JPH11125633A - 抗癌剤の測定方法及び該方法に用いる抗体 - Google Patents

抗癌剤の測定方法及び該方法に用いる抗体

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JPH11125633A
JPH11125633A JP29079497A JP29079497A JPH11125633A JP H11125633 A JPH11125633 A JP H11125633A JP 29079497 A JP29079497 A JP 29079497A JP 29079497 A JP29079497 A JP 29079497A JP H11125633 A JPH11125633 A JP H11125633A
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Masayuki Kawakami
雅之 川上
Naotada Suzuki
直妙 鈴木
Yukio Sudo
幸夫 須藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下記式(I)の化合物の正確かつ簡便な免疫
化学的測定方法を提供する。 【解決手段】 下記式(I)(Xは塩素イオン、臭素イ
オン、ヨウ素イオン、酢酸イオン、パラトルエンスルホ
ン酸アニオン等の薬学的に許容できるアニオンを表し;
Rは水酸基またはカルボキシル基で置換されていてもよ
いアルキル基を表す)で表される化合物(例えばXが塩
素イオンでありRがエチル基である化合物)に対して特
異的に反応する抗体、及び該抗体を用いて免疫化学的に
式(I)の化合物を測定する方法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗癌作用を有する
化合物に対して特異的に反応する抗体に関するものであ
る。また、本発明は、該抗体を用いた免疫化学的測定
法、及び該抗体を含む測定用キットにも関する。
【0002】
【従来の技術】式(I):
【化2】 (式中、Xは塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、
酢酸イオン、パラトルエンスルホン酸アニオン等の薬学
的に許容できるアニオンを表し;Rは水酸基またはカル
ボキシル基で置換されていてもよいアルキル基を表す)
で表される化合物は抗癌作用を有することが知られてい
る。とりわけRがエチル基、Xが塩素イオンである化合
物(1−エチル−2−[[3−エチル−5−(メチルベ
ンゾチアゾリン−2−イリデン)−4−オキソチアゾリ
ン−2−イリデン]メチル]ピリジニウム・クロリド)
は、強い抗癌活性を有することが知られており(特開平
6−172330号公報)、ヒト癌のマウス移植モデル
においても強い増殖抑制効果を発揮することができるの
で、臨床的な有用性が期待されている。
【0003】一方、抗癌剤を用いた化学療法において
は、最大の臨床効果を達成すると共に、副作用の発現を
最小限に抑制することが重要である。このためには、薬
物の血中濃度を測定しながら、投与する薬物の濃度を的
確に制御する必要がある。一般的に、薬物の血中濃度の
測定方法としては高速液体クロマトグラフィー法などの
分析方法を利用できる。しかしながら、高速液体クロマ
トグラフィー法では、分析操作に先立って血液試料に煩
雑な前処理を行う必要があり、また特殊な分析機器を必
要とするなどの欠点があるために、臨床の場での日常的
な分析に応用することは困難である。
【0004】血液試料中の薬物の濃度を高感度かつ簡便
に測定する方法として、その薬物に特異的に反応するポ
リクローナル抗体やモノクローナル抗体を用いる免疫化
学的な分析方法が知られている。しかしながら、上記の
式(I)の化合物またはその類縁化合物に関しては抗原
性の有無は従来知られておらず、式(I)の化合物を免
疫化学的に測定できるか否かは不明であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、式
(I)の化合物の正確かつ簡便な測定方法を提供するこ
とにあり、より具体的には、式(I)の化合物の免疫化
