JP2002034450A - 起泡性水中油型組成物 - Google Patents

起泡性水中油型組成物

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JP2002034450A
JP2002034450A JP2000225326A JP2000225326A JP2002034450A JP 2002034450 A JP2002034450 A JP 2002034450A JP 2000225326 A JP2000225326 A JP 2000225326A JP 2000225326 A JP2000225326 A JP 2000225326A JP 2002034450 A JP2002034450 A JP 2002034450A
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Japan
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oil
fat
sfc
mixed
cream
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JP2000225326A
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Koji Ogino
荻野弘二
Takashi Seki
隆志 関
Yoshiyuki Yamane
山根義之
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原液安定性、ホイップ性、作業性、保存性等
起泡性クリームとして具備すべき物性と、口溶けの軽
さ、爽やかさ、フレッシュ感等食品として必要な食味特
性を有し、かつ生産コストに優れた起泡性水中油型組成
物を提供すること。 【解決手段】 使用する混合油脂の20℃におけるSF
Cが、該混合油脂を構成する個々の油脂の20℃におけ
るSFCとその混合比率より計算されるSFCより10
%以上低いSFCを示す混合油脂を使用し、特定の結晶
促進型乳化剤を併用した起泡性水中油型組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製菓、製パン等の
サンド、ナッペ、トッピング、デコレーション、その他
クリームとのディプロマートクリームに使用される起泡
性水中油型組成物に関する。詳しくは、従来の起泡性ク
リームより、原液安定性、ホイップ性、作業性、保存性
等起泡性クリームとして具備すべき物性と、口溶けの軽
さ、爽やかさ、フレッシュ感等食品として必要な食味特
性を有し、かつ生産コストに優れた起泡性水中油型組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ケーキ、シュークリーム、ア
イスクリーム等のサンド、デコレーションや、菓子パン
等のトッピング、フィリング用に使用される起泡性水中
油型組成物、すなわちホイップ用クリームは、各種の油
脂を組み合わせて製造されている。使用される油脂の組
み合わせは、例えば、菜種油、パーム油、コーン油、ヤ
シ油などをそれぞれ硬化、もしくは、分別、エステル交
換などの処理をした後、クリーム製造時の品質安定性確
保、ホイップしたクリームの保型性、口どけなどを目安
に適宜配合して使用され、時にはこれら植物性油脂を乳
脂肪に置換したものまで多種多様である。
【0003】これら従来のホイップ用クリームにおける
油脂配合は、大きく2つに類別することが出来る。一つ
は、クリーム製造時の品質安定性を求めるがために、油
脂の結晶安定性を重視して硬化菜種油を主要油脂として
配合したタイプであり、もう一つは、ホイップ後の口ど
けを最優先してラウリン型油脂を主要油脂として配合し
たタイプである。
【0004】しかし、前者の起泡性水中油型組成物で
は、ホイップしたクリームの原液安定性、ホイップ性、
作業性、保存性等のホイップ物性に優れる反面、口どけ
が極めて悪く、糊感の強いクリームしか得られない。
【0005】一方、後者の起泡性水中油型組成物では、
口溶けが軽いと言う食味特性に優れる反面、原液の安定
性、ホイップ終点幅の狭さ、クリームのシマリや品質の
安定性確保に劣ることが周知である。
【0006】このため、特開平5−219887では、
油脂中にSUS型トリグリセリドを30重量%以上とラ
ウリン系油脂を5〜60重量%含有させることで解決を
図ろうとしたものが開示されている。また、特開平11
