JP5242883B2 - 反射防止フィルム - Google Patents

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Description

本発明は反射防止フィルム、さらに詳しくは、近赤外線吸収性能と反射防止性能を有し、かつ耐擦傷性に優れる上、層構成が簡単でコストが低く、特にプラズマディスプレイ用として好適な反射防止フィルムに関するものである。
プラズマディスプレイ(PDP)、ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)などの画像表示装置においては、画面に外部から光が入射し、この光が反射して表示画像を見ずらくすることがあり、特に近年、ディスプレイの大型化に伴い、上記問題を解決することが、ますます重要な課題となってきている。
このような問題を解決するために、これまで種々のディスプレイに対して、様々な反射防止処置や防眩処置がとられている。その一つとして反射防止フィルムを各種のディスプレイに使用することが行われている。
この反射防止フィルムは、従来、蒸着やスパッタリングなどのドライプロセス法により、基材フィルム上に、低屈折率の物質(MgF2)を薄膜化する方法や、屈折率の高い物質[ITO(錫ドープ酸化インジウム)、TiO2など]と屈折率の低い物質(MgF2、SiO2など)を交互に積層する方法などで作製されている。しかしながら、このようなドライプロセス法で作製された反射防止フィルムは、製造コストが高くつくのを免れないという問題があった。
そこで、近年、ウエットプロセス法、すなわちコーティングにより反射防止フィルムを作製することが試みられている。しかしながら、このウエットプロセス法により作製された反射防止フィルムにおいては、前記のドライプロセス法による反射防止フィルムに比べて、表面の耐擦傷性に劣るという問題が生じる。
そこで、ウエットプロセス法における前記問題を解決するために、電離放射線硬化型樹脂組成物を用いて硬化層(ハードコート層)を形成することが行われている。例えば基材フィルム上に、(1)(A)電離放射線による硬化樹脂を含む厚さ2〜20μmのハードコート層、(B)電離放射線による硬化樹脂と、アンチモンドープ酸化錫を含む少なくとも2種の金属酸化物を含み、屈折率が1.65〜1.80の範囲にある厚さ60〜160nmの高屈折率層、及び(C)シロキサン系ポリマーを含み、屈折率が1.37〜1.47の範囲にある厚さ80〜180nmの低屈折率層を順次積層してなる光学用フィルム(例えば、特許文献1参照)、(2)(A)金属酸化物と、熱又は電離放射線による硬化物とを含む厚さ2〜20μmのハードコート層、及び(B)多孔性シリカとポリシロキサン系ポリマーとを含み、屈折率が1.30〜1.45の範囲にある厚さ40〜200nmの低屈折率層を順次積層してなる光学用フィルム(例えば、特許文献2参照)などが開示されている。
これらの光学用フィルムは、画像表示素子の表面の光の反射を効果的に防止すると共に、耐擦傷性に優れる反射防止フィルムである。
ところで、PDPは、電極間のプラズマ放電により封入されているキセノンガスの分子を励起し、発生する紫外線で蛍光物質を励起し、可視光領域の光を発光させ映像を表示する装置である。このPDPにおいては、発光は、プラズマ放電を利用していることから、周波数帯域が30〜130MHz程度の不要な電磁波が外部に漏洩するため、他の機器(例えば情報処理装置など)へ悪影響を与えないように、電磁波を極力抑制することが要求される。
また、PDPにおいては、近赤外線を発することが知られている。この近赤外線は、コードレスホン、近赤外線リモートコントロール装置を使用するビデオデッキなど、周辺にある電子機器に作用し、正常な動作を阻害するおそれがあり、この近赤外線を極力遮断することが要求される。
さらに、PDPにおいては、表示面が平面であるため、外光が差し込んだ際に、広い範囲で反射した光が同時に目に入り、画面が見えにくくなる場合があり、外光の反射防止が必要である。また、PDPの発光を所定の透過率で透過させて、良好な画面表示をすることや、発光色の色調補正をすることも重要である。
PDPにおいては、これらの要求に対して、一般に表示画面に、(1)電磁波遮断フィルム、(2)近赤外線吸収フィルム及び(3)反射防止フィルムの少なくとも3枚の機能性フィルムを有する前面板を、該反射防止フィルムが、最表面(観察者側)になるように配置する処置が講ぜられている(例えば、特許文献3参照)。この場合、少なくとも3枚の機能性フィルムを別々に作製して、それらを貼合しなければならず、コストが高くつくのを免れない。
