JP2004300509A - 溶射被膜の封孔処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】下地および直上の塗膜との付着性に優れ、かつ、工期を短縮することができる溶射被膜の封孔処理方法、溶射塗装物、並びに、耐候劣化後も優れた付着性を有することができる塗膜形成方法および塗装物を提供する。
【解決手段】基材表面上に形成された溶射被膜に対して、封孔処理剤によって封孔処理する溶射被膜の封孔処理方法であって、上記溶射被膜に対して、塗布環境下での粘度を5×10−3〜1×10−1Pa・sに調整した封孔処理剤を塗布する工程(1)、上記工程(1)の後、さらに、塗布環境下での粘度を5×10−1〜1Pa・sに調整した封孔処理剤を塗布する工程(2)によって、上記溶射被膜上に封孔処理膜を形成するものであり、上記封孔処理剤がいずれもアミノ基含有重合体及び1分子中にエポキシ基及び加水分解性シリル基を含有する硬化剤を含んでいることを特徴とする溶射被膜の封孔処理方法である。
【解決手段】基材表面上に形成された溶射被膜に対して、封孔処理剤によって封孔処理する溶射被膜の封孔処理方法であって、上記溶射被膜に対して、塗布環境下での粘度を5×10−3〜1×10−1Pa・sに調整した封孔処理剤を塗布する工程(1)、上記工程(1)の後、さらに、塗布環境下での粘度を5×10−1〜1Pa・sに調整した封孔処理剤を塗布する工程(2)によって、上記溶射被膜上に封孔処理膜を形成するものであり、上記封孔処理剤がいずれもアミノ基含有重合体及び1分子中にエポキシ基及び加水分解性シリル基を含有する硬化剤を含んでいることを特徴とする溶射被膜の封孔処理方法である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属材料、無機材料、プラスチック材料等の基材表面に形成された溶射被膜に対して封孔処理剤によって封孔処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄鋼構造物に対して防食被覆膜を形成する方法として防食溶射がある。防食溶射とは、亜鉛、アルミニウムおよびその合金等の線材を、加熱して溶融もしくは軟化させた後に微粒子化したものを被覆対象物表面に衝突させるものである。衝突により潰れた粒子は扁平に凝固・堆積して金属被膜が形成される。このような溶射被膜は、基材表面を粗面化すれば、基材種、面積および形状に関係なく形成することができる。さらには、現場施工が可能である方式を用いれば、防食膜の補修等を行うことができる。
【0003】
このようにして得られる防食溶射被膜は内部に気孔を多く含んだ被膜であるため、これらの気孔を塞ぐために、溶射被膜上に封孔処理剤が塗布される。
しかし、溶射に多く用いられる金属である両性金属は活性が高いため、エポキシ樹脂からなる封孔処理剤を塗布した場合、付着界面で反応を起こして水素ガスが発生し、塗膜にフクレを生じるという問題点があった。また、気孔を完全に塞いで均一に被覆するためには、封孔処理剤を複数回塗布する必要があり、工数が多いという問題があった。さらに、封孔処理剤を複数回塗布する場合においては、自身同士の塗り重ね時の付着性にも問題があった。
【0004】
一方、このような問題を解決する方法として、リン酸を含有するクロムフリーのブチラール樹脂系封孔材料を用いて封孔処理する溶射被膜の封孔処理方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、ブチラール樹脂系封孔処理剤においては、自身同士の塗り重ね時の付着性は良好であるが、他種類の樹脂との付着性が不充分であり、さらに、防食性も不充分であるという問題があった。また、樹脂自体の粘度が低いため、目的の膜厚を得るためには複数回塗布する必要があり、工数が多いということは改善されなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−125221号公報(第1頁−第4頁)
【0006】
【発明の解決する課題】
本発明の目的は、下地および直上の塗膜との付着性に優れ、かつ、工期を短縮することができる溶射被膜の封孔処理方法、それにより得られた溶射塗装物、並びに、塗膜形成方法およびそれから得られた塗装物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基材表面に対して溶射被膜を形成する工程(1)、上記工程(1)で得られた溶射被膜に対して、粘度の異なる2つの封孔処理剤を各々1回ずつ塗布して封孔処理膜を形成する工程(2)
を含む溶射被膜の封孔処理方法であって、上記工程(2)が粘度の低い方の封孔処理剤を塗布する段階(a)、上記段階(a)の後、粘度の高い方の封孔処理剤を塗布する段階(b)からなることを特徴とする溶射被膜の封孔処理方法である。ここで、粘度の低い方の封孔処理剤の粘度は、塗布環境下において5×10−3〜1×10−1Pa・sに調整されたものであり、粘度の高い方の封孔処理剤の粘度は、塗布環境下において5×10−1〜1Pa・sに調整されたものであることが好ましい。
【0008】
また、段階(a)の塗布量は50〜200g/m2、および、段階(b)の塗布量は100〜400g/m2であることが好ましい。
ここで、段階(a)および段階(b)で塗布される2つの封孔処理剤は、樹脂固形分の組成が同じものであることが好ましく、いずれも、カルボキシル基およびアミノ基を含有する樹脂と、エポキシ基および加水分解性シリル基を含有する硬化剤とを含んでいるものであることが好ましい。
【0009】
なお、基材表面上には旧塗膜が形成されていてもよい。
また、本発明は、上記の封孔処理方法によって得られることを特徴とする溶射塗装物である。
さらに、本発明は、上記の溶射塗装物に対して、さらに、塗料を塗布することを特徴とする塗膜形成方法である。
また、本発明は、上記の塗膜形成方法によって得られた塗装物である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の溶射被膜の封孔処理方法は、基材表面に対して溶射被膜を形成する工程(1)、上記工程(1)で得られた溶射被膜に対して、粘度の異なる2つの封孔処理剤を各々1回ずつ塗布して封孔処理膜を形成する工程(2)を含む溶射被膜の封孔処理方法であって、上記工程(2)が粘度の低い方の封孔処理剤を塗布する段階(a)、上記段階(a)の後、粘度の高い方の封孔処理剤を塗布する段階(b)からなることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の溶射被膜の封孔処理方法における最初の行程である工程(1)は、基材表面に対して溶射被膜を形成するものである。上記基材は、特に限定されず、例えば、ブリキ板、ダル鋼板、みがき鋼板、黒皮鋼板、ケレンした錆鋼板、溶接鋼板等の鉄材;アルミニウム、亜鉛等の非鉄金属;ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、PPO(ポリフェニレンオキサイド)樹脂、塩化ビニル等のプラスチックス;スレート板、硅酸カルシウム板、セメント等の無機材;その他のものとして、ガラス、木材、合板等を挙げることができる。なお、本発明の溶射被膜の封孔処理方法を塗り替え等に適用する場合、基材表面は塗膜が形成されていてもよい。この塗膜は旧塗膜と呼ばれるものであり、各種上塗り塗膜等を挙げることができる。
