JP2016052896A - 枠体付き車両窓用板状体及び枠体付き車両窓用板状体の組付方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、樹脂枠体に装飾部材を後付けする形態でありながら組付性がよく、耐久性の高い枠体付き車両窓用板状体及び枠体付き車両窓用板状体の組付方法を提供する。
【解決手段】本発明の一態様において枠体付き車両窓用板状体10は、まず、装飾部材16の取付部28の外側からボス22の被かしめ部24を内側に挿入し、ボス22の基端部の頭部36を装飾部材16の取付部28の外側の周部に当接する。次に、ボス22の被かしめ部24を樹脂枠体14の孔部26に外側から挿入して内側に突出させ、被かしめ部24にワッシャ32を嵌挿する。次に、突出したボス22の被かしめ部24に加熱チップ34を押し付けることにより被かしめ部24を加熱溶融してかしめ部30を形成する。この後、加熱チップ34をボス22から退避させる。これによって、樹脂枠体14に装飾部材16がボス22を介して密着するので、樹脂枠体14に装飾部材16が強固に組み付けられる。
【選択図】図4C
【解決手段】本発明の一態様において枠体付き車両窓用板状体10は、まず、装飾部材16の取付部28の外側からボス22の被かしめ部24を内側に挿入し、ボス22の基端部の頭部36を装飾部材16の取付部28の外側の周部に当接する。次に、ボス22の被かしめ部24を樹脂枠体14の孔部26に外側から挿入して内側に突出させ、被かしめ部24にワッシャ32を嵌挿する。次に、突出したボス22の被かしめ部24に加熱チップ34を押し付けることにより被かしめ部24を加熱溶融してかしめ部30を形成する。この後、加熱チップ34をボス22から退避させる。これによって、樹脂枠体14に装飾部材16がボス22を介して密着するので、樹脂枠体14に装飾部材16が強固に組み付けられる。
【選択図】図4C
Description
本発明は、枠体付き車両窓用板状体及び枠体付き車両窓用板状体の組付方法に関する。
自動車等の車両の窓であるウインドシールド、及びサイドガラス等の車両窓用ガラス板の製造方法においては、ガラス板の周縁部に、金属部品等とともに熱可塑性樹脂製の樹脂枠体を射出成形によって一体成形する製法(例えば特許文献1)が知られている。
特許文献1に開示された製法は、MAW(Module Assy Window:登録商標)方式と称される製法である。MAW方式によって製造された樹脂枠体付きガラス板は、ガラス板の周縁部に熱可塑性樹脂製の樹脂枠体が設けられ、樹脂枠体は、ガラス板の周縁部を挟持するように配設されてガラス板に固着されている。
また、MAW方式による樹脂枠体付きガラス板の製造装置は、特許文献1にも開示されているように、上型と下型とを有する成形型を備え、上型と下型との間には、ガラス板の周縁部近傍と樹脂枠体とが配置されるキャビティ空間が備えられている。キャビティ空間には、事前に金具等のインサート部材が配設された後、溶融した熱可塑性樹脂材料が成形型の射出口から射出されることにより、キャビティ空間が熱可塑性樹脂材料によって充填され、この後、熱可塑性樹脂材料が固化することにより、ガラス板にインサート部材と熱可塑性樹脂材料とが一体される。これによって、ガラス板の周縁部に樹脂枠体が一体成形されてなる樹脂枠体付きガラス板が製造される。
ところで、樹脂枠体に高級感、装飾性を与えるために、金属光沢を有する装飾部材が樹脂枠体に取り付けられた枠体付き車両窓用板状体が特許文献2に開示されている。
特許文献2の枠体付き車両窓用板状体は、樹脂枠体(樹脂材料)と装飾部材(光輝性金属材)とを射出成形によって一体化させたものである。
なお、前記装飾部材とは、ステンレス鋼、アルミニウム合金等の光輝性金属薄板、及び硬質樹脂の表面に光沢フィルムを両面接着テープによって接着したり、硬質樹脂の表面に光沢塗料を成膜したりした薄板部材であり、装飾モール、光沢モールとも呼ばれている。
