JP2008020576A - 定着装置、画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ニップ部領域内の加熱ローラ弾性層の局所的な変形を生み、ニップ出口部の用紙突出姿勢を適正化することで、画像ズレや用紙負荷を低減しつつ、効率的に剥離性能を向上する。
【解決手段】弾性層3と熱源6を有する加熱定着ローラ1と、無端状部材23と加圧部材21を有する加圧手段を備え、未定着のトナー像を付着させたまま記録媒体32を搬送して無端状部材23を加熱手段で形成されるニップ部を通過させ、記録媒体32上の未定着トナー像を定着する定着装置である。ニップ部内の中央領域の加圧部材21の弾性層の弾性係数K=EA/t(E:ヤング率、A:ニップ面積、t:荷重方向厚さ)を一定にする。また加圧部材21を支持する支持部材22のニップ部内中央領域の荷重方向厚さをニップ部入り口領域と出口領域の荷重方向厚さよりも厚くし、凸形状に設定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、定着装置及びそれを用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置に関する。
弾性層と熱源を有する加熱手段と、無端状部材と加圧部材を有する加圧手段を備え、未定着のトナー像を付着させたまま記録媒体を搬送して前記無端状部材を前記加熱手段で形成されるニップ部を通過させ、前記記録媒体上の未定着トナー像を定着する定着装置に関しては、種々の提案がなされているが、従来の技術は、定着装置として表面が弾性変形する回転可能な加熱ローラに出口部を局所的に弾性変形させる加圧部材を圧接させ、ニップ部を形成し、その間に送り込まれる記録媒体上のトナー像を加圧及び加熱し、定着するベルトニップ方式である。しかしながら、このベルトニップ方式の定着装置では、出口部の局所的な変形による速度差から画像ズレが生じやすいという課題がある。更に、加熱ローラの弾性層を硬質部材で押圧することで局所的に弾性層に歪を設け、曲率の小さいニップ形状を作ることがら、用紙に与える負荷(ペーパーダメージ、及びカール量)が大きくなる。
そこで特許文献1には、定着加圧ベルトの加圧手段が、入り口パッド、中央パッド、出口加圧ローラの構成で、それぞれ、独立して加圧され、入り口パッドから中央パッド、出口ローラに向け、中央は低い、V字形状としたものが開示されている。また特許文献2には、加圧ベルトを張架する圧力ロールがニップ部の出口付近で定着ロールに押圧されており、定着ロールの表面には弾性体層が設けられ、圧力ロールが押圧されることによって記録シートの剥離が促進され、またニップ部の上流部には柔軟な弾性体層を有する補助ロールが圧接され、記録シート全体が定着ロールの表面速度より早い速度で搬送されるのを抑止し、画像のずれを防止する技術が開示されている。この補助ロールの圧接力と加圧ベルトの張力による圧接力との和は、圧力ロールの圧接力より大きく設定されることにより有効に画像ずれが防止されるとされている。さらに特許文献3には、加熱ロールと該加熱ロールを圧接する加圧ベルトおよび前記加圧ベルトを背後から加圧する前記加圧ロールとを備え、前記加熱ロールおよび前記加圧ベルトにより形成されるニップ域に未定着トナー像を通過させ、熱及び圧力によって定着する加熱加圧型定着装置が開示されており、加圧部材は、先端が、曲面形状となっている。またさらに特許文献4には、熱定着ローラの芯金に硬さJIS A 35度以下、圧縮永久歪10%以下、ゴム厚1.5〜4mmのシリコーンゴム層を形成するものが開示されており、特許文献5には、加熱定着ローラに対して、転写紙を押圧する加圧ベルトと、加圧ベルトを掛けわたしている複数のベルト支持部材を有する加圧ベルト支持手段と、加熱定着ローラと加圧ベルトの外周面との間で、転写紙を挾圧させる押圧手段とを有し、押圧手段として加熱定着ローラの内周面と加圧ベルトの内周面に対に、少なくとも1組以上の押圧部材を有している画像形成装置が開示されている。
