JP2008011739A - 冷菓、冷菓ミックス及びその製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】オーバーランの安定性が向上し食感のよい冷菓を得る。
【解決手段】脂肪分、HLBが8.0から11.0である乳化剤および水を含む、冷菓ミックス。
【選択図】図2

Description

本発明は冷菓(原料に脂肪分を含む氷菓を含む)及び冷菓ミックスに関し、特に、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスなどのアイスクリーム類、豆乳アイスクリーム、フローズンヨーグルトに関するものである。
アイスクリームなどの冷菓は、従来、図1に模式的に示すような連続式フリーザーを用いて製造されている。連続式フリーザーを用いて、連続的に冷菓を製造する際、エージングを終了したミックスへ気泡(オーバーラン)を入れるために冷凍シリンダーへミックスが入る前に空気バルブが設置されている。ここで設定オーバーランに合わせて空気が供給され、あるいは、ミックスポンプとミックスエアーポンプの流入量の差により空気が供給され、冷凍シリンダー内へミックスと空気が入る。冷凍シリンダー内のダッシャーの攪拌により空気を細かく分散させ、氷の結晶を小さくすることでオーバーランを有する冷菓の製造を行なっている。
近年、連続的に冷菓を製造する設備(フリーザー)の進歩が目覚ましく、従来ではアイスクリームの取り出し温度が−5℃前後であったが、アイスクリームの取り出し温度が−7〜−10℃あるいはそれ以下の低温で連続的に冷菓を製造する機械や、気液混合装置を有し取り出したアイスクリームの一部をフリージング前のミックスに戻し循環させる方法など様々な設備が開発されている(図2参照)。
チョコレート冷菓に関する特許文献1にはカカオ油脂を含有するチョコレート冷菓を製造する際にグリセリン脂肪酸エステル及びクエン酸モノグリセリドを含有することで高濃度油脂分含有の濃厚なチョコレート感を満喫することができるチョコレート冷菓を提供する方法が述べられている。
水中油型乳化組成物に関する特許文献2には均質化工程に供する水中油型乳化組成物にポリグリセリンエステル及び/又は有機酸モノグリセライドを、ソルビタン脂肪酸エステルおよびモノグリセリン脂肪酸エステルなどの乳化剤とともに添加することで、水中油型乳化組成物の製造時における背圧を十分に低下できることが報告されている。
特許第3628638号明細書 特開2004-105181号公報 戸田義郎、他2名、「食品用乳化剤‐基礎と応用‐」、光琳、1997年4月、p.191
図1に示す従来の連続式フリーザーでは、ダッシャーの回転数やミックスの供給量、設定オーバーランによっても多少異なるが、冷菓の製造中にオーバーランが設定値に対して約5%前後変動する。このオーバーランの変動は製品重量や容量あるいは食感や風味等の品質の均質化・安定化に対して、重要であるが改善策が見出されていない課題の一つである。
上述のオーバーランの安定化及び冷菓製品の品質安定化のために、図2に示される気液混合装置を用いてミックス中に微細な気泡を混合分散させる方法を用いることにより工業的規模でアイスクリームなどの冷菓を製造する際にオーバーランの安定性が得られることが明らかになってきている。しかし、従来の乳化剤を含むミックスで気液混合装置を用いる方法では、後口が脂っぽくなり、フレーバーリリースが悪くなる傾向が見られた。この現象はオーバーランの安定性や製品の重量、容量の観点から気液混合装置を用いる方法は技術の進歩であるが、食感や風味の観点から見ると問題が多い。この問題は新たな解決すべき課題である。
本発明はオーバーランの安定性向上による品質の均質化及び安定化を図ることを目的とし、さらに微細な気泡を含有させることでクリーミーな口あたりと氷晶の成長が遅い保存性の高い冷菓を提供することを目的とする。詳細には冷菓ミックス中に気液混合装置を用いて微細な気泡を分散させる方法で連続的に冷菓を製造する際に後口が脂っぽくなり、フレーバーリリースが悪くなる傾向を改善した口溶け及びフレーバーリリースが良好なオーバーランを有する冷菓を提供することにある。