しかしながら、特許文献2に開示された枠体付き車両窓用板状体は、製造時に装飾部材を成形型のキャビティ空間に取り付ける手間が生じるため、サイクルタイムが伸びてしまい枠体付き車両窓用板状体の生産性が低下するという問題があった。また、特許文献2では、枠体付き車両窓用板状体の成形品を成形型から取り出す際に、装飾部材が成形型に接触する場合があり、この場合には装飾部材に傷が発生し、不良率が高くなるので歩留りが低下するという問題もあった。
このような不具合は、射出成形又は押出成形によって製造された樹脂枠体に装飾部材を後付けすることにより解消できる。例えば、両面接着テープを使用して樹脂枠体と装飾部材とを接着して双方を一体化させる製法が考えられる。
しかしながら、両面接着テープを使用する製法では、両面接着テープを樹脂枠体又は装飾部材に貼り付ける手間がかかり組付性に難点がある。また、両面接着テープの接着力の耐久性に難がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、樹脂枠体に装飾部材を後付けする形態でありながら組付性がよく、耐久性の高い枠体付き車両窓用板状体及び枠体付き車両窓用板状体の組付方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、車両窓用板状体の周縁部に取り付けられる樹脂枠体に、装飾部材が組み付けられてなる枠体付き車両窓用板状体において、前記装飾部材を前記樹脂枠体に組み付けるボスを備え、前記樹脂枠体及び前記装飾部材のいずれか一方は、前記ボスの取付部を備え、他方は孔部を備え、前記取付部は、開口と、前記開口の一部を開放する切欠き部を有し、前記ボスは、前記取付部の周部に当接する基端部と、前記開口及び前記孔部に挿入された本体軸部と、前記孔部の内径よりも外径が大きいかしめ部とを有することを特徴とする枠体付き車両窓用板状体を提供する。
本発明は、前記目的を達成するために、車両窓用板状体の周縁部に取り付けられる樹脂枠体に、装飾部材を組み付けてなる枠体付き車両窓用板状体の組付方法において、前記樹脂枠体又は前記装飾部材のいずれか一方に備えられた取付部に、前記ボスを取り付けるための開口が備えられるとともに、前記開口の一部を開放する切欠き部が備えられ、前記切欠き部を介して前記開口に、ボスを取り付けた後、他方に備えられた孔部に前記ボスの先端部を挿入し、前記ボスの先端部の被かしめ部を熱かしめして、前記孔部の内径よりも外径が大きいかしめ部を形成することにより、前記樹脂枠体に前記装飾部材を組み付けることを特徴とする枠体付き車両窓用板状体の組付方法を提供する。
本発明の一態様は、前記ボスは、前記取付部の周部に係合される係合部を備えることが好ましい。
本発明の一態様は、前記ボスは、前記本体軸部より大径の頭部を備え、前記係合部は、前記頭部と間隙を持って、前記本体軸部に形成されることが好ましい。
本発明の一態様は、前記ボスが挿入される挿入孔であって前記かしめ部の外径よりも小さい内径を有する前記挿入孔を備えるとともに、前記孔部の内径、及び前記かしめ部の外径よりも大きい外径を有するワッシャが、前記かしめ部と前記孔部との間に介在されていることが好ましい。
本発明の一態様の前記樹脂枠体は、車両窓用板状体の周縁部に一体成形されていることが好ましい。
本発明の一態様によれば、MAW方式の製法で製造された樹脂枠体付き板状体の樹脂枠体に装飾部材を組み付けるものである。
なお、本明細書において述べる「枠体付き車両窓用板状体」は、車両窓用板状体の周縁部に取り付けられた樹脂枠体に装飾部材が後付けされたものである。また、樹脂枠体とは、車両窓用板状体の周縁部に取り付けられて、車両窓枠と車両窓用板状体との間の隙間を塞ぐガスケット、モールディング、ウェザーストリップ、シールゴム等である。樹脂枠体は、車両窓用板状体の全縁部、又は全縁部のうち途中で途切れるように設けられてもよく、また、車両窓用板状体の一辺又は数辺に設けられたものでもよい。
