JP2001255411A - カラーフィルターおよびそれを用いてなる液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルターおよびそれを用いてなる液晶表示装置

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JP2001255411A
JP2001255411A JP2000066158A JP2000066158A JP2001255411A JP 2001255411 A JP2001255411 A JP 2001255411A JP 2000066158 A JP2000066158 A JP 2000066158A JP 2000066158 A JP2000066158 A JP 2000066158A JP 2001255411 A JP2001255411 A JP 2001255411A
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color filter
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transparent protective
liquid crystal
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JP2000066158A
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Kunihiko Nakada
邦彦 中田
Masahiro Yoshioka
正裕 吉岡
Akiko Nomura
章子 野村
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】本発明は、表示不良が防止されたカラーフィル
ターおよびそれを用いてなる液晶表示装置を提供せんと
するものである。 【解決手段】本発明のカラーフィルターは、少なくとも
遮光部となるブラックマトリクスと、開口部に画素を形
成する3原色の着色層、および、カラーフィルター用透
明保護膜から構成されるカラーフィルターであって、該
カラーフィルター用透明保護膜が、オキセタン樹脂およ
び導電性金属酸化物を含有することを特徴とするもので
ある。また、本発明の液晶表示装置は、かかるカラーフ
ィルターを用いて構成されていることを特徴とするもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示不良が防止さ
れたカラーフィルターおよびそれを用いてなる液晶表示
装置に関するものであり、特にIPS方式の液晶表示装
置に好都合に使用されるカラーフィルターに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、特公平2−1311号公報などに
みられるように液晶素子に色分解用カラーフィルターを
組み合わせたカラー液晶表示素子が多々提案されてい
る。
【0003】また、カラーフィルター用透明保護膜は、
画素の段差の平坦化、表面平坦化の役割をして、液晶分
子の配向の乱れを抑制し、表示時のコントラスト比の向
上をもたらし、また画素やブラックマトリクスの保護膜
として、液晶表示装置製造工程での傷つき防止、さらに
はセルへの液晶注入後の画素から液晶への不純物拡散防
止に有効であることから、すでに採用されているもので
ある。かかるカラーフィルター用透明保護膜として、シ
ロキサンポリマー、シリコーンポリイミド、エポキシ樹
脂、アクリル樹脂等が使用されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】また、IPS方式のカ
ラーフィルターを用いて液晶表示装置を作製した場合、
カラーフィルター側基板には、カラーフィルター用透明
保護膜上に透明電極層を形成しないので、配向膜を塗布
し、ラビング布でラビングする場合には、その際に発生
する静電気を除去することができず、ラビング布が静電
気作用のため、穂先が立ち、均一にラビングできなくな
り、液晶配向不良が発生し、表示不良が発生するという
問題があった。
【0005】また、スペーサー散布の際、球状スペーサ
ーが静電気によりスペーサー凝集を発生し、また、製品
段階で指でこするなどの外部からの静電気的影響による
セルギャップの不均一化による表示不良が発生するなど
の問題があった。
【0006】また、液晶セルを作製する際に、TFT側
基板とカラーフィルター側基板を張り合わせた時に、カ
ラーフィルター側基板に発生した静電気がTFT側基板
に導通し、TFT側の信号線、ゲート線への放電により
TFTを静電破壊し、表示不良が発生する場合があっ
た。
【0007】本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、
表示不良が防止されたカラーフィルターおよびそれを用
いてなる液晶表示装置を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明のカラーフィルターは、少なくと
も遮光部となるブラックマトリクスと、開口部に画素を
形成する3原色の着色層、および、カラーフィルター用
透明保護膜から構成されるカラーフィルターであって、
該カラーフィルター用透明保護膜が、オキセタン樹脂お
よび導電性金属酸化物を含有することを特徴とするもの
である。また、本発明の液晶表示装置は、かかるカラー
フィルターを用いて構成されていることを特徴とするも
のである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、つまり表示
不良のないカラーフィルターについて、鋭意検討し、均
一に液晶が配向し、スペーサーの凝集がなく、均一に分
散し、また、スペーサーがめり込むことのないカラーフ
ィルターであれば、かかる課題を解決することを究明
し、そのためには、平坦化特性、帯電防止機能、硬度お
よび屈折率のいずれにも優れたカラーフィルター用透明
保護膜をカラーフィルターに付与してみたところ、かか
る課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0010】また、かかる表示不良が、3原色からなる
着色層とカラーフィルター用透明保護膜、あるいは、透
明電極層との界面でのバックライトの反射光にも起因し
ていることを見出し、かかる表示不良を改善するため
に、セルギャップを均一にする方法や、反射光そのもの
を小さくする方法を採用して、干渉縞の発生を抑制した
ものである。
【0011】まず、セルギャップを均一にする方法とし
ては、カラーフィルター用透明保護膜の硬度を高くする
手段を採用した。すなわち、液晶セルを製造する際の基
板貼り合わせ工程において、カラーフィルター用透明保
護膜層やカラーフィルターにスペーサーがめり込むこと
によって、セルギャップが不均一になるが、これは、カ
ラーフィルター用透明保護膜の硬度が低いために惹起す
るものであることを究明した。
【0012】次に、反射光そのものを小さくする方法と
しては、カラーフィルター用透明保護膜と着色層および
/または透明導電膜の屈折率差を小さくする手段を採用
した。すなわち、現状では、可視光領域(400〜70
0nm)での3原色からなる着色層および透明導電膜の
屈折率は、それぞれ1.7〜2.0、および、1.7〜
1.8であり、カラーフィルター用透明保護膜の屈折率
の1.5〜1.6に比べて高い。そのため、それぞれの
界面でバックライトの反射が起こって、干渉縞を発生
し、表示不良を惹起するものであることを究明した。
【0013】さらに着色層の場合、色素による吸収が大
きいため、屈折率は吸収による寄与を含めた見かけ上の
屈折率(複素屈折率)で表される。そのため、着色層の実
屈折率を得るためには、消衰係数を考慮して吸収による
寄与を取り除くことが必要である。着色層の樹脂として
ポリイミドを使用した場合には、着色層の実屈折率は
1.7〜1.8で、かなり低いレベルにあるので、着色
層の屈折率をさらに低くすることはできない。そこでカ
ラーフィルター用透明保護膜の屈折率を高くすることに
より、反射光そのものを小さくする上で、最適な方法で
ある。
【0014】本発明は、これらのカラーフィルター用透
明保護膜に、帯電防止機能付与、膜の硬度向上、膜の屈
折率向上の3つの機能を同時に達成したものである。
【0015】カラーフィルター用透明保護膜に添加する
導電性金属酸化物として、酸化インジウム、酸化錫、酸
化亜鉛、酸化カドニウム、酸化インジウム錫、五酸化ア
ンチモンドープ酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、アルミニ
ウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、カドニ
ウムドープ酸化錫および亜鉛ドープカドニウム等が挙げ
られるが、とくにこれに限定されたものではなく、導電
性を有する金属酸化物で、カラーフィルター用透明保護
膜の樹脂成分より高い屈折率を有する金属酸化物であれ
ば使用することができる。導電性において、少量の五酸
化アンチモンをドープした酸化錫(NESA)及び少量
の酸化錫を固溶させた酸化インジウム(ITO)が高い
導電性を示し、好ましい。汎用性、経済性、入手性の観
点から、ITOがより好ましい。添加方法としては、
(a)金属酸化物超微粒子、(b)金属アルコキシドの
2通りがある。
【0016】(a)の方法において、金属酸化物超微粒
子とは、可視光の波長よりも小さな粒径を持つ金属酸化
物粒子のことであり、カラーフィルター用カラーフィル
ター用透明保護膜の透明性を損なわないため、粒径とし
ては、5〜20nmであることが好ましく、5〜10n
mであればより好ましい。ここで、金属酸化物超微粒子
は、粉体をそのまま樹脂溶液に添加することが可能であ
るが、金属酸化物超微粒子の微分散化、分散安定化の点
で、金属酸化物超微粒子を溶剤に分散した金属酸化物超
微粒子ゾルを使用することが好ましい。
【0017】金属酸化物超微粒子の分散溶剤としては、
水、エタノール、メタノール、イソブタノール、3−メ
チル−3−メトキシブタノールなどのアルコール類、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノンなどのケトン類、ジエチルエーテル、イソプロ
ピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチ
レングリコールジメチルエーテル、エチレングリコール
ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエー
テルなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エ
チレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチ
レングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピ
レングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブ
チロラクトンなどのエステル類、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド
類、2−ピロリドン、N−メチルピロリドンなどのピロ
リドン類などを使用することができる。これらの溶剤の
うち、エステル系高沸点溶剤が、金属酸化物超微粒子の
微分散性、保存安定性の点から好ましく、単独で、また
は、2種類以上を混合して使用することができる。特
に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの溶
剤が、高沸点かつ保存安定性の観点から好ましい。ま
た、金属酸化物超微粒子含有カラーフィルター用透明保
護膜塗液の保存安定性を鑑みると、金属酸化物超微粒子
の分散溶剤は、カラーフィルター用透明保護膜で使用さ
れる溶剤と同一のものにすることが好ましい。
【0018】(b)の金属アルコキシドの添加も、金属
酸化物添加する方法として有効な手段である。シリコン
系アルコキシド以外の金属アルコキシドは、水やアルコ
ールと酸性触媒との存在下で、加水分解物を生成し、縮
合反応により重合していくことが知られている。そのた
め、水や酸性触媒の存在する系では、塗液の保存安定性
が悪化する場合がある。しかしながら、β−ジケトンや
β−ケト酸エステル類と金属アルコキシド類の反応で生
成する金属錯体は、加水分解および縮合反応を抑制する
ことができるため、保存安定性が向上することが可能と
なる。したがって、金属アルコキシドを添加する場合
は、使用する樹脂や溶剤により、金属アルコキシドを直
接添加する方法、あるいは、金属アルコキシドを金属錯
体に変換してから添加する方法のどちらかを選択するこ
とが必要である。β−ジケトン、β−ケト酸エステル類
の具体例としては、アセチルアセトン、ベンゾイルアセ
トン、ジベンゾイルメタン、メチルアセトアセテート、
エチルアセトアセテート、ベンゾイルアセトアセテー
ト、エチルベンゾイルアセテート、メチルベンゾイルア
セテートなどを使用することができる。
【0019】(b)の金属アルコキシドの具体例として
は、In(OCH(CH323、Sn(OCH(C
324、Zn(OCH(CH322、Cd(OCH
(CH 322、In(OCH2CH2CH2CH33、S
n(OCH2CH2CH2CH3 4、Zn(OCH2CH2
CH2CH32、Cd(OCH2CH2CH2CH32、I
n(OC253、Sn(OC254、Zn(OC
252、Cd(OC252、などが挙げられる。高導
電性、汎用性、入手性の点から、少量の五酸化アンチモ
ンをドープした酸化錫(NESA)及び少量の酸化錫を
固溶させた酸化インジウム(ITO)とカドニウムドー
プ酸化錫のような複酸化物の作製方法は、2種類の金属
アルコキシドを所定の当量比になるように添加する方法
で作製することができる。本発明で用いられる、β−ジ
ケトンやβ−ケト酸エステル類と金属アルコキシド類の
反応で生成する金属錯体の具体例として、インジウムア
セチルアセトネート、インジウムベンゾイルアセトネー
ト、インジウムアセチルアセテート、錫アセチルアセト
ネート、錫ベンゾイルアセトネート、錫アセチルアセテ
ート、亜鉛アセチルアセトネート、亜鉛ベンゾイルアセ
トネート、亜鉛アセチルアセテート、カドニウムアセチ
ルアセトネート、カドニウムベンゾイルアセトネート、
カドニウムアセチルアセテートなどが挙げられる。保存
安定性などの問題が生じない場合には、金属アルコキシ
ドのみを直接添加しても構わない。
【0020】(a)、(b)の方法の相違は(a)は物
理的に金属酸化物超微粒子をカラーフィルター用透明保
護膜中に分散させるのに対し、(b)は化学的に金属酸
化物を分散させる方法である。(a)の方法は金属酸化
物超微粒子の分散度合いにより、平滑性等に及ぼす影響
に差が生じる。一方、(b)の方法は硬化時に加水分
解、縮合反応が発生するので、カラーフィルター用透明
保護膜の平坦性に悪影響を及ぼす可能性がある。平滑性
の観点から、(a)の方法の方がより好ましい。
【0021】本発明のカラーフィルター用透明保護膜を
形成する樹脂組成物のマトリクス樹脂としては、エポキ
シ樹脂、オキセタン樹脂、アクリル・エポキシ樹脂、シ
ロキサン樹脂、シリコーンポリイミド樹脂、ポリイミド
樹脂などを使用できるが、これらに限定されない。これ
らの中で、マトリクス樹脂自身も高い屈折率を持つこと
から、オキセタン樹脂、エポキシ樹脂やポリイミド含有
した樹脂を使用することが好ましい。さらに、硬化時に
おける硬化収縮が小さい観点から、オキセタン樹脂やエ
