JP2008026492A - 反射防止フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】近赤外線吸収性能と反射防止性能を有し、かつ耐擦傷性及び帯電防止性に優れる上、層構成が簡単でコストが低く、特にPDP用として好適なウエットプロセス法による反射防止フィルムを提供する。
【解決手段】基材フィルムの一方の面に、(A)活性エネルギー線照射による硬化樹脂と近赤外線吸収剤を含む厚さ2〜20μmのハードコート層、及び(B)活性エネルギー線照射による硬化樹脂を含む、屈折率が1.43以下の厚さ50〜200nmの低屈折率層が順次積層されてなる反射防止フィルムであって、前記の(A)層及び/又は(B)層がイオン性液体を含み、かつ少なくとも波長800〜1200nmの全領域における分光透過率が30%以下の反射防止フィルムである。
【選択図】なし

Description

本発明は反射防止フィルム、さらに詳しくは、近赤外線吸収性能と反射防止性能を有し、かつ耐擦傷性及び帯電防止性に優れる上、層構成が簡単でコストが低く、特にプラズマディスプレイ用として好適な反射防止フィルムに関するものである。
プラズマディスプレイ(PDP)、ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)などの画像表示装置においては、画面に外部から光が入射し、この光が反射して表示画像を見難くすることがあり、特に近年、ディスプレイの大型化に伴い、上記問題を解決することが、ますます重要な課題となってきている。
このような問題を解決するために、これまで種々のディスプレイに対して、様々な反射防止処置や防眩処置がとられている。その一つとして反射防止フィルムを各種のディスプレイに使用することが行われている。
この反射防止フィルムは、従来、蒸着やスパッタリングなどのドライプロセス法により、基材フィルム上に、低屈折率の物質(MgF2)を薄膜化する方法や、屈折率の高い物質[ITO(錫ドープ酸化インジウム)、TiO2など]と屈折率の低い物質(MgF2、SiO2など)を交互に積層する方法などで作製されている。しかしながら、このようなドライプロセス法で作製された反射防止フィルムは、製造コストが高くつくのを免れないという問題があった。
そこで、近年、ウエットプロセス法、すなわちコーティングにより反射防止フィルムを作製することが試みられている。しかしながら、このウエットプロセス法により作製された反射防止フィルムにおいては、前記のドライプロセス法による反射防止フィルムに比べて、表面の耐擦傷性に劣るという問題が生じる。
そこで、ウエットプロセス法における前記問題を解決するために、電離放射線硬化型樹脂組成物を用いて硬化層(ハードコート層)を形成することが行われている。例えば基材フィルム上に、(1)電離放射線による硬化樹脂を含む厚さ2〜20μmのハードコート層、電離放射線による硬化樹脂と、アンチモンドープ酸化錫を含む少なくとも2種の金属酸化物を含み、屈折率が1.65〜1.80の範囲にある厚さ60〜160nmの高屈折率層、及びシロキサン系ポリマーを含み、屈折率が1.37〜1.47の範囲にある厚さ80〜180nmの低屈折率層を順次積層してなる光学用フィルム(例えば、特許文献1参照)、(2)金属酸化物と、熱又は電離放射線による硬化物とを含む厚さ2〜20μmのハードコート層、及び多孔性シリカとポリシロキサン系ポリマーとを含み、屈折率が1.30〜1.45の範囲にある厚さ40〜200nmの低屈折率層を順次積層してなる光学用フィルム(例えば、特許文献2参照)などが開示されている。
これらの光学用フィルムは、画像表示素子の表面の光の反射を効果的に防止すると共に、耐擦傷性に優れる反射防止フィルムである。
ところで、PDPは、電極間のプラズマ放電により封入されているキセノンガスの分子を励起し、発生する紫外線で蛍光物質を励起し、可視光領域の光を発光させ映像を表示する装置である。このPDPにおいては、発光は、プラズマ放電を利用していることから、周波数帯域が30〜130MHz程度の不要な電磁波が外部に漏洩するため、他の機器(例えば情報処理装置など)へ悪影響を与えないように、電磁波を極力抑制することが要求される。
また、PDPにおいては、近赤外線を発することが知られている。この近赤外線は、コードレスホン、近赤外線リモートコントロール装置を使用するビデオデッキなど、周辺にある電子機器に作用し、正常な動作を阻害するおそれがあり、この近赤外線を極力遮断することが要求される。
さらに、PDPにおいては、表示面が平面であるため、外光が差し込んだ際に、広い範囲で反射した光が同時に目に入り、画面が見えにくくなる場合があり、外光の反射防止が必要である。また、PDPの発光を所定の分光透過率で透過させて、良好な画面表示をすることや、発光色の色調補正をすることも重要である。
PDPにおいては、これらの要求に対して、一般に表示画面に、(1)電磁波遮断フィルム、(2)近赤外線吸収フィルム及び(3)反射防止フィルムの少なくとも3枚の機能性フィルムを有する前面板を、該反射防止フィルムが、最表面(観察者側)になるように配置する処置が講ぜられている(例えば、特許文献3参照)。この場合、少なくとも3枚の機能性フィルムを別々に作製して、それらを貼合しなければならず、コストが高くつくのを免れない。
これに対し、近年、コストダウンの面から、最表面の反射防止フィルムにおいて、その基材の反射防止層とは反対側の面に近赤外線吸収層を設けることにより、1枚のフィルムで、反射防止性能と近赤外線吸収性能を兼ね備えた機能性フィルムが開発されている。このような機能性フィルムを製造する場合、(1)反射防止フィルムの裏面への近赤外線吸収層の形成、及び(2)近赤外線吸収フィルムの裏面への反射防止層の形成、の2つの方法があるが、いずれの場合も、フィルムのロスが発生するため、コストダウンの効果は小さい。
一方、反射防止フィルムにおいては、埃や塵などの付着を防止するために、持続性に優れる帯電防止性能が要求される。
特開2002−341103号公報 特開2003−139908号公報 特開平11−126024号公報
本発明は、このような事情のもとで、近赤外線吸収性能と反射防止性能を有し、かつ耐擦傷性及び帯電防止性に優れる上、層構成が簡単でコストが低く、特にPDP用として好適なウエットプロセス法による反射防止フィルムを提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、前記の好ましい性質を有する反射防止フィルムを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、基材フィルムの一方の面に、近赤外線吸収剤を含むハードコート層及び活性エネルギー線照射による硬化樹脂を含む低屈折率層を、それぞれ所定の厚さで順次積層してなり、かつ前記ハードコート層及び/又は低屈折率層にイオン性液体を含有させた積層体であって、波長800〜1200nmの全領域における分光透過率が、それぞれある値以下である反射防止フィルムがその目的に適合し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)基材フィルムの一方の面に、(A)活性エネルギー線照射による硬化樹脂と近赤外線吸収剤を含む厚さ2〜20μmのハードコート層、及び(B)活性エネルギー線照射による硬化樹脂を含む、屈折率が1.43以下の厚さ50〜200nmの低屈折率層が順次積層されてなる反射防止フィルムであって、前記の(A)層及び/又は(B)層が、一般式(1)
