、選択分離材によって車室内の酸素と二酸化炭素の濃度を外気と同じ濃度に保つことができる。そして、ブロワを作動させる必要がないので、車載バッテリに対する負荷を低減することができる。
ところで、選択分離材で遮断する微小固体成分には種々のものがあり、また、微小固体成分を遮断する方法にも種々のものがある。例えば、請求項2に記載のように、選択分離材は、酸素及び二酸化炭素を透過させるための細孔を有し、細孔の大きさは、微小固体成分を遮断するために、SPM、花粉、ウィルス及び細菌のうち最も小さいものよりも小さく形成するとよい。
このようにすると、選択分離材の表面には、SPM(Suspended Particle Matter)、花粉、ウィルス及び細菌(以下、これらをSPM等と呼ぶ。)を通さない大きさの細孔しか存在しないので、微小固体成分として、人体に悪影響を及ぼすSPM等を遮断することができる。したがって、車室内の乗員に対する快適性を保つことができる。
ところで、選択分離材は、薄く形成するほど酸素や二酸化炭素を透過させやすいので好ましい。ところが、車両が走行すると圧力調整用換気装置のダンパに当たる外気には圧力変動が生じる。また、ドアの開閉やエアコンのオン/オフなどによりダンパの車室内側に当たる内気にも圧力変動が生じる。つまり、薄く形成した選択分離材でダンパの一部又は全部を構成した場合、上記圧力変動によって選択分離材が破損することが考えられる。
したがって、請求項3に記載のように、選択分離材に密着して配置され、選択分離材を補強するための補強材を備えるようにすると、補強材によって補強されるので、内気及び外気の圧力変動によって選択分離材が破損されにくくなる。
また、請求項4に記載のように、選択分離材が平板状に形成されている場合には、補強材は、平板状に形成された選択分離材の平面の両面に密着配置されて選択分離材を補強するようにすると、内外気の圧力変動に対してより強い選択分離材とすることができる。
ところで、選択分離材の形状は上記のように薄い方がよい、そこで請求項5に記載のように、選択分離材は、気体透過性を有する高分子膜で形成されているようにすると、高分子膜の酸素及び二酸化炭素の透過性が高いので、酸素及び二酸化炭素の透過性を高くすることができる。
ところで、選択分離材の表面に粉塵などが付着していると、酸素や二酸化炭素にとってその粉塵などはガス拡散の障壁となるので、選択分離材が酸素や二酸化炭素を透過できない場合がある。そこで、請求項6に記載のように、車両内に取り入れられ、圧力調整用換気装置のダンパに接触する外気に含まれる粉塵を除去するための除塵手段を備えるようにするとよい。
このようにすると、外気に含まれる粉塵が選択分離材の表面に付着することがないので、選択分離材は、酸素や二酸化炭素を透過することができる。
なお、除塵手段は、選択分離材の細孔よりも大きな孔を持つ除塵材料で形成され、外気の流路上に設けられ、外気の流入口と選択分離材との間に位置するように設けられている。
また、選択分離材を透過する酸素や二酸化炭素の量は、選択分離材の表面積に比例する。したがって、酸素や二酸化炭素の透過量を多くするためには、選択分離材の外気に接触する部分の表面積をできる限り大きくする方がよい。外気に接触する部分の表面積を大きくするには、請求項7に記載のように、ダンパは、内部の蛇腹状に形成された選択分離材、車両に取り入れられた外気の流れる方向に対して、蛇腹の稜線が略垂直となるように配置されているとよい。以下、この理由を説明する。
従来のエアフィルタなどでは、ろ過の方向性がないため、空気の流れに対して略垂直になるようにエアフィルタを設置したうえで、空気を透過する面積を大きくするために、エアフィルタを構成する平板状の材料が空気の流れの方向に蛇腹状に折られている。
つまり、従来のエアフィルタでは、空気の流れに垂直な面の面積で、そのろ過性能が決まるのである。
これに対し、上記選択分離材では、酸素及び二酸化炭素を透過させ、炭化水素等を遮断するという分離機能は、選択分離材の表面で発現される。したがって、必ずしもその表面を空気の流れに対して垂直に配置する必要はない。