−225671では、ラウリン系油脂とパーム系油脂か
らなる油脂に対して、共ランダムエステル交換を行った
油脂と通常の硬化油脂を特定比率で混合して使用するこ
とにより解決を図ろうとしたものが開示されている。
【0007】しかしながら、特殊な分別油脂やランダム
交換油を使用することが必須であるため、極めて油脂原
料コストが高くなる欠点がある他、ベースとなる油脂原
料の結晶量が多い事やトリグリ組成の均等分布なる事等
により、口溶けの軽さ、爽やかさ、フレッシュ感等の主
に油脂原料に起因する食味特性が満足できるものではな
かった。
【0008】すなわち、原液安定性、ホイップ性、作業
性、保存性等起泡性クリームとして具備すべき物性と、
口溶けの軽さ、爽やかさ、フレッシュ感等食品として必
要な食味特性を有し、かつ生産コストに優れた起泡性水
中油型組成物が得られていないのが実状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、原液安定性、ホイップ性、作業性、保存性
等起泡性クリームとして具備すべき物性と、口溶けの軽
さ、爽やかさ、フレッシュ感等食品として必要な食味特
性を有し、かつ生産コストに優れた起泡性水中油型組成
物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決することを目的とし、起泡性水中油型組成物に使
用する油脂組成について鋭意検討を重ねたところ、ホイ
ップ用クリームとしては不都合とされる相互溶解性を示
す油脂組成において、原液安定性、ホイップ性、作業
性、口溶けの軽さ、爽やかさ、フレッシュ感、コスト等
の項目において満足できる事が判明し、かつ特定の乳化
剤の組合せにより上記課題すべてが解決できるとの知見
を得て、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明の第1は、油脂含量20
〜50重量%である起泡性水中油型組成物において、使
用する混合油脂の20℃におけるSFCが、該混合油脂
を構成する個々の油脂の20℃におけるSFCとその混
合比率より計算されるSFCより10%以上低いSFC
を示す混合油脂を含んでなることを特徴とする起泡性水
中油型組成物に関する。好ましい実施態様としては、I
Vが57〜75のパーム分別油を硬化して得られるパー
ム分別硬化油とラウリン系油脂からなる混合油脂を使用
することを特徴とする上記記載の起泡性水中油型組成物
に関する。更に好ましい実施態様として、乳化剤とし
て、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセ
ライド、ショ糖脂肪酸エステルの一群から選ばれる油脂
結晶促進効果を有する乳化剤を一種以上を含んでなるこ
とを特徴とする上記記載の起泡性水中油型組成物に関す
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明についてさらに詳細に説明
する。
【0013】本発明の起泡性水中油型組成物は、植物性
油脂及び/または乳脂肪からなる特定の混合油脂成分、
特定の乳化剤、無脂乳固形分を必須成分とし、その他呈
味成分等を含有した起泡性を有する起泡性水中油型乳化
脂組成物のことであり、以下に内容を詳細に説明する。
【0014】本発明に含有する油脂は、起泡性水中油型
組成物中に20〜50重量%含有するが、20重量%よ
り少ないと、起泡化力に劣る傾向にあるばかりでなく、
保形性、保存性等に欠ける傾向にある。また、油脂が5
0重量%を越えると原液安定性の維持が困難となるため
不向きである。
【0015】また、起泡性水中油型組成物において、使
用する混合油脂は、20℃におけるSFCが、該混合油
脂を構成する個々の油脂の20℃におけるSFCとその
混合比率より計算されるSFCより10%以上低いSF
Cを示す混合油脂である。ここで言うSFCとは、油脂
のある温度における固体脂含量の事を示す。油脂のSF
Cは、一般的な核磁気共鳴を利用した固体油脂分析計で
簡便に測定することができ、60℃のプローブにて30
分間溶解した試験油脂を0℃にて30分間冷却固化させ
た後、10℃30分間エイジングした後、更に20℃3
0分間エイジングして測定する、いわゆる急冷法に準じ
て測定できる。
【0016】本発明に使用する混合油脂は、20℃にお
けるSFCが、該組成物を構成する個々の油脂の20℃
におけるSFCとその混合比率より計算されるSFCよ
り10%以上低いSFCを示す混合油脂である必要があ
る。起泡性水中油型組成物に使用する混合油脂の20℃