「樹脂枠体」の材料である「合成樹脂」としては、熱可塑性樹脂等を例示できる。熱可塑性樹脂としては塩化ビニル樹脂(PVC)や、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリスチレン系、ポリアミド系、ポリウレタン系のエラストマー等から選択された一般の熱可塑性樹脂を例示できるがこれに限定されない。
「車両窓用板状体」としては、透明又は半透明のガラス板や樹脂板を例示できる。充分な透視性を有していれば、有彩色のガラス板や樹脂板でもよい。
「装飾部材」とは、ステンレス鋼、アルミニウム合金等の光輝性金属薄板、及び硬質樹脂の表面に光沢フィルムを両面接着テープによって接着したり、硬質樹脂の表面に光沢塗料を成膜したりした薄板部材である。本発明では、樹脂製の樹脂枠体に、別体のボスを利用して装飾部材を組み付けることを特徴とするので、「装飾部材」としては、熱かしめ可能なボスを一体成形できる樹脂製の薄板部材ではなく、熱かしめ可能なボスを一体成形できない前記光輝性金属薄板が好適である。
本発明の枠体付き車両窓用板状体及び枠体付き車両窓用板状体の組付方法によれば、樹脂枠体に装飾部材を後付けする形態でありながら組付性が向上し、耐久性も向上する。
以下、添付図面に従って本発明の一態様に係る枠体付き車両窓用板状体及び枠体付き車両窓用板状体の組付方法の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、実施の形態の枠体付き車両窓用板状体10の一例を示す組付斜視図である。
枠体付き車両窓用板状体10は、ガラス板(車両窓用板状体)12と、ガラス板12の周縁部にMAW方式による製法によって一体成形された合成樹脂製の樹脂枠体14と、ステンレス鋼製の装飾部材16とによって構成される。なお、図1の枠体付き車両窓用板状体10は、ガラス板12に一体成形された樹脂枠体14に、装飾部材16を熱かしめによって後付けする形態であるが、これに限定されるものではなく、押出成形によって製造された単品の樹脂枠体に装飾部材16を熱かしめによって後付けする形態であってもよい。以下、樹脂枠体14がガラス板12に一体成形された構成品を樹脂枠体付きガラス板18と称する。
樹脂枠体14は、ガラス板12の全周縁部に設けられていてもよく、ガラス板12の一辺、又は一辺の一部に設けられ、端部を有しているものでもよい。また、ガラス板12の形状は、三角形であっても四角形でもよく形状は限定されない。更に、ガラス板12としては、平板状のものであっても湾曲状のものであってもよい。更にまた、ガラス板12としては、単板のガラス板の他、合わせガラス、強化ガラスであってもよい。また、ガラス板12に限定されるものではなく、合成樹脂製の板状体、又は合成樹脂製の板状体とガラス板とを合わせた積層板等であってもよい。合成樹脂製の板状体としては、例えばポリカーボネート類、ポリスチレン類、ポリメチルメタクリレート類等のいわゆる有機透明樹脂材料の板状体を使用でき、また、少なくともこれらを2枚以上積層したものも使用できる。また、これらの板状体は車両のフロント(ウインドシールド)、フロントベンチ、ルーフ、サイドドア、リヤサイド、リヤクォーター、リヤ(バックライト)等の車両窓用に適用できる。
樹脂枠体14とは、車両窓用ガラス板として使用されるガラス板12と車両側の車両窓枠(図2、図3で示す符号20)との間の隙間を閉塞するために用いられる、ガスケット、モール(モールディング)、ウェザーストリップ又はシールゴム等を総称したものであり、主に合成樹脂によって製造された部材である。