つまり、選択分離材が蛇腹状に折られているとき、蛇腹の凸部が空気の流れと垂直方向に位置するように折られていても、選択分離材の表面に沿って外気が流れるので、選択分離材の外気に接触する部分の面積(表面積)が大きくなる。外気に接触する部分の表面積が大きければ、透過される酸素や二酸化炭素の量が多くなるので、車室内の内気の酸素及び二酸化炭素の濃度に変化があっても、短時間で所定の濃度に戻すことができるのである。
なお、「外気の流れる方向に対して、平板の面が略垂直となるように蛇腹状に折る」とは、平板状に形成した選択分離材を蛇腹状に折ったとき、蛇腹を形成する面が外気の流れる方向に対して可能な限り垂直、つまり、蛇腹の凸部が空気の流れに対して可能な限り垂直になるようにすることを意味している。
さらに、請求項8に記載のように、選択分離材を、蛇腹状に折られた部分の凸部先端が略鉛直下方になるようにダンパに取り付けると、選択分離材の表面に結露などで付着した水分がその質量により選択分離材の表面を伝わって鉛直下方に集まる。
したがって、選択分離材の表面に結露などの水分が付着したままにならないので、結露などによって選択分離材の表面に水分が付着するような条件下であっても、選択分離材は酸素や二酸化炭素を透過させることができる。
ここで、「略鉛直下方なるようにダンパに取り付ける」とは、完全な鉛直下方を意味している訳ではなく、結露などで選択分離材の表面に付着した水分が自重で鉛直下方に滴下するような向きに取り付けることをいう。
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
(圧力調整用換気装置の構成)
図1は、圧力調整用換気装置30の概略構成図であり、図2は、圧力調整用換気装置30を構成するダンパ32の概略構造図であり、図3は、ダンパ32内の選択分離材13の構造を模式的に示す模式図である。
圧力調整用換気装置30は、図1(a)に示すように、車両10後部のバンパ34近傍の左右両側面に配置されている。そして、車両10の後方から見た車両10の後部部分の断面図である図1(b)に示すように、圧力調整用換気装置30は、筐体38、ダンパ32、除塵フィルタ36から構成される。
圧力調整用換気装置30は、一部が略長方形に切り取られた車両10のボディ22部分に、ボディ22内部に埋め込まれるように取り付けられている。
つまり、圧力調整用換気装置30の筐体38が角筒状に形成され、角筒状に形成された筐体38の車両10外側の端面にはフランジが設けられている。そして、そのフランジが溶接などでボディ22に固定されている。
筐体38は、ボディ22に固定されている端部と反対側の端部(奥端部)の下面が車室19側に上向き斜めに曲げられている。この曲げられている部分をダンパ受け部38aと呼ぶ。後述するように、ドアが閉じた状態でダンパ32の下端部が、ダンパ受け部38aに車両10外側から車室19に向かって接触するようになっている。
そして、ダンパ32が筐体38にヒンジ32aで取り付けられている。具体的には、ダンパ32の上辺部分と角筒状の筐体38の奥部の内側の上壁内側とがヒンジ32aによって結合され、ダンパ32がヒンジ32aを中心として回動可能に取り付けられている。
圧力調整用換気装置30においては、車両10の図示しないドアが閉ると、車室19内の圧力が上昇する。すると、その上昇した圧力によって、ダンパ32が車室19側から車両10外側に向かって押される。すると、ダンパ32は、ヒンジ32aを中心として回動し開状態、つまり、図1(b)中のβの状態になる。
ダンパ32が開状態になると図1(a)の矢印で示すドア閉時の空気の流れが生じ、車室19内の空気が車室19外に逃れる。このように、ドアが閉まるとダンパ32が開状態になって、車室19内圧力の上昇を緩和する。
一方、ドアが閉じた状態では、車室19内の圧力上昇がないので、ダンパ32には車室19側から圧力が加わらない。ダンパ32に車室19側から圧力が加わらなければ、ダンパ32は、自重でヒンジ32aを中心に車室19側に回動して鉛直位置になろうとする。ダンパ32が鉛直位置になろうとするとダンパ32の下端部がダンパ受け部38aに接触して、それ以上回動できなくなる。したがって、ダンパ32が閉状態、つまり、図1(b)中のαの状態になって車室19が密閉状態になる。