(Za+)m・(Ab-)n …(1)
[式中、Za+はカチオン、Ab-はアニオンを示し、a、b、m及びnは、それぞれ1〜3の整数であり、a×m=b×nの関係を満たす。Za+が複数ある場合、複数のZa+は同一でも異なっていてもよく、Ab-が複数ある場合、複数のAb-は同一でも異なっていてもよい。]
で表されるイオン性液体を含み、かつ少なくとも波長800〜1200nmの全領域における分光透過率が30%以下であることを特徴とする反射防止フィルム、
(2)表面抵抗率が5×1013Ω/□以下である上記(1)項に記載の反射防止フィルム、
(3)一般式(1)におけるZa+が、一般式(2)、(3)、(4)又は(5)
Figure 2008026492
[式(2)中のR1は、炭素数4〜20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでも良く、R2およびR3は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでも良い。但し、窒素原子が2重結合を含む場合、R3はない。
式(3)中のR4は、炭素数2〜20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでも良く、R5、R6、およびR7は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでも良い。
式(4)中のR8は、炭素数2〜20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでも良く、R9、R10、およびR11は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでも良い。
式(5)中のEは、窒素、硫黄、又はリン原子を表し、R12、R13、R14、およびR15は、それぞれ独立に炭素数1〜20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでも良い。但しEが硫黄原子の場合、R15はない。]
で表されるカチオンである上記(1)又は(2)項に記載の反射防止フィルム、
(4)一般式(1)におけるAb-が、(CF3SO2)2-である上記(1)〜(3)項のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(5)(A)層及び/又は(B)層が、さらにイオン性液体と共に、反応性導電剤を含む上記(1)〜(4)項のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(6)反応性導電剤が、分子内に、一般式(6)
Figure 2008026492
[式中、R16及びR17は、それぞれ同一又は異なる炭素数1〜10のアルキル基、R18は炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数7〜10のアラルキル基、R19はラジカル重合性を有する官能基、Xp-はp価の陰イオン、pは1〜4の整数を示す。]
で表される四級アンモニウム塩を有するラジカル重合性化合物である上記(5)項に記載の反射防止フィルム、
(7)(A)層が、さらに有機及び/又は無機フィラーを含み、防眩機能が付与されてなる上記(1)〜(6)項のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(8)(A)層に含まれる近赤外線吸収剤が、酸化タングステン系化合物である上記(1)〜(7)項のいずれかに記載の反射防止フィルム、
(9)酸化タングステン系化合物が、セシウム含有酸化タングステンである上記(8)項に記載の反射防止フィルム、
(10)(A)層中の酸化タングステン系化合物の含有量が5〜50質量%である上記(8)又は(9)項に記載の反射防止フィルム、
(11)基材フィルムの他方の面に、厚さ5〜50μmの粘着剤層を有する上記(1)〜(10)項のいずれかに記載の反射防止フィルム、及び
(12)プラズマディスプレイ用である上記(1)〜(11)項のいずれかに記載の反射防止フィルム、
を提供するものである。
本発明によれば、ハードコート層及び/又は低屈折率層の樹脂に高い相溶性を有するイオン性液体をハードコート層及び/又は低屈折率層に添加することにより、イオン性液体の添加量の多寡にかかわらず、耐擦傷性を損なうことなく、優れた帯電防止性を示す。これにより、近赤外線吸収性能と反射防止性能を有し、かつ耐擦傷性及び帯電防止性に優れる上、層構成が簡単でコストが低く、特にPDP用として好適なウエットプロセス法による反射防止フィルムを提供することができる。
本発明の反射防止フィルムは、ウエットプロセス法により、基材フィルムの一方の面に、(A)活性エネルギー線照射による硬化樹脂と近赤外線吸収剤を含む厚さ2〜20μmのハードコート層(以下、(A)層と称す)、及び(B)活性エネルギー線照射による硬化樹脂を含む、屈折率が1.43以下の厚さ50〜200nmの低屈折率層(以下、(B)層と称す)が順次積層された構造を有している。
本発明の反射防止フィルムにおける基材フィルムについては特に制限はなく、従来反射防止フィルムの基材として公知のプラスチックフィルムの中から適宜選択して用いることができる。このようなプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム等を挙げることができる。
これらの基材フィルムは、透明、半透明のいずれであってもよく、また、着色されていてもよいし、無着色のものでもよく、用途に応じて適宜選択すればよい。
これらの基材フィルムの厚さは特に制限はなく、適宜選定されるが、通常15〜250μm、好ましくは30〜200μmの範囲である。また、この基材フィルムは、その表面に設けられる層との密着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は基材フィルムの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。また、片面又は両面にプライマー処理を施したものも用いることができる。
本発明の反射防止フィルムにおいては、前記基材フィルムの一方の面に、順次設けられた(A)層及び(B)層のいずれか一方、あるいはその両方にイオン性液体が含まれており、その結果、優れた帯電防止性能が付与されている。
本発明において、イオン性液体は室温(25℃)で液状を呈する溶融塩を指し、一般式(1)
(Za+)m・(Ab-)n …(1)
で表される化合物が用いられる。
前記一般式(1)において、Za+はカチオン、Ab-はアニオンを示し、a、b、m及びnは、それぞれ1〜3の整数であり、a×m=b×nの関係を満たす。Za+が複数ある場合、複数のZa+は同一でも異なっていてもよく、Ab-が複数ある場合、複数のAb-は同一でも異なっていてもよい。
前記Za+で表されるカチオンとしては特に制限はなく、従来イオン性液体のカチオンとして公知のカチオンの中から、任意のものを適宜選択することができる。このカチオンとしては、例えば下記式(2)〜式(5)で表されるカチオンを挙げることができる。