ポキシ樹脂がより好ましい。
【0022】本発明のカラーフィルター用透明保護膜に
使用されるオキセタン樹脂とは、オキセタン環を有する
化合物(オキセタン化合物)が重合した有機ポリマーで
あり、オキセタン環を有する化合物は、下記一般式
(1)で表されるオキセタン環を1つ以上有する化合物
である。
【0023】
【化1】
【0024】該化合物は、カチオン重合性熱重合開始剤
の存在下で加熱することにより重合反応や架橋反応を起
こすものである。このようなオキセタン環を有する化合
物としては、オキセタン環を1つ以上有する化合物であ
れば、種々のものが使用できる。
【0025】たとえば、1個のオキセタン環を有する化
合物としては、下記一般式(2)で表される化合物を使
用することができる。
【0026】
【化2】
【0027】一般式(2)において、Zは酸素原子また
は硫黄原子を示す。R1は水素原子、フッ素原子、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素原子数
1〜6個のアルキル基、トリフルオロメチル基、パーフ
ルオロエチル基、パーフルオロプロピル基等の炭素原子
数1〜6個のフルオロアルキル基、フェニル基、ナフチ
ル基等の炭素原子数6〜18のアリール基、フリル基ま
たはチエニル基である。R2は、水素原子、メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素原子数1〜6
個のアルキル基、1−プロペニル基、2−プロペニル
基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−
プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−
ブテニル基等の炭素原子数2〜6個のアルケニル基;フ
ェニル基、ナフチル基、アントニル基、フェナントリル
基等の炭素原子数6〜18のアリール基;ベンジル基、
フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェネチル
基、スチリル基、シンナミル基、エトキシベンジル基等
の置換または非置換の炭素原子数7〜18のアラルキル
基;フェノキシメチル基、フェノキシエチル基等のアリ
ーロキシアルキルなどのその他の芳香環を有する基;エ
チルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカル
ボニル基等の炭素原子数2〜6個のアルキルカルボニル
基;エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、
ブトキシカルボニル基等の炭素原子数2〜6個のアルコ
キシカルボニル基;エチルカルバモイル基、プロピルカ
ルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバ
モイル基等の炭素原子数2〜6個のN−アルキルカルバ
モイル基等である。
【0028】次に、2個のオキセタン環を有する化合物
としては、下記一般式(3)で表される化合物を使用す
ることができる。
【0029】
【化3】
【0030】一般式(3)において、R1は、前記一般
式(2)における定義の通りである。R3は、例えば、
エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の線状或いは
分枝状の、通常炭素原子数1〜20のアルキレン基、ポ
リ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基
等の線状或いは分枝状の、通常炭素原子数1〜120の
ポリ(アルキレンオキシ)基、プロペニレン基、メチル
プロペニレン基、ブテニレン基等の線状或いは分枝状の
不飽和炭化水素基、カルボニル基、カルボニル基を含む
アルキレン基、分子鎖の途中にカルボキシル基を含むア
ルキレン基、分子鎖の途中にカルバモイル基を含むアル
キレン基等である。また、R3は、下記一般式(4)、
(5)および(6)で表される基から選択される多価の
基でもよい。
【0031】
【化4】
【0032】一般式(4)において、R4は、水素原
子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭
素原子数1〜4個のアルキル基、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素原子数1〜4個
のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原
子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキル
カルボキシル基、カルボキシル基、またはカルバモイル
基であり、xは1〜4の整数である。
【0033】
【化5】
【0034】一般式(5)において、R5は、酸素原
子、硫黄原子、メチレン基、−NH−、−SO−、−S
2- 、−C(CF32 −または−C(CH32 −で
ある。
【0035】
【化6】
【0036】一般式(6)において、R6は、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素原子数1
〜4個のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素
原子数6〜18のアリール基である。yは、0〜200
の整数である。R7はメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基等の炭素原子数1〜4個のアルキル基、フ
ェニル基、ナフチル基等の炭素原子数6〜18のアリー
ル基である。R7は、下記一般式(7)で表される基で
もよい。
【0037】
【化7】
【0038】一般式(7)において、R8は、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素原子数1
〜4個のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素
原子数6〜18のアリール基である。zは、0〜100
の整数である。
【0039】次に、3個以上のオキセタン環を有する化
合物としては、下記一般式(8)で表される化合物を使
用することができる。
【0040】
【化8】
【0041】一般式(8)において、R1は、前記一般
式(2)における定義の通りである。R9は、3〜10
価の有機基を示し、例えば下記式(9)〜(11)で表
される基等の炭素原子数1〜30の分枝状または線状の
アルキレン基、下記式(12)で表される基等の分枝状
ポリ(アルキレンオキシ)基または下記式(13)また
は式(14)で表される線状または分枝状ポリシロキサ
ン含有基等である。jは、R9の価数に等しい3〜10
の整数を示す。
【0042】
【化9】
【0043】一般式(9)において、R10はメチル基、
エチル基、プロピル基等の炭素原子数1〜6個のアルキ
ル基である。
【0044】
【化10】
【0045】
【化11】
【0046】
【化12】
【0047】一般式(12)において、Lは同一または
異なり、1〜10の整数である。
【0048】
【化13】
【0049】
【化14】
【0050】なお、オキセタン環を有する化合物として
は、上述以外にも、ポリスチレン換算の数平均分子量1
000〜5000程度の高分子量を有する化合物であっ
ても使用することができる。
【0051】以上説明したオキセタン環を有する化合物
の具体例は次の通りである。 〈オキセタン環を1個有する化合物〉トリメチレンオキ
シド、3,3−ジクロロメチルオキセタン、3,3−ジメ
チルオキセタン、3−3−ヒドロキシメチルオキセタ
ン、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3
−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチ
ル−3−フェノキシメチルオキセタン、3−n−プロピ
ル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−イソプロピ
ル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−n−ブチル
−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−イソブチル−
3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−sec−ブチル
−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−tert−ブ
チル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)
アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エ
チル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4
−フルオロ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメ
トキシ)メチル〕ベンゼン、4−メトキシ−〔1−(3
−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼ
ン、〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)
エチル〕フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−
エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボル
ニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチ
ル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセ
タニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エ
チル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエ
チレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチ
ル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3
−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル
オキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)
エーテル、ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキ
セタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル
(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テ
トラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメ
チル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル
(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ト
リブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチ
ル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−
エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒド
ロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)
エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−
オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−
エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタク
ロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)
エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オ
キセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−
3−オキセタニルメチル)エーテル等。 〈オキセタン環を2個以上有する化合物の例〉カーボネ
ートビスオキセタン、アジペートビスオキセタン、テレ
フタレートビスオキセタン、シクロヘキサンジカルボン
酸ビスオキセタン、ビス(3−エチル−3−メチルオキ
シ)ブタン、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−
オキサ−ノナン、3,3’−(1,3−(2−メチレニ
ル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−
(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス〔(3−エチ
ル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、
1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキ
シ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3
−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレン
グリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチ
ル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−
3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリ
コールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エ
ーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−
3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカン
ジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチ
ル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エ
チル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビ
ス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、
1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキ
シ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチ
ル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリス
リトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメ
チル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エ
チル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエ
リスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニ
ルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキ
ス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−
オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジ
ペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オ
キセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペ
ンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキ
セタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパン
テトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エ
ーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−
3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェ
ノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)
エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エ
チル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水
添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニ
ルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3−
エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルなどを例示
することができ、これらは1種単独あるいは2種以上を
組み合わせて用いることができる。
【0052】これらの中でも、本発明のカラーフィルタ
ー用透明保護膜の樹脂成分として特に好適に使用される
オキセタン環を有する化合物としては、例えば、カーボ
ネートビスオキセタン、アジペートビスオキセタン、テ
レフタレートビスオキセタン、シクロヘキサンジカルボ
ン酸ビスオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニル
メトキシ)メチルベンゼン、1,4−ビス[(3−エチ
ル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、
1,2−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキ
シ)エタン、トリメチロールプロパントリス(3−エチ
ル−3−オキセタニルメチル)エーテル等で表される化
合物を使用することができる。その中でも、さらに特に
好適に使用されるのは、透明性の観点から、カーボネー
トビスオキセタン、アジペートビスオキセタン、シクロ
ヘキサンジカルボン酸ビスオキセタン、トリロールプロ
パントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エ
ーテルである。これらのオキセタン化合物は、少なくと
も1種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0053】次にエポキシ樹脂としては、フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ樹脂、複
素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹
脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ
樹脂等を使用することができる。さらに、グリシジル基
を有するオルガノポリシロキサンや上述のエポキシ樹脂
とカルボキシル基含有オルガノシロキサンとを反応させ
て得られるシリコン変性エポキシ樹脂も使用することが
できるが、本発明はこれらに限定されない。また、これ
らのエポキシ樹脂またはシリコン変性エポキシ樹脂の少
なくとも1種類以上を組み合わせて使用することがで
き、硬度の点から、多官能エポキシ樹脂が好ましく使用
される。また、エポキシ樹脂及びオキセタン樹脂から少
なくとも2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0054】ところで、オキセタン樹脂は、開環重付加
反応であり、エポキシ樹脂が3員環であるのに対し、オ
キセタン樹脂は4員環であり、かつ、該エポキシ樹脂よ
りもさらに硬化収縮が小さいという特徴を有している。
【0055】本発明のカラーフィルター用透明保護膜の
樹脂成分としては、エポキシ樹脂とオキセタン樹脂の混
合比率を、エポキシ樹脂100重量部に対して、好まし
くはオキセタン樹脂5〜300重量部、さらに好ましく
は15〜200重量部、特に好ましくは10〜100重
量部である。オキセタン樹脂が少なすぎると、塗膜の平
坦性が低下し、逆に多すぎると、耐熱性が低下する。
【0056】かかる樹脂成分の中で、エポキシ樹脂の硬
化剤としては、アミン樹脂、ポリメルカプタン、ポリフ
ェノール、ポリイソシアネート化合物、多価カルボン酸
無水物、多価カルボン酸、オルガノアルコキシシラン等
を使用することができる。その中でも、透明性、平坦性
等の観点から多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸、
オルガノアルコキシシランが好ましく使用される。
【0057】多価カルボン酸無水物としては、無水イタ
コン酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水シトラコ
ン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水テトラヒドロフタ
ル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒ
ドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水
エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水メチルエン
ドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族ジカルボン
酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物等脂肪
族多価カルボン酸二無水物、無水フタル酸、無水トリメ
リット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸等の芳香族多価カルボン酸無水物、エチ
レングリコールビストリメリテート、グリセリントリス
トリメリテート等のエステル基含有酸無水物等を使用す
ることができる。また多価カルボン酸としては、イタコ
ン酸、マレイン酸、コハク酸、シトラコン酸、テトラヒ
ドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒ
ドロフタル酸、シクロペンタンテトラカルボン酸等の脂
肪族多価カルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸などを使用することができる。
【0058】これらの多価カルボン酸無水物および多価
カルボン酸は1種類のみで用いてもよいが、2種類以上
を組み合わせて用いることもできる。中でも、芳香族多
価カルボン酸無水物、芳香族多価カルボン酸が耐熱性の
点から好ましく使用され、また、耐熱性と溶剤に対する
溶解性のバランスの点から、無水トリメリット酸が特に
好ましく使用される。
【0059】次に、オキセタン化合物の硬化剤として
は、ポリメルカプタン、ポリイソシアネート化合物、多
価カルボン酸無水物、多価カルボン酸、オルガノアルコ
キシシラン等を使用することができる。その中でも、透
明性、平坦性等の観点から、エポキシ化合物と同様に多
価カルボン酸無水物、多価カルボン酸、オルガノアルコ
キシシランが好ましく使用される。また、オキセタン化
合物は、カチオン開環重合反応をするので、熱重合開始
剤の存在により、それ自身でも硬化反応を進行させるこ
とができるので、硬化剤を添加しなくてもよい。
【0060】さらに本発明では、カラーフィルター用透
明保護膜の平坦化特性を向上させるために、カラーフィ
ルター用透明保護膜を構成する樹脂組成物の構成成分を
低分子量化すること、および、硬化反応での塗膜収縮を
小さくすることが重要であることに着目し、検討を重ね
た結果、かかる樹脂組成物において、硬化剤として、特
にオルガノアルコキシシランを使用することが、ガラス
基板との密着性向上と共に硬化収縮を抑制し、もって高
い平坦化特性を達成したカラーフィルター用透明保護膜
を与えることを究明したものである。
【0061】かかるオルガノアルコキシシランとして
は、次の一般式(15)で表されるオルガノアルコキシ
シラン類、あるいは該オルガノアルコキシシラン類の加
水分解物および/または加水分解縮合物を使用すること
ができる。
【0062】 R1 nSi(OR24-n (15) 一般式(15)において、R1 は、アルキル基、ビニル
基、フェニル基、γ−グリシドキシプロピル基から選ば
れる有機基であり、R2 は、水素、アルキル基から選ば
れる有機基であり、nは1〜3の整数を示す。
【0063】かかるオルガノアルコキシシラン類の具体
的な例としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチル
ジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチル
トリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリ
メチルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ジ
ビニルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
ジビニルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリエトキ
シシラン、ジフェニルジエトキシシランなどを使用する
ことができるが、これらに限定されない。また、エポキ
シ化合物との相溶性を高めるために、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチル
ジエトキシシランなどのエポキシ基含有オルガノアルコ
キシシランを使用することができる。これらのオルガノ
アルコキシシランは、単独で、または、複数のものを併
用して使用することができる。また、これらのオルガノ
アルコキシシラン類は、そのままの状態で使用できる
が、加水分解物、加水分解縮合物の状態でも使用するこ
とができる。加水分解は、オルガノアルコキシシラン類
に水を加えて、低温で反応させることにより行い、加水
分解縮合は、オルガノアルコキシシラン類に水を加え
て、加熱することにより、水とアルコールを留去するこ
とにより行う。ここで、加水分解、加水分解縮合には、
酸触媒を添加してもよい。
【0064】これらのオルガノアルコキシシランの中で
も、熱硬化性樹脂溶液組成物の溶剤中に、水、アルコー
ルなどの低沸点溶剤が残存しないという点から、加水分
解縮合物を使用することが好ましい。
【0065】これらのエポキシ樹脂およびオキセタン樹
脂には、硬化促進剤が含有されていてもよい。かかる硬
化促進剤としては、特に限定はなく、通常エポキシ樹脂
の硬化に際して用いられるものをそのまま使用すること
ができる。具体的には、塩酸等の無機酸、酢酸、シュウ
酸等の有機酸、トリエチルアミン等の第3級アミン、2
−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2
−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニ
ルホスフィン等のホスフィン類、アルミニウムトリスア
セチルアセトネート等のキレート化合物、BF3等のル
イス酸またはルイス塩基等が使用される。
【0066】本発明のカラーフィルター用透明保護膜に
おいて、前記の導電性金属酸化物の含有量は、該透明保
護膜の樹脂組成物の樹脂成分100重量部に対し、好ま
しくは50〜400重量部、さらに好ましくは100〜
400重量部、特に好ましくは200〜400重量部で
ある。かかる導電性酸化物の含有量がこれより少ない
と、表面抵抗の低減効果が十分でなく、また、これより
多いと表面抵抗は低くなるが、クラック等を生じるおそ
れが出てくる。
【0067】本発明のかかるカラーフィルター用透明保
護膜の膜厚は、1〜2μmが好ましく、より好ましくは
1.2〜1.5μm、特に好ましくは1.2〜1.4μ
mである。膜厚がこれより薄いと、表面抵抗の低減効果
が十分でなく、また、厚すぎると、透明保護膜の要求特
性である透明性が損なわれるおそれがある。
【0068】かかるカラーフィルター用透明保護膜とし
ては、表面抵抗が1010〜1014Ω/□である導電性を
有するものが好ましい。表面抵抗がこれより小さいと、
該透明保護膜を光透過性ガラス基板全面に塗布した際
に、カラーフィルター周辺のガラス部分にも高い導電レ
ベルを有することになり、そのために液晶セルを作製し
た際にTFT側基板の信号線、ゲート線への放電でTF
Tを損傷するおそれが出てくる。逆に表面抵抗がこれよ
り大きいと、帯電防止効果が十分でなく、表示不良が発
生する。
【0069】かかるカラーフィルター用透明保護膜に、
導電性金属酸化物超微粒子や導電性金属アルコキシドを
添加することにより、該カラーフィルター用透明保護膜
の押し込み硬度および屈折率も大幅に向上させることが
できる。
【0070】本発明の押し込み硬度は、下記の式(1
6)によって定義される。
【0071】 押し込み硬度:kP/gh2 (16) (ただし、P:硬さ評価時の押し込み荷重(mN)、
h:PmNにおける押し込み深さ(μm)、g:重力加
速度(=9.807m/s2)、k:圧子の形状によっ
て決まる定数である。) kは、圧子形状によって決まる定数で、本発明の押し込
み硬度測定に用いるダイヤモンド圧子の形状は三角錐で
あり、その稜間角は、115°であるから、この場合、
k=37.838である。
【0072】押し込み硬度測定に使用するカラーフィル
ター用透明保護膜の膜厚としては、3μm以上、好まし
くは5μm以上のものが用いられる。また、圧子の押し
込み深さの好適な範囲は、該透明保護膜の膜厚の好まし
くは1/8以下、さらに好ましくは1/10以下で、か
つ、好ましくは0.3μm以上、さらに好ましくは0.