特開2004−045780号公報 特開平08−166734号公報 特開平11−212389号公報 特開昭63−036283号公報 特開2002−207388号公報 特許第3298354号公報 特開2005−164721号公報
本発明は、上述した従来の問題点にかんがみ、加熱手段と、加圧部材と、無端状部材を少なくとも備えた定着装置であって、装置の構成を簡単化し、記録媒体に大きな負荷をかけずに加熱手段からの記録媒体の分離性を向上させ、且つ記録媒体上に形成される画質も向上させる定着装置又は画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る本発明の定着装置は、弾性層と熱源を有する加熱手段と、無端状部材と加圧部材を有する加圧手段を備え、未定着のトナー像を付着させたまま記録媒体を搬送して前記無端状部材を前記加熱手段で形成されるニップ部を通過させ、前記記録媒体上の未定着トナー像を定着する定着装置において、前記ニップ部内の全領域の前記加圧部材の弾性層の弾性係数K=EA/t(E=ヤング率、A=ニップ部面積、t=荷重方向厚さ)を一定にし、加圧部材を支持する支持部材のニップ部内中央領域の荷重方向厚さをニップ部入り口領域と出口領域の荷重方向厚さよりも厚くし、凸形状に設定したことを特徴とする。
同請求項2に係る本発明の定着装置は、請求項1の定着装置において、前記加圧部材の記録媒体搬送方向の幅が、無限平板を用いて加熱手段を圧接したときに形成されるニップ部の幅と同じ幅もしくはそれ以下となる加圧部材であることを特徴とする。
同請求項3に係る本発明の定着装置は、請求項1または2の定着装置において、前記加圧部材を支持する支持部材のニップ部内中央領域の荷重方向厚さをニップ部入り口領域と出口領域の荷重方向厚さよりも厚くし、ステップ形状に設定したことを特徴とする。
同請求項4に係る本発明の定着装置は、請求項1または2の定着装置において、前記加圧部材を支持する支持部材のニップ部内中央領域の荷重方向厚さをニップ部入り口領域と出口領域の荷重方向厚さよりも厚くし、曲面形状に設定したことを特徴とする。
同請求項5に係る本発明の定着装置は、請求項1または2の定着装置において、前記加圧部材を支持する支持部材のニップ部内中央領域の荷重方向厚さをニップ部入り口領域と出口領域の荷重方向厚さよりも厚くし、山形状に設定したことを特徴とする定着装置。
同請求項6に係る本発明の定着装置は、請求項1または2の定着装置において、ニップ部入り口領域と出口領域に加圧部材の弾性層と加圧部材を支持する支持部材の間に、空隙を備えたことを特徴とする。
同請求項7に係る本発明の定着装置は、請求項1から6のいずれかの定着装置において、前記加熱手段が、前記弾性層と前記熱源を内部に有する回転可能な加熱定着ローラであることを特徴とする。
同請求項8に係る本発明の定着装置は、請求項7の定着装置において、前記加熱定着ローラの外径が27mm以下、前記加熱ローラ弾性層のゴム硬度が8Hs(JIS−A)以下、ゴム厚さが0.8mm以上であることを特徴とする。
同請求項9に係る本発明の定着装置は、請求項8の定着装置において、前記加熱定着ローラ弾性層の永久歪4%以下であることを特徴とする。
同請求項10に係る本発明の定着装置は、請求項1から6のいずれかの定着装置において、前記加熱手段が、前記弾性層と前記熱源と無端状加熱部材と前記無端状加熱部材を張架する複数の回転可能なローラとを有することを特徴とする。
同請求項11に係る本発明の画像形成装置は、異なる色のトナー像を形成する複数の現像手段と、前記現像手段のトナー像を表面に付着させる感光手段と、前記感光手段のトナー像を転写する中間転写手段と、前記中間転写手段のトナー像を記録媒体に転写する転写手段とを有し、請求項1から10のいずれかの定着装置を備えたことを特徴とする。
