JP5697133B2 - チルド流通ホイップドクリーム用起泡性水中油型乳化油脂組成物の製造方法 - Google Patents

チルド流通ホイップドクリーム用起泡性水中油型乳化油脂組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、チルド流通ホイップドクリーム用起泡性水中油型乳化油脂組成物の製造方法に関する。
従来、製菓、デザート用途のホイップドクリームは、牛乳から分離して製造される天然の生クリームが用いられてきたが、コスト的に安価であり、物性、特にホイップ前の原液の保存安定性、ホイップ時の作業性、ホイップ後の作業性などが優れていることから、乳脂肪の一部を植物性油脂に置き換えたコンパウンドタイプや油脂全てを植物性油脂とした純植物性タイプなどのホイップドクリームが開発され、それが主流となりつつある。それら植物性油脂を用いたホイップドクリーム用起泡性水中油型乳化油脂組成物は、植物性油脂を組み合わせ、更に乳化剤、増粘剤などの改良剤を用いて乳化することで製造できることから、それら原料、特に油脂組成によってホイップドクリームの食感及び物性を大きく変更させることが可能である。特にライトな食感を好む傾向にあり昨今では、口溶け感に重点が置かれている。
ヤシ油やパーム核油などのラウリン系油脂は、口溶けなどがシャープで冷感を感じやすいSFCが縦型となる油脂であり、それらの硬化油と共にホイップドクリーム用起泡性水中油型乳化油脂組成物に用いられ、主に低油分のライトクリームに使用されている。しかし、ラウリン系油脂の多い従来の硬化油脂を含むホイップドクリーム用起泡性水中油型乳化油脂組成物では、硬化によって生じる高融点成分を含有するために舌上で溶け難く、食感が悪化する。
上記の問題を解決することを目的に、例えば、油相部と水相部からなり、前記油相部中に油脂としてパーム核油分別高融点部を含有する水中油型乳化油脂組成物を用いることにより、十分な耐熱保形性を有し、かつ口溶けが良好な凍結用ホイップクリーム(特許文献1)があるが、製法は常法に従っているだけで、最終冷却温度は5〜10℃であり、また口溶けはチルド流通用としては食感が重たいものであった。また、ホイップさせた状態もしくはこれをケーキ等にデコレーションした状態で凍結保存し解凍しても、型崩れまたはひび割れあるいは組織の荒れあるいは変色、風味劣化を起こすことなく、優れた風味の凍結耐性を有する起泡性水中油型乳化物があるが(特許文献2)、やはり製法は常法に従っているだけで、最終冷却温度は10℃である。
また冷却工程の最終冷却温度を15〜30℃に制御することで、10〜40重量%の油分にてホイップ後の硬さ変化が少ない製造方法があるが(特許文献3)、十分なオーバーランが得られず、ホイップ性の低いものであった。
特開2006−304713号公報 特開2009−50235号公報 特開2000−300199号公報
本発明の目的は、従来のホイップ性(オーバーラン、保型性)を維持しながら、食した際に綿飴の如く極めて口溶けが良好であるホイップドクリーム用の起泡性水中油型乳化油脂組成物の製造方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、起泡性水中油型乳化油脂組成物の油脂において、保型性を得るための高融点油脂として、硬化油脂の代わりに上昇融点が30℃以上のパーム核ステアリンを使用した場合、口溶けは良いものの、油脂の結晶化が油脂の融点から想像し難いレベルで不足し、通常のホイップ性(オーバーラン、保型性)が得られないものであった。そこで、最終冷却温度をより低くすることにより、その結晶化不足が解消され、通常のホイップ性の確保が可能となり、食した際に綿飴の如く極めて口溶けが良好であるホイップドクリームを作製するための起泡性水中油型乳化油脂組成物が製造可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、起泡性水中油型乳化油脂組成物全体中の油脂含量が20〜40重量%であり、油相部の油脂全体中においては、上昇融点が30℃を越え且つ35℃のSFCが0.5%以下であるパーム核ステアリンを10〜40重量%、上昇融点が30℃以下の油脂を90〜60重量%含有し、水素添加した油脂を含まないチルド流通ホイップドクリーム用起泡性水中油型乳化油脂組成物を製造する方法であって、殺菌工程、均質化工程、冷却工程を含み、最後に冷却工程があり、容器に充填する前の最終冷却温度が0〜5℃(但し、5℃を除く。)であるチルド流通ホイップドクリーム用起泡性水中油型乳化油脂組成物の製造方法に関する。好ましい実施態様は、上昇融点が30℃以下の油脂がラウリン系油脂である上記記載のチルド流通ホイップドクリーム用起泡性水中油型乳化油脂組成物の製造方法に関する。