5μm以上、特に好ましくは0.6μm以上がよく、押
し込み深さが上記の好適範囲に含まれるように、押し込
み荷重等の測定条件を設定する。
【0073】本発明のカラーフィルター用透明保護膜層
を有するカラーフィルターの押し込み硬度は、好ましく
は40以上、さらに好ましくは50以上である。
【0074】ここで、本発明のカラーフィルター用透明
保護膜の押し込み硬度を向上させるために、金属酸化物
の添加等不均一系が有効な手段であることを見出した。
金属酸化物は樹脂に較べて一般的にはるかに押し込み硬
度が高いので、押し込み硬度の大幅な向上が可能とな
る。
【0075】また、本発明のカラーフィルター用透明保
護膜においては、屈折率を高めるために、膜密度と膜全
体の電子分極率の両方、あるいは、どちらか一方を高め
るのが好ましい。すなわち、膜密度を高めるためには、
熱処理の温度を制御することにより膜の開口率を小さく
したり、樹脂のフラクタル次元を下げることにより膜の
緻密化を促すことが有効である。また、膜全体の電子分
極率を高めるには、芳香族などの基を多く含み、共役系
が長くつながったような構造をとることや、硫黄、臭素
などの電子分極率の大きい元素からなる基を分子内に導
入することが、有効となる。また均一系に限られたもの
ではなく、マトリクス樹脂より電子分極率が大きい、言
い換えると、屈折率の大きい金属酸化物をマトリクス樹
脂に含有させる方法も大変有効な手段である。
【0076】そこで、押し込み硬度および屈折率向上に
は、金属酸化物をマトリクス樹脂に含有させる方法が最
も有効な手段であり、本発明の導電性金属酸化物の屈折
率はマトリクス樹脂より大きいので、押し込み硬度およ
び屈折率向上にも有効である。かくして得られる本発明
のカラーフィルター用透明保護膜は、押し込み硬度が好
ましくは40以上で、屈折率が1.65以上であるとい
う優れた押し込み硬度および屈折率を有するものであ
る。
【0077】かかるカラーフィルター用透明保護膜の塗
布性、および、表面の平坦性を良好にするために、該透
明保護膜の樹脂組成物に界面活性剤を添加することがで
きる。かかる界面活性剤の添加量は、樹脂100重量部
に対して、好ましくは0.01〜10重量部、さらに好
ましくは0.03〜1重量部である。添加量が少なすぎ
ると、塗布性、膜表面の平滑性の改良、あるいは金属酸
化物超微粒子ゾルの分散性の改良の効果がなく、多すぎ
ると逆に塗布性が不良となったり、塗膜の強靱性が低下
したり、酸化物超微粒子ゾルの凝集が起こる。
【0078】かかる界面活性剤の具体例としては、ジメ
チルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイ
ルなどのシリコーンオイル類、アルキル、フッ素変性シ
リコーンオイル、ポリエーテル、アルコール変性シリコ
ーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変
性シリコーンオイル、フェノール、カルボキシ、メルカ
プト変性シリコーンオイルなどの変性シリコーンオイル
類、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどの陰イオ
ン界面活性剤、ラウリルトリメチルアンモニウムクロラ
イドなどの陽イオン界面活性剤、ラウリルジメチルアミ
ンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエ
チルイミダゾリウムベタインなどの両性界面活性剤、ポ
リオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレ
ンステアリルエーテル、ソルビタンモノステアレートな
どの非イオン界面活性剤などを使用することができる。
かかる界面活性剤は、1種または2種以上組み合わせて
用いることができる。かかる界面活性剤は、金属酸化物
超微粒子あるいは金属アルコキシドの添加前後の、どの
時点で添加してもよい。しかし、かかる添加の時期で、
金属酸化物超微粒子の分散性が変わる場合があるので、
注意を要する。
【0079】また、金属酸化物の導入により、該カラー
フィルター用透明保護膜と、ガラス基板との熱膨張率の
差異を小さくすることができるので、カラーフィルター
用透明保護膜とガラス基板との接着力を向上させること
ができる。
【0080】かかるカラーフィルター用透明保護膜の塗
液に使用される溶剤としては、水、エタノール、メタノ
ール、イソブタノール、3−メチル−3−メトキシブタ
ノールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン
類、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチ
ルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジ
エチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル
類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、3−メトキシ−3−
メチルブチルアセテート、エチレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチル
エーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエ
ーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエ
ーテルアセテート、γ−ブチロラクトンなどのエステル
類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミドなどのアミド類、2−ピロリドン、N−メ
チルピロリドンなどのピロリドン類などを使用すること
ができる。これらの中で、エステル系高沸点溶剤がカラ
ーフィルター用透明保護膜の平滑性の点から好ましく、
単独で、または、2種類以上を混合して使用することが
できる。これらの中で、特にプロピレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエー
テルアセテートなどの溶剤が、高沸点、かつ、保存安定
性の観点から好ましく使用される。
【0081】また、本発明のカラーフィルター用透明保
護膜のための樹脂組成物の固形分濃度については、塗布
方法や溶解性の観点から、好ましくは10〜70重量
%、さらに好ましくは15〜60重量%、特に好ましく
は、20〜50重量%であるのがよい。
【0082】次に、本発明のカラーフィルターの各構成
要素について詳しく述べる。
【0083】本発明のカラーフィルターは、少なくとも
遮光部となるブラックマトリクスと、開口部に画素を形
成する3原色の着色層、および、カラーフィルター用透
明保護膜とから構成されるものであって、かかるカラー
フィルターの画素の長軸方向の中心部において、着色層
がブラックマトリクスと重なった部分と、開口部のもっ
とも低い部分との高低差(以下、高低差と略称する)が
0.15μm以下で、かつ、着色層がブラックマトリク
スと重なった部分から、開口部へ向かう傾斜の最大角度
(以下、最大傾斜角と略する)が2゜以下であるものが
好ましい。これを図にしたがって説明する。
【0084】図1は、本発明のカラーフィルターの平面
図であり、図2は、図1のA−A’断面図を示す。本発
明のカラーフィルターは、ガラス(4)上に形成された
ブラックマトリクス(1)と着色層(2)とカラーフィ
ルター用透明保護膜(5)から構成されており、ブラッ
クマトリクスには、開口部(3)が存在する。
【0085】図2は、開口部に形成された画素の長軸方
向の中心部の断面であるが、図2において、高低差
(6)が0.20μm以下で、かつ、最大傾斜角(7)
が2゜以下であれば、液晶表示装置において、カラーフ
ィルターの表面の凹凸に基づく表示不良は観察されな
い。高低差が0.20μmより大きくなれば、液晶表示
装置の2枚の基板の間隔(セルギャップ)を制御するビ
ーズスペーサーの支持が不安定となり、ビーズスペーサ
ーの移動などにより、表示不良が引き起こされる。一
方、最大傾斜角が2゜より大きくなれば、液晶のプレチ
ルト角が乱れ、表示不良が発生する。
【0086】このようなカラーフィルター表面の平坦性
は、カラーフィルターの構成に関係なく必要とされるも
のであり、以下の手段により達成することが可能であ
る。
【0087】また、ブラックマトリクス、3原色からな
る着色層、およびカラーフィルター用透明保護膜から構
成されるカラーフィルターや、ブラックマトリクス、3
原色からなる着色層、および、ブラックマトリクス上の
一部に3原色からなる着色層の積層により形成された複
数個のドット状スペーサー、および、カラーフィルター
用透明保護膜から構成されているカラーフィルターにお
いても、本発明のカラーフィルター用透明保護膜により
目的とする平坦性を確保することができる。ここで、カ
ラーフィルターは、通常、ガラス基板上に形成されるも
ので、ガラス基板の厚さは、一般的に、0.5mmから
1.5mmの範囲にあるものを使用する。
【0088】なお、ドット状スペーサーは、液晶表示装
置製造工程上のスペーサー散布を不要にするものであ
