JP2008095178A - 封孔処理剤塗布装置、封孔処理方法および軸受 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内径部に溝を有する円筒形ワーク1の外周面に形成されたセラミック溶射被膜を封孔処理剤4を用いて封孔処理するための封孔処理剤塗布装置であって、上記円筒形ワークの内径面を少なくとも1個以上の回転ローラ2で回転支持して円筒形ワークを回転させる手段と、上記円筒形ワークに対して上下方向に移動可能な封孔処理剤収容容器5を円筒形ワーク下部に配置し、上記封孔処理剤がエポキシ基含有成分と硬化剤とを含み、重合性ビニル基含有溶剤を含まない封孔処理剤であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
セラミック溶射被膜への封孔処理剤の一般的な処理方法としては、セラミック溶射被膜へ封孔処理剤を塗布する方法(特許文献1)、減圧浸透による方法(特許文献2)、減圧と加圧とを繰り返す方法(特許文献3)等が知られている。
また、円筒形外周部に特化した封孔処理方法としては、浸漬、掃き取りおよびスプレーを組合せた方法(特許文献4)が知られている。
また、特許文献2および3に記載の方法では、以下に述べる(ホ)〜(ヘ)の問題がある。(ホ)真空吸引装置が必要となる。(ヘ)真空吸引は封孔処理剤塗布後に行なう必要があるため、産機用絶縁軸受のような大きな製品を処理する場合、封孔処理装置全体が大掛かりなものとなり、生産性に懸念が生じる。また製造コストの高騰も招くという問題がある。
しかし、封孔処理剤への浸漬深さが所定よりも浅い場合、溶射面の一部は封孔処理剤が充分に浸透されない。一方、浸漬深さが所定よりも深い場合、ワークの内径面や溝内面などに封孔処理剤が付着する。以上の原因により、浸漬させるワークに対して封孔処理剤の適切な液面が設定されないと、封孔特性の悪化や研磨加工時の障害、軸受機能の低下などを引き起こす恐れがある。
そのため、封孔処理を行う際は、封孔処理剤を収容した容器の高さを精密に調整する必要がある。しかし、封孔処理数が増加した場合、封孔処理剤の液面の設定間違いを引き起こす可能性が高くなる。さらには、封孔処理工程の自動化を検討する際、封孔処理剤の計量装置を使用する必要が生じるが、一般的に定量装置は可動部分の多い複雑な装置であるため、内部の清掃に手間取ったり、ごみ、あるいは硬化した封孔処理剤の硬化物などの異物が新品の封孔処理剤に混入するなどのリスクが高くなる。
また、上記円筒形ワークを回転させる手段は、ローラ外周面に弾性体を配した上記回転ローラと、上記円筒形ワークの内径面に接して従動する少なくとも1個以上のガイドローラとにより上記円筒形ワークを支持し、上記回転ローラおよび上記ガイドローラの少なくとも1つのローラが円筒形ワークの溝内面に接し、この溝内面に接する部位に弾性体を配したローラ構造であることを特徴とする。
また、上記回転ローラは、その外径面の軸方向断面が円弧状であることを特徴とする。
また、上記封孔処理装置は、上記円筒形ワークの外周部分が上記封孔処理剤に浸漬する角度を変化させる手段を有することを特徴とする。
また、上記封孔処理装置は、上記円筒形ワークの外周部分と、上記封孔処理剤収容容器内部の底面との間に、上記円筒形ワークの幅面寸法の 2〜10 %長さの隙間を設けるように、上記封孔処理剤に浸漬して上記容器内部の底面に接触した上記円筒形ワークの外周部分を、反転動作により離脱させる手段を有することを特徴とする。ここで、円筒形ワークの幅面寸法とは、「{(ワーク外径寸法)−(ワーク内径寸法)}× 0.5 」で求められる長さ(mm)をいう。
また、本発明の軸受は、外輪の外周面に上記封孔処理方法により封孔処理されたセラミック溶射被膜を有する軸受であることを特徴とする。
また、円筒形ワークの溝内面に接する部位にウレタン樹脂やシリコーン樹脂などの軟質材からなる弾性体を配したローラ構造であるので、溶射時に飛散したセラミック粉末や、溶射時に発生したバリの脱落粉などの硬い異物を容易に弾性体内部に埋没させることができる。
