JP2002006132A - カラーフィルター、その製造方法、および、液晶表示装置 - Google Patents
カラーフィルター、その製造方法、および、液晶表示装置Info
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- JP2002006132A JP2002006132A JP2000184270A JP2000184270A JP2002006132A JP 2002006132 A JP2002006132 A JP 2002006132A JP 2000184270 A JP2000184270 A JP 2000184270A JP 2000184270 A JP2000184270 A JP 2000184270A JP 2002006132 A JP2002006132 A JP 2002006132A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】セルギャップの均一性に優れ表示品位が良好で
あり、高視野角の液晶表示装置を提供することと、さら
に、液晶表示装置設計上の制約をなくし、高精細の液晶
表示装置を提供すること。 【解決手段】基板上に、3原色からなる着色層と、該3
原色からなる着色層の内の少なくとも2層が積層されて
なる複数個のスペーサーと、該着色層を覆い、かつ、該
スペーサー頂部および/またはその周辺を露出させるよ
うに形成され、さらに、液晶の配向方向を規制するスリ
ットを有する透明導電膜とを備えたことを特徴とするカ
ラーフィルター、および、基板上に3原色からなる着色
層を形成すると共に、該3原色からなる着色層の内の少
なくとも2層を積層して複数個のスペーサーを形成した
後、透明導電膜を形成し、次いで、該スペーサー頂部お
よび/またはその周辺の該透明導電膜の除去とスリット
形成を行うことを特徴とするカラーフィルターの製造方
法。
あり、高視野角の液晶表示装置を提供することと、さら
に、液晶表示装置設計上の制約をなくし、高精細の液晶
表示装置を提供すること。 【解決手段】基板上に、3原色からなる着色層と、該3
原色からなる着色層の内の少なくとも2層が積層されて
なる複数個のスペーサーと、該着色層を覆い、かつ、該
スペーサー頂部および/またはその周辺を露出させるよ
うに形成され、さらに、液晶の配向方向を規制するスリ
ットを有する透明導電膜とを備えたことを特徴とするカ
ラーフィルター、および、基板上に3原色からなる着色
層を形成すると共に、該3原色からなる着色層の内の少
なくとも2層を積層して複数個のスペーサーを形成した
後、透明導電膜を形成し、次いで、該スペーサー頂部お
よび/またはその周辺の該透明導電膜の除去とスリット
形成を行うことを特徴とするカラーフィルターの製造方
法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーフィルタ
ー、その製造方法、および、液晶表示装置に関するもの
であり、とくに、表示品質に優れたカラー液晶表示装置
の製造を可能とするカラーフィルター、その製造方法に
関するものである。
ー、その製造方法、および、液晶表示装置に関するもの
であり、とくに、表示品質に優れたカラー液晶表示装置
の製造を可能とするカラーフィルター、その製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来使用されている液晶表示装置は、液
晶層の厚み(セルギャップ)を保持するために、一般
に、プラスチックビーズ、ガラスビーズ、または、ガラ
ス繊維をスペーサーとして使用している。プラスチック
ビーズなどのスペーサーは気流に乗せて散布されるが、
その際、気流や静電気の影響で均一に散布されず、スペ
ーサーが凝集することがある。その場合、凝集部分の表
示品質が悪化し、また、セルギャップの正確な保持の面
でも問題となる。
晶層の厚み(セルギャップ)を保持するために、一般
に、プラスチックビーズ、ガラスビーズ、または、ガラ
ス繊維をスペーサーとして使用している。プラスチック
ビーズなどのスペーサーは気流に乗せて散布されるが、
その際、気流や静電気の影響で均一に散布されず、スペ
ーサーが凝集することがある。その場合、凝集部分の表
示品質が悪化し、また、セルギャップの正確な保持の面
でも問題となる。
【0003】この問題に対して、2色あるいは3色の着
色層を重ね合わせた構造をカラーフィルターに形成して
スペーサーとすることが提案されている。この方法は、
着色層の形成と同時にスペーサーが形成されるため、コ
スト的にもメリットが大きい。一部の表示装置を除い
て、着色層上に透明導電膜が形成されるため、着色層を
重ね合わせた構造のスペーサー上にも透明導電膜が形成
されることになる。該スペーサーをもつカラーフィルタ
ーを使用した液晶表示装置においては、カラーフィルタ
ーと対向基板の短絡を防止するため、該スペーサーの突
き当て部分の対向基板に絶縁層を配置するなど、設計に
特別の配慮が必要である。しかしながら、液晶表示装置
の高精細化要請が強く、スペーサー突き当て部分に絶縁
膜を配置するとの設計上の制約が高精細化の障害となる
ケースもでてきた。この問題に対して、特開平10−2
82332号公報においては、スペーサーとして機能す
る柱状凸部の上端面を露出させるように形成された透明
導電層を備えるカラーフィルタが提案されているが、こ
れを実現するためには、カラーフィルターの製造工程を
増加することが必要であり、好ましくない。
色層を重ね合わせた構造をカラーフィルターに形成して
スペーサーとすることが提案されている。この方法は、
着色層の形成と同時にスペーサーが形成されるため、コ
スト的にもメリットが大きい。一部の表示装置を除い
て、着色層上に透明導電膜が形成されるため、着色層を
重ね合わせた構造のスペーサー上にも透明導電膜が形成
されることになる。該スペーサーをもつカラーフィルタ
ーを使用した液晶表示装置においては、カラーフィルタ
ーと対向基板の短絡を防止するため、該スペーサーの突
き当て部分の対向基板に絶縁層を配置するなど、設計に
特別の配慮が必要である。しかしながら、液晶表示装置
の高精細化要請が強く、スペーサー突き当て部分に絶縁
膜を配置するとの設計上の制約が高精細化の障害となる
ケースもでてきた。この問題に対して、特開平10−2
82332号公報においては、スペーサーとして機能す
る柱状凸部の上端面を露出させるように形成された透明
導電層を備えるカラーフィルタが提案されているが、こ
れを実現するためには、カラーフィルターの製造工程を
増加することが必要であり、好ましくない。
【0004】一方、液晶表示装置においては、視野角が
狭いという問題がある。現在、カラー液晶表示装置の主
流である薄膜トランジスタ(TFT)方式の液晶表示装
置においては、ねじれネマチッィク(TN)型形の液晶
が広く用いられている。TN形の液晶表示装置において
は、電圧印加状態、あるいは、中間調状態で、液晶表示
装置を正面から見た場合と斜めから見た場合で液晶の配
向方向が異なり、光の透過率が変化してしまうため、表
示状態に視野角依存が生じる。この問題がTN型液晶表
示装置のもっとも大きな問題点の一つである。この問題
に対して、特開平11−258605号公報、特開平1
1−258606号公報において、垂直配向(VA)型
の液晶を利用し、分割配向を行う方法が提案されてい
る。この方法においては、分割配向を行うためにカラー
フィルター上に突起やスリットが形成されるが、これを
実現するためには、カラーフィルターの製造工程を増加
する必要があり、好ましくない。
狭いという問題がある。現在、カラー液晶表示装置の主
流である薄膜トランジスタ(TFT)方式の液晶表示装
置においては、ねじれネマチッィク(TN)型形の液晶
が広く用いられている。TN形の液晶表示装置において
は、電圧印加状態、あるいは、中間調状態で、液晶表示
装置を正面から見た場合と斜めから見た場合で液晶の配
向方向が異なり、光の透過率が変化してしまうため、表
示状態に視野角依存が生じる。この問題がTN型液晶表
示装置のもっとも大きな問題点の一つである。この問題
に対して、特開平11−258605号公報、特開平1
1−258606号公報において、垂直配向(VA)型
の液晶を利用し、分割配向を行う方法が提案されてい
る。この方法においては、分割配向を行うためにカラー
フィルター上に突起やスリットが形成されるが、これを
実現するためには、カラーフィルターの製造工程を増加
する必要があり、好ましくない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、着色
層を用いたスペーサーで精密なセルギャップ保持ができ
るとともに、該スペーサー形成基板の対向基板設計に特
別の配慮が不要であり、なおかつ、高視野角の液晶表示
装置を提供できるカラーフィルターおよび該カラーフィ
ルターの製造方法を提供することにある。
層を用いたスペーサーで精密なセルギャップ保持ができ
るとともに、該スペーサー形成基板の対向基板設計に特
別の配慮が不要であり、なおかつ、高視野角の液晶表示
装置を提供できるカラーフィルターおよび該カラーフィ
ルターの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は以下の構成からなる。 (1)基板上に、3原色からなる着色層と、ブラックマ
トリクスと該3原色からなる着色層の内の少なくとも2
層を含む複数個のスペーサーと、着色層を覆いさらに液
晶の配向方向を規制するスリットを有する透明導電膜と
を備えたことを特徴とするカラーフィルター。 (2)透明導電膜が、スペーサー頂部および/またはそ
の周辺部において露出されていることを特徴とする
(1)記載のカラーフィルター。 (3)樹脂中に遮光剤を分散した樹脂ブラックマトリク
スを備えたことを特徴とする(1)記載のカラーフィル
ター。 (4)着色層と透明導電膜の間に透明保護膜を備えたこ
とを特徴とする(1)または(2)に記載のカラーフィ
ルター。 (5)(1)〜(4)に記載のカラーフィルターを使用
したことを特徴とする液晶表示装置。 (6)基板上に3原色からなる着色層を形成すると共
に、ブラックマトリクスと該3原色からなる着色層の内
の少なくとも2層を含む複数個のスペーサーを形成した