り、歩留まり向上に大きく寄与する。
【0089】さらに本発明のカラーフィルターには、必
要に応じて配向膜を形成することが好ましい。
【0090】ブラックマトリクスとしては、遮光剤を樹
脂中に分散した樹脂ブラックマトリクスを使用すること
が好ましい。
【0091】樹脂ブラックマトリクスに使用される遮光
剤としては、カーボンブラックや、酸化チタン、四酸化
鉄などの金属酸化物粉や、金属硫化物粉や、金属粉の他
に、赤、青、緑色の顔料混合物などを用いることができ
る。この中でも、とくにカーボンブラックは、遮光性に
優れており好ましい。
【0092】樹脂ブラックマトリクスに使用される樹脂
としては、アクリル系、エポキシ系などの透明樹脂を使
用することができるが、塗膜の耐熱性、耐光性、耐溶剤
性からみて、ポリマーとしては、ポリアミック酸を使用
することが好ましい。
【0093】このようにして得られる樹脂ブラックマト
リクスは、遮光性を確保するために、1μm程度の膜厚
が必要である。したがって、樹脂ブラックマトリクスを
使用したカラーフィルターにおいては、樹脂ブラックマ
トリクスの膜厚に基づくカラーフィルター表面段差を低
減し、平坦性を向上させるため、カラーフィルター用透
明保護膜が必要となる。
【0094】一方、3原色の着色層については、色素を
樹脂中に分散したものを用いることができる。顔料は3
原色を表すために適当なものを組み合わせて使用するこ
とができる。使用できる色素としては、赤、橙、黄、
緑、青、紫などの顔料や染料が挙げられるが、これらに
限定されない。また、樹脂としては、アクリル系、エポ
キシ系などの透明樹脂を使用することができるが、塗膜
の耐熱性、耐光性、耐溶剤性からみて、ポリマーとして
は、ポリアミック酸を使用することが好ましい。
【0095】また、透明電極は、通常、インジウム・錫
酸化物(ITO)が使用される。透明電極は、液晶を駆
動させるために必要なものであるが、横電界駆動の表示
方式(IPS)の液晶表示装置では、透明電極はカラー
フィルター側には必要でないため、透明電極を設けない
カラーフィルターが使用される。
【0096】配向膜を形成する場合は、ポリイミド、ポ
リアミド、ポリビニルアルコール等の有機樹脂膜をラビ
ングしたものでよい。
【0097】本発明の液晶表示装置は、上述したカラー
フィルターを使用して構成されたものである。本発明の
カラーフィルターを使用することにより、ラビング工程
でのラビング布が静電気作用のため、穂先が立ち均一に
ラビングできなくなり、液晶配向不良の発生を防止す
る、あるいは、液晶表示装置においては、球状スペーサ
ーの静電気による凝集に基づく、あるいは、カラーフィ
ルター表面の凹凸に基づく表示不良の発生を防止する、
あるいはTFT側の信号線、ゲート線への放電によるT
FTの静電破壊を防止することが可能となる。また、本
発明のカラーフィルターは、カラー液晶表示装置に用い
られることから、本発明の液晶表示装置の駆動には、薄
膜トランジスタ(TFT)を使用することが好ましい。
【0098】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 油化シェルエポキシ(株)製エピコート827(ビスフ
ェノールA型エポキシ化合物)5g、シクロヘキサンジ
カルボン酸ビスオキセタン3gと、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン 5gと、固形分濃度3
0%のIn23メタノールゾル溶液 50gを、3−メ
トキシ−3−メチルブチルアセテートに溶解し、全固形
分濃度が30%となるように調整した。(A1)得られ
た溶液を、孔径0.2μmのメンブレンフィルターで濾
過した後、スピンコーターを用いてガラス基板上に塗布
し、150℃の恒温槽にて10分間、260℃の恒温槽
にて30分間加熱処理し、塗膜を硬化させてカラーフィ
ルター用透明保護膜を得た。
【0099】得られた塗膜の表面は極めて平滑であり、
ピンホールなどは全く見られなかった。東京精密(製)
サーフコム1500Aによって測定した膜厚は、1μm
であった。このようにして作製した塗膜について屈折率
を測定すると、400nmの波長において1.67とな
った。また、表面抵抗は5.2×1010Ω/□であっ
た。
【0100】該屈折率の測定は、偏光解析(エリプソメ
トリ)法により求めた。偏光解析はガラス基板の膜面側
に、偏光を照射し膜表面で偏光を反射させ、このときに
起こる偏光状態の変化を測定することにより求める方法
である。島津製作所(株)製AEPー100の偏光解析
装置を使用した。
【0101】該表面抵抗の測定は、ガラス基板の上に形
成されたカラーフィルター用透明保護膜の表面抵抗を、
定電流4端子法抵抗率計(MCP−TESTER F
P、三菱化学製)を使用して測定した。表面抵抗値は、
表示値に4.53倍(機器の補正係数)をかけた値であ
る。 比較例1 実施例1の固形分濃度30%のIn23メタノールゾル
溶液50gの代わりに固形分濃度30%のSb25メタ
ノールゾル溶液を加えた。(B1)実施例1と同様にし
てカラーフィルター用透明保護膜を得た。得られた塗膜
の表面は極めて平滑であり、ピンホールなどは全く見ら
れなかった。東京精密(製)サーフコム1500Aによ
って測定した膜厚は、1μmであった。作製した塗膜に
ついて屈折率を測定すると、400nmの波長において
1.68となった。また、表面抵抗は2.0×1015Ω
/□であった。 実施例2 実施例1で得られたカラーフィルター用透明保護膜を着
色層と透明電極の間に有するカラーフィルターを作成し
た。
【0102】なお、カラーフィルターは以下の手順によ
り作成した。 (樹脂ブラックマトリクス層の作成)温度計、乾燥窒素
導入口、温水・冷却水による加熱・冷却装置、および、
攪拌装置を付した20Lの反応釜に、γ−ブチロラクト
ン 16644.1g、4,4’−ジアミノジフェニル
エーテル 600.7g、3,3’−ジアミノジフェニ
ルスルホン 670.2g、ビス−3−(アミノプロピ
ル)テトラメチルシロキサン 74.6gを投入し、釜
を30℃に加熱した。30分後、3,3’,4,4’−
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物 644.4
g、ピロメリット酸二無水物 641.3g、3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
294.2gを投入し、釜を58℃に加熱した。3時
間後、無水マレイン酸 11.8gを添加し、58℃で
さらに1時間加熱することにより、ポリアミック酸のN
MP溶液(B1)を得た。
【0103】カーボンブラック 4.6g、ポリアミッ
ク酸溶液(B1) 24.0g、N−メチルピロリドン
61.4gをガラスビーズ 90gとともにホモジナ
イザーを用い、7000rpmで30分間分散処理後、
ガラスビーズを濾過により除去し、カーボンブラックミ
ルベースを得た。
【0104】また、ピグメントブルー15:6 2.2
g、ポリアミック酸溶液(A1)24.0g、N−メチ
ルピロリドン 63.8gをガラスビーズ 90gとと
もにホモジナイザーを用い、7000rpmで30分間
分散処理後、ガラスビーズを濾過により除去し、青顔料
ミルベースを得た。
【0105】得られた両ミルベースを全量混合すること
により、樹脂ブラックマトリクス用ペーストを得た。
【0106】樹脂ブラックマトリクス用ぺーストを無ア
ルカリガラス基板(厚さ0.7mm)上にスピンコート
し、50℃で10分間、90℃で10分間、110℃で
20分間オーブンを用いて空気中で加熱乾燥して、膜厚
1.1μmのポリイミド前駆体着色膜を得た。この膜上
にポジ型フォトレジスト(東京応化社製OFPR−80
0)を塗布し、80℃で20分間加熱乾燥して膜厚1μ
mのレジスト膜を得た。キャノン社製紫外線露光機PL
A−501Fを用い、クロム製のフォトマスクを介し
て、波長365nmでの強度が50mJ/cm2 の紫外
線を照射した。露光後、テトラメチルアンモニウムハイ
ドロオキサイドの2.38wt%の水溶液からなる現像
液に浸漬し、フォトレジストおよびポリイミド前駆体着
色被膜の現像を同時に行った。エッチング後、不要とな
ったフォトレジスト層をメチルセロソルブアセテートで
剥離した。さらにこのようにして得られたポリイミド前
駆体着色被膜を窒素雰囲気中で300℃で30分間熱処
理し、格子状の画素部とそれらを囲む額縁部からなる膜
厚0.9μmのポリイミド着色パターン被膜を得た。 (着色層の作成)赤、緑、青の顔料として、それぞれ、
ピグメントレッド177、ピグメントグリーン36、ピ
グメントブルー15:6を用意し、ポリアミック酸溶液
(P1)と混合分散し、赤、青、緑の3種類の着色ペー
ストを得た。
【0107】得られた赤ペーストを樹脂ブラックマトリ
クス基板上にスピンコートし、50℃で10分間、90
℃で10分間、110℃で20分間オーブンを用いて空
気中で加熱乾燥して、膜厚1.2μmのポリイミド前駆
体着色膜を得た。この膜上にポジ型フォトレジスト(東
京応化社製OFPR−800)を塗布し、80℃で20
分間加熱乾燥して、膜厚1.1μmのレジスト膜を得
た。キャノン社製紫外線露光機PLA−501Fを用