におけるSFCと、該組成物を構成する個々の油脂の2
0℃におけるSFCとその混合比率より計算されるSF
Cの差が10%より少ないの場合、起泡化したクリーム
の口溶けに糊感がでたり、クリームがシマリ易くなるた
め不向きである。このような特性を有する混合油脂を構
成する油脂の組合わせとしては、例えば、ラウリン系油
脂とラウリン系以外の油脂の1種または2種以上の組合
わせを例示できる。ラウリン系油脂としては、ヤシ油、
パーム核油、これらの硬化油等が例示でき、ラウリン系
以外の油脂としては、例えば、コーン油、大豆油、菜種
油、サフラワー油、綿実油、パーム油等の植物性油脂、
或いは乳脂肪等が挙げられ、それらを分別、硬化等の手
法により適宜調整したものを1種、または2種以上混合
することにより得られる。例えば、ラウリン系油脂とラ
ウリン系以外の油脂を組み合わせて混合油脂を作製する
場合、概ねの調整範囲は、ラウリン系油脂が20〜80
重量%、ラウリン系以外の油脂が80〜20重量%であ
ることが好ましい。
【0017】さらに、好適な実施態様を得るためには、
IVが57〜75のパーム分別油を硬化して得られるパ
ーム分別硬化油とラウリン系油脂からなる混合油脂を使
用することが好ましい。パーム分別硬化油は、パーム油
から溶剤分別、無溶剤分別等の手法により、得られるI
V57〜75、好ましくはIV58〜65になるまで分
別したパーム軟質部を硬化して得られる。硬化は、通常
の方法により硬化できるが、パーム分別硬化油の融点が
28〜36℃となるように硬化することが望ましい。パ
ーム分別硬化油の融点が28℃より低いと、起泡化した
クリームの保存性が劣る傾向にあり、36℃を越えると
口溶けの軽さ、爽やかさに劣る傾向にあった。
【0018】パーム油から溶剤分別、無溶剤分別等の手
法により、得られたパーム分別油がIV57より小さい
ものを硬化した場合、結晶量が多すぎるため起泡化した
クリームの口溶けの軽さ、爽やかさに欠ける傾向にあ
る。また、パーム油をIV75より大きくなるまで分別
することは、品質上は何ら問題ないが現時点での分別技
術では工業的に大量生産が困難であるため不向きであ
る。
【0019】また、ラウリン系油脂としては、ヤシ油、
またはパーム核油を単独、もしくは混合して使用できる
ほか、それぞれの油脂を融点36℃未満に硬化または混
合硬化したものであれば何ら制限なく使用できる。使用
するラウリン系油脂の融点が、36℃を越えると、口溶
けの爽やかさが劣る傾向にある。
【0020】本発明における乳化剤として、特に限定は
ないが、油脂結晶促進効果を有する乳化剤を用いること
が好ましく、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モ
ノグリセライド、ショ糖脂肪酸エステルの一群から選ば
れる油脂結晶促進効果を有する乳化剤を一種以上使用す
ることが好ましい。油脂結晶促進効果を有する乳化剤と
は、油脂を冷却する際の結晶化開始温度の上昇、結晶化
速度の増加、固体脂含量の増加等の効果を有するものを
言うが、油脂に1%程度の乳化剤を溶解した試料を、示
差走査熱量計による結晶化開始温度の上昇、固体油脂分
析計による固体脂量の増加等の測定により定量評価でき
る。概ね、親油基として、ステアリン酸、ベヘン酸を有
し、かつ分子内により多くエステル化した乳化剤が好適
であり、例えば、ヘキサグリセリンペンタステアレー
ト、テトラグリセリントリステアレート、テトラグリセ
リンヘキサベヘネート、デカグリセリンドデカベヘネー
ト、デカグリセリンヘプタベヘネート、クエン酸モノス
テアレート、ショ糖ポリステアレート、ショ糖ポリベヘ
ネートなどが例示できる。これらの乳化剤は、起泡性水
中油型組成物の全量に対して0.02〜1.0重量%、
好ましくは0.05〜0.5重量%配合する。0.02
重量%より少ないと、上述の混合油脂との併用効果に乏
しく、起泡化したクリームのキメ、保存したときの離
水、保型性に対して顕著な効果を示しにくい。また、
1.0重量%を越えると、原液の増粘現象、口溶けの爽
やかさの低下などの悪影響が見られる。
【0021】本発明では、乳化剤として、ポリグリセリ
ン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセライド、ショ糖脂
肪酸エステルの一群から選ばれる油脂結晶促進効果を有
する乳化剤を一種以上使用するが、上述以外の乳化剤、
例えば、親油基にオレイン酸などの不飽和脂肪酸を有す
る乳化剤や、レシチン等を目的に応じて適宜使用しても
何ら問題ない。