後、透明導電膜を形成し、次いで、該スペーサー頂部お
よび/またはその周辺部の該透明導電膜の除去と液晶の
配向方向を規制するスリット形成を行うことを特徴とす
るカラーフィルターの製造方法。
め、本発明は以下の構成からなる。 (1)基板上に、3原色からなる着色層と、ブラックマ
トリクスと該3原色からなる着色層の内の少なくとも2
層を含む複数個のスペーサーと、着色層を覆いさらに液
晶の配向方向を規制するスリットを有する透明導電膜と
を備えたことを特徴とするカラーフィルター。 (2)透明導電膜が、スペーサー頂部および/またはそ
の周辺部において露出されていることを特徴とする
(1)記載のカラーフィルター。 (3)樹脂中に遮光剤を分散した樹脂ブラックマトリク
スを備えたことを特徴とする(1)記載のカラーフィル
ター。 (4)着色層と透明導電膜の間に透明保護膜を備えたこ
とを特徴とする(1)または(2)に記載のカラーフィ
ルター。 (5)(1)〜(4)に記載のカラーフィルターを使用
したことを特徴とする液晶表示装置。 (6)基板上に3原色からなる着色層を形成すると共
に、ブラックマトリクスと該3原色からなる着色層の内
の少なくとも2層を含む複数個のスペーサーを形成した
後、透明導電膜を形成し、次いで、該スペーサー頂部お
よび/またはその周辺部の該透明導電膜の除去と液晶の
配向方向を規制するスリット形成を行うことを特徴とす
るカラーフィルターの製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のカラーフィルターに用い
られる基板としては、とくに限定されるものではなく、
石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸塩ガラ
ス、表面をシリカコートしたソーダライムガラスなどの
無機ガラス類、プラスチックのフィルム、または、シー
トなどが用いられる。また、反射型液晶表示装置のカラ
ーフィルターとしては、金属板などの不透明基板を採用
することも可能である。
られる基板としては、とくに限定されるものではなく、
石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸塩ガラ
ス、表面をシリカコートしたソーダライムガラスなどの
無機ガラス類、プラスチックのフィルム、または、シー
トなどが用いられる。また、反射型液晶表示装置のカラ
ーフィルターとしては、金属板などの不透明基板を採用
することも可能である。
【0008】この透明基板上に必要に応じてブラックマ
トリクスが設けられる。ブラックマトリクスは画素間の
遮光領域であり、液晶表示装置のコントラスト向上など
の役割を果たすものであるが、微細なパターンからなる
金属薄膜またはこれら金属の部分酸化膜との積層より形
成されることが多い。金属としては、Cr、Ni、Al
などが使用される。金属薄膜の形成方法としては、スパ
ッタ法や真空蒸着法などが広く用いられている。また、
微細なパターンについては、金属薄膜上に、フォトリソ
グラフィ法によりフォトレジストのパターンを形成した
後、このレジストパターンをエッチングマスクとして金
属薄膜のエッチングを行うことにより得られる。ところ
が、金属薄膜などにより形成されたブラックマトリクス
は、真空薄膜形成法を用いるために、製造コストが高
く、カラーフィルターの価格を引き上げる原因となって
いる。さらに、ブラックマトリクス用金属薄膜として一
般的に用いられているCrは、重金属であり環境面から
好ましくない。そのため、ブラックマトリクスとして
は、遮光剤を樹脂中に分散した樹脂ブラックマトリクス
を使用することが好ましい。また、樹脂ブラックマトリ
クスは、金属ブラックマトリクスに比べて厚く、着色層
をこの上に積層してスペーサーを作ると、所定のセルギ
ャップを確保しやすい。
トリクスが設けられる。ブラックマトリクスは画素間の
遮光領域であり、液晶表示装置のコントラスト向上など
の役割を果たすものであるが、微細なパターンからなる
金属薄膜またはこれら金属の部分酸化膜との積層より形
成されることが多い。金属としては、Cr、Ni、Al
などが使用される。金属薄膜の形成方法としては、スパ
ッタ法や真空蒸着法などが広く用いられている。また、
微細なパターンについては、金属薄膜上に、フォトリソ
グラフィ法によりフォトレジストのパターンを形成した
後、このレジストパターンをエッチングマスクとして金
属薄膜のエッチングを行うことにより得られる。ところ
が、金属薄膜などにより形成されたブラックマトリクス
は、真空薄膜形成法を用いるために、製造コストが高
く、カラーフィルターの価格を引き上げる原因となって
いる。さらに、ブラックマトリクス用金属薄膜として一
般的に用いられているCrは、重金属であり環境面から
好ましくない。そのため、ブラックマトリクスとして
は、遮光剤を樹脂中に分散した樹脂ブラックマトリクス
を使用することが好ましい。また、樹脂ブラックマトリ
クスは、金属ブラックマトリクスに比べて厚く、着色層
をこの上に積層してスペーサーを作ると、所定のセルギ
ャップを確保しやすい。
【0009】樹脂ブラックマトリクスに使用される遮光
剤としては、カーボンブラックや、酸化チタン、酸化窒
化チタン、四酸化鉄などの金属酸化物粉、金属酸窒化
物、金属硫化物粉や、金属粉の他に、赤、青、緑色の顔
料混合物などを用いることができる。この中でも、とく
にカーボンブラックは、遮光性に優れており、好まし
い。遮光剤としてカーボンブラックを使用する場合、色
調を無彩色とするため、カーボンブラックの補色の顔料
を混合することが好ましい。補色用の顔料としては、青
色顔料、および、紫色顔料を、それぞれ単独で、あるい
は、両者を混合して使用することができる。遮光剤とし
て、カーボンブラックとカーボンブラックに対して補色
の顔料を用いた場合には、高い遮光性を得るために、遮
光剤中にしめるカーボンブラックの割合を、50重量%
以上にするのが好ましく、より好ましくは60重量%以
上、さらに好ましくは70重量%以上である。
剤としては、カーボンブラックや、酸化チタン、酸化窒
化チタン、四酸化鉄などの金属酸化物粉、金属酸窒化
物、金属硫化物粉や、金属粉の他に、赤、青、緑色の顔
料混合物などを用いることができる。この中でも、とく
にカーボンブラックは、遮光性に優れており、好まし
い。遮光剤としてカーボンブラックを使用する場合、色
調を無彩色とするため、カーボンブラックの補色の顔料
を混合することが好ましい。補色用の顔料としては、青
色顔料、および、紫色顔料を、それぞれ単独で、あるい
は、両者を混合して使用することができる。遮光剤とし
て、カーボンブラックとカーボンブラックに対して補色
の顔料を用いた場合には、高い遮光性を得るために、遮
光剤中にしめるカーボンブラックの割合を、50重量%
以上にするのが好ましく、より好ましくは60重量%以
上、さらに好ましくは70重量%以上である。
【0010】一方、樹脂ブラックマトリクスに使用され
る樹脂としては、塗膜の耐熱性、耐光性、耐溶剤性から
みて、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系
樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレ
フィン系樹脂を使用することが好ましい。
る樹脂としては、塗膜の耐熱性、耐光性、耐溶剤性から
みて、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系
樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレ
フィン系樹脂を使用することが好ましい。
【0011】樹脂ブラックマトリクスは、樹脂ブラック
マトリクス用黒色ペーストを基板上に塗布、乾燥後、パ
ターニングして形成される。黒色ペーストを塗布する方
法としては、デッィプ法、ロールコーター法、スピナー
法、ダイコーティング法、ワイヤーバーコーティング法
などが好適に用いられ、この後、真空乾燥機、オーブ
ン、ホットプレートなどを用いて、乾燥、加熱(セミキ
ュア)が行われる。セミキュア条件としては、使用する
樹脂、溶剤などにより異なるが、通常、40〜200℃
で1〜60分間加熱することが一般的である。このよう
にして得られた黒色ペースト被膜は、樹脂が非感光性で
ある場合には、その上にフォトレジスト膜を形成した後
に、また、樹脂が感光性である場合には、そのままか、
あるいは、酸素遮断膜を形成した後に、露光、現像を行
うことにより、パターニングを行う。その後、必要に応
じて、フォトレジスト膜、あるいは、酸素遮断膜を除去
し、その後、加熱乾燥(本キュア)する。本キュア条件
は使用する樹脂などの種類により異なるが、通常、15
0〜300℃で1〜60分間加熱することが一般的であ
る。また、これ以外にも、転写法、印刷法、電着法、イ
ンクジェット法などで、樹脂ブラックマトリクスを形成
してもよい。
マトリクス用黒色ペーストを基板上に塗布、乾燥後、パ
ターニングして形成される。黒色ペーストを塗布する方
法としては、デッィプ法、ロールコーター法、スピナー
法、ダイコーティング法、ワイヤーバーコーティング法
などが好適に用いられ、この後、真空乾燥機、オーブ
ン、ホットプレートなどを用いて、乾燥、加熱(セミキ
ュア)が行われる。セミキュア条件としては、使用する
樹脂、溶剤などにより異なるが、通常、40〜200℃
で1〜60分間加熱することが一般的である。このよう
にして得られた黒色ペースト被膜は、樹脂が非感光性で
ある場合には、その上にフォトレジスト膜を形成した後
に、また、樹脂が感光性である場合には、そのままか、
あるいは、酸素遮断膜を形成した後に、露光、現像を行
うことにより、パターニングを行う。その後、必要に応
じて、フォトレジスト膜、あるいは、酸素遮断膜を除去
し、その後、加熱乾燥(本キュア)する。本キュア条件
は使用する樹脂などの種類により異なるが、通常、15
0〜300℃で1〜60分間加熱することが一般的であ
る。また、これ以外にも、転写法、印刷法、電着法、イ
ンクジェット法などで、樹脂ブラックマトリクスを形成
してもよい。
【0012】樹脂ブラックマトリクスの膜厚は、好まし
くは0.5〜2.0μm、より好ましくは0.8〜1.