これに対し、近年、コストダウンの面から、最表面の反射防止フィルムにおいて、その基材の反射防止層とは反対側の面に近赤外線吸収層を設けることにより、1枚のフィルムで、反射防止性能と近赤外線吸収性能を兼ね備えた機能性フィルムが開発されている。このような機能性フィルムを製造する場合、(1)反射防止フィルムの裏面への近赤外線吸収層の形成、及び(2)近赤外線吸収フィルムの裏面への反射防止層の形成、の2つの方法があるが、いずれの場合も、フィルムのロスが発生するため、コストダウンの効果は小さい。
特開2002−341103号公報 特開2003−139908号公報 特開平11−126024号公報
本発明は、このような事情のもとで、近赤外線吸収性能と反射防止性能を有し、かつ耐擦傷性に優れる上、層構成が簡単でコストが低く、特にPDP用として好適なウエットプロセス法による反射防止フィルムを提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、前記の好ましい性質を有する反射防止フィルムを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、ウエットプロセス法による反射防止フィルムにおいて必須であるハードコート層に、得られる反射防止フィルムの少なくとも波長850〜1000nmの全領域における透過率がある値以下になるように、近赤外線吸収剤を含有させることにより、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)基材フィルムの一方の面に、(A)活性エネルギー線照射による硬化樹脂とセシウム含有酸化タングステンからなる近赤外線吸収剤を含む厚さ2〜20μm、屈折率1.49〜1.55のハードコート層、及び(B)活性エネルギー線照射による硬化樹脂を含む屈折率1.30〜1.40、厚さ50〜200nmの低屈折率層が順次積層され、かつ少なくとも波長850〜1000nmの全領域における透過率が30%以下であることを特徴とする反射防止フィルム、
(2)(A)層に、さらに無機フィラーを含有させてなる上記(1)項に記載の反射防止フィルム、
(3)(B)層が、比重1.7〜1.9、屈折率1.25〜1.36、平均粒径20〜100nmの多孔性シリカ30〜80重量%を含む上記(1)又は(2)項に記載の反射防止フィルム、
(4)基材フィルムの他方の面に、厚さ5〜50μmの粘着剤層を有する上記(1)〜(3)項のいずれかに記載の反射防止フィルム、及び
(5)プラズマディスプレイ用である上記(1)〜(4)項のいずれかに記載の反射防止フィルム、
を提供するものである。
本発明によれば、近赤外線吸収性能と反射防止性能を有し、かつ耐擦傷性に優れる上、層構成が簡単でコストが低く、特にPDP用として好適なウエットプロセス法による反射防止フィルムを提供することができる。
本発明の反射防止フィルムは、ウエットプロセス法により、基材フィルムの一方の面に、(A)近赤外線吸収剤を含むハードコート層、及び(B)低屈折率層が順次積層された構造を有している。
本発明の反射防止フィルムにおける基材フィルムについては特に制限はなく、従来反射防止フィルムの基材として公知のプラスチックフィルムの中から適宜選択して用いることができる。このようなプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム等を挙げることができる。
これらの基材フィルムは、透明、半透明のいずれであってもよく、また、着色されていてもよいし、無着色のものでもよく、用途に応じて適宜選択すればよい。
これらの基材フィルムの厚さは特に制限はなく、適宜選定されるが、通常15〜250μm、好ましくは30〜200μmの範囲である。また、この基材フィルムは、その表面に設けられる層との密着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は基材フィルムの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。また、片面又は両面にプライマー処理を施したものも用いることができる。
本発明の反射防止フィルムにおいては、前記基材フィルムの少なくとも一方の面に、まず(A)活性エネルギー線照射による硬化樹脂と近赤外線吸収剤とを含むハードコート層が設けられる。
この活性エネルギー線照射による硬化樹脂と近赤外線吸収剤とを含むハードコート層は、例えば活性エネルギー線硬化性化合物と、前記の近赤外線吸収剤と、所望により光重合開始剤などを含むハードコート層形成用塗工液を、基材フィルムの一方の面にコーティングして塗膜を形成させ、活性エネルギー線を照射して、該塗膜を硬化させることにより、形成することができる。
