JP4980659B2 - 封孔処理剤、溶射被膜被覆部材および軸受 - Google Patents

封孔処理剤、溶射被膜被覆部材および軸受 Download PDF

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Description

本発明は、封孔処理剤、溶射被膜被覆部材および軸受に関し、特に樹脂系封孔処理剤および該処理剤により処理されて得られる溶射被膜被覆部材および軸受に関する。
鋼等から構成される機械部品の基材表面に金属またはセラミックスなどの硬質粒子および粉体を溶射し、耐熱性や耐摩耗性、耐食性を高める技術は以前より実施されている。一般に溶射被膜はその被膜形成の過程で生じる空隙や間隙、ボイド等の気孔を有しており、この気孔は種々の特性を被膜自体に付与している。気孔の中で、あるものは基材表面から基材素地に通じる連通孔の形態を示し、被膜表層が接している環境と、被膜が被覆されている基材とを連通している。この連通孔を通じて、溶射被膜外部に接触した気体や液体が基材素地まで浸透、拡散したりする現象がみられる。その結果、溶射材自身が腐食劣化したり、素地基材が炭素鋼などの場合は、被膜と基材の接触界面で、基材が選択的に腐食劣化して、溶射被膜の基材に対する接合性が損なわれ剥離したりする場合がある。また、機械部品本体と、それが設置/具備される部材との間の絶縁性を確保する目的でセラミックス溶射がなされる場合があるが、上述の気体や液体の浸透拡散現象によって絶縁破壊され、所望の絶縁抵抗が発揮されなくなる場合もある。
そこで、溶射被膜を形成した後、何らかの封孔処理を施し、被膜の環境遮断性を高める封孔処理が行なわれてきた。従来から広く知られる一般的な封孔処理方法として、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂等の合成樹脂を有機溶剤に溶解させた封孔処理剤を溶射被膜に塗布する方法、封孔処理剤に可視光線により硬化する光硬化性樹脂を利用する方法(特許文献1参照)、電着塗料により、塗料粒子の電気泳動現象で溶射被膜の細孔中に析出・充填させようとする方法(特許文献2参照)、ガラス質物質を形成するB23 を添加した溶射材を母材表面に溶射した後、溶射被膜を加熱してB23 を溶融させ、溶射被膜中に発生している間隙に充填する方法(特許文献3参照)、溶射材料中にガラス質物質を形成するB23 を添加して被膜を形成し、その後の加熱処理で溶融B23 が気孔充填作用を行なうもの(特許文献3参照)などが知られている。しかし、これらの方法は、加圧または減圧工程に加え、いずれも特殊な装置や煩雑な工程を必要とするなど、工業的生産方法に適さないという問題がある。
このため、封孔処理剤の必須組成として、(i)合成樹脂、(ii)重合性有機溶剤、並びに(iii)フッ素系界面活性剤およびパーフルオロ基含有有機ケイ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させる方法が知られている(特許文献4参照)。この方法は、(i)合成樹脂の硬化時、「(ii)重合性有機溶剤を単独で」あるいは「(i)合成樹脂と複合的に」硬化物を形成させることを意図しているものであるが、(ii)重合性有機溶剤の単純な加熱のみでは、溶液中の溶存酸素などが重合を阻害するため、実際に溶剤部分が硬化することが困難である。特に、特許文献4の実施例に示されたような、代表的なビニル基含有有機化合物である「スチレンモノマー」を重合性溶剤とした場合、エポキシ樹脂の硬化温度では重合反応は充分に行なわれず、エポキシ樹脂中に未反応の重合性溶剤が残存し、硬化後封孔樹脂の長期的な安定性に懸念が生じる。重合性溶剤の重合反応を促進する目的で、特許文献4にも記載があるとおりラジカル重合開始剤などを配合したり、一方で、封孔処理剤の系に溶存する酸素を高度に除去することが必要となる。しかしながら、高温型ラジカル重合開始剤は一般的に反応性が高く爆発などの危険性が高い有機過酸化物からなるため、取扱上の注意が必要であった。一方で低温型重合開始剤を選択すればかかる懸念事項は緩和されるが、低温においても重合開始剤の分解反応が進行するため、未硬化封孔処理剤のポットライフに留意する必要が生じる。また、溶存酸素量の観点からも、保存安定性を高めるために細い注意事項の遵守が常に要求されるという問題がある。