【0012】
上記溶射被膜を形成する方法としては特に限定されず、例えば、燃焼ガスを用いて高温で行うフレーム溶射、電気によって比較的低温で行うアーク溶射およびプラズマ溶射等、当業者によってよく知られている溶射方法を挙げることができるが、現場施工が容易で、基材を選ばないアーク溶射やプラズマ溶射等が好ましい。その際に溶射に用いられる線材は特に限定されず、例えば、アルミニウム線および亜鉛とアルミニウムとの合金線等を挙げることができる。なお、基材表面に溶射被膜を形成する際、基材表面と溶射被膜との付着性を向上させるために、溶射被膜を形成する前に基材表面を粗面化してもよい。上記基材表面の粗面化は、従来から広く採用されているサンドブラストやグリットブラストなどのブラスト処理によって行ってもよいが、粉塵発生等による環境汚染の観点から、例えば、特公平2−54422号公報等に開示されているように、不溶性固体粒子を含有するプライマーを基材表面に塗布することにより、多孔質のプライマー層を形成する方法で、その表面を粗面化してもよい。
【0013】
このようにして得られた溶射被膜の膜厚は特に限定されないが、防食性や基材表面への付着性の観点から、例えば、80〜200μmであることが好ましい。
【0014】
本発明の溶射被膜の封孔処理方法における第2番目の行程である工程(2)は、上記工程(1)で得られた溶射被膜に対して、封孔処理剤を塗布して封孔処理膜を形成するものである。なお、この工程は、上記工程(1)で得られた溶射被膜の温度が塗布環境と同等になってから行うものである。
【0015】
上記工程(2)は、粘度の異なる2つの封孔処理剤を各々1回ずつ塗布して封孔処理膜を形成するものであり、上記工程(2)が粘度の低い方の封孔処理剤を塗布する段階(a)、上記段階(a)の後、粘度の高い方の封孔処理剤を塗布する段階(b)からなるものである。この工程は、まず、粘度の低い封孔処理剤によって上記工程(1)で得られた溶射被膜に対して封孔処理剤を浸透させて気孔を塞ぎ、次に、粘度の高い封孔処理剤によって溶射被膜の面調整を行い、平滑性を高めるものである。
【0016】
上記段階(a)で塗布する粘度の低い方の封孔処理剤の粘度は、塗布環境下において下限5×10−3Pa・s、上限1×10−1Pa・sに調整されていることが好ましい。下限未満の粘度ではタレ性が低下する恐れがある。また、上限を超えた粘度では、封孔処理剤が基材表面まで浸透しにくく、防食性が不充分となる恐れがある。さらに好ましい下限は3×10−2Pa・sであり、上限は7×10−2Pa・sである。また、上記段階(b)で塗布する粘度の高い方の封孔処理剤の粘度は、下限5×10−1Pa・s、上限1Pa・sに調整されていることが好ましい。下限未満の粘度ではタレ性が低下し、得られる封孔処理膜の膜厚がつきにくく、目的とする膜厚を得るのに工数がかかる。また、上限を超えた粘度では、得られる塗膜の平滑性が低下する恐れがある。さらに好ましい下限は6×10−1Pa・sであり、上限は8×10−1Pa・sである。
なお、塗布環境下での粘度とは、実際に塗布する際の温湿度環境下での粘度を意味するものである。また、上記粘度は上記封孔処理剤を有機溶剤で希釈することによって調整されるものである。上記粘度の測定方法は特に限定されず、当業者によってよく知られているものを用いることができ、具体的には、B型粘度計やリオン粘度計等を挙げることができる。
【0017】
また、上記段階(a)における塗布量は、50〜200g/m2であることが好ましい。また、上記段階(b)における塗布量は、100〜400g/m2であることが好ましい。下限未満の塗布量の場合、防食性が低下する恐れがあり、上限を超えた塗布量の場合、経済的でない。
【0018】
上記段階(a)および(b)における封孔処理剤の塗布手段としては特に限定されず、例えば、ハケ、ローラ、エアスプレー、エアレススプレー等、当業者によってよく知られている手段を挙げることができる。
【0019】
上記工程(2)は、段階(a)の後で上記段階(b)を行い、そのまま放置して乾燥することで溶射被膜上に封孔処理膜を形成するものである。放置する時間は塗布環境の温湿度によって適宜設定することができる。なお、上記段階(a)と段階(b)とのインターバルは特に限定されないが、付着性の観点から、例えば、20℃において30分〜7日間であることが好ましい。
【0020】
このようにして得られた封孔処理膜の膜厚は特に限定されないが、本発明の風向処理膜上にさらに上塗り等の別の塗料を塗布して塗膜を形成する場合は、得られる塗膜外観の観点から、上記工程(1)によって得られた溶射被膜が完全に埋包される膜厚以上であることが好ましい。
【0021】
また、上記段階(a)および段階(b)において用いられる2つの封孔処理剤は、樹脂固形分の組成が同じものであることが好ましい。これにより粘度を調整することで、溶射被膜の封孔処理と面調整とを行うことができるため、用意する処理剤を1種類だけにすることができる。
【0022】
上記工程(2)において用いられる封孔処理剤は、特に限定されないが、カルボキシル基およびアミノ基を含有する樹脂と、エポキシ基および加水分解性シリル基を含有する硬化剤とを含んでいるものであることが好ましい。なお、上記段階(a)と(b)との封孔処理剤の組成が異なる場合には、上記段階(b)の封孔処理剤の組成がこの組成であることが好ましい。
【0023】