樹脂枠体14の材料として使用できる合成樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等があり、熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニルとエチレンのコポリマー、塩化ビニルと酢酸ビニルのコポリマー、塩化ビニルとプロピレンのコポリマー、塩化ビニルとエチレン及び酢酸ビニルのコポリマーの少なくとも1種又は2種以上の混合物をベースとして可塑剤等の添加剤を加えて軟質材料としてコンパウンドしたものであるが、他の熱可塑性樹脂をブレンドすることもできる。例えば塩素化ポリエチレン、ウレタン変性塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、液晶高分子、アクリル樹脂、NBR又はSBR等を少なくとも含んでいるゴム、EVA、ABSの少なくとも1種又は2種以上の混合物等が用いられる。また、熱硬化性樹脂としてはウレタンRIMが好ましい。
樹脂枠体14が一体成形されるガラス板12の周縁部には、あらかじめ接着剤層が設けられていてもよい。接着剤としてはウレタン系、フェノール系、アクリル系、ナイロン系、エポキシ系等の1液又は2液以上の接着剤が使用できる。
装飾部材16とは、ステンレス鋼、アルミニウム合金等の光輝性金属薄板、及び硬質樹脂の表面に光沢フィルムを両面接着テープによって接着したり、硬質樹脂の表面に光沢塗料を成膜したりした薄板部材であり、樹脂枠体14に組み付けられることによって、樹脂枠体付きガラス板18に高級感、装飾性を与えるものである。
実施の形態の枠体付き車両窓用板状体10は、樹脂製の樹脂枠体14に、別体の樹脂製のボス(図2、図3で示す符号22)を熱かしめして装飾部材16を組み付けることを特徴とする。よって、装飾部材16としては、熱かしめ可能な樹脂製のボス22を一体成形できる樹脂製の薄板部材ではなく、樹脂製のボス22を一体成形できないステンレス鋼等の光輝性金属薄板が好適である。
次に、実施の形態の枠体付き車両窓用板状体10について説明する。
図2は、樹脂枠体14に装飾部材16が組み付けられた枠体付き車両窓用板状体10の要部拡大断面図であり、図1において樹脂枠体14に装飾部材16が組み付けられた枠体付き車両窓用板状体10のA−A線に沿う断面図である。また、図3は、図1において樹脂枠体14に装飾部材16が組み付けられた枠体付き車両窓用板状体10のB−B線に沿う断面図である。図2、及び図3において、同一又は類似の部材については同一の符号を付して説明する。
樹脂枠体14には、先端部に二点鎖線で示す被かしめ部24を有する樹脂製のボス22が挿入される孔部26が備えられている。また、装飾部材16には、ボス22が挿入される取付部28が備えられている。孔部26、取付部28に挿入されたボス22の被かしめ部24が、熱かしめされて、孔部26、取付部28の内径よりも外径が大きいフランジ形状のかしめ部30が備えられる。これによって、装飾部材16が樹脂枠体14に組み付けられている。また、かしめ部30と樹脂枠体14の孔部26の周部との間には、ステンレス鋼製等の金属製ワッシャ32が介在されている。ワッシャ32については後述する。
なお、実施の形態では、樹脂枠体14に孔部26を備え、装飾部材16に取付部28を備えたものを例示するが、樹脂枠体14に取付部28を備え、装飾部材16に孔部26を備えたものでもよい。
樹脂枠体14に対する装飾部材16の組付手順は、まず、装飾部材16の取付部28にボス22を挿入し、次に、樹脂枠体14に備えられた孔部26にボス22の先端部を挿入する。次に、孔部26から突出したボス22の先端部の被かしめ部24にワッシャ32を嵌挿する。次いで、被かしめ部24を熱かしめしてかしめ部30を形成する。これによって、樹脂枠体14に装飾部材16を組み付けることができる。
図4A〜図4Cを参照して樹脂枠体14に対する装飾部材16の組付手順を具体的に説明する。図4Aは、被かしめ部24を熱かしめする前の状態を示した枠体付き車両窓用板状体10の要部拡大断面図、図4Bは、被かしめ部24を加熱チップ34によって熱かしめしている状態を示した枠体付き車両窓用板状体10の要部拡大断面図、図4Cは、かしめ部30が形成された枠体付き車両窓用板状体10の要部拡大断面図である。なお、下記に記す「外側」とは、枠体付き車両窓用板状体10が車両窓枠20に組み付けられた際における、車両の室外側を意味し、「内側」とは、枠体付き車両窓用板状体10が車両窓枠20に組み付けられた際における、車両の室内側を意味している。