ここで、活性エネルギー線硬化性化合物とは、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線などを照射することにより、架橋、硬化する化合物を指す。
このような活性エネルギー線硬化性化合物としては、例えば活性エネルギー線重合性プレポリマー及び/又は活性エネルギー線重合性モノマーを挙げることができる。上記活性エネルギー線重合性プレポリマーには、ラジカル重合型とカチオン重合型があり、ラジカル重合型の活性エネルギー線重合性プレポリマーとしては、例えばポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリオールアクリレート系などが挙げられる。ここで、ポリエステルアクリレート系プレポリマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
エポキシアクリレート系プレポリマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。ウレタンアクリレート系プレポリマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。さらに、ポリオールアクリレート系プレポリマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。これらの活性エネルギー線重合性プレポリマーは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、カチオン重合型の活性エネルギー線重合性プレポリマーとしては、エポキシ系樹脂が通常使用される。このエポキシ系樹脂としては、例えばビスフェノール樹脂やノボラック樹脂などの多価フェノール類にエピクロルヒドリンなどでエポキシ化した化合物、直鎖状オレフィン化合物や環状オレフィン化合物を過酸化物などで酸化して得られた化合物などが挙げられる。
活性エネルギー線重合性モノマーとしては、例えば1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能アクリレートが挙げられる。これらの活性エネルギー線重合性モノマーは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、前記活性エネルギー線重合性プレポリマーと併用してもよい。
所望により用いられる光重合開始剤としては、ラジカル重合型の活性エネルギー線重合性プレポリマーや活性エネルギー線重合性モノマーに対しては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロプル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリ−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミン安息香酸エステルなどが挙げられる。また、カチオン重合型の活性エネルギー線重合性プレポリマーに対する光重合開始剤としては、例えば芳香族スルホニウムイオン、芳香族オキソスルホニウムイオン、芳香族ヨードニウムイオンなどのオニウムと、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロアルセネートなどの陰イオンとからなる化合物が挙げられる。これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、その配合量は、前記活性エネルギー線重合性プレポリマー及び/又は活性エネルギー線重合性モノマー100重量部に対して、通常0.2〜10重量部の範囲で選ばれる。
一方、ハードコート層に含有させる近赤外線吸収剤については、少なくとも波長850〜1000nmの全領域における透過率が30%以下である反射防止フィルムを与えることのできるものであればよく、特に制限されず、様々な種類のものを、適宜選択して用いることができる。
当該近赤外線吸収剤は、有機系近赤外線吸収剤と無機系近赤外線吸収剤に大別するができる。ここで、有機系近赤外線吸収剤としては、例えばシアニン系化合物、スクワリリウム系化合物、チオールニッケル錯塩系化合物、ナフタロシアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、トリアリルメタン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、さらにはN,N,N',N'−テトラキス(p−ジ−n−ブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミニウムの過塩素酸塩、フェニレンジアミニウムの塩素塩、フェニレンジアミニウムのヘキサフルオロアンチモン酸塩、フェニレンジアミニウムのフッ化ホウ素酸塩、フェニレンジアミニウムのフッ素塩、フェニレンジアミニウムの過塩素酸塩などのアミノ化合物、銅化合物とビスチオウレア化合物、リン化合物と銅化合物、リン酸エステル化合物と銅化合物との反応により得られるリン酸エステル銅化合物などが挙げられる。
