JP2008026587A - カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、およびこれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、およびこれを用いた液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】表示パネルへの押圧荷重が与えられた場合も液晶セルの厚さを好適に維持することが可能であって、また容易且つ安価に製造することのできるカラーフィルタおよびその製造方法、ならびにこれを用いた液晶表示装置を提供する。
【解決手段】透明基板12上に、光透過性の色パターン16乃至18を配列してなる着色層13と、光透過性の無色透明層14と、柱状体19を分散配置した柱層22とが設けられたカラーフィルタ10の製造方法であって、前記着色層13および柱層22を作製した後に、無色透明層14を形成することを特徴とするカラーフィルタ10の製造方法;および透明基板12と、該透明基板12の上に立設された複数の柱状体19と、該柱状体19同士の間に設けられた無色透明層14と、光透過性の色パターン16乃至18を配列してなる着色層13と、を少なくとも有するカラーフィルタ10。
【選択図】図2

Description

本発明は、透明基板上に分散配置された柱状体を有するカラーフィルタおよびその製造方法、ならびに該カラーフィルタを用いた液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、薄型軽量、低消費電力という大きな利点を持つため、パーソナルコンピューターや携帯電話、PDA等の表示装置に積極的に用いられている。これらの液晶表示装置では、対面する表示側基板と駆動液晶側基板との間に駆動液晶分子を封入した駆動液晶層(液晶セル)に対し、電極によって電圧を負荷することで駆動液晶分子の向きを変化させ、これにより液晶セルの複屈折性を変えることで光のスイッチングを行っている。
液晶表示装置でカラー表示を行う場合は、例えばR(赤)G(緑)B(青)の三色の色パターンを備えるカラーフィルタを液晶セルに対向して配置し、透過する可視光線を分光することでこれを行うことが一般的である。カラーフィルタはガラスなどの透明基板の上に色パターンを配列して構成されたものであるが、この透明基板の内側(液晶セル側)表面に配向膜を形成することで、液晶セルの駆動液晶分子を配向させる機能をあわせもたせ、すなわちカラーフィルタの透明基板を液晶セルの表示側基板と兼用することができる。これにより液晶表示装置全体の薄型化と部品点数の削減が図られている。
また近年では、透明基板の液晶セル内側(駆動液晶分子が封入される側:以下、インセル側という場合がある。)に、色パターンを配列してなる着色層や上記配向膜のほか、各種の機能層を備えるカラーフィルタが提供されている。例えば下記特許文献1では、透過光の位相差を補償して液晶表示装置の視野角を向上することのできる位相差層を、架橋性液晶や高分子液晶を用いてインセル側に塗工形成する方法が提案されている。
このほか、インセル側に設置された位相差層の耐衝撃性を向上するため位相差層表面に保護層を積層する方法(特許文献2)、特殊な骨格の重合性単量体を配向膜上で配向・硬化させることにより、高い硬度の位相差層を形成する方法(特許文献3)、カラーフィルタのインセル側に設けられた位相差層の上に、軸方向に十分な弾性率をもつ角柱状や円柱状などの柱状体を均一な高さに立設することで、液晶セルの間隔を一定に保つ方法(特許文献4)なども提案されている。
特開2000−221506号公報 特開2004−126534号公報 特開2005−309255号公報 特開2005−003750号公報
近年では、いわゆるタッチパネル式の液晶表示装置が広く普及したことで、その表示パネルにユーザが指で強い押圧力を与えることが頻繁に行われている。上記特許文献4に記載の液晶表示装置においては、液晶セルを押圧する外力が基板に負荷された場合に、柱状体の先端が位相差層の内部に沈み込んでしまうため、液晶セルの厚さが局所的に減少して当該領域を透過する光に与えられる位相差量が低下し、光漏れや色調が変動することが問題となる。かかる沈み込み変形の問題は、カラーフィルタを駆動液晶側基板と組み合わせる作業工程中や、組み上げられた液晶表示装置の試験または搬送中にも発生しうる。
上記の問題は、重合性の液晶分子を重合硬化させてなる位相差層が粘弾性体であって、着色層や透明基板、および柱状体に比べて圧縮弾性率が低く、応力の付与によって容易に変形すること、また所定以上の応力が負荷された場合は永久変形を生じるため負荷応力が除かれた後も柱状体の一部は位相差層に沈み込んだままで当初位置に回復しないことに起因するものである。
なお、上記特許文献2に提案された方法は位相差層を他の層によって保護するという技術思想に基づくものであるが、かかる方式を用いたとしても、液晶セルを押圧する外力が負荷された場合には、柱状体から保護膜を介して位相差層にその負荷が伝達されることには変わりがないため、当該柱状体の周辺にはやはり位相差層の沈み込み変形が生じる。また当該方法では位相差層を保護するための保護膜を成膜するため必然的に製造工程が増加し、歩留まりが低下するとともに製造コストの上昇をもたらすという問題が有る。
また、上記特許文献3に提案された方法によれば位相差層自体の剛性を高めることができるため外力負荷時の沈み込み変形をある程度抑えることはできるものの、剛性の向上幅には限界があり、また特殊な分子骨格構造を備えた重合性単量体を材料として用いることを要する方法であるためその材料の合成が複雑であり、やはり製造コストの上昇が問題となる。
なお、液晶表示装置の表示パネルに対する面直方向の外力の負荷により、駆動液晶分子のスペーサとして設けられた柱状体が沈み込んで液晶セルの厚さを局所的にまたは全体に減少させ、透過光に位相差ズレが生じるという上記の問題は、カラーフィルタのインセル側に設けられる積層が位相差層である場合にのみ生じるものではなく、例えば液晶駆動用電極との間に電場を形成する透明導電膜や、着色層の保護層、帯電した電荷を除去する導電性の層、その他の無色透明な機能層の全般について同様に発生しうる。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、すなわち表示パネルへの押圧荷重が与えられた場合も液晶セルの厚さを好適に維持することが可能であって、また容易且つ安価に製造することのできるカラーフィルタおよびその製造方法、ならびにこれを用いた液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、液晶セルの厚さを保持するスペーサである柱状体について、圧縮弾性率の低い粘弾性体である位相差層などの無色透明層の上ではなく、比較的高弾性である着色層や遮光性のブラックマトリクスの上に、または高弾性の透明基板上に直接これを立設することにより、柱状体を流れる押圧荷重が無色透明層に伝達されることを排除するという技術に基づく。
すなわち本発明にかかるカラーフィルタの製造方法は、
(1)透明基板上に、光透過性の色パターンを配列してなる着色層と、光透過性の無色透明層と、柱状体を分散配置した柱層とが設けられたカラーフィルタの製造方法であって、前記着色層および柱層を作製した後に、無色透明層を形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法;
(2)透明基板上に遮光性材料を塗工して遮光部と透過部とを区画するためのブラックマトリクスを形成する第一工程と、前記ブラックマトリクスにより区画された領域に着色材料を塗工して着色層を形成する第二工程と、前記ブラックマトリクスまたは着色層の上に複数の柱状体を立設して柱層を形成する第三工程と、前記柱層の上に導電性のインキ組成物を塗工して導電層を形成する第四工程と、を少なくとも有するカラーフィルタの製造方法;