本発明は、加熱手段で形成されるニップ部内の中央領域の加圧部材の弾性層の弾性係数Kをニップ部入り口領域と出口領域よりも高く設定すること、及び加圧手段の中央部を、前記ニップ部入り口領域と同出口領域よりも、加圧方向で厚さを薄くすることで、この領域内の加熱ローラ弾性層の局所的な変形を生み、ニップ出口部の用紙突出姿勢を適正化することで、画像ズレや用紙負荷を低減しつつ、効率的に剥離性能を向上することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態を、図に示す実施例を参照して説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。
この画像形成装置100には、矢印A方向に回転する感光体110、感光体110の表面を帯電するスコロトロン帯電装置112、帯電された感光体110の表面を画像情報により変調された露光光Rで露光して感光体110上に静電潜像を形成するROS(レーザ出力部)113、感光体110上の静電潜像をトナーで現像して感光体110上にトナー像を形成する現像装置114、感光体110上のトナー像を用紙Pに転写する転写装置115、用紙Pに転写されたトナー像を定着する定着装置116、用紙Pを収納する用紙トレイ117、感光体110の表面をクリーニングするクリーナ118、感光体110表面の残留電荷を除去する除電装置119が備えられている。
次に、この図1を参照しながらこの画像形成装置における画像形成動作について説明する。
先ず、画像読取部(図示せず)で原稿から読み取られた原画像信号、あるいは外部のコンピュータ(図示せず)などで作成された原画像信号が画像処理部(図示せず)に入力され、適切な画像処理が行われる。こうして得られた入力画像信号がROS(レーザ出力部)113に入力され、レーザ光線Rを変調する。入力画像信号によって変調されたレーザ光線Rは、スコロトロン帯電装置112により一様帯電された感光体110の表面にラスタ照射される。感光体110表面にレーザ光線Rがラスタ照射されると、感光体110上には入力画像信号に対応した静電潜像が形成される。
感光体110上に形成された静電潜像は現像装置114によりトナーで現像され、感光体110上にトナー像が形成される。感光体110上に形成されたトナー像は感光体110の矢印A方向への回転に伴われて、感光体110に対向して配置された転写装置115に向かって搬送される。
一方、用紙トレイ7に収納されていた用紙Pが感光体110と転写装置115との間のニップ部に向かって供給され、転写装置115により感光体110上のトナー像が用紙P上に転写される。用紙P上に転写されたトナー像は、定着装置116によって搬送されて定着され所望の画像が得られる。
トナー像の用紙P上への転写が終了した感光体110の表面に付着した残留トナーなどの付着物はクリーナ8によりクリーニングされ、さらに、感光体110の表面の残留電荷が除電装置9により除去されて、1回の画像形成動作が終了する。
図2は、図1に示す画像形成装置100に採用されている定着装置116の構成図である。この図2に示す定着装置は本発明の定着装置の一実施形態にも相当する。
図2において、1は加熱定着ローラであり、加熱定着ローラ1は、表面被覆層2と、弾性層3と、芯金4と、熱源6を有し、駆動回転している。32は記録媒体であり、31は記録媒体32の表面に付着した未定着トナーである。記録媒体32は、図2の矢印方向に搬送される。記録媒体32を挟んで、加圧手段が設けられている。加圧手段は、加圧部材21と、加圧部材21を支持する支持部材22と、加圧部材21と支持部材22を記録媒体32側に加圧する加圧スプリング11と、従動する無端状部材23と、無端状部材23と加圧部材21の間の摩擦を低減するための低摩擦部材25と、無端状部材23の搬送経路を規定するガイド24を備えている。