上述のとおり、従来技術においては、被膜の環境遮断性を安定的に維持するために、基材表面まで封孔処理剤を浸透させる操作に非常に煩雑な工程を組まなければならなかった。また、封孔剤自体の経時的な硬化収縮で微小な隙間が新たに生じることで、封孔処理を施した部材の長期間にわたる環境遮断性の維持が困難になる懸念があった。
特開平5−106014号公報 特開平6−212391号公報 特開平10−259469号公報 特開2003−183806号公報
本発明は、かかる問題に対処するためになされたものであり、溶射被膜の気孔(間隙)に対し、充填性に優れ、溶射被膜材の間隙が実質的に全て充填されている状態まで封孔処理を施すことができ、経時的な封孔特性の劣化を回避できる封孔処理剤、溶射被膜被覆部材およびそれを用いた軸受の提供を目的とする。
本発明の封孔処理剤は、エポキシ基含有成分と硬化剤とを含み、重合性ビニル基含有溶剤を含まない、溶射被膜の封孔処理剤であって、上記エポキシ基含有成分は、1分子中に含まれるエポキシ基の数が3個以上のポリグリシジルエーテル化合物を必須成分とし、1分子中に含まれるエポキシ基の数が2個のアルキレンジグリシジルエーテル化合物および環状脂肪族ジエポキシ化合物から選ばれた少なくとも1つを含む混合物であり、上記封孔処理剤の硬化後密度が硬化前密度よりも小さいことを特徴とする。
本発明の溶射被膜被覆部材は、金属基材上に上記封孔処理剤で封孔処理された溶射被膜を有する溶射被膜被覆部材であることを特徴とする。
本発明の軸受は上記溶射被膜被覆部材が軸受構成部材表面に形成されていることを特徴とする。
本発明の封孔処理剤は、特定のエポキシ基含有成分と硬化剤とを含み、上記封孔処理剤の硬化後密度が硬化前密度よりも小さいので、封孔処理剤が硬化時に体積膨張する。そのため、長時間のヒートサイクル処理および高温放置処理において硬化収縮反応が進行しても、溶射膜内に微小空隙を新たに生じさせることがなくなり、結果的に封孔後高温下で長期間経過した後でも、湿潤下での絶縁抵抗特性および耐電圧特性の劣化を抑えることができる。
また、本発明の溶射被膜被覆部材は、上記封孔処理剤を用いて形成されるので、溶射被膜の気孔(間隙)に対する浸透性および充填性に優れ、封孔処理後に溶射被膜表層部分を研削あるいは研磨除去した場合でも封孔処理剤の浸透・充填層が十分存在し、その結果被膜の基材保護性を大幅に向上させ、さらに機械的性質、電気的性質などの物性を向上させることができ、軸受に用いることができる。
溶射被膜材の封孔特性の劣化や使用時における溶射被膜の破損を防止できる封孔処理剤について鋭意検討した結果、硬化後密度が硬化前密度よりも小さい封孔処理剤、すなわち硬化後の封孔処理剤の密度を硬化前の密度で除した値が 1.0 よりも小さな値となるような硬化物を与える封孔処理剤を用いて封孔処理された溶射被膜は、気孔(間隙)に対する浸透性および充填性に優れ、封孔処理後に溶射被膜表層部分を研削あるいは研磨除去した場合でも封孔処理剤の浸透・充填層が十分存在し、その結果被膜の基材保護性を大幅に向上させ、さらに機械的性質、電気的性質などの物性をも向上させ得ることを見出した。
封孔処理は溶射後の多孔質材に対し、未硬化樹脂を塗布や噴霧等することで処理される。その後焼成処理を行なうことで未硬化樹脂は硬化する。その際、処理された封孔剤は、多孔質材内部の微小な空隙部に浸透したあとで加熱硬化するため、硬化後の体積収縮が多い封孔剤を用いた場合、加熱硬化した後で多孔質材内部に新たな空隙を生じさせる。そこで生じた微小な空隙は、封孔処理された軸受を使用中、雰囲気の水分などが浸入する糸口となり、基材の腐食や電気絶縁性の劣化などを引き起こす。本発明の封孔処理剤は、硬化後の比重が硬化前よりも小さな、すなわち硬化による体積増加が大きくなるような性質を持つため、硬化後に封孔剤の収縮による微小な空隙を生じさせることなく、むしろ隙間をさらに充填させる方向に硬化するものと考えられる。