(3)透明基板上に遮光性材料を塗工して遮光部と透過部とを区画するためのブラックマトリクスを形成する第一工程と、前記ブラックマトリクスにより区画された領域に着色材料を塗工して着色層を形成する第二工程と、前記ブラックマトリクスまたは着色層の上に複数の柱状体を立設して柱層を形成する第三工程と、前記柱層の上に架橋性液晶分子を含有するインキ組成物を塗布し、これを液晶相温度に加熱して前記架橋性液晶分子を配向させる第四工程と、前記配向した架橋性液晶分子を光重合させて位相差層を形成する第五工程と、を少なくとも有するカラーフィルタの製造方法;
を要旨とする。
また本発明にかかるカラーフィルタおよびこれを用いた液晶表示装置は、
(4)透明基板と、該透明基板の上に立設された複数の柱状体と、該柱状体同士の間に設けられた無色透明層と、光透過性の色パターンを配列してなる着色層と、を少なくとも有するカラーフィルタ;
(5)透明基板と柱状体との間に前記着色層が設けられている上記(4)に記載のカラーフィルタ;
(6)無色透明層のユニバーサル硬度(UHC)が、着色層のユニバーサル硬度(UHCF)よりも小さい上記(4)または(5)に記載のカラーフィルタ;
(7)無色透明層の厚さ(TC)とユニバーサル硬度(UHC)との比(TC/UHC)が、着色層の厚さ(TCF)とユニバーサル硬度(UHCF)との比(TCF/UHCF)よりも大きい上記(4)から(6)のいずれかに記載のカラーフィルタ;
(8)透明基板と柱状体との間には、遮光部と開口部とを区画する遮光性のブラックマトリクスが設けられている上記(4)から(7)のいずれかに記載のカラーフィルタ;
(9)無色透明層の厚さ(TC)とユニバーサル硬度(UHC)との比(TC/UHC)が、ブラックマトリクスの厚さ(TBM)とユニバーサル硬度(UHBM)との比(TBM/UHBM)よりも大きい上記(8)に記載のカラーフィルタ;
(10)前記柱状体が細幅の基端部を備え、該基端部が、着色層を貫通してブラックマトリクスと当接している上記(8)または(9)に記載のカラーフィルタ;
(11)無色透明層が、導電性を有する導電層である上記(4)から(10)のいずれかに記載のカラーフィルタ;
(12)無色透明層が、架橋性液晶分子を架橋重合してなる位相差層である上記(4)から(10)のいずれかに記載のカラーフィルタ;
(13)架橋性液晶分子がホメオトロピック配向している上記(12)に記載のカラーフィルタ;
(14)上記(4)〜(13)のいずれかに記載のカラーフィルタの備える柱状体の先端を、液晶駆動用電極を備える駆動液晶側基板と当接させ、前記透明基板と駆動液晶側基板との間に駆動液晶分子を封入してなる液晶表示装置;
を要旨とする。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、透明基板上に直接柱状体を形成するか、または透明基板上に製膜した着色層上に柱状体を形成し、その後無色透明層を柱状体同士の間に塗工形成するものである。すなわち柱状体は無色透明層上に立設されておらず、換言すると無色透明層は柱状体の端面ではなく側面にのみ接触することとなるため、カラーフィルタや液晶表示装置に面直方向の押圧荷重が加えられた場合も、柱状体を介して一方の基板から他方の基板に至る荷重伝達経路(ロードパス)から無色透明層が除外される。
かかる構成としたことにより本発明のカラーフィルタには以下の二つの作用および効果が得られる。
第一には、押圧荷重のロードパスから位相差層などの無色透明層を排除したことで、圧縮変形する積層数を削減することができる。これにより柱状体の沈み込み変形の総量が必然的に減少し、液晶セル厚さの変動幅が抑えられる。
第二には、ロードパスから排除する層として、粘弾性体である位相差層など、圧縮弾性率の低い無色透明層を選択したことにより、柱状体の沈み込み量が特に抑えられ、また永久変形の発生を抑制することができる。すなわち無色透明層に押圧荷重が付与されないことで、そもそも変形量の無視しうる高弾性の透明基板や柱状体のほか、高々着色層やブラックマトリクスなどの比較的圧縮弾性率の高い層のみが圧縮を受けることとなる。このため、柱状体同士の間に設けられる位相差層や導電層などの無色透明層自体の光学的または電気的な機能を享受しつつ、外力負荷時にあってもカラーフィルタや液晶表示装置の光学性能を維持することができる。
なお本発明によればカラーフィルタの積層数は従来と不変であってその塗工順を換えるのみであることから、従来の方法と同等の工程数でカラーフィルタを作製することができる。また柱状体が着色層や透明基板などの上に直接積層しているため、無色透明層の機械強度に依存することがなく、したがって無色透明層の材料には特段の改良を必要とせず、安価な材料を用いることができる。しかも、本発明によれば無色透明層の機械的な損傷や劣化が生じないため、かかる液晶表示装置は長期間に亘って、安定性に優れた光学特性を発揮することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて具体的に説明する。但し後述のように本発明のカラーフィルタについては、ブラックマトリクスの有無、色パターンの数もしくは柱状体の形成位置、またはこれらの形状などについてはいずれも任意である。
図1は本発明の第一の実施の形態にかかるカラーフィルタの平面図である。また同図に矢印(II−II)にて示す縦断面の一部を図2に模式的に示す。なお、図1に示す平面図では説明の都合上、無色透明層14は図示を省略している。
カラーフィルタ10は、透明基板12の一方の表面に遮光性のブラックマトリクス15が縦横に格子状に塗工され、これによりブラックマトリクス15の非形成領域が開口部20として格子点状に多数形成される。つまりブラックマトリクス15の形成領域が遮光部に相当し、開口部20が透過部に相当する。
また透明基板12の上には、開口部20を覆うように三色の色パターン16,17,18が短冊状に配列されて着色層13が形成されている。色パターン16乃至18は光透過性であり、透過する可視光を分光してそれぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に色付けする。したがって図1に二点鎖線で示すように、RGBの三色の色パターンによってそれぞれ被覆された三つの開口部20があわさって、一つの画素21が形成される。
ブラックマトリクス15は、短冊状に塗工される色パターンの混色を防止するとともに、画素21の輪郭を鮮明化し、また液晶セルの駆動回路や液晶駆動用電極(同図には図示せず)などを透過光から隠蔽する機能をもつ。
ただし本発明においては、カラーフィルタ10の用途や光学的な仕様によってはブラックマトリクス15を不要とする場合もあり、また用いる場合も矩形格子状のほか、ストライプ状や三角格子状などに形成する場合もある。
また着色層13を構成する色パターンについても、RGB方式の三色の場合のほか、その補色系であるCMY方式とすることも可能であり、さらに単色もしくは二色の場合、または四色以上の場合なども採りうる。また色パターンの形状も短冊状のほか、透明基板12上に全面塗工する場合や、矩形状や三角形状などの微細パターンを透明基板12上に多数分散配置する場合など、目的に応じて種々を採りうる。
ブラックマトリクス15の上には円柱状の柱状体19が分散配置されて柱層22が形成されている。本実施の形態にかかるカラーフィルタ10においては、隣接する色パターン16乃至18の境界位置に柱状体19が立設されている。柱状体19の基端部19a(図2における下方側)は細幅に形成され、その端面はブラックマトリクス15と当接している。すなわち柱状体19は円柱状の太径部19bと、細幅の基端部19aとが段差部19cにて一体化された形状を為し、基端部19aは着色層13を貫通してブラックマトリクス15に至り、段差部19cは着色層13の上面に当接している。