Figure 2008026492
式(2)中のR1は、炭素数4〜20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでも良く、R2およびR3は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでも良い。但し、窒素原子が2重結合を含む場合、R3はない。
式(3)中のR4は、炭素数2〜20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでも良く、R5、R6、およびR7は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでも良い。
式(4)中のR8は、炭素数2〜20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでも良く、R9、R10、およびR11は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでも良い。
式(5)中のEは、窒素、硫黄、又はリン原子を表し、R12、R13、R14、およびR15は、それぞれ独立に炭素数1〜20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでも良い。但しEが硫黄原子の場合、R15はない。
前記式(2)で表されるカチオンとしては、ピリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピロリン骨格を有するカチオン、ピロール骨格を有するカチオンなどが挙げられる。具体例としては、1−エチルピリジニウムカチオン、1−ブチルピリジニウムカチオン、1−へキシルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−へキシル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3,4−ジメチルピリジニウムカチオン、1,1−ジメチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−メチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、2−メチル−1−ピロリンカチオン、1−エチル−2−フェニルインドールカチオン、1,2−ジメチルインドールカチオン、1−エチルカルバゾールカチオンなどが挙げられる。
式(3)で表されるカチオンとしては、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウムカチオンなどが挙げられる。具体例としては、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,3−ジメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,3−ジメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオンなどが挙げられる。
式(4)で表されるカチオンとしてはピラゾリウムカチオン、ピラゾリニウムカチオンなどが挙げられる。具体例としては、1−メチルピラゾリウムカチオン、3−メチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−2−メチルピラゾリニウムカチオンなどが挙げられる。
式(5)で表されるカチオンとしてはテトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオンや、上記アルキル基の一部がアルケニル基やアルコキシル基、さらにはエポキシ基に置換されたものなどが挙げられる。
具体例としては、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、テトラヘキシルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリメチルヘキシルアンモニウムカチオン、トリメチルデシルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオン、グリシジルトリメチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N,N−ジプロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N,N−ジヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N,N−ジヘキシルアンモニウムカチオン、トリメチルスルホニウムカチオン、トリエチルスルホニウムカチオン、トリブチルスルホニウムカチオン、トリヘキシルスルホニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオン、ジメチルデシルスルホニウムカチオン、テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラヘキシルホスホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、トリブチルエチルホスホニウムカチオン、トリメチルデシルホスホニウムカチオン、ジアリルジメチルアンモニウムカチオン、などが挙げられる。
一方、前記一般式(1)において、Ab-で表されるアニオンとしては、前記カチオンとイオン結合してイオン性液体を形成し得るものであればよく、特に制限されず、例えばCl-、Br-、I-、AlCl4 -、Al2Cl7 -、BF4 -、PF6 -、ClO4 -、NO3 -、CH3COO-、CF3COO-、CH3SO3 -、CF3SO3 -、(CF3SO2)2-、(CF3SO2)3-、AsF6 -、SbF6 -、NbF6 -、TaF6 -、F(HF)n -、(CN)2-、C9SO3 -、(C25SO2)2-、C37COO-、(CF3SO2)(CF3CO)N-などが用いられる。なかでも、フッ素原子を含むアニオンは、低融点のイオン性化合物を与えるので好ましく、特に(CF3SO2)2-が好適である。
このようなイオン性液体は、(A)層及び/又は(B)層を構成する樹脂との相溶性が高く、(A)層及び/又は(B)層に配合された場合に、(A)層及び/又は(B)層の耐擦傷性を低下させることがなく、かつ優れた帯電防止性を示す。
また、本発明においては、(A)層及び/又は(B)層は、前記イオン性液体と共に、反応性導電剤を含むことができる。イオン性液体と反応性導電剤を併用することにより、その相乗効果によって、一層優れた帯電防止作用が発揮される。
この反応性導電剤は、(A)層や(B)層の形成時において、活性エネルギー線を照射して、活性エネルギー線重合性化合物を硬化させて、硬化樹脂を形成する際に、該化合物と共重合し、硬化樹脂中に取り込まれるものであればよく、特に制限されず、従来公知の反応性導電剤の中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。