学的測定方法を提供することにある。その具体的な手段
として、式(I)の化合物に特異的に反応する抗体を提
供することが本発明の課題である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の課題
を解決すべく鋭意研究を行った結果、上記の式(I)の
化合物に対して特異的に反応する抗体を得ることに成功
し、その抗体を利用した式(I)の化合物免疫化学的測
定法を確立した。また、上記抗体を用いることにより式
(I)の化合物を正確にかつ簡便に定量するためのキッ
トを提供できることを見出した。本発明はこれらの知見
を基にして完成されたものである。
【0007】すなわち本発明は、下記の式(I):
【化3】 (式中、Xは塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、
酢酸イオン、パラトルエンスルホン酸アニオン等の薬学
的に許容できるアニオンを表し;Rは水酸基またはカル
ボキシル基で置換されていてもよいアルキル基を表す)
で表される化合物に対して特異的に反応する抗体を提供
するものである。この発明の好ましい態様によれば、X
が塩素イオンでありRがエチル基である化合物に対して
反応する上記抗体;並びに、Xが臭素イオンでありRが
カルボキシブチル基である化合物とキャリアー蛋白との
複合体を用いて動物を免疫感作することにより製造する
ことができるポリクローナル抗体の形態の上記抗体が提
供される。
【0008】別の観点からは、上記抗体を用いて免疫化
学的に式(I)の化合物を測定する方法が提供される。
この発明の好ましい態様によれば、Xが塩素イオンであ
りRがエチル基である化合物を測定する上記方法;及
び、不均一系において競合法により測定を行う上記方法
が提供される。さらに別の観点からは、式(I)で表さ
れる化合物の測定用キットであって、(A)上記抗体と
(B)標識化された式(I)の化合物とを含むことを特
徴とするキットが提供される。この発明の好ましい態様
によれば、Xが臭素イオンでありRがカルボキシブチル
基である化合物がペルオキシダーゼで標識化された上記
キットが提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明により提供される抗体は、
上記の式(I)の化合物に特異的に反応することを特徴
としている。上記の式中、Rは水酸基またはカルボキシ
ル基で置換されていてもよいアルキル基を表す。アルキ
ル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t
ert−ブチル基などの炭素数1ないし6個の直鎖若し
くは分枝鎖の低級アルキル基を用いることができる。ア
ルキル基が水酸基又はカルボキシル基を有する場合、水
酸基又はカルボキシル基の個数及び置換位置は特に限定
されず、任意の位置に1個又は2個以上、好ましくは1
個の水酸基又はカルボキシル基を有していてもよい。例
えば、2−ヒドロキシエチル基、4−カルボキシブチル
基などを用いることができる。
【0010】より具体的には、式(I)の化合物とし
て、Rがエチル基、Xが塩素イオンである化合物〔1−
エチル−2−[[3−エチル−5−(メチルベンゾチア
ゾリン−2−イリデン)−4−オキソチアゾリン−2−
イリデン]メチル]ピリジニウム・クロリド:以下、
「化合物1」という場合がある〕;Rがカルボキシブチ
ル基でありXが臭素イオンである化合物(1−カルボキ
シブチル−2−[[3−エチル−5−(メチルベンゾチ
アゾリン−2−イリデン)−4−オキソチアゾリン−2
−イリデン]メチル]ピリジニウム・ブロミド:以下、
「化合物2」という場合がある)を挙げることができ
る。これらのほか、特開平6−172330号公報に示
唆ないし教示されており、あるいは具体的に開示されて
いる化合物などを挙げることができる。
【0011】上記式(I)の化合物はそれ自体に抗原性
がないか、または極めて微弱な抗原性を有しているにす
ぎない。従って、式(I)の化合物に対して特異的に反
応する本発明の抗体を製造するためには、上記式(I)
の化合物をハプテンとして適当なキャリアー蛋白と結合
させた後、その複合体を用いて動物を感作させる必要が