5μmである。膜厚が0.5μmよりも薄い場合には、
遮光性が不十分となり、また、膜厚が2.0μmより厚
い場合には、カラーフィルター表面の平坦性が不良とな
る。樹脂ブラックマトリクスの遮光性は、OD値(透過
率の逆数の常用対数)で表されるが、液晶表示装置の表
示品位を向上させるためには、好ましくは1.6以上で
あり、より好ましくは2.0以上である。また、樹脂ブ
ラックマトリクスの膜厚の好適な範囲を前述したが、O
D値の上限は、これとの関係で定められるものである。
くは0.5〜2.0μm、より好ましくは0.8〜1.
5μmである。膜厚が0.5μmよりも薄い場合には、
遮光性が不十分となり、また、膜厚が2.0μmより厚
い場合には、カラーフィルター表面の平坦性が不良とな
る。樹脂ブラックマトリクスの遮光性は、OD値(透過
率の逆数の常用対数)で表されるが、液晶表示装置の表
示品位を向上させるためには、好ましくは1.6以上で
あり、より好ましくは2.0以上である。また、樹脂ブ
ラックマトリクスの膜厚の好適な範囲を前述したが、O
D値の上限は、これとの関係で定められるものである。
【0013】樹脂ブラックマトリクス間には、通常、2
0〜200μm×20〜300μmの開口部が設けられ
るが、この開口部を少なくとも被覆するように3原色の
それぞれの着色層が複数配列される。すなわち、1つの
開口部は、3原色のいずれか1つの着色層により被覆さ
れ、各色の着色層が複数配列される。また、ブラックマ
トリクスとして、着色層を重ねたものを使用しても良
い。この場合、ブラックマトリクスを形成する工程を省
略することができるため、好ましい。
0〜200μm×20〜300μmの開口部が設けられ
るが、この開口部を少なくとも被覆するように3原色の
それぞれの着色層が複数配列される。すなわち、1つの
開口部は、3原色のいずれか1つの着色層により被覆さ
れ、各色の着色層が複数配列される。また、ブラックマ
トリクスとして、着色層を重ねたものを使用しても良
い。この場合、ブラックマトリクスを形成する工程を省
略することができるため、好ましい。
【0014】本発明のカラーフィルターにおける3原色
からなる着色層については、色素を樹脂中に分散したも
のを用いることができる。色素は3原色を表すために適
当なものを組み合わせて使用することができる。使用で
きる色素としては、赤、橙、黄、緑、青、紫などの顔料
や染料が挙げられるが、これらに限定されない。また、
樹脂としては、塗膜の耐熱性、耐光性、耐溶剤性からみ
て、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹
脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフ
ィン系樹脂を使用することが好ましい。着色層を形成す
る方法としては、樹脂ブラックマトリクスと同様の方法
が採用できる。基板上に第1色目の着色層のパターンを
形成した後に、同様の操作を繰り返し、第2色目、第3
色目の着色パターンを形成する。
からなる着色層については、色素を樹脂中に分散したも
のを用いることができる。色素は3原色を表すために適
当なものを組み合わせて使用することができる。使用で
きる色素としては、赤、橙、黄、緑、青、紫などの顔料
や染料が挙げられるが、これらに限定されない。また、
樹脂としては、塗膜の耐熱性、耐光性、耐溶剤性からみ
て、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹
脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフ
ィン系樹脂を使用することが好ましい。着色層を形成す
る方法としては、樹脂ブラックマトリクスと同様の方法
が採用できる。基板上に第1色目の着色層のパターンを
形成した後に、同様の操作を繰り返し、第2色目、第3
色目の着色パターンを形成する。
【0015】本発明のカラーフィルターにおいては、着
色層のパターニングと同時に、着色層の積層を行ってス
ペーサーを形成する。スペーサーは、3原色からなる着
色層の内、少なくとも2層を積層して形成される。液晶
表示装置のセルギャップが比較的大きい場合には、3層
すべてを積層する必要性が高く、狭セルギャップの場合
には、2層の重ね合わせでもよい。また、開口部上の着
色層とスペーサーを形成する着色層は、連続していて
も、また、分離されていてもよい。本発明のカラーフィ
ルターにおけるスペーサーは、着色層を積層する際に
は、対向基板への接触部の面積がスペーサー底部の面積
より小さくなるように設計することが好ましい。また、
スペーサーの形状、すなわち、スペーサーを基板と平行
な面で切断した場合の横断面の形状は、とくに限定され
ないが、円、楕円、角が丸い多角形、十字、T字、また
は、L字形が好ましい。また、複数の色層を積層してス
ペーサーを形成する場合においても、それぞれの層のス
ペーサーの形状は、とくに制限されず、任意に形状のも
のを積層してよい。
色層のパターニングと同時に、着色層の積層を行ってス
ペーサーを形成する。スペーサーは、3原色からなる着
色層の内、少なくとも2層を積層して形成される。液晶
表示装置のセルギャップが比較的大きい場合には、3層
すべてを積層する必要性が高く、狭セルギャップの場合
には、2層の重ね合わせでもよい。また、開口部上の着
色層とスペーサーを形成する着色層は、連続していて
も、また、分離されていてもよい。本発明のカラーフィ
ルターにおけるスペーサーは、着色層を積層する際に
は、対向基板への接触部の面積がスペーサー底部の面積
より小さくなるように設計することが好ましい。また、
スペーサーの形状、すなわち、スペーサーを基板と平行
な面で切断した場合の横断面の形状は、とくに限定され
ないが、円、楕円、角が丸い多角形、十字、T字、また
は、L字形が好ましい。また、複数の色層を積層してス
ペーサーを形成する場合においても、それぞれの層のス
ペーサーの形状は、とくに制限されず、任意に形状のも
のを積層してよい。
【0016】スペーサーの高さは1〜9μmが好まし
い。スペーサーの高さが1μmより低いと、十分なセル
ギャップを確保することができない。一方、9μmを越
えると、液晶表示装置のセルギャップが大きくなりすぎ
て駆動に要する電圧が高くなり好ましくない。なお、ス
ペーサーの高さとは、1個のスペーサーに着目し、カラ
ーフィルターのブラックマトリクス開口部表面と該スペ
ーサーの最上表面との距離を意味する。基板上の表示部
平坦部の高さにムラがある場合には、スペーサーの最上
表面と各ブラックマトリクス開口位置の平坦部表面との
間の距離の内、最大のものを指す。
い。スペーサーの高さが1μmより低いと、十分なセル
ギャップを確保することができない。一方、9μmを越
えると、液晶表示装置のセルギャップが大きくなりすぎ
て駆動に要する電圧が高くなり好ましくない。なお、ス
ペーサーの高さとは、1個のスペーサーに着目し、カラ
ーフィルターのブラックマトリクス開口部表面と該スペ
ーサーの最上表面との距離を意味する。基板上の表示部
平坦部の高さにムラがある場合には、スペーサーの最上
表面と各ブラックマトリクス開口位置の平坦部表面との
間の距離の内、最大のものを指す。
【0017】スペーサーによって保たれる2枚の液晶表
示装置用基板間の間隔の画面内均一性を高める点から、
画面内、および、画面外の非表示領域にスペーサーを形
成することが好ましいが、場合によっては、画面内、ま
たは、画面外のどちらか一方の非表示領域に形成しても
よい。スペーサーの1個当たりの面積や配置場所は、液
晶表示装置の構造に大きく影響される。固定されたスペ
ーサーを有するカラーフィルターにおいて1画素中の非
表示領域の面積の制約から、画面内の1個当たりのスペ
ーサー面積は、10μm 2〜1000μm2であることが
好ましい。さらに好ましくは、10μm2〜250μm2
である。ここでいうスペーサー面積とは、カラーフィル
ター上の形成されたスペーサー最頂部の面積であって、
液晶表示装置を作製した際に、対向基板に接触する部分
の面積、もしくは、対向基板上に形成されたスペーサー
に接触する部分の面積を指す。1個当たりのスペーサー
面積が10μm2より小さい場合には、精密なパターン
の形成や積層が困難になる他、液晶表示装置作製時の圧
力印加でスペーサーが破壊されることがある。一方、1
個当たりのスペーサー面積が1000μm2より大きい
場合には、スペーサーの周辺において、ラビングによる
十分な配向処理が困難になる。また、画面内のスペーサ
ーは、スペーサー部の形状にもよるが画面内の非表示領
域に完全に配置することが困難となる。一方、画面外の
スペーサーは表示領域に現れることはない。したがっ