また封孔処理剤は重合性ビニル基含有溶剤を含まないので、溶剤の揮発による空隙の発生を効果的に抑制することにより、溶射被膜材の間隙が実質的に全て充填されている状態まで封孔処理を施すことができることによるものと考えられる。本発明はこのような知見に基づき完成されたものである。
本発明に使用できるエポキシ基含有成分は、1分子中に含まれるエポキシ基の数が3個以上のポリグリシジルエーテル化合物を必須成分とし、1分子中に含まれるエポキシ基の数が2個のアルキレンジグリシジルエーテル化合物および環状脂肪族ジエポキシ化合物から選ばれた少なくとも1つを含む混合物であり、上記封孔処理剤の硬化後密度が硬化前密度よりも小さい成分であれば使用できる。
なお、ポリグリシジルエーテル化合物および環状脂肪族ジエポキシ化合物はその分子内にオキシラン環が解裂して形成される繰り返し単位を含まない化合物である。
1分子中に含まれるエポキシ基の数が3個以上のポリグリシジルエーテル化合物としては、トリグリシジルエーテル化合物、テトラグリシジルエーテル化合物等が挙げられる。
ポリグリシジルエーテル化合物の例としては、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルを挙げることができる。
これらの中で、封孔処理剤の粘度を下げる観点から、トリグリシジルエーテル化合物が好ましく、特にトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルが好ましい。
1分子中に含まれるエポキシ基の数が2個のアルキレンジグリシジルエーテル化合物としては、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルを挙げることができる。
1分子中に含まれるエポキシ基の数が2個の環状脂肪族ジエポキシ化合物は、脂環式化合物の環を形成する炭素原子において、隣接する2つの炭素原子がオキシラン環を形成している、いわゆる脂環式エポキシ化合物であって、オキシラン環を2つ含む脂環式ジエポキシ化合物、例えば、1,2,8,9-ジエポキシリモネンが挙げられる。封孔処理剤の粘度を低下させつつ処理物の物性の低下を効果的に防止する好ましい化合物である。
また、水素添加ビスフェノールA、テトラヒドロフタル酸のジグリシジルエーテルなどの脂環式化合物のジグリシジルエーテルも使用することができる。
本発明の封孔処理剤は、取り扱い性の向上や、溶射被膜材への更なる浸透性向上の目的で、1分子中に含まれるエポキシ基の数が1個のモノグリシジルエーテル化合物を配合することができる。
1分子中に含まれるエポキシ基の数が1個のモノグリシジルエーテル化合物としては、ブチルグリシジルエーテルなどのアルキルモノグリシジルエーテル、アルキルフェノールモノグリシジルエーテル等、公知のモノグリシジルエーテル化合物を挙げることができる。
上記エポキシ基含有成分に対して硬化剤が配合される。硬化剤としては、酸無水物類および脂肪族アミン化合物、脂環式アミン化合物、芳香族アミン化合物などのアミン化合物類、イミダゾール類などの公知のエポキシ樹脂用硬化剤を単体あるいは組合せて使用することができる。
酸無水物類としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物およびその誘導体等を挙げることができる。
アミン化合物類としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの鎖状脂肪族ポリアミン、N-アミノエチルピペラジン、イソホロンジアミンなどの環状脂肪族ポリアミン、キシリレンジアミンなどの脂肪芳香族アミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルアミンなどの芳香族アミンおよびその誘導体等を挙げることができる。
これらの中で 25℃における粘度が 50 mPa・s 以下の酸無水物硬化剤や、25℃における粘度が 10 mPa・s 以下の脂肪族アミン系硬化剤は、添加によって封孔処理剤系全体の粘度を顕著に低下できるため、好適な硬化剤となる。