ある。キャリアー蛋白は当業者により適宜選択され、そ
の種類は特に限定されないが、例えば、アルブミン、グ
ロブリン、サイクログロブリン、貝ヘモシアニン、エデ
スチン等を用いることが可能である。キャリアー蛋白に
結合させる式(I)の化合物の量は等モルから50倍モ
ル量程度の範囲、好ましくは約4倍モルから20倍モル
程度の範囲とすればよい。
【0012】式(I)の化合物をキャリアー蛋白に結合
させる方法は特に限定されず、当業者に利用可能な方法
はいずれも利用可能である。例えば、カルボキシル基と
キャリアー蛋白に存在するアミノ基を直接化学結合させ
る好適な方法として、活性エステル化法(Journal of St
eroid Biochemistry、第10巻、第167頁(1979
年))やカルボジイミド法(Antimicrobial Agents and
Chemotherapy、第7巻、第42頁(1976年))など
を挙げることができる。また、アミノ基とキャリアー蛋
白のアミノ基とを公知技術に従ってグルタルアルデヒ
ド、トルエンジイソシアネート、ジハロゲン化ニトロベ
ンゼン等を用いて化学結合させてもよい。
【0013】化合物1はキャリアー蛋白との結合を形成
可能な反応性官能基を有していないので、上記複合体の
製造のためには、上記式(I)においてRがカルボキシ
アルキル基又はヒドロキシアルキル基である化合物を用
いることが望ましい。特に好ましくは化合物2を用いる
ことができる。なお、キャリアー蛋白との複合体の製造
に用いた式(I)の化合物(例えば化合物2)と、測定
の対象となる式(I)の化合物(例えば化合物1)とが
異なる場合には、得られた抗体が測定の対象となる式
(I)の化合物(例えば化合物1)に対して反応性を有
することを確認しておく必要がある。
【0014】キャリアー蛋白とハプテンである式(I)
の化合物とを結合させた複合体を動物に投与することに
より、式(I)の化合物、好ましくは化合物1に対して
特異的に反応する抗体を製造することができる。抗体の
産生に用いられる動物の種類は特に限定されないが、一
般的には、ウサギ、ヒツジ、モルモット、ヤギなどの哺
乳類動物を用いることができる。免疫感作の方法も特に
限定されず、当業者に周知の免疫感作方法に従えばよ
い。また、必要に応じてアジュバント、例えばフロイン
トの完全アジュバントなどを用いることができる。例え
ば、フロイントの完全アジュバントと上記複合体との混
合物を動物の皮下に2〜4週間おきに数回投与すればよ
い。
【0015】動物中で産生された本発明の抗体の分離・
採取方法は特に限定されず、血液から抗体を分離・採取
する通常の方法に従って行えばよい。例えば、ウサギを
用いた場合には、最終投与から7日から14日の間に耳
静脈から採血した血液を遠心分離して血清を得た後、プ
ロテインGの様な抗原ペプチドを保持させた担体を用い
たアフィニテイークロマトグラフィーにより目的の抗体
を精製することができる(Journal of Biological Chemi
stry、第261巻、第10240頁(1986))。
【0016】本発明の抗体としてモノクロナール抗体
(ネイチャー(Nature)、第256巻、第495頁(1
975))を製造してもよい。モノクローナル抗体の製
造方法は当業者に周知であり、かつ慣用の手段として当
業界で汎用されている。従って、上記複合体を用いて上
記と同様の方法により動物を免疫感作させて得られる脾
臓細胞などを免疫細胞として用い、同種あるいは異種動
物に由来するミエローマ細胞と細胞融合させてハイブリ
ドーマを得た後、通常の操作に従ってクローン化するこ
とにより、本発明のモノクローナル抗体を産生する細胞
を容易に製造することができる。この細胞を通常の方法
により培養し、通常の方法に従って目的のモノクローナ
ル抗体を分離・精製することができる。
【0017】この様にして得られた抗体は、式(I)で
表される化合物、好ましくは化合物1を免疫化学的に測
定するための試薬として用いることができる。本明細書
において用いられる「測定」という用語は、検出、定
量、定性など種々の目的で行われる測定を含めて最も広
義に解釈すべきである。免疫化学的測定法は当業者に周
知されており、慣用の方法として汎用されている〔例え