て、画面内、および、画面外にスペーサーを有する液晶
表示装置の場合、画面外のスペーサーの1個当たりの面
積は、スペーサー形成を容易にするため、画面内のスペ
ーサーの1個当たりの面積と等しいか、もしくは、大き
いことが好ましい。画面外であって、かつ、額縁と呼ば
れる画面を取り囲む遮光部分にもスペーサーは設けるこ
とができる。また、スペーサーはカラーフィルター上に
形成されるが、カラーフィルター対向基板上のスペーサ
ー突き当て位置にスペーサーを形成して、カラーフィル
ター上のスペーサーと対向基板上のスペーサーを突き合
わせて使用することも可能である。
示装置用基板間の間隔の画面内均一性を高める点から、
画面内、および、画面外の非表示領域にスペーサーを形
成することが好ましいが、場合によっては、画面内、ま
たは、画面外のどちらか一方の非表示領域に形成しても
よい。スペーサーの1個当たりの面積や配置場所は、液
晶表示装置の構造に大きく影響される。固定されたスペ
ーサーを有するカラーフィルターにおいて1画素中の非
表示領域の面積の制約から、画面内の1個当たりのスペ
ーサー面積は、10μm 2〜1000μm2であることが
好ましい。さらに好ましくは、10μm2〜250μm2
である。ここでいうスペーサー面積とは、カラーフィル
ター上の形成されたスペーサー最頂部の面積であって、
液晶表示装置を作製した際に、対向基板に接触する部分
の面積、もしくは、対向基板上に形成されたスペーサー
に接触する部分の面積を指す。1個当たりのスペーサー
面積が10μm2より小さい場合には、精密なパターン
の形成や積層が困難になる他、液晶表示装置作製時の圧
力印加でスペーサーが破壊されることがある。一方、1
個当たりのスペーサー面積が1000μm2より大きい
場合には、スペーサーの周辺において、ラビングによる
十分な配向処理が困難になる。また、画面内のスペーサ
ーは、スペーサー部の形状にもよるが画面内の非表示領
域に完全に配置することが困難となる。一方、画面外の
スペーサーは表示領域に現れることはない。したがっ
て、画面内、および、画面外にスペーサーを有する液晶
表示装置の場合、画面外のスペーサーの1個当たりの面
積は、スペーサー形成を容易にするため、画面内のスペ
ーサーの1個当たりの面積と等しいか、もしくは、大き
いことが好ましい。画面外であって、かつ、額縁と呼ば
れる画面を取り囲む遮光部分にもスペーサーは設けるこ
とができる。また、スペーサーはカラーフィルター上に
形成されるが、カラーフィルター対向基板上のスペーサ
ー突き当て位置にスペーサーを形成して、カラーフィル
ター上のスペーサーと対向基板上のスペーサーを突き合
わせて使用することも可能である。
【0018】本発明のカラーフィルターにおいては、透
明導電膜形成前に透明保護膜を形成することが好まし
い。透明保護膜の形成は、スペーサー高さの制御、カラ
ーフィルターからの不純物しみ出しの防止、カラーフィ
ルター表面平坦化の観点から有利である。透明保護膜と
しては、アクリル樹脂、エポキシ変性のアクリル樹脂、
エポキシ樹脂、シロキサンポリマー、シリコーンポリイ
ミド、ベンゾシクロブテン樹脂などを使用することがで
きるが、平坦化特性に優れるという観点から、エポキシ
変性のアクリル樹脂や、エポキシ樹脂を使用することが
好ましく、また、不純物成分の遮断性に優れるという観
点から、シロキサンポリマー、シリコーンポリイミドを
使用することが好ましい。また、平坦化特性と不純物の
遮断性を両立させるためには、シロキサン結合を有する
エポキシ変性のアクリル樹脂、シロキサン結合を有する
エポキシ樹脂、シロキサン結合を有するベンゾシクロブ
テン樹脂を使用することが好ましい。
明導電膜形成前に透明保護膜を形成することが好まし
い。透明保護膜の形成は、スペーサー高さの制御、カラ
ーフィルターからの不純物しみ出しの防止、カラーフィ
ルター表面平坦化の観点から有利である。透明保護膜と
しては、アクリル樹脂、エポキシ変性のアクリル樹脂、
エポキシ樹脂、シロキサンポリマー、シリコーンポリイ
ミド、ベンゾシクロブテン樹脂などを使用することがで
きるが、平坦化特性に優れるという観点から、エポキシ
変性のアクリル樹脂や、エポキシ樹脂を使用することが
好ましく、また、不純物成分の遮断性に優れるという観
点から、シロキサンポリマー、シリコーンポリイミドを
使用することが好ましい。また、平坦化特性と不純物の
遮断性を両立させるためには、シロキサン結合を有する
エポキシ変性のアクリル樹脂、シロキサン結合を有する
エポキシ樹脂、シロキサン結合を有するベンゾシクロブ
テン樹脂を使用することが好ましい。
【0019】透明保護膜の厚さは0.02μmから3μ
mであることが好ましい。0.02μmよりも薄い場合
は、不純物成分の遮断性が充分でないだけでなく、平坦
化も充分でない。該透明保護膜が3μmよりも厚い場合
は、不純物成分の遮断性の点では良好であるが、該透明
保護膜が乾燥して生成したパーティクルが生産収率を低
下させたりするので好ましくない。該透明保護膜の厚さ
は、0.03μmから2μmの範囲であることがさらに
好ましく、0.04μmから1.5μmの範囲であるこ
とが最も好ましい。
mであることが好ましい。0.02μmよりも薄い場合
は、不純物成分の遮断性が充分でないだけでなく、平坦
化も充分でない。該透明保護膜が3μmよりも厚い場合
は、不純物成分の遮断性の点では良好であるが、該透明
保護膜が乾燥して生成したパーティクルが生産収率を低
下させたりするので好ましくない。該透明保護膜の厚さ
は、0.03μmから2μmの範囲であることがさらに
好ましく、0.04μmから1.5μmの範囲であるこ
とが最も好ましい。
【0020】本発明のカラーフィルターにおいては、3
原色の着色層を形成後、もしくは、透明保護膜の形成後
に透明導電膜が形成される。透明導電膜としてはITO
などの酸化物薄膜が採用され、通常0.1μm程度のI
TO膜がスパッタリング法や真空蒸着法などで作製され
るが、製法上、該透明導電膜は着色層上だけでなく、ス
ペーサー上にも形成される。ここで、着色層上の透明導
電膜とスペーサー上の透明導電膜とは連続していて電気
的に導通状態である。スペーサーは対向する基板に突き
当てられてセルギャップを確保するため、カラーフィル
ター上の透明導電膜と対向基板上の画素電極や配線との
短絡を避けるために、対向基板のスペーサー突き当て位
置には絶縁膜を配置するなど特別な配慮が必要である。
また、該絶縁膜形成領域は、基板貼り合わせ時の位置ず
れなどを考慮して、スペーサー頂部の面積より大きくし
なければならず、液晶表示装置設計上の制約となる。と
くに、電極や配線が密に配置された高精細の液晶表示装
置において、その制約の度合いは大きい。
原色の着色層を形成後、もしくは、透明保護膜の形成後
に透明導電膜が形成される。透明導電膜としてはITO
などの酸化物薄膜が採用され、通常0.1μm程度のI
TO膜がスパッタリング法や真空蒸着法などで作製され
るが、製法上、該透明導電膜は着色層上だけでなく、ス
ペーサー上にも形成される。ここで、着色層上の透明導
電膜とスペーサー上の透明導電膜とは連続していて電気
的に導通状態である。スペーサーは対向する基板に突き
当てられてセルギャップを確保するため、カラーフィル
ター上の透明導電膜と対向基板上の画素電極や配線との
短絡を避けるために、対向基板のスペーサー突き当て位
置には絶縁膜を配置するなど特別な配慮が必要である。
また、該絶縁膜形成領域は、基板貼り合わせ時の位置ず
れなどを考慮して、スペーサー頂部の面積より大きくし
なければならず、液晶表示装置設計上の制約となる。と
くに、電極や配線が密に配置された高精細の液晶表示装
置において、その制約の度合いは大きい。
【0021】本発明のカラーフィルターは、その制約を
取り除くため、スペーサー頂部および/またはその周辺
の透明導電膜を取り除いて、スペーサー頂部とその周辺
を露出させるようにしたものである。ここで、対向基板
との短絡を確実に防止するためには、頂部周辺の透明導
電膜を除去した方が好ましい。カラーフィルターと対向
基板の貼り合わせ時にスペーサーは圧縮変形させられる
が、このときスペーサー頂部周辺の透明導電膜が短絡の
原因になる他、スペーサー頂部の透明導電膜除去時の膨
潤などによってスペーサー高さに狂いが発生することを
避けるためにも、頂部周辺の透明導電膜を除去すること
が好ましい。
取り除くため、スペーサー頂部および/またはその周辺
の透明導電膜を取り除いて、スペーサー頂部とその周辺
を露出させるようにしたものである。ここで、対向基板
との短絡を確実に防止するためには、頂部周辺の透明導
電膜を除去した方が好ましい。カラーフィルターと対向
基板の貼り合わせ時にスペーサーは圧縮変形させられる