これらの中では、チオールニッケル錯塩系化合物(特開平9−230134号公報など)及びフタロシアニン系化合物が好ましく、特に、特開2000−26748号公報などに開示されているフッ素含有フタロシアニン化合物が、有機系近赤外線吸収剤の中で、可視光線透過率が高く、かつ耐熱性、耐光性、耐候性などの特性に優れることから、好適である。
また、無機系近赤外線吸収剤としては、例えば、酸化タングステン系化合物、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化インジウム、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、酸化セシウム、硫化亜鉛などが挙げられる。これらの中では、近赤外線の吸収率が高く、かつ可視光線の透過率が高いことから、酸化タングステン系化合物が好ましく、特にセシウム含有酸化タングステンが好適である。
一般に、有機系近赤外線吸収剤と無機系近赤外線吸収剤を比較した場合、近赤外線の吸収能力は有機系の方が優れているが、耐光性や耐候性については、無機系の方が格段に優れている。また、有機系のものは着色しやすいという欠点も有しており、実用性の点からは、無機系近赤外線吸収剤の方が好ましく、特にセシウム含有酸化タングステンの使用が好ましい。この無機系赤外線吸収剤は、可視光領域において吸収が少なく、かつ透明なコート層を形成するには、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.1μm以下の粒径を有するものが有利である。
本発明においては、有機系近赤外線吸収剤を1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また無機系近赤外線吸収剤を1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。あるいは、有機系近赤外線吸収剤1種以上と無機系近赤外線吸収剤1種以上とを適宜組み合わせて用いてもよい。
なお、近赤外線吸収剤を単独使用した場合、たとえ波長850〜1000nmの領域で透過率が30%を超える部分があったとしても、2種以上を併用することにより、波長850〜1000nmの全領域における透過率が30%以下であればよい。
この近赤外線吸収剤の使用量は、ハードコート層の膜厚にもよるが、有機系近赤外線吸収剤を使用する場合には、ハードコート層中の含有量は、通常1〜10重量%、好ましくは3〜7重量%である。一方、無機系近赤外線吸収剤を使用する場合には、ハードコート層中の含有量は、通常10〜60重量%、好ましくは20〜40重量%である。
本発明においては、(A)層のハードコート層には、防眩性付与剤として、有機及び/又は無機フィラーを含有させることができる。有機フィラーとしては、例えばメラミン系樹脂粒子、アクリル系樹脂粒子、アクリル−スチレン系共重合体粒子、ポリカーボネート系粒子、ポリエチレン系粒子、ポリスチレン系粒子、ベンゾグアナミン系樹脂粒子などが挙げられる。これらの有機フィラーの平均粒径は、通常2〜10μm程度である。
また、無機フィラーとしては、例えば平均粒径が0.5〜10μm程度のシリカ粒子や、コロイド状シリカ粒子のアミン化合物による凝集物であって、平均粒径が0.5〜10μm程度のものなどを挙げることができる。
これらの防眩性付与剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、ハードコート層中のその含有量は、通常2〜15重量%、好ましくは3〜8重量%である。ハードコート層に防眩性付与剤を含有させることにより、本発明の反射防止フィルムの60°グロス値は、通常30〜120となる。
本発明において用いられるこのハードコート層形成用塗工液は、必要に応じ、適当な溶剤中に、前記の活性エネルギー線硬化性化合物と、近赤外線吸収剤と、所望により用いられる前記の光重合開始剤、防眩性付与剤、さらには各種添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリング剤、消泡剤などを、それぞれ所定の割合で加え、溶解又は分散させることにより、調製することができる。
