JP2008007817A - 封孔処理剤、溶射被膜被覆部材および軸受 - Google Patents

封孔処理剤、溶射被膜被覆部材および軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】セラミック溶射膜と基材間の密着力を飛躍的に向上させ、かつ高温放置後やヒートサイクル試験後での経時的な密着力の劣化を回避できる封孔処理剤、溶射被膜被覆部材およびそれを用いた軸受を提供する。
【解決手段】エポキシ基含有成分と硬化剤とを含み、重合性ビニル基含有溶剤を含まない、溶射被膜の封孔処理剤であって、上記エポキシ基含有成分は、1分子中に含まれるエポキシ基の数が3個以上のポリグリシジルエーテル化合物を必須成分とし、1分子中に含まれるエポキシ基の数が2個のアルキレンジグリシジルエーテル化合物および環状脂肪族ジエポキシ化合物から選ばれた少なくとも1つを含む混合物であり、封孔処理剤は、該封孔処理剤 1 g 当りに含まれるエポキシ基を 3.0 mmol〜4.0 mmol の範囲に設定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、封孔処理剤、溶射被膜被覆部材および軸受に関し、特に樹脂系封孔処理剤および該処理剤により処理されて得られる溶射被膜被覆部材および軸受に関する。
鋼等から構成される機械部品の基材表面に金属またはセラミックスなどの硬質粒子および粉体を溶射し、耐熱性や耐摩耗性、耐食性を高める技術は以前より実施されている。一般に溶射被膜はその被膜形成の過程で生じる空隙や間隙、ボイド等の気孔を有しており、この気孔は種々の特性を被膜自体に付与している。気孔の中で、あるものは基材表面から基材素地に通じる連通孔の形態を示し、被膜表層が接している環境と、被膜が被覆されている基材とを連通している。この連通孔を通じて、溶射被膜外部に接触した気体や液体が基材素地まで浸透、拡散したりする現象がみられる。その結果、溶射材自身が腐食劣化したり、素地基材が炭素鋼などの場合は、被膜と基材の接触界面で、基材が選択的に腐食劣化して、溶射被膜の基材に対する接合性が損なわれ剥離したりする場合がある。また、機械部品本体と、それが設置/具備される部材との間の絶縁性を確保する目的でセラミックス溶射がなされる場合があるが、上述の気体や液体の浸透拡散現象によって絶縁破壊され、所望の絶縁抵抗が発揮されなくなる場合もある。
そこで、溶射被膜を形成した後、何らかの封孔処理を施し、被膜の環境遮断性を高める封孔処理が行なわれてきた。従来から広く知られる一般的な封孔処理方法として、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂等の合成樹脂を有機溶剤に溶解させた封孔処理剤を溶射被膜に塗布する方法、封孔処理剤に可視光線により硬化する光硬化性樹脂を利用する方法(特許文献1参照)、電着塗料により、塗料粒子の電気泳動現象で溶射被膜の細孔中に析出・充填させようとする方法(特許文献2参照)、ガラス質物質を形成するB23 を添加した溶射材を母材表面に溶射した後、溶射被膜を加熱してB23 を溶融させ、溶射被膜中に発生している間隙に充填する方法(特許文献3参照)、溶射材料中にガラス質物質を形成するB23 を添加して被膜を形成し、その後の加熱処理で溶融B23 が気孔充填作用を行なうもの(特許文献3参照)などが知られている。しかし、これらの方法は、加圧または減圧工程に加え、いずれも特殊な装置や煩雑な工程を必要とするなど、工業的生産方法に適さないという問題がある。