なお、車両10外側から車室19に向かってダンパ32に圧力が加わったときにも、ダンパ32はヒンジ32aを中心として車室19側に回動しようとするが、そのときもダンパ32の下端部がダンパ受け部38aに接触する。したがって、ダンパ32はそれ以上回動できないので、ダンパ32は閉状態となり、車室19が密閉状態になる。
ダンパ32は、図2に示すようにダンパ筐体40とその中に収納された選択分離材13とから構成される。
ダンパ筐体40は、略角筒状に形成されており、各筒の各面は、気体を透過させないガス不透過材料で構成されている。なお、ガス不透過とは、ガスの透過させやすさを示すガス透過係数が、1×10-8[cm3(STP)・cm/(cm2・sec・cmHg)]以下であることを意味している。したがって、ガス不透過材料は、ガス透過係数がその値以下である材料であり、例えば、鉄、アルミなどの金属、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルフルオライド、ポリメチルメタクリレート、ポリアミドなどの高分子材料などである。
また、車室19内若しくは車室19外からの空気の流れに面したダンパ筐体40の面には、ガス不透過材料に多数の孔が穿たれており、一部を除いた構造をとり、外気がダンパ筐体40内に出入りできるようになっている。
なお、このダンパ筐体40の上端部が上述のようにヒンジ32aで、筐体38の内側上面に取り付けられているのである。
選択分離材13は、酸素及び二酸化炭素を濃度の高い方から濃度の低い方へ透過させ、炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び微小固体成分を遮断する機能を有するものである。
また、選択分離材13は、酸素及び二酸化炭素を透過させ、微小固体成分を遮断するための細孔を有している。そして、細孔の大きさは、微小固体成分を遮断するために、SPM、花粉、ウィルス及び細菌(以下、これらをSPM等と呼ぶ。)のうち最も小さいものよりも小さくなるように形成されている。
具体的には、選択分離材13は、気体透過性を持つ高分子膜で形成されている。そして、当該高分子膜が平板状に形成されたものが図2に示すように、車両10外から導入される外気の流れる方向に対して平板の面が略垂直になるように、換言すれば、蛇腹の凸部が空気の流れと略垂直になるように蛇腹状に折られている。
そして、図2及び選択分離材13が蛇腹状に折られている様子を模式的に示した図3に示すように、選択分離材13は、車両10外から導入される外気の流れる方向に対して平板の面が略垂直になるように蛇腹の凸部が図中下方になるようにダンパ筐体40に収納されている。
また、図3(a)に模式的に示すように、蛇腹状に折られている選択分離材13の一端はダンパ筐体40の車両10外側の図中左上隅(図中γ)に密着して接着されており、選択分離材13の反対端はダンパ筐体40のγの対角の車室19側端(図中δ)に密着して接着されている。このように選択分離材13の一端と反対端を各々ダンパ筐体40の車両10外側端と車室19側端に接着することにより、車両10外側の空間と車室19側の空間とを分離している。
また、選択分離材13には、図3(b)の拡大図に示すように、平板状の面のうち車両10外側に外部補強材14aを密着させ、車室19側に内部補強材14bを密着させている。つまり、外部補強材14a、選択分離材13、内部補強材14bをその順で積層することにより選択分離材13が圧力変動などによって破損されにくくなるように補強しているのである。
外部補強材14a及び内部補強材14bの材料は、例えば、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリエーテルサルホン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、テフロン(登録商標)(例えば、PTFE、PEFなど)、ガラス(例えば、繊維状)、セルロースなどから選ばれる単一材料若しくは2つ以上の材料で構成され、多孔体のような高次構造を取る。また、これらの材料以外にも多孔構造を作成可能な材料であれば何れのものでもよい。