ば、石川栄治他編「酵素免疫測定法」(医学書院、19
87年)、北川常廣他編「酵素免疫測定法(蛋白質酵素
核酸 別冊 第31号)」(共立出版社、1987年)
などの参考書に詳しく説明されている〕。
【0018】免疫測定法は、反応形式の観点から競合法
と非競合法とに分類され、B/F分離の有無により均一
系と非均一系とに分類される。式(I)で表される化合
物の免疫化学測定としてはいずれの方法を採用してもよ
いが、競合法における均一系あるいは非均一系、特に好
ましくは競合法における不均一系を採用することができ
る。一般的には、上記のポリクローナル抗体又はモノク
ローナル抗体を溶液状態で用いるか、あるいは担体に保
持された状態で用いることができる。担体としてはゲル
粒子やイムノアッセイ用プレートなどを用いることがで
きる。抗体を担体に保持させる方法としては、グルタル
アルデヒド法などを用いることができる。あるいは、簡
便な方法として物理的に抗体表面に吸着させてもよい。
【0019】競合法において用いられる標識化された式
(I)の化合物を製造するためのと標識剤は特に限定さ
れないが、例えば、酵素、放射性同位元素、蛍光物質、
発光物質などを用いることができる。放射性同位元素と
しては、例えば 125I、 131I、 3Hなどを用いること
ができ、酵素としては、例えばβ−ガラクトシダーゼ、
ペルオキシダーゼ、リパーゼ、アルカリフォスファター
ゼ、グルコース−6−フォスフェートデヒドロゲナーゼ
などを用いることができる。蛍光物質としては、例えば
フルオレスカミン、フルオレッセンスイソチオシアネー
トなどを用いることができ、発光物質としては、例えば
ルミノール誘導体、ルシフェリンなどを用いることがで
きる。
【0020】式(I)の化合物に標識剤を結合させる方
法は特に限定されないが、例えば、キャリアー蛋白と式
(I)の化合物との複合体の製造方法と同様の方法を採
用することができる。また、クロラミンT法(Nature、
第194巻、第495頁(1962年))、過ヨウ素酸
法(Journal of Histochemistry and Cytochemistry、第
22巻、第1084頁(1974年))などの公知の方
法を用いてもよい。なお、化合物1は標識剤との結合を
形成可能な反応性官能基を有していないので、上記の標
識化化合物の製造のためには、上記式(I)においてR
がカルボキシアルキル基又はヒドロキシアルキル基であ
る化合物を用いることが望ましい。特に好ましくは化合
物2を用いることができる。
【0021】以下、式(I)の化合物として化合物1を
測定する場合について、不均一系における競合法を採用
し、標識剤として西洋わさびペルオキシダーゼ(以下、
「HRP」と略する場合がある)を用いた測定方法につ
いて具体的に説明するが、本発明の方法は以下に説明す
る方法又はその細部に限定されることはない。
【0022】本発明の測定方法の好ましい態様は、下記
の工程: (1)キャリアー蛋白と式(I)の化合物(例えば化合
物2)との複合体を用いて動物を免疫感作することによ
り得られた本発明のポリクローナル抗体に対して反応す
る異種動物の抗体を物理吸着により固相に固定する工
程; (2)一定量の被検液、HRPで標識化した式(I)の
化合物(例えばHRPで標識化した化合物2)、上記ポ
リクローナル抗体を(1)の固相に加え、一定温度で一
定時間反応させる工程;及び (3)固相を良く洗浄し、HRP活性を測定する工程を
含んでいる。
【0023】さらに好ましい態様では、下記の工程: (4)工程(1)〜(3)の操作を既知量の化合物1を
含む標準溶液に対して行い、化合物1の濃度とHRP活
性との関係を標準曲線として作成しておく工程;及び (5)未知量の被検試料について得られたHRP活性を
(4)の標準曲線に当てはめて、化合物1の濃度を測定
する工程を含んでいてもよい。
【0024】本発明により提供されるキットは、好まし
くは上記の不均一系における競合法による免疫化学的測
定に用いられるキットとして提供され、少なくとも、
(A)上記に説明した本発明の抗体と、(B)上記に説
明した標識化された式(I)の化合物とを含むことを特
徴としている。本発明のキットには、上記抗体及び標識