着色層13の上には、無色透明層14が塗工形成されている。柱状体19の先端部(図2における上方側)は無色透明層14を貫通して上方のインセル側に伸びており、かかる突出長さが駆動液晶分子の封入厚さ(セルギャップ)となる。すなわち無色透明層14は柱状体19に対してその太径部19bの側面と接触し、基端部19aや段差部19cとは接触していない。
かかる構成とすることにより、図2に矢印にて示すようにカラーフィルタ10の表面側(アウトセル側)から押圧力Fが負荷された場合には、透明基板12からブラックマトリクス15や着色層13を介して柱状体19に該押圧力が伝達されるため、無色透明層14を圧縮変形させることがない。これにより押圧力Fによる柱状体19の基端部19aの沈み込み量が抑制され、以って液晶セルの変形量が低減されるため、透過光の位相差量が変動するという従来の課題が解決されるとともに無色透明層14の機能をそのまま享受することができる。また特に無色透明層14が低弾性率の粘弾性体の場合など、押圧力Fによって容易に永久変形を生じる虞がある場合は、該押圧力のロードパスから無色透明層14を外したことによりその損傷が無くなり、カラーフィルタ10全体としての機械的強度を向上することができる。
図3は本実施の形態にかかるカラーフィルタ10の分解斜視図である。同図を用いてカラーフィルタ10の製造方法について説明する。図示のカラーフィルタ10は、図1に示す画素21の一つ分に相当するものである。なお本実施の形態で例示するカラーフィルタ10については、透明基板12上に矩形格子状のブラックマトリクス15を備えるものとする。
(第一の工程)
本発明にかかるカラーフィルタ10の製造方法の第一の工程では、透明基板12の上に矩形格子状に遮光性のブラックマトリクス15を形成する。
透明基板12として、具体的には、ガラス、シリコン、もしくは石英等といった無機物質に基づく基材の他、有機物質に基づく基材(有機基材)を用いることができる。有機基材としては例えば、ポリメチルメタクリレート等のアクリル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、もしくはシンジオタクティック・ポリスチレン等、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂、もしくはポリエーテルニトリル等、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリシクロヘキセン、もしくはポリノルボルネン系樹脂等、または、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリサルホン、ポリプロピレン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、もしくは熱可塑性ポリイミド等からなるものを挙げることができるが、一般的なプラスチックからなるものも使用可能である。透明基板12の厚さについても、用途に応じて、例えば5μm〜3mm程度のものが使用される。
この中で特に、高弾性であって押圧力に対する弾性変形量が小さく、また熱膨脹率が小さくて寸法安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、さらにアルカリ成分を含まない無アルカリガラスがアクティブマトリックス方式によるカラー液晶表示装置用のカラーフィルタに適している。本発明に用いる透明基板12としては、300[mN/mm2]以上のユニバーサル硬度を有していることが好ましい。
なお、本発明でいうユニバーサル硬度とは、ビッカース圧子を装着した(株)フィッシャー・インスツルメンツ製フィッシャースコープH−100を用いて、室温で厚み方向に0.3mN/秒の割合で3mNまで荷重をかけて測定した時の値を意味する。
ブラックマトリクス15の形成方法としては、スパッタリング法や真空蒸着法等によりクロム等の金属薄膜を透明基板12上に形成し、この薄膜をパターニングする方法;カーボン微粒子等の遮光性粒子を含有させたポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂層を透明基板12上に形成し、この樹脂層をパターニングする方法;カーボン微粒子、金属酸化物等の遮光性粒子を含有させた感光性樹脂層を透明基板12上に形成し、この感光性樹脂層をパターニングする方法;等いずれであってもよい。
金属薄膜による場合、圧縮弾性率が高く、またその厚さも1000〜2000Å程度と極めて薄いため、外部からの押圧力による圧縮変形量はその他の層の変形量に比べて無視することができる。
一方、遮光性の樹脂材料による場合、ユニバーサル硬度は400〜800[mN/mm2]程度、厚さは0.5〜2.0[μm]程度とするとよい。樹脂材料の単位厚さあたりの遮光性能と塗布作業性によりブラックマトリクス15の厚さは決定されるが、上記範囲程度の厚さとすることにより、押圧力による柱状体19の沈み込み変形を好適に抑制できる。また上記硬度は樹脂材料の種別や重合度を調整することで実現される。
なお本発明においては、カラーフィルタ10の目的に応じてブラックマトリクス15を不要とする場合、上記第一の工程は当然不要となる。
(第二の工程)
第二の工程では、ブラックマトリクス15によって区画形成された透明基板12上に色パターンを形成する。例えば図示のようにRGBの三色カラーフィルタを得る場合は、赤色パターン形成領域に赤色パターン16、緑色パターン形成領域に緑色パターン17、青色パターン形成領域に青色パターン18を、同時または任意の順番で形成し、着色層13を作製する。
各色の色パターンの具体的な形成方法としては、一例として、顔料を着色剤として分散させた着色材料を、フォトリソグラフィー法やインクジェット法等を用いて所定形状の膜状に塗布する、いわゆる顔料分散法を用いることができる。フォトリソグラフィー法による場合、まずブラックマトリクス15を覆うように透明基板12上の全面に第一色(ここでは例として赤色を選択する。)の着色剤を含有した赤色感光性樹脂層を塗工形成し、赤色パターン形成領域が開口したフォトマスクを介して上記の赤色感光性樹脂層を活性放射線により露光して現像を行うことにより、上記赤色パターン形成領域に赤色パターン16を形成することができる。以下、同様に、第二色(例として緑色を選択する。)の感光性樹脂層を透明基板12上に形成して緑色パターン形成領域に緑色パターン17を形成し、さらに、第三色(例として青色を選択する。)の感光性樹脂層を透明基板12上に形成しての青色パターン形成領域に青色パターン18を形成する。
本実施の形態のカラーフィルタ10の場合、所定幅の遮光性のラインを縦横に配置したブラックマトリクス15により開口部20が矩形格子点状に分散形成された透明基板12上に、ストライプ状の色パターン16乃至18が、それぞれ幅方向の両端がブラックマトリクス15の表面にかかる幅で、長手方向には透明基板12の一端から他端まで複数の開口部20にまたがる長さで塗工されている(図2参照)。なお隣り合う色パターンが互いに接触して混色することのないよう、ブラックマトリクス15の幅方向の中央部には色パターン16乃至18の非塗工領域が残されている。このほか、樹脂系のブラックマトリクス15の表面をフッ素ガス雰囲気下でプラズマ処理するなどして少なくとも表面を疎水性にすることで、着色材料を弾き、ブラックマトリクス15の非形成領域である開口部20の上にのみ色パターン16乃至18を分散させてもよい。
また、着色層13の形成方法としては顔料分散法の他に、例えば、
(a)透明基板12上に染色用の材料である水溶性高分子材料を塗布し、これをフォトリソグラフィー法により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る染色法;
(b)熱硬化型の樹脂に顔料を分散させ、印刷(または熱転写)を繰り返すことにより各色を塗り分けた後、樹脂を熱硬化させることにより着色層13を形成する印刷法(熱転写法);