加圧部材21と支持部材22は、搬送方向に曲面形状となっている。図中27は、無端状部材の23と加圧部材21の間の摩擦を更に低減するための潤滑油を供給する潤滑油供給部材である。一般的に潤滑油はシリコンオイルもしくはフッ素オイルなどが含まれているものを使用する。図中33は、加熱ローラ1と無端状部材23とのニップ部を通過した後の記録媒体32上の定着画像である。加熱定着ローラ1の表面被覆層2は、未定着トナー31が付着しにくいようにPFA層などが用いられる。また、弾性層3としては、一般的にシリコーンゴムやフッ素ゴムなどが用いられている。シリコーンゴムを用いた場合、耐膨潤性を向上させるためにフッ素層などがコートされることもある。無端状部材23は、PFAとポリイミドより形成されている。加圧部材21は、加圧方向の面がフラットな加圧パッドが用いられており、シリコーンゴム又はフッ素ゴムのゴム層を有している。ここで記録媒体32としては、カット紙などの用紙があげられる。
図3は、図2の構成の変形例的を示す図である。この例においては、支持部材22はステップ(階段)形状となっている。他の構成は図2と同じである。
図4は、やはり図2の構成の変形例を示す図である。この例において、支持部材22は山形状となっている。他の構成は図2と同じである。
図5も、やはり図2の構成の変形例を示す図である。この例において、ニップ入り口部と出口部で加圧部材21と支持部材22の間に空隙がある構成となっている。他の構成は図2と同じである。
図6は、上述した各例において、加圧部材を加熱定着ローラに圧接した時に得られるニップ部の加熱定着ローラの用紙搬送方向における圧力分布の例と、比較例の圧力分布を示す。図6のグラフは、縦軸が圧力で横軸が加熱定着ローラの用紙搬送方向(周方向)を示している。向かって左側(縦軸の書いてある側)から、記録媒体32が、加熱定着ローラ1と加圧部材21等間のニップ部に進入することになる。以下、分布線の左側をニップ部への入り口、右側をニップ領域からの出口として説明する。ニップ幅は、記録媒体32の搬送方向とする。
図6において、曲線81は、比較例であって加圧部材の弾性層のゴム硬度と荷重方向厚さが一定の構成で得た圧力分布の例である。比較のために簡易的に表している。曲線61は、ニップ内の中央領域の支持部材の厚さがニップ入り口領域と出口領域よりも厚く設定することで得られた圧力分布の例である。両圧力分布は加熱定着ローラ構成、荷重値、ニップ幅(パッド幅を可変)を同じ条件として得た圧力分布の例である。図示のように、比較例である曲線81は曲線61に比べてピーク圧力が低く、ニップ入り口部と出口部までなだらかな曲線で分布している。
図7は、ニップ中央部から出口部にかけての加熱定着ローラ弾性層の搬送方向変形形状の例である。この図7において、曲線70は、変形前の加熱定着ローラ表面形状で、曲線82は、図6の曲線81の圧力分布で得た変形後の加熱定着ローラ弾性層の変形形状(ニップ形状)の例である。また直線83は、そのニップ形状から導かれる用紙突出状態を模擬した直線で、クリアランス84は、直線83の直角方向に引いた線と曲線70が交差するまでの距離を示す。さらに、曲線62は、図6の曲線61の圧力分布で得た変形後の加熱定着ローラ弾性層の変形形状(ニップ形状)の例で、直線63は、そのニップ形状から導かれる用紙突出状態を模擬した直線である。クリアランス64は、直線63の直角方向に引いた線と曲線70が交差するまでの距離を示す。このクリアランス64が大きいことで、用紙が加熱定着ローラ表面から剥離し易くなると考える。ニップ出口部用紙突出後にできる用紙表面と加熱定着ローラ表面との間にできるクリアランスは、加熱定着ローラ弾性層の荷重方向変形量と加熱定着ローラ外径に大きく影響しているのが分かる。従って、加熱定着ローラ弾性層の荷重方向変形量を大きくすることで、剥離特性を向上させることが出来ると考える。