上記カルボキシル基およびアミノ基を含有する樹脂は、具体的には、1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基とアミノ基とを有するものであり、このような樹脂を得る方法として、2種類の方法を挙げることができる。まず1つは、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有不飽和モノマー、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有不飽和モノマーおよびスチレンやメチル(メタ)アクリレート等のその他の不飽和モノマーとを常法によって重合して得られるアクリル樹脂であり、もう1つは、無水マレイン酸や無水イタコン酸等のカルボン酸無水物基含有アクリル樹脂と、N,N−ジアルキルアミノエタノール等の1分子中にカルボン酸無水物基と反応しうる活性水素を有する基と3級アミノ基とを有する化合物とを反応して得られるものである。
【0024】
上記樹脂の固形分酸価は、1〜8であることが好ましい。1未満であると得られる封孔処理膜の硬化性が低下する恐れがあり、8を超えると得られる膜の耐薬品性が低下する恐れがある。また、上記樹脂の固形分アミン価は、10〜50であることが好ましい。10未満であると硬化性が低下する恐れがあり、50を超えると得られる膜の耐水性が低下する恐れがある。
このような樹脂で市販されているものとしては、例えば、アクリディックTY−924(大日本インキ化学工業社製)等を挙げることができる。
【0025】
上記エポキシ基および加水分解性シリル基を含有する硬化剤は、具体的には、1分子中に少なくとも1つずつエポキシ基と加水分解性シリル基とを有するものであり、例えば、エポキシ基および加水分解性シリル基を有する重合体、エポキシ基を有するシランカップリング剤等を挙げることができる。上記エポキシ基および加水分解性シリル基を有する重合体を得る方法としては、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基を有するアクリルモノマーおよびグリシジル(メタ)アクリレート等の当業者によってよく知られているエポキシ基含有モノマー、さらに必要に応じてその他のこれらモノマーと共重合可能なその他のモノマーを常法によって重合して得る方法等を挙げることができる。
【0026】
上記硬化剤のエポキシ当量は、450〜900であることが好ましい。450未満であると得られる膜の可とう性が低下する恐れがあり、900を超えると硬化性が低下する恐れがある。
このような硬化剤で市販されているものとしては、例えば、アクリディックA−9585(大日本インキ化学工業社製)等を挙げることができる。
【0027】
上記エポキシ基を有するシランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロペニルオキシシラン等を挙げることができる。
【0028】
上記封孔処理剤は、上記樹脂と上記硬化剤とを、上記樹脂の有するカルボキシル基とアミノ基との合計当量に対して、上記硬化剤の有するエポキシ基を、例えば、0.2〜5倍当量含んでいる。上記範囲外では、得られる封孔処理膜の硬化性や防食性が不充分になる恐れがある。
【0029】
上記封孔処理剤は、上記樹脂と上記硬化剤以外に、例えば、シラノール基を含有する化合物や、エポキシ基を含有しない加水分解性シリル基を含有する化合物で上記シラノール基を含有する化合物以外のもの等を含んでもよい。
【0030】
上記シラノール基を含有する化合物としては、例えば、メチルトリクロルシラン等のハロシラン類をほぼ完全に加水分解して得られるような低分子のシラノール化合物、このようなシラノール化合物を脱水縮合して得られるものや、アルコキシシラン類やアルケニルオキシシラン類を加水分解縮合させて得られるシラノール基を有するポリシロキサン化合物、末端にシラノール基を有するシリコーン樹脂およびトーレシリコーンSH−6018(東レシリコーン社製)等の環状シロキサン構造を有するシラノール化合物等を挙げることができる。
【0031】
エポキシ基を含有しない加水分解性シリル基を含有する化合物で上記シラノール基を含有する化合物以外のものとしては、例えば、エポキシ基を含有せず、加水分解性シリル基を1分子中に少なくとも1個含有するものを挙げることができ、具体的には、テトラメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物、テトライソプロペニルオキシシラン等のアルケニルオキシシラン化合物、テトラアセトキシシラン等のアシロキシシラン化合物、分子末端に加水分解性シリル基を有するシリコーン樹脂等、種々のものを挙げることができる。上記シラノール基を含有する化合物や、エポキシ基を含有しない加水分解性シリル基を含有する化合物で上記シラノール基を含有する化合物以外のものを含む場合は、上記樹脂と硬化剤との合計固形分100質量部に対して30〜50質量部であることが好ましい。上記範囲以外であると、得られる封孔処理膜の硬化性や防食性が不充分になる恐れがある。さらに好ましくは35〜45質量部である。
【0032】
また、上記封孔処理剤は、硬化触媒を必ずしも含む必要はないが、硬化性向上を目的として、加水分解性シリル基の加水分解用や縮合のための触媒を含むことができる。これらのものとして、例えば、水酸化ナトリウム等の塩基性化合物、オクチル酸スズ、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレート等の含金属化合物、p−トルエンスルホン酸、リン酸等の酸性化合物等を挙げることができる。上記硬化触媒を含む場合、その含有量は封孔処理剤の樹脂固形分に対して、例えば、0.01〜10質量%である。
【0033】
上記封孔処理剤は、上記成分の他、通常塗料に用いられる着色顔料、体質顔料、防錆顔料等の顔料、および、粘性調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の当業者によってよく知られている添加剤を含むことができる。
【0034】
なお、上記段階(a)および(b)に適した粘度範囲に上記封孔処理剤の粘度を調整するために用いる有機溶剤としては、上記樹脂および硬化剤成分を溶解させることができるものであれば特に限定されず、例えば、キシレン、トルエン等を挙げることができ、溶解性の観点から、キシレンが好ましい。
【0035】
本発明の溶射塗装物は、上記の溶射被膜の封孔処理方法によって得られるものであり、防食性および付着性に優れている。従って、得られる溶射塗装物の構造は、基材、溶射被膜層、溶射被膜層中に浸透して気孔を塞いでいる封孔処理膜層および平滑性を向上させる封孔処理膜層からなるものであると考えられる。
【0036】
本発明の塗膜形成方法は、上記の溶射塗装物に対して、さらに、塗料を塗布することを特徴とするものである。上記塗料としては特に限定されず、例えば、中塗り塗料および上塗り塗料を挙げることができる。このような中塗り塗料および上塗り塗料としては特に限定されず、当業者によってよく知られているものを挙げることができ、中塗り塗料としては、例えば、エポキシ樹脂系塗料等を、上記上塗り塗料としては、例えば、ウレタン樹脂系塗料等を挙げることができる。上記塗料の塗布手段としては特に限定されず、具体的には、上記工程(2)の段階(a)および(b)の封孔処理剤の塗布手段と同様な手段を挙げることができる。