本発明は、気液混合装置を用いて冷菓ミックス中に気泡を均一に分散させた後に連続式フリーザーに汲みこみ、冷凍シリンダー内で気泡を均一に含んだ冷菓ミックスをフリージングする工程を含む冷菓に用いるミックスの乳化剤および製造条件について検討し、本発明を完成した。
本発明は、以下の冷菓、冷菓ミックス及びその製造法に関する。
1. 脂肪分、HLBが8.0から11.0である乳化剤および水を含む、冷菓ミックス。
2. 乳化剤がグリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする項1に記載の冷菓ミックス。
3. オーバーランを有する冷菓の製造法であって、以下の工程を含むことを特徴とする冷菓の製造法:
(1)脂肪分、HLBが8.0から11.0である乳化剤および水を含む冷菓ミックスを気液混合装置で処理して気泡を均一に分散させる気泡供給工程、
(2)気泡が均一に供給された冷菓ミックスを冷凍シリンダーで撹拌および凍結するフリージング工程。
4. 前記フリージング工程で得られたソフト冷菓を容器に充填または成型し、冷却硬化して冷菓を得ることを特徴とする項3に記載の製造法。
5. 気泡供給工程の前に、加熱殺菌工程、冷却工程およびエージング工程をさらに含む、項3または4に記載の製造法。
6. エージング工程後にエージングタンクから供給される冷菓ミックスと、フリージング工程で得られたソフト冷菓の一部を混合する工程をさらに包含する項5に記載の製造法。
7. 冷菓がアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、豆乳アイスクリームまたはフローズンヨーグルトであることを特徴とする項3〜6のいずれかに記載の製造法。
8. 脂肪分、HLBが8.0から11.0である乳化剤および水を含む冷菓であって、オーバーランが15〜150%であることを特徴とする冷菓。
9. 乳化剤の添加量が0.05〜0.50重量%の範囲内であることを特徴とする項8に記載の冷菓。
10. 乳化剤がグリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする項8または9に記載の冷菓。
11. 乳化剤のヨウ素価が5以下である項10に記載の冷菓。
12. 乳化剤のヨウ素価が3以下である項11に記載の冷菓。
13. 乳化剤のHLBが8.5から10.5である項10に記載の冷菓。
14. 冷菓がアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、豆乳アイスクリームまたはフローズンヨーグルトであることを特徴とする項8〜13のいずれかに記載の冷菓。
本発明によれば、微細な気泡と適度な解乳化が生じ、気泡表面に脂肪球が凝集した安定的な組織が得られることから、氷晶成長速度が遅い保存性の高い、滑らかでクリーミーな組織や食感を持つ、「コク」と「キレ」をあわせ持つフレーバーリリースの良い付加価値の高い冷菓を提供することができる。さらに、冷菓の製造中におけるオーバーランの変動率も小さくなり、製品品質の安定化や製造コストの削減を図ることができる。
(1)冷菓および冷菓ミックス
アイスクリームなどの冷菓製造における乳化剤の効果は、乳脂肪などの脂肪分の均一な乳化を助け、起泡性(オーバーラン)を調整し、腰の強いドライな組織を作り、保存性を良くする等の幾つかの効果が明らかになっている。冷菓では、ミックスをいわゆるフリーザーを通して凍結すると共に空気を混入して多数の微小気泡を含有させることにより特有の口あたりを有している。この空気の量を表現するのにオーバーランという用語が用いられており、これはフリージング前のミックスが空気の吹込みにより、冷菓製品となったときにどれだけ容積が増加したかの増加率を示している。
本発明の冷菓のオーバーランは15〜150%程度が好ましく、30〜120%程度がより好ましく、特に50〜100%程度である。オーバーランが大きい場合、冷菓を凍結・硬化後、冷菓製品を製造した際、製品の収縮が起こりやすい。本発明では、特定の乳化剤を使用し、冷菓ミックスに微細な気泡を分散した後に凍結・撹拌するフリージング工程での解乳化により冷菓製品中の気泡が安定化されて、上記のオーバーランを有する冷菓における貯蔵時の収縮が抑制される。
