JP2008021088A - 基準電圧発生回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】スタートアップ回路を構成するトランジスタがオン状態となるために必要な電圧Vtが比較的高い場合であっても、安定した動作を維持することができる基準電圧発生回路を提供する。
【解決手段】基準電圧発生回路において、電源の投入と共にスタートアップ回路30aに含まれるNMOSトランジスタ33のゲートには、ノードN5の電位が入力される。ノードN5の電位は、抵抗43に生じる電位差分だけ出力ノードN1よりも高くなる。よって、出力ノードN1の電位が本来の基準電圧になる前に、NMOSトランジスタ33のVtを超えるように抵抗43の値が設定されれば、スタートアップ回路を構成するトランジスタ33のVtが比較的高い場合であっても、基準電圧発生回路は基準電圧を超える電圧を出力することなく、速やかに立ち上がって基準電圧で安定させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、所定の基準電圧を出力する基準電圧発生回路に関する。
基準電圧発生回路においては、周囲の温度などの条件の変動によってその出力電圧が変化しないように、従来から様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1においては、温度変動による基準電圧の変化を、バンドギャップ電圧を利用することによって吸収する回路が示されている。
特開2002−151653号公報
ここで、バンドギャップ型の基準電圧発生回路の構成例を説明する。図2はバンドギャップ型の基準電圧発生回路の構成例を示す回路図である。
図2において、抵抗11,12および14と、PN接合ダイオード(あるいはダイオード接続されたバイポーラ型トランジスタ)13および15とは、バンド・ギャップ・リファレンス回路10を構成している。このバンド・ギャップ・リファレンス回路10においては、基準電圧を出力する出力ノードN1に対し直列に抵抗11および12が接続され、さらに抵抗12と接地間にPN接合ダイオード13が順方向に接続されている。また、出力ノードN1に抵抗14が接続され、抵抗14と接地間にPN接合ダイオード15が順方向に接続されている。
そして、抵抗11と12の接続点であるノードN2の電位VN2と、抵抗14とPN接合ダイオード15の接続点であるノードN3の電位VN3が差動増幅器20のそれぞれの入力端子に入力される。この場合、差動増幅器20は、定電流源21と、そのゲートが差動入力端子となるPMOSトランジスタ22および23と、カレントミラー回路を構成するように接続されたNMOSトランジスタ24および25によって構成されている。差動増幅器20の出力信号はノードN4から出力され、出力段トランジスタであるNMOSトランジスタ42のゲートに供給される。NMOSトランジスタ42のドレインは出力ノードN1に接続され、ソースは接地されている。電源ラインとNMOSトランジスタ42のドレイン間には定電流源41が介挿されている。また、出力ノードN1とNMOSトランジスタ42のゲート間には位相補償用のコンデンサ44と抵抗45とが順次介挿されている。
以上の構成により、ノードN2,N3の電位差が差動増幅器20で増幅され、さらにNMOSトランジスタ42で増幅された後に出力ノードN1を介してバンド・ギャップ・リファレンス回路10、すなわち、差動増幅器20の入力側にフィードバックされる。このフィードバックループによって、差動増幅器20はノードN2,N3の電位が等しくなるように動作する。
ここで、バンド・ギャップ・リファレンス回路10においては、PN接合ダイオード13の電流密度がPN接合ダイオード15の電流密度より小さくなるように、PN接合ダイオード13のPN接合面の面積(ダイオード接続のトランジスタを用いる場合はエミッタ面積)をPN接合ダイオード15に対して大きく設定している。
この結果、PN接合ダイオード13と15とのアノード・カソード間に電位差が生じるが、その差分ΔVはダイオードのバンドギャップに対応した安定した定電圧となる。
