JP2007537430A - 医療診断におけるエンケファリンの前駆体および/またはその断片の使用 - Google Patents

医療診断におけるエンケファリンの前駆体および/またはその断片の使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、ヒトまたは動物の体液、組織および/または生体材料中の成分の診断に関する。より具体的には、本発明は、体液、組織または生体材料から単離されたエンケファリンの前駆体および/またはその断片の、マーカーペプチドまたは医療的診断としての、ならびに、中枢神経系の病気/疾患、神経変性疾患、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、心筋虚血を含む虚血、統合失調症、免疫系の病気/疾患、痛みの病気/状態、慢性疼痛、偏頭痛、緊張型頭痛、リンパ性白血病、悪性脳腫瘍、腺腫、特にヒト下垂体腺腫を含む腫瘍/癌、血液脳関門の疾患、多発性硬化症、炎症、慢性関節炎、感染疾患、細菌およびウイルス感染症、特にグラム陽性細菌の感染、ボルナ病ウイルス感染、腹膜炎、中毒、AIDS、ストレス、頭蓋骨損傷を含む外傷、梗塞、特に脳梗塞、冠状動脈性心臓病を含む心臓および心臓血管の病気、骨および皮膚の病気、マラリア、慢性/閉塞性肺疾患ならびに脳損傷を含む病気/疾患の治療単位の予後および治療単位の制御の診断的検出のための使用に関する。本発明は、さらに、特定のタンパク質およびその断片、より具体的にはプロエンケファリンおよびその断片に結合する抗体を提供する。本発明により、前記の診断に有用なキットも提供される。

Description

本発明は、医療診断における、プロエンケファリンおよび/またはその断片、プロエンケファリンを含む断片、および/またはそれらの組み合わせの使用に関する。以下の明細書においては、例えば、ペプチドBおよびF、エンケファリン-フットプリント(ENK-fp)、プロエンケファリンAならびにアミノ酸配列番号1を含むこれら全ての分子、断片、それらの組み合わせ等を、プロエンケファリンと称する。
プロエンケファリンは、中枢神経系の病気/疾患、神経変性疾患、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、心筋虚血を含む虚血、統合失調症、免疫系の病気/疾患、痛みの病気/状態、慢性疼痛、偏頭痛、緊張型頭痛、リンパ性白血病、悪性脳腫瘍、腺腫、特にヒト下垂体腺腫を含む腫瘍/癌、血液脳関門の疾患、多発性硬化症、炎症、慢性関節炎、感染疾患、細菌およびウイルス感染症、特にグラム陽性細菌の感染、ボルナ病ウイルス感染、腹膜炎、中毒、AIDS、ストレス、頭蓋骨損傷を含む外傷、梗塞、特に脳梗塞、冠状動脈性心臓病を含む心臓および心臓血管の病気、骨および皮膚の病気、マラリア、慢性/閉塞性肺疾患ならびに脳損傷を含む様々な病気を診断するのに使用することができる。
本発明の用語プロエンケファリンは、また、プロエンケファリンに対して、少なくとも75%の相同性、好ましくは少なくとも80%の相同性、より好ましくは少なくとも90%の相同性を示すアミノ酸配列を含む。
本発明は、更には、エンケファリンおよび/またはその断片および/またはそのスプライシングバリアント、前駆体に対する抗体、ならびに、そのようなコンポーネントを含むキットに関する。
ヒトのプロエンケファリンA遺伝子(PENK-A)は、4つのエキソンを含み、メチオニン エンケファリン(Met-ENK)、ロイシン エンケファリン(Leu-ENK)、メチオニン エンケファリン アルギニン フェニルアラニン(Met-ENK-Arg-Phe)だけでなくメチオニン エンケファリン アルギニン グリシン ロイシン(Met-ENK-Arg-Gly-Leu)のような、一連の構造的に関連したオリゴペプチドをコードしており、プロエンケファリンの1つの分子は、4つのMet-ENKならびに1つのLeu-ENK、Met-ENK-Arg-PheおよびMet-ENK-Arg-Gly-Leuをそれぞれ含む。Met-ENK-Arg-PheおよびMet-ENK-Arg-Gly-Leuは、更に、Met-ENKへと代謝される。エンケファリンは、神経伝達物質だけでなく、神経調節因子および神経ホルモンとしても機能する。エンケファリンに加えて、PENK-Aは、そのN末端にエンケリチン(enkelytin)およびペプチドBの配列を含み、そのC末端に、抗菌性機能を有するシネンケファリン(synenkephalin)を含む。
プロエンケファリンの発現は、中枢神経系だけでなく、末梢神経系でも生じる。脳においては、PENKの濃度増加は、尾状核、中脳水道周囲灰白質だけでなく海馬および縫線核においても見られる。
エンケファリンは、痛みの知覚、ホルモン調節を含むストレス応答の調節、骨形成の調節だけでなく免疫応答の調節のような、様々な生理学的工程において主要な役割を果たしている。Met-ENKは、Bリンパ球およびTリンパ球の増殖を刺激し、Leu-ENKは、ヘルパーT細胞および細胞障害性T細胞の増殖を刺激する。Met-ENKの免疫調節特性により、エンケファリンは、サイトカインとして分類される。内因性のエンケファリンペプチドは、また、心拍数、収縮性および動脈圧のような心臓血管の機能の一般的な調節にも関与している。