い、クロム製のフォトマスクを介して、波長365nm
での強度が50mJ/cm2の紫外線を照射した。露光
後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの
2.38wt%の水溶液からなる現像液に浸漬し、フォ
トレジストおよびポリイミド前駆体着色被膜の現像を同
時に行った。エッチング後、不要となったフォトレジス
ト層をメチルセロソルブアセテートで剥離した。さら
に、このようにして得られたポリイミド前駆体着色被膜
を窒素雰囲気中で300℃で30分間熱処理し、膜厚
1.0μmのポリイミド赤色パターン被膜を得た。
【0108】その後、同様にして、緑ペースト、青ペー
ストのパターンを形成し、赤、緑、青の3原色を有する
カラーフィルターを得た。
【0109】(カラーフィルター用透明保護膜の作成)
得られたカラーフィルターにカラーフィルター用熱硬化
性樹脂溶液組成物(A1)をスピンコートし、100℃
で5分、260℃で30分加熱することにより、厚さ
1.0μmのカラーフィルター用透明保護膜とした。ま
た、押し込み硬度測定用として、無アルカリガラス基板
に厚さ8μmのカラーフィルター用透明保護膜も作成し
た。
【0110】押し込み硬度測定は、島津製作所製ダイナ
ミック超微小硬度計DUH−50を用いて、押し込み荷
重0.1gf、荷重速度2.6×10-2gf/s、荷重
時間5秒で測定する。
【0111】得られたカラーフィルター用透明保護膜層
の押し込み硬度を、上記条件で測定した結果、56.8
であった。
【0112】以上のようにして得られたカラーフィルタ
ーにおいては、着色層の実屈折率は1.72であり、カ
ラーフィルター用透明保護膜と着色層との屈折率差は、
0.05であった。
【0113】また、カラーフィルターの反射率を画素部
で膜面側から測定すると(大塚電子(株)製 MCPD
−2000、リファレンス:BK−7)、5.8%とな
った。
【0114】東京精密(製)サーフコム1500Aを用
いて、得られたカラーフィルターの表面形状を観察した
結果、高低差は0.16μm、最大傾斜角は1.7゜で
あった。 (液晶表示装置の作成)さらに、得られたカラーフィル
ターを中性洗剤で洗浄した後、ポリイミド樹脂からなる
配向膜を印刷法により塗布し、ホットプレートで250
℃、10分間加熱した。膜厚は0.07μmであった。
この後、カラーフィルター基板をラビング処理し、シー
ル剤をディスペンス法により塗布、ホットプレートで9
0℃、10分間加熱した。
【0115】一方、ガラス上にTFTアレイを形成した
基板も同様に洗浄した後、配向膜を塗布、加熱する。そ
の後、直径5.5μmの球状スペーサーを散布し、前記
カラーフィルター基板と重ね合わせ、オーブン中で加圧
しながら160℃で90分間加熱して、シール剤を硬化
させる。このセルを120℃、13.3Paで4時間、
続いて、窒素中で0.5時間放置した後に、再度真空下
において液晶注入を行った。液晶注入は、セルをチャン
バーに入れて、室温で13.3Paまで減圧した後、液
晶注入口を液晶に漬けて、窒素を用いて常圧に戻すこと
により行った。液晶注入後、紫外線硬化樹脂により、液
晶注入口を封口した。次に、偏光板をセルの2枚のガラ
ス基板の外側に貼り付け、セルを完成させた。さらに、
得られたセルをモジュール化して、横電界駆動の液晶表
示装置を完成させた。得られた液晶表示装置を観察した
結果、静電気により、均一にラビングができないことに
よる液晶配向不良、球状スペーサーの凝集、TFTの静
電破壊、カラーフィルター用透明保護膜の押し込み硬度
が小さい、屈折率が小さいことによる表示不良はないこ
とがわかった。 比較例2 比較例1のB1を用いて、得られたカラーフィルター用
透明保護膜層の押し込み硬度を、実施例2と同様に測定
した結果、58.3であった。
【0116】実施例2と同様にカラーフィルターを作成
し、同様に得られたカラーフィルターの表面形状を観察
した結果、高低差は0.16μm、最大傾斜角は1.7
゜であり、カラーフィルター用透明保護膜と着色層との
屈折率差は0.04であった。
【0117】また、カラーフィルターの反射率を測定す
ると、4.8%となった。
【0118】さらに、得られたカラーフィルターを用い
て実施例2と同様に横電界駆動のカラー液晶表示装置を
製造すると、静電気により、均一にラビングができない
ことによる液晶配向不良、球状スペーサーの凝集、TF
Tの静電破壊に基づく表示不良が観察された。 実施例3 実施例1と同様にしてカラーフィルターを作成する際
に、着色層の膜厚をすべて1.8μmとし、さらに、各
着色層の形成と同時に樹脂ブラックマトリクス上にスペ
ーサーを形成したカラーフィルターを作成した。なお、
形成したスペーサーは3原色が積層された形態をとって
いる。
【0119】実施例2と同様に得られたカラーフィルタ
ーの表面形状を観察した結果、高低差は0.16μm、
最大傾斜角は1.7゜であり、カラーフィルター用透明
保護膜と着色層との屈折率差は0.05であった。
【0120】また、カラーフィルターの反射率を測定す
ると、5.3%となった。
【0121】さらに、得られたカラーフィルターを用い
て実施例2と同様に横電界駆動のカラー液晶表示装置を
製造すると、カラーフィルター用透明保護膜の押し込み
硬度が小さい、屈折率が小さいことによる表示不良は観
察されなかったが、静電気により、均一にラビングがで
きないことによる液晶配向不良、球状スペーサーの凝
集、TFTの静電破壊による表示不良が観察された。 実施例4 固形分濃度30%のIn23メタノールゾル溶液50g
の代わりに固形分濃度30%のSnO2メタノールゾル
溶液50g用いた以外、実施例1と同様に行った。
【0122】得られた塗膜の表面は極めて平滑であり、
ピンホールなどは全く見られなかった。東京精密(製)
サーフコム1500Aによって測定した膜厚は、1μm
であった。このようにして作製した塗膜について屈折率
を測定すると、400nmの波長において1.67とな
った。また、表面抵抗は5.8×1011Ω/□であっ
た。
【0123】得られたカラーフィルター用透明保護膜層
の押し込み硬度を、実施例2と同様に測定した結果、5
7.8であった。
【0124】実施例2と同様にカラーフィルターを作成
し、同様に得られたカラーフィルターの表面形状を観察
した結果、高低差は0.16μm、最大傾斜角は1.6
゜であり、カラーフィルター用透明保護膜と着色層との
屈折率差は0.05であった。
【0125】また、カラーフィルターの反射率を測定す
ると、5.7%となった。
【0126】さらに、得られたカラーフィルターを用い
て実施例2と同様に横電界駆動のカラー液晶表示装置を
製造すると、静電気により、均一にラビングができない
ことによる液晶配向不良、球状スペーサーの凝集、TF
Tの静電破壊、カラーフィルター用透明保護膜の押し込
み硬度が小さい、屈折率が小さいことによる表示不良は
まったく観察されなかった。 実施例5 固形分濃度30%のIn23メタノールゾル溶液50g
の代わりに固形分濃度30%のアルミニウムドープ酸化
亜鉛メタノールゾル溶液50g用いた以外、実施例1と
同様に行った。
【0127】得られた塗膜の表面は極めて平滑であり、
ピンホールなどは全く見られなかった。東京精密(製)
サーフコム1500Aによって測定した膜厚は、1μm
であった。このようにして作製した塗膜について屈折率
を測定すると、400nmの波長において1.65とな
った。また、表面抵抗は7.2×1011Ω/□であっ
た。
【0128】得られたカラーフィルター用透明保護膜層
の押し込み硬度を、実施例2と同様に測定した結果、6
0.2であった。
【0129】実施例2と同様にカラーフィルターを作成
し、同様に得られたカラーフィルターの表面形状を観察
した結果、高低差は0.17μm、最大傾斜角は1.7
゜であり、カラーフィルター用透明保護膜と着色層との
屈折率差は0.07であった。
【0130】また、カラーフィルターの反射率を測定す
ると、7.0%となった。
【0131】さらに、得られたカラーフィルターを用い
て実施例2と同様に横電界駆動のカラー液晶表示装置を
製造すると、静電気により、均一にラビングができない
ことによる液晶配向不良、球状スペーサーの凝集、TF
Tの静電破壊、カラーフィルター用透明保護膜の押し込
み硬度が小さい、屈折率が小さいことによる表示不良は
まったく観察されなかった。 実施例6 固形分濃度30%のIn23メタノールゾル溶液50g
の代わりに固形分濃度30%のアンチモンドープ酸化錫
メタノールゾル溶液50g用いた以外、実施例1と同様
に行った。
【0132】得られた塗膜の表面は極めて平滑であり、
ピンホールなどは全く見られなかった。東京精密(製)
サーフコム1500Aによって測定した膜厚は、1μm
であった。このようにして作製した塗膜について屈折率
を測定すると、400nmの波長において1.68とな
った。また、表面抵抗は2.0×1011Ω/□であっ
た。
【0133】得られたカラーフィルター用透明保護膜層
の押し込み硬度を、実施例2と同様に測定した結果、5
8.5であった。
【0134】実施例2と同様にカラーフィルターを作成
し、同様に得られたカラーフィルターの表面形状を観察
した結果、高低差は0.15μm、最大傾斜角は1.5