このため、封孔処理剤の必須組成として、(i)合成樹脂、(ii)重合性有機溶剤、並びに(iii)フッ素系界面活性剤およびパーフルオロ基含有有機ケイ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させる方法が知られている(特許文献4参照)。この方法は、(i)合成樹脂の硬化時、「(ii)重合性有機溶剤を単独で」あるいは「(i)合成樹脂と複合的に」硬化物を形成させることを意図しているものであるが、(ii)重合性有機溶剤の単純な加熱のみでは、溶液中の溶存酸素などが重合を阻害するため、実際に溶剤部分が硬化することが困難である。特に、特許文献4の実施例に示されたような、代表的なビニル基含有有機化合物である「スチレンモノマー」を重合性溶剤とした場合、エポキシ樹脂の硬化温度では重合反応は充分に行なわれず、エポキシ樹脂中に未反応の重合性溶剤が残存し、硬化後封孔樹脂の長期的な安定性に懸念が生じる。重合性溶剤の重合反応を促進する目的で、特許文献4にも記載があるとおりラジカル重合開始剤などを配合したり、一方で、封孔処理剤の系に溶存する酸素を高度に除去することが必要となる。しかしながら、高温型ラジカル重合開始剤は一般的に反応性が高く爆発などの危険性が高い有機過酸化物からなるため、取扱上の注意が必要であった。一方で低温型重合開始剤を選択すればかかる懸念事項は緩和されるが、低温においても重合開始剤の分解反応が進行するため、未硬化封孔処理剤のポットライフに留意する必要が生じる。また、溶存酸素量の観点からも、保存安定性を高めるために細い注意事項の遵守が常に要求されるという問題がある。
さらに、「スチレンモノマー」などの重合性有機溶剤が重合して得られる重合体は、基材との密着性に劣るという問題がある。
上述のとおり、従来技術においては、被膜の環境遮断性を安定的に維持するために、基材表面まで封孔処理剤を浸透させる操作に非常に煩雑な工程を組まなければならなかった。また、封孔剤自体の経時的な硬化収縮で微小な隙間が新たに生じることで、封孔処理を施した部材の長期間にわたる環境遮断性の維持が困難になる懸念があった。さらに、基材との密着性に劣るという問題があった。
特開平5−106014号公報 特開平6−212391号公報 特開平10−259469号公報 特開2003−183806号公報
本発明は、かかる問題に対処するためになされたものであり、セラミック溶射膜と基材間の密着力を飛躍的に向上させ、かつ高温放置後やヒートサイクル試験後での経時的な密着力の劣化を回避できる封孔処理剤、溶射被膜被覆部材およびそれを用いた軸受の提供を目的とする。
本発明の封孔処理剤は、エポキシ基含有成分と硬化剤とを含み、重合性ビニル基含有溶剤を含まない、溶射被膜の封孔処理剤であって、上記エポキシ基含有成分は、1分子中に含まれるエポキシ基の数が3個以上のポリグリシジルエーテル化合物を必須成分とし、1分子中に含まれるエポキシ基の数が2個のアルキレンジグリシジルエーテル化合物および環状脂肪族ジエポキシ化合物から選ばれた少なくとも1つを含む混合物であり、封孔処理剤は、該封孔処理剤 1 g 当りに含まれるエポキシ基を 3.0 mmol〜4.0 mmol の範囲に設定したことを特徴とする。
本発明の溶射被膜被覆部材は金属基材上に上記封孔処理剤で封孔処理された溶射被膜を有する溶射被膜被覆部材であることを特徴とする。
本発明の軸受は上記溶射被膜被覆部材が軸受構成部材表面に形成されていることを特徴とする。
本発明の封孔処理剤は、該封孔処理剤 1 g 当りエポキシ基を 3.0 mmol〜4.0 mmol 含有するので、該封孔処理剤に含まれるエポキシ基の開環重合により生成するエーテル結合や水酸基の量が最適化される。そのため、接着性の高い封孔剤を溶射膜に浸透させることで基材と溶射膜間の密着力の向上を図るのみならず溶射膜間の接着力向上を図ることができ、長時間の高温放置や急激なヒートサイクル環境下においても、接着力の劣化を防ぐことができる。