エンケファリンは、Streptococcus aureus、Bacillus megateriumおよびMicrococcus luteusのようなグラム陽性細菌に対して抗菌機能を有するが、Escherichia coliのようなグラム陰性細菌の増殖は阻害することができず、真菌類の増殖も阻害することができない。シネンケファリンは、グラム陽性細菌だけでなくグラム陰性細菌にも抗菌特性を示す。
エンケファリンのレベルは、様々な病気において、体液および組織で変化する。脳梗塞急性期の患者および心筋虚血の症状を有する糖尿病患者の血漿でのMet-ENK免疫応答性は、健康なコントロール個体と比較して顕著に増加する。偏頭痛および頭痛の患者の血漿および髄液、ならびに、統合失調症の患者の髄液についても同様である。
パーキンソン病においては、患者の髄液のMet-ENK-Arg-Gly-Leuの含量が、健康なコントロール個体と比較して顕著に増加する。
アルツハイマー病の患者は、4倍に増加したMet-ENK様免疫応答性を示した。
ハンチントン病の患者の線条体におけるエンケファリンm-RNAの濃度は顕著に減少し、髄液では、Met-ENK-Arg-Gly-Leu濃度の減少が見られた。
腫瘍においては、下垂体腺腫のプロラクチン(PL)およびアドレノコルチコトロピン産生タイプは、Met-ENKの濃度増加を示し、アドレノコルチコトロピン産生タイプでは10倍増加したプロエンケファリン濃度を示す。
エンケファリンは、例えば手術の間および手術の後での皮膚の損傷ならびに頭蓋骨損傷のような外傷において、神経組織の病態生理学的応答の機能を有する。
更にその上、エンケファリンは、全身性炎症の発症における主要な機能を担う。動物モデルでは、腹膜炎の誘導またはリポポリサッカリドの塗布により、PENK-発現の増加だけでなく、Met-ENKの血漿濃度の増加がもたらされる。
関節周囲炎のウシの膿瘍においては、エンケリチンの配列を含む様々なPENK-断片が検出された。ヒトの末梢血単球およびラットのリンパ球では、リポポリサッカリドによるPENK-m-RNA発現の誘導が実証された。
ボルナウイルスによるラットの感染によって、下垂体でのPENK-A転写産物の増加がもたらされた。
Met-ENK、Met-ENK-Arg-Pheおよびプロエンカファリン ペプチドBおよびFは、出欠性低血圧の血漿においては、顕著に増加する。
エンケファリンの生合成(図2参照)は、(ゴルジ体-)結合リボソームでのプレプロホルモンとして、他のペプチドホルモンの場合のように生じる。疎水性N-末端シグナル配列(シグナルペプチドと呼ばれる)の分離、および、小胞体のルーメンでのタンパク質のホールディングに続き、プロペプチドが、ゴルジ体の小胞でパッケージングされ、細胞膜へと輸送される。輸送の間に、プロペプチドは、通常の二塩基性のアミノ酸配列で、所謂プロホルモン-転換酵素により、成熟ホルモンへとプロセッシングを受ける。様々な刺激を介して、ペプチドは、細胞外空間または血漿へと分泌される。成熟ペプチドは、タンパク質分解による分泌後に、迅速に不活性化される。
エンケファリンは、血漿中で、12から15分の半減期を有する(ex vivo)。
プロエンケファリンのプロセシングは、厳密な時間的順序で、そして組織特異的な複数の工程で生じる。プロセシングの初めの工程では、エンケリチンおよびMet-ENK-Arg-Pheの配列を含むC-末端のペプチドBの分離が生じる。プロエンケファリンのプロセシングによって、様々なプロエンケファリンペプチドの形成が導かれる。
血液には存在しないが、髄液でのPENK-断片119-159の存在は、Stark et al., 2000によって既に示されている。
この断片は、本発明で中心的役割を果たすので、本明細書においては「エンケファリン-フットプリント」(ENK-fp)と称する。
Starck, M., Danielsson, O., Griffith, A.J., Jornvall, H., Johannsson, J. (2001): "Peptide repertoire of human cerebrospinal fluid: novel proteolytic fragments of neuroendocrine proteins". Journal of Chromatography Vol. 754, p. 357-367
エンケファリンは、様々な体液、組織および他の生体材料で検出することができる。
しかしながら、血液ex vivo中でのエンケファリンの短い半減期は、今までのところ、エンケファリンの通常の診断での使用を妨げてきた。エンケファリンの短い半減期が原因で、診断の際に、エンケファリン分解が問題となるレベルに達する前に、サンプルを摂取すること、血漿を得ること、サンプルを研究室へ運び込むこと、および、必要なテストを含む研究室での診断を実施することは不可能である。