そして、差動増幅器20は上述したフィードバックループによって、ノードN2とN3の電位、すなわち電位VN2とVN3とが等しくなるように動作するから、抵抗12に流れる電流による電圧降下分が、上記電位差ΔVに等しくなるように動作する。そして、抵抗11,12,14の値を適宜設定することにより、PN接合ダイオード13、15の順方向降下電圧の温度依存をキャンセルすることができる。したがって、温度変動があっても安定した基準電位VREFを維持することができる。この場合の基準電位VREFは約1.2Vである。
ところで、電源電圧VDDが立ち上がって安定した状態においては、低消費電力化のためにバンド・ギャップ・リファレンス回路10に流れる電流を小さくする必要があるが、このような回路設定にすると、電源電圧VDDの立ち上がり直後にはPN接合ダイオード13および15に充分な電流が流れず、差動増幅器20の入力に所定の電位差が得られず、最終的に基準電圧VREFが所定の値を得られないという問題が生じる。
そこで、この問題を回避するために設けられているのが図2に示すスタートアップ回路30である。スタートアップ回路30は、定電流源31と、NMOSトランジスタ32および33によって構成され、電源投入時にバンド・ギャップ・リファレンス回路10に起動電流を供給する。ここで、NMOSトランジスタ32は、ドレインが差動増幅器20の出力信号が出力されるノードN4に接続され、ゲートが定電流源31の出力側に接続され、ソースが接地されている。また、NMOSトランジスタ33は、ドレインが定電流源31の出力側に接続され、ゲートは出力ノードN1に接続され、ソースが接地されている。
次に、スタートアップ回路30の動作について説明する。
電源が投入されてから、電源電圧VDDが本来の値に立ち上がるまでには時間を要する。すなわち、電源投入直後は、電源電圧VDDは、接地電位に近い。このため、NMOSトランジスタ33がオフ状態となる。NMOSトランジスタ33がオフ状態であるから、定電流源31の出力側、すなわち、NMOSトランジスタ32のゲート電位が高くなり、NMOSトランジスタ32がオン状態になる。トランジスタ32がオン状態になると、出力段トランジスタであるNMOSトランジスタ42はオフ状態になる。この結果、定電流源41から出力される電流はNMOSトランジスタ42側には流れず、バンド・ギャップ・リファレンス回路10に流れ、PN接合ダイオード13,15に充分な起動電流が供給される。
次に、電源電圧VDDが立ち上がってくると、定電流源41の出力側の電位が上昇し、NMOSトランジスタ33がオンとなるような電位になる。この結果、NMOSトランジスタ33がオン状態に変わり、NMOSトランジスタ32がオフ状態になる。NMOSトランジスタ32がオフ状態になると、出力段のNMOSトランジスタ42がオン状態(動作状態)になり、同時にそれまで接地されていた差動増幅器20の出力側トランジスタであるNMOSトランジスタ25のドレインが非接地となり、差動増幅器20の入力側の電位差に応じた電圧が出力される。この時点では、ノードN2およびN3には電位差が生じているから、ノードN4にはこの電位差に応じた電圧が出力され、この電圧がNMOSトランジスタ42で増幅されて、バンド・ギャップ・リファレンス回路10にフィードバックされる。これにより、差動増幅器20はノードN2とN3の電位VN2、N3を等しくするように動作し、出力ノードN1から出力される基準電圧VREFは、徐々に上昇して所定の値(約1.2V)になって安定する。
ところで、図2に示す基準電圧発生回路においては、スタートアップ回路30のNMOSトランジスタ33には、トランジスタがオン状態となるために必要な電圧Vt(以下、単純にVtという)が出力すべき基準電圧VREFより低いトランジスタ(例えば、0.6V)しか用いることができなかった。なぜならば、Vtが基準電圧VREFより大きければ、出力ノードN1の電位が基準電位に達しても、NMOSトランジスタ33がオンせず、スタートアップ状態が継続してしまうからである。この場合、定電流源41から出力される電流の全てがバンド・ギャップ・リファレンス回路10に流れ続けるが、差動増幅器20のフィードバックループが機能しないために、定電流源41の出力側の電位が、電源電圧VDDの立ち上がりと共に、上がり続ける。そして、NMOSトランジスタ33のVtに達した時点でNMOSトランジスタ33がオンし、差動増幅器20のフィードバックループが機能する。差動増幅器20のフィードバックループが機能すると、本来の基準電圧VREFとなるように出力ノードN1の電位が徐々に降下して安定する。このように、出力ノードN1の電位が本来の基準電圧VREFよりも大幅に上昇した後に下降して安定するという動作になる。