特に封孔処理剤のポットライフを長くすることができる酸無水物硬化剤が好ましい。酸無水物硬化剤の配合量は、エポキシ基1当量に対して 0.80〜0.95 当量とすることが好ましい。
本発明の封孔処理剤には、その他材料として界面活性剤を添加できる。特に効果のある界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤やシリコン系界面活性剤が挙げられ、特に公知のフッ素系界面活性剤の使用が好ましい。本発明において、公知のアニオン性、カチオン性、ノニオン性および両性の界面活性剤を使用できる。本発明の封孔処理剤に、フッ素系界面活性剤を配合する場合は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、シリコーンオイルなど界面活性効果や浸透効果を高める添加剤であれば、発明の特徴を妨げない範囲で使用できる。
封孔処理方法は、鋼等の基材金属の表面に金属、合金、酸化物セラミックス、炭化物サーメット等の溶射材を公知の溶射方法で形成した溶射被膜に対し、本発明の封孔処理剤を用いて溶射被膜の気孔を封孔処理するものである。
溶射材として用いる金属としてはAl、Zn、Cr、Ni等を、合金としてはステンレス鋼等を、酸化物セラミックスとしてはアルミナ、ジルコニア、チタニア等を、炭化物サーメットとしてはクロム炭化物、タングステン炭化物等を、それぞれ挙げることができる。
溶射方法としては、例えばプラズマ溶射法、高速ガス炎溶射法等を用いることができる。溶射被膜の膜厚は、溶射材料の種類や得られる溶射被膜被覆部材の用途に応じて適宜設定することができるが、通常、炭素鋼を基材として、溶射材をアルミナとした場合、20〜2000μm 程度、好ましくは 50〜1000μm 程度である。
上記封孔処理方法において封孔処理剤の浸透・充填性は、処理される溶射被膜を形成している粒子境界融着構造により左右されるので、溶射被膜の粒子境界融着構造や、封孔後の溶射被膜の要求特性に適した最適な封孔処理剤を選択するのが望ましい。
例えば、本発明の封孔処理剤は、形成された溶射被膜の気孔率が 10%以下である場合の封孔処理に用いることが好ましい。また、本発明の封孔処理剤は、溶射材としてセラミック粉末や炭化物サーメット等を用いてプラズマ溶射、高速ガス炎溶射法によって形成した溶射被膜の気孔率 10%以下である場合の封孔処理に用いることが好ましい。本発明の封孔処理剤を用いてこれら溶射被膜に封孔処理を施した場合、非常に優れた封孔効果を発揮し、表層を、例えば 200μm 程度、研削除去しても封孔効果を確認することができる。
このように、本発明の封孔処理剤を用いることにより、溶射被膜の気孔(間隙)がエポキシ基を重合して得られる樹脂で実質的に全て充填されるので、間隙のない連続被膜表面を有する溶射被膜被覆部材を得ることができる。
ここで、溶射被膜の気孔(間隙)が「実質的に全て充填されている」とは、溶射被膜表面に塗膜形状で存在している封孔処理剤により形成された層(封孔処理剤に含まれる成分の硬化物などからなる)を含めた溶射被膜の最外層部分(例えば、表面から厚さ 0.2 mm 程度)を研削・研磨して除去した後、JIS H 8666に基づく染色浸透試験において、着色が見られないことを意味する。
上記封孔処理方法は、上述の封孔処理剤が溶射被膜底部まで浸透し充填性が向上することにより、粒子間境界の間隙が確実に埋められることで粒子間の個々の結合力や、基材との密着力が増大し、粒子間境界の間隙を全て埋めることができる。このため大気中における環境水分や異物の侵入が遮断され、酸化物セラミックス溶射被膜の固有の値を低減させることなく、絶縁抵抗値および絶縁破壊値の低下を抑制することができる。また得られた封孔処理済みの溶射被膜は表面を研削または研磨などした場合にも露出する間隙が存在しない。
したがって、溶射被膜自体の機械的強さや基材との密着強さを高める手段、絶縁抵抗値および絶縁破壊値など電気特性の低下抑制手段などとして利用できる。