具体的には、分子内に、一般式(6)
Figure 2008026492
[式中、R16及びR17は、それぞれ同一又は異なる炭素数1〜10のアルキル基、R18は炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数7〜10のアラルキル基、R19はラジカル重合性を有する官能基、Xp-はp価の陰イオン、pは1〜4の整数を示す。]
で表される四級アンモニウム塩を有するラジカル重合性化合物を好ましく挙げることができる。
上記一般式(6)において、R16及びR17で示されるアルキル基並びにR18のうちのアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基、特に炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、また、R18のうちのアラルキル基としては、ベンジル基が好ましい。炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
また、R19としては、ラジカル重合性を有する官能基であればよく特に制限されず、該官能基の例としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基などが挙げられる。
一方、Xp-は無機陰イオン、有機陰イオンのいずれであってもよく、その例としてはF-、Cl-、Br-、I-のハロゲンイオン、NO3 -、ClO4 -、BF4 -、CO3 2-、SO4 2-などの無機陰イオン、CH3OSO3 -、C25OSO3 -、さらには酢酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸の残基からなる有機陰イオンが挙げられる。
このような反応性導電剤としては、例えば一般式(6−a)
Figure 2008026492
[式中、R20は水素原子又はメチル基、R21はエチレン基又はトリメチレン基を示す。]
で表されるラジカル重合性四級アンモニウム塩系化合物などを挙げることができる。具体的には、アクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドなどを挙げることができる。
(A)層及び/又は(B)層中の前記イオン性液体の含有量及び所望によりイオン性液体と併用される前記反応性導電剤の含有量は、用いるイオン性液体や反応性導電剤の種類により異なるが、本発明の反射防止フィルムの表面抵抗率が、通常5×1013Ω/□以下になるように選定される。(A)層及び(B)層に使用した全成分中におけるイオン性液体の全含有量は、通常2〜20質量%、好ましくは3〜15質量%、より好ましくは5〜12質量%である。一方、反応性導電剤の全含有量は、(A)層及び(B)層の合計量に基づき、通常0〜20質量%、好ましくは2〜15質量%、より好ましくは4〜12質量%である。
本発明の反射防止フィルムにおいては、前記基材フィルムの少なくとも一方の面に、まず(A)活性エネルギー線照射による硬化樹脂と近赤外線吸収剤とを含む厚さ2〜20μmのハードコート層が設けられる。
この活性エネルギー線照射による硬化樹脂と近赤外線吸収剤とを含む(A)層は、例えば活性エネルギー線硬化性化合物と、前記の近赤外線吸収剤と、前述のイオン性液体又は該イオン性液体と前述の反応性導電剤を含有したものに、所望により光重合開始剤などを含む(A)層用塗工液を、基材フィルムの一方の面にコーティングして塗膜を形成させ、活性エネルギー線を照射して、該塗膜を硬化させることにより、形成することができる。
ここで、活性エネルギー線硬化性化合物とは、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線などを照射することにより、架橋、硬化する化合物を指す。
このような活性エネルギー線硬化性化合物としては、例えばラジカル重合型とカチオン重合型を挙げることができる。活性エネルギー線硬化性化合物のラジカル重合型としては、エネルギー線重合性プレポリマーとエネルギー線重合性モノマーがあり、ラジカル重合型の活性エネルギー線重合性プレポリマーとしては、例えばポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリオールアクリレート系などが挙げられる。ここで、ポリエステルアクリレート系プレポリマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
エポキシアクリレート系プレポリマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。ウレタンアクリレート系プレポリマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。さらに、ポリオールアクリレート系プレポリマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。これらのラジカル重合型の活性エネルギー線重合性プレポリマーは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、ラジカル重合型の活性エネルギー線重合性モノマーとしては、例えば1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能アクリレートが挙げられる。これらのラジカル重合型の活性エネルギー線重合性モノマーは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、ラジカル重合型の活性エネルギー線重合性プレポリマーと併用してもよい。
一方、カチオン重合型の活性エネルギー線重合性プレポリマーとしては、エポキシ系樹脂が通常使用される。このエポキシ系樹脂としては、例えばビスフェノール樹脂やノボラック樹脂などの多価フェノール類にエピクロルヒドリンなどでエポキシ化した化合物、直鎖状オレフィン化合物や環状オレフィン化合物を過酸化物などで酸化して得られた化合物などが挙げられる。
所望により用いられる光重合開始剤としては、ラジカル重合型の活性エネルギー線重合性プレポリマーや活性エネルギー線重合性モノマーに対しては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロプル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリ−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミン安息香酸エステルなどが挙げられる。また、カチオン重合型の活性エネルギー線重合性プレポリマーに対する光重合開始剤としては、例えば芳香族スルホニウムイオン、芳香族オキソスルホニウムイオン、芳香族ヨードニウムイオンなどのオニウムと、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロアルセネートなどの陰イオンとからなる化合物が挙げられる。これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、その配合量は、前記活性エネルギー線重合性プレポリマー及び/又は活性エネルギー線重合性モノマー100質量部に対して、通常0.2〜10質量部の範囲で選ばれる。