【0037】
本発明の塗装物は、上記の塗膜形成方法によって得られたものである。従って、溶射被膜と中塗り塗膜または上塗り塗膜との付着性に優れている。
【0038】
【実施例】
実施例1
(封孔処理剤の調製)
カルボキシル基およびアミノ基を含有する樹脂としてアクリディックTY−924(大日本インキ化学工業社製、固形分50質量%、固形分酸価6.5、アミン価46)25.1部、キシレン21.2部、二酸化チタン14.3部、タルク25.1部、アマイドワックス(楠本化成社製タレ止め剤)4.3部を混合することによって封孔処理剤A液を調製した。
【0039】
エポキシ基および加水分解シリル基を含有する硬化剤としてアクリディックA−9585(大日本インキ化学工業社製シランカップリング剤、固形分80質量%、エポキシ当量552)7.1部およびキシレン2.9部を混合することによって封孔処理剤B液を調製した。
【0040】
得られた封孔処理剤A液90部および封孔処理剤B液10部を混合することによって封孔処理剤を得た。
【0041】
(溶射被膜の形成)
20℃の環境下において、ショットブラスト処理した鋼板に対してPA−100(バーンアートクラスト社製減圧内アーク溶射機)を用い、線材として直径1.3mmの純亜鉛線材および純アルミニウム線材を用いて、搬線速度5m/分、電圧15V、電流130A、空気圧6kg/cm2、溶射距離20cmで溶射被膜を形成した。
【0042】
(封孔処理膜の形成)
得られた溶射被膜に対して、先の封孔処理剤をリオン粘度計No.3ローターを用いて20℃における粘度が5×10−2Pa・sとなるようにキシレンで希釈して粘度の低い方の封孔処理剤を調製した後、これをスプレーによって、塗布量100g/m2となるように塗布した。30分養生した後、先の封孔処理剤をリオン粘度計No.3ローターを用いて20℃における粘度が6×10−1Pa・sとなるようにキシレンで希釈して粘度の高い方の封孔処理剤を調製した後、これをスプレーによって、塗布量200g/m2となるように塗布して封孔処理膜を形成し、溶射塗装物を得た。
【0043】
(塗膜の形成)
16時間養生した後、さらに、下塗りエポキシ樹脂塗料をスプレーによって、塗布量300g/m2となるように塗布し、さらに中塗りエポキシ樹脂塗料をスプレーによって、塗布量170g/m2となるように塗布した後、上塗りポリウレタン樹脂塗料をスプレーによって、塗布量140g/m2となるように塗布し、塗装物を得た。
【0044】
比較例1
実施例1と同様にして得られた溶射被膜に対して、封孔処理剤としてリオン粘度計No.3ローターを用いて20℃における粘度を5×10−2Pa・sとなるようにキシレン/イソプロパノール=1/1(質量比)の混合溶媒で希釈したブチラール樹脂を塗布した。被覆が不均一であったため、30分間のインターバルで合計4回塗り重ね塗布を行い、溶射塗装物を得た。その後、実施例1と同様にして、塗装物を得た。
【0045】
比較例2
実施例1と同様にして得られた溶射被膜に対して、封孔処理剤としてエチルシリケート40(コルコート社製エチルシリケート)を塗布した。被覆が不均一であったため、30分間のインターバルで合計4回塗り重ね塗布を行い、溶射塗装物を得た。その後、実施例1と同様にして、塗装物を得た。
【0046】
評価試験
得られた溶射塗装物および塗装物を以下の評価試験によって評価した。得られた結果を表1に示した。
(1)防食性
a)耐複合サイクル試験
得られた溶射塗装物をJIS K 5621の7.12に準拠して耐複合サイクル防食性の試験を行い、白サビ発生面積を鋼橋塗膜調査マニュアル(日本鋼構造協会発行)の錆発生面積図によって評価した。面積が0.3%未満を合格とした。
b)耐中性塩水噴霧試験
得られた溶射塗装物をJIS K 5600−7−1に準拠して耐中性塩水噴霧試験を行い、白サビ発生面積を鋼橋塗膜調査マニュアル(日本鋼構造協会発行)の錆発生面積図によって評価した。面積が0.3%未満を合格とした。
(2)付着性
a)溶射被膜と封孔処理膜との付着性
得られた溶射塗装物の初期、および、JIS K 5600−7−2−5の耐湿性(連続結露法)の回転式に準拠して劣化させたものを、JIS K 5600−5−6に準拠してクロスカット法によって溶射被膜と封孔処理膜との付着性を評価した。はがれ分類が0または1であるものを合格とした。
b)封孔処理膜と中塗り塗膜との付着性
得られた塗装物の初期、および、JIS K 5600−7−2−5の耐湿性(連続結露法)の回転式に準拠して劣化させたものを、JIS K 5600−5−6に準拠してクロスカット法によって封孔処理膜と中塗り塗膜との付着性を評価した。はがれ分類が0または1であるものを合格とした。
【0047】
【表1】
【0048】
表1の結果から明らかなように、本発明の溶射被膜の封孔処理方法によって得られた溶射塗装物は、防食性および付着性に優れることがわかった。また、この溶射塗装物に中塗りおよび上塗りを施した塗装物も封孔処理膜と中塗り塗膜との付着性に優れていることがわかった。さらに、少ない塗り重ね回数でも防食性および付着性に優れた溶射塗装物を得ることができることがわかった。
【0049】
しかしながら、本発明の属さない封孔処理剤を用いた場合は、封孔処理膜と中塗り塗膜との付着性が不充分であったり、得られた溶射塗装物の防食性が劣っていたりすることがわかった。また、均一に被覆するため塗り重ねを行わなければならず、工数が多かった。
【0050】
【発明の効果】
本発明の溶射被膜の封孔処理方法は、低粘度の封孔処理剤を塗布した後、高粘度の封孔処理剤を塗布するので、少ない工数においても充分な防食性を得ることが可能となった。これは、まず、低粘度の封孔処理剤が溶射被膜に浸透して気孔を塞ぎ、次に、高粘度の封孔処理剤が塗膜をムラなく均一化して面調整して平滑にするという、2種類の封孔処理剤にそれぞれ役割分担をさせることによると考えられる。また、本発明の溶射被膜の封孔処理方法はカルボキシル基およびアミノ基を含有する樹脂と、1分子中にエポキシ基および加水分解性シリル基を含有する硬化剤とを含んでいるので、下地と封孔処理膜との間および封孔処理膜と直上の塗膜との間の付着性に優れている。