が、このときスペーサー頂部周辺の透明導電膜が短絡の
原因になる他、スペーサー頂部の透明導電膜除去時の膨
潤などによってスペーサー高さに狂いが発生することを
避けるためにも、頂部周辺の透明導電膜を除去すること
が好ましい。
【0022】ここでいうスペーサー頂部周辺とは、スペ
ーサーの最高点を取り囲む部分であって、スペーサー傾
斜部分、多段に形成されたスペーサーであれば該頂部を
囲むテラス状の部分、スペーサーが置かれている部分の
周囲などのことであり、表示に支障をきたさない範囲で
大きさを選ぶことができる。
ーサーの最高点を取り囲む部分であって、スペーサー傾
斜部分、多段に形成されたスペーサーであれば該頂部を
囲むテラス状の部分、スペーサーが置かれている部分の
周囲などのことであり、表示に支障をきたさない範囲で
大きさを選ぶことができる。
【0023】本発明のカラーフィルターにおいては、透
明導電膜に液晶配向用のスリットを設けることも特徴の
一つである。液晶表示装置の表示状態の視野角特性の問
題を解決するために、垂直配向(VA)型の液晶を利用
し、分割配向を行う方法が提案されている。この方法に
おいては、分割配向を行うためにカラーフィルター上に
突起やスリットが形成される。本発明のカラーフィルタ
ーにおいては、VA型液晶の分割配向を行うために、透
明導電膜にスリットを設けている。スリットの形状は、
とくに限定されないが、スリット幅は2〜30μmの範
囲にあることが好ましい。スリット幅が2μmより小さ
いと配向規制力が不十分となり、また、スリット内部は
表示領域として使えないため、スリット幅が30μmよ
り大きいと表示品位が低下する。また、スリットのピッ
チについてもとくに限定はないが、1画素内で分割配向
を行うために、スリットのピッチは、1画素のピッチよ
りも小さくすることが好ましい。また、本発明のカラー
フィルターを使用した液晶表示装置においては、カラー
フィルターの対向基板に、液晶の配向方向を規制する突
起、あるいは、スリットを形成してもよい。
明導電膜に液晶配向用のスリットを設けることも特徴の
一つである。液晶表示装置の表示状態の視野角特性の問
題を解決するために、垂直配向(VA)型の液晶を利用
し、分割配向を行う方法が提案されている。この方法に
おいては、分割配向を行うためにカラーフィルター上に
突起やスリットが形成される。本発明のカラーフィルタ
ーにおいては、VA型液晶の分割配向を行うために、透
明導電膜にスリットを設けている。スリットの形状は、
とくに限定されないが、スリット幅は2〜30μmの範
囲にあることが好ましい。スリット幅が2μmより小さ
いと配向規制力が不十分となり、また、スリット内部は
表示領域として使えないため、スリット幅が30μmよ
り大きいと表示品位が低下する。また、スリットのピッ
チについてもとくに限定はないが、1画素内で分割配向
を行うために、スリットのピッチは、1画素のピッチよ
りも小さくすることが好ましい。また、本発明のカラー
フィルターを使用した液晶表示装置においては、カラー
フィルターの対向基板に、液晶の配向方向を規制する突
起、あるいは、スリットを形成してもよい。
【0024】本発明のカラーフィルターの製造方法は、
基板上に3原色からなる着色層を形成すると共に、ブラ
ックマトリクスと該3原色からなる着色層の内の少なく
とも2層を積層して複数個のスペーサーを形成した後、
透明導電膜を形成し、次いで、該スペーサー頂部とその
周辺の該透明導電膜の除去とスリット形成を行うことを
特徴とするものである。
基板上に3原色からなる着色層を形成すると共に、ブラ
ックマトリクスと該3原色からなる着色層の内の少なく
とも2層を積層して複数個のスペーサーを形成した後、
透明導電膜を形成し、次いで、該スペーサー頂部とその
周辺の該透明導電膜の除去とスリット形成を行うことを
特徴とするものである。
【0025】通常のカラーフィルター製造方法は、3原
色からなる着色層を形成後、透明導電膜を形成するもの
であるが、本発明のカラーフィルター製造方法において
は、その工程に透明導電膜のパターン加工を付け加える
だけで、1)着色層を重ね合わせた構造のスペーサーで
精密なセルギャップ保持ができる、2)該スペーサーの
頂部および/またはその周辺の透明導電膜を除去するこ
とにより、対向基板設計に導通対策などの特別の配慮が
不要となる、3)液晶の配向方向を規制するスリットを
形成することにより、高視野角の液晶表示装置を提供で
きる、という3つの利点が得られ、カラーフィルターの
製造工程が増加するコスト増に十分に見合う効果が得る
ことができる。
色からなる着色層を形成後、透明導電膜を形成するもの
であるが、本発明のカラーフィルター製造方法において
は、その工程に透明導電膜のパターン加工を付け加える
だけで、1)着色層を重ね合わせた構造のスペーサーで
精密なセルギャップ保持ができる、2)該スペーサーの
頂部および/またはその周辺の透明導電膜を除去するこ
とにより、対向基板設計に導通対策などの特別の配慮が
不要となる、3)液晶の配向方向を規制するスリットを
形成することにより、高視野角の液晶表示装置を提供で
きる、という3つの利点が得られ、カラーフィルターの
製造工程が増加するコスト増に十分に見合う効果が得る
ことができる。
【0026】本発明のカラーフィルターの製造方法にお
いては、フォトリソグラフィー法などにより、スペーサ
ー頂部および/またはその周辺の該透明導電膜の除去と
スリット形成を行う。ここでいうフォトリソグラフィー
法とは、透明導電膜上に感光性レジスト層を形成し、所
定のフォトマスクを介して露光した後、感光性レジスト
の現像を行い、現像により露出した透明導電膜をエッチ
ングにより除去し、その後、感光性レジスト層を剥離す
る工程のことである。また、レーザー光によって透明導
電膜を選択的に除去することも可能である。
いては、フォトリソグラフィー法などにより、スペーサ
ー頂部および/またはその周辺の該透明導電膜の除去と
スリット形成を行う。ここでいうフォトリソグラフィー
法とは、透明導電膜上に感光性レジスト層を形成し、所
定のフォトマスクを介して露光した後、感光性レジスト
の現像を行い、現像により露出した透明導電膜をエッチ
ングにより除去し、その後、感光性レジスト層を剥離す
る工程のことである。また、レーザー光によって透明導
電膜を選択的に除去することも可能である。
【0027】感光性レジストとしては、とくに限定され
ることなく、ネガ型、ポジ型いずれのものを使用しても
よい。また、露光量、現像液、エッチング液、剥離液に
ついては、使用する感光性レジストに合わせて適宜選択
することができる。
ることなく、ネガ型、ポジ型いずれのものを使用しても
よい。また、露光量、現像液、エッチング液、剥離液に
ついては、使用する感光性レジストに合わせて適宜選択
することができる。
【0028】本発明のカラーフィルターの製造方法を図
1を用いて以下に説明するが、本発明はこれに限定され
るものでない。無アルカリガラス1の上に黒色ペースト
を用いて、ブラックマトリクス2を形成する。ブラック
マトリクス2の開口部を埋めるように青着色層3を形成
し、同時にブラックマトリクス2上のスペーサー形成位
置に青着色層4を配置する。同様にして、赤着色層をブ
ラックマトリクス2の開口部5とスペーサー形成位置6
に形成し、次いで、緑着色層をブラックマトリクス2の
開口部7とスペーサー形成位置8に形成する。次に、透
明保護膜9を形成し、さらに透明導電膜10を積層す
る。その後、透明導電膜上にポジ型感光性レジスト層を
形成し、露光、現像後、透明導電膜をエッチングし、ス
ペーサー頂部および/またはその周辺の透明導電膜の除
去とスリット形成を行う。その後、感光性レジスト層を
剥離して、本発明のカラーフィルターが完成する。
1を用いて以下に説明するが、本発明はこれに限定され
るものでない。無アルカリガラス1の上に黒色ペースト
を用いて、ブラックマトリクス2を形成する。ブラック
マトリクス2の開口部を埋めるように青着色層3を形成
し、同時にブラックマトリクス2上のスペーサー形成位
置に青着色層4を配置する。同様にして、赤着色層をブ
ラックマトリクス2の開口部5とスペーサー形成位置6
に形成し、次いで、緑着色層をブラックマトリクス2の
開口部7とスペーサー形成位置8に形成する。次に、透
明保護膜9を形成し、さらに透明導電膜10を積層す
る。その後、透明導電膜上にポジ型感光性レジスト層を
形成し、露光、現像後、透明導電膜をエッチングし、ス
ペーサー頂部および/またはその周辺の透明導電膜の除
去とスリット形成を行う。その後、感光性レジスト層を
剥離して、本発明のカラーフィルターが完成する。
【0029】本発明のカラーフィルター、および、その
製造方法は、基板上にTFTなどの駆動素子や信号配線