化された式(I)の化合物がそれぞれ1種又は2種以上
含まれていてもよい。
【0025】好ましい定量用のキットには、上記(A)
及び(B)以外に、例えば以下の(C)ないし(J)か
ら選ばれる要素の一部又は全部が含まれていてもよい。 (C)化合物1を含む標準溶液; (D)HRPで標識化した式(I)の化合物(例えば化
合物2); (E)化合物1に対する特異的抗体(例えば化合物2と
キャリアー蛋白との複合体を用いて動物を免疫感作する
ことにより得られたポリクローナル抗体); (F)上記(E)の特異的抗体に対する異種動物の抗体
を物理吸着により固定した固相(例えば96ウェルプレ
ート); (G)上記の(D)及び(E)の希釈、又は反応液を構
成するための1種又は2種以上の緩衝液; (H)異種抗体を物理吸着した後、およびインキュベー
ション後に固相の洗浄に用いる緩衝液;及び (J)標識剤として酵素を用いる場合には酵素の反応基
質となる試薬
【0026】上記のキットは、例えば以下の方法により
使用するのが好ましい。96穴のマイクロプレートに本
発明の抗体に対して反応する異種抗体(10μg/m
l)150μlを加え4℃で一晩放置する。リン酸緩衝
液(PH=7.6)で洗浄したのち、ブロックエース
(大日本製薬製)300μlを加え、室温で2時間放置
し再びリン酸緩衝液で洗浄する。標準溶液または被検
液、(2)および(3)の各50μlを混和し、37℃
で2時間インキュベートする。リン酸緩衝液で洗浄後、
固相上に固定している標識剤の活性を測定する。この方
法の詳細は以下の実施例に詳細に説明されているが、本
発明の方法はこれらの工程を含む上記方法に限定される
ことはない。なお、本発明のキットにおける各試薬は、
固体あるいは液体の剤形とすることができ、また、これ
らを一つの剤形にまとめてもよい。このような技術は当
業界において汎用されている。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定される
ことはない。
【0028】例1:式(I)の化合物−貝ヘモシアニン
複合体の作成 式(I)の化合物としてRがカルボキシブチル基であり
Xが臭素イオンである化合物(化合物2)を用いて、化
合物2と貝ヘモシアニンとの複合体を作成した。化合物
2(300mg,0.5mmol)、N−ヒドロキシサ
クシンイミド92mg(0.8mmol)、ジシクロカ
ルボジイミド(0.8mmol)をジメチルホルムアミ
ド15ml、クロロホルム100mlの中に加え、45
−50℃で24時間反応させた。反応後、反応混合物を
酢酸エチル300mlの中に少しずつ加え、析出した結
晶を吸引濾過により濾取した。
【0029】得られた活性エステルのリン酸緩衝溶液
(pH=7.0)3.9ml(5mg/ml)のに貝ヘ
モシアニン10mg/mlのリン酸緩衝溶液(pH=
7.0)1.0mlを加え、室温で4時間反応させた。
反応溶液をリン酸緩衝液(pH=7.5)中で4℃にて
3日間透析したのち、凍結乾燥した。透析後の溶液の2
80nmと486nmの吸光度の比から、貝ヘモシアニ
ン1分子に対して化合物2が9.4個の割合で結合して
いることが判明した。また、Folin−Lowry法
により測定した結果、蛋白含有量は15%であった。
【0030】例2:式(I)の化合物に対する特異的抗
体の作成 例1で調整した化合物2−貝ヘモシアニン複合体6.7
mg/mlの溶液(1ml)を等容量のフロイント完全
アジュバントと混和し、日本在来種白雄ウサギの背部の
皮下に投与した。2週間毎に7回免疫し、最終免疫後に
採血して遠心分離により抗血清を得た。抗血清をプロテ
インGを担体としたアフィニテイークロマトグラフィー
により精製し、得られた抗血清を−20℃で凍結保存し
た。
【0031】例3:HRPで標識化された式(I)の化
合物の作成 例1と同様の方法によりHRPで標識化された化合物2
を作成した。分光吸収測定の結果、HRP1分子に対し
て化合物2が1.0個の割合で結合していることが判明
した。
【0032】例4:式(I)の化合物の免疫化学的測定 96穴マイクロプレート(ヌンク製)の各ウェルに抗ウ
サギ抗ヤギ抗体10μg/mlを150μlずつ添加
し、4℃で1晩放置した。リン酸緩衝液(pH=7.