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属材料、無機材料、プラスチック材料等の基材表面に形成された溶射被膜に対して封孔処理剤によって封孔処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄鋼構造物に対して防食被覆膜を形成する方法として防食溶射がある。防食溶射とは、亜鉛、アルミニウムおよびその合金等の線材を、加熱して溶融もしくは軟化させた後に微粒子化したものを被覆対象物表面に衝突させるものである。衝突により潰れた粒子は扁平に凝固・堆積して金属被膜が形成される。このような溶射被膜は、基材表面を粗面化すれば、基材種、面積および形状に関係なく形成することができる。さらには、現場施工が可能である方式を用いれば、防食膜の補修等を行うことができる。
【0003】
このようにして得られる防食溶射被膜は内部に気孔を多く含んだ被膜であるため、これらの気孔を塞ぐために、溶射被膜上に封孔処理剤が塗布される。
しかし、溶射に多く用いられる金属である両性金属は活性が高いため、エポキシ樹脂からなる封孔処理剤を塗布した場合、付着界面で反応を起こして水素ガスが発生し、塗膜にフクレを生じるという問題点があった。また、気孔を完全に塞いで均一に被覆するためには、封孔処理剤を複数回塗布する必要があり、工数が多いという問題があった。さらに、封孔処理剤を複数回塗布する場合においては、自身同士の塗り重ね時の付着性にも問題があった。
【0004】
一方、このような問題を解決する方法として、リン酸を含有するクロムフリーのブチラール樹脂系封孔材料を用いて封孔処理する溶射被膜の封孔処理方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、ブチラール樹脂系封孔処理剤においては、自身同士の塗り重ね時の付着性は良好であるが、他種類の樹脂との付着性が不充分であり、さらに、防食性も不充分であるという問題があった。また、樹脂自体の粘度が低いため、目的の膜厚を得るためには複数回塗布する必要があり、工数が多いということは改善されなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−125221号公報(第1頁−第4頁)
【0006】
【発明の解決する課題】
本発明の目的は、下地および直上の塗膜との付着性に優れ、かつ、工期を短縮することができる溶射被膜の封孔処理方法、それにより得られた溶射塗装物、並びに、塗膜形成方法およびそれから得られた塗装物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基材表面に対して溶射被膜を形成する工程(1)、上記工程(1)で得られた溶射被膜に対して、粘度の異なる2つの封孔処理剤を各々1回ずつ塗布して封孔処理膜を形成する工程(2)
を含む溶射被膜の封孔処理方法であって、上記工程(2)が粘度の低い方の封孔処理剤を塗布する段階(a)、上記段階(a)の後、粘度の高い方の封孔処理剤を塗布する段階(b)からなることを特徴とする溶射被膜の封孔処理方法である。ここで、粘度の低い方の封孔処理剤の粘度は、塗布環境下において5×10−3〜1×10−1Pa・sに調整されたものであり、粘度の高い方の封孔処理剤の粘度は、塗布環境下において5×10−1〜1Pa・sに調整されたものであることが好ましい。
【0008】
また、段階(a)の塗布量は50〜200g/m2、および、段階(b)の塗布量は100〜400g/m2であることが好ましい。
ここで、段階(a)および段階(b)で塗布される2つの封孔処理剤は、樹脂固形分の組成が同じものであることが好ましく、いずれも、カルボキシル基およびアミノ基を含有する樹脂と、エポキシ基および加水分解性シリル基を含有する硬化剤とを含んでいるものであることが好ましい。
【0009】
なお、基材表面上には旧塗膜が形成されていてもよい。
また、本発明は、上記の封孔処理方法によって得られることを特徴とする溶射塗装物である。
さらに、本発明は、上記の溶射塗装物に対して、さらに、塗料を塗布することを特徴とする塗膜形成方法である。
また、本発明は、上記の塗膜形成方法によって得られた塗装物である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の溶射被膜の封孔処理方法は、基材表面に対して溶射被膜を形成する工程(1)、上記工程(1)で得られた溶射被膜に対して、粘度の異なる2つの封孔処理剤を各々1回ずつ塗布して封孔処理膜を形成する工程(2)を含む溶射被膜の封孔処理方法であって、上記工程(2)が粘度の低い方の封孔処理剤を塗布する段階(a)、上記段階(a)の後、粘度の高い方の封孔処理剤を塗布する段階(b)からなることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の溶射被膜の封孔処理方法における最初の行程である工程(1)は、基材表面に対して溶射被膜を形成するものである。上記基材は、特に限定されず、例えば、ブリキ板、ダル鋼板、みがき鋼板、黒皮鋼板、ケレンした錆鋼板、溶接鋼板等の鉄材;アルミニウム、亜鉛等の非鉄金属;ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、PPO(ポリフェニレンオキサイド)樹脂、塩化ビニル等のプラスチックス;スレート板、硅酸カルシウム板、セメント等の無機材;その他のものとして、ガラス、木材、合板等を挙げることができる。なお、本発明の溶射被膜の封孔処理方法を塗り替え等に適用する場合、基材表面は塗膜が形成されていてもよい。この塗膜は旧塗膜と呼ばれるものであり、各種上塗り塗膜等を挙げることができる。
【0012】
上記溶射被膜を形成する方法としては特に限定されず、例えば、燃焼ガスを用いて高温で行うフレーム溶射、電気によって比較的低温で行うアーク溶射およびプラズマ溶射等、当業者によってよく知られている溶射方法を挙げることができるが、現場施工が容易で、基材を選ばないアーク溶射やプラズマ溶射等が好ましい。その際に溶射に用いられる線材は特に限定されず、例えば、アルミニウム線および亜鉛とアルミニウムとの合金線等を挙げることができる。なお、基材表面に溶射被膜を形成する際、基材表面と溶射被膜との付着性を向上させるために、溶射被膜を形成する前に基材表面を粗面化してもよい。上記基材表面の粗面化は、従来から広く採用されているサンドブラストやグリットブラストなどのブラスト処理によって行ってもよいが、粉塵発生等による環境汚染の観点から、例えば、特公平2−54422号公報等に開示されているように、不溶性固体粒子を含有するプライマーを基材表面に塗布することにより、多孔質のプライマー層を形成する方法で、その表面を粗面化してもよい。
【0013】