除塵フィルタ36は、選択分離材13の細孔よりも大きな孔を持つ材料で構成されており、例えば、活性炭素繊維、不織布、樹脂繊維、帯電繊維などの膜状の材料と繊維状、不織布状、板状、波板状あるいは粒状の基材から構成されている。
樹脂繊維としては、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、アクリルなどが用いられる。そして、それらの何れか1つ又はそのうちの2つ以上を組み合わせて、編み込むように構成される。
また帯電繊維には、外部の電極からイオンを強制的に打ち込むエレクトロ・エレクトレット法を用いてポリプロピレンなどのポリマーの繊維を帯電させたエレクトレット繊維がある。また、ポリマーとしては、ポリプロピレンの他に、テフロン(登録商標)、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン類、ポリスチレン誘導体、ポリスチレン、ポリアミド、ポリビニルハライト、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネイトなどを用いることができる。
また、帯電繊維の帯電法として、エレクトロ・エレクトレット法の他に、電界下で紫外線などを照射するホト・エレクトレット法、高分子ポリマーに応力を加えて塑性流動させるメカノ・エレクトレット法、温度を上昇させた状態で高分子ポリマーの高電界を印加するサーモ・エレクトレット法、温度を上昇させ磁場をかけるマグネット・エレクトレット法、γ線などの電磁波を照射するラジオ・エレクトレット法などを使用することができる。
なお、ダンパ32は閉状態で、内部の選択分離材13の蛇腹状に折られた部分の凸部が略鉛直下方となるように圧力調整用換気装置30に取り付けられている。
(圧力調整用換気装置の作動)
以上のように構成されたダンパ32は、図1(b)に示すように、車両10後部のバンパ34近傍の左右両側に配置された圧力調整用換気装置30に取り付けられている。
そして、図示しないドアが閉められたとき、車室内の空気は、図1(a)に示すドア閉時の空気の流れに沿って流れ、車室19側からダンパ32を押す。押されたダンパ32は、ヒンジ32aを中心として回動し、開状態(図1(b)のβの状態)となり、車室19内の空気を車室19外へ逃がす。このようにダンパ32は、ドアが閉じられたときに車室19内の空気を逃がすことにより、ドアを閉じたときに車室19内の圧力が上昇するのを緩和している。
一方、車両10走行中などドアの開閉がない場合には、ダンパ32は閉状態(図1(b)のαの状態)となり、車室19は密閉状態となる。
この状態では、図1(b)に示すように外気は、バンパ34とボディ22の上部隙間26から車両10内部(ただし、車室19内ではない。)に入り、除塵フィルタ36を通ってダンパ32内に入る。
ダンパ32内に入った外気は、選択分離材13の表面に接触した後、ダンパ32の外に出て、再び除塵フィルタ36を通り、バンパ34とボディ22の下部隙間28を通って車両10外へ排出される。
このとき、外気の酸素及び二酸化炭素の濃度は一定であり、選択分離材13は、濃度が高い方から低い方へ酸素及び二酸化炭素を透過させる。したがって、外気がダンパ32内で選択分離材13の表面に接触する際、車室19の酸素濃度が外気の酸素濃度より低くなっていれば、選択分離材13は濃度の高い方から低い方へ酸素を透過させるので、車室19の酸素濃度は増加し、外気と同じ濃度となる。
また、車室19の二酸化炭素濃度が高くなっていれば、選択分離材13は濃度の高い方から低い方へ二酸化炭素を透過させるので、車室19の二酸化炭素濃度は減少し、外気と同じ濃度となる。
(圧力調整用換気装置の特徴)
このように構成された圧力調整用換気装置30によれば、選択分離材13で構成されたダンパ32の車室19外側の面は一定濃度の酸素や二酸化炭素を含む外気と接触することになる。一方、車室19内の空気は乗員の呼吸などにより、二酸化炭素の濃度が高くなり、酸素濃度は低くなる。また、選択分離材13は、二酸化炭素や酸素を濃度の高い方から低い方へ透過させる。