【0022】本発明は、特定組成の混合油脂、特定の乳
化剤と,全脂粉乳、脱脂粉乳、ラクトアルブミン、バタ
ーミルクパウダー、バターミルク、牛乳、脱脂乳、乳糖
などの無脂乳固形分の他、必要に応じて各種のリン酸
塩、呈味剤、調味料、香料等を含有しても何ら問題な
い。
【0023】本発明の水中油型組成物を製造する方法
は、特に限定はされないが、例えば以下のように製造す
ることが出来る。特定の組成からなる混合油脂に油溶性
の乳化剤、香料等を溶解した油相部と、水溶性乳化剤、
無脂乳固形分、その他水溶性原材料を溶解した水相部を
60℃前後で乳化させる。次に、従来の公知の方法に準
じて製造可能であるが、好ましくは、高温短時間殺菌、
滅菌装置を使用して製造する。たとえば、起泡性水中油
型組成物の乳化液に蒸気を直接混入させ、140から1
50℃で4秒程度の滅菌を行ったのち、過剰の水分を減
圧フラッシュさせた後、ホモジナイザーによる均質化
後、冷却して容器に充填される。
【0024】このようにして得られた起泡性水中油型組
成物は、原液安定性、ホイップ性、作業性、保存性等起
泡性クリームとして具備すべき物性と、口溶けの軽さ、
爽やかさ、フレッシュ感等食品として必要な食味特性を
有し、かつ生産コストに優れた起泡性水中油型組成物と
なる。
【0025】
【実施例】以下に、実施例、比較例により本発明を詳細
に説明するが、本発明は、ここに例示する実施例に限定
されるものではない。なお、配合中の部は、すべて重量
部を示す。
【0026】(実施例1)融点32.5℃まで硬化した
硬化菜種油(20℃におけるSFC;42.4%)10
部とパーム核油(20℃におけるSFC;40.1%)
30部からなる混合油脂にヘキサグリセリンペンタステ
アレート0.15部、レシチン0.2部を65℃で溶解
して油相部とした。この混合油脂の20℃におけるSF
Cは、26.7%、該混合油脂を構成する個々の油脂の
20℃におけるSFCとその混合比率より計算されるS
FCは40.7%であり、差は14.0%であった。一
方、脱脂粉乳6.5部、ショ糖脂肪酸エステル(HLB
7)0.1部を60℃の残水に溶解した水相部を先の
油相部と予備乳化させた。この乳化液は、142℃にて
4秒間滅菌処理をしたのち、均質化圧7.5MPaにて
処理したのち5℃まで冷却して容器に充填し起泡性水中
油型組成物を得た。得られた組成物をダンボールに詰め
て、トラックにて1200kmの輸送テストを実施した
が、原液のクリーミング、増粘現象は、全く見られなか
った。さらに、このものを別途、5℃にて48時間エー
ジングした後、20Qミキサーにてホイップしたとこ
ろ、ホイップ時間9分15秒、オーバーラン105%に
てホイップが終了した。得られたクリームは、クリーム
のキメが良好なうえ造花性、作業中の状態変化も無く良
好な物性、ケーキに仕上げたクリームの状態も良好で、
軽く爽やかな口溶けとフレッシュ感のあるラウリン系油
脂の特徴がでた優れたクリームが得られた。
【0027】(実施例2)乳脂肪(20℃におけるSF
C;27.3%)20部とパーム核油(20℃における
SFC;40.1%)20部からなる混合油脂にヘキサ
グリセリンペンタステアレート0.15部、レシチン
0.15部を65℃で溶解して油相部とした。この混合
油脂の20℃におけるSFCは、22.0%、該混合油
を構成する個々の油脂の20℃におけるSFCとその混
合比率より計算されるSFCは33.7%であり、差は
11.7%であった。一方、全脂粉乳7.5部、ショ糖
脂肪酸エステル(HLB 7)0.12部を60℃の残
水に溶解した水相部を先の油相部と予備乳化させた。こ
の乳化液は、142℃にて4秒間滅菌処理をしたのち、
均質化圧6.5MPaにて処理したのち5℃まで冷却し
て容器に充填し起泡性水中油型組成物を得た。得られた
組成物を実施例1と同様にして輸送テストを実施した
が、原液のクリーミング、増粘現象は、全く見られなか
った。さらに、このものを実施例1と同様に操作してホ
イップしたところ、ホイップ時間11分35秒、オーバ
ーラン127%にてホイップが終了した。得られたクリ
ームは、クリームのキメが良好なうえ造花性、作業中の
状態変化も無く良好な物性、ケーキに仕上げたクリーム
の状態も良好で、軽く爽やかな口溶けと乳らしい風味に
フレッシュ感が加わった優れた特徴がでるクリームが得
られた。
【0028】(実施例3)融点30.5℃まで硬化した
パーム分別硬化油(20℃におけるSFC;21.2
%)16部、乳脂肪(20℃におけるSFC;27.3
%)4部、パーム核油(20℃におけるSFC;40.