本発明に従えば、従来のホイップ性(オーバーラン、保型性)を維持しながら、食した際に綿飴の如く極めて口溶けが良好であるホイップドクリーム用の起泡性水中油型乳化油脂組成物の製造方法を提供することが可能となる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明の起泡性水中油型乳化油脂組成物の製造方法は、殺菌、均質化、冷却工程を含み、最後に冷却工程があり、特定の温度で最終冷却工程を行う。本発明の製造方法で作製される該起泡性水中油型乳化油脂組成物は、低油分であり、チルド流通ホイップドクリーム用として好適に用いられる。
本発明における起泡性水中油型乳化油脂組成物全体中の油脂含量は、20〜40重量%が好ましい。20重量%より少ないとホイップしにくい場合があり、40重量%より多いとチルド流通後にホイップしたクリームの口溶け感が失われたり、乳化安定性が悪くなる場合がある。
本発明における起泡性水中油型乳化油脂組成物は、油相部の油脂中に水素添加した油脂を10重量%以下含有してもよいが、好ましい含有量は0重量%である。水素添加した油脂含量が10重量%を越えると、綿飴のような所望の口溶け感より重たくなる場合がある。
本発明における起泡性水中油型乳化油脂組成物は、油相部の油脂全体中に、上昇融点が30℃を越え且つ35℃のSFCが0.5%以下であるラウリン系油脂を10〜40重量%含有することが好ましい。該ラウリン系油脂の含有量が10重量%より少ないと、オーバーランが低くなったり、保型性が不足する場合がある。また該ラウリン系油脂の含有量が40重量%より多いと、所望の口溶け感より重たくなる場合がある。なお、前記油脂の上昇融点の測定は、基準油脂分析法2.2.4.2融点に、SFCの測定は、基準油脂分析試験法2.2.9固体脂含量(NMR法)に準じて測定すれば良い。
本発明においてラウリン系油脂とは、ヤシ油やパーム核油由来の油脂のことで、硬化油やエステル交換油或いはそれらの分別油も含むが、前記のような上昇融点が30℃を越え且つ35℃のSFCが0.5%以下であるラウリン系油脂としては、パーム核分別高融点部が好ましく、具体的にはパーム核ステアリンが挙げられる。
本発明の起泡性水中油型乳化油脂組成物は、油相部の油脂全体中に、上昇融点が30℃以下の油脂を90〜60重量%含有することが好ましい。上昇融点が30℃以下の油脂の含有量が60重量%より少ないと、口溶け感が重たく所望する食感でなくなる場合がある。また該量が90重量%より多いと、オーバーランが低くなったり、保型性が不足する場合がある。
前記上昇融点が30℃以下の油脂は、食用で該上昇融点を満たせば特に限定はないが、ラウリン系油脂であることが好ましい。
以下に、本発明の起泡性水中油型乳化油脂組成物の製造方法について説明する。該製造方法は、殺菌、均質化、冷却工程を含み、最後に冷却工程がある。
<殺菌工程>
殺菌工程としては特に限定なく、一般的な加熱殺菌又は滅菌方法で良い。加熱する殺菌方法としては、直接加熱殺菌方式と間接加熱殺菌方式があり、どちらでも特に問題はない。直接加熱殺菌方式としては、インジェクション方式、インフュージョン方式などが例示される。間接加熱殺菌方式としては、プレート式、チューブラー式、シェル・アンド・チューブ式、表面掻き取り式などが例示される。
<均質化工程>
均質化工程としては特に限定はなく、常法通り、例えば高圧ホモジナイザー、ホモミキサー、ウルトラディスパーザー、クレアミックス、フィルミックス、インライン型ミキサーなどで均質化する方法が挙げられる。なお、均質化前に40℃までは冷却しても良い。
<冷却工程>
本発明でいうところの冷却工程とは、基本的には起泡性水中油型乳化油脂組成物を製造した後の原液を、少なくとも容器に充填する前に冷却する工程を示す。その方式としては、間接冷却方式が好ましく、直接加熱殺菌方式の際に用いられる蒸発冷却工程は該当しない。間接冷却方式とは、冷却される対象物(起泡性水中油型乳化油脂組成物)と冷媒などの物質と間接的に熱交換する方式であり、例えば、プレート式、チューブラー式、多管式、掻き取り式冷却方式及びタンク内でのエージング方式などが該当する。容器に充填する前の冷却工程における冷却温度は0〜5℃が好ましく、より好ましくは1〜3℃、更に好ましくは1〜2℃である。上記範囲で冷却すれば容易に所望の起泡性水中油型乳化油脂組成物が得られる。