図8は、図2〜図5に示した定着装置(昭和電線製の加熱定着ローラ:加熱定着ローラ外径φ27mm、弾性層ゴム厚さ1.0mm、弾性層ゴム硬度8Hs(JIS−A)、弾性層ゴム永久歪4%、ゴム軸方向長さ230mm)に荷重40kgfを加え、加圧部材の構成を変更し、用紙の剥離特性を評価した結果である。なお後述する実験の設定はすべて同じ条件で、ニップ幅を一定にし(図8の加圧部材搬送方向幅は参考値)、加圧部材構成だけを変えて剥離実験を行った。
記録媒体としてはカット用紙を用いた。この実験では坪量55g/cmの一般的な用紙上にフルカラー画像を付着させ、図1に示した定着装置にて実験を行った。
その結果、ゴム硬度8Hs(JIS−A)、弾性層ゴム永久歪4%、ゴム荷重方向厚さ4mmの加圧部材を用いた定着装置に比べて、パッドの形状を図2〜5の様に変更することで、剥離性能が良くなることが確認できた。これは図7の直線(用紙姿勢を模擬した線)が示すように、加圧部材の入り口部と中央部、出口部と中央部の弾性係数差を適性値以上に設定したことにより、加熱ローラ弾性層の変形形状が適正化され、剥離性能が向上したと考える。さらに、加熱定着ローラ側の弾性層のゴム永久歪が大きい場合、加熱定着ローラ表面形状が局所的に変形し、画像の光沢ムラ等の画像劣化を起こす原因となる。今回の実験から、ゴム永久歪が5%以上の場合、光沢ムラが目立ち、ゴム永久歪4%以下が望ましいことが分かった。さらに、ニップ出口後の加熱定着ローラ表面と用紙表面とのクリアランスが大きいと用紙は剥離しやすいと言う考えから、加熱定着ローラの外径もこのクリアランスを決めるパラメータのひとつであることが分かる。今回の実験で、加熱定着ローラ外径がφ27mm以上の場合、剥離性能が低下するのが確認できた。従って、加熱定着ローラ外径はφ27mm以下が望ましい。
さらに、加熱定着ローラの弾性層の厚さも、加熱定着ローラ表面と用紙表面とのクリアランスを決めるパラメータのひとつであることが分かる。今回の実験から、ゴム厚さが0.8mm以下の場合、剥離性能が低下することが分かった。これは加熱定着ローラ弾性層の厚さが薄くなるにつれ、変形量が小さくなり、ニップ出口部の用紙突出姿勢を適正な状態にできないためと考える。従って、加熱定着ローラの弾性層の厚さは0.8mm以上が望ましい。
同じく、加熱定着ローラの弾性層のゴム硬度も、クリアランスを決めるパラメータのひとつであることが分かる。今回の実験から、ゴム硬度が8Hs(JIS−A)以上の場合、剥離性能が低下することが分かった。これは加熱定着ローラ弾性層の硬度が高くなるにつれ、変形量が小さくなり、ニップ出口部の用紙突出姿勢を適正な状態に出来ないためと考える。従って、加熱定着ローラの弾性層のゴム硬度は8Hs(JIS−A)以下が望ましい。
さらに、加圧部材のゴム永久歪が大きい場合、ニップ形状の経時的変形が起き、定着特性及び剥離特性が不安定になる可能性がある。今回の実験から、加圧部材のゴム永久歪が5%以上の場合、100時間以上の加熱空転後の剥離特性が低下することが確認できた。従って、加圧部材のゴム永久歪4%以下が望ましいことが分かった。
図9に本発明の実施例2を示す。実施例1と同一ないし類似する部位には、同じ符号を付して説明する。本実施例では、記録媒体32の未定着トナー32の付着した画像面側に設けられた符号5は無端状加熱部材を示す。図中8は、弾性層を有した加熱部材である。9は、加圧部材8を支持する加圧支持部材、6は熱源、10は加圧スプリングである。また図中7は無端状加熱部材5を張架し、もしくは同時に加熱する加熱ローラである。熱量が足りない場合は無端状加熱部材5を外側から、加熱ローラ7を接触させて、加熱する方法もある。