このように、出力ノードN1の電位が本来の基準電圧VREFより上昇してしまうと以下のような問題が生じる。一般に、基準電圧発生回路が出力する基準電圧VREFは、2倍、3倍と昇圧されて、他の回路の参照電圧として用いられるが、基準電圧VREF自体が本来の値よりも高く(数倍)になってしまうと、それを昇圧して参照する他の回路においては、かなり大きな電圧が参照電圧として発生してしまう。この結果、例えば、ロジック回路に供給する電源電圧を基準電圧VREFの数倍のオーダーで生成していた場合は、ロジック回路に供給される電圧が異常に高くなってしまうため、ロジック回路のトランジスタ等に故障や破壊が生じるという問題を生じる。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、スタートアップ回路を構成するトランジスタがオン状態となるために必要な電圧が比較的高い場合であっても、基準電圧を安定して出力する技術を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、出力ノードと接地間に順次介挿される第1の抵抗および第1の整流素子と、前記出力ノードと接地間に順次介挿される第2、第3の直列抵抗および前記第1の整流素子より電流密度の小さい第2の整流素子とを有し、前記第1の抵抗と前記第1の整流素子の接続点の電位を第1の電位として出力し、前記第2、第3の直列抵抗の接続点の電位を第2の電位として出力するバンド・ギャップ・リファレンス回路と、前記第1、第2の電位の電位差を増幅する差動増幅器と、前記差動増幅器の出力電圧を増幅して前記出力ノードに出力する出力段トランジスタと、電源ラインと前記出力ノードとの間に順次介挿入される定電流源および抵抗と、スイッチング素子と、前記スイッチング素子のオン/オフに基づいて前記出力段トランジスタのオン/オフを制御するオン/オフ制御回路とを具備し、前記スイッチング素子の制御端子には、前記定電流源および抵抗の接続点の電位が供給されることを特徴とする基準電圧発生回路を提供する。
この基準電圧発生回路の好ましい態様において、前記スイッチング素子はNMOSトランジスタであり、前記NMOSトランジスタのゲートが前記制御端子となり、前記オン/オフ制御回路は、前記NMOSトランジスタがオフのときに前記出力段トランジスタをオフ状態にし、前記NMOSトランジスタがオンのときに前記出力段トランジスタを動作状態にする。
また、この基準電圧発生回路の好ましい態様において、前記オン/オフ制御回路は制御用NMOSトランジスタで構成され、前記制御用NMOSトランジスタは前記スイッチング素子を構成するNMOSトランジスタがオンのときにオフ、オフのときにオンとなるように接続され、前記制御用NMOSトランジスタはオンのときに前記出力段トランジスタの制御端子を接地する。
本発明の基準電圧発生回路によれば、スタートアップ回路を構成するトランジスタがオン状態となるために必要な電圧が比較的高い場合であっても、基準電圧を安定して出力することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、本実施形態に係る基準電圧発生回路を示した回路図である。なお、上述した従来の技術と共通する回路や回路素子については、図2と共通の符号を用いる。また、バンド・ギャップ・リファレンス回路10と、差動増幅器20の構成および動作については、上述した従来の技術のものと同じであるからその説明を省略する。