(c)透明基板12上に予め透明導電膜を形成し、顔料、樹脂、電解液等の入った電着塗装液に浸漬して所定の色を電着して各色の着色パターン層を形成し、樹脂を熱硬化させる電着法;を用いることもできる。
着色層13の厚さは、混合する着色剤の濃度に応じて決定されるが、本実施の形態にかかるカラーフィルタ10においては、外部から押圧力が負荷された際に、着色層13は柱状体19の段差部19c(図2参照)との当接部に圧縮応力を受けて変形するため、1.0〜3.0[μm]程度の薄さとすることが柱状体19の沈み込み変形量を低減する観点から好適である。
また着色層13のユニバーサル硬度を300〜600[mN/mm2]程度とすることが、上記と同様の観点から好適である。上記硬度は、例えばフォトリソグラフィー法による場合、感光性樹脂材料の種別、照射する活性放射線の強度や露光時間、および露光後の色パターンに対する焼成の有無またはその条件、をそれぞれ変化させることで調整可能である。
(第三の工程)
第三の工程では、着色層13が形成された透明基板12上に所定のパターンで柱状体19が分散配置された柱層22が形成される。柱状体19は、透過光に位相差を与える液晶セルの機能を損なうことのないよう、ブラックマトリクス15の開口部20を避けて遮光部に立設されるとよい。本実施の形態のカラーフィルタ10の場合、柱状体19はブラックマトリクス15の上であって、かつ色パターン16乃至18の境界位置に設けられている。
柱状体19の形成方法は特に限定されるものではないが、位置精度と作製コストのメリットから、フォトリソグラフィー法が好適に用いられる。具体的には、多官能アクリレートを含有するアクリル系、アミド系またはエステル系等のポリマー材料からなり光硬化可能な感光性塗料を着色層13上に塗布してこれをまず予備乾燥させ、柱状体19の形成を予定する位置(スペーサ形成予定位置)に対応した開口パターンをもつフォトマスクを介して露光した後、現像してスペーサ形成予定位置以外の感光性塗料を取り除き、さらに残された感光性塗料を焼成することにより、多数の柱状体19が分散形成された柱層22を得ることができる。
柱状体19の形状は、円柱状や角柱状などを任意に採ることができる。またその本数および断面積は、駆動液晶分子の配向性やスイッチング駆動時の動作を妨げない範囲で、液晶セルに所望の圧縮強度が得られるよう適宜選択できるが、具体的には断面積が25〜2500[μm2]であることが好ましい。また柱状体19のユニバーサル硬度は400〜800[mN/mm2]程度とするとよい。かかる範囲とすることでブラックマトリクス15のライン幅内に柱状体19を隠蔽しつつ、柱状体19自身の圧縮または座屈変形による液晶セルの圧縮変形を抑制することができる。
短冊状の色パターン16乃至18の境界領域に柱状体19を設ける本実施の形態の場合、上記感光性塗料は、階段状に形成された色パターン非形成領域に流れ込んでブラックマトリクス15の表面に至り、フォトリソグラフィーにより硬化して細幅の基端部19aが形成される(図2参照)。
柱層22の厚さは、封入される駆動液晶分子の厚さに対応して決定され、一般的に0.5〜10.0μm、特に3.5〜5.0μm程度である。なお柱層22は、上記方法以外にも印刷法や転写法等を用いて作製することもできる。
図4は、本発明の第二の実施の形態にかかるカラーフィルタ10の平面図である。第一の実施の形態とは、柱状体19の立設位置のみが相違する。本実施形態においては、ブラックマトリクス15の非開口部(遮光部)上方であって、色パターン16乃至18の幅方向の中央部の上に柱状体19が配置されている。
かかる場合、柱状体19の基端部19aは色パターン16乃至18の表面とのみ当接し、ブラックマトリクス15とは直接接触しない。したがってこの場合、透明基板12のアウトセル側から負荷される外力F(図2参照)は、ブラックマトリクス15および着色層13を介して柱状体19に伝達され、駆動液晶側基板へと流される。
したがって本実施の形態にかかるカラーフィルタ10についても、外力Fのロードパスから無色透明層14が除外されており、押圧荷重の負荷による柱状体19の沈み込み変形が抑制される。
なお本発明の他の実施形態として、上記第二の工程と第三の工程とを逆順に行うことも可能である。すなわち必要に応じてブラックマトリクス15を塗工形成した透明基板12の上に、まず柱状体19を分散配置して柱層22を形成し、その上から着色層13を形成してもよい。
このとき、柱状体19の周面に、例えばフッ素ガス雰囲気下でプラズマ処理を施すなどして疎水化処理を行っておくことで、柱層22の上から塗布される着色材料が柱状体19の周面に付着してテーパー状のフィレットを形成することがなく、すなわち開口部20における着色層13の色濃度が局所的に変動することを防止可能である。
またかかる方式による場合も、透明基板12のアウトセル側から負荷される外力F(図2参照)は透明基板12から、場合によりブラックマトリクス15を経由して、柱状体19へと伝達される。したがって外力による着色層13の押圧変形までもが排除され、本発明による液晶セル厚さの維持効果がさらに好適に享受される。
柱状体19が予め立設された透明基板12に着色層13を形成するにあたっては、上記顔料分散法や印刷法、電着法などを用いることが可能である。
(第四の工程)
上記第一および第二の実施の形態にかかるカラーフィルタ10の製造方法の第四の工程では、着色層13および柱層22が予め形成された透明基板12上に無色透明層14が形成される。
本発明において無色透明層14としては、
(i)透過光に所定の位相差を与える位相差層;
(ii)着色層13の表面を平滑に被覆するとともに、帯電した静電荷を液晶セル内から除去する導電性のオーバーコート層;
(iii)液晶駆動用電極との間に電場を形成して駆動液晶分子をスイッチング駆動させる透明導電膜;
などの光学的または電気的な機能層を意味し、駆動液晶分子を配向させるための配向膜を除く趣旨である。なお、上記(ii)と(iii)とをあわせて導電層という。
無色透明層14は、例えば、着色層13および柱層22が所定のパターンに設置された透明基板12を覆うように無色透明なインキ組成物(以下、無色透明層組成物という場合がある。)を塗布し、必要に応じて露光、現像を行うことで形成することができる。上記(i)乃至(iii)の各層の特徴および形成方法については後述する。
着色層13の表面に無色透明層組成物を塗布するにあたっては、例えばグラビア印刷法、オフセット印刷法、凸版印刷法、スクリーン印刷法、静電印刷法、無版印刷法などの各種印刷方法や、グラビアコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、バーコート法、ディップコート法、キスコート法、スプレーコート法、ダイコート法、コンマコート法、インクジェット法、スピンコート法、スリットコート法などの塗工方法、さらにはこれらを組合せた方法を適宜用いることができる。
この無色透明層14の形成にあたり、予め着色層13の表面に対して、UV(紫外線)を照射する処理(UV洗浄処理)や、コロナ放電を作用させる処理(コロナ処理)などを施すことにより、着色層13の濡れ性が向上し、着色層13と無色透明層14との接触をより緊密にすることができて好ましい。
なお本発明にかかるカラーフィルタ10においては、外部からの押圧荷重が無色透明層14には負荷されないため、その厚さや圧縮弾性率については特に限定されるものではなく、位相差層については所望の位相差量が得られ、オーバーコート層については着色層13の十分な保護効果が得られるものであればよい。
<i 位相差層について>
