JP2007529356A - 車両フィルム部品、及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

最近、車両の外装部品の少なくとも幾つかの部品も、プラスチックでのラッカーフィルムのバックモールドによってプラスチックから製造されている。多数のこのような外装部品は、別に製造され、外装部品のダイカットゾーンに挿入される透明領域を必要とする。前記方法は多大な労力を要し、さらに継目を防止するのが難しい。したがって、本発明の目的は、継目を生じさせることなく簡単に製造できる部品、ならびに、その製造に適切な方法を提供することである。前記目的は、透明領域用の穴をフィルムに導入し、前記フィルムを部品型に挿入し、次に穴が透明プラスチック材料で満たされるように同穴を型内で透明プラスチック材料で裏込めすることによって達成される。

Description

本発明は、請求項１及び４の前段に記載の車両フィルム部品及びその製造方法に関する。この一般的な種類の部品や方法は、特許文献１にすでに記載されている。

最近、例えば車両、特に自動車用の外装部品の製造へのプラスチックの使用は、これらが重量や耐食性を含む利点を供するので、増加してきている。これらの種類の部品は、光学的に好ましい表面を有する必要があり、その理由で、例えば特許文献１ではバックスプレーラッカーフィルムによってこれらを製造することが提案される。

多種多様なこれらの外装部品は、例えば嵌め込みウインドウ付きＣコラム又は後部壁又はエンブレムが内部に固定されるカートリッジ用の、透明領域を必要とする。このような部品は最初に透明領域無しで製造され、次に透明要素がそれらと一緒に接合される。例えば、部品は、鋳造され、透明領域の輪郭に対応する領域が打ち抜かれ、次にこの輪郭に嵌め込む事前に製造された透明部品が、製造された開口部に導入され、クランプ固定され、ねじ込まれるか又はそれに接着される。この進行方法は、その多段階の製造技術のため高価であり、さらに高価となる。さらに、設計結果の自由度に関する問題と同様に水密性や腐食に関する問題の結果として、隙間を回避するのが難しくなる。

独国特許出願公開第１９９ ５６ ９３０ Ａ１号明細書

したがって、本発明の課題は、簡単に隙間なく製造できる部品ならびに関連するその製造方法を提供することを含む。

提供される部品と方法とに関して、本発明は請求項１及び２の特徴部分に記載される。他の残りの請求項は、本発明の部品の有利な実施形態及び他の発展形態（請求項３〜５）を含む。

本発明による車両部品の製造に供される方法に関する課題は、次の方法ステップ：
− 部品型を準備するステップと、
− フィルムを型に合わせるステップと、
− フィルムを型に導入するステップと、
− 少なくとも１つのプラスチック層で型内のフィルムを少なくとも部分的にバックモールドするステップとによって解決されるが、
− 所定輪郭を有する少なくとも１つの開口部がバックモールド前にフィルムに設けられ、
− フィルムのバックモールドは、少なくとも１つの開口部が透明プラスチックで満たされるように、少なくとも開口部の領域内で透明プラスチック材料によって行われる。

この方法は、部品の成形や透明領域の導入に、今まで多数のステップを必要としたのに対し、本発明では単一ステップしか必要がないので、現行技術による方法よりも実行が簡単となる。

さらに、型内でのフィルムの背後への透明プラスチックの導入は、穴の領域のプラスチックが、フォイルと同一平面で部品の外壁となる必要がある。その結果、何の隙間も生じず、十分なシール（密閉封止）を供すること、さらに設計の自由度を供することに関する問題も生じない。

さらに、本発明によって供された一体部品は、従来技術の遡及的に接合された２つの要素部品と比べて部品の安定性を増す。

型へのフィルムの取付け又は適合化は、切断や深絞り加工によって行うことができる。フィルムの弾性に応じて（特にバックモールド中の透明プラスチックの温度に応じて）、及び型トポロジーの３次元形状に応じて、簡単に深絞り加工無しで済ますことも可能となる。

穴は、打ち抜き加工によってフィルムに設けることが可能である。しかしながら、ブレード刃で切断するか、又はジェット水流又はレーザビームによって切断することも可能である。

プラスチックでのフィルムのバックモールドは、特に合成樹脂の、一体成型で、又は例えばポリカーボネートでの、裏吹付けで行うことができる。

１つの特定の実施形態において、フォイルは、穴の領域において透明プラスチックで、さらに他の領域において１種類又はそれ以上の他のプラスチックで裏込めされるが、他のプラスチックは、他の機械的、化学的又は光学的特性を示す。

提供される部品に関する課題は、本発明によって解消され、それはラッカー又は装飾フィルムを含み、さらにフィルムに少なくとも部分的に直に接着する（つまり、クランプ止め、又はねじ止め又は追加の接着剤で固定されない）プラスチック層を含むが、フィルムは、所定の輪郭を持った少なくとも１つの穴を有し、さらにプラスチックは透明であり、プラスチックがフィルムと同一平面又は均一となるように、穴の領域における部品の外壁を構成する。