1%)20部からなる混合油脂にヘキサグリセリンペン
タステアレート0.12部、レシチン0.20部を65
℃で溶解して油相部とした。この混合油脂の20℃にお
けるSFCは、15.3%、該混合油脂を構成する個々
の油脂の20℃におけるSFCとその混合比率より計算
されるSFCは31.3%であり、差は16.0%であ
った。一方、脱脂粉乳6.5部、ショ糖脂肪酸エステル
(HLB 7)0.12部を60℃の残水に溶解した水
相部を先の油相部と予備乳化させた。この乳化液は、1
42℃にて4秒間滅菌処理をしたのち、均質化圧6.5
MPaにて処理したのち5℃まで冷却して容器に充填し
起泡性水中油型組成物を得た。得られた組成物を実施例
1と同様にして輸送テストを実施したが、原液のクリー
ミング、増粘現象は、全く見られなかった。さらに、こ
のものを実施例1と同様に操作してホイップしたとこ
ろ、ホイップ時間9分45秒、オーバーラン110%に
てホイップが終了した。得られたクリームは、クリーム
のキメが良好なうえ造花性、作業中の状態変化も無く良
好な物性、ケーキに仕上げたクリームの状態も良好で、
軽く爽やかな口溶けとフレッシュ感があり、さらに乳の
特徴がでた優れたクリームが得られた。
【0029】(比較例1)実施例1の混合油脂に変え
て、融点32.5℃まで硬化した硬化菜種油(20℃に
おけるSFC;42.4%)38部とパーム核油(20
℃におけるSFC;40.1%)2部からなる混合油脂
とした以外は、実施例1と同様に操作して起泡性水中油
型組成物を得た。この混合油脂の20℃におけるSFC
は、39.0%、該混合油脂を構成する個々の油脂の2
0℃におけるSFCとその混合比率より計算されるSF
Cは42.3%であり、差は3.3%であった。得られ
た組成物を実施例1と同様にして輸送テストを実施した
が、実施例1と特に差がみられなかった。このものを、
実施例1と同様に操作してホイップしたところ、ホイッ
プ時間11分20秒、オーバーラン145%でホイップ
終了した。得られたクリームは、クリームのキメが劣る
うえ、作業中にシマリ易いため、造花性、ケーキに仕上
げたクリームの状態も悪く、口溶け、爽やかさも明らか
に劣るクリームとなった。 (実施例4)融点30.5℃まで硬化したパーム分別硬
化油(20℃におけるSFC;21.2%)20部とパ
ーム核油(20℃におけるSFC;40.1%)20部
からなる混合油脂にテトラグリセリンヘキサベヘネート
0.10部、ヘキサグリセリンペンタステアレート0.