それゆえ、エンケファリンのin vivoでの低い安定性が原因で、バイオマーカーとしての使用は、最適なサンプルロジスティック下でさえ、極端に制限されている。なぜならば、ペプチドの分解の影響により、極端に、生合成およびエンケファリン遊離の影響が希薄化するからである。
本発明の目的は、エンケファリンの欠点である半減期を克服し、体液、組織および他の生体材料におけるエンケファリンの測定のための方法、使用およびキットを開発することである。
この目的は、プロエンケファリンが、体液、組織および他の生体材料におけるエンケファリンの測定のためのツールとして使用することができるという驚くべき知見によって達成された。
プロエンケファリンの存在は、様々な体液/組織または生体材料において、Met-ENKのような成熟エンケファリンの存在と相関している。
更にその上、プロエンケファリン、その断片および/またはそれらの組み合わせの安定性は、ex vivoにおいて、驚くほど高く、その安定性により、プロエンケファリンは完全に一般的な診断目的に適する。
同じことは、成熟エンケファリンのin vivoでの半減期よりも顕著に高いプロエンケファリンのin vivoでの半減期にも当てはまり、このことにより、プロエンケファリンは、エンケファリン濃度および遊離速度の検出で使用するのに適する。
本発明のプロエンケファリンと成熟ペプチドの間との関係により、Met-ENKのような成熟タンパク質が関与する全ての病気および/または疾患についての診断ツールとして、プロエンケファリンは適する。
それゆえ、本発明によるプロエンケファリンおよびその断片は、、中枢神経系の病気/疾患、神経変性疾患、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、心筋虚血を含む虚血、統合失調症、免疫系の病気/疾患、痛みの病気/状態、慢性疼痛、偏頭痛、緊張型頭痛、リンパ性白血病、悪性脳腫瘍、腺腫、特にヒト下垂体腺腫を含む腫瘍/癌、血液脳関門の疾患、多発性硬化症、炎症、慢性関節炎、感染疾患、細菌およびウイルス感染症、特にグラム陽性細菌の感染、ボルナ病ウイルス感染、腹膜炎、中毒、AIDS、ストレス、頭蓋骨損傷を含む外傷、梗塞、特に脳梗塞、冠状動脈性心臓病を含む心臓および心臓血管の病気、骨および皮膚の病気、マラリア、慢性/閉塞性肺疾患ならびに脳損傷を含む様々な病気/疾患の診断のために使用することができる。
臨床データは、病気/疾患の測定を支持するために、追加的に考慮することができる。
本発明は、更なる実施態様においては、プロエンケファリンの産生に関する。更に、本発明によるプロエンケファリンと少なくとも75%の相同性を、好ましくは少なくとも80%の相同性を、より好ましくは少なくとも90%の相同性を示すアミノ酸配列を使用することができる。
本発明による合成ペプチドを使用して抗原を産生し、動物へと注入して、プロエンケファリンに対する抗体を産生することができる。当業者によって既知の様々な方法を、本目的を達成するのに使用することができる。好ましい実施態様においては、Limus polyphemusに由来するヘモシアニンを、ヒツジおよびマウスの免疫のために使用した。他の好ましい実施態様においては、モノクローナル抗体を、当業者に既知の方法によって産生した。好ましい実施態様においては、Limus polyphemusに由来するヘモシアニンを、マウスの免疫のために使用し、その後に、免疫したマウスの脾臓リンパ球をミエローマ細胞ラインと融合させて、モノクローナル抗体を産生した。
本発明の好ましい実施態様においては、プロエンケファリンの4つのアミノ酸配列P571、PTE18、PRR16、PDR18(配列番号2-5、図1参照)を合成した。これらの配列は、プロエンケファリン配列(配列番号1)に含まれる。プロエンケファリン配列は配列番号1に含まれ、配列番号2は抗-P571抗体の産生のために使用したペプチドを含み、配列番号3は抗-PTE18抗体の産生のために使用したペプチドを含み、配列番号4は抗-PRR16抗体の産生のために使用したペプチドを含み、配列番号5は抗-PDR18抗体の産生のために使用したペプチドを含む。アミノ末端のシステイン残基を、各ペプチドに付加した。ペプチドを、Limus polyphemusに由来するヘモシアニンにコンジュゲートし、既知の方法に従って、PTE18、PRR16、PDR18に対する抗体をヒツジで、そして、P571に対するモノクローナル抗体をマウスで産生させた。
抗体は、既知の方法により精製され、本発明の好ましい実施態様においては、本発明の精製は、好ましくはリガンド特異的アフィニティクロマトグラフィー(Pierceの方法に従って、アミノ末端システイン残基を介して、Pierce(Boston, USA)のSulfoLink-Gelへペプチドをカップリングすることによる)によって達成される。
好ましい実施態様においては、抗体は、マーカーを用いて標識し、検出可能とすることができる。使用されるマーカーは、好ましくは、発光マーカーであり、より更に好ましい実施態様においては、PTE18に対する抗体は、発光マーカーを用いて標識した。
より更に好ましい実施態様における発明には、体液、組織または他の生体材料におけるプロエンケファリンの検出のための産生抗体の使用、および、プロエンケファリンを特異的に検出する1つまたは複数の抗体を特定量含むキットを含む。