本発明の封孔処理剤を用いて封孔処理を施すと、溶射被膜の間隙が封孔処理剤で実質的に全て充填された後、溶射被膜表層を隠蔽する形で封孔処理剤による塗膜状の薄い層が形成される。この塗膜状の薄い層を有する被覆部材はそのまま使用することもできるが、被覆部材の寸法精度を保つためには、研削砥石、研磨紙、不織布バフなどを用いて溶射被膜の表面を研削・研磨することによってかかる層を除去することができる。
封孔処理は、溶射後の溶射被膜に対し速やかに施すことが好ましい。溶射被膜は、粒子径分布のある多数の粒子が粒子間表層のみで融着して形成された被膜である。必然的に粒子境界に間隙が生成するため、被膜形成の直後から粒子境界の間隙をぬって水分や異物が侵入するなど、環境条件の影響を受けることが多い。したがって封孔効率の低下を防ぐには溶射後、溶射被膜の封孔処理をできる限り早く施すことが望ましい。
本発明の溶射被膜被覆部材は、鋼等から構成される機械部品の基材表面に金属またはセラミックスなどの硬質粒子および粉体を溶射して溶射被膜を形成した後、本発明の封孔処理剤を用いて、溶射被膜材の間隙が実質的に全て充填されている状態まで封孔処理を施して得られる被覆部材である。したがって、得られた溶射被膜被覆部材は、機械的強さや基材との密着強さが高められ、さらに絶縁抵抗値および絶縁破壊値など電気特性が向上する溶射被膜を機械部品基材に被覆するので、機械部品を周囲の環境から完全に遮断し、水や異物の侵入を防ぎ保護することができる。
また、研削砥石、研磨紙、不織布バフなどを用いて溶射被膜の表面を研削・研磨することにより、被覆部材の寸法精度を保つことができる。
本発明の溶射被膜被覆部材は、軸受を構成している部材表面に好適に応用できる。軸受としては、転がり軸受、すべり軸受のいずれにも用いることができる。転がり軸受は、外周面に内輪転走面を有する内輪と内周面に外輪転走面を有する外輪とが同心に配置され、内輪転走面と外輪転走面との間に複数個の転動体が配置される。さらに、この複数個の転動体を保持する保持器および外輪等に固定されるシール部材とにより構成される。
本発明の溶射被膜被覆部材は、深溝玉軸受および円筒/円錐ころ軸受等の転がり軸受の外輪部に処理されるセラミック溶射被膜の封孔処理剤として好適に用いることができる。
溶射被膜被覆部材で外輪部表面が処理された軸受はハウジングに外輪外径面を摺動させながら圧入することで固定される。本発明の溶射被膜被覆部材を設けることで、封入樹脂の作用により、溶射被膜が強化されるため、圧入時に起こりうるハウジングとの衝突による被膜の破損リスクを減少させることができる。
また、本発明の溶射被膜被覆部材は、すべり軸受の摺動面としても用いることができる。
実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例3
表1で用いた材料を以下に示す。
(1)グリシジルエーテル化合物または環状脂肪族ジエポキシ化合物
(1−1)トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル:ナガセケムテックス社製、デナコールEX-321L、粘度; 500 mPa・s (25℃)
(1−2)アルキレンジグリシジルエーテル:ジャパンエポキシレジン社製、YED216M、粘度; 15 mPa・s (25℃)
(1−3)アルキレンモノグリシジルエーテル:ジャパンエポキシレジン社製、YED111E、粘度; 7 mPa・s (25℃)
(1−4)環状脂肪族ジエポキシ化合物:ダイセル化学工業社製、セロキサイド3000
、粘度; 10 mPa・s (25℃)
(2)硬化剤、硬化促進剤
(2−1)酸無水物系硬化剤:大日本インキ化学工業社製、エピクロンB-570、粘度; 40 mPa・s (25℃)
(2−2)イミダゾール系硬化促進剤:四国化成工業社製、OR-2E4MZ
(3)重合性ビニル基含有溶剤
(3−1)スチレンモノマー:和光純薬社製、試薬
表1に示す各成分を室温で充分に撹拌混合し、混合物中の気泡を抜くため 30 分間静置して封孔処理剤を得た。得られた封孔処理剤について硬化前後の比重を測定し、封孔剤の硬化前後の密度比にて封孔処理剤を評価した。結果を表1に併記する。