まず、図4Aの如く、装飾部材16の取付部28の外側から、ボス22の先端部の被かしめ部24を内側に挿入し、ボス22の基端部の頭部36を装飾部材16の取付部28の外側の周部に当接する。もちろんであるが、頭部36の直径は取付部28の開口の直径よりも大きい。次に、ボス22の被かしめ部24を樹脂枠体14の孔部26に外側から挿入して内側に突出させ、被かしめ部24にワッシャ32を内側から嵌挿する。
次に、図4Bの如く、突出したボス22の被かしめ部24に加熱チップ34を押し付けることにより被かしめ部24を加熱溶融してかしめ部30を形成する。これによって、樹脂枠体14に装飾部材16がボス22を介して密着するので、樹脂枠体14に装飾部材16が強固に組み付けられる。
この後、図4Cの如く、加熱チップ34をボス22から退避させる。
このような組み付け作業は、樹脂枠体14と装飾部材16のサイズ、ボス22の本数にもよるが、樹脂枠体14及び装飾部材16を損傷させることなく90秒程度の時間で完了する。
したがって、実施の形態の枠体付き車両窓用板状体10によれば、樹脂枠体14に装飾部材16を後付けする形態でありながら組付性がよく、また、熱かしめによって双方を固着する構成なので、耐久性の高い枠体付き車両窓用板状体10となる。
次に、実施の形態の枠体付き車両窓用板状体10を補足する技術的要素について説明する。
図5は、装飾部材16の取付部28とボス22との係合形態の変形例を示した平面図である。
ここで、図1に示した装飾部材16の取付部28は単なる開口であるが、図5に示した取付部28には、取付部28の一部を開放する切欠き部38が備えられている。そして図5では、切欠き部38を介してボス22の本体軸部40が矢印Aの如く取付部28に取り付けられることが示されている。
これにより、ボス22は、切欠き部38を介して取付部28の開口に取り付けることができるので、取付部28の開口にボス22を挿入するよりも取付部28の開口に対するボス22の取り付け作業が容易になる。
例えば、図3に示す装飾部材16の表面意匠部42に取付部28を備えると、その取付部28によって装飾部材16の外観品質(見栄え)が悪くなる。よって、取付部28は、外観からでは目視できない表面意匠部42の裏面側であって、表面意匠部42の縁部に突設された突片部44に設けられている。この場合、表面意匠部42の裏面と突片部44との間の隙間を利用して、ボス22を取付部28に取り付けるが、前記隙間が狭い場合には、ボス22の基端部の頭部36が挿入し難くなるので、取付部28に対するボス22の挿入作業が困難になる。また、取付部28に対するボス22の挿入作業性を向上させるために、前記隙間を大きくすると、装飾部材16の全体の厚さTが厚くなるため、装飾部材16の意匠性を阻害してしまう場合がある。
そこで、図5の如く、取付部28の開口の一部を開放する切欠き部38を備えることによって、切欠き部38に沿ってボス22を、ボス22の軸に対して直交する方向にスライドさせることにより取付部28の開口にボス22を取り付けることができる。よって、前記隙間が狭い場合であっても、ボス22を取付部28に容易に取り付けることができる。
また、取付部28に対してボス22の回転方向の位置決めが必要な場合には、図6に示したボス22の平面図の如く、ボス22の頭部46を十字形状とし、その十字部を所望の位置に合せることにより回転方向の位置決めが容易になる。
なお、樹脂枠体14の孔部26は、装飾部材16によって隠れるため、装飾部材16の取付部28のような制約は無い。よって、樹脂枠体14の孔部26は、切欠きの無い孔部であっても切欠き部のある孔部であってもよい。
また、図3に示した突片部44は、装飾部材16に片持ち支持される構成であるが、図2に示す突片部44の如く、装飾部材16に両持ち支持される構成とすることもできる。つまり、図2の突片部44は、装飾部材16の他方の縁部に突設された突片部48に当接されて支持されている。これにより、突片部44の剛性が高まるので、樹脂枠体14に対する装飾部材16の固着が更に強固なものとなる。