この種類の部品は、方法に関してすでに列挙された利点を示す。

透明プラスチックは、熱硬化性樹脂、より詳しくはプラスチック樹脂（例えばエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂）、又は熱可塑性樹脂、特にＰＭＭＡ、ＰＣ、ＳＡＮ、ＰＥＴ、ＰＢＴであっても良い。これらの透明プラスチックは、ほとんどいかなる所望の用途も満たすのに十分な機械的、化学的、光学的及び触覚的特性のスペクトルを示す。

本発明の好ましい実施形態によれば、プラスチックは、エレクトロクロミックであり、特にそれはポリアニリンを含む。他の適当なエレクトロクロミックプラスチックはポリメタ−トルイジンである。

この種類のプラスチックは、カラー、特に透明性を加圧によって変更できる利点を示す。このことは、押しボタンの作動によって又は加圧によって本発明の部品内にこれらのプラスチックから製造されたウインドウを閉じることができるようにする。

本発明の部品の他の有利な実施形態において、機能的な要素、例えば照明要素（例えばダイオード）が、部品、特に透明プラスチックに埋め込まれる。機能要素を埋め込むことによって、これらが特に機械的及び化学的の両種類の環境的な影響から事実上保護される。

下記において、本発明の方法及び部品が例に基づいてより詳細に説明される。

第１の実施形態によれば、側部安全灯が製造される。このために、最初に、適当な射出型が準備され、利用できるようにされる。射出型は、略卵半分の形状をしている。

ブラックフィルムは、その外部寸法が射出型の縦寸法に対応するように調整される。それで、その内側に、卵状穴が打ち抜かれるので、射出型に導入される、卵状リングは不変である。

これに加え、機能的手段―ここでは関連コネクタを有する複数の発光ダイオード―が、射出型に導入される。

その後、密閉吹付け型内のラッカーフィルムは、穴が透明ポリカーボネートで満たされるように、温液透明ポリカーボネートで裏込めされる。

フィルムに続いての高温ポリカーボネートの導入は、これを暖め、その弾性を増すので、それは型の輪郭に完全に合致できる。残りの型中空空間、特にフィルム内の穴は、穴の領域の冷却後のポリカーボネートがフィルムを密閉するか又はフィルムと同一平面となる部品の安定透明外壁を供するように、温液ポリカーボネートで完全に満たされる。その結果、いかなる隙間も生成されない、ゆえに、水密性や設計に関する問題がない。その外には、本発明によって提供される一体性は、遡及的に製造された接合部品に対し部品の安定性を増す。

埋め込むことによって、照明手段の働きをするダイオードは、特に機械的や化学的な種類の、環境的な影響から事実上保護される。

本発明の方法及び部品は、上述の例の実施形態において、透明領域を含む、自動車フィルム部品の製造に、特に、自動車産業に必要なこのような部品に特定の適正を示す。

一方で、処理時間に関する実質的な利点がそれによって達成できる。しかしながら、耐食や設計自由度も一体性によって改良できる。

本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されるものではなく、広く適用可能なものである。

したがって、例えば、フィルム自体は透明である、しかしながら、透明プラスチック以外の他のシェードを示すか又は他の機械的又は化学的特性を有することが考えられる。

Claims (5)

1. − 部品型を準備するステップと、
   − フィルムを型に合わせるステップと、
   − 前記フィルムを前記型に導入するステップと、
   − 少なくとも１つのプラスチック層で前記型内の前記フィルムを少なくとも部分的にバックモールドするステップと
   を含む車両部品の製造方法であって、
   − 所定の輪郭を有する少なくとも１つの開口部がバックモールド前に前記フィルムに設けられ、
   − 前記フィルムのバックモールドは、前記少なくとも１つの開口部が透明プラスチックで満たされるように、透明プラスチック材料によって少なくとも前記開口部の領域で行われることを特徴とする車両部品の製造方法。
2. − ラッカー又は装飾フィルムと、
   − 少なくとも部分的に前記フィルムに直に接着されたプラスチック層と
   を含む自動車部品であって、
   − 前記フィルムが所定輪郭を有する少なくとも１つの開口部を示し、
   − 前記プラスチックが透明であり、前記開口部の領域において、前記フィルムと同一平面であるか又は前記フィルムの開口部を密閉する部品の外壁を供することを特徴とする自動車部品。
3. 前記プラスチックが熱硬化性樹脂、特に合成樹脂であるか、又は前記プラスチックが熱可塑性樹脂、特にＰＭＭＡ、ＰＣ又はＳＡＮであることを特徴とする請求項２に記載の部品。
4. 前記プラスチックがエレクトロクロミックであり、特にポリアニリンを含むことを特徴とする請求項２あるいは３に記載の部品。
5. 機能要素、特に照明手段が埋め込まれることを特徴とする請求項２〜４のいずれか一項に記載の部品。