無色透明層14として位相差層を得るためのインキ組成物には、架橋性を有するネマチック液晶分子(架橋性ネマチック液晶分子)などからなる位相差層用液晶組成物を用いることができる。架橋性ネマチック液晶としては例えば、1分子中に(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキタセン基、イソシアネート基等の重合性基を少なくとも1個有するモノマー、オリゴマー、ポリマー等が挙げられる。このような架橋性液晶としては、下記一般式(1)で表される化合物(I)のうちの1種の化合物もしくは2種以上の混合物、化2、化3に示す化合物(II)のうちの1種の化合物もしくは2種以上の混合物、またはこれらを組み合わせた混合物を用いることができる。特に、本発明における架橋性液晶分子を構成する架橋性ネマチック液晶分子の少なくとも1種が1分子中に1個または2個以上の(メタ)アクリロイル基を有することが好ましい。
Figure 2008026587
Figure 2008026587
Figure 2008026587
上記一般式(1)において、R1およびR2はそれぞれ水素またはメチル基を示すが、液晶相を示す温度範囲の広さからR1またはR2の少なくとも一方が水素であることが好ましく、R1およびR2がともに水素であることがより好ましい。Xは水素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、シアノ基またはニトロ基のいずれであってもよいが、塩素またはメチル基であることが好ましい。また、化合物(I)の分子鎖両端の(メタ)アクリロイロキシ基と芳香環との間のスペーサーであるアルキレン基の鎖長を示すaおよびbは、それぞれ個別に2〜12の範囲で任意の整数をとり得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。a=b=0である一般式(1)の化合物は安定性に乏しく、加水分解を受けやすい上に、化合物自体の結晶性が高い。また、aおよびbがそれぞれ13以上である一般式(1)の化合物は、等方相転移温度(TI)が低い。この理由から、これらの化合物はどちらも液晶性を示す温度範囲が狭くなり好ましくない。
液晶組成物に配合される架橋性液晶分子として、上記した化1、化2、化3では重合性を備える液晶(重合性液晶)のモノマーを例示したが、重合性液晶のオリゴマーや重合性液晶のポリマー等を用いてもよく、これらについても、上記した化1、化2、化3などのオリゴマーやポリマーなどといった公知なものを適宜選択して用いることができる。
位相差層の特性を示すリタデーション量及び配向特性は、架橋性液晶分子の複屈折Δnと、位相差層の膜厚により決定される。
位相差層の代表的なものとして、
(イ)架橋性液晶分子を垂直配向(ホメオトロピック配向)させて固定化することにより、液晶分子の光軸が位相差層の法線方向を向くとともに常光線屈折率よりも大きな異常光線屈折率を位相差層の法線方向に有する、いわゆる正のCプレート;
(ロ)液晶分子の光軸が位相差層と並行するとともに常光線屈折率よりも小さな異常光線屈折率を位相差層の法線方向に有する、いわゆる負のCプレート;
(ハ)液晶分子の光軸が位相差層と並行するとともに、常光線屈折率よりも大きな異常光線屈折率を位相差層の面内方向に有する、いわゆる正のAプレート;
(ニ)液晶分子の光軸と位相差層とのなすチルト角が面直方向に徐々に変化するハイブリッド配向した液晶分子からなり、正のCプレートと正のAプレートの機能とをあわせ持つ位相差層;
が挙げられる。
一般に位相差層のリタデーション量および配向特性は、架橋性液晶分子の複屈折Δnと、位相差層の膜厚により決定されるところ、架橋性液晶分子のΔnは0.03〜0.20程度が好ましく、0.05〜0.15程度が更に好ましい。かかる複屈折率を達成することで、一般的な塗布装置によって得られる塗工厚さにより、波長λの可視光を透過させた場合にλ/4やλ/2などの所望の位相差を得ることのできる位相差層が形成される。
位相差層用液晶組成物を用いて正のCプレートを作成する場合には、該組成物を公知の垂直配向膜で挟み込んで垂直配向させるか、または架橋性液晶分子の配向状態をより安定、確実なものにするため、該組成物に垂直配向助剤を配合してもよい。垂直配向助剤としては、垂直に整列したアルキル鎖またはフルオロカーボン鎖を有する表面カップリング剤、例えばレシチンまたは第四級アンモニウム界面活性剤、例えばHTAB(ヘキサデシル−トリメチルアンモニウムブロミド)、DMOAP(N,N−ジメチル−N−オクタデシル−3−アミノプロピルトリメトキシシリルクロリド)またはN−パーフルオロオクチルスルホニル−3−アミノプロピルトリメチルアンモニウムヨージド、シランポリマー、長鎖アルキルアルコールなどを具体的に挙げることができる。
いわゆる正のAプレートを形成する場合、ラビング処理などを施した水平配向膜による配向規制力を架橋性液晶分子に負荷するか、または空気界面に対する架橋性液晶分子の表面自由エネルギーを抑制するためのレベリング剤を位相差層用液晶組成物に添加することで該分子を水平配向させることができる。
またいわゆる負のCプレートを作成する場合には、上記正のAプレートと同様に架橋性液晶分子を水平配向させた上に、公知のカイラル剤を添加するとよい。尚、本発明で用いるカイラル剤は、特に架橋性を有することを必須とするものではないが、得られる位相差層の熱安定性等を考慮すると、位相差層用液晶組成物に含まれる架橋性液晶分子と重合し、架橋性液晶分子にコレステリック規則性を付与した状態を固定化することが可能な架橋性能を有するカイラル剤を用いることが好ましい。そのようなカイラル剤としては、特に、その分子構造の両末端に架橋性官能基が存在するものが、位相差層の耐熱性を向上させる上でより好ましい。
位相差層用液晶組成物には、紫外線のエネルギーによりフリーラジカルを発生するラジカル重合開始剤や光重合開始剤などの重合開始剤を配合するとよい。ラジカル重合性開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導体又はそれらのエステルなどの誘導体;キサントン並びにチオキサントン誘導体;クロロスルフォニル、クロロメチル多核芳香族化合物、クロロメチル複素環式化合物、クロロメチルベンゾフェノン類などの含ハロゲン化合物;トリアジン類;フルオレノン類;ハロアルカン類;光還元性色素と還元剤とのレドックスカップル類;有機硫黄化合物;過酸化物等が挙げられる。また、光重合開始剤としては、ケトン系、ビイミダゾール系化合物等が好ましい。これらは市販されている。
尚、無色透明層組成物には、重合禁止剤も添加されることがあるが、これにより無色透明層組成物の保存安定性をより向上させることができる。また、無色透明層組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で光重合開始剤の他に、増感剤、界面活性剤なども適宜添加することができる。
着色層13および柱層22の上に位相差層用液晶組成物を塗布して液晶塗布膜を形成した後、これに含まれる架橋性液晶分子に予め定められた配向性を付与して架橋性液晶分子を架橋重合させることで、無色透明層14としての位相差層を得ることができる。架橋性液晶分子を配向させるにあたっては、赤外線照射などの手段によって液晶塗布膜を加熱し、含まれる架橋性液晶が液晶相となる温度(液晶相温度)以上、等方相(液体相)となる温度未満にすることで実現される。
さらに、配向性が付与された液晶塗布膜に活性放射線を照射することで、上記重合開始剤の作用によって架橋性液晶分子同士が架橋重合し、位相差層が形成される。本発明によれば位相差層に高い機械強度は不要であるが、必要に応じて更に焼成工程を加えることで架橋重合度が向上し、位相差層の経年劣化や、液晶セル内の高温に対する耐熱性を高めることができる。
位相差層の厚さは、上記(イ)から(ニ)に記載の配向性の相違や、所要のリタデーション量によって変動するが、0.5〜3.0μm程度とすることが一般的である。またそのユニバーサル硬度は、焼成工程の有無や加熱条件、または硬化用の添加剤の配合量などによって変動するが、通常は100〜300[mN/mm2]程度である。
<ii オーバーコート層について>
無色透明層14として導電性のオーバーコート層を得るためのインキ組成物(オーバーコート層組成物という)には、公知のネガ型の光硬化性透明樹脂組成物および/または熱硬化性透明樹脂組成物などの樹脂組成物を用いることができる。