また、このようにして空隙内を確実に充填処理されたセラミック溶射被膜を有するので、本発明の軸受は、長期間にわたって確実な封孔性能を維持させることができる。
図1(a)および図1(b)において、円筒形ワーク1はセラミック溶射被膜を外周面に有する深溝玉軸受の外輪である。円筒形ワーク1は回転ローラ2と、2個のガイドローラ3とにより回転支持され、外径面1aが上面に開口部を有し、円筒形ワークの下部に配置された封孔処理剤収容容器5に収容された封孔処理剤4の液面4aに接触している。封孔処理剤収容容器5は円筒形ワーク1に対して上下方向に移動可能な昇降台などの筐体8a上に固定され、円筒形ワーク1の径の大きさや封孔処理剤のワークへの浸透度合い、設定する液面レベルの変化などに応じて封孔処理剤4の液面を任意に設定できる構造となっている。この液面4aは、円筒形ワーク1に必要とされる封孔処理剤の処理面に応じて調節できる。そのため、不必要な部位への封孔処理剤の付着を防止できる。深溝玉軸受の外輪の場合、外輪外径のみならず両幅面も均一な封孔処理剤の処理面を一度で形成できる。
ワーク外周面と容器5内部の底面との間に上記の隙間を設けることにより、封孔処理剤4に浸漬した円筒形ワーク1が容器5の内面に接触することがなく、円筒形ワーク1を円滑に回転させることができる。
図2(a)において、円筒形ワーク1はセラミック溶射被膜を外周面に有する深溝玉軸受の外輪であり、図2(a)における各部材は上述の図1(b)に示す封孔処理剤塗布装置の各部材に相当するものである。
装置全体を傾斜させる手段としては、図2(a)に示すように、上述の装置を配設した台座14aを、装置全体の土台となる固定台座14bより、軸14cを回転軸として、水平状態から傾斜角θをなすようにして上下動させる。この上下動させる方法としては、台座14aおよび固定台座14bを連結するねじ14dの回転によるものなど、傾斜角θを調節しながら上下動させることのできる方法であればよい。
また、傾斜角θを、水平状態から上記式(1)で算出される角度まで変化させるように制御することにより、円筒形ワーク1の内径面1cなど、不必要な部位に封孔処理剤4を付着させることがない。
図3(a)に示す調節手段では、容器5の側面部にオーバーフロー用の排出孔15を穿設している。円筒形ワーク1が封孔処理剤4に浸漬する際、容器5内の封孔処理剤4が一定量に到達すると自動的に排出孔15から容器5の外へ排出させて、円筒形ワーク1の封孔処理剤4に浸漬する深さを制限する。
この調節手段では、円筒形ワーク1を容器5に収容された封孔処理剤4に浸漬させる際、あらかじめ容器5の内部に所定の厚さをもった硬質板16を沈めておき、ワーク外径面1aが上記硬質板16に接触するまで封孔処理剤4に浸漬して、ワーク1の封孔処理剤4に浸漬する深さを制限する。
これら動作の制御は、容器5または円筒形ワーク1を支持するガイドローラ3の上下方向への移動をそれぞれ制御する筐体8aまたは8bの駆動装置の電流値や、リミットスイッチなどを用いることができる。
この調節手段では、封孔処理剤4を収容した容器5の下部にロードセルなどの荷重計測装置17を設ける。円筒形ワーク1を封孔処理剤4に浸漬すると、その浸漬深さに比例して計測装置17により検出される荷重は増加する。事前に設定した荷重値になると、円筒形ワーク1または容器5の移動動作が停止するように駆動装置にて制御する。また、ワーク1の回転は、検出荷重が一定の値を示すまで開始しないように制御する。これらの制御により、ワーク1の封孔処理剤4への浸漬深さを制限する。
本発明の封孔処理装置は、少なくとも図1(b)に示す封孔処理装置とともに、上述の図2(a)に示す円筒形ワーク外周面が封孔処理剤に浸漬する角度を変化させる手段および/または、図3(a)〜(c)に示す円筒形ワークが封孔処理剤表面より浸漬する深さを調節する手段を、それぞれ組み合わせて使用することができる。
1分子中に含まれるエポキシ基の数が3個以上のポリグリシジルエーテル化合物としては、トリグリシジルエーテル化合物、テトラグリシジルエーテル化合物等が挙げられる。
ポリグリシジルエーテル化合物の例としては、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルを挙げることができる。