また、本発明の溶射被膜被覆部材は、上記封孔処理剤を用いて形成されるので、溶射被膜の気孔(間隙)に対する浸透性および充填性に優れ、封孔処理後に溶射被膜表層部分を研削あるいは研磨除去した場合でも封孔処理剤の浸透・充填層が十分存在し、その結果被膜の基材保護性を大幅に向上させ、さらに基材と溶射膜間の密着力の向上を図るのみならず溶射膜間の接着力を向上させることができ、軸受に用いることができる。
溶射被膜材の封孔特性の劣化や使用時における溶射被膜の破損を防止できる封孔処理剤について鋭意検討した結果、封孔処理剤のエポキシ基の濃度を 3.0 mmol/g〜4.0 mmol/g となるようにした封孔処理剤を用いて封孔処理された溶射被膜は、気孔(間隙)に対する浸透性および充填性に優れ、封孔処理後に溶射被膜表層部分を研削あるいは研磨除去した場合でも封孔処理剤の浸透・充填層が十分存在し、その結果被膜の基材保護性を大幅に向上させ、さらに基材と溶射膜間の密着力の向上を図るのみならず溶射膜間の接着力を向上させ得ることを見出した。
封孔処理は溶射後の多孔質材に対し、塗布や噴霧などで処理される。その後焼成処理を行なうことで未硬化樹脂は硬化する。その際、処理された封孔剤は、多孔質材内部の微小な空隙部に浸透したあとで加熱硬化し、3次元の網目構造を形成する。その際、浸透したエポキシ樹脂は硬化剤および硬化触媒との共存下では、オキシラン環の開裂反応が起こり、硬化剤種に応じ、エステル結合、エーテル結合などを新たに形成し硬化物を形成する。
硬化剤種に酸無水物系硬化剤、硬化触媒にアミン系化合物を選択した場合、エステル結合を形成する。この結合は構造内に極性の強い部位を持ち、封孔剤と、それが処理されたセラミックやサーメットなどからなる部材、あるいは軸受鋼、鋳鉄などとの間で非常に強固な接着作用を示す。
また封孔処理剤は重合性ビニル基含有溶剤を含まないので、溶剤の揮発による空隙の発生を効果的に抑制することにより、溶射被膜材の間隙が実質的に全て充填されている状態まで封孔処理を施すことができることによるものと考えられる。本発明はこのような知見に基づき完成されたものである。
本発明に使用できるエポキシ基含有成分は、1分子中に含まれるエポキシ基の数が3個以上のポリグリシジルエーテル化合物を必須成分とし、1分子中に含まれるエポキシ基の数が2個のアルキレンジグリシジルエーテル化合物および環状脂肪族ジエポキシ化合物から選ばれた少なくとも1つを含む混合物である。また、封孔処理剤としたときに、該封孔処理剤 1 g 当りエポキシ基を 3.0 mmol〜4.0 mmol 含有することができるエポキシ基含有成分であれば使用できる。
エポキシ基の配合割合が 3.0 mmol〜4.0 mmol の範囲以外の場合、基材との密着性に劣る。
なお、ポリグリシジルエーテル化合物および環状脂肪族ジエポキシ化合物はその分子内にオキシラン環が解裂して形成される繰り返し単位を含まない化合物である。
1分子中に含まれるエポキシ基の数が3個以上のポリグリシジルエーテル化合物としては、トリグリシジルエーテル化合物、テトラグリシジルエーテル化合物等が挙げられる。
ポリグリシジルエーテル化合物の例としては、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルを挙げることができる。
これらの中で、封孔処理剤の粘度を下げる観点から、トリグリシジルエーテル化合物が好ましく、特にトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルが好ましい。
1分子中に含まれるエポキシ基の数が2個のアルキレンジグリシジルエーテル化合物としては、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルを挙げることができる。