具体的には、ネガ型の光硬化性透明樹脂組成物としては、少なくとも1個以上の不飽和結合基を有し、光重合開始剤に硬化エネルギー線を照射することにより発生するイオンまたはラジカルによりイオン重合、ラジカル重合を行い分子量の増加や架橋構造の形成を行うモノマーやオリゴマーの単体或いは混合物とポリマー及び光重合開始剤との組合せなどが用いられる。
このようなモノマー、オリゴマーとしては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、シリコンアクリレートなどのアクリル型、および不飽和ポリエステル/スチレン系、ポリエン/スチレン系などの非アクリル系が挙げられるが、中でも、硬化速度、物性選択の幅の広さからアクリル系のモノマー、オリゴマーが好ましい。
オーバーコート層組成物には、金属塩の微粒子を添加することで導電性を付与し、液晶セル内で帯電した静電荷を除去する機能を持たせるとよい。またオーバーコート層の機械強度や耐熱性を改善する目的で、必要に応じて各種微粒子を添加することができる。
これらの微粒子としては、具体的には、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモンもしくは窒化ホウ素等の金属塩、カオリン、クレー、タルク、亜鉛華、鉛白、ジークライト、石英、ケイソウ土、バーライト、ベントナイト、雲母もしくは合成雲母等の無機微粒子、またはフッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、スチレン−アクリル共重合体樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、エポキシ樹脂粒子、ポリチオフェン粒子、ポリアセチレン粒子、ポリピロール粒子もしくはポリフェニレンビニレン粒子等の有機微粒子等が挙げられる。
またオーバーコート層組成物には、位相差層組成物と同様、重合開始剤を配合するとよい。
オーバーコート層の厚さは、塗工性や所要の導電性によって変動するが、0.5〜2.0μm程度とすることが一般的である。またそのユニバーサル硬度は、上記添加される微粒子の種別や添加量によって変動するが、通常は300〜700[mN/mm2]程度である。
上記位相差層組成物またはオーバーコート層組成物の各成分を溶媒に混合して溶解または懸濁させることにより、無色透明層組成物を得ることができる。溶媒としては、炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類、アミド系溶媒、ハロゲン系溶媒、アルコール類またはフェノール類等の1種または2種以上が使用可能である。本発明においては柱層22の上から無色透明層組成物を塗工してこれを硬化させることにより無色透明層14を得ることから、単一種の溶媒を使用しただけでは柱状体19の素材が侵される虞がある場合には、2種以上の溶媒を混合使用することによりこれを回避することができる。
上記した溶媒のなかにあって、かかる観点から単独溶媒として好ましいものは、炭化水素系溶媒とグリコールモノエーテルアセテート系溶媒であり、混合溶媒として好ましいものは、エーテル類又はケトン類と、グリコール類とを混合した混合系溶媒である。
<iii 透明導電膜について>
無色透明層14の一例である透明導電膜の材料として代表的なものはインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)であるが、このほか、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウムや酸化ガリウムを添加した酸化亜鉛、酸化アンチモンやフッ素をドープした酸化スズなどをいずれも適用可能である。
透明導電膜の具体的な形成方法としては、スパッタリング法、金属を蒸発源として酸素雰囲気中で反応性蒸着を行う活性化反応蒸着法、高密度プラズマアシスト蒸着を含む真空蒸着法、金属アルコキシドの加水分解と重縮合反応を利用するゾル−ゲル法、金属または酸化物原料からの蒸着中に酸素クラスターイオンビームを基板に同時照射するクラスタービーム蒸着法、レーザー光でターゲット表面を叩き出して対向する基板上に膜を形成するPLD法などをいずれも採りうる。
透明導電膜の厚さは上記形成方法によって変動するが、1000〜2000Å程度とすることが一般的である。かかる薄さゆえ押圧荷重が負荷された場合の圧縮変形量は小さいものの、押圧荷重のロードパスからこれを排除することで柱状体19の沈み込み変形量を減少させるという本発明の効果は享受される。
<その他の層について>
本発明にかかるカラーフィルタ10については、上記ブラックマトリクス15、着色層13、柱層22および無色透明層14以外の層を備えることを排除するものではない。例えば無色透明層14として位相差層を形成する場合の下地層として、着色層13の上面に配向膜や平滑層を形成したり、透明基板12とブラックマトリクス15の間またはブラックマトリクス15と着色層13との間に保護層や平滑層などを形成したりしてもよい。
上記他の層を形成した場合も、外部より負荷される押圧荷重のロードパスから低弾性率の無色透明層14を排除することにより柱状体19の沈み込みを低減するという本発明の効果を変わらず享受することができる。
また本発明の効果は、上記位相差層や導電層などの無色透明層14のユニバーサル硬度(UHC)が、着色層13やブラックマトリクス15のユニバーサル硬度(UHCF,UHBM)よりも小さい場合に特に有効に享受される。ユニバーサル硬度の低い無色透明層14の場合、仮に従来のカラーフィルタの如くその上に柱状体19が立設された場合は、外部からの押圧荷重によって柱状体19の基端部19aの沈み込み変形が容易に生じるためである。
また柱状体19の基端部19aの沈み込み変形量の大小は、これと当接する層の厚さとも正の相関がある。ユニバーサル硬度が同等の場合、層厚が増すことにより圧縮変形量も増加するためである。したがって上記本発明の効果は、無色透明層の厚さ(TC)とユニバーサル硬度(UHC)との比(TC/UHC)が、ブラックマトリクス15の厚さ(TBM)とユニバーサル硬度(UHBM)との比(TBM/UHBM)や、着色層13の厚さ(TCF)とユニバーサル硬度(UHCF)との比(TCF/UHCF)よりも大きい場合に特に有効に享受される。例えばブラックマトリクス15の代表的な層厚(TBM)を1.0μm、ユニバーサル硬度(UHBM)を500[mN/mm2]、着色層13の代表的な層厚(TCF)を2.0μm、ユニバーサル硬度(UHCF)を500[mN/mm2]とすると、それぞれの比は2.0×10-6[mm3/mN]、4.0×10-6[mm3/mN]となる。一方、位相差層の代表的な層厚(TC)を1.5μm、ユニバーサル硬度(UHC)を250[mN/mm2]とすると、その比は6.0×10-6[mm3/mN]となる。なお、液晶セル内の駆動液晶分子を水平配向させるための配向膜は、膜厚が0.06μm程度、ユニバーサル硬度が500[mN/mm2]程度であるため、その比は0.12×10-6[mm3/mN]程度である。
以下、本発明のカラーフィルタ10を備える液晶表示装置の基本的な構成について説明する。図5は、着色層13の上に柱状体19を多数分散配置してなる上記本発明の第二の実施の形態にかかるカラーフィルタ10を備える液晶表示装置50の模式的な縦断面図である。但し説明の都合上、柱状体19は液晶セル45の最外周に位置するもののみ図示している。
液晶表示装置50の液晶セル45は、カラーフィルタ10の透明基板12と、駆動液晶側基板31との間に駆動液晶分子44を封入してなる。柱状体19の基端部(同図における上方)は位相差層である無色透明層14を貫通して着色層13の表面と当接しており、先端部(同図における下方)は液晶駆動用電極34を備える駆動液晶側基板31と当接している。またカラーフィルタ10の観察者側(図中上方)には、直線偏光板43のほか、正のAプレート42、および負のCプレート41がアウトセル側に設けられている。