このようにして得られた溶射被膜の膜厚は特に限定されないが、防食性や基材表面への付着性の観点から、例えば、80〜200μmであることが好ましい。
【0014】
本発明の溶射被膜の封孔処理方法における第2番目の行程である工程(2)は、上記工程(1)で得られた溶射被膜に対して、封孔処理剤を塗布して封孔処理膜を形成するものである。なお、この工程は、上記工程(1)で得られた溶射被膜の温度が塗布環境と同等になってから行うものである。
【0015】
上記工程(2)は、粘度の異なる2つの封孔処理剤を各々1回ずつ塗布して封孔処理膜を形成するものであり、上記工程(2)が粘度の低い方の封孔処理剤を塗布する段階(a)、上記段階(a)の後、粘度の高い方の封孔処理剤を塗布する段階(b)からなるものである。この工程は、まず、粘度の低い封孔処理剤によって上記工程(1)で得られた溶射被膜に対して封孔処理剤を浸透させて気孔を塞ぎ、次に、粘度の高い封孔処理剤によって溶射被膜の面調整を行い、平滑性を高めるものである。
【0016】
上記段階(a)で塗布する粘度の低い方の封孔処理剤の粘度は、塗布環境下において下限5×10−3Pa・s、上限1×10−1Pa・sに調整されていることが好ましい。下限未満の粘度ではタレ性が低下する恐れがある。また、上限を超えた粘度では、封孔処理剤が基材表面まで浸透しにくく、防食性が不充分となる恐れがある。さらに好ましい下限は3×10−2Pa・sであり、上限は7×10−2Pa・sである。また、上記段階(b)で塗布する粘度の高い方の封孔処理剤の粘度は、下限5×10−1Pa・s、上限1Pa・sに調整されていることが好ましい。下限未満の粘度ではタレ性が低下し、得られる封孔処理膜の膜厚がつきにくく、目的とする膜厚を得るのに工数がかかる。また、上限を超えた粘度では、得られる塗膜の平滑性が低下する恐れがある。さらに好ましい下限は6×10−1Pa・sであり、上限は8×10−1Pa・sである。
なお、塗布環境下での粘度とは、実際に塗布する際の温湿度環境下での粘度を意味するものである。また、上記粘度は上記封孔処理剤を有機溶剤で希釈することによって調整されるものである。上記粘度の測定方法は特に限定されず、当業者によってよく知られているものを用いることができ、具体的には、B型粘度計やリオン粘度計等を挙げることができる。
【0017】
また、上記段階(a)における塗布量は、50〜200g/m2であることが好ましい。また、上記段階(b)における塗布量は、100〜400g/m2であることが好ましい。下限未満の塗布量の場合、防食性が低下する恐れがあり、上限を超えた塗布量の場合、経済的でない。
【0018】
上記段階(a)および(b)における封孔処理剤の塗布手段としては特に限定されず、例えば、ハケ、ローラ、エアスプレー、エアレススプレー等、当業者によってよく知られている手段を挙げることができる。
【0019】
上記工程(2)は、段階(a)の後で上記段階(b)を行い、そのまま放置して乾燥することで溶射被膜上に封孔処理膜を形成するものである。放置する時間は塗布環境の温湿度によって適宜設定することができる。なお、上記段階(a)と段階(b)とのインターバルは特に限定されないが、付着性の観点から、例えば、20℃において30分〜7日間であることが好ましい。
【0020】
このようにして得られた封孔処理膜の膜厚は特に限定されないが、本発明の風向処理膜上にさらに上塗り等の別の塗料を塗布して塗膜を形成する場合は、得られる塗膜外観の観点から、上記工程(1)によって得られた溶射被膜が完全に埋包される膜厚以上であることが好ましい。
【0021】
また、上記段階(a)および段階(b)において用いられる2つの封孔処理剤は、樹脂固形分の組成が同じものであることが好ましい。これにより粘度を調整することで、溶射被膜の封孔処理と面調整とを行うことができるため、用意する処理剤を1種類だけにすることができる。
【0022】
上記工程(2)において用いられる封孔処理剤は、特に限定されないが、カルボキシル基およびアミノ基を含有する樹脂と、エポキシ基および加水分解性シリル基を含有する硬化剤とを含んでいるものであることが好ましい。なお、上記段階(a)と(b)との封孔処理剤の組成が異なる場合には、上記段階(b)の封孔処理剤の組成がこの組成であることが好ましい。
【0023】
上記カルボキシル基およびアミノ基を含有する樹脂は、具体的には、1分子中に少なくとも1つのカルボキシル基とアミノ基とを有するものであり、このような樹脂を得る方法として、2種類の方法を挙げることができる。まず1つは、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有不飽和モノマー、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有不飽和モノマーおよびスチレンやメチル(メタ)アクリレート等のその他の不飽和モノマーとを常法によって重合して得られるアクリル樹脂であり、もう1つは、無水マレイン酸や無水イタコン酸等のカルボン酸無水物基含有アクリル樹脂と、N,N−ジアルキルアミノエタノール等の1分子中にカルボン酸無水物基と反応しうる活性水素を有する基と3級アミノ基とを有する化合物とを反応して得られるものである。
【0024】
上記樹脂の固形分酸価は、1〜8であることが好ましい。1未満であると得られる封孔処理膜の硬化性が低下する恐れがあり、8を超えると得られる膜の耐薬品性が低下する恐れがある。また、上記樹脂の固形分アミン価は、10〜50であることが好ましい。10未満であると硬化性が低下する恐れがあり、50を超えると得られる膜の耐水性が低下する恐れがある。
このような樹脂で市販されているものとしては、例えば、アクリディックTY−924(大日本インキ化学工業社製)等を挙げることができる。
【0025】
上記エポキシ基および加水分解性シリル基を含有する硬化剤は、具体的には、1分子中に少なくとも1つずつエポキシ基と加水分解性シリル基とを有するものであり、例えば、エポキシ基および加水分解性シリル基を有する重合体、エポキシ基を有するシランカップリング剤等を挙げることができる。上記エポキシ基および加水分解性シリル基を有する重合体を得る方法としては、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基を有するアクリルモノマーおよびグリシジル(メタ)アクリレート等の当業者によってよく知られているエポキシ基含有モノマー、さらに必要に応じてその他のこれらモノマーと共重合可能なその他のモノマーを常法によって重合して得る方法等を挙げることができる。
【0026】