4)で2回洗浄し、25%ブロックエース(第日本製薬
製)でブロッキングした(300μl/ウェル、室温1
時間)。ウェルをリン酸緩衝液で3回洗浄した後、被検
試料又は化合物1の標準溶液、例3で製造したHRPで
標識化した化合物2の溶液(0.1mg蛋白/ml)、
および精製特異抗体(例2で製造したもの:0.5mg
蛋白/ml)各50μlを加え、37℃で2時間インキ
ュベートした。
【0033】ウェルを0.05%Tweenリン酸緩衝
液で4回洗浄した後、o−フェニレンジアミン8mgと
35%過酸化水素水2.2μlとを加えたクエン酸緩衝
液(pH=4.8)20mlを200μl/ウェルずつ
加え、室温で30分反応させた。さらに2N硫酸(50
μl/ウェル)を加えて反応を停止させ、マイクロプレ
ートリーダーにより492nmの吸光度を測定すると、
図1の標準曲線が得られた。
【0034】図1の縦軸は化合物1の非存在下での吸光
度に対する各濃度での吸光度値を百分率で表したもので
あり、横軸は化合物1の濃度を対数目盛で表したもので
ある。測定の検出限界は20pg/mlであり、各濃度
での括弧内の値は測定値のばらつきを示すCV値であ
る。この結果は、本発明の免疫化学的測定法により化合
物1の濃度が高感度かつ正確に測定できることを示して
いる。
【0035】例5:交差反応性の測定 得られた抗体の反応性・特異性を確認するために、交差
反応性について検討した。まず、例4に記載の方法によ
り標準曲線を作成し、B/B0 =50%( HRPで表し
記した化合物2と抗体との結合を50%阻害する点)と
なる化合物1の濃度を求めた。つぎに、化合物1の代わ
りに化合物2を用いてB/B0 =50%となる濃度を求
め、先に求めた濃度に対する比率(百分率)を計算して
交差反応性の値とした(交差反応性が100%に近い化
合物は上記抗体によって認識されていることになる)。
この結果、化合物2についての交差反応性は100%で
あり、上記の抗体が化合物2のベンゾチアゾールと4−
オキソチアゾリジン部分を認識しており、化合物1及び
化合物2に対して同程度の反応性を有していることが明
らかになった。
【0036】
【発明の効果】本発明の抗体を用いた免疫化学的測定法
により式(I)の化合物を簡便かつ高感度に測定するこ
とができる。式(I)の化合物を有効成分として含む抗
癌剤の投与にあたり本発明の方法により上記化合物の血
中濃度をモニターすると、副作用の発現を抑えつつ最大
の臨床効果を発揮させることが可能になる。
【0037】
【図面の簡単な説明】
【図1】化合物1の濃度と吸光度比(B/B0 )の関係
を示すグラフである(例4)。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式(I): 【化1】 (式中、Xは塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、
    酢酸イオン、パラトルエンスルホン酸アニオン等の薬学
    的に許容できるアニオンを表し;Rは水酸基またはカル
    ボキシル基で置換されていてもよいアルキル基を表す)
    で表される化合物に対して特異的に反応する抗体。
  2. 【請求項2】 Xが塩素イオンでありRがエチル基であ
    る化合物に対して反応する請求項1に記載の抗体。
  3. 【請求項3】 Xが臭素イオンでありRがカルボキシブ
    チル基である化合物とキャリアー蛋白との複合体を用い
    て動物を免疫感作することにより製造することができる
    ポリクローナル抗体の形態の請求項1又は2に記載の抗
    体。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の抗体を用いて免疫化学
    的に式(I)の化合物を測定する方法。
  5. 【請求項5】 Xが塩素イオンでありRがエチル基であ
    る化合物を測定する請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 不均一系において競合法により測定を行
    う請求項4又は5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 式(I)で表される化合物の測定用キッ
    トであって、(A)請求項1ないし3のいずれか1項に
    記載の抗体と(B)標識化された式(I)の化合物とを
    含むことを特徴とするキット。
  8. 【請求項8】 Xが臭素イオンでありRがカルボキシブ
    チル基である化合物がペルオキシダーゼで標識化された
    請求項7に記載のキット。
JP29079497A 1997-10-23 1997-10-23 抗癌剤の測定方法及び該方法に用いる抗体 Pending JPH11125633A (ja)

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