一方、(A)層に含有させる近赤外線吸収剤については、少なくとも波長800〜1200nmの全領域における分光透過率が30%以下である反射防止フィルムを与えることのできるものであればよく、特に制限されず、様々な種類のものを、適宜選択して用いることができる。
当該近赤外線吸収剤は、有機系近赤外線吸収剤と無機系近赤外線吸収剤に大別することができる。ここで、有機系近赤外線吸収剤としては、例えばシアニン系化合物、スクワリリウム系化合物、チオールニッケル錯塩系化合物、ナフタロシアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、トリアリルメタン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、さらにはN,N,N',N'−テトラキス(p−ジ−n−ブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミニウムの過塩素酸塩、フェニレンジアミニウムの塩素塩、フェニレンジアミニウムのヘキサフルオロアンチモン酸塩、フェニレンジアミニウムのフッ化ホウ素酸塩、フェニレンジアミニウムのフッ素塩、フェニレンジアミニウムの過塩素酸塩などのアミノ化合物、銅化合物とビスチオウレア化合物、リン化合物と銅化合物、リン酸エステル化合物と銅化合物との反応により得られるリン酸エステル銅化合物などが挙げられる。
これらの中では、チオールニッケル錯塩系化合物(特開平9−230134号公報など)及びフタロシアニン系化合物が好ましく、特に、特開2000−26748号公報などに開示されているフッ素含有フタロシアニン化合物が、有機系近赤外線吸収剤の中で、可視光線分光透過率が高く、かつ耐熱性、耐光性、耐候性などの特性に優れることから、好適である。
また、無機系近赤外線吸収剤としては、例えば、酸化タングステン系化合物、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化インジウム、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、酸化セシウム、硫化亜鉛、さらにはLaB6、CeB6、PrB6、NdB6、GdB6、TbB6、DyB6、HoB6、YB6、SmB6、EuB6、ErB6、TmB6、YbB6、LuB6、SrB6、CaB6、(La,Ce)B6などの六ホウ化物等が挙げられる。これらの中では、近赤外線の吸収率が高く、かつ可視光線の分光透過率が高いことから、酸化タングステン系化合物が好ましく、特に式(7)
Cs0.2〜0.4WO3 …(7)
で表されるセシウム含有酸化タングステンが好適である。
一般に、有機系近赤外線吸収剤と無機系近赤外線吸収剤を比較した場合、近赤外線の吸収能力は有機系の方が優れているが、耐光性や耐候性については、無機系の方が格段に優れている。また、有機系のものは着色しやすいという欠点も有しており、実用性の点からは、無機系近赤外線吸収剤の方が好ましく、特にセシウム含有酸化タングステンの使用が好ましい。この無機系赤外線吸収剤は、可視光領域において吸収が少なく、かつ透明なコート層を形成するには、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.1μm以下の粒径を有するものが有利である。
本発明においては、前記無機系近赤外線吸収剤を1種用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよく、また、無機系近赤外線吸収剤と有機系近赤外線吸収剤を併用することもできる。
なお、近赤外線吸収剤を単独使用した場合、たとえ波長800〜1200nmの領域で分光透過率が30%を超える部分があったとしても、2種以上を併用することにより、波長800〜1200nmの全領域における分光透過率が30%以下であればよい。
この近赤外線吸収剤の使用量は、(A)層の膜厚にもよるが、酸化タングステン系化合物、例えば前記式(7)で表されるセシウム含有酸化タングステンを用いる場合、(A)層中のその含有量が、通常5〜50質量%、好ましくは10〜40質量%になるように選定される。
本発明においては、(A)層には、防眩性付与剤として、有機及び/又は無機フィラーを含有させることができる。有機フィラーとしては、例えばメラミン系樹脂粒子、アクリル系樹脂粒子、アクリル−スチレン系共重合体粒子、ポリカーボネート系粒子、ポリエチレン系粒子、ポリスチレン系粒子、ベンゾグアナミン系樹脂粒子などが挙げられる。これらの有機フィラーの平均粒径は、通常2〜10μm程度である。
また、無機フィラーとしては、例えばシリカ粒子や、コロイド状シリカ粒子のアミン化合物による凝集物であって、平均粒径が0.5〜10μm程度のものなどを挙げることができる。
これらの防眩性付与剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、(A)層中のその含有量は、通常2〜15質量%、好ましくは3〜8質量%である。(A)層に防眩性付与剤を含有させることにより、本発明の反射防止フィルムの60°グロス値は、通常30〜120程度となる。
本発明において用いられる(A)層用塗工液は、必要に応じ、適当な溶媒中に、前記の活性エネルギー線硬化性化合物と、近赤外線吸収剤と、前述のイオン性液体又は該イオン性液体と前述の反応性導電剤を含有したものに、所望により用いられる前記の光重合開始剤、防眩性付与剤、さらには各種添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリング剤、消泡剤などを、それぞれ所定の割合で加え、溶解又は分散させることにより、調製することができる。
この際用いる溶媒としては、例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、塩化メチレン、塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、メチルイソブチルケトン、イソホロンなどのケトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル、エチルセロソルブなどのセロソルブ系溶剤などが挙げられる。
このようにして調製された塗工液の濃度、粘度としては、コーティング可能な濃度、粘度であればよく、特に制限されず、状況に応じて適宜選定することができる。
次に、基材フィルムの一方の面に、上記塗工液を、従来公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを用いて、コーティングして塗膜を形成させ、乾燥後、これに活性エネルギー線を照射して該塗膜を硬化させることにより、(A)層が形成される。
活性エネルギー線としては、例えば紫外線や電子線などが挙げられる。上記紫外線は、高圧水銀ランプ、ヒュージョンHランプ、キセノンランプなどで得られる。一方電子線は、電子線加速器などによって得られる。この活性エネルギー線の中では、特に紫外線が好適である。なお、電子線を使用する場合は、光重合開始剤を添加することなく、硬化膜を得ることができる。