を配置したアレイ基板上にカラーフィルターを形成した
カラーフィルターオンアレイについても有効である。本
発明のカラーフィルターは、パソコン、ワードプロセッ
サー、エンジニアリング・ワークステーション、ナビゲ
ーションシステム、液晶テレビなどの液晶表示装置に好
適に使用することができる。
製造方法は、基板上にTFTなどの駆動素子や信号配線
を配置したアレイ基板上にカラーフィルターを形成した
カラーフィルターオンアレイについても有効である。本
発明のカラーフィルターは、パソコン、ワードプロセッ
サー、エンジニアリング・ワークステーション、ナビゲ
ーションシステム、液晶テレビなどの液晶表示装置に好
適に使用することができる。
【0030】
【実施例】以下に、実施例により、本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。 実施例1 以下の工程によりカラーフィルターを作製した。 (樹脂ブラックマトリクス層の作製)温度計、乾燥窒素
導入口、温水・冷却水による加熱・冷却装置、および、
攪拌装置を付した20Lの反応釜に、γ−ブチロラクト
ン 16644.1g、4,4’−ジアミノジフェニル
エーテル 600.7g、3,3’−ジアミノジフェニ
ルスルホン 670.2g、ビス−3−(アミノプロピ
ル)テトラメチルシロキサン 74.6gを投入し、釜
を30℃に加熱した。30分後、3,3’,4,4’−
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物 644.4
g、ピロメリット酸二無水物 641.3g、3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
294.2gを投入し、釜を58℃に加熱した。3時
間後、無水マレイン酸 11.8gを添加し、58℃で
さらに1時間加熱することにより、ポリアミック酸のN
MP溶液(a1)を得た。
的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。 実施例1 以下の工程によりカラーフィルターを作製した。 (樹脂ブラックマトリクス層の作製)温度計、乾燥窒素
導入口、温水・冷却水による加熱・冷却装置、および、
攪拌装置を付した20Lの反応釜に、γ−ブチロラクト
ン 16644.1g、4,4’−ジアミノジフェニル
エーテル 600.7g、3,3’−ジアミノジフェニ
ルスルホン 670.2g、ビス−3−(アミノプロピ
ル)テトラメチルシロキサン 74.6gを投入し、釜
を30℃に加熱した。30分後、3,3’,4,4’−
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物 644.4
g、ピロメリット酸二無水物 641.3g、3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
294.2gを投入し、釜を58℃に加熱した。3時
間後、無水マレイン酸 11.8gを添加し、58℃で
さらに1時間加熱することにより、ポリアミック酸のN
MP溶液(a1)を得た。
【0031】カーボンブラック 4.6g、ポリアミッ
ク酸溶液(a1) 24.0g、N−メチルピロリドン
61.4gをガラスビーズ 90gとともにホモジナ
イザーを用い、7000rpmで30分間分散処理後、
ガラスビーズを濾過により除去し、カーボンブラックミ
ルベースを得た。
ク酸溶液(a1) 24.0g、N−メチルピロリドン
61.4gをガラスビーズ 90gとともにホモジナ
イザーを用い、7000rpmで30分間分散処理後、
ガラスビーズを濾過により除去し、カーボンブラックミ
ルベースを得た。
【0032】また、ピグメントブルー15:6 2.2
g、ポリアミック酸溶液(a1)24.0g、N−メチ
ルピロリドン 63.8gをガラスビーズ 90gとと
もにホモジナイザーを用い、7000rpmで30分間
分散処理後、ガラスビーズを濾過により除去し、青顔料
ミルベースを得た。得られた両ミルベースを全量混合す
ることにより、樹脂ブラックマトリクス用ペーストを得
た。
g、ポリアミック酸溶液(a1)24.0g、N−メチ
ルピロリドン 63.8gをガラスビーズ 90gとと
もにホモジナイザーを用い、7000rpmで30分間
分散処理後、ガラスビーズを濾過により除去し、青顔料
ミルベースを得た。得られた両ミルベースを全量混合す
ることにより、樹脂ブラックマトリクス用ペーストを得
た。
【0033】樹脂ブラックマトリクス用ぺーストを無ア
ルカリガラス基板(厚さ0.7mm)上にスピンコート
し、50℃で10分間、90℃で10分間、110℃で
20分間オーブンを用いて空気中で加熱乾燥して、膜厚
1.3μmのポリイミド前駆体着色膜を得た。この膜上
にポジ型フォトレジスト(東京応化社製OFPR−80
0)を塗布し、80℃で20分間加熱乾燥して膜厚1μ
mのレジスト膜を得た。キヤノン(株)製紫外線露光機
PLA−501Fを用い、クロム製のフォトマスクを介
して、波長365nmでの強度が50mJ/cm2の紫
外線を照射した。露光後、テトラメチルアンモニウムハ
イドロオキサイドの2.38wt%の水溶液からなる現
像液に浸漬し、フォトレジストおよびポリイミド前駆体
着色被膜の現像を同時に行った。エッチング後、不要と
なったフォトレジスト層をメチルセロソルブアセテート
で剥離した。さらにこのようにして得られたポリイミド
前駆体着色被膜を窒素雰囲気中で300℃で30分間熱
処理し、膜厚1.0μmのポリイミド着色パターン被膜
を得た。
ルカリガラス基板(厚さ0.7mm)上にスピンコート
し、50℃で10分間、90℃で10分間、110℃で
20分間オーブンを用いて空気中で加熱乾燥して、膜厚
1.3μmのポリイミド前駆体着色膜を得た。この膜上
にポジ型フォトレジスト(東京応化社製OFPR−80
0)を塗布し、80℃で20分間加熱乾燥して膜厚1μ
mのレジスト膜を得た。キヤノン(株)製紫外線露光機
PLA−501Fを用い、クロム製のフォトマスクを介
して、波長365nmでの強度が50mJ/cm2の紫
外線を照射した。露光後、テトラメチルアンモニウムハ
イドロオキサイドの2.38wt%の水溶液からなる現
像液に浸漬し、フォトレジストおよびポリイミド前駆体
着色被膜の現像を同時に行った。エッチング後、不要と
なったフォトレジスト層をメチルセロソルブアセテート
で剥離した。さらにこのようにして得られたポリイミド
前駆体着色被膜を窒素雰囲気中で300℃で30分間熱
処理し、膜厚1.0μmのポリイミド着色パターン被膜
を得た。
【0034】(着色層の作製)次に、赤、緑、青の顔料
として、それぞれ、ピグメントレッド177、ピグメン
トグリーン36、ピグメントブルー15:6を用意し、
ポリアミック酸溶液(a1)と混合分散し、赤、青、緑
の3種類の着色ペーストを得た。
として、それぞれ、ピグメントレッド177、ピグメン
トグリーン36、ピグメントブルー15:6を用意し、
ポリアミック酸溶液(a1)と混合分散し、赤、青、緑
の3種類の着色ペーストを得た。
【0035】得られた青赤ペーストを樹脂ブラックマト
リクス基板上にスピンコートし、50℃で10分間、9
0℃で10分間、110℃で20分間オーブンを用いて
空気中で加熱乾燥して、膜厚2.3μmのポリイミド前
駆体着色膜を得た。この膜上にポジ型フォトレジスト
(東京応化社製OFPR−800)を塗布し、80℃で
20分間加熱乾燥して膜厚1.1μmのレジスト膜を得
た。キヤノン(株)製紫外線露光機PLA−501Fを
用い、クロム製のフォトマスクを介して、波長365n
mでの強度が50mJ/cm2の紫外線を照射した。露
光後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの
2.38wt%の水溶液からなる現像液に浸漬し、フォ
トレジストおよびポリイミド前駆体着色被膜の現像を同
時に行った。エッチング後、不要となったフォトレジス
ト層をメチルセロソルブアセテートで剥離した。さら
に、このようにして得られたポリイミド前駆体着色被膜
を窒素雰囲気中で300℃で30分間熱処理し、膜厚
2.0μmのポリイミド青色パターン被膜を得た。青画
素の形成と同時に樹脂ブラックマトリクス上のスペーサ
ーの1段目を形成した。なお、スペーサーのサイズは2
0μm角とした。
リクス基板上にスピンコートし、50℃で10分間、9
0℃で10分間、110℃で20分間オーブンを用いて
空気中で加熱乾燥して、膜厚2.3μmのポリイミド前
駆体着色膜を得た。この膜上にポジ型フォトレジスト
(東京応化社製OFPR−800)を塗布し、80℃で
20分間加熱乾燥して膜厚1.1μmのレジスト膜を得
た。キヤノン(株)製紫外線露光機PLA−501Fを