したがって、車室19内の酸素濃度が外気の酸素濃度よりも低くなれば、車室19外から濃度が低くなった車室19内へ選択分離材13を介して酸素が供給される。また、二酸化炭素濃度が外気の濃度よりも高くなれば、濃度が高くなった車室19内から車室19外へ選択分離材13を介して二酸化炭素が排出される。
特に、車両10走行中には、車両10外から取り入れられる外気の量が増えるので、車両10走行中には、ダンパ32を構成する選択分離材13の外表面に外気が当たり続ける。つまり、選択分離材13の外表面には、一定濃度の酸素、二酸化炭素、硫黄酸化物及び微小固体成分を有する外気が供給され続ける。また走行によりダンパ32部外気側に気体が流れることにより、ダンパ32近傍のガス圧力が低下し、車室19内圧力との差が大きくなる。そのため車室19内と外気とのガス交換を活発にすることが可能となる。
したがって、車両10走行中には、外気をブロワなどで車室19内へ導入しなくても、選択分離材13によって車室19内の酸素と二酸化炭素の濃度を外気と同じ濃度に保つことができる。そして、ブロワを作動させる必要がないので、車載バッテリに対する負荷を低減することができる。
また、選択分離材13の細孔の大きさは、微小固体成分を遮断するために、SPM、花粉、ウィルス及び細菌のうち最も小さい。つまり、選択分離材13の表面には、SPM(Suspended Particle Matter)、花粉、ウィルス及び細菌(以下、これらをSPM等と呼ぶ。)を通さない大きさの細孔しか存在しないので、微小固体成分として、人体に悪影響を及ぼすSPM等を遮断することができる。したがって、車室19内の乗員に対する快適性を保つことができる。
また、選択分離材13は、平板状に形成され、平板の平面を両面から補強材14a,14bで補強されているので、内外気の圧力変動に対して破損されにくくなるようになっている。
また、ダンパ32に接触する外気に含まれる粉塵を除去するための除塵フィルタ36を備えているので、外気に含まれる粉塵が選択分離材の表面に付着することがない。したがって、選択分離材13は、酸素や二酸化炭素を透過することができる。
また、平板状に形成された選択分離材13が車両10に取り入れられた外気の流れる方向に対して、平板の面が略垂直となるように蛇腹状に折られている。つまり、蛇腹状に折られた選択分離材13の表面に沿って、若しくは表面近傍を外気が流れるようになっているので、選択分離材13の外気に接触する部分の面積(表面積)が大きくなる。外気に接触する部分の表面積が大きければ、透過される酸素や二酸化炭素の量が多くなるので、車室19内の内気の酸素及び二酸化炭素の濃度に変化があっても、短時間で所定の濃度に戻すことができる。
また、選択分離材13は、蛇腹状に折られた部分の凸部先端が鉛直下方になるようにダンパ32に収納されている。したがって、選択分離材13の表面に結露などで付着した水分がその質量により選択分離材の表面を伝わって鉛直下方に集まる。つまり、選択分離材13の表面に結露などの水分が付着したままにならないので、結露などによって選択分離材13の表面に水分が付着するような条件下であっても、選択分離材13は酸素や二酸化炭素を透過させることができる。
[その他の実施形態]
(1)高分子膜の膜材として、ポリシロキサン系、ポリアセチレン系、ポリブタジエン系、ブチルゴム、ポリクロロプレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン及びポリプロピレンなどであってもよい。特に、耐熱性が必要な場合には、ポリシロキサン系やポリアセチレン系の高分子材を用いるとよい。
(2)上記実施形態で使用されている選択分離材13や外部補強材14a及び内部補強材14bの表面に撥水性を持たせることで結露水を速やかに除去することもできる。選択分離材13や外部補強材14a及び内部補強材14bの表面に撥水性を持たせる方法としては、化学的な方法や物理的な方法がある。