本発明においては、(A)層の厚さは2〜20μmの範囲である。この厚さが2μm未満では得られる反射防止フィルムの耐擦傷性が十分に発揮されないおそれがあるし、また20μmを超えるとハードコート層にクラックが発生することがある。(A)層の好ましい厚さは3〜15μmの範囲であり、特に5〜10μmの範囲が好適である。
本発明の反射防止フィルムにおいては、この(A)層の屈折率は、通常1.47〜1.60、好ましくは1.49〜1.55の範囲である。
本発明の反射防止フィルムにおいては、(A)層上に、(B)活性エネルギー線照射による硬化樹脂を含む屈折率が1.43以下の厚さ50〜200nmの低屈折率層が設けられる。
(B)層は、例えば活性エネルギー線硬化性化合物と、好ましくは多孔性シリカ粒子と、前述のイオン性液体又は該イオン性液体と前述の反応性導電剤を含有した層の上に、所望により光重合開始剤などを含む(B)層用塗工液を、(A)層上にコーティングして塗膜を形成させ、活性エネルギー線を照射して、該塗膜を硬化させることにより、形成することができる。
前記の活性エネルギー線硬化性化合物及び所望により用いられる光重合開始剤の種類及び配合量については、(A)層の説明において示したものから選択できる。
(B)層に含まれる多孔性シリカ粒子としては、比重が1.7〜1.9、屈折率が1.25〜1.36及び平均粒径が20〜100nmの範囲にあるものが好ましく用いられる。このような性状を有する多孔性シリカ粒子を用いることにより、反射防止性能に優れる反射防止層が1層タイプの反射防止フィルムを得ることができる。
本発明においては、(B)層中の多孔性シリカ粒子の含有量は、好ましくは30〜80質量%の範囲で選定される。該多孔性シリカ粒子の含有量が上記範囲にあれば、(B)層は所望の低屈折率を有する層となり、得られる反射防止フィルムは、反射防止性に優れたものとなる。該多孔性シリカ粒子の好ましい含有量は、50〜80質量%であり、特に60〜75質量%の範囲が好ましい。
(B)層は、厚さが50〜200nmであって、屈折率が、1.43以下の範囲にある。(B)層の厚さや屈折率が上記範囲にあれば、反射防止性能、及び耐擦傷性に優れる反射防止フィルムを得ることができる。(B)層の厚さは、好ましくは70〜130nmであり、屈折率は、好ましくは1.30〜1.42、さらに好ましくは1.35〜1.40の範囲である。
本発明において用いられる(B)層用塗工液は、必要に応じ、適当な溶媒中に、前記の活性エネルギー線硬化性化合物と、好ましくは多孔性シリカ粒子と、前述のイオン性液体又は該イオン性液体と前述の反応性導電剤を含有したものに、所望により用いられる前記の光重合開始剤、さらには各種添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリング剤、消泡剤などを、それぞれ所定の割合で加え、溶解又は分散させることにより、調製することができる。
この際用いる溶媒については、(A)層の説明において示したものから選択できる。
このようにして調製された塗工液の濃度、粘度としては、コーティング可能な濃度、粘度であればよく、特に制限されず、状況に応じて適宜選定することができる。
(A)層上に、この塗工液を、従来公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを用いて、コーティングして塗膜を形成させ、乾燥後、これに活性エネルギー線を照射して該塗膜を硬化させることにより、(B)層が形成される。
活性エネルギー線については、(A)層の説明において示したものから選択できる。
本発明においては、(A)層及び(B)層の形成は、以下に示す方法で行うのが有利である。
まず、基材フィルムの一方の面に(A)層用塗工液をコーティングして塗膜を形成させ、活性エネルギー線を照射してハーフキュア状態に硬化させる。この際、紫外線を照射する場合には、光量は、通常50〜150mJ/cm2程度である。次いで、このようにして形成されたハーフキュア状態の硬化層上に、(B)層用塗工液をコーティングして塗膜を形成させ、活性エネルギー線を十分に照射し、前記ハーフキュア状態の硬化層と共に完全に硬化させる。この際、紫外線を照射する場合、光量は、通常400〜1000mJ/cm2程度である。なお、(A)層及び/又は(B)層を完全に硬化させる際は、酸素による硬化阻害を防ぐために、窒素ガスなどの雰囲気下で、活性エネルギー線を照射することができる。この場合、酸素濃度は低い方がよく、2容量%以下が好ましい。
基材フィルム上に、(A)層をハーフキュア状態で(B)層を塗工し、最終的に(A)層と(B)層を完全硬化させることにより、(A)層と(B)層の密着性を増大させることができる。
このようにして作製された本発明の反射防止フィルムにおいては、少なくとも波長800〜1200nmの全領域における分光透過率が30%以下であることを要す。該分光透過率が30%以下であれば、本発明の反射防止フィルムをPDPの前面板に用いた場合に、該PDPから発生する近赤外線による周辺電子機器(例えば、コードレスホン、近赤外線リモートコントロール装置を使用するビデオデッキなど)の誤作動を抑制することができる。前記分光透過率は、好ましくは20%以下である。
また、波長500〜700nmにおける反射率は、通常3%以下であり、全光線透過率は、通常40%以上、好ましくは50%以上である。また、ヘイズ値は、通常3%未満であり、(A)層に防眩性付与剤を含有させた場合は、3〜30%程度である。
本発明の反射防止フィルムにおいては、表面抵抗率は、通常5×1013Ω/□以下である。この表面抵抗率が5×1013Ω/□以下であれば、良好な帯電防止性能が発揮される。好ましい表面抵抗率は2×1013Ω/□以下であり、より好ましい表面抵抗率は8×1012Ω/□以下である。表面抵抗率の下限については特に制限はないが、通常2×1010Ω/□程度である。
本発明の反射防止フィルムにおいては、(B)層上に防汚コート層を設けることができる。この防汚コート層は、一般にフッ素系樹脂を含む塗工液を、従来公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを用いて、(B)層上にコーティングし、塗膜を形成させ、乾燥処理することにより、形成することができる。
この防汚コート層の厚さは、通常1〜10nm、好ましくは3〜8nmの範囲である。該防汚コート層を設けることにより、得られる反射防止フィルムは、表面の滑り性が良くなると共に、汚れにくくなる。
このようにして、近赤外線吸収性能と反射防止性能を兼備すると共に、耐擦傷性及び帯電防止性に優れる上、層構成が簡単でコストの低い反射防止フィルムを得ることができる。この反射防止フィルムは、特にPDPの前面板に好適に用いられる。
本発明の反射防止フィルムにおいては、基材フィルムのハードコート層とは反対側の面に、前面板における被着体に貼着させるための粘着剤層を形成させることができる。この粘着剤層を構成する粘着剤としては、光学用途用のもの、例えばアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤が好ましく用いられる。この粘着剤層の厚さは、通常5〜50μmの範囲である。本発明の反射防止フィルムをPDP用反射防止フィルムとして用いる場合には、この粘着剤層には、表示装置の発光色を色調補正するために、染料や顔料を含有させることができる。