本発明の冷菓および冷菓ミックスは、基本的に同一の成分を含み、脂肪分、乳化剤および水を必須成分として含む。
冷菓ないし冷菓ミックスに含まれる全脂肪分は5%以上が好ましく、8%以上がさらに好ましい。脂肪分の上限は、25%程度であり、好ましくは18%、特に16%を上限とする。脂肪分が多すぎると、冷菓が“くどく”感じられる。脂肪分としては、乳脂肪、ヤシ油、パーム油、パーム核油、大豆油、なたね油などの植物性油脂、ラード、魚油などの動物性油脂などが挙げられ、乳脂肪が好ましく例示される。
冷菓ないし冷菓ミックスに使用する乳化剤のHLBは、8.0から11.0であることが好ましく、8.5から10.5であることがさらに好ましい。HLBが8.0から11.0の乳化剤としては、例えばグリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらの乳化剤は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
乳化剤は、クエン酸モノステアリン酸グリセリン、ジアセチル酒石酸モノステアリン酸グリセリン、コハク酸モノステアリン酸グリセリン、乳酸モノステアリン酸グリセリンが好ましい。
乳化剤のヨウ素価は5以下であることが好ましく、3以下であることがさらに好ましい。
冷菓ないし冷菓ミックスに含まれる乳化剤の含有率は、冷菓/冷菓ミックスの総重量の0.05重量% から0.50重量%が好ましい。
冷菓/冷菓ミックス中に水は55〜72重量%程度含まれる。
冷菓としては、脂肪分、特に好ましくは乳脂肪分を含むものが挙げられる。具体的には、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスなどのアイスクリーム類、フローズンヨーグルト、原料に豆乳を使用している豆乳アイスクリームなどの氷菓などが挙げられる。
冷菓ないし冷菓ミックスに含まれる乳化剤、脂肪分、水以外の成分としては、生乳、クリーム、バター、バターオイル、練乳、濃縮乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、バターミルク、ホエー粉、ヨーグルトなどの乳製品、蔗糖、ぶどう糖、異性化糖、糖アルコール、水飴、高甘味度甘味料などの糖類、安定剤、着香料、着色料、果汁、チョコレート、ココア、抹茶、餡などが挙げられる。
(2)冷菓の製造法
本発明は、気液混合装置を用いて冷菓ミックス中に気泡を分散させた後に冷凍シリンダー内で気泡を含んだ冷菓ミックスをフリージングする工程を含む、オーバーランを有する冷菓の製造法を提供する。
本発明の1つの好ましい実施形態における冷菓製造の流れを以下に示す。
原料混合工程→均質化工程→加熱殺菌工程→冷却工程→エージング工程→気泡供給工程
→フリージング工程→充填工程→急速冷凍工程。
本発明の製造法の1つの実施形態では、冷菓の原料を混合し、混合されたミックスを均質化し、均質化されたミックスを殺菌し、殺菌されたミックスを冷却し、冷却後のミックスを冷蔵温度帯でエージングする。エージング後のミックスをフリーザーによりフリージングするが、気液混合装置を用いてミックス中に微細な気泡を混合分散させた後にフリーザーの冷凍シリンダー内へ気泡含有ミックスが流入し、撹拌及び凍結することでソフトアイスクリームなどのソフト冷菓(容器中で凍結・硬化する前の冷菓)を得て、容器に充填もしくは成型した後に急速冷凍することで冷菓を得る点が、本発明の製造法の特徴の1つである。本発明で用いる乳化剤は、この製造法に最適化された乳化剤である。
フリージング工程で撹拌及び凍結されたソフトアイスクリームなどのソフト冷菓は、そのまま容器に充填もしくは成型され、冷却硬化されて冷菓製品としてもよく、ソフト冷菓の一部を気液混合装置に戻し、気液混合装置内の冷菓ミックスの温度を低下させてもよい。具体的には、加熱殺菌工程、冷却工程およびエージング工程を経た、エージングタンクから供給される冷菓ミックスと、フリージング工程で得られたソフト冷菓の一部を混合することで、気液混合装置内の冷菓ミックスの温度を低下させ、気泡をミックス中に均一に分散させ(気泡供給工程)、これをさらに冷凍シリンダーで撹拌および凍結する(フリージング工程)。