図7は、係合部50を備えたボス22が取付部28に取り付けられた側面図であり、図8は他の形態の係合部52を備えたボス22が取付部28に取り付けられた側面図である。
双方の係合部50、52は、ボス22の本体軸部40の外周部に一体成形されたフランジ状部材であり、本体軸部40よりも大径の頭部36との間の間隙で取付部28の周部を挟持する。
図7に示した係合部50は、頭部36との間の隙間の断面が矩形状であり、図8に示した係合部52は、頭部36との間の隙間の断面が三角形状である。図8の係合部52は、取付部28の周部に押圧されて弾性変形され、その弾性復元力によって頭部36との間で取付部28の周部を挟持している。
係合部50、52をボス22に備えることによって、係合部50、52が取付部28の周部に係合するので、取付部28に取り付けられたボス22の脱落を確実に防止できる。また、係合部50、52が取付部28の周部に係合することによって、取付部28に対してボス22が位置決めされるので、図4Bに示した加熱チップ34との位置決めを確実に行うことができる。
次に、図2、図3に示したワッシャ32について説明する。
ワッシャ32は、ボス22の先端部が挿入される挿入孔54であって、かしめ部30の外径よりも小さい内径を有する挿入孔54を備える。また、ワッシャ32は、樹脂枠体14の孔部26の内径、及びかしめ部30の外径よりも大きい外径を有している。
ワッシャ32をかしめ部30と樹脂枠体14の孔部26の周部との間に介在させると、樹脂枠体14に対して装飾部材16に引き抜く方向の力が作用した場合、前記力はボス22を介してかしめ部30に伝達される。これにより、かしめ部30は、剛性の高い金属製のワッシャ32に押し付けられ、そしてワッシャ32が樹脂枠体14の孔部26の周部に押し付けられる。このとき、ワッシャ32の外径は、孔部26の内径よりも十分に大きいので、ワッシャ32がストッパの機能を果たす。すなわち、かしめ部30が孔部26から引き抜かれることを防止できるので、樹脂枠体14から装飾部材16が脱落するのを防止できる。
つまり、樹脂枠体14がポリ塩化ビニル(PVC)等の軟質の樹脂製であると、ワッシャ32が無い場合には、かしめ部30から孔部26に前記力が直接伝達し、この力によって孔部26の内径が拡径する方向に孔部26が弾性変形し、かしめ部30が孔部26から引き抜かれるおそれがある。
実施の形態の枠体付き車両窓用板状体10の如くワッシャ32を備えると、樹脂枠体14が軟質の樹脂製であっても、かしめ部30は孔部26から引き抜かれないので、樹脂枠体14から装飾部材16が脱落するのを防止できる。もちろんであるが、ワッシャ32の外径は、設計上許容される最大径とすることが好ましい。すなわち、孔部26の内径とワッシャ32の外径との差を極力大きくすることが好ましい。
また、ワッシャ32を備えることによって、ボス22の被かしめ部24を熱かしめする際の熱が樹脂枠体14の孔部26に伝達し難くなるので、熱かしめの熱による影響を孔部26に与えることなく、ボス22の被かしめ部24を熱かしめできる。なお、かしめ部30の厚さは強度を高めるために1mm以上であることが好ましい。
図9〜図11には、ボス22が取り付けられる取付部28の変形例が示されている。すなわち、図9には、ボス22が取付部28によって取り付けられた装飾部材16の全体斜視図が示され、図9に示した装飾部材16は、端部16a、16aを有する略V字形状であり、その両端部16a、16aの近傍と中央湾曲部16bにボス22を備えている。図10には、中央湾曲部16bに取り付けられたボス22の斜視図が示され、図11には、装飾部材16の端部16a、16aの近傍に取り付けられたボス22の斜視図が示されている。