゜であり、カラーフィルター用透明保護膜と着色層との
屈折率差は0.04であった。
【0135】また、カラーフィルターの反射率を測定す
ると、4.8%となった。
【0136】さらに、得られたカラーフィルターを用い
て実施例2と同様に横電界駆動のカラー液晶表示装置を
製造すると、静電気により、均一にラビングができない
ことによる液晶配向不良、球状スペーサーの凝集、TF
Tの静電破壊、カラーフィルター用透明保護膜の押し込
み硬度が小さい、屈折率が小さいことによる表示不良は
まったく観察されなかった。 実施例7 油化シェルエポキシ(株)製エピコート152(フェノ
ール・ノボラック型エポキシ化合物)8gと、γ−グリ
シドキシプロピルメチルジメトキシシラン3gと、固形
分濃度30%のIn23メタノールゾル溶液60gを、
3−メトキシ−3−メチルブチルアセテートに溶解し、
全固形分濃度が30%となるように調整した。実施例1
と同様に得られた塗膜の表面は極めて平滑であり、ピン
ホールなどは全く見られなかった。東京精密(製)サー
フコム1500Aによって測定した膜厚は、1μmであ
った。このようにして作製した塗膜について屈折率を測
定すると、400nmの波長において1.70となっ
た。また、表面抵抗は1.2×1010Ω/□であった。
【0137】得られたカラーフィルター用透明保護膜層
の押し込み硬度を、実施例2と同様に測定した結果、7
2.1であった。
【0138】実施例2と同様にカラーフィルターを作成
し、同様に得られたカラーフィルターの表面形状を観察
した結果、高低差は0.19μm、最大傾斜角は1.8
゜であり、カラーフィルター用透明保護膜と着色層との
屈折率差は0.02であった。
【0139】また、カラーフィルターの反射率を測定す
ると、2.3%となった。
【0140】さらに、得られたカラーフィルターを用い
て実施例2と同様に横電界駆動のカラー液晶表示装置を
製造すると、静電気により、均一にラビングができない
ことによる液晶配向不良、球状スペーサーの凝集、TF
Tの静電破壊、カラーフィルター用透明保護膜の押し込
み硬度が小さい、屈折率が小さいことによる表示不良は
まったく観察されなかった。 比較例3 実施例7と同様に油化シェルエポキシ(株)製エピコー
ト152(フェノール・ノボラック型エポキシ化合物)
5gと、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン 3gと3−メトキシ−3−メチルブチルアセテー
トに溶解し、全固形分濃度が30%となるように調整し
た。実施例1と同様に得られた塗膜の表面は極めて平滑
であり、ピンホールなどは全く見られなかった。東京精
密(製)サーフコム1500Aによって測定した膜厚
は、1μmであった。このようにして作製した塗膜につ
いて屈折率を測定すると、400nmの波長において
1.58となった。また、表面抵抗は9.3×1018Ω
/□であった。
【0141】得られたカラーフィルター用透明保護膜層
の押し込み硬度を、実施例2と同様に測定した結果、2
8.7であった。
【0142】実施例2と同様にカラーフィルターを作成
し、同様に得られたカラーフィルターの表面形状を観察
した結果、高低差は0.14μm、最大傾斜角は1.4
゜であり、カラーフィルター用透明保護膜と着色層との
屈折率差は0.14であった。
【0143】また、カラーフィルターの反射率を測定す
ると、15.8%となった。
【0144】さらに、得られたカラーフィルターを用い
て実施例2と同様に横電界駆動のカラー液晶表示装置を
製造すると、静電気により、均一にラビングができない
ことによる液晶配向不良、球状スペーサーの凝集、TF
Tの静電破壊、カラーフィルター用透明保護膜の押し込
み硬度が小さい、屈折率が小さいことによる表示不良が
観察された。 実施例8 油化シェルエポキシ(株)製エピコート152(フェノ
ール・ノボラック型エポキシ化合物)8gと、γ−グリ
シドキシプロピルメチルジメトキシシラン 3gと、固
形分濃度30%のITOメタノールゾル溶液60gを、
3−メトキシ−3−メチルブチルアセテートに溶解し、
全固形分濃度が30%となるように調整した。実施例1
と同様に得られた塗膜の表面は極めて平滑であり、ピン
ホールなどは全く見られなかった。東京精密(製)サー
フコム1500Aによって測定した膜厚は、1μmであ
った。このようにして作製した塗膜について屈折率を測
定すると、400nmの波長において1.70となっ
た。また、表面抵抗は0.3×1010Ω/□であった。
【0145】得られたカラーフィルター用透明保護膜層
の押し込み硬度を、実施例2と同様に測定した結果、7
3.2であった。
【0146】実施例2と同様にカラーフィルターを作成
し、同様に得られたカラーフィルターの表面形状を観察
した結果、高低差は0.19μm、最大傾斜角は1.7
゜であり、カラーフィルター用透明保護膜と着色層との
屈折率差は0.02であった。
【0147】また、カラーフィルターの反射率を測定す
ると、2.2%となった。
【0148】さらに、得られたカラーフィルターを用い
て実施例2と同様に横電界駆動のカラー液晶表示装置を
製造すると、静電気により、均一にラビングができない
ことによる液晶配向不良、球状スペーサーの凝集、TF
Tの静電破壊、カラーフィルター用透明保護膜の押し込
み硬度が小さい、屈折率が小さいことによる表示不良は
まったく観察されなかった。 実施例9 油化シェルエポキシ(株)製エピコート152(フェノ
ール・ノボラック型エポキシ化合物)8gと、γ−グリ
シドキシプロピルメチルジメトキシシラン 3gと、固
形分濃度30%のアルミニウムドープ酸化亜鉛メタノー
ルゾル溶液60gを、3−メトキシ−3−メチルブチル
アセテートに溶解し、全固形分濃度が30%となるよう
に調整した。実施例1と同様に得られた塗膜の表面は極
めて平滑であり、ピンホールなどは全く見られなかっ
た。東京精密(製)サーフコム1500Aによって測定
した膜厚は、1μmであった。このようにして作製した
塗膜について屈折率を測定すると、400nmの波長に
おいて1.67となった。また、表面抵抗は4.2×1
11Ω/□であった得られたカラーフィルター用透明保
護膜層の押し込み硬度を、実施例2と同様に測定した結
果、68.9であった。
【0149】実施例2と同様にカラーフィルターを作成
し、同様に得られたカラーフィルターの表面形状を観察
した結果、高低差は0.18μm、最大傾斜角は1.8
゜であり、カラーフィルター用透明保護膜と着色層との
屈折率差は0.05であった。
【0150】また、カラーフィルターの反射率を測定す
ると、5.5%となった。
【0151】さらに、得られたカラーフィルターを用い
て実施例2と同様に横電界駆動のカラー液晶表示装置を
製造すると、静電気により、均一にラビングができない
ことによる液晶配向不良、球状スペーサーの凝集、TF
Tの静電破壊、カラーフィルター用透明保護膜の押し込
み硬度が小さい、屈折率が小さいことによる表示不良は
まったく観察されなかった。 実施例10 油化シェルエポキシ(株)製エピコート152(フェノ
ール・ノボラック型エポキシ化合物)8gと、γ−グリ
シドキシプロピルメチルジメトキシシラン 3gと、固
形分濃度30%のアンチモンドープ酸化錫メタノールゾ
ル溶液60gを、3−メトキシ−3−メチルブチルアセ
テートに溶解し、全固形分濃度が30%となるように調
整した。実施例1と同様に得られた塗膜の表面は極めて
平滑であり、ピンホールなどは全く見られなかった。東
京精密(製)サーフコム1500Aによって測定した膜
厚は、1μmであった。このようにして作製した塗膜に
ついて屈折率を測定すると、400nmの波長において
1.71となった。また、表面抵抗は8.2×1011Ω
/□であった。
【0152】得られたカラーフィルター用透明保護膜層
の押し込み硬度を、実施例2と同様に測定した結果、7
1.2であった。
【0153】実施例2と同様にカラーフィルターを作成
し、同様に得られたカラーフィルターの表面形状を観察
した結果、高低差は0.19μm、最大傾斜角は1.9
゜であり、カラーフィルター用透明保護膜と着色層との
屈折率差は0.01であった。
【0154】また、カラーフィルターの反射率を測定す
ると、1.5%となった。
【0155】さらに、得られたカラーフィルターを用い
て実施例2と同様に横電界駆動のカラー液晶表示装置を
製造すると、静電気により、均一にラビングができない
ことによる液晶配向不良、球状スペーサーの凝集、TF
Tの静電破壊、カラーフィルター用透明保護膜の押し込
み硬度が小さい、屈折率が小さいことによる表示不良は
まったく観察されなかった。 実施例11 油化シェルエポキシ(株)製エピコート152(フェノ
ール・ノボラック型エポキシ化合物)8gと、γ−グリ
シドキシプロピルメチルジメトキシシラン 3gと、固
形分濃度30%のガリウムドープ酸化亜鉛メタノールゾ
ル溶液60gを、3−メトキシ−3−メチルブチルアセ
テートに溶解し、全固形分濃度が30%となるように調
整した。実施例1と同様に得られた塗膜の表面は極めて
平滑であり、ピンホールなどは全く見られなかった。東
京精密(製)サーフコム1500Aによって測定した膜
厚は、1μmであった。このようにして作製した塗膜に