フリージング工程以降は当該分野で公知の方法に従って製造され、得られたソフト冷菓を容器に充填又は成型し、そして硬化させることによって冷菓が製造される。
気液混合装置としては、混合分散機、ミクロブレンダー、連続発泡機、マイルダーなどがいずれも使用でき、気体を液体に均一に混合分散することができる装置を広く包含する。ロータとステータの撹拌作用により気体と液体を分散混合する装置が好ましい。
脂肪分を含む冷菓製造工程では、「解乳化」という現象が生じている。冷菓ミックス中の均質化された脂肪球がエージング中に数珠状に会合をはじめ、フリーザー(冷凍シリンダー)内において低温で高速攪拌されることにより、ブドウの房状に凝集し、気泡表面に吸着して脂肪球膜を作って気泡を安定に保ち、融けにくく、保型性がよく、貯蔵中収縮しない組織が形成される。解乳化の程度は乳化剤の種類、ヨウ素価、Hydrophilic Lipophilic Balance (以下HLBと記載)、添加量等でも異なり、製造したい冷菓の特徴に合わせて適宜乳化剤を選択する。
均質化したミックスを0℃から5℃でエージングすることにより脂肪球を凝集させる。解乳化は、エージング工程、さらにフリージング工程で撹拌起泡することにより脂肪球の凝集の促進と気泡表面への吸着及び凝集脂肪球の網目構造の形成をもたらし、解乳化により冷菓組織の安定化をもたらしている。解乳化はエージング及びフリージング中に界面乳化剤の物性変化、脂肪球内の固体脂の結晶成長による乳化皮膜の破壊の進行、物理的撹拌力による脂肪球衝突の促進等が要因として考えられている。
本発明の気泡供給工程である気液混合装置は、ロータとステータの撹拌作用により、ミックス中に気泡を混合分散させるため、ミックスに大きな物理的衝撃が加わる。グリセリン脂肪酸エステルやレシチンなどの従来汎用されている乳化剤を使用すると、ミックス中の脂肪球の解乳化が必要以上に進み、油脂の合一が生じて、製品を喫食する際に脂っぽい後口が残り、製品価値が下がる。従来からのフリージング方法で最適であった乳化剤の選定も気液混合装置を用いたフリージング方法を採用する本発明では、フリージングの際に脂肪球の粒子径が大きくなりすぎて「脂っぽい」食感になる不具合があることが見出された。
脂肪球の粒子径と製品の風味には相関関係が見られ、一般的に粒子径が小さければメリットとしては「スッキリとした後口」が得られるが、デメリットとしては「コク」や「濃厚感」を感じにくくなる。逆に粒子径が大きければメリットとしては「コク」や「濃厚感」が得られるが、デメリットとしては「脂っぽい後口」や「オイリー感」を感じやすくなる。
よって、製品の特徴、求める風味、オーバーラン等の条件により適度な脂肪球粒子径のミックスを得ることが求められる。
本発明の特定の乳化剤を含む冷菓ミックスと、気液混合装置による気泡供給工程、冷凍シリンダーによるフリージング工程を組み合わせることにより、オーバーランの安定性を向上させ、かつ、「脂っぽい後口」や「オイリー感」のない冷菓を得ることができる。
尚、本発明における気泡は大気中の空気の泡であっても良いし、窒素ガス発生装置等により供給される窒素を主成分とする気泡であっても良い。
次に実施例を示して本発明を実施するための最良の形態について記載するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
脱脂粉乳8kg、無塩バター3kg、砂糖15kg、水飴(固形分75%)4kg、ヤシ油6kg、安定剤0.3kg、乳化剤(クエン酸モノステアリン酸グリセリン/太陽化学製、サンソフトNo.621B)0.3kg、水63.4kgを溶解タンクにて混合溶解し、80℃に達温後、ホモゲナイザー(イズミフードマシナリー製、HV-A)で均質化圧150kg/cm2 で均質化した。均質化した後に加熱殺菌及び冷却を行い、0℃から5℃の温度範囲で12時間エージングして、ミックスを得た。