05部、レシチン0.15部を65℃で溶解して油相部
とした。この混合油脂の20℃におけるSFCは、1
4.6%、該混合油脂を構成する個々の油脂の20℃に
おけるSFCとその混合比率より計算されるSFCは3
0.7%であり、差は16.1%であった。一方、脱脂
粉乳6.5部、ショ糖脂肪酸エステル(HLB 7)
0.1部を60℃の残水に溶解した水相部を先の油相部
と予備乳化させた。この乳化液は、142℃にて4秒間
滅菌処理をしたのち、均質化圧5.5MPaにて処理し
たのち5℃まで冷却して容器に充填し起泡性水中油型組
成物を得た。得られた組成物を実施例1と同様にして輸
送テストを実施したが、原液のクリーミング、増粘現象
は、全く見られなかった。
【0030】このものを、実施例1と同様に操作してホ
イップしたところ、ホイップ時間8分43秒、オーバー
ラン112%でホイップ終了した。得られたクリーム
は、得られたクリームは、クリームのキメが良好なうえ
造花性、作業中の状態変化も無く良好な物性、ケーキに
仕上げたクリームの状態も良好で、軽く爽やかな口溶け
とフレッシュ感のあるラウリン系油脂の特徴がでた極め
て優れたクリームが得られた。
【0031】(比較例2)実施例4の油相に添加した乳
化剤の内、テトラグリセリンヘキサベヘネートに変えて
同量のテトラグリセリンモノステアレートを添加した以
外は、実施例1と同様に操作して起泡性水中油型組成物
を得た。このものの輸送テストでは、実施例1と特に差
がみられなかった。このものを、実施例1と同様に操作
してホイップしたところ、ホイップ時間12分20秒、
オーバーラン135%でホイップ終了した。得られたク
リームは、クリームのキメがやや劣るうえ、作業中にモ
ドリ易いため、造花性、ケーキに仕上げたクリームの状
態も型くずれし易いクリームとなった。
【0032】(実施例5)融点30.5℃まで硬化した
パーム分別硬化油(20℃におけるSFC;21.2
%)20部、パーム核油(20℃におけるSFC;4
0.1%)16部、融点35.3℃まで硬化した硬化パ
ーム核油(20℃におけるSFC;73.6%)4部か
らなる混合油脂にテトラグリセリンヘキサベヘネート
0.03部、ヘキサグリセリンペンタステアレート0.
12部、レシチン0.15部を65℃で溶解して油相部
とした。この混合油脂の20℃におけるSFCは、1
9.5%、該混合油脂を構成する個々の油脂の20℃に
おけるSFCとその混合比率より計算されるSFCは3
4.0%であり、差は14.5%であった。一方、脱脂
粉乳6.5部、ショ糖脂肪酸エステル(HLB 7)
0.1部を60℃の残水に溶解した水相部を先の油相部
と予備乳化させた。この乳化液は、142℃にて4秒間
滅菌処理をしたのち、均質化圧5.5MPaにて処理し
たのち5℃まで冷却して容器に充填し起泡性水中油型組
成物を得た。得られた組成物を実施例1と同様にして輸
送テストを実施したが、原液のクリーミング、増粘現象
は、全く見られなかった。
【0033】このものを、実施例1と同様に操作してホ
イップしたところ、ホイップ時間9分25秒、オーバー
ラン113%でホイップ終了した。得られたクリーム
は、得られたクリームは、クリームのキメが良好なうえ
造花性、作業中の状態変化も無く良好な物性、ケーキに
仕上げたクリームの状態も良好で、軽く爽やかな口溶け
とフレッシュ感のあるラウリン系油脂の特徴が生きた極
めて優れたクリームが得られた。
【0034】
【発明の効果】本発明により、従来の起泡性クリームよ
り、原液安定性、ホイップ性、作業性、保存性等起泡性
クリームとして具備すべき物性と、口溶けの軽さ、爽や
かさ、フレッシュ感等食品として必要な食味特性を有
し、かつ生産コストに優れた起泡性水中油型組成物を提
供できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油脂含量20〜50重量%である起泡性水
    中油型組成物において、使用する混合油脂の20℃にお
    けるSFCが、該混合油脂を構成する個々の油脂の20
    ℃におけるSFCとその混合比率より計算されるSFC
    より10%以上低いSFCを示す混合油脂を含んでなる
    ことを特徴とする起泡性水中油型組成物。
  2. 【請求項2】IVが57〜75のパーム分別油を硬化し
    て得られるパーム分別硬化油とラウリン系油脂からなる
    混合油脂を含んでなることを特徴とする請求項1記載の
    起泡性水中油型組成物。
  3. 【請求項3】乳化剤として、ポリグリセリン脂肪酸エス
    テル、有機酸モノグリセライド、ショ糖脂肪酸エステル
    の一群から選ばれる油脂結晶促進効果を有する乳化剤を
    一種以上を含んでなることを特徴とする請求項1〜2記
    載の起泡性水中油型組成物。
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