この際用いる溶剤としては、例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、塩化メチレン、塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、メチルイソブチルケトン、イソホロンなどのケトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル、エチルセロソルブなどのセロソルブ系溶剤などが挙げられる。
このようにして調製された塗工液の濃度、粘度としては、コーティング可能な濃度、粘度であればよく、特に制限されず、状況に応じて適宜選定することができる。
次に、基材フィルムの一方の面に、上記塗工液を、従来公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを用いて、コーティングして塗膜を形成させ、乾燥後、これに活性エネルギー線を照射して該塗膜を硬化させることにより、近赤外線吸収性ハードコート層が形成される。
活性エネルギー線としては、例えば紫外線や電子線などが挙げられる。上記紫外線は、高圧水銀ランプ、ヒュージョンHランプ、キセノンランプなどで得られる。一方電子線は、電子線加速器などによって得られる。この活性エネルギー線の中では、特に紫外線が好適である。なお、電子線を使用する場合は、重合開始剤を添加することなく、硬化膜を得ることができる。
本発明においては、(A)ハードコート層の厚さは2〜20μmの範囲である。この厚さが2μm未満では得られる反射防止フィルムの耐擦傷性が十分に発揮されないおそれがあるし、また20μmを超えるとハードコート層にクラックが発生することがある。このハードコート層の好ましい厚さは3〜15μmの範囲であり、特に5〜10μmの範囲が好適である。
本発明の光学用フィルムにおいては、この(A)ハードコート層の屈折率は、通常1.47〜1.60、好ましくは1.49〜1.55の範囲である。
本発明の反射防止フィルムにおいては、前記ハードコート層上に、(B)活性エネルギー線照射による硬化樹脂と多孔性シリカ粒子とを含む低屈折率層が設けられる。
この活性エネルギー線照射による硬化樹脂と多孔性シリカ粒子とを含む低屈折率層は、例えば活性エネルギー線硬化性化合物と、多孔性シリカ粒子と、所望により光重合開始剤などを含む低屈折率層形成用塗工液を、(A)ハードコート層上にコーティングして塗膜を形成させ、活性エネルギー線を照射して、該塗膜を硬化させることにより、形成することができる。
前記の活性エネルギー線硬化性化合物及び所望により用いられる光重合開始剤については、前述の(A)ハードコート層の説明において示したとおりである。
この(B)層に含まれる多孔性シリカ粒子としては、比重が1.7〜1.9、屈折率が1.25〜1.36及び平均粒径が20〜100nmの範囲にあるものが好ましく用いられる。このような性状を有する多孔性シリカ粒子を用いることにより、反射防止性能に優れる反射防止層が1層タイプの反射防止フィルムを得ることができる。
本発明においては、この(B)層中の多孔性シリカ粒子の含有量は、好ましくは30〜80重量%の範囲で選定される。該多孔性シリカ粒子の含有量が上記範囲にあれば、当該(B)層は所望の低屈折率を有する層となり、得られる反射防止フィルムは、反射防止性に優れたものとなる。該多孔性シリカ粒子の好ましい含有量は、50〜80重量%であり、特に60〜75重量%の範囲が好ましい。
当該(B)層は、厚さが50〜200nmであって、屈折率が、1.43以下、好ましくは1.30〜1.42の範囲にある。当該(B)層の厚さや屈折率が上記範囲にあれば、反射防止性能、及び耐擦傷性に優れる反射防止フィルムを得ることができる。当該(B)層の厚さは、好ましくは70〜130nmであり、屈折率は、好ましくは1.35〜1.40の範囲である。
本発明において用いられるこの低屈折率層形成用塗工液は、必要に応じ、適当な溶剤中に、前記の活性エネルギー線硬化性化合物と、多孔性シリカ粒子と、所望により用いられる前記の光重合開始剤、さらには各種添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリング剤、消泡剤などを、それぞれ所定の割合で加え、溶解又は分散させることにより、調製することができる。
この際用いる溶剤については、前述のハードコート層形成用塗工液の説明において示したとおりである。
このようにして調製された塗工液の濃度、粘度としては、コーティング可能な濃度、粘度であればよく、特に制限されず、状況に応じて適宜選定することができる。