本発明の起泡性水中油型乳化油脂組成物には、通常のホイップクリームの組成、例えば、乳原料、乳化剤、塩類、糖類、増粘剤、香料、着色料などを使用できる。
前記乳原料としては、特に限定はなく、通常使用する乳原料でよく、例えば、牛乳、脱脂乳、全脂濃縮乳、脱脂濃縮乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、バターミルク、バターミルクパウダー、濃縮ホエイ、ホエイパウダー、生クリーム、加糖練乳、無糖練乳、バター、チーズ、カゼイン蛋白質、ホエイ蛋白質、カゼインナトリウム、UF膜やイオン交換樹脂処理などにより分離、分画した乳蛋白質などが挙げられる。
前記乳化剤としては、食品用の乳化剤であれば特に限定はないが、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、レシチン誘導体、グリセリン脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステルとその誘導体、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
前記塩類としては、食品用途に用いられるものであれば特に限定はないが、例えば、リン酸のナトリウム塩、カリウム塩、又はクエン酸のナトリウム塩などを挙げることができる。
前記糖類としては、例えば、上白糖、三音糖、グラニュー糖、ざらめ糖、加工糖、液糖などの砂糖類、水あめ、ブドウ糖、異性化糖、果糖、麦芽糖、乳糖などの糖類、還元水あめ、還元麦芽糖水あめなどの糖アルコール類などが挙げられる。
前記増粘剤としては、例えば、グアーガム、キサンタンガム、寒天、ペクチン類、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、ジェランガム、ローカストビーンガム、アラビアガム、CMCなどを挙げることができる。
前記香料、着色料としては、適宜使用され、通常食品用途に使用されるものであれば特に限定はない。
本発明の起泡性水中油型乳化油脂組成物は、通常のホイップ性を有しながら、食した際に綿飴の如く極めて口溶けが良好であり、該起泡性水中油型乳化油脂組成物を用いたホイップドクリームは、チルド流通に好適である。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
<ホイップ方法>
実施例・比較例で得られた起泡性水中油型乳化油脂組成物を4kg、グラニュー糖320gをカントーミキサー(CS型20:関東混合機工業株式会社製)に入れ、高速攪拌条件(450rpm)でホイップし、状態を確認しながら、液状、表面の状態、硬さにより最適点でホイップを停止した。
<食感の評価方法>
食感の官能評価は、実施例と比較例で得られた起泡性水中油型乳化油脂組成物をホイップしたものを熟練した専門パネラー10名に試食をしてもらい、評価結果を集約した。その際の評価基準は以下の通りであった。◎:綿飴の如くすっと溶けて、口溶けが非常に良好、○:口溶け良好、△:やや食感が重たく、口溶けが悪い、×:非常に食感が重たく、口溶けが非常に悪い。
<オーバーランの測定方法>
オーバーランとは、ホイップ性の指標となるものであり、ホイップした起泡性水中油型乳化油脂組成物に含まれる空気の割合を%で示され、下記の式で求めた。オーバーランの値によって、以下の基準で評価した。◎:120%以上(最良)、○:110%以上且つ120%未満(良)、△:100%以上且つ110%未満(可)、×:100%以下(不可)。
オーバーラン(%)=[(一定容積の起泡性水中油型乳化油脂組成物の重量)−(一定容積のホイップ後の起泡性水中油型乳化油脂組成物の重量)] ÷(一定容積のホイップ後の起泡性水中油型乳化油脂組成物の重量)×100
<ホイップ直後の起泡性水中油型乳化油脂組成物の硬さの評価>