一方、駆動液晶側基板31のインセル側には、駆動液晶分子44をスイッチング駆動する駆動用回路33と、これにより電圧の負荷量が制御される液晶駆動用電極34とが設けられている。さらに駆動液晶側基板31のアウトセル側(図中下方)には、直線偏光板32が配置されている。
なお、液晶表示装置50がIPSモードの場合には、カラーフィルタ10の直線偏光板43と、駆動液晶側基板31の直線偏光板32とは、互いの透過軸が直交するように配されている。また液晶表示装置50には、駆動液晶側基板31の背面側に、図示しないバックライトユニットが設けられている。
以上により構成される液晶表示装置50は、柱状体19により透明基板12と駆動液晶側基板31との距離が一定に保たれ、また押圧力が外部から付与された場合も柱状体19の基端部が無色透明層14に沈み込むことがない。したがって押圧荷重負荷時にも液晶表示装置50は安定した光学性能を発揮することができる。
次に、本発明の無色透明層組成物として液晶組成物を用いた位相差層につき、液晶組成物に含まれる液晶の分子をホメオトロピック配向させ、位相差層を正のCプレートとなす場合を例として詳細に説明する。
(実施例1)
[着色層の形成]
透明基板としてのガラス基板(コーニング社製、1737ガラス)(寸法:縦100mm×横100mm×厚み0.7mm)をスピンコーター(ミカサ社製、1H−360S)にセットし、このガラス基板上に下記で得られた着色レジストをスピンコーティングして着色層を製膜し、これを減圧乾燥した。次いで、着色層を形成したガラス基板に対して、超高圧水銀灯を有する紫外線照射装置(ハリソン東芝ライティング社製、「TOSCURE 751」)により紫外線(365nm)を20mW/cm2で5秒間照射して着色組成物を重合させ、次いでオーブンを用いて230℃で30分間焼成して赤色着色層(膜厚2.0μm)とした。
<着色レジストの組成>
・赤顔料 ・・・・・・・・・・・・・ 5.0重量部
(C.I.PR254(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、クロモフタールDPP Red BP))
・黄顔料 ・・・・・・・・・・・・・ 1.0重量部
(C.I.PY139(BASF社製、パリオトールイエローD1819))
・分散剤 ・・・・・・・・・・・・・ 3.0重量部
(ゼネカ(株)製、ソルスパース24000)
・多官能アクリレートモノマー ・・・ 4.0重量部
(サートマー(株)製、SR399)
・ポリマー ・・・・・・・・・・・・ 5.0重量部
(昭和高分子(株)製VR60)
・光重合開始剤1 ・・・・・・・・・ 1.4重量部
(チバガイギー社製、イルガキュアー907)
・光重合開始剤2 ・・・・・・・・・ 0.6重量部
(2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール)
・溶媒 ・・・・・・・・・・・・・ 80.0重量部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
[柱層の形成]
上記赤色着色層を形成したガラス基板をスピンコーター(ミカサ社製、1H−360S)にセットし、この基板上に下記で得られた柱レジストをスピンコーティングして柱層塗布膜を製膜し、これを減圧乾燥した。次いで、柱層塗布膜を形成した基板に対して、開口直径15μm、パターンピッチ100μmの円形パターンを有するマスクを用い、露光ギャップ100μmでi線(波長365nm)を照射して露光した。i線の光源としては、超高圧水銀ランプを用い、照射光量は100mJ/cm2とした。次いで0.05%KOH溶液を用いて現像し、更に純水で洗浄した。その後オーブンを用いて230℃で30分間焼成し、柱状体が着色層上に格子点状に分散形成された柱層(柱高さ5.0μm)を得た。なお、得られた柱状体のパターンには、粒状異物や塗布ムラは見られず、塗布性は良好であった。
<柱レジストの組成>
・ポリマー ・・・・・・・・・・・ 13.5重量部
(メタクリル酸とベンジルメタクリレートとの共重合体[メタクリル酸:ベンジルメタクリレート=30:70(モル比)、酸価=113mgKOH/g、ポリスチレン換算重量平均分子量=30000])
・多官能モノマー ・・・・・・・・ 12.0重量部
(サートマー(株)製、SR399)
・光重合開始剤1 ・・・・・・・・・ 1.5重量部
(チバガイギー社製、イルガキュアー907)
・溶媒 ・・・・・・・・・・・・・ 70.0重量部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
・エポキシ樹脂 ・・・・・・・・・・ 3.0重量部
(ダイセル化学工業社製、エポリードGT401)
[無色透明層の形成]
<無色透明層組成物の組成>
下記化4に示す化合物(a)〜(d)の混合物を架橋性液晶分子として用い、重合禁止剤としてBHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン)、重合開始剤としてイルガキュアー907、その他添加剤としてドデカノールを用い、これらを混合して下記組成の組成物(組成物A)を作製した。組成物Aは、特表2004−524385号公報の記載に準じて作製した。
Figure 2008026587
<組成物Aの構成>
化合物(a) 32.67重量%
化合物(b) 18.67重量%
化合物(c) 21.00重量%
化合物(d) 21.00重量%
ドデカノール 1.02重量%
BHT 0.04重量%
イルガキュアー907 5.60重量%
上記組成物Aを、溶媒としてのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解し、組成物Aの成分濃度が20重量%の無色透明層組成物を得た。
上記無色透明層組成物を、柱層まで形成したガラス基板上にスピンコート法で塗布した後、減圧乾燥した。次いで該基板に対して、超高圧水銀灯を有する紫外線照射装置(ハリソン東芝ライティング社製、「TOSCURE 751」)により、波長365nmの紫外線を20mW/cm2で10秒間照射して無色透明層組成物を重合させ、次いでオーブンを用いて230℃で30分間焼成して無色透明層としての位相差層(膜厚2.0μm)とし、目的とするカラーフィルタを得た。
(比較例1)
柱層と位相差層の形成順序を入れ替え、すなわち着色層の塗工後に位相差層を形成し、その後に柱層を形成した以外は実施例1と同様にカラーフィルタを作製した。
<評価>
[弾性変形率測定]
実施例1および比較例1で得られたカラーフィルタの柱状体に対し、ビッカース圧子(四角錐形状)を研磨して100μm×100μmの平面を形成した圧子を装着した(株)フィッシャー・インスツルメンツ製フィッシャースコープH−100を用いて、それぞれの柱状体に室温で厚み方向に1mN/秒の割合で50mNまで荷重をかけ、5秒間保持した後に、厚み方向に1mN/秒の割合で荷重を取り除き、荷重負荷0mNの状態でさらに5秒保持した後の変形量(μm)を測定し、図6に示される総変形量T1、塑性変形量T2、弾性変形量T3を求め、弾性変形率[(T3/T1)×100]を算出した。その結果を表1に示す。
[位相差測定]
実施例1および比較例1で得られたカラーフィルタ上に形成された位相差層に含まれる架橋性液晶分子の配向状態は、波長589nmの可視光が位相差層を通過した際に生じる位相差を次のように測定することによって評価した。なお、位相差層の測定は、大塚電子社製のRETS−1250AVを用いて実施した。