図中7aは、内部に熱源を持たずに回転する従動ローラである。無端状加熱部材を駆動する駆動源は加熱ローラ7にあるが、従動ローラ7aに設けても良い。図2のような加熱定着ローラ1を用いる構成よりも、この構成は無端状加熱部材を用いるので、装置全体の大きさに、さほど影響なく、ニップ幅やニップ出口部の変形形状を調整することができるという特性を持っている。加圧部材21と支持部材22は、搬送方向に曲面形状となっている。この構成の場合、加圧部材21の幅を加熱部材8の幅に比べて同等、もしくは小さく設定する必要がある。
図10は、図9の構成の変形例的を示す図である。この例においては、支持部材22はステップ形状となっている。他の構成は図9と同じである。他の構成は図9と同じである。
図11は、図9の構成の変形例的を示す図である。この例においては、支持部材22は山形状となっている他の構成は図9と同じである。
図12も図9の構成の変形例的を示す図である。この例においては、ニップ入り口部と出口部で加圧部材21と支持部材22の間に空隙がある構成となっている。他の構成は図9と同じである。
すなわち、以上のように本発明では、ニップ内の全領域の加圧部材の弾性層の弾性係数K=EA/t(E=ヤング率、A=ニップ面積、t=荷重方向厚さ)を一定にし、加圧部材を支持する支持部材のニップ内中央領域の荷重方向厚さをニップ入り口領域と出口領域の荷重方向厚さよりも厚くし、凸形状に設定することで、この領域内の加熱ローラ弾性層の局所的な変形を生み、ニップ出口部の用紙突出姿勢を適正化することで、画像ズレや用紙負荷を低減しつつ、効率的に剥離性能を向上することができた。
また本発明では、ゴム幅を適正化することで、加熱ローラ弾性層の局所的な変形を生み、ニップ出口部の用紙突出姿勢を適正化することで、画像ズレや用紙負荷を低減しつつ、効率的に剥離性能を向上することが出来た。加圧部材を支持する支持部材のニップ内中央領域の荷重方向厚さをニップ入り口領域と出口領域の荷重方向厚さよりも厚くし、ステップ形状に設定してもよいことは上述の通りである。また加圧部材を支持する支持部材のニップ内中央領域の荷重方向厚さをニップ入り口領域と出口領域の荷重方向厚さよりも厚くし、曲面形状に設定することができることも上述の通りである。
また本発明では、加圧部材を支持する支持部材のニップ内中央領域の荷重方向厚さをニップ入り口領域と出口領域の荷重方向厚さよりも厚くし、山形状に設定することができた。ニップ内入り口領域と出口領域に加圧部材の弾性層と加圧部材を支持する支持部材の間に、空隙を備えたことで、請求項1の効果を得ることが出来た。
また加熱ローラを用いることで、低価格で且つ請求項1の効果を得ることが出来た。加熱定着ローラの外径φ27以下、前記加熱ローラ弾性層のゴム硬度8Hs(JIS−A)以下、ゴム厚さ0.8mm以上であるようにすると良い。加熱定着ローラ弾性層の永久歪4%以下とすると良い。
また加熱ベルト用いたことで、高速化対応可能できた。
そして上述のような定着装置を備えることで、画像形成装置としては、装置の構成を簡単化し、記録媒体に大きな負荷をかけずに加熱手段からの記録媒体の分離性を向上させ、且つ記録媒体上に形成される画質も向上させることができた。
本発明の画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図 図1に示す画像形成装置に採用されている定着装置の構成図 図2の構成の変形例を示す図 図2の構成の変形例を示す図 図2の構成の変形例を示す図 各例の圧力分布例を示す図 ニップ中央部から出口部にかけての加熱定着ローラ弾性層の搬送方向変形形状の例を示す図 図2〜図5に示した定着装置の剥離特性の実験結果を示す図 加熱ベルトを用いた本発明の実施例2を示す図 図9の構成の変形例を示す図 図9の構成の変形例を示す図 図9の構成の変形例を示す図
符号の説明
1:加熱定着ローラ
2:表面被覆層
3:弾性層
4:芯金
5:無端状加熱部材
6:熱源
7:加熱ローラ
7a:従動ローラ
8:加熱部材