1分子中に含まれるエポキシ基の数が2個の環状脂肪族ジエポキシ化合物は、脂環式化合物の環を形成する炭素原子において、隣接する2つの炭素原子がオキシラン環を形成している、いわゆる脂環式エポキシ化合物であって、オキシラン環を2つ含む脂環式ジエポキシ化合物、例えば、1,2,8,9-ジエポキシリモネンが挙げられる。封孔処理剤の粘度を低下させつつ処理物の物性の低下を効果的に防止する好ましい化合物である。
また、水素添加ビスフェノールA、テトラヒドロフタル酸のジグリシジルエーテルなどの脂環式化合物のジグリシジルエーテルも使用することができる。
本発明の封孔処理剤は、取り扱い性の向上や、溶射被膜材への更なる浸透性向上の目的で、1分子中に含まれるエポキシ基の数が1個のモノグリシジルエーテル化合物を配合することができる。
1分子中に含まれるエポキシ基の数が1個のモノグリシジルエーテル化合物としては、ブチルグリシジルエーテルなどのアルキルモノグリシジルエーテル、アルキルフェノールモノグリシジルエーテル等、公知のモノグリシジルエーテル化合物を挙げることができる。
上記エポキシ基含有成分に対して硬化剤が配合される。硬化剤としては、酸無水物類および脂肪族アミン化合物、脂環式アミン化合物、芳香族アミン化合物などのアミン化合物類、イミダゾール類などの公知のエポキシ樹脂用硬化剤を単体あるいは組合せて使用することができる。
本発明において、硬化剤としては酸無水物類が好ましい。硬化剤種に酸無水物系硬化剤、硬化触媒にアミン系化合物を選択した場合、エステル結合を形成する。この結合は構造内に極性の強い部位を持ち、封孔剤と、それが処理されたセラミックやサーメットなどからなる部材、あるいは軸受鋼、鋳鉄などとの間で非常に強固な接着作用を示す。
セラミック材料は一般的に脆い材料であり、溶射処理によって多孔質状に生膜した場合、基材との間でのアンカー効果で密着しているのに他ならないため、使用時の熱ストレスや振動によって容易に剥離が生じる懸念がある。剥離が生じないにしてもミクロクラックが生じる危険もあった。そこで、接着性の高い封孔剤を溶射膜に浸透させることで基材と溶射膜間の密着力の向上を図るのみならず溶射膜間の接着力向上を図ることができる。
酸無水物類としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物およびその誘導体等を挙げることができる。
アミン化合物類としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの鎖状脂肪族ポリアミン、N-アミノエチルピペラジン、イソホロンジアミンなどの環状脂肪族ポリアミン、キシリレンジアミンなどの脂肪芳香族アミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルアミンなどの芳香族アミンおよびその誘導体等を挙げることができる。
これらの中で 25℃における粘度が 50 mPa・s 以下の酸無水物硬化剤や、25℃における粘度が 10 mPa・s 以下の脂肪族アミン系硬化剤は、添加によって封孔処理剤系全体の粘度を顕著に低下できるため、好適な硬化剤となる。
特に封孔処理剤のポットライフを長くすることができる酸無水物硬化剤が好ましい。
上記エポキシ基含有成分と酸無水物硬化剤との配合割合は、当量比で[(エポキシ基含有成分/酸無水物硬化剤)=( 80 / 100 )〜( 95 / 100 )]の範囲が好ましい。
封孔処理方法は、鋼等の基材金属の表面に金属、合金、酸化物セラミックス、炭化物サーメット等の溶射材を公知の溶射方法で形成した溶射被膜に対し、本発明の封孔処理剤を用いて溶射被膜の気孔を封孔処理するものである。
溶射材として用いる金属としてはAl、Zn、Cr、Ni等を、合金としてはステンレス鋼等を、酸化物セラミックスとしてはアルミナ、ジルコニア、チタニア等を、炭化物サーメットとしてはクロム炭化物、タングステン炭化物等を、それぞれ挙げることができる。