ついて屈折率を測定すると、400nmの波長において
1.68となった。また、表面抵抗は8.2×1011Ω
/□であった。
【0156】得られたカラーフィルター用透明保護膜層
の押し込み硬度を、実施例2と同様に測定した結果、7
3.2であった。
【0157】実施例2と同様にカラーフィルターを作成
し、同様に得られたカラーフィルターの表面形状を観察
した結果、高低差は0.19μm、最大傾斜角は1.7
゜であり、カラーフィルター用透明保護膜と着色層との
屈折率差は0.04であった。
【0158】また、カラーフィルターの反射率を測定す
ると、4.7%となった。
【0159】さらに、得られたカラーフィルターを用い
て実施例2と同様に横電界駆動のカラー液晶表示装置を
製造すると、静電気により、均一にラビングができない
ことによる液晶配向不良、球状スペーサーの凝集、TF
Tの静電破壊、カラーフィルター用透明保護膜の押し込
み硬度が小さい、屈折率が小さいことによる表示不良は
まったく観察されなかった。 実施例12 油化シェルエポキシ(株)製エピコート152(フェノ
ール・ノボラック型エポキシ化合物)8gと、γ−グリ
シドキシプロピルメチルジメトキシシラン 3gと、イ
ンジウムアセチルアセトネート50g、錫アセチルアセ
トネート6.5g、塩酸0.8gを、3−メトキシ−3
−メチルブチルアセテートに溶解し、全固形分濃度が3
0%となるように調整した。実施例1と同様に得られた
塗膜の表面は極めて平滑であり、ピンホールなどは全く
見られなかった。東京精密(製)サーフコム1500A
によって測定した膜厚は、1μmであった。このように
して作製した塗膜について屈折率を測定すると、400
nmの波長において1.69となった。また、表面抵抗
は3.2×1010Ω/□であった。
【0160】得られたカラーフィルター用透明保護膜層
の押し込み硬度を、実施例2と同様に測定した結果、7
1.2であった。
【0161】実施例2と同様にカラーフィルターを作成
し、同様に得られたカラーフィルターの表面形状を観察
した結果、高低差は0.19μm、最大傾斜角は1.7
゜であり、カラーフィルター用透明保護膜と着色層との
屈折率差は0.03であった。
【0162】また、カラーフィルターの反射率を測定す
ると、3.1%となった。
【0163】さらに、得られたカラーフィルターを用い
て実施例2と同様に横電界駆動のカラー液晶表示装置を
製造すると、静電気により、均一にラビングができない
ことによる液晶配向不良、球状スペーサーの凝集、TF
Tの静電破壊、カラーフィルター用透明保護膜の押し込
み硬度が小さい、屈折率が小さいことによる表示不良は
まったく観察されなかった。 実施例13 実施例1で得られたA1を用いて、実施例2と同様にカ
ラーフィルター用透明保護膜上に以下の工程で透明電極
を付与した以外は実施例2と同様の手順により、液晶表
示装置を作成した。 (透明電極層の作成)スッパタリング法により、透明保
護膜上にITOを製膜したところ、膜厚が1400オン
グストロームで、表面抵抗が15Ω/□のITOが得ら
れた。
【0164】実施例2と同様にカラーフィルターを作成
し、同様に得られたカラーフィルターの表面形状を観察
した結果、高低差は0.15μm、最大傾斜角は1.7
゜であり、カラーフィルター用透明保護膜と着色層との
屈折率差は0.05であった。
【0165】また、カラーフィルターの反射率を測定す
ると、5.7%となった。
【0166】さらに、得られたカラーフィルターを用い
て実施例2と同様に縦電界駆動のカラー液晶表示装置を
製造すると、静電気により、均一にラビングができない
ことによる液晶配向不良、球状スペーサーの凝集、TF
Tの静電破壊、カラーフィルター用透明保護膜の押し込
み硬度が小さい、屈折率が小さいことによる表示不良は
まったく観察されなかった。
【0167】
【発明の効果】本発明によれば、帯電防止性に優れ、液
晶配向不良、TFTの静電破壊および球状スペーサーの
凝集などを防ぎ、平坦性、押し込み硬度および屈折率の
高いカラーフィルター用透明保護膜を提供することがで
き、もって、表示不良のない液晶表示装置、特にIPS
方式の液晶表示装置を提供することができたものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、本発明のカラーフィルターの平面図
である。
【図2】この図は、上記図1のA−A’断面図である。
【符号の説明】
1:ブラックマトリクス 2:着色層 3:開口部 4:ガラス、 5:カラーフィルター用透明保護膜 6:高低差 7:最大傾斜角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H048 BA45 BA48 BB02 BB28 BB37 BB44 2H090 HB07X HB14X HB18X LA15 MB04 2H091 FA02Y FA35Y FB03 FB13 FD06 GA06 GA13 GA16 LA07 LA16

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも遮光部となるブラックマトリク
    スと、開口部に画素を形成する3原色の着色層、およ
    び、カラーフィルター用透明保護膜から構成されるカラ
    ーフィルターであって、該カラーフィルター用透明保護
    膜が、オキセタン樹脂および導電性金属酸化物を含有す
    ることを特徴とするカラーフィルター。
  2. 【請求項2】該導電性金属酸化物が、導電性超微粒子で
    ある請求項1記載のカラーフィルター。
  3. 【請求項3】該導電性金属酸化物が、金属アルコキシド
    である請求項1記載のカラーフィルター。
  4. 【請求項4】該導電性金属酸化物が、酸化インジウム、
    酸化錫、酸化亜鉛、酸化カドニウム、酸化インジウム
    錫、五酸化アンチモンドープ酸化錫、フッ素ドープ酸化
    錫、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化
    亜鉛、カドニウムドープ酸化錫および亜鉛ドープカドニ
    ウムおよび酸化錫ドープ酸化インジウムから選ばれた少
    なくとも1種を使用することを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載のカラーフィルター。
  5. 【請求項5】該カラーフィルター用透明保護膜が、エポ
    キシ樹脂を含有するものである請求項1〜4のいずれか
    に記載のカラーフィルター。
  6. 【請求項6】該カラーフィルター用透明保護膜が、該導
    電性金属酸化物と樹脂成分の混合比率が、該樹脂成分1
    00重量部に対して該導電性金属酸化物を50〜400
    重量部混合するものであることを特徴とする請求項1〜
    5のいずれかに記載のカラーフィルター。
  7. 【請求項7】該カラーフィルター用透明保護膜の膜厚が
    1〜2μmであることを特徴とする請求項1〜6のいず
    れかに記載のカラーフィルター。
  8. 【請求項8】該カラーフィルター用透明保護膜が、押し
    込み硬度が40以上で、かつ、屈折率が1.65以上で
    あることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の
    カラーフィルター。
  9. 【請求項9】少なくとも遮光部となるブラックマトリク
    スと、開口部に画素を形成する3原色の着色層、およ
    び、該カラーフィルター用透明保護膜から構成されるカ
    ラーフィルターの該画素の長軸方向の中心部において、
    該着色層がブラックマトリクスと重なった部分と、該開
    口部のもっとも低い部分との高低差が0.20μm以下
    で、かつ、該着色層がブラックマトリクスと重なった部
    分から、開口部へ向かう傾斜の最大角度が2゜以下であ
    ることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のカ
    ラーフィルター。
  10. 【請求項10】該ブラックマトリクスが、その上の一部
    に3原色からなる着色層の積層により形成された複数個
    のドット状スペーサーを有するものであることを特徴と
    する請求項9に記載のカラーフィルター。
  11. 【請求項11】該カラーフィルター用透明保護膜が、そ
    の上に透明電極層が設けられているものであることを特
    徴とする請求項9〜10のいずれかに記載のカラーフィ
    ルター
  12. 【請求項12】該カラーフィルター用透明保護膜が、そ
    の最上層に配向膜が設けられていることを特徴とする請
    求項9〜11のいずれかに記載のカラーフィルター。
  13. 【請求項13】請求項9〜12のいずれかに記載のカラ
    ーフィルターを用いて構成されていることを特徴とする
    液晶表示装置。
  14. 【請求項14】該液晶表示装置が、薄膜トランジスタに
    より液晶を駆動するものであることを特徴とする請求項
    13記載の液晶表示装置。
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