(A)ハードコート層上に、この塗工液を、従来公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを用いて、コーティングして塗膜を形成させ、乾燥後、これに活性エネルギー線を照射して該塗膜を硬化させることにより、(B)低屈折率層が形成される。
活性エネルギー線については、前述のハードコート層の説明において示したとおりである。
本発明においては、前記(A)ハードコート層及び(B)低屈折率層の形成は、以下に示す方法で行うのが有利である。
まず、基材フィルムの一方の面にハードコート層形成用塗工液をコーティングして塗膜を形成させ、活性エネルギー線を照射してハーフキュア状態に硬化させる。この際、紫外線を照射する場合には、光量は、通常50〜150mJ/cm2程度である。次いで、このようにして形成されたハーフキュア状態の硬化層上に、低屈折率層形成用塗工液をコーティングして塗膜を形成させ、活性エネルギー線を十分に照射し、前記ハーフキュア状態の硬化層と共に完全に硬化させる。この際、紫外線を照射する場合、光量は、通常400〜1000mJ/cm2程度である。なお、(A)ハードコート層及び/又は低屈折率層を完全に硬化させる際は、酸素による硬化阻害を防ぐために、窒素ガスなどの雰囲気下で、活性エネルギー線を照射することができる。この場合、酸素濃度は低い方がよく、2容量%以下が好ましい。
このようにして、基材フィルム上に、(A)層と(B)層間の密着性に優れる(A)近赤外線吸収性ハードコート層及び(B)低屈折率層が順次形成される。
このようにして作製された本発明の反射防止フィルムにおいては、少なくとも波長850〜1000nmの全領域における透過率が30%以下であることを要す。該透過率が30%以下であれば、本発明の反射防止フィルムをPDPの前面板に用いた場合に、該PDPから発生する近赤外線による周辺電子機器(例えば、コードレスホン、近赤外線リモートコントロール装置を使用するビデオデッキなど)の誤作動を抑制することができる。前記透過率は、好ましくは20%以下である。
また、波長500〜700nmにおける反射率は、通常3%以下であり、全光線透過率は、通常40%以上、好ましくは50%以上である。また、ヘイズ値は、通常3%未満であり、ハードコート層に防眩性付与剤を含有させた場合は、3〜30%程度である。
本発明の反射防止フィルムにおいては、前記(B)低屈折率層上に防汚コート層を設けることができる。この防汚コート層は、一般にフッ素系樹脂を含む塗工液を、従来公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを用いて、(B)低屈折率層上にコーティングし、塗膜を形成させ、乾燥処理することにより、形成することがきでる。
この防汚コート層の厚さは、通常1〜10nm、好ましくは3〜8nmの範囲である。該防汚コート層を設けることにより、得られる反射防止フィルムは、表面の滑り性が良くなると共に、汚れにくくなる。
このようにして、近赤外線吸収性能と反射防止性能を兼備すると共に、耐擦傷性に優れる上、層構成が簡単でコストの低い反射防止フィルムを得ることができる。この反射防止フィルムは、特にPDPの前面板に好適に用いられる。
本発明の反射防止フィルムにおいては、基材フィルムのハードコート層とは反対側の面に、前面板における被着体に貼着させるための粘着剤層を形成させることができる。この粘着剤層を構成する粘着剤としては、光学用途用のもの、例えばアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤が好ましく用いられる。この粘着剤層の厚さは、通常5〜50μmの範囲である。この粘着剤層には、表示装置の発光色を色調補正するために、染料や顔料を含有させることができる。
さらに、この粘着剤層の上に、剥離フィルムを設けることができる。この剥離フィルムとしては、例えばグラシン紙、コート紙、ラミネート紙などの紙及び各種プラスチックフィルムに、シリコーン樹脂などの剥離剤を塗付したものなどが挙げられる。この剥離フィルムの厚さについては特に制限はないが、通常20〜150μm程度である。
本発明の反射防止フィルムは、ディスプレイ用、特にPDP用の反射防止フィルムとして好適に使用できる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例で得られた反射防止フィルムの物性は、以下に示す方法に従って測定した。
(1)波長500nm、600nm及び700nmにおける反射率
分光光度計[(株)島津製作所製「UV−3101PC」]により、波長500nm、600nm及び700nmにおける反射率を測定した。