得られたミックスは連続式フリーザー(SOREN社製、CS-100)を用いてフリージングを実施するが、ミックス汲みこみポンプと冷凍シリンダー間に混合分散装置「ミクロブレンダー」(イズミフードマシナリー製、MB-4402)を設置し、アイスクリームの気泡となる空気の供給ができるよう必要な設備を準備した。ミクロブレンダーの回転数は600rpmから1200rpmの範囲が好ましく、800rpmから1000rpmの範囲がさらに好ましい。500rpm以下であればミックスへの十分な気泡の分散ができず、1500rpm以上であればロータの回転による摩擦熱の発生に伴うミックス温度の上昇が懸念される。ここでミックス中に微細な空気が混合分散されて冷凍シリンダー内に入り、撹拌凍結を行なうことでオーバーラン100%のソフトアイスクリームを得た。これを容器に適量充填し、急速硬化して評価サンプルの作製を行なった。
比較例1
脱脂粉乳8kg、無塩バター 3kg、砂糖15kg、水飴(固形分75%)4kg、ヤシ油6kg、安定剤0.3kg、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステルを主成分とする冷菓用配合製剤/理研ビタミン製、エマルジーMI−特1)0.3kg、水63.4kgを溶解タンクにて混合溶解し、80℃に達温後、ホモゲナイザー(イズミフードマシナリー製、HV-A)で均質化圧150kg/cm2 で均質化した。均質化した後に加熱殺菌及び冷却を行い、0℃から5℃の温度範囲で12時間エージングして、ミックスを得た。
得られたミックスは連続式フリーザー(SOREN社製、CS-100)を用いてフリージングしてソフトアイスクリームを得た。ここでのアイスクリームの気泡となる空気の供給は通常販売されている連続式フリーザーに設置されている空気バルブである。これを容器に適量充填し、急速硬化して評価サンプルの作製を行なった。
比較例2
脱脂粉乳8kg、無塩バター 3kg、砂糖15kg、水飴(固形分75%)4kg、ヤシ油6kg、安定剤0.3kg、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステルを主成分とする冷菓用配合製剤/理研ビタミン製、エマルジーMI−特1)0.3kg、水63.4kgを溶解タンクにて混合溶解し、80℃に達温後、ホモゲナイザー(イズミフードマシナリー製/HV-A)で均質化圧150kg/cm2 で均質化した。均質化した後に加熱殺菌及び冷却を行い、0℃から5℃の温度範囲で12時間エージングして、ミックスを得た。
得られたミックスは連続式フリーザー(SOREN社製、CS-100)を用いてフリージングを実施するが、ミックス汲みこみポンプと冷凍シリンダー間に混合分散装置「ミクロブレンダー」(イズミフードマシナリー製、MB-4402)を設置し、アイスクリームの気泡となる空気の供給ができるよう必要設備を準備した。ミクロブレンダーの回転数は600rpmから1200rpmの範囲が好ましく、800rpmから1000rpmの範囲がさらに好ましい。500rpm以下であればミックスへの十分な気泡の分散ができず、1500rpm以上であればロータの回転による摩擦熱の発生に伴うミックス温度の上昇が懸念される。ここでミックス中に微細な空気が混合分散されて冷凍シリンダー内に入り、撹拌凍結を行なうことでオーバーラン100%のソフトアイスクリームを得た。これを容器に適量充填し、急速硬化して評価サンプルの作製を行なった。
試験例1
(試料の粒度測定)
評価サンプルは作製後、−20℃で12時間保管したものを用いた。アイスクリームを精製水に静置溶解し、12時間ゆっくり攪拌しながら均一に脱気させた。試料の粒度はレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA-700を用いて、分散媒をイオン交換水とし、分散方法をメカニカルスターラーによる撹拌として迅速な測定を行なうことにより、メジアン径、比表面積、2μm以下の粒子の割合についてデータ測定を行なった。結果を表1に示した。
Figure 2008011739