<封孔剤の硬化前後の密度比>
計算に先立ち、未硬化封孔剤の密度は、JIS K6833「電気絶縁用無溶剤液状レジン試験方法」記載の、比重カップ法での測定方法に準じて行ない、得られた比重を硬化前密度(単位:g/cm3 )とする。一方、チリ、油分などの異物付着のない清浄なPP製容器(容量 30 ml )に約 20 g 秤量し、容器の口を開放したまま、80℃×1 時間予備焼成し、その後 120℃×2 時間焼成を行ない硬化物を得た。その後、10 mm×10 mm×10 mm 角のブロックを切削加工にて製作し、JIS K6911「熱硬化性プラスチック一般試験方法」記載の方法に準じて測定を行ない、得られた比重を硬化後密度(単位:g/cm3 )とする。
得られた硬化前密度および硬化後密度を用いて、下記の計算式にしたがって封孔剤の硬化前後の密度比を計算する。

封孔剤の硬化前後の密度比=硬化後密度/硬化前密度
<被膜形成および表面研削処理>
次に、φ20 mm×25 mm のSUJ2製試験片を準備し、その円筒端面に膜厚 400μm のアルミナセラミック溶射膜を大気プラズマ溶射法により形成した。
溶射面の表面に室温雰囲気下において、ポリアミド製ブラシを用いて表1に示す封孔処理剤を塗布し 30 分静置した。その後ポリエチレン製のヘラで表面付着分の過剰な封孔処理剤を掻き取った状態をもって、封孔処理剤の塗布済み試験片とした。その後、これら塗布済み試験片を 80℃×1 時間予備焼成し、その後 120℃×2 時間焼成を行ない、封孔処理剤を硬化させ、硬化処理試験片を得た。次に、セラミック平面と平行にダイヤモンド砥石を用いて硬化処理試験片の表面を研削除去した。研削除去量は、下記に示す2水準を設定した。
(1)硬化処理試験片の表層部の硬化樹脂層を重点的に除去する目的でセラミック部を約 10μm 研削除去して 10μm 研削処理試験片を得た。
(2)硬化処理試験片の表面から約 200μm の深さまでの樹脂浸透層を除去する目的で、約 200μm 研削除去して 200μm 研削処理試験片を得た。
次に、これらの研削処理試験片について、それぞれ以下に示すヒートサイクル処理または高温放置処理を行なった。
<ヒートサイクル処理>
得られた 10μm 研削処理試験片および 200μm 研削処理試験片について、それぞれ− 20℃にて 1 時間放置後 120℃に昇温し 1 時間放置することを1サイクルとして、500 サイクル実施してヒートサイクル処理試験片を得た。
<高温放置処理>
得られた 10μm 研削処理試験片および 200μm 研削処理試験片について、それぞれ 150℃にて 5000 時間放置して高温放置処理試験片を得た。
得られたヒートサイクル処理試験片および高温放置処理試験片(以下、これらを研削・熱処理試験片と記す)について、以下に示す連通孔の有無確認試験、絶縁抵抗試験、耐電圧特性試験を、それぞれ行なうことで、 10μm 研削処理試験片および 200μm 研削処理試験片のヒートサイクル処理および高温放置処理に対する耐久性の評価を行なった。結果を表1に併記する。
<連通孔の有無確認試験>
研削・熱処理試験片の連通孔確認試験は、研削・熱処理試験片の被膜面に対しJIS H 8666に基づくフェロキシル試験を適用して行なった。フェロキシル試験の概略を図1に示す。試験条件は、図1に示す試験液を浸漬させたろ紙3、スズ板4、ウエイト5の形状が研削・熱処理試験片1に合わせたもの(φ16 mm )となっている点を除き、試験液組成、試験面圧、放置時間等の条件はすべてJIS H 8666に準拠した。ろ紙3が着色することは、溶射被膜2に研削・熱処理試験片1と外部空間とを連結する連通孔があるため、フェロキシル試験溶液が研削・熱処理試験片1の基材の鉄イオンに接触して青色に呈色したことを示す。判定基準は、元来白色であったろ紙3の表面に青色の斑点が 1 個以上見られたものを「斑点あり」とし、青色の斑点が 0 個であったものを「斑点なし」とした。
<絶縁抵抗試験>