図10、図11の如くボス22は、装飾部材16の取付部28に係止される扁平な基部60を備えている。また、取付部28には、基部60を係止するための複数本の爪部62、62が備えられており、ボス22の基部60が爪部62、62によって係止されることによって、ボス22が取付部28に取り付けられている。
爪部62は、二点鎖線で示すように、装飾部材16の面(ガラス板12の面と同意)に対して略垂直に伸びており、この爪部62をボス22の基部60に向けて屈曲させるだけで、基部60に爪部62を係止できる。爪部62が金属製の場合は、爪部62に力を加えて折り曲げればよく、また、爪部62が樹脂性の場合は、爪部62を加熱して軟化させて曲げればよい。なお、爪部62を備えた取付部28を、図1に示した樹脂枠体14に設けてもよい。
一方、図11に示すように、装飾部材16の端部16aに係止されるボス22には、基部60から伸延したエンドキャップ64がさらに備えられている。エンドキャップ64は、装飾部材16の端部16aから突出するとともに、樹脂枠体14に組付けられた際に樹脂枠体14の端部を覆う形状に構成されている。このエンドキャップ64によって樹脂枠体14及び装飾部材16の端部が隠されて装飾されるので、枠体付き車両窓用板状体10の外観意匠性が向上する。
なお、図9〜図11に示した形態のボス22も同様に、図2に示したワッシャ32を介して樹脂枠体14に熱かしめされる。
10…枠体付き車両窓用板状体、12…ガラス板、14…樹脂枠体、16…装飾部材、18…樹脂枠体付きガラス板、20…車両窓枠、22…ボス、24…被かしめ部、26…孔部、28…取付部、30…かしめ部、32…ワッシャ、34…加熱チップ、36…頭部、38…切欠き部、40…本体軸部、42…意匠表面部、44…突片部、46…頭部、48…突片部、50…係合部、52…係合部、60…基部、62…爪部、64…エンドキャップ
Claims (6)
- 車両窓用板状体の周縁部に取り付けられる樹脂枠体に、装飾部材が組み付けられてなる枠体付き車両窓用板状体において、
前記装飾部材を前記樹脂枠体に組み付けるボスを備え、
前記樹脂枠体及び前記装飾部材のいずれか一方は、前記ボスの取付部を備え、他方は孔部を備え、
前記取付部は、開口と、前記開口の一部を開放する切欠き部を有し、
前記ボスは、前記取付部の周部に当接する基端部と、前記開口及び前記孔部に挿入された本体軸部と、前記孔部の内径よりも外径が大きいかしめ部とを有することを特徴とする枠体付き車両窓用板状体。 - 前記ボスは、前記取付部の周部に係合される係合部を備える請求項1に記載の枠体付き車両窓用板状体。
- 前記ボスは、前記本体軸部より大径の頭部を備え、
前記係合部は、前記頭部と間隙を持って、前記本体軸部に形成される請求項2に記載の枠体付き車両窓用板状体。 - 前記ボスが挿入される挿入孔であって前記かしめ部の外径よりも小さい内径を有する前記挿入孔を備えるとともに、前記孔部の内径、及び前記かしめ部の外径よりも大きい外径を有するワッシャが、前記かしめ部と前記孔部との間に介在されている請求項1から3のいずれか1項に記載の枠体付き車両窓用板状体。
- 前記樹脂枠体は、車両窓用板状体の周縁部に一体成形されている請求項1から4のいずれか1項に記載の枠体付き車両窓用板状体。
- 車両窓用板状体の周縁部に取り付けられる樹脂枠体に、装飾部材を組み付けてなる枠体付き車両窓用板状体の組付方法において、
前記樹脂枠体又は前記装飾部材のいずれか一方に備えられた取付部に、ボスを取り付けるための開口が備えられるとともに、前記開口の一部を開放する切欠き部が備えられ、前記切欠き部を介して前記開口に、ボスを取り付けた後、他方に備えられた孔部に前記ボスの先端部を挿入し、前記ボスの先端部の被かしめ部を熱かしめして、前記孔部の内径よりも外径が大きいかしめ部を形成することにより、前記樹脂枠体に前記装飾部材を組み付けることを特徴とする枠体付き車両窓用板状体の組付方法。
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