それぞれの分子への抗体の結合を検出する方法は、また、当業者に知られている。本発明の1つの実施態様においては、標的(プロエンケファリンを含む)への抗体の結合は、発光によって検出される。
本発明の好ましい実施態様には、P571、PTE18、PRR16、PDR18に対して産生した抗体の使用を開示する。異なる抗体の組み合わせ(表1)を、コントロール個体、アルツハイマー病の患者および敗血症の患者の血漿、ならびに健康な個体の髄液におけるプロエンケファリンの検出のために使用した(図4参照)。抗体により検出されるプロエンケファリン断片を表1に示す。
本発明により、更に、体液、組織および他の生体材料におけるプロエンケファリンの存在および安定性、ならびに、健康なコントロールおよび様々な病気の患者でのプロエンケファリン濃度の差異の測定が可能となる。
1つの実施態様においては、本発明は、血漿における、プロエンケファリンおよびエンケファリン-fpの発見された長期間のex vivo安定性に基づき、これを使用する(図3a)。血漿においては、プロエンケファリンおよびエンケファリン-fpは、驚くべきことに、24時間を超える半減期を有する。プロエンケファリンおよびエンケファリン-fpは、髄液でも安定である。
本発明の更なる実施態様では、プロエンケファリンのin vivoでの半減期が、エンケファリンの半減期と比較して、驚くべきことに、約24時間であることが見出されたことを開示する。
それゆえ、エンケファリン-fpのようなプロエンケファリンは、診断目的については、血漿中では12から15分の半減期しか有さずin vivoでは2分の半減期しか有さない成熟エンケファリンよりも、より適する。
本発明は、更に、体液、組織または他の生体材料、特に、血液、血漿および髄液中での、病気/疾患の状態におけるMet-ENKのような成熟エンケファリンとプロエンケファリンとの相関関係を使用する。
本発明の1つの実施態様においては、コントロール血漿、敗血症/血漿、アルツハイマー病/血漿、および健康なコントロールの髄液における、表1の3つの抗体組み合わせを用いた、プロエンケファリンの免疫反応性レベルを示す(図4および実施例4を参照)。コントロール、敗血症患者およびアルツハイマー病の血漿においては、プロエンケファリンは、3つ全ての抗体組み合わせを使用して検出された。髄液中のENK-fpは、かなり高い濃度を示し、健康なコントロールの血漿よりも100倍高いシグナルを示した。また、敗血症患者の血漿においては、ENK-fpの免疫反応性は顕著に増加した。そのシグナルは、コントロール血漿よりも約66倍高くなった。アルツハイマー病の患者は、コントロールと比較して1.7倍増加したシグナルを示した。抗体組み合わせIIおよびIIIは、髄液中ではシグナルを示さず、このことから、プロエンケファリンは髄液では完全にプロセシングを受けることが結論付けられた。しかしながら、血漿中では、抗体組み合わせIIおよびIIIは、検出可能なシグナルを示し、そのシグナルは、コントロールおよびアルツハイマー病患者のシグナルにおいて、抗体組み合わせIのシグナルに比べて顕著に増加した。しかしながら、敗血症患者は、抗体組み合わせIに比べて、より低いシグナルしか示さなかった。
本発明は、健康なコントロール個体および病気のヒトの体液、組織および他の生体材料におけるプロエンケファリンのレベルを開示する。
好ましい実施態様においては、本発明は、健康なコントロール個体の血漿における、プロエンケファリン濃度の分布を開示する(図6)。95%は、109pg/mlより低い免疫応答性を示し、中央値は74pg/mlであった。
更に、本発明は、病気または疾患、優先的には前記した病気/疾患を含む病気または疾患における、体液、組織および他の生体材料中のプロエンケファリン濃度の顕著な変化を開示する。
本発明の好ましい実施態様は、健康なコントロールの血漿と比較して、健康なコントロールの髄液においてはプロエンケファリンが明らかに130倍増加するという驚くべき知見に基づく。健康な個体においては、髄液は、ml当たり150から450μgのタンパク質が含まれ、そのタンパク質の83%は血清で合成され、17%のみが脳で合成される。今までに知られている最も高い髄液-血清の比率は、33という値を示すプロスタグランジン-D-シンターゼの比率である。それゆえ、本発明における約130という驚くべき高い比率は、他の全てのタンパク質の比率よりも顕著に高いものであった。それゆえ、エンケファリン-fpの測定およびエンケファリン-fpが関与する免疫応答性/比率は、例えば、血液脳関門の機能のための非常に有力な血漿マーカーである。プロエンケファリン-fpのようなプロエンケファリンの濃度は、血漿よりも髄液で高いので、血漿中でのプロエンケファリンの増加は、血液脳関門の機能の損傷または損失を示す:髄液は、血漿へと出て行き、血漿でのプロエンケファリン濃度の増加をもたらす。それゆえ、更なる実施態様において、本発明は、プロエンケファリンに特異的な抗体、具体的にはエンケファリン-fpに特異的な抗体を用いた、または、使用した、前記で示した病気/疾患のためのキットおよび診断方法を提供する。