ホイップした直後に、起泡性水中油型乳化油脂組成物を直径50mm、深さ20mmの円柱状の容器に入れた後、クリープメーター「RE2−33005S(株式会社山電製)」にて直径16mmの円柱状のプランジャーにて、10mm深度、速度5mm/秒、測定回数1回にてホイップ直後の硬さを測定した。その際、以下の基準で評価した。
◎:0.3N以上且つ0.35N未満(最良)、
○:0.25N以上且つ0.3N未満、
或いは0.35N以上且つ0.4N未満(良)、
△:0.2N以上且つ0.25N未満、
或いは0.4N以上且つ0.45N未満(可)、
×:0.2N未満、或いは0.45N以上(不可)。
<トッピング後の型崩れ評価方法>
トッピング後の型崩れとはホイップ性の指標となるものであり、ホイップした起泡性水中油型乳化油脂組成物を、絞り袋に詰め、出口が星型の口金(切り込みの個数8個)を用いて、板の上に縦に高さ4cmに8個トッピングを絞り、それを同様に10列絞る。その後、板の一方を高さ5cmまで手で上げた後に離し、落下した衝撃での絞られたトッピングの型崩れの状態を確認する。その際、以下の基準で評価した。◎:型崩れがほとんどなし、○:やや型崩れが生じているが、商品性に問題なし、△:型崩れが生じており、やや商品性に問題あり、×:かなり型が崩れており、商品性なし。
(製造例) エステル交換油脂の作製
エステル交換油脂は、下記の方法で得た。パーム油50重量部、パーム核オレイン50重量部の原料油脂をランダム反応器に仕込み、減圧下で攪拌しながら加熱を行い、90℃、30mmHgに達するまで脱水を行なった。次に、ナトリウムメチラートを原料油脂100重量部に対して0.1重量部加え、窒素気流中で攪拌しながら、90℃で30分間反応を行なった。その後、油脂原料と同量の温水を加えて洗浄を実施した。洗浄した水のpHが8になるまで繰り返し温水(約70℃)で洗浄を実施した後、減圧下攪拌しながら加熱し90℃、30mmHgに達するまで脱水を行なった。次に活性白土を原料油脂100重量部に対して2重量部加え、減圧下攪拌して30分間脱色反応を行なった後に全量ろ過を行い、活性白土の除去を行なった。最後に250℃、2mmHgで60分間脱臭を行い、エステル交換油脂を得た。得られたエステル交換油の上昇融点は、27℃であった。
(実施例1) 起泡性水中油型乳化油脂組成物1の作製と評価
表1に示す配合に従って、起泡性水中油型乳化油脂組成物1を作製した。即ち、油脂部の油脂合計30重量部を60℃に加温後、大豆レシチン0.2重量部、ポリグリセリン脂肪酸エステル(HLB4.5)0.1重量部を溶解して油相部とした。一方、60℃の温水64.37重量%にヘキサメタリン酸ナトリウム0.07重量部、キサンタンガム0.01重量部、グアーガム0.05重量部、ポリグリセリン脂肪酸エステル(HLB11.6)0.15重量部、ショ糖脂肪酸エステル(HLB11)0.05重量部を溶解し、更に脱脂粉乳4.0重量部、ホエイパウダー1.0重量部を溶解して水相部とした。上記、水相と油相を混合し、60℃で20分間攪拌して予備乳化液とした。この乳化液を直接蒸気注入式滅菌機にて、142℃で4秒間滅菌処理を行なってから6.0MPaで均質化処理し、その後にプレート式の冷却装置にて最終温度が2℃になるまで冷却し、容器に充填して起泡性水中油型乳化油脂組成物1を得た。得られた起泡性水中油型乳化油脂組成物1を上記記載の方法にてホイップを行なった後に食感、オーバーラン、硬さ、トッピング後の型崩れの評価を実施し、その結果を表1にまとめた。
Figure 0005697133
(実施例2) 起泡性水中油型乳化油脂組成物2の作製と評価
表1に示す配合に従って、最終冷却温度を4℃にした以外は、実施例1と同様に起泡性水中油型乳化油脂組成物2を作製した。得られた起泡性水中油型乳化油脂組成物2を上記記載の方法にてホイップを行なった後に食感、オーバーラン、硬さ、トッピング後の型崩れの評価を実施し、その結果を表1にまとめた。
(実施例3) 起泡性水中油型乳化油脂組成物3の作製と評価
表1に示す配合に従って、油相部のパーム核油の一部を製造例で作製したエステル交換油に変更した以外は、実施例1と同様に起泡性水中油型乳化油脂組成物3を作製した。得られた起泡性水中油型乳化油脂組成物3を上記記載の方法にてホイップを行なった後に食感、オーバーラン、硬さ、トッピング後の型崩れの評価を実施し、その結果を表1にまとめた。
(比較例1) 起泡性水中油型乳化油脂組成物4の作製と評価