上記硬化剤のエポキシ当量は、450〜900であることが好ましい。450未満であると得られる膜の可とう性が低下する恐れがあり、900を超えると硬化性が低下する恐れがある。
このような硬化剤で市販されているものとしては、例えば、アクリディックA−9585(大日本インキ化学工業社製)等を挙げることができる。
【0027】
上記エポキシ基を有するシランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロペニルオキシシラン等を挙げることができる。
【0028】
上記封孔処理剤は、上記樹脂と上記硬化剤とを、上記樹脂の有するカルボキシル基とアミノ基との合計当量に対して、上記硬化剤の有するエポキシ基を、例えば、0.2〜5倍当量含んでいる。上記範囲外では、得られる封孔処理膜の硬化性や防食性が不充分になる恐れがある。
【0029】
上記封孔処理剤は、上記樹脂と上記硬化剤以外に、例えば、シラノール基を含有する化合物や、エポキシ基を含有しない加水分解性シリル基を含有する化合物で上記シラノール基を含有する化合物以外のもの等を含んでもよい。
【0030】
上記シラノール基を含有する化合物としては、例えば、メチルトリクロルシラン等のハロシラン類をほぼ完全に加水分解して得られるような低分子のシラノール化合物、このようなシラノール化合物を脱水縮合して得られるものや、アルコキシシラン類やアルケニルオキシシラン類を加水分解縮合させて得られるシラノール基を有するポリシロキサン化合物、末端にシラノール基を有するシリコーン樹脂およびトーレシリコーンSH−6018(東レシリコーン社製)等の環状シロキサン構造を有するシラノール化合物等を挙げることができる。
【0031】
エポキシ基を含有しない加水分解性シリル基を含有する化合物で上記シラノール基を含有する化合物以外のものとしては、例えば、エポキシ基を含有せず、加水分解性シリル基を1分子中に少なくとも1個含有するものを挙げることができ、具体的には、テトラメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物、テトライソプロペニルオキシシラン等のアルケニルオキシシラン化合物、テトラアセトキシシラン等のアシロキシシラン化合物、分子末端に加水分解性シリル基を有するシリコーン樹脂等、種々のものを挙げることができる。上記シラノール基を含有する化合物や、エポキシ基を含有しない加水分解性シリル基を含有する化合物で上記シラノール基を含有する化合物以外のものを含む場合は、上記樹脂と硬化剤との合計固形分100質量部に対して30〜50質量部であることが好ましい。上記範囲以外であると、得られる封孔処理膜の硬化性や防食性が不充分になる恐れがある。さらに好ましくは35〜45質量部である。
【0032】
また、上記封孔処理剤は、硬化触媒を必ずしも含む必要はないが、硬化性向上を目的として、加水分解性シリル基の加水分解用や縮合のための触媒を含むことができる。これらのものとして、例えば、水酸化ナトリウム等の塩基性化合物、オクチル酸スズ、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレート等の含金属化合物、p−トルエンスルホン酸、リン酸等の酸性化合物等を挙げることができる。上記硬化触媒を含む場合、その含有量は封孔処理剤の樹脂固形分に対して、例えば、0.01〜10質量%である。
【0033】
上記封孔処理剤は、上記成分の他、通常塗料に用いられる着色顔料、体質顔料、防錆顔料等の顔料、および、粘性調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の当業者によってよく知られている添加剤を含むことができる。
【0034】
なお、上記段階(a)および(b)に適した粘度範囲に上記封孔処理剤の粘度を調整するために用いる有機溶剤としては、上記樹脂および硬化剤成分を溶解させることができるものであれば特に限定されず、例えば、キシレン、トルエン等を挙げることができ、溶解性の観点から、キシレンが好ましい。
【0035】
本発明の溶射塗装物は、上記の溶射被膜の封孔処理方法によって得られるものであり、防食性および付着性に優れている。従って、得られる溶射塗装物の構造は、基材、溶射被膜層、溶射被膜層中に浸透して気孔を塞いでいる封孔処理膜層および平滑性を向上させる封孔処理膜層からなるものであると考えられる。
【0036】
本発明の塗膜形成方法は、上記の溶射塗装物に対して、さらに、塗料を塗布することを特徴とするものである。上記塗料としては特に限定されず、例えば、中塗り塗料および上塗り塗料を挙げることができる。このような中塗り塗料および上塗り塗料としては特に限定されず、当業者によってよく知られているものを挙げることができ、中塗り塗料としては、例えば、エポキシ樹脂系塗料等を、上記上塗り塗料としては、例えば、ウレタン樹脂系塗料等を挙げることができる。上記塗料の塗布手段としては特に限定されず、具体的には、上記工程(2)の段階(a)および(b)の封孔処理剤の塗布手段と同様な手段を挙げることができる。
【0037】
本発明の塗装物は、上記の塗膜形成方法によって得られたものである。従って、溶射被膜と中塗り塗膜または上塗り塗膜との付着性に優れている。
【0038】
【実施例】
実施例1
(封孔処理剤の調製)
カルボキシル基およびアミノ基を含有する樹脂としてアクリディックTY−924(大日本インキ化学工業社製、固形分50質量%、固形分酸価6.5、アミン価46)25.1部、キシレン21.2部、二酸化チタン14.3部、タルク25.1部、アマイドワックス(楠本化成社製タレ止め剤)4.3部を混合することによって封孔処理剤A液を調製した。
【0039】
エポキシ基および加水分解シリル基を含有する硬化剤としてアクリディックA−9585(大日本インキ化学工業社製シランカップリング剤、固形分80質量%、エポキシ当量552)7.1部およびキシレン2.9部を混合することによって封孔処理剤B液を調製した。
【0040】
得られた封孔処理剤A液90部および封孔処理剤B液10部を混合することによって封孔処理剤を得た。
【0041】
(溶射被膜の形成)
20℃の環境下において、ショットブラスト処理した鋼板に対してPA−100(バーンアートクラスト社製減圧内アーク溶射機)を用い、線材として直径1.3mmの純亜鉛線材および純アルミニウム線材を用いて、搬線速度5m/分、電圧15V、電流130A、空気圧6kg/cm2、溶射距離20cmで溶射被膜を形成した。
【0042】
(封孔処理膜の形成)