化学的な方法としては、例えば、選択分離材13や外部補強材14a及び内部補強材14bの表面にアルキル基などの疎水性官能基やフッ素基などの撥水性官能基を導入するやり方がある。また、物理的な方法としては、外部補強材14a及び内部補強材14bの孔径を100μm以下にしたり、選択分離材13の表面の高さ100μm以下の凹凸を形成するという物理的な方法がある。
なお、以上に示す各実施形態において、除塵フィルタ36が除塵手段に相当する。
圧力調整用換気装置30の概略構成図である。 圧力調整用換気装置30を構成するダンパ32の概略構造図である。 ダンパ32内の選択分離材13の構造を模式的に示す模式図である。
符号の説明
10…車両、13…選択分離材、14a…外部補強材、14b…内部補強材、19…車室、22…ボディ、26…上部隙間、28…下部隙間、30…圧力調整用換気装置、32…ダンパ、32a…ヒンジ、34…バンパ、36…除塵フィルタ、38…筐体、38a…ダンパ受け部、40…ダンパ筐体。

Claims (8)

  1. 車両のドアが閉るときに上昇する車室内の圧力によりダンパが開状態になって車室内の空気を車室外に逃すことにより前記車室内の圧力の上昇を緩和するとともに、前記ドアが閉じた状態では前記ダンパが閉状態になって前記車室を密閉状態にする圧力調整用換気装置であって、
    前記ダンパは、略直方体の中空形状に形成されて、車室外側の面が外気に触れる位置に配置され、
    前記ダンパの一部又は全部が酸素及び二酸化炭素を濃度の高い方から濃度の低い方へ透過させ、炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び微小固体成分を遮断する機能を有し、蛇腹状に折られて形成された選択分離材で構成され、
    前記選択分離材は、
    前記車室外と前記車室内とを隔てるように、前記ダンパの内部に、前記蛇腹状に形成された前記選択分離材の稜線と平行な一端が前記ダンパの前記車室外側面の一辺に密着して接着され、他端は、前記選択分離材の一端が接着された前記車両外側側面の一辺と対角の位置にある辺であって、前記車室内側面の一辺に密着して接着されていることを特徴とする圧力調整用換気装置。
  2. 請求項1に記載の圧力調整用換気装置において、
    前記選択分離材は、前記酸素及び二酸化炭素を透過させるための細孔を有し、
    前記細孔の大きさは、前記微小固体成分を遮断するために、SPM、花粉、ウィルス及び細菌のうち最も小さいものよりも小さく形成されていることを特徴とする圧力調整用換気装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の圧力調整用換気装置において、
    前記選択分離材に密着して配置され、前記選択分離材を補強するための補強材を備えていることを特徴とする圧力調整用換気装置。
  4. 請求項3に記載の圧力調整用換気装置において、
    前記選択分離材は、平板状に形成され、
    前記補強材は、前記平板状に形成された選択分離材の両面に密着配置されて前記選択分離材を補強することを特徴とする圧力調整用換気装置。
  5. 請求項1〜請求項4の何れかに記載の圧力調整用換気装置において、
    前記選択分離材は、気体透過性を有する高分子膜で形成されていることを特徴とする圧力調整用換気装置。
  6. 請求項1〜請求項5の何れかに記載の圧力調整用換気装置において、
    車両内に取り入れられ、前記圧力調整用換気装置のダンパに接触する外気に含まれる粉塵を除去するための除塵手段を備えたことを特徴とする圧力調整用換気装置。
  7. 請求項1〜請求項6の何れかに記載の圧力調整用換気装置において、
    前記ダンパは、
    前記内部の蛇腹状に形成された前記選択分離材、前記車両に取り入れられた外気の流れる方向に対して、蛇腹の稜線が略垂直となるように配置されていることを特徴とする圧力調整用換気装置。
  8. 請求項7に記載の圧力調整用換気装置において、
    前記選択分離材は、蛇腹状に折られた部分の凸部先端が略鉛直下方になるように前記ダンパに取り付けられていることを特徴とする圧力調整用換気装置。
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