本実施形態が前述した従来回路と異なる点は、定電流源41の出力側と出力ノードN1との間に抵抗43が介挿され、定電流源41の出力側と抵抗43の接続点であるノードN5がNMOSトランジスタ33のゲートに接続されている点である。図において、定電流源31と、NMOSトランジスタ32および33が、本実施形態におけるスタートアップ回路30aを構成している。
このような構成によれば、ノードN5の電位は、抵抗43の電圧降下分だけ出力ノードN1より高くなり、この電位がNMOSトランジスタ33のゲートに入力される。
したがって、出力ノードN1の電位が基準電圧VREFになる前に、ノードN5の電位がNMOSトランジスタ33のVtを超えるように、抵抗43の値を設定しておけば、出力ノードN1の電位が基準電圧VREFを超える前に、NMOSトランジスタ33が確実にオンし、差動増幅器20のフィードバックループが機能する。この結果、出力ノードN1の電位は基準電圧VREFを超えることなく、速やかに本来の基準電圧VREFまで上昇して安定する。
なお、本発明は種々の形態によって実施可能である。例えば、上述した実施形態を次のように変形してもよい。
上述した実施形態においては、NMOSトランジスタ33、NMOSトランジスタ32(制御用NMOSトランジスタ)を用いて出力段のNMOSトランジスタ42のオン、オフを制御したが、NMOSトランジスタ33のオン、オフに連動して出力段のNMOSトランジスタ42のオン、オフを制御する構成であれば、NMOSトランジスタ32に限らず、他のスイッチング素子を用いてもよく、また、実施形態で示した回路構成以外の結線をしてもよい。
さらに、NMOSトランジスタ33については、ノードN5の電位に応じてオン、オフできるものであれば、他のスイッチング素子を用いることもできる。
本発明の実施形態に係る基準電圧発生回路を示す回路図である。 従来の基準電圧発生回路を示す回路図である。
符号の説明
10…バンド・ギャップ・リファレンス回路、11,12,14,43,45…抵抗、13,15…PN接合ダイオード、20…差動増幅器、21,31,41…定電流源、22,23…PMOSトランジスタ、24,25,32,33,42…NMOSトランジスタ、30,30a…スタートアップ回路、44…コンデンサ。

Claims (3)

  1. 出力ノードと接地間に順次介挿される第1の抵抗および第1の整流素子と、前記出力ノードと接地間に順次介挿される第2、第3の直列抵抗および前記第1の整流素子より電流密度の小さい第2の整流素子とを有し、前記第1の抵抗と前記第1の整流素子の接続点の電位を第1の電位として出力し、前記第2、第3の直列抵抗の接続点の電位を第2の電位として出力するバンド・ギャップ・リファレンス回路と、
    前記第1、第2の電位の電位差を増幅する差動増幅器と、
    前記差動増幅器の出力電圧を増幅して前記出力ノードに出力する出力段トランジスタと、
    電源ラインと前記出力ノードとの間に順次介挿入される定電流源および抵抗と、
    スイッチング素子と、
    前記スイッチング素子のオン/オフに基づいて前記出力段トランジスタのオン/オフを制御するオン/オフ制御回路と
    を具備し、
    前記スイッチング素子の制御端子には、前記定電流源および抵抗の接続点の電位が供給されることを特徴とする基準電圧発生回路。
  2. 前記スイッチング素子はNMOSトランジスタであり、前記NMOSトランジスタのゲートが前記制御端子となり、前記オン/オフ制御回路は、前記NMOSトランジスタがオフのときに前記出力段トランジスタをオフ状態にし、前記NMOSトランジスタがオンのときに前記出力段トランジスタを動作状態にすることを特徴とする請求項1記載の基準電圧発生回路。
  3. 前記オン/オフ制御回路は制御用NMOSトランジスタで構成され、前記制御用NMOSトランジスタは前記スイッチング素子を構成するNMOSトランジスタがオンのときにオフ、オフのときにオンとなるように接続され、前記制御用NMOSトランジスタはオンのときに前記出力段トランジスタの制御端子を接地することを特徴とする請求項2記載の基準電圧発生回路。
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