これらの中で、封孔処理剤の粘度を下げる観点から、トリグリシジルエーテル化合物が好ましく、特にトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルが好ましい。
また、水素添加ビスフェノールA、テトラヒドロフタル酸のジグリシジルエーテルなどの脂環式化合物のジグリシジルエーテルも使用することができる。
1分子中に含まれるエポキシ基の数が1個のモノグリシジルエーテル化合物としては、ブチルグリシジルエーテルなどのアルキルモノグリシジルエーテル、アルキルフェノールモノグリシジルエーテル等、公知のモノグリシジルエーテル化合物を挙げることができる。
また、樹脂中に含む塩素イオン量を 0.5 重量%以下とすることで、湿潤雰囲気下における絶縁抵抗などの電気特性の低下や、基材の腐食性などが抑えられる。
トリグリシジルエーテル化合物の 25℃における粘度は 500 mPa・s 以下であることが好ましい。500 mPa・s を超えると浸透性に劣る。
混合物全体に対して、アルキレンジグリシジルエーテル化合物の配合割合が 10〜80 重量%であることが好ましく、より好ましくは 50〜80 重量%である。10 重量%未満のときは封孔剤の粘度低減効果が小さくなり、封孔剤の浸透性を高めることができない。また、80 重量%を超えると、封孔剤の浸透性は高まるが、相対的に硬化時に高密度の架橋構造を形成する役割を持つトリグリシジルエーテル化合物の配合割合が減少するため、硬化後のエポキシ樹脂の物性は低下する。
モノグリシジルエーテル化合物の配合量は、混合物全体に対して、0〜50 重量%とすることが好ましい。
モノグリシジルエーテル化合物の添加量が 50 重量%を超えると、揮発量が増加したり、トリグリシジルエーテル化合物の量が相対的に減少し、硬化後樹脂の架橋密度が不足し、物性が大きく低下したり硬化物が形成しにくくなる。またポリグリシジルエーテル化合物の配合量も減少するため、溶射被膜と基材間の密着力が小さくなる。
酸無水物類としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物およびその誘導体等を挙げることができる。
アミン化合物類としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの鎖状脂肪族ポリアミン、N−アミノエチルピペラジン、イソホロンジアミンなどの環状脂肪族ポリアミン、キシリレンジアミンなどの脂肪芳香族アミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルアミンなどの芳香族アミンおよびその誘導体等を挙げることができる。
これらの中で 25℃における粘度が 50 mPa・s 以下の酸無水物硬化剤や、25℃における粘度が 10 mPa・s 以下の脂肪族アミン系硬化剤は、添加によって封孔処理剤系全体の粘度を顕著に低下できるため、好適な硬化剤となる。
特に封孔処理剤のポットライフを長くすることができ、また硬化時の収縮率が小さい酸無水物硬化剤が好ましい。
酸無水物硬化剤の配合量は、エポキシ基1当量に対して 0.80〜0.95 当量とすることが好ましい。
清澄な深溝玉軸受6316の軸受外輪(以下、軸受試験片9という)を準備し、外輪外径および両幅面の膜厚が約 400 μm となるように大気プラズマ溶射法でアルミナセラミックを溶射した。
実施例1〜実施例5および比較例1〜比較例17で使用した封孔処理剤を調整した。特定の原料組成を可変し5種類の封孔処理剤を調製した。調製に用いた材料を以下に示す。下記成分を表1に示す組成で室温で充分に撹拌混合し、混合樹脂中の気泡を抜くため30分静置し封孔処理剤を得た。
(a)ポリグリシジルエーテル化合物
トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル:ナガセケムテックス社製、デナコールEX−321L、粘度; 500 mPa・s (25℃)
(b)アルキレンジグリシジルエーテル化合物
ジャパンエポキシレジン社製、YED216M、粘度; 15 mPa・s (25℃)