絶縁抵抗試験の概略を図2に示す。研削・熱処理試験片1を 80℃の温水に 1 時間浸漬後、配線8に取り付けた 1000 V DC絶縁抵抗計7を用いて、溶射被膜2表面と研削・熱処理試験片1間の絶縁抵抗を測定した。6は電極である。判定基準は、2000 MΩ以上(表中に>2000 として表示)の抵抗率を示す場合は「可」、2000 MΩより下回る抵抗率の場合は「不可」と判定した。
<耐電圧特性試験>
耐電圧特性試験の概略を図3に示す。溶射被膜2と研削・熱処理試験片1との間の配線8に取り付けた高電圧発生装置9によりDC 5 kV の電圧を印加してモニタ10により耐電圧特性を評価した。6は電極である。判定基準は、DC 5 kV を 5 分間印加させ、絶縁破壊を生じなかったら「可」、絶縁破壊を生じた場合「不可」と判定した。
Figure 0004980659
表1に示すように、各実施例の封孔処理剤は硬化前後の密度比が1を下回る。各比較例は揮発しやすい2官能エポキシ成分や単官能エポキシ成分、易揮発性のスチレンモノマーの配合量が比較的多く、硬化時の体積収縮が多くなるため、硬化前後の密度比が1を上回ると考える。
各比較例とも、ヒートサイクル処理および高温放置処理後の絶縁抵抗値および耐電圧特性は不可となった。これはヒートサイクル処理および高温放置処理によって、封孔剤の硬化収縮が暗反応的に進行し、硬化後封孔剤と溶射被膜内部の気孔界面との間に極めて小さな隙間が形成され、その空隙部に雰囲気および温水浸漬試験時の水分が侵入した結果であると考える。
上記試験結果は、本発明の封孔処理剤により溶射被膜の気孔(間隙)を充填することによって、溶射被膜間の間隙を効果的に充填せしめ、さらに長期間の熱履歴(ヒートサイクル、高温放置)下でも硬化収縮が進行しないため、長期間にわたり外部からの水分の侵入を防止するものと考える。その結果、酸化物セラミックス溶射被膜の固有の値を低減させることなく、絶縁抵抗値および耐電圧特性の低下を抑制できることを示していると考えられる。
本発明の封孔処理剤を用いることによって、気孔(間隙)に対する浸透性および充填性に優れ、溶射被膜材の間隙が実質的に全て充填されている状態まで封孔処理を施すことができる。このため経時的な封孔特性が劣化するおそれがなく、使用時に剥離などのない溶射被膜を形成するための封孔処理剤として好適に利用できる。
また本発明の溶射被膜被覆部材は、封孔処理剤の浸透・充填層が十分存在するので、封孔処理後に溶射被膜表層部分を研削あるいは研磨除去された場合でも溶射被膜の耐熱性や耐摩耗性、耐食性を大幅に向上させ、さらに機械的性質、電気的性質などの物性をも向上させることができる。このため、高精度な後加工が要求される、鋼等から構成される各種産業機械部品の溶射被膜の保護用部材、改質部材として好適に利用できる。
フェロキシル試験の概略を示す図である。 絶縁抵抗試験の概略を示す図である。 耐電圧特性試験の概略を示す図である。
符号の説明
1 研削・熱処理試験片
2 封孔処理済み溶射被膜
3 フェロキシル試験溶液付きろ紙
4 スズ板
5 ウェイト
6 電極
7 絶縁抵抗計
8 配線
9 高電圧発生装置
10 モニタ

Claims (3)

  1. エポキシ基含有成分と硬化剤とを含み、重合性ビニル基含有溶剤を含まない、溶射被膜の封孔処理剤であって、
    前記エポキシ基含有成分は、1分子中に含まれるエポキシ基の数が3個以上のポリグリシジルエーテル化合物を必須成分とし、1分子中に含まれるエポキシ基の数が2個のアルキレンジグリシジルエーテル化合物および環状脂肪族ジエポキシ化合物から選ばれた少なくとも1つを含む混合物であり、
    前記封孔処理剤の硬化後密度が硬化前密度よりも小さいことを特徴とする封孔処理剤。
  2. 金属基材上に封孔処理剤で封孔処理された溶射被膜を有する溶射被膜被覆部材であって、
    前記封孔処理剤が請求項1記載の封孔処理剤であることを特徴とする溶射被膜被覆部材。
  3. 溶射被膜被覆部材が軸受構成部材表面に形成されている軸受において、前記溶射被膜被覆部材が請求項2記載の溶射被膜被覆部材であることを特徴とする軸受。
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