(2)波長850〜1000nmにおける分光透過率
分光光度計[(株)島津製作所製「UV−3101PC」]により、波長850nmから1000nmにおける分光透過率(以下、透過率という。)を測定した。波長850nm、900nm及び1000nmの測定値を第1表に示す。
(3)全光線透過率及びヘイズ値
日本電色工業社製ヘイズメーター「NDH 2000」を使用し、JIS K 6714に準拠して測定した。
(4)60°グロス値
日本電色工業社製グロスメーター「VG 2000」を使用し、JIS K 7105に準拠して測定した。
(5)耐擦傷性
スチールウール#0000を使用し、荷重9.8×10-3N/mm2で5往復擦った後に目視観察を行い、下記の判定基準で評価した。
○:傷が付かない。
×:傷が付く。
実施例1
(1)A液(ハードコート層形成用塗工液)の調製
活性エネルギー線硬化性化合物として多官能アクリレート混合物[荒川化学(株)製、商品名「ビームセット577CB」、固形分濃度100%]100重量部に、光重合開始剤[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア907」]2重量部を添加し、次いで近赤外線吸収剤[住友金属鉱山(株)製、商品名「YMF−01」、セシウム含有酸化タングステン(タングステンに対し、セシウム33モル%含有)含有量10重量%懸濁液、全固形分濃度14重量%]300重量部を混合したのち、全体の固形分濃度が30重量%になるようにメチルイソブチルケトン(MIBK)で希釈して、A液(ハードコート層形成用塗工液)を調製した。
(2)B液(低屈折率層形成用塗工液)の調製
多官能アクリレート混合物[荒川化学(株)製、商品名「ビームセット577CB」、固形分濃度100%]100重量部に、光重合開始剤[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア907」]5重量部を添加し、次いで多孔性シリカ粒子のメチルイソブチルケトン(MIBK)分散体[触媒化成工業(株)製、商品名「ELCOM RT−1002SIV」、固形分濃度21重量%、多孔性シリカ粒子:比重1.8、屈折率1.30、平均粒径60nm]1200重量部を混合したのち、全体の固形分濃度が2重量%になるようにMIBKで希釈して、(B)液(低屈折率層形成用塗工液)を調製した。
(3)反射防止フィルムの作製
基材フィルムとして厚さ100μmの両面易接着処理ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム[東洋紡績(株)製、商品名「A4300」]表面に、前記(1)で得たA液を硬化後の厚さが6μmになるように、マイヤーバーNo.16で塗布した。次いで、90℃で1分間乾燥したのち、紫外線を光量100mJ/cm2で照射して、ハーフキュア状態に硬化させた。
次に、このハーフキュア面に、前記(2)で得たB液を硬化後の厚さが100nmになるようにマイヤーバーNo.4で塗布した。次いで、80℃で1分間乾燥したのち、窒素ガス雰囲気下(酸素濃度0.5容量%)で紫外線を光量500mJ/cm2で照射して、完全硬化させ、PETフィルム上に、屈折率1.54の近赤外線吸収性ハードコート層及び屈折率1.38の低屈折率層を順次形成させることにより、反射防止フィルムを作製した。
このようにして作製された反射防止フィルムの物性を第1表に示す。この反射防止フィルムの波長850〜1000nmの全領域における透過率は30%以下であった。
なお、各コート層の厚さは、松下インターテクノ社製「フィルメトリクスF−20」により測定し、屈折率は(株)アタゴ製アッベ屈折計(Na光源、波長:約590nm)により測定した。(以下、同様)
参考例
実施例1におけるA液(ハードコート層形成用塗工液)の調製を、下記のように変更した以外は、実施例1と同様に実施した。
<A液の調製>
多官能アクリレート混合物[荒川化学(株)製、商品名「ビームセット577CB」、固形分濃度100%]100重量部に、光重合開始剤[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア907」]2重量部を添加し、次いで近赤外線吸収剤[(株)日本触媒製、商品名「イーエックスカラーIR−12」、フタロシアニン系、固形分濃度100%(粉体)]1.3重量部、近赤外線吸収剤[(株)日本触媒製、商品名「イーエックスカラーIR−14」、フタロシアニン系、固形分濃度100%(粉体)]0.75重量部、近赤外線吸収剤[(株)日本触媒製、商品名「イーエックスカラーIR−906B」、フタロシアニン系、固形分濃度100%(粉体)]0.65重量部、近赤外線吸収剤[(株)日本触媒製、商品名「イーエックスカラーIR−910B」、フタロシアニン系、固形分濃度100%(粉体)]3.3重量部を混合したのち、全体の固形分濃度が30重量%になるようにMIBKで希釈してA液(ハードコート層形成用塗工液)を調製した。