図7に示すように、光学素子の位相差層の表面上に、互いに直交するx軸とy軸をとるとともにx軸とy軸に対して垂直なz軸を想定した。そして、z軸方向、およびz軸に対してx軸方向およびy軸方向に傾斜する方向について光学素子の位相差を測定した。また、x軸方向に傾斜する方向について測定された場合、y軸方向に傾斜する方向について測定された場合、光学素子に生じる位相差がz軸を基準として対称性を示しているか否かを測定した。これらの測定結果に基づき、架橋性液晶分子が良好にホメオトロピック配向をしているか否かという配向性の良否を、次のように評価した。結果について表1に示す。
位相差はx軸方向、y軸方向ともに対称性を示し、且つ、z軸方向の位相差の値が4nm以下である ・・・・・・・・・・・・・・・・・○
位相差はx軸方向、y軸方向ともに対称性に乱れがあり、且つ、z軸方向の位相差の値が4nmより大きい ・・・・・・・・・・・・・ ×
なお、上記の位相差4nmの基準に関し、クロスニコルに配した2枚の直線偏光板の間で位相差を生じさせ、2枚の偏光板を光が透過するか否かを調べた場合に、目視上、光の透過が確認できない程度に収まる位相差の基準値が4nmである。
(参考実験1)
ガラス基板(コーニング社製、1737ガラス)(寸法:縦100mm×横100mm×厚み0.7mm)をスピンコーター(ミカサ社製、1H−360S)にセットし、このガラス基板上に実施例1で使用した着色レジストをスピンコーティングして着色層を製膜し、これを減圧乾燥した。次いで、着色層を形成したガラス基板に対して、超高圧水銀灯を有する紫外線照射装置(ハリソン東芝ライティング社製、「TOSCURE 751」)により紫外線(365nm)を20mW/cm2で5秒間照射して着色組成物を重合させ、次いでオーブンを用いて230℃で30分間焼成して赤色着色層(膜厚2.0μm)とした。得られた赤色着色層のユニバーサル硬度を、ビッカース圧子を装着した(株)フィッシャー・インスツルメンツ製フィッシャースコープH−100を用いて、室温で厚み方向に0.3mN/秒の割合で3mNまで荷重をかけて測定した。結果を表2に示す。
(参考実験2)
ガラス基板(コーニング社製、1737ガラス)(寸法:縦100mm×横100mm×厚み0.7mm)をスピンコーター(ミカサ社製、1H−360S)にセットし、このガラス基板上に実施例1で使用した無色透明層組成物をスピンコーティングして無色透明層(位相差層)を製膜し、これを減圧乾燥した。次いで、無色透明層を形成したガラス基板に対して、超高圧水銀灯を有する紫外線照射装置(ハリソン東芝ライティング社製、「TOSCURE 751」)により紫外線(365nm)を20mW/cm2で10秒間照射して着色組成物を重合させ、次いでオーブンを用いて230℃で30分間焼成して無色透明層(膜厚1.5μm)とした。得られた無色透明層のユニバーサル硬度を、ビッカース圧子を装着した(株)フィッシャー・インスツルメンツ製フィッシャースコープH−100を用いて、室温で厚み方向に0.3mN/秒の割合で3mNまで荷重をかけて測定した。結果を表2に示す。
(表1)
Figure 2008026587
(表2)
Figure 2008026587
上記表1の結果について、樹脂材料よりなる着色層と柱層とは、圧子による荷重負荷により僅かながら粘弾性的に変形して互いに馴染むため、実施例1においても弾性変形率は100%を下回っている。ただし95%という弾性変形率の高い値は液晶セルの厚さの減少による光学特性の有意な変化をもたらすものではなく、また位相差層上に柱層を形成する比較例1の結果と比較してその差異は明らかである。以上より、実施例1にかかるカラーフィルタは良好な配向特性と機械特性を有していることが判る。
なお表2の結果から、無色透明層は着色層に比べ硬度がかなり低いものと分かり、かかる硬度差が実施例1および比較例1の上記差異を生じる要因となっているといえよう。
本発明の第一の実施の形態にかかるカラーフィルタ10の平面図である。 図1のII−II断面模式図である。 第一の実施の形態にかかるカラーフィルタ10の分解斜視図である。 本発明の第二の実施の形態にかかるカラーフィルタ10の平面図である。 第二の実施の形態にかかるカラーフィルタ10を備える液晶表示装置50の模式的な縦断面図である。 実施例および比較例にかかるカラーフィルタの弾性変形率の測定条件を示す説明図である。 位相差層の位相差測定方向を測定する方向を説明するための説明図である。
符号の説明
10 カラーフィルタ
12 透明基板
13 着色層
14 無色透明層
15 ブラックマトリクス
16,17,18 色パターン
19 柱状体
20 開口部
22 柱層
44 駆動液晶分子
45 液晶セル
50 液晶表示装置

Claims (14)

  1. 透明基板上に、光透過性の色パターンを配列してなる着色層と、光透過性の無色透明層と、柱状体を分散配置した柱層とが設けられたカラーフィルタの製造方法であって、前記着色層および柱層を作製した後に、無色透明層を形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 透明基板上に遮光性材料を塗工して遮光部と透過部とを区画するためのブラックマトリクスを形成する第一工程と、前記ブラックマトリクスにより区画された領域に着色材料を塗工して着色層を形成する第二工程と、前記ブラックマトリクスまたは着色層の上に複数の柱状体を立設して柱層を形成する第三工程と、前記柱層の上に導電性のインキ組成物を塗工して導電層を形成する第四工程と、を少なくとも有するカラーフィルタの製造方法。
  3. 透明基板上に遮光性材料を塗工して遮光部と透過部とを区画するためのブラックマトリクスを形成する第一工程と、前記ブラックマトリクスにより区画された領域に着色材料を塗工して着色層を形成する第二工程と、前記ブラックマトリクスまたは着色層の上に複数の柱状体を立設して柱層を形成する第三工程と、前記柱層の上に架橋性液晶分子を含有するインキ組成物を塗布し、これを液晶相温度に加熱して前記架橋性液晶分子を配向させる第四工程と、前記配向した架橋性液晶分子を光重合させて位相差層を形成する第五工程と、を少なくとも有するカラーフィルタの製造方法。
  4. 透明基板と、該透明基板の上に立設された複数の柱状体と、該柱状体同士の間に設けられた無色透明層と、光透過性の色パターンを配列してなる着色層と、を少なくとも有するカラーフィルタ。
  5. 透明基板と柱状体との間に前記着色層が設けられている請求項4に記載のカラーフィルタ。
  6. 無色透明層のユニバーサル硬度(UHC)が、着色層のユニバーサル硬度(UHCF)よりも小さい請求項4または5に記載のカラーフィルタ。
  7. 無色透明層の厚さ(TC)とユニバーサル硬度(UHC)との比(TC/UHC)が、着色層の厚さ(TCF)とユニバーサル硬度(UHCF)との比(TCF/UHCF)よりも大きい請求項4から6のいずれかに記載のカラーフィルタ。
  8. 透明基板と着色層との間には、遮光部と開口部とを区画する遮光性のブラックマトリクスが設けられている請求項4から7のいずれかに記載のカラーフィルタ。
  9. 無色透明層の厚さ(TC)とユニバーサル硬度(UHC)との比(TC/UHC)が、ブラックマトリクスの厚さ(TBM)とユニバーサル硬度(UHBM)との比(TBM/UHBM)よりも大きい請求項8に記載のカラーフィルタ。
  10. 前記柱状体が細幅の基端部を備え、該基端部が、着色層を貫通してブラックマトリクスと当接している請求項8または9に記載のカラーフィルタ。
  11. 無色透明層が、導電性を有する導電層である請求項4から10のいずれかに記載のカラーフィルタ。
  12. 無色透明層が、架橋性液晶分子を架橋重合してなる位相差層である請求項4から10のいずれかに記載のカラーフィルタ。
  13. 架橋性液晶分子がホメオトロピック配向している請求項12に記載のカラーフィルタ。
  14. 請求項4〜13のいずれかに記載のカラーフィルタの備える柱状体の先端を、液晶駆動用電極を備える駆動液晶側基板と当接させ、前記透明基板と駆動液晶側基板との間に駆動液晶分子を封入してなる液晶表示装置。
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