本発明の更に好ましい実施態様は、プロエンケファリン、その前駆体もしくは断片、またはそれらの組み合わせ、特にエンケファリン-fpに特異的な1つまたは複数の抗体を用いて、身体から採取したサンプル、特に血液、血漿または髄液をテストするための診断方法およびキットに関する。
本発明の更に好ましい実施態様は、全身性炎症および局所感染における血漿中のエンケファリン-fpの顕著な増加を開示する(図7)。全身性炎症の患者は、驚くべきことに、その50%が顕著に増加した値を示し(>109pmol/l)、局所感染の患者は、その75%がエンケファリン-fp濃度増加を示した。マラリア患者は、約181.5から434pmol/lの範囲のENK-fp濃度を有し、頭痛の場合、その値は約148pmol/lであり、慢性閉塞性肺疾患の場合、171.5および251pmol/lが、それぞれ2人の患者で測定された。
本発明は、更に、前記した病気/疾患の検出/早期検出、重篤度の測定、治療体の調節および予後のための、プロエンケファリンおよび/またはその抗体の使用を開示する。
(実施例1:抗体の産生)
(a)免疫原
プロエンケファリンの4つの異なるペプチド配列(P571、PTE18、PRR16およびPDR18;図1を参照)を選択し、Jerini(Berlin, Germany)によって合成した。ペプチドP571およびPTE18は、エンケファリン-fpの配列を含む。PDR18は、成熟ペプチドであるエンケリチンの22個のアミノ酸のうちの15個を含む。それぞれのペプチドは、アミノ末端にシステイン残基を有して提供される(Cys0)。
(b)抗体
免疫のために、ペプチドPTE18、PRR16およびPDR18を、Limulus polyphemusに由来するヘモシアニンとコンジュゲートさせ、ポリクローナル抗体を、ヒツジにおいて、Ltd. Micropharm(Carmarthenshire, Great Britain)によって産生した。PENK-ペプチドP571に対するモノクローナル抗体のマウスにおける産生のために、ペプチドを、BioGenes(Berlin, Germany)によるLimulus polyphemusに由来するヘモシアニンとコンジュゲートさせた。免疫したマウスの脾臓のリンパ球を、ミエローマ細胞ラインと融合させ、細胞培養液を使用してモノクローナル抗体を産生させた。
(実施例2:抗体の精製)
ヒツジから得られたポリクローナル抗体を、リガンド特異的アフィニティ精製によって精製した。この工程のために、Cys(0)-ペプチドPTE18、PRR16およびPDR18を、Pierce(Boston, USA)によって供給されたSulfoLink-Gelへと結合した。結合は、Pierceのプロトコールに従って行った。
要約すると、ポリカーボネートカラム(15mm×80mm)を、5mlのアフィニティマトリクスで満たした。カラムをPBS(リン酸緩衝生理食塩水:136mM NaCl、1.5mM KH2PO4、20.4mM Na2HPO4*2H20、2.7mM KCl、pH7.2)を用いて平衡化した後、5mgのそれぞれのペプチドをPBSで溶かしてカラムにアプライし、ゲル物質を緩やかに攪拌することによって均一にした。室温での15分間のインキュベーションおよびゲル物質の堆積後、カラムを5回3mlのPBSを用いて洗浄した。フリーの結合部位を飽和させるために5mlの50mM L-システイン溶液をカラムに加え、均一になったゲル物質を、再度15分間室温でインキュベートした。ゲル物質が堆積後、それぞれのカラムを、5mlの1M NaCl溶液で6回洗浄し、その後、PBSを用いて洗浄した。
ゲル物質を、25mlのそれぞれの抗血清プールを用いて混合し、緩やかに攪拌することによって室温で一晩インキュベートした。血清-ゲル混合物を、ポリカーボネートカラムに加え、余分な血清を除去した。その後、カラムを250mlのPBSを用いて洗浄し、非結合の血清タンパク質を除去した。非結合抗体の脱離は、50mMクエン酸(pH2.2)を用いたカラムの溶出によって実施した。溶出液を1mlのフラクションに回収した。各フラクションのタンパク質濃度を、Perbio(Bonn, Germany)のBCA-タンパク質アッセイキットを使用して求め、>1mg/mlのタンパク質含量を有するフラクションをまとめた。アフィニティ精製した抗体を、PBSを用いた透析により再緩衝化した。タンパク質含量を再度測定し、抗体を4℃で保存した。
モノクローナル抗体:
PENK-ペプチドP571に対するモノクローナル抗体は、細胞上清から、プロテインGアフィニティクロマトグラフィーを介して精製した。Milipore(Schwalbach, Germany)の25mlのアフィニティクロマトグラフィー媒体Prosep-Gを用いて、 Kronlab(Sinsheim, Germany)のEco-plus-Column(10mm×125mm)にロードした。
(実施例3:抗体の固定化/標識化)