表1より、メジアン径は、実施例1>比較例1>比較例2の順で大きく中央値で見ると実施例1が最も大きく、脂肪球がコクを感じる粒度となっていることが明らかになった。単位体積あたりの表面積は、実施例1>比較例1>比較例2の順で大きく、つまり、実施例1、比較例1、比較例2の順で細かい粒子が存在することが示されている。2μm以下の粒子の割合は、実施例1>比較例1>比較例2の順で大きく、この結果も比表面積同様、実施例1、比較例1、比較例2の順で細かい粒子が存在することが示されている。
よって、実施例1は脂肪球の解乳化が適度に進み、メジアン径は比較例に比べて大きく、「コク」を感じやすい構成になっているものの大きくなりすぎている脂肪球が少なく、細かな脂肪球も比較例に比べて多く存在することから、「脂っぽい後口」とならずに「すっきり」とフレーバーリリースの良い構成になっていることが考えられる。
また、比較例1と比較例2のデータから、同じ配合であっても冷凍シリンダーに入る前のミックスに微細な気泡を抱き込ませる製法を採用する場合、使用する気液混合装置における物理的な衝撃が脂肪球の過度の解乳化あるいは脂肪の合一を引き起こし2μm以下の粒子がほとんど無くなる構成となることが示された。
試験例2
(試料の官能評価)
各試料の官能評価を実施するため、訓練された健康な官能パネラ−20名が−15℃に温度調整された評価サンプルを評価した。その結果、17名が「ミルクの「コク」が感じられる。」、「口溶けが良い。」、「後口が良い。」という理由で実施例1の方が好きと回答した。結果を表2に示した。
Figure 2008011739
一般的な冷菓製造用の連続式フリーザーを示す。 気泡混合装置を備えた連続式フリーザーを示す。

Claims (14)

  1. 脂肪分、HLBが8.0から11.0である乳化剤および水を含む、冷菓ミックス。
  2. 乳化剤がグリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の冷菓ミックス。
  3. オーバーランを有する冷菓の製造法であって、以下の工程を含むことを特徴とする冷菓の製造法:
    (1)脂肪分、HLBが8.0から11.0である乳化剤および水を含む冷菓ミックスを気液混合装置で処理して気泡を均一に分散させる気泡供給工程、
    (2)気泡が均一に供給された冷菓ミックスを冷凍シリンダーで撹拌および凍結するフリージング工程。
  4. 前記フリージング工程で得られたソフト冷菓を容器に充填または成型し、冷却硬化して冷菓を得ることを特徴とする請求項3に記載の製造法。
  5. 気泡供給工程の前に、加熱殺菌工程、冷却工程およびエージング工程をさらに含む、請求項3または4に記載の製造法。
  6. エージング工程後にエージングタンクから供給される冷菓ミックスと、フリージング工程で得られたソフト冷菓の一部を混合する工程をさらに包含する請求項5に記載の製造法。
  7. 冷菓がアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、豆乳アイスクリームまたはフローズンヨーグルトであることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の製造法。
  8. 脂肪分、HLBが8.0から11.0である乳化剤および水を含む冷菓であって、オーバーランが15〜150%であることを特徴とする冷菓。
  9. 乳化剤の添加量が0.05〜0.50重量%の範囲内であることを特徴とする請求項8に記載の冷菓。
  10. 乳化剤がグリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項8または9に記載の冷菓。
  11. 乳化剤のヨウ素価が5以下である請求項10に記載の冷菓。
  12. 乳化剤のヨウ素価が3以下である請求項11に記載の冷菓。
  13. 乳化剤のHLBが8.5から10.5である請求項10に記載の冷菓。
  14. 冷菓がアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、豆乳アイスクリームまたはフローズンヨーグルトであることを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の冷菓。
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