(c)環状脂肪族ジエポキシ化合物
ダイセル化学工業社製、セロキサイド3000、粘度; 10 mPa・s (25℃)
(d)アルキレンモノグリシジルエーテル化合物
ジャパンエポキシレジン社製、YED111E、粘度; 7 mPa・s (25℃)
(e)重合性ビニル基含有有機溶剤
和光純薬社製、スチレンモノマー(試薬)
(f)酸無水物系硬化剤
大日本インキ化学工業社製、エピクロンB−570、粘度; 40 mPa・s (25℃)
(g)イミダゾール系硬化促進剤
四国化成工業社製、OR−2E4MZ
上記封孔処理剤を用いて、図1に示す封孔処理装置に上記軸受試験片9をセットし、上記封孔処理剤を用いて封孔処理を行なった。
実施例1〜実施例5および比較例1〜比較例15は全て、軸受試験片回転数が0.03rpm、軸受試験片回転時間が約33分であり、軸受試験片の総回転数は約1回転の条件にて行なった。また、封孔処理剤の液面は、軸受試験片の幅面のほぼ全面が浸漬するレベルに調整した。封孔処理後、 80℃×1 時間予備焼成し、その後 120℃×2 時間焼成を行なった。
用いた封孔処理剤の種類、回転ローラ案内位置、回転ローラ材質、ガイドローラの有無について表2に示す。「回転ローラ案内位置」において、「溝底」は「溝内面1bに接する部位」すなわち軸受試験片9の転走面をいい、「外」は軸受試験片9の内径面1cをいう。また、「回転ローラ材質」において「金属」はSUS303製を、「ゴム」はシリコーンゴム(ショア硬度A80)を用いた。
なお、比較例16は、図1に示す封孔処理装置を用いないで、軸受試験片の溶射面の表面に室温雰囲気下において、ポリエステル製刷毛を用いて封孔処理剤を1回塗布し 30 分間静置した。その後、80℃×1 時間予備焼成し、さらに120℃×2 時間焼成を行なった。比較例17は、比較例16において、80℃×1 時間予備焼成後に2度塗りを行ない、さらに一度予備乾燥を行なったものを120℃×2 時間焼成を行なった。
得られた軸受試験片を絶縁抵抗測定試験および外観(封孔処理被覆および転走面)観察により評価した。結果を表2に示す。
(4−1)絶縁抵抗測定試験
封孔処理されたアルミナセラミック溶射被膜9aを有する軸受試験片9に対する絶縁抵抗試験の概略を図4に示す。軸受試験片9を 80℃の温水に 1 時間浸漬後乾燥布で拭取り、常温まで放冷後、締め代 20 μmとなるようなハウジング10に圧入し、幅面固定蓋11をボルト止めして固定する。配線12に取り付けた 1000 V DC絶縁抵抗計13を用いて、軸受試験片9とハウジング10間の絶縁抵抗を測定した。判定基準は、2000MΩ以上の抵抗率を示す場合は「可(○)」、2000 MΩより下回る抵抗率の場合は「不可(×)」と判定した。
セラミック溶射膜以外の場所に封孔処理剤が付着すると、製品搬送時や軸受運転時の振動で硬化樹脂が転走面(レース面)に落下し軸受の異常に繋がる恐れがある。また、封孔処理剤の浸透深さが一定でない場合、最終の研削仕上げ時の研摩取り代次第では封孔されていない部位が露出し、封孔性が悪化する恐れがある。転がり軸受において、これらの不具合は厳禁とされている。
以上の基準を基礎として、実機での使用が進んだ条件にて加速評価するため、軸受試験片9を150℃×500時間放置後に外観観察を行なった。封孔処理剤が均一に処理されている研摩面であれば、高温下の放置時間に応じ一様に薄いベージュ色または薄い茶色を示すが、封孔処理剤の処理にムラがある場合は濃淡が顕著に現れる。セラミック溶射膜に色ムラがなく、かつ転走面に傷が見られない場合は「可(○)」、セラミック溶射膜に色ムラが、あるいは転走面に傷が見られた場合や、セラミック溶射膜以外の部位に封孔処理剤が付着していた場合いずれも「不可(×)」と判定した。また、セラミック溶射面の部分的に硬化樹脂が局在化していた場合は研摩工程で加工時間が増加したり、砥石が目詰まりする原因となったり、外径面取部寸法のバラツキ原因となるため「不可(×)」と判定した。
一方で転走面の外観観察を行ない、転走面全体が回転ローラの周接部以外の部位と同様の光沢を持ち、キズなどがない場合「可(○)」、転走面にキズなどが見られた場合は「不可(×)」と判定した。