表1に示す配合に従って、最終冷却温度を7℃にした以外は、実施例1と同様に起泡性水中油型乳化油脂組成物4を作製した。得られた起泡性水中油型乳化油脂組成物4を上記記載の方法にてホイップを行なった後に食感、オーバーラン、硬さ、トッピング後の型崩れの評価を実施し、その結果を表1にまとめた。
(比較例2) 起泡性水中油型乳化油脂組成物5の作製と評価
表1に示す配合に従って、最終冷却温度を10℃にした以外は、実施例1と同様に起泡性水中油型乳化油脂組成物5を作製した。得られた起泡性水中油型乳化油脂組成物5を、上記記載の方法にてホイップを行なった後に食感、オーバーラン、硬さ、トッピング後の型崩れの評価を実施し、その結果を表1にまとめた。
(比較例3) 起泡性水中油型乳化油脂組成物6の作製と評価
表1に示す配合に従って、油相部のパーム核ステアリンの一部をパーム核硬化油に変更した以外は、実施例1と同様に起泡性水中油型乳化油脂組成物6を作製した。得られた起泡性水中油型乳化油脂組成物6を、上記記載の方法にてホイップを行なった後に食感、オーバーラン、硬さ、トッピング後の型崩れの評価を実施し、その結果を表1にまとめた。
(比較例4) 起泡性水中油型乳化油脂組成物7の作製と評価
表1に示す配合に従って、油相部のパーム核ステアリンの一部を硬化なたね油に変更した以外は、実施例1と同様に起泡性水中油型乳化油脂組成物7を作製した。得られた起泡性水中油型乳化油脂組成物7を、上記記載の方法にてホイップを行なった後に食感、オーバーラン、硬さ、トッピング後の型崩れの評価を実施し、その結果を表1にまとめた。
(比較例5) 起泡性水中油型乳化油脂組成物8の作製と評価
表1に示す配合に従って、油相部のパーム核油の一部をパーム核ステアリンに変更した以外は、実施例1と同様に起泡性水中油型乳化油脂組成物8を作製した。得られた起泡性水中油型乳化油脂組成物8を、上記記載の方法にてホイップを行なった後に食感、オーバーラン、硬さ、トッピング後の型崩れの評価を実施し、その結果を表1にまとめた。
(比較例6) 起泡性水中油型乳化油脂組成物9の作製と評価
表1に示す配合に従って、油相部のパーム核ステアリンの一部をパーム核油に変更した以外は、実施例1と同様に起泡性水中油型乳化油脂組成物9を作製した。得られた起泡性水中油型乳化油脂組成物9を、上記記載の方法にてホイップを行なった後に食感、オーバーラン、硬さ、トッピング後の型崩れの評価を実施し、その結果を表1にまとめた。
以上の結果より、実施例の起泡性水中油型乳化油脂組成物は何れも、オーバーラン、ホイップ直後の硬さ及びトッピング後の型崩れが良好であることから従来のホイップ性を維持できており、更に食した際に綿飴の如く非常に口溶けが良い所望とする食感となっている。一方比較例については、比較例1,2,6の起泡性水中油型乳化油脂組成物を用いたホイップドクリームは、食感は良好であるが、何れもオーバーラン、ホイップ直後の硬さ及びトッピング後の型崩れが不十分で軟らかすぎるために口溶け感は良く感じるものであり、従来のホイップ性は得られていなかった。また比較例3,4,5はオーバーラン及びトッピング後の型崩れが良好で、ホイップ直後の硬さについては比較例3が良好で、比較例4,5ではやや硬いものの、ほぼ従来のホイップ性は維持できていたが、食感については何れも所望とする良好な口溶け感のものではなかった。このように実施例については食感とホイップ性について両立できるものであったが、比較例については両立できているものではなかった。

Claims (2)

  1. 起泡性水中油型乳化油脂組成物全体中の油脂含量が20〜40重量%であり、油相部の油脂全体中においては、上昇融点が30℃を越え且つ35℃のSFCが0.5%以下であるパーム核ステアリンを10〜40重量%、上昇融点が30℃以下の油脂を90〜60重量%含有し、水素添加した油脂を含まないチルド流通ホイップドクリーム用起泡性水中油型乳化油脂組成物を製造する方法であって、殺菌工程、均質化工程、冷却工程を含み、最後に冷却工程があり、容器に充填する前の最終冷却温度が0〜5℃(但し、5℃を除く。)であるチルド流通ホイップドクリーム用起泡性水中油型乳化油脂組成物の製造方法。
  2. 上昇融点が30℃以下の油脂がラウリン系油脂である請求項に記載のチルド流通ホイップドクリーム用起泡性水中油型乳化油脂組成物の製造方法。
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