ペプチドP571、PRR16およびPDR18に対する精製抗体を、ポリスチロールチューブ(Startube、12mm×75mm、Greiner、Germany)に固定した。この方法のために、抗体溶液を、PBSを用いてタンパク質濃度が6.7μg/mlになるように希釈し、各チューブ当り300μlをピペッティングした(チューブ当り2μgの抗体に対応)。これらを室温で20時間インキュベートし、その後、それぞれを4mlのPBSで3回洗浄した。更なる使用まで、チューブを4℃で保存した。
PTE18に対する抗体(PBS中で1mg/ml)を、発光マーカーであるアクリジニウムエステル-N-ヒドロキシ-スクシンイミド(アセトニトリル中で1mg/ml、In Vent、Hennigsdorf、Germany)を用いて標識した。標識の手順のために、200μlの抗体を、4μlのアクリジニウムエステルを用いて混合し、20分間インキュベートし、フリーのアクリジニウムエステル結合を、40μlの50mMグリシン溶液を加えることによって飽和させた。標識した調製物を、BioSil 400-ゲルろ過カラム(BioRad、Munich、Germany)を用いたHPLCによって、フリーのアクリジニウムエステルと分離した。PBSを、溶媒として使用した。
(実施例4:プロエンケファリン免疫反応性の測定)
3つの異なる抗体組み合わせを使用して、5人の各コントロール、敗血症患者およびアルツハイマー患者の血漿、ならびに、5人のコントロール個体の髄液において、プロエンケファリン免疫反応性を測定した。
抗体でコーティングしたチューブ当り100μlのサンプルをピペッティングし、20ngの標識抗体(200μlのPBSバッファー、10mM EDTA中)をそれぞれのチューブに加えた。チューブを4℃で20時間インキュベートし、その後、トレーサー抗体を、1ml PBSを用いて5回洗浄することによって除去した。チューブに結合した、標識抗体は、ルミノメーター(Berthold LB 952T/16)内で発光を検出することによって定量した。
異なる抗体組み合わせの、測定した相対的免疫反応性を、図4に示す。
コントロール、敗血症患者およびアルツハイマー病患者の血漿においては、プロエンケファリン配列は、3つ全ての抗体組み合わせを使用して検出することができた。抗体組み合わせIのコントロールデータの平均値を、結果のより良好な比較のために、100%とし、残るデータの平均値は、そのコントロールデータに基づいて計算した(表1参照)。髄液中のエンケファリン-fpは、最も高い濃度を示し、健康なコントロールの血漿よりも280倍高いシグナルを示した。また、敗血症患者の血漿においては、エンケファリン-fpの免疫反応性は、顕著に増加した。そのシグナルは、コントロール血漿よりも約66倍高くなった。アルツハイマー病患者は、コントロールと比較して、1.7倍高いシグナルを示した。抗体組み合わせIIおよびIIIは、髄液において検出可能なシグナルは示さず、このことから、髄液ではプロエンケファリンが完全にプロセシングされるという結論が導かれた。しかしながら、血漿においては、抗体組み合わせIIおよびIIIは、検出可能なシグナルを示し、抗体組み合わせIのシグナルに比較して、コントロールおよびアルツハイマー患者では顕著に増加した。しかしながら、敗血症患者は、抗体組み合わせIと比較して、より低いシグナルを示した。それゆえ、この組み合わせは、敗血症患者およびコントロールの区別のためのより有効な方法である。
Figure 2007537430
(実施例5:エンケファリン-fpの定量測定のためのイムノアッセイ)
コンポーネント:
P571-抗体でコーティングしたチューブ、および発光マーカーで標識したPTE-18に対する抗体を、イムノアッセイにおいて使用した。これらのコンポーネントの産生は、実施例3に示す。
手法:
100μlのサンプルを、抗体でコーティングした各チューブにピペッティングし、20ngの標識抗体(100μl PBSバッファー、10mM EDTA中)を加えた。チューブを、20時間4℃でインキュベートし、その後、トレーサー抗体を、1mlのPBSを用いて5回洗浄することによって除去した。チューブに結合した標識抗体は、ルミノメーター(Berthold LB 952T/16)内で発光を測定することによって定量した。
キャリブレーション:
エンケファリン-fpの濃度および免疫反応性が測定することができるために、ペプチドをJerini(Berlin、Germany)によって合成した。予め重量を測定したペプチドを、イムノアッセイのためのキャリブレーターとして使用した。図5において、エンケファリン-fpの標準曲線を示す。エンケファリン-fpアッセイの分析的な感度は、約11pmol/lである。
(実施例6:恐らく健康である個体(コントロール)の血漿中のENK-fp濃度)
健康な個体の血漿中のENK-fp濃度の分布グラフを、図6に示す。150人の健康な個体のうちの95%が、40から100pmol/の間で、高い密度でENK-fp濃度が示された。
(実施例7:脳脊髄液(CSF)におけるENK-fp濃度)