また、比較例6、14、15の結果より、案内部をレース面溝底とし、案内ローラを設けたにもかかわらず封孔剤組成が本発明に適した封孔剤でなければ製品の性能は発揮されない。
2 回転ローラ
3 ガイドローラ
4 封孔処理剤
5 封孔処理剤収容容器
6 軸受
7 駆動モータ
8 筐体
9 軸受試験片
10 ハウジング
11 幅面固定蓋
12 配線
13 絶縁抵抗計
14 台座
15 排出孔
16 硬質板
17 荷重計測装置
Claims (10)
- 内径部に溝を有する円筒形ワークの外周面に形成されたセラミック溶射被膜を封孔処理剤を用いて封孔処理するための封孔処理剤塗布装置であって、
前記円筒形ワークの内径面を少なくとも1個以上の回転ローラで回転支持して前記円筒形ワークを回転させる手段と、前記円筒形ワークに対して上下方向に移動可能な封孔処理剤収容容器を前記円筒形ワーク下部に配置することを特徴とする封孔処理剤塗布装置。 - 前記円筒形ワークを回転させる手段は、ローラ外周面に弾性体を配した前記回転ローラと、前記円筒形ワークの内径面に接して従動する少なくとも1個以上のガイドローラとにより前記円筒形ワークを支持し、前記回転ローラおよび前記ガイドローラの少なくとも1つのローラが円筒形ワークの前記溝内面に接し、この溝内面に接する部位に弾性体を配したローラ構造であることを特徴とする請求項1記載の封孔処理剤塗布装置。
- 前記回転ローラは、その外径面の軸方向断面が円弧状であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の封孔処理剤塗布装置。
- 前記封孔処理剤塗布装置は、前記円筒形ワークの外周部分を前記封孔処理剤に浸漬させ、この浸漬した状態で前記回転ローラを回転させることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の封孔処理剤塗布装置。
- 前記封孔処理剤塗布装置は、前記円筒形ワークの外周部分が前記封孔処理剤に浸漬する角度を変化させる手段を有することを特徴とする請求項4記載の封孔処理剤塗布装置。
- 前記封孔処理剤塗布装置は、前記円筒形ワークの外周部分が前記封孔処理剤に浸漬する深さを調節する手段を有することを特徴とする請求項4または請求項5記載の封孔処理剤塗布装置。
- 前記封孔処理剤塗布装置は、前記円筒形ワークの外周部分と、前記封孔処理剤収容容器内部の底面との間に、前記円筒形ワークの幅面寸法の 2〜10 %長さの隙間を設けるように、前記封孔処理剤に浸漬して前記容器内部の底面に接触した前記円筒形ワークの外周部分を、反転動作により離脱させる手段を有することを特徴とする請求項6記載の封孔処理剤塗布装置。
- 前記封孔処理剤は、エポキシ基含有成分と硬化剤とを含み、重合性ビニル基含有溶剤を含まず、前記エポキシ基含有成分は、1分子中に含まれるエポキシ基の数が3個以上のポリグリシジルエーテル化合物を必須成分とし、1分子中に含まれるエポキシ基の数が2個のアルキレンジグリシジルエーテル化合物および環状脂肪族ジエポキシ化合物から選ばれた少なくとも1つを含む混合物であり、前記硬化剤を除く、前記エポキシ基含有成分全体に対して、ポリグリシジルエーテル化合物が 10〜80 重量%配合された封孔処理剤であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項記載の封孔処理剤塗布装置。
- 内径部に溝を有する円筒形ワークの外周面に形成されたセラミック溶射被膜を請求項1ないし請求項8いずれか一項記載の封孔処理剤塗布装置を用いて封孔処理する方法であって、
前記円筒形ワークの外周部分を前記封孔処理剤に浸漬した状態で前記回転ローラを回転させることで円筒形ワークの外周部分に封孔処理剤を塗布・浸透させることを特徴とする封孔処理方法。 - 外輪の外周面に封孔処理されたセラミック溶射被膜を有する軸受であって、前記被膜が請求項9記載の封孔処理方法により形成されてなることを特徴とする軸受。
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