用い、クロム製のフォトマスクを介して、波長365n
mでの強度が50mJ/cm2の紫外線を照射した。露
光後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの
2.38wt%の水溶液からなる現像液に浸漬し、フォ
トレジストおよびポリイミド前駆体着色被膜の現像を同
時に行った。エッチング後、不要となったフォトレジス
ト層をメチルセロソルブアセテートで剥離した。さら
に、このようにして得られたポリイミド前駆体着色被膜
を窒素雰囲気中で300℃で30分間熱処理し、膜厚
2.0μmのポリイミド青色パターン被膜を得た。青画
素の形成と同時に樹脂ブラックマトリクス上のスペーサ
ーの1段目を形成した。なお、スペーサーのサイズは2
0μm角とした。
【0036】その後、同様にして、緑ペースト、赤ペー
ストのパターンを形成し、赤、緑、青の3原色を有する
カラーフィルターを得た。このとき、緑画素の形成とと
もに樹脂ブラックマトリクス上にスペーサーの2段目を
形成し、赤画素の形成と同時に樹脂ブラックマトリクス
上にスペーサーの3段目を形成した。緑着色層、赤着色
層の膜厚は両者とも2μmとし、緑のスペーサーサイズ
は20μm角、赤のスペーサーサイズは15μm角とし
た。
ストのパターンを形成し、赤、緑、青の3原色を有する
カラーフィルターを得た。このとき、緑画素の形成とと
もに樹脂ブラックマトリクス上にスペーサーの2段目を
形成し、赤画素の形成と同時に樹脂ブラックマトリクス
上にスペーサーの3段目を形成した。緑着色層、赤着色
層の膜厚は両者とも2μmとし、緑のスペーサーサイズ
は20μm角、赤のスペーサーサイズは15μm角とし
た。
【0037】(透明保護膜層の作製)トリメリット酸
65.05gをγ−ブチロラクトン 280gに溶解し
た後に、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 7
4.95gを添加し、120℃で2時間加熱することに
より、溶液(a2)を得た。溶液(a2) 13.39
gと、ビスフェノールA型エポキシ化合物(エポキシ当
量180〜190) 3.03gと、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル3.03gとを混合して、室温
(約23℃)で、2時間攪拌することにより、樹脂溶液
組成物(a3)を得た。樹脂溶液組成物(a3)を前記
カラーフィルターにスピンコートし、100℃で5分、
260℃で30分加熱することにより、厚さ0.5μm
の透明保護膜とした。
65.05gをγ−ブチロラクトン 280gに溶解し
た後に、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 7
4.95gを添加し、120℃で2時間加熱することに
より、溶液(a2)を得た。溶液(a2) 13.39
gと、ビスフェノールA型エポキシ化合物(エポキシ当
量180〜190) 3.03gと、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル3.03gとを混合して、室温
(約23℃)で、2時間攪拌することにより、樹脂溶液
組成物(a3)を得た。樹脂溶液組成物(a3)を前記
カラーフィルターにスピンコートし、100℃で5分、
260℃で30分加熱することにより、厚さ0.5μm
の透明保護膜とした。
【0038】(透明導電膜層の作製)スパッタリング法
により、透明保護膜上にITOを製膜した。膜厚が14
00オングストロームで、表面抵抗が15Ω/□のIT
O層が得られた。このITO層上にポジ型フォトレジス
ト(東京応化社製OFPR−800)を塗布し、80℃
で20分間加熱乾燥して膜厚1μmのレジスト膜を得
た。キヤノン(株)製紫外線露光機PLA−501Fを
用い、クロム製のフォトマスクを介して、波長365n
mでの強度が50mJ/cm2の紫外線を照射した。露
光後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの
2.38wt%の水溶液からなる現像液に浸漬し、フォ
トレジストの現像を行った。その後、露出したITOを
塩酸/塩化第2鉄水溶液でエッチングを行い、次いで、
不要となったフォトレジスト層を水酸化ナトリウム水溶
液で剥離した。これにより、スペーサー頂部とその周辺
のITOの除去と、液晶の配向方向を規制するスリット
を作製した。
により、透明保護膜上にITOを製膜した。膜厚が14
00オングストロームで、表面抵抗が15Ω/□のIT
O層が得られた。このITO層上にポジ型フォトレジス
ト(東京応化社製OFPR−800)を塗布し、80℃
で20分間加熱乾燥して膜厚1μmのレジスト膜を得
た。キヤノン(株)製紫外線露光機PLA−501Fを
用い、クロム製のフォトマスクを介して、波長365n
mでの強度が50mJ/cm2の紫外線を照射した。露
光後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの
2.38wt%の水溶液からなる現像液に浸漬し、フォ
トレジストの現像を行った。その後、露出したITOを
塩酸/塩化第2鉄水溶液でエッチングを行い、次いで、
不要となったフォトレジスト層を水酸化ナトリウム水溶
液で剥離した。これにより、スペーサー頂部とその周辺
のITOの除去と、液晶の配向方向を規制するスリット
を作製した。
【0039】以上の工程により、図1に示す構造のカラ
ーフィルターを作製した。得られたカラーフィルターに
おけるスペーサー高さ(着色層1層の上に設けられたブ
ラックマトリクス開口部のITO膜の表面からスペーサ
ー頂部までの高さ)は、4.5μmであった。また、樹
脂ブラックマトリクス上のスペーサー底部の面積は40
0μm2、対向基板に接触するスペーサー頂部の面積は
225μm2であった。
ーフィルターを作製した。得られたカラーフィルターに
おけるスペーサー高さ(着色層1層の上に設けられたブ
ラックマトリクス開口部のITO膜の表面からスペーサ
ー頂部までの高さ)は、4.5μmであった。また、樹
脂ブラックマトリクス上のスペーサー底部の面積は40
0μm2、対向基板に接触するスペーサー頂部の面積は
225μm2であった。
【0040】(液晶表示装置の作製)得られたカラーフ
ィルターに垂直配向膜を設けた後、エポキシ樹脂系シー
ル剤を用いてTFTアレイ基板と貼り合わせた。次い
で、VA型液晶をカラーフィルターとTFTアレイ基板
の間に注入した。その後、液晶注入口を紫外線硬化樹脂
で封止した。得られた液晶表示装置においては、表示部
全体にわたって均一なセルギャップが保持されているた
め、ムラなどのない良好な表示品質が得られた。また、
カラーフィルターの透明導電層とTFTアレイ基板上の
導通などの発生もなかった。さらに、斜めからみても表
示色の変化がほとんどなく、表示の視野角依存性が低か
った。
ィルターに垂直配向膜を設けた後、エポキシ樹脂系シー
ル剤を用いてTFTアレイ基板と貼り合わせた。次い
で、VA型液晶をカラーフィルターとTFTアレイ基板
の間に注入した。その後、液晶注入口を紫外線硬化樹脂
で封止した。得られた液晶表示装置においては、表示部
全体にわたって均一なセルギャップが保持されているた
め、ムラなどのない良好な表示品質が得られた。また、
カラーフィルターの透明導電層とTFTアレイ基板上の
導通などの発生もなかった。さらに、斜めからみても表
示色の変化がほとんどなく、表示の視野角依存性が低か
った。
【0041】
【発明の効果】本発明においては、着色層を重ね合わせ
た構造のスペーサーで精密なセルギャップ保持ができる
とともに、該スペーサー頂部および/またはその周辺の
透明導電層を除去したため、対向基板設計に特別の配慮
が不要であり、なおかつ、透明導電層に設けたスリット
による液晶配向方向の規制により高視野角の液晶表示装
置を提供できるカラーフィルター、および、該カラーフ
ィルターの製造方法を提供するができる。
た構造のスペーサーで精密なセルギャップ保持ができる
とともに、該スペーサー頂部および/またはその周辺の
透明導電層を除去したため、対向基板設計に特別の配慮
が不要であり、なおかつ、透明導電層に設けたスリット
による液晶配向方向の規制により高視野角の液晶表示装
置を提供できるカラーフィルター、および、該カラーフ
ィルターの製造方法を提供するができる。
【図1】本発明のカラーフィルター基板の断面図の一例
である。
である。