このようにして作製した反射防止フィルムの物性を第1表に示す。この反射防止フィルムの波長850〜1000nmの全領域における透過率は30%以下であった。なお、ハードコート層の屈折率は、1.53であった。
実施例3
実施例1におけるA液(ハードコート層形成用塗工液)の調製を、下記のように変更した以外は、実施例1と同様に実施した。
<A液の調製>
多官能アクリレート混合物[荒川化学(株)製、商品名「ビームセット577CB」、固形分濃度100%]100重量部に、光重合開始剤[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア907」]2重量部を添加し、次いで近赤外線吸収剤[住友金属鉱山(株)製、商品名「YMF−01」、セシウム含有酸化タングステン(タングステンに対し、セシウム33モル%含有)含有量10重量%懸濁液、全固形分濃度14重量%]300重量部を混合し、さらに防眩性付与剤としてシリカ粒子[東ソー・シリカ(株)製、商品名「ニップシールE−200」、平均粒径3μm]5重量部を加えたのち、全体の固形分濃度が30重量%になるようにMIBKで希釈してA液(ハードコート層形成用塗工液)を調製した。
このようにして作製した反射防止フィルムの物性を第1表に示す。この反射防止フィルムの波長850〜1000nmの全領域における透過率は30%以下であった。なお、ハードコート層の屈折率は、1.53であった。
比較例1
実施例1(1)におけるA液の調製において、近赤外線吸収剤を用いなかったこと以外は、実施例1と同様に実施して、反射防止フィルムを作製した。ハードコート層の屈折率:1.53
このようにして作製した反射防止フィルムの物性を第1表に示す。
比較例2
実施例1(1)のA液の調製において、光重合開始剤「イルガキュア907」の使用量を5重量部に変更した以外は、実施例1(1)と同様にして、ハードコート層形成用塗工液を調製した。
次に、基材フィルムとして、厚さ100μmのPETフィルム「A4300」(前出)表面に、前記ハードコート層形成用塗工液を硬化後の厚さが6μmになるように、マイヤーバーNo.16で塗布した。次いで、90℃で1分間乾燥したのち、紫外線を光量250mJ/cm2で照射して完全硬化させ、ハードコートフィルムを作製した。
このようにして作製されたハードコートフィルムの物性を第1表に示す。
Figure 0005242883
第1表から、本発明の反射防止フィルム(実施例1、3及び参考例2)は、いずれも反射防止性に優れると共に、近赤外線吸収性に優れ、耐擦傷性にも優れている。また、実施例3は、ハードコート層に防眩性付与剤を含有させているので、60°グロス値が58となっている。
これに対し、比較例1は、ハードコート層に近赤外線吸収剤を含んでいないので、近赤外線吸収性能が付与されていない。また、比較例2は、低屈折率層が設けられていないので、反射防止性に劣る。
本発明の反射防止フィルムは、近赤外線吸収性能と反射防止性能を有し、かつ耐擦傷性に優れる上、層構成が簡単でコストが低く、特にPDP用として好適である。

Claims (5)

  1. 基材フィルムの一方の面に、(A)活性エネルギー線照射による硬化樹脂とセシウム含有酸化タングステンからなる近赤外線吸収剤を含む厚さ2〜20μm、屈折率1.49〜1.55のハードコート層、及び(B)活性エネルギー線照射による硬化樹脂を含む屈折率1.30〜1.40、厚さ50〜200nmの低屈折率層が順次積層され、かつ少なくとも波長850〜1000nmの全領域における透過率が30%以下であることを特徴とする反射防止フィルム。
  2. (A)層に、さらに無機フィラーを含有させてなる請求項1に記載の反射防止フィルム。
  3. (B)層が、比重1.7〜1.9、屈折率1.25〜1.36、平均粒径20〜100nmの多孔性シリカ30〜80重量%を含む請求項1又は2に記載の反射防止フィルム。
  4. 基材フィルムの他方の面に、厚さ5〜50μmの粘着剤層を有する請求項1〜3のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  5. プラズマディスプレイ用である請求項1〜4のいずれかに記載の反射防止フィルム。
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