溶射方法としては、例えばプラズマ溶射法、高速ガス炎溶射法等を用いることができる。溶射被膜の膜厚は、溶射材料の種類や得られる溶射被膜被覆部材の用途に応じて適宜設定することができるが、通常、炭素鋼を基材として、溶射材をアルミナとした場合、20〜2000μm 程度、好ましくは 50〜1000μm 程度である。
上記封孔処理方法において封孔処理剤の充填性は、処理される溶射被膜を形成している粒子境界融着構造により左右されるので、溶射被膜の粒子境界融着構造や、封孔後の溶射被膜の要求特性に適した最適な封孔処理剤を選択するのが望ましい。
例えば、本発明の封孔処理剤は、形成された溶射被膜の気孔率が 10%以下である場合の封孔処理に用いることが好ましい。また、本発明の封孔処理剤は、非常に優れた封孔効果を発揮し、表層を、例えば 200μm 程度、研削除去しても封孔効果を確認することができる。
このように、本発明の封孔処理剤を用いることにより、溶射被膜の気孔(間隙)がエポキシ基を重合して得られる樹脂で実質的に全て充填されるので、間隙のない連続被膜表面を有する溶射被膜被覆部材を得ることができる。
ここで、溶射被膜の気孔(間隙)が「実質的に全て充填されている」とは、溶射被膜表面に塗膜形状で存在している封孔処理剤により形成された層(封孔処理剤に含まれる成分の硬化物などからなる)を含めた溶射被膜の最外層部分(例えば、表面から厚さ 0.2 mm 程度)を研削・研磨して除去した後、JIS H 8666に基づく染色浸透試験において、着色が見られないことを意味する。
上記封孔処理方法は、上述の封孔処理剤が溶射被膜底部まで浸透し充填性が向上することにより、粒子間境界の間隙が確実に埋められることで粒子間の個々の結合力や、基材との密着力が増大し、粒子間境界の間隙を全て埋めることができる。このため大気中における環境水分や異物の侵入が遮断され、酸化物セラミックス溶射被膜の固有の値を低減させることなく、絶縁抵抗値および絶縁破壊値の低下を抑制することができる。また得られた封孔処理済みの溶射被膜は表面を研削または研磨などした場合にも露出する間隙が存在しない。
したがって、溶射被膜自体の機械的強さや基材との密着強さを高める手段、絶縁抵抗値および絶縁破壊値など電気特性の低下抑制手段などとして利用できる。
本発明の封孔処理剤を用いて封孔処理を施すと、溶射被膜の間隙が封孔処理剤で実質的に全て充填された後、溶射被膜表層を隠蔽する形で封孔処理剤による塗膜状の薄い層が形成される。この塗膜状の薄い層を有する被覆部材はそのまま使用することもできるが、被覆部材の寸法精度を保つためには、研削砥石、研磨紙、不織布バフなどを用いて溶射被膜の表面を研削・研磨することによってかかる層を除去することができる。
封孔処理は、溶射後の溶射被膜に対し速やかに施すことが好ましい。溶射被膜は、粒子径分布のある多数の粒子が粒子間表層のみで融着して形成された被膜である。必然的に粒子境界に間隙が生成するため、被膜形成の直後から粒子境界の間隙をぬって水分や異物が侵入するなど、環境条件の影響を受けることが多い。したがって封孔効率の低下を防ぐには溶射後、溶射被膜の封孔処理をできる限り早く施すことが望ましい。
本発明の溶射被膜被覆部材は、鋼等から構成される機械部品の基材表面に金属またはセラミックスなどの硬質粒子および粉体を溶射して溶射被膜を形成した後、本発明の封孔処理剤を用いて、溶射被膜材の間隙が実質的に全て充填されている状態まで封孔処理を施して得られる被覆部材である。したがって、得られた溶射被膜被覆部材は、機械的強さや基材との密着強さが高められ、さらに絶縁抵抗値および絶縁破壊値など電気特性が向上する溶射被膜を機械部品基材に被覆するので、機械部品を周囲の環境から完全に遮断し、水や異物の侵入を防ぎ保護することができる。
また、研削砥石、研磨紙、不織布バフなどを用いて溶射被膜の表面を研削・研磨することにより、被覆部材の寸法精度を保つことができる。