1:ガラス基板 2:ブラックマトリクス 3、4、5、6、7、8:着色層 9:透明保護膜 10:透明導電層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H048 BA11 BA47 BA48 BB01 BB02 BB03 BB07 BB08 BB37 BB44 2H089 LA09 LA11 LA12 MA03X NA08 NA12 NA15 QA12 QA14 TA02 TA12 2H091 FA02Y FA35Y FB02 GA03 GA08 GA16 LA15 LA18 2H092 GA13 JA24 NA04 NA29 PA03 PA08 PA09
Claims (6)
- 【請求項1】 基板上に、3原色からなる着色層と、ブ
ラックマトリクスと該3原色からなる着色層の内の少な
くとも2層を含む複数個のスペーサーと、着色層を覆い
さらに液晶の配向方向を規制するスリットを有する透明
導電膜とを備えたことを特徴とするカラーフィルター。 - 【請求項2】 透明導電膜が、スペーサー頂部および/
またはその周辺部において露出されていることを特徴と
する請求項1記載のカラーフィルター。 - 【請求項3】 樹脂中に遮光剤を分散した樹脂ブラック
マトリクスを備えたことを特徴とする請求項1記載のカ
ラーフィルター。 - 【請求項4】 着色層と透明導電膜の間に透明保護膜を
備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のカラ
ーフィルター。 - 【請求項5】 請求項1〜4に記載のカラーフィルター
を使用したことを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項6】 基板上に3原色からなる着色層を形成す
ると共に、ブラックマトリクスと該3原色からなる着色
層の内の少なくとも2層を含む複数個のスペーサーを形
成した後、透明導電膜を形成し、次いで、該スペーサー
頂部および/またはその周辺部の該透明導電膜の除去と
液晶の配向方向を規制するスリット形成を行うことを特
徴とするカラーフィルターの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000184270A JP2002006132A (ja) | 2000-06-20 | 2000-06-20 | カラーフィルター、その製造方法、および、液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000184270A JP2002006132A (ja) | 2000-06-20 | 2000-06-20 | カラーフィルター、その製造方法、および、液晶表示装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002006132A true JP2002006132A (ja) | 2002-01-09 |
JP2002006132A5 JP2002006132A5 (ja) | 2007-08-02 |
Family
ID=18684734
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000184270A Pending JP2002006132A (ja) | 2000-06-20 | 2000-06-20 | カラーフィルター、その製造方法、および、液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002006132A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006308856A (ja) * | 2005-04-28 | 2006-11-09 | Toppan Printing Co Ltd | カラーフィルタ基板 |
JP2008026587A (ja) * | 2006-07-21 | 2008-02-07 | Dainippon Printing Co Ltd | カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、およびこれを用いた液晶表示装置 |
JP2009122644A (ja) * | 2007-10-23 | 2009-06-04 | Toshiba Matsushita Display Technology Co Ltd | 液晶表示パネル |
JP2010102002A (ja) * | 2008-10-22 | 2010-05-06 | Toppan Printing Co Ltd | カラーフィルタ及びカラーフィルタの製造方法、これを用いた液晶表示装置 |
JP2010282049A (ja) * | 2009-06-05 | 2010-12-16 | Toppan Printing Co Ltd | 緑色感光性着色組成物及びそれを用いたカラーフィルタ |
US8212975B2 (en) | 2009-07-06 | 2012-07-03 | Hitachi Displays, Ltd. | Liquid crystal display device |
JP2012159758A (ja) * | 2011-02-02 | 2012-08-23 | Dainippon Printing Co Ltd | アレイ基板及びそれを用いた液晶表示装置 |
CN103592798A (zh) * | 2013-11-18 | 2014-02-19 | 京东方科技集团股份有限公司 | 一种具有设定高度的隔垫物及其制作方法 |
US9645427B2 (en) | 2013-03-13 | 2017-05-09 | Samsung Display Co., Ltd. | Liquid crystal display comprising a plurality of microcavities filled with liquid crystal molecules and a light blocking layer that fills a contact hole |
CN114791681A (zh) * | 2022-04-27 | 2022-07-26 | 广州华星光电半导体显示技术有限公司 | 显示面板及其制备方法、显示装置 |
-
2000
- 2000-06-20 JP JP2000184270A patent/JP2002006132A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006308856A (ja) * | 2005-04-28 | 2006-11-09 | Toppan Printing Co Ltd | カラーフィルタ基板 |
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JP2010102002A (ja) * | 2008-10-22 | 2010-05-06 | Toppan Printing Co Ltd | カラーフィルタ及びカラーフィルタの製造方法、これを用いた液晶表示装置 |
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US8212975B2 (en) | 2009-07-06 | 2012-07-03 | Hitachi Displays, Ltd. | Liquid crystal display device |
JP2012159758A (ja) * | 2011-02-02 | 2012-08-23 | Dainippon Printing Co Ltd | アレイ基板及びそれを用いた液晶表示装置 |
US9645427B2 (en) | 2013-03-13 | 2017-05-09 | Samsung Display Co., Ltd. | Liquid crystal display comprising a plurality of microcavities filled with liquid crystal molecules and a light blocking layer that fills a contact hole |
CN103592798A (zh) * | 2013-11-18 | 2014-02-19 | 京东方科技集团股份有限公司 | 一种具有设定高度的隔垫物及其制作方法 |
CN103592798B (zh) * | 2013-11-18 | 2016-01-13 | 京东方科技集团股份有限公司 | 一种具有设定高度的隔垫物及其制作方法 |
CN114791681A (zh) * | 2022-04-27 | 2022-07-26 | 广州华星光电半导体显示技术有限公司 | 显示面板及其制备方法、显示装置 |
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