コントロールサンプルの髄液(n=39)におけるENK-fp濃度を測定したところ、中央値が9623pmol/lであった。CSF-中央値は、健康なコントロール個体の血漿の中央値よりも約130倍顕著に増加していた。健康な個体においては、髄液は、ml当り150から450μgのタンパク質が含まれ、そのタンパク質の83%は血清で合成され、17%のみが脳で合成される。今までに知られている最も高い髄液-血清の比率は、33という値を示すプロスタグランジン-D-シンターゼの比率である。それゆえ、本発明における約130という驚くべき高い比率は、他の全てのタンパク質の比率よりも顕著に高いものであった。それゆえ、エンケファリン-fpの測定およびエンケファリン-fpが関与する免疫応答性/比率は、血液脳関門の機能のための非常に有力な血漿マーカーである。
(実施例8:全身性炎症、局所感染および他の病気に罹患した患者の循環血液におけるEKN-fp濃度の測定)
全身性炎症の患者は、その50%が、顕著に増加した値を示した(>109pmol/l、図7参照)。また、局所感染(例えば、膿瘍)の患者は、その75%が増加したENK-fp濃度を示した(図7参照)。
更にその上、ENK-fpの増加した濃度が、それぞれ75および54%のアルツハイマー病、脳損傷および冠状動脈性心臓病において測定された(図7)。エンケファリン-fp濃度の顕著な減少は、クローン病または潰瘍性大腸炎のような炎症性大腸炎の患者の75%で検出することができた。
マラリアの患者は、約181.5から434pmol/lの範囲のENK-fp濃度を有し、頭痛の場合、その値は約148pmol/lであり、慢性閉塞性肺疾患の場合、171.5および251pmol/lが、それぞれ2人の患者で測定された。
[参考文献]
Figure 2007537430
図1は、プロエンケファリン配列、その成熟ペプチドおよび抗体産生のために使用したペプチドに対応する配列を示す。プロエンケファリン配列は、配列番号1に対応し、配列番号2は、抗-P571抗体の産生のために使用したペプチドを含み、配列番号3は、抗-PTE18抗体の産生のために使用したペプチドを含み、配列番号4は、抗-PRR16抗体の産生のために使用したペプチドを含み、配列番号5は、抗-PDR18抗体の産生のために使用したペプチドを含む。 図2は、ニューロペプチド合成を示す。 図3は、プロエンケファリン断片のex vivo安定性を示す。 図4は、病気およびコントロール個体の様々な体液中の抗体組み合わせI-IIIの相対的免疫反応性を示す。 図5は、ENK-fp濃度のキャリブレーション曲線を示す。 図6は、コントロールの血漿におけるENK-fp濃度の頻度分布を示す。 図7は、全身性炎症、局所感染、炎症性大腸炎、脳損傷および冠状動脈性心臓病の患者の血漿中のENK-fp濃度を示す。

Claims (30)

  1. プロエンケファリン、そのスプライシングバリアント、その断片、その誘導体、前記化合物の前駆体または組み合わせの、医療診断のための使用。
  2. ex vivo身体サンプル、好ましくは血液、血漿もしくは髄液、または組織における、前記成分の存在または濃度を測定する、請求項1に記載の使用。
  3. 配列番号1から5から選択されるスプライシングバリアント、または、2つもしくは複数のバリアントの混合物を使用する、請求項1に記載の使用。
  4. 配列番号1から5の1つまたは複数から選択される断片を使用する、請求項1に記載の使用。
  5. 更なるアミノ酸もしくは変更したアミノ酸、または免疫応答性を誘導するのに適した断片/成分、またはその配列を特定の抗体による検出のために適するようにする断片/成分を含むエンケファリンの誘導体を使用する、請求項1に記載の使用。
  6. 使用する化合物が、少なくとも75%の、好ましくは少なくとも80%の、より好ましくは少なくとも90%の相同性を示す、請求項1から5のいずれか一項に記載の使用。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物を検出するのに適したマーカー、または請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物に特異的に結合する化合物と組み合わせた、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用。
  8. ヒト個体または動物個体に由来する体液、組織または他の生体材料のサンプルにおける、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物または組み合わせの濃度を測定することを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用。
  9. 濃度の測定を、請求項1から7のいずれか一項に記載の各化合物に特異的に結合する少なくとも1つの抗体を使用することによって実施する、請求項8に記載の使用。
  10. 少なくとも1つの抗体が、検出可能なマーカーで標識されている、請求項9に記載の使用。
  11. マーカーが発光マーカーである、請求項10に記載の使用。
  12. 前記使用が、配列番号1-5のいずれか、またはそれらの断片に特異的に結合する1つまたは複数の抗体を含む、請求項8から11のいずれか一項に記載の使用。