本発明の溶射被膜被覆部材は、軸受を構成している部材表面に好適に応用できる。軸受としては、転がり軸受、すべり軸受のいずれにも用いることができる。転がり軸受は、外周面に内輪転走面を有する内輪と内周面に外輪転走面を有する外輪とが同心に配置され、内輪転走面と外輪転走面との間に複数個の転動体が配置される。さらに、この複数個の転動体を保持する保持器および外輪等に固定されるシール部材とにより構成される。
本発明の溶射被膜被覆部材は、深溝玉軸受および円筒/円錐ころ軸受等の転がり軸受の外輪部に処理されるセラミック溶射被膜の封孔処理剤として好適に用いることができる。
溶射被膜被覆部材で外輪部表面が処理された軸受はハウジングに外輪外径面を摺動させながら圧入することで固定される。本発明の溶射被膜被覆部材を設けることで、封入樹脂の作用により、溶射被膜が強化されるため、圧入時に起こりうるハウジングとの衝突による被膜の破損リスクを減少させることができる。
また、本発明の溶射被膜被覆部材は、すべり軸受の摺動面としても用いることができる。
実施例1〜実施例4および比較例1〜比較例3
表1で用いた材料を以下に示す。
(1)グリシジルエーテル化合物または環状脂肪族ジエポキシ化合物
(1−1)トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル:ナガセケムテックス社製、デナコールEX-321L、粘度; 500 mPa・s (25℃)
(1−2)アルキレンジグリシジルエーテル:ジャパンエポキシレジン社製、YED216M、粘度; 15 mPa・s (25℃)
(1−3)アルキレンモノグリシジルエーテル:ジャパンエポキシレジン社製、YED111E、粘度; 7 mPa・s (25℃)
(1−4)環状脂肪族ジエポキシ化合物:ダイセル化学工業社製、セロキサイド3000、粘度; 10 mPa・s (25℃)
(2)硬化剤、硬化促進剤
(2−1)酸無水物系硬化剤:大日本インキ化学工業社製、エピクロンB-570、粘度; 40 mPa・s (25℃)
(2−2)イミダゾール系硬化促進剤:四国化成工業社製、OR-2E4MZ
(3)重合性ビニル基含有溶剤
(3−1)スチレンモノマー:和光純薬社製、試薬
表1に示す各成分を室温で充分に撹拌混合し、混合樹脂中の気泡を抜くため 30 分間静置して封孔処理剤を得た。得られた封孔処理剤についてφ20 mm×25 mm のSUJ2製試験片(以下「試験片基材」と記す)を準備し、その円筒端面に膜厚 400 μm のアルミナセラミック溶射膜を大気プラズマ溶射法により形成した。
溶射面の表面に室温雰囲気下において、ポリアミド製ブラシを用いて表1に示す封孔処理剤を塗布し 30 分静置した。その後ポリエチレン製のヘラで表面付着分の過剰な封孔処理剤を掻き取った状態をもって、封孔処理剤の塗布済み試験片とした。その後、これら塗布済み試験片を 80℃×1 時間予備焼成し、その後 120℃×2 時間焼成を行ない、封孔処理剤を硬化させ硬化処理試験片を得た。次に、セラミック平面と平行にダイヤモンド砥石を用いて研削除去を行なった。研削除去量は硬化処理試験片の表面から約 200 μm の深さまでとした。
硬化処理試験片の表面を研削除去して得られた研削処理試験片について、−20℃にて 1 時間放置後 120℃に昇温し 1 時間放置することを1サイクルとして、500 サイクル実施してヒートサイクル処理試験片を得た。これとは別の研削処理試験片について 150℃にて 5000 時間放置して高温放置処理試験片を得た。
得られたヒートサイクル処理試験片および高温放置処理試験片について、以下に示す密着力試験を行なうことで、試験片のヒートサイクル処理および高温放置処理に対する耐久性の評価を行なった。
<密着力試験>