9:加圧支持部材
10、11:加圧スプリング
21:加圧部材
22:支持部材
23:無端状部材
24:ガイド
25:低摩擦部材
27:潤滑油供給部材
31:未定着トナー
32:記録媒体
33:定着画像
100:画像形成装置
110:感光体
112:スコロトロン帯電装置
113:ROS(レーザ出力部)
114:現像装置
115:転写装置
116:定着装置
117:用紙トレイ
118:クリーナ
119:除電装置
P:用紙
R:露光光

Claims (11)

  1. 弾性層と熱源を有する加熱手段と、無端状部材と加圧部材を有する加圧手段を備え、未定着のトナー像を付着させたまま記録媒体を搬送して前記無端状部材を前記加熱手段で形成されるニップ部を通過させ、前記記録媒体上の未定着トナー像を定着する定着装置において、
    前記ニップ部内の全領域の前記加圧部材の弾性層の弾性係数K=EA/t(E=ヤング率、A=ニップ部面積、t=荷重方向厚さ)を一定にし、加圧部材を支持する支持部材のニップ部内中央領域の荷重方向厚さをニップ部入り口領域と出口領域の荷重方向厚さよりも厚くし、凸形状に設定したことを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1の定着装置において、前記加圧部材の記録媒体搬送方向の幅が、無限平板を用いて加熱手段を圧接したときに形成されるニップ部の幅と同じ幅もしくはそれ以下となる加圧部材であることを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1または2の定着装置において、前記加圧部材を支持する支持部材のニップ部内中央領域の荷重方向厚さをニップ部入り口領域と出口領域の荷重方向厚さよりも厚くし、ステップ形状に設定したことを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1または2の定着装置において、前記加圧部材を支持する支持部材のニップ部内中央領域の荷重方向厚さをニップ部入り口領域と出口領域の荷重方向厚さよりも厚くし、曲面形状に設定したことを特徴とする定着装置。
  5. 請求項1または2の定着装置において、前記加圧部材を支持する支持部材のニップ部内中央領域の荷重方向厚さをニップ部入り口領域と出口領域の荷重方向厚さよりも厚くし、山形状に設定したことを特徴とする定着装置。
  6. 請求項1または2の定着装置において、ニップ部入り口領域と出口領域に加圧部材の弾性層と加圧部材を支持する支持部材の間に、空隙を備えたことを特徴とする定着装置。
  7. 請求項1から6のいずれかの定着装置において、前記加熱手段が、前記弾性層と前記熱源を内部に有する回転可能な加熱定着ローラであることを特徴とする定着装置。
  8. 請求項7の定着装置において、前記加熱定着ローラの外径が27mm以下、前記加熱ローラ弾性層のゴム硬度が8Hs(JIS−A)以下、ゴム厚さが0.8mm以上であることを特徴とする定着装置。
  9. 請求項8の定着装置において、前記加熱定着ローラ弾性層の永久歪4%以下であることを特徴とする定着装置。
  10. 請求項1から6のいずれかの定着装置において、前記加熱手段が、前記弾性層と前記熱源と無端状加熱部材と前記無端状加熱部材を張架する複数の回転可能なローラとを有することを特徴とする定着装置。
  11. 異なる色のトナー像を形成する複数の現像手段と、前記現像手段のトナー像を表面に付着させる感光手段と、前記感光手段のトナー像を転写する中間転写手段と、前記中間転写手段のトナー像を記録媒体に転写する転写手段とを有し、請求項1から10のいずれかの定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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