得られた溶射被膜に対して、先の封孔処理剤をリオン粘度計No.3ローターを用いて20℃における粘度が5×10−2Pa・sとなるようにキシレンで希釈して粘度の低い方の封孔処理剤を調製した後、これをスプレーによって、塗布量100g/m2となるように塗布した。30分養生した後、先の封孔処理剤をリオン粘度計No.3ローターを用いて20℃における粘度が6×10−1Pa・sとなるようにキシレンで希釈して粘度の高い方の封孔処理剤を調製した後、これをスプレーによって、塗布量200g/m2となるように塗布して封孔処理膜を形成し、溶射塗装物を得た。
【0043】
(塗膜の形成)
16時間養生した後、さらに、下塗りエポキシ樹脂塗料をスプレーによって、塗布量300g/m2となるように塗布し、さらに中塗りエポキシ樹脂塗料をスプレーによって、塗布量170g/m2となるように塗布した後、上塗りポリウレタン樹脂塗料をスプレーによって、塗布量140g/m2となるように塗布し、塗装物を得た。
【0044】
比較例1
実施例1と同様にして得られた溶射被膜に対して、封孔処理剤としてリオン粘度計No.3ローターを用いて20℃における粘度を5×10−2Pa・sとなるようにキシレン/イソプロパノール=1/1(質量比)の混合溶媒で希釈したブチラール樹脂を塗布した。被覆が不均一であったため、30分間のインターバルで合計4回塗り重ね塗布を行い、溶射塗装物を得た。その後、実施例1と同様にして、塗装物を得た。
【0045】
比較例2
実施例1と同様にして得られた溶射被膜に対して、封孔処理剤としてエチルシリケート40(コルコート社製エチルシリケート)を塗布した。被覆が不均一であったため、30分間のインターバルで合計4回塗り重ね塗布を行い、溶射塗装物を得た。その後、実施例1と同様にして、塗装物を得た。
【0046】
評価試験
得られた溶射塗装物および塗装物を以下の評価試験によって評価した。得られた結果を表1に示した。
(1)防食性
a)耐複合サイクル試験
得られた溶射塗装物をJIS K 5621の7.12に準拠して耐複合サイクル防食性の試験を行い、白サビ発生面積を鋼橋塗膜調査マニュアル(日本鋼構造協会発行)の錆発生面積図によって評価した。面積が0.3%未満を合格とした。
b)耐中性塩水噴霧試験
得られた溶射塗装物をJIS K 5600−7−1に準拠して耐中性塩水噴霧試験を行い、白サビ発生面積を鋼橋塗膜調査マニュアル(日本鋼構造協会発行)の錆発生面積図によって評価した。面積が0.3%未満を合格とした。
(2)付着性
a)溶射被膜と封孔処理膜との付着性
得られた溶射塗装物の初期、および、JIS K 5600−7−2−5の耐湿性(連続結露法)の回転式に準拠して劣化させたものを、JIS K 5600−5−6に準拠してクロスカット法によって溶射被膜と封孔処理膜との付着性を評価した。はがれ分類が0または1であるものを合格とした。
b)封孔処理膜と中塗り塗膜との付着性
得られた塗装物の初期、および、JIS K 5600−7−2−5の耐湿性(連続結露法)の回転式に準拠して劣化させたものを、JIS K 5600−5−6に準拠してクロスカット法によって封孔処理膜と中塗り塗膜との付着性を評価した。はがれ分類が0または1であるものを合格とした。
【0047】
【表1】
【0048】
表1の結果から明らかなように、本発明の溶射被膜の封孔処理方法によって得られた溶射塗装物は、防食性および付着性に優れることがわかった。また、この溶射塗装物に中塗りおよび上塗りを施した塗装物も封孔処理膜と中塗り塗膜との付着性に優れていることがわかった。さらに、少ない塗り重ね回数でも防食性および付着性に優れた溶射塗装物を得ることができることがわかった。
【0049】
しかしながら、本発明の属さない封孔処理剤を用いた場合は、封孔処理膜と中塗り塗膜との付着性が不充分であったり、得られた溶射塗装物の防食性が劣っていたりすることがわかった。また、均一に被覆するため塗り重ねを行わなければならず、工数が多かった。
【0050】
【発明の効果】
本発明の溶射被膜の封孔処理方法は、低粘度の封孔処理剤を塗布した後、高粘度の封孔処理剤を塗布するので、少ない工数においても充分な防食性を得ることが可能となった。これは、まず、低粘度の封孔処理剤が溶射被膜に浸透して気孔を塞ぎ、次に、高粘度の封孔処理剤が塗膜をムラなく均一化して面調整して平滑にするという、2種類の封孔処理剤にそれぞれ役割分担をさせることによると考えられる。また、本発明の溶射被膜の封孔処理方法はカルボキシル基およびアミノ基を含有する樹脂と、1分子中にエポキシ基および加水分解性シリル基を含有する硬化剤とを含んでいるので、下地と封孔処理膜との間および封孔処理膜と直上の塗膜との間の付着性に優れている。
Claims (9)
- 基材表面に対して溶射被膜を形成する工程(1)、前記工程(1)で得られた溶射被膜に対して、粘度の異なる2つの封孔処理剤を各々1回ずつ塗布して封孔処理膜を形成する工程(2)
を含む溶射被膜の封孔処理方法であって、
前記工程(2)が粘度の低い方の封孔処理剤を塗布する段階(a)、前記段階(a)の後、粘度の高い方の封孔処理剤を塗布する段階(b)からなることを特徴とする溶射被膜の封孔処理方法。 - 前記粘度の低い一方の封孔処理剤の粘度は、塗布環境下において5×10−3〜1×10−1Pa・sに調整されたものであり、
前記粘度の高い方の封孔処理剤の粘度は、塗布環境下において5×10−1〜1Pa・sに調整されたものである、請求項1に記載の溶射被膜の封孔処理方法。 - 前記段階(a)の塗布量は50〜200g/m2、および、前記段階(b)の塗布量は100〜400g/m2である請求項1または2に記載の溶射被膜の封孔処理方法。
- 前記段階(a)および段階(b)で塗布される2つの封孔処理剤は、樹脂固形分の組成が同じものである請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の溶射被膜の封孔処理方法。
- 前記工程(2)で塗布される2つの封孔処理剤がいずれも、カルボキシル基およびアミノ基を含有する樹脂と、エポキシ基および加水分解性シリル基を含有する硬化剤とを含んでいる請求項1〜4のうちのいずれか1つに記載の溶射被膜の封孔処理方法。
- 前記基材表面上に旧塗膜が形成されている請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載の溶射被膜の封孔処理方法。
- 請求項1〜6のうちのいずれか1つの封孔処理方法によって得られることを特徴とする溶射塗装物。
- 請求項7に記載の溶射塗装物に対して、さらに、塗料を塗布することを特徴とする塗膜形成方法。
- 請求項8に記載の塗膜形成方法によって得られた塗装物。
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