密着力試験の概略を図1に示す。焼成後の表層部分を 200μm 研削除去した硬化試験片1に対し、高粘度エポキシ系接着剤を介して引張治具3(接着部の形状:φ16 mm )をエポキシ接着面2aで接着し、引張圧縮試験機にて矢印方向に引っ張って単位面積あたりの溶射被膜2の密着力を測定した。測定結果を表1および図2に示す。判定基準は、密着力が 2 MPa 以上で「可」、2 MPa より下回ると「不可」と判定される。
Figure 2008007817
表1および図2に示すように、各実施例の封孔処理剤はエポキシ基の配合量を 3.0〜4.0 mmol/g の範囲で配合することによって、ヒートサイクル後および高温放置後においても、密着力が 2 MPa をこえる。
何れの比較例とも、ヒートサイクル試験および高温放置試験後の密着力は不可となった。これは封孔剤に配合したエポキシ基含有成分量が 3.0 mmol/g よりも少ない場合は、基材との密着力を向上させる効果のある極性基の割合が相対的に不足し、密着力が低下したと考えられる。また、エポキシ基含有成分量が増加するにつれて、特に 4.0 mmol/g よりも多い場合は、硬化物中に占める剛直なエポキシ結合部が過大となり、硬化物の靱性が大きく低下し、高温放置試験やヒートサイクル試験によって被膜と基材間に加わる熱応力により、容易にマイクロクラックを生成し、結果的に少ない荷重で凝集破壊を引き起こしたものと考える。
本発明の封孔処理剤は、未硬化時(封孔処理前)の封孔剤組成に対し、エポキシ基の濃度を 3.0 mmol/g〜4.0 mmol/g となるように配合したことにより、封孔剤は強固な密着力を最大に発揮するため、長時間のヒートサイクル試験および高温放置試験後においても溶射被膜の密着力の主要素であるアンカー効果による接着力に対し、化学的な接着力を加えることができる。
本発明の溶射被膜被覆部材は、温度変動が大きく変動するようなアプリケーションに対しても、溶射被膜と基材間で長期間にわたり密着力が期待できるので、例えば軸受のような厳しい環境下で使用される製品に用いることができる。
また本発明の溶射被膜被覆部材は、200μm 研削除去してもなお、封孔処理剤の浸透・充填層が十分存在するので、封孔処理後に溶射被膜表層部分を研削あるいは研磨除去された場合でも溶射被膜の耐摩耗性を大幅に向上させ、更に機械的性質などの物性も向上させることが期待できる。このため、高精度な後加工が要求される、鋼等から構成される各種産業機械部品の溶射被膜の保護用部材、改質部材として好適に利用できる。
密着力試験の概略を示す図である。 密着力試験の結果を示す図である。
符号の説明
1 硬化試験片
2 封孔処理済み溶射被膜
3 引張治具

Claims (3)

  1. エポキシ基含有成分と硬化剤とを含み、重合性ビニル基含有溶剤を含まない、溶射被膜の封孔処理剤であって、
    前記エポキシ基含有成分は、1分子中に含まれるエポキシ基の数が3個以上のポリグリシジルエーテル化合物を必須成分とし、1分子中に含まれるエポキシ基の数が2個のアルキレンジグリシジルエーテル化合物および環状脂肪族ジエポキシ化合物から選ばれた少なくとも1つを含む混合物であり、
    前記封孔処理剤は、該封孔処理剤 1 g 当りに含まれるエポキシ基を 3.0 mmol〜4.0 mmol の範囲に設定したことを特徴とする封孔処理剤。
  2. 金属基材上に封孔処理剤で封孔処理された溶射被膜を有する溶射被膜被覆部材であって、
    前記封孔処理剤が請求項1記載の封孔処理剤であることを特徴とする溶射被膜被覆部材。
  3. 溶射被膜被覆部材が軸受構成部材表面に形成されている軸受において、前記溶射被膜被覆部材が請求項2記載の溶射被膜被覆部材であることを特徴とする軸受。
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