さらに、この粘着剤層の上に、剥離フィルムを設けることができる。この剥離フィルムとしては、例えばグラシン紙、コート紙、ラミネート紙などの紙及び各種プラスチックフィルムに、シリコーン樹脂などの剥離剤を塗付したものなどが挙げられる。この剥離フィルムの厚さについては特に制限はないが、通常20〜150μm程度である。
このようにして作製された本発明の反射防止フィルムは、近赤外線吸収性能と反射防止性能を兼備すると共に、耐擦傷性及び帯電防止性に優れる上、層構成が簡単でコストが低いなどの特徴を有している。この反射防止フィルムは、特にPDP用の反射防止フィルムとして、PDPの前面板に好適に用いられる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例で得られた反射防止フィルムの物性は、以下に示す方法に従って測定した。
(1)波長500nm、600nm及び700nmにおける反射率
分光光度計[(株)島津製作所製「UV−3101PC」]により、波長500nm、600nm及び700nmにおける反射率を測定した。
(2)波長800〜1200nmにおける分光透過率
分光光度計[(株)島津製作所製「UV−3101PC」]により、波長800nmから1200nmにおける分光透過率を測定し、波長800nm、850nm、900nm、1000nm、1100nm、及び1200nmの測定値を求めた。
(3)全光線透過率及びヘイズ値
日本電色工業社製ヘイズメーター「NDH 2000」を使用し、JIS K 6714に準拠して測定した。
(4)60°グロス値
日本電色工業社製グロスメーター「VG 2000」を使用し、JIS K 7105に準拠して測定した。
(5)耐擦傷性
スチールウール#0000を使用し、荷重9.8×10-3N/mm2で5往復擦った後に目視観察を行い、下記の判定基準で評価した。
○:傷が付かない。
×:傷が付く。
(6)屈折率
アッベ屈折計[アタゴ社製、品名「アッベ屈折計4T」、Na光源、波長:約590nm]により測定した。
(7)各層の厚さ
松下インターテクノ社製「フィルメトリクスF−20」を用いて測定した。
(8)表面抵抗率
試料を23℃、湿度50%の条件下で24時間調湿後、表面層の表面抵抗率を、三菱化学社製「ハイレスター」にて、印加電圧100Vで測定した。
実施例1
(1)(A)層用塗工液の調製
活性エネルギー線硬化性化合物としてトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート[東亜合成化学社製、商品名「アロニックスM−315」、固形分濃度100%]40質量部とペンタエリスリトールトリアクリレート[東亜合成化学社製、商品名「アロニックスM−305」、固形分濃度100%]30質量部とポリエチレングリコールジアクリレート[新中村化学社製、商品名「NKエステルA−400」、固形分濃度100%]30質量部とからなる混合物に、光重合開始剤(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン)[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア907」]2質量部を添加し、次いで近赤外線吸収剤[住友金属鉱山(株)製、商品名「YMF−01」、平均粒径23nmのセシウム含有酸化タングステン(モル比でCs:W:O=0.33:1:3)含有量10質量%懸濁液、全固形分濃度14質量%]270質量部と、イオン性液体[広栄化学社製、商品名「IL−A5」(カチオン種:[化1](5)、アニオン種:(CF3SO2)2-)、固形分濃度100質量%]10質量部を混合したのち、全体の固形分濃度が30質量%になるようにメチルイソブチルケトン(MIBK)で希釈して、(A)層用塗工液を調製した。
(2)(B)層用塗工液の調製
多官能アクリレート混合物(ポリウレタンアクリレート)[荒川化学(株)製、商品名「ビームセット577CB」、固形分濃度100%]100質量部に、光重合開始剤[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア907」]5質量部を添加し、次いで多孔性シリカ粒子のメチルイソブチルケトン(MIBK)分散体[触媒化成工業(株)製、商品名「ELCOM RT−1002SIV」、固形分濃度21質量%、多孔性シリカ粒子:比重1.8、屈折率1.30、平均粒径60nm]1200質量部を混合したのち、全体の固形分濃度が2質量%になるようにMIBKで希釈して、(B)層用塗工液を調製した。
(3)反射防止フィルムの作製
基材フィルムとして厚さ100μmの両面易接着処理ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム[東洋紡績(株)製、商品名「A4300」]表面に、前記(1)で得た(A)層用塗工液を硬化後の厚さが6μmになるように、マイヤーバーNo.16で塗布した。次いで、90℃で1分間乾燥したのち、紫外線を光量100mJ/cm2で照射して、ハーフキュア状態に硬化させた。
次に、このハーフキュアしたコート表面に、前記(2)で得た(B)層用塗工液を硬化後の厚さが100nmになるようにマイヤーバーNo.4で塗布した。次いで、80℃で1分間乾燥したのち、窒素ガス雰囲気下(酸素濃度0.5容量%)で紫外線を光量500mJ/cm2で照射して、完全硬化させ、PETフィルム上に、屈折率1.54の近赤外線吸収性ハードコート層及び屈折率1.38の低屈折率層を順次形成させることにより、反射防止フィルムを作製した。
このようにして作製された反射防止フィルムの物性を第1表に示す。この反射防止フィルムの波長800〜1200nmの全領域における分光透過率は30%以下であった。
実施例2
実施例1(2)における(B)層用塗工液の調製において、実施例1と同じイオン性液体10質量部を添加した以外は、実施例1と同様にして(B)層用塗工液を調製し、さらに反射防止フィルムを作製した。すなわち、本実施例では、(A)層と(B)層の両方にイオン性液体を添加した。この反射防止フィルムの物性を第1表に示す。
実施例3
実施例1(1)における(A)層用塗工液の調製において、シリカゲル[東ソー・シリカ社製、商品名「ニップシールE−200」、平均粒径3μm]5質量部を加えた以外は、実施例1と同様にして(A)層用塗工液を調製し、さらに反射防止フィルムを作製した。この反射防止フィルムの物性を第1表に示す。
実施例4
実施例1(1)における(A)層用塗工液の調製において、イオン性液体を、[広栄化学社製、商品名「IL−C3」(カチオン種:[化1](2)、アニオン種:(CF3SO2)2-)]に変更した以外は、実施例1と同様にして(A)層用塗工液を調製し、さらに反射防止フィルムを作製した。この反射防止フィルムの物性を第1表に示す。
実施例5
実施例1(1)における(A)層用塗工液の調製を、下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして反射防止フィルムを作製した。この反射防止フィルムの物性を第1表に示す。
<(A)層用塗工液の調製>