  13. 前記使用が、エンケファリン-fp、その断片またはその前駆体に特異的に結合する1つまたは複数の抗体を含む、請求項8から11のいずれか一項に記載の使用。
  14. 検出する病気が、中枢神経系の病気/疾患、神経変性疾患、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、心筋虚血を含む虚血、統合失調症、免疫系の病気/疾患、痛みの病気/状態、慢性疼痛、偏頭痛、緊張型頭痛、リンパ性白血病、悪性脳腫瘍、腺腫、特にヒト下垂体腺腫を含む腫瘍/癌、血液脳関門の疾患、多発性硬化症、炎症、慢性関節炎、感染疾患、細菌およびウイルス感染症、特にグラム陽性細菌の感染、ボルナ病ウイルス感染、腹膜炎、中毒、AIDS、ストレス、頭蓋骨損傷を含む外傷、梗塞、特に脳梗塞、冠状動脈性心臓病を含む心臓および心臓血管の病気、骨および皮膚の病気、マラリア、慢性/閉塞性肺疾患ならびに脳損傷を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の使用。
  15. 検出する化合物が、エンケファリン-fp、その断片もしくは前駆体、またはそれらの組み合わせである、請求項1から14のいずれか一項に記載の使用。
  16. 抗体または抗体の組み合わせが、エンケファリン-fp、その断片もしくは前駆体、またはそれらの組み合わせに特異的に結合する抗体である、請求項1から15のいずれか一項に記載の使用。
  17. 請求項1から7のいずれか一項に記載の1つもしくは複数の化合物、またはその断片に結合する抗体。
  18. 抗体が、配列番号1-5のいずれか、またはその断片に特異的である、請求項17に記載の特異的抗体。
  19. 抗体が、エンケファリン-fp、その断片もしくは前駆体、またはそれらの組み合わせに特異的である、請求項17に記載の抗体。
  20. 医療研究、試験および/または検証におけるマーカー/手段としての、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物/請求項17から19のいずれか一項に記載の抗体の使用。
  21. 体液、組織および/または他の生体材料における、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物/請求項17から19のいずれか一項に記載の抗体の濃度を測定することを含む、in vitro診断方法。
  22. -請求項21に記載の化合物の検出のための特異的抗体、または特異的抗体の組み合わせを使用すること、
    -各サンプルにおける化合物または組み合わせの濃度を測定すること、
    -濃度から、病気または疾患の存在および/または経過および/または重篤度および/または予後を推定すること、
    -病気または疾患の存在および/または経過および/または重篤度および/または予後を求めるための更なる臨床データを加えること、
    を含む、請求項21に記載の診断方法。
  23. 各化合物に特異的に結合する少なくとも1つの抗体を表面に固定化し、化合物の他の部位に特異的に結合する二次抗体を化合物の検出のために使用する、請求項21または22に記載の方法。
  24. 抗体が、検出可能なマーカーで標識されている、請求項23に記載の方法。
  25. 抗体が、発光マーカーで標識されている、請求項24に記載の方法。
  26. 化合物が、エンケファリン-fp、その断片もしくは前駆体、またはそれらの組み合わせである、請求項21から25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 抗体または抗体の組み合わせが、エンケファリン-fp、その断片もしくは前駆体、またはそれらの組み合わせに特異的に結合する抗体である、請求項21から26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 体液、組織および/または他の生体材料における、請求項1から6のいずれか一項に記載の分子のレベルを測定し、それにより、各サンプルにおけるエンケファリン/複数のエンケファリンのレベルを推定することを含む、体液、組織および/または他の生体材料における、エンケファリン/複数のエンケファリンのレベルを測定するための、請求項21から27のいずれか一項に記載の方法。
  29. エンケファリンが、メチオニン エンケファリン(Met-ENK)、ロイシン エンケファリン(Leu-ENK)、メチオニン エンケファリン アルギニン フェニルアラニン(Met-ENK-Arg-Phe)またはメチオニン エンケファリン アルギニン グリシン ロイシン(Met-ENK-Arg-Gly-Leu)である、請求項21から28のいずれか一項に記載の方法。
  30. -検出可能なマーカーを含む、請求項17から19のいずれか一項に記載の少なくとも1つの抗体、または
    -請求項17から19のいずれか一項に記載の少なくとも1つの抗体および検出可能なマーカー、
    を含む、免疫学的アッセイのためのキット。
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