活性エネルギー線硬化性化合物としてトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート[東亜合成化学社製、商品名「アロニックスM−315」、固形分濃度100%]40質量部とペンタエリスリトールトリアクリレート[東亜合成化学社製、商品名「アロニックスM−305」、固形分濃度100%]30質量部とポリエチレングリコールジアクリレート[新中村化学社製、商品名「NKエステルA−400」、固形分濃度100%]30質量部とからなる混合物に、光重合開始剤[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア907」]2質量部を添加し、次いで近赤外線吸収剤[住友金属鉱山(株)製、商品名「YMF−04」、平均粒径23nmのセシウム含有酸化タングステン(モル比でCs:W:O=0.33:1:3)含有量17.5質量%懸濁液、全固形分濃度28質量%]160質量部とイオン性液体[広栄化学社製、商品名「IL−A5」、固形分濃度100質量%]10質量部混合し、さらに反応性導電剤としてアクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液[興人社製、商品名「DMAEA−Q」、固形分濃度79質量%]12質量部を加えたのち、全体の固形分濃度が30質量%になるようにMIBKで希釈して、(A)層用塗工液を調製した。
比較例1
実施例1(1)の(A)層用塗工液の調製において、イオン性液体を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして(A)層用塗工液を調製し、さらに反射防止フィルムを作製した。この反射防止フィルムの物性を第1表に示す。
Figure 2008026492
第1表から、本発明の反射防止フィルム(実施例1〜5)は、いずれも反射防止性に優れると共に、近赤外線吸収性に優れ、耐擦傷性にも優れており、かつ表面抵抗率が低く、優れた帯電防止性を有している。また、実施例3は、ハードコート層に防眩性付与剤を含有させているので、60°グロス値が80となっている。
これに対し、比較例1は、ハードコート層及び低屈折率層のいずれにも、イオン性液体及び反応性導電剤が共に含有されていないため、表面抵抗率が高く、帯電防止性が悪い。
本発明の反射防止フィルムは、近赤外線吸収性能と反射防止性能を有し、かつ耐擦傷性及び帯電防止性に優れる上、層構成が簡単でコストが低く、特にPDP用として好適である。

Claims (12)

  1. 基材フィルムの一方の面に、(A)活性エネルギー線照射による硬化樹脂と近赤外線吸収剤を含む厚さ2〜20μmのハードコート層、及び(B)活性エネルギー線照射による硬化樹脂を含む、屈折率が1.43以下の厚さ50〜200nmの低屈折率層が順次積層されてなる反射防止フィルムであって、前記の(A)層及び/又は(B)層が、一般式(1)
    (Za+)m・(Ab-)n …(1)
    [式中、Za+はカチオン、Ab-はアニオンを示し、a、b、m及びnは、それぞれ1〜3の整数であり、a×m=b×nの関係を満たす。Za+が複数ある場合、複数のZa+は同一でも異なっていてもよく、Ab-が複数ある場合、複数のAb-は同一でも異なっていてもよい。]
    で表されるイオン性液体を含み、かつ少なくとも波長800〜1200nmの全領域における分光透過率が30%以下であることを特徴とする反射防止フィルム。
  2. 表面抵抗率が5×1013Ω/□以下である請求項1に記載の反射防止フィルム。
  3. 一般式(1)におけるZa+が、一般式(2)、(3)、(4)又は(5)
    Figure 2008026492
    [式(2)中のR1は、炭素数4〜20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでも良く、R2およびR3は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでも良い。但し、窒素原子が2重結合を含む場合、R3はない。
    式(3)中のR4は、炭素数2〜20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでも良く、R5、R6、およびR7は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでも良い。
    式(4)中のR8は、炭素数2〜20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでも良く、R9、R10、およびR11は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでも良い。
    式(5)中のEは、窒素、硫黄、又はリン原子を表し、R12、R13、R14、およびR15は、それぞれ独立に炭素数1〜20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでも良い。但しEが硫黄原子の場合、R15はない。]
    で表されるカチオンである請求項1又は2に記載の反射防止フィルム。
  4. 一般式(1)におけるAb-が、(CF3SO2)2-である請求項1〜3のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  5. (A)層及び/又は(B)層が、さらにイオン性液体と共に、反応性導電剤を含む請求項1〜4のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  6. 反応性導電剤が、分子内に、一般式(6)
    Figure 2008026492
    [式中、R16及びR17は、それぞれ同一又は異なる炭素数1〜10のアルキル基、R18は炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数7〜10のアラルキル基、R19はラジカル重合性を有する官能基、Xp-はp価の陰イオン、pは1〜4の整数を示す。]
    で表される四級アンモニウム塩を有するラジカル重合性化合物である請求項5に記載の反射防止フィルム。
  7. (A)層が、さらに有機及び/又は無機フィラーを含み、防眩機能が付与されてなる請求項1〜6のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  8. (A)層に含まれる近赤外線吸収剤が、酸化タングステン系化合物である請求項1〜7のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  9. 酸化タングステン系化合物が、セシウム含有酸化タングステンである請求項8に記載の反射防止フィルム。
  10. (A)層中の酸化タングステン系化合物の含有量が5〜50質量%である請求項8又は9に記載の反射防止フィルム。
  11. 基材フィルムの他方の面に、厚さ5〜50μmの粘着剤層を有する請求項1〜10のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  12. プラズマディスプレイ用である請求項1〜11のいずれかに記載の反射防止フィルム。
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