JP2007522237A - 新規2’−c−メチルヌクレオシド誘導体 - Google Patents

新規2’−c−メチルヌクレオシド誘導体 Download PDF

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Abstract

式Iの化合物、その立体異性体、および薬学的に許容される塩またはプロドラッグ、それらの製造およびC型肝炎ウイルス治療における使用を記載する。
【化1】

Description

本出願は米国特許仮出願No.60/544,743(2004年2月13日出願)の利益を主張し、図面を含めその全体をここに援用する。
本発明は、新規な2’−C−メチルヌクレオシド−5’−モノホスフェート誘導体、その製造および使用に関するものである。より具体的には、これら新規化合物はC型肝炎ウイルス感染の治療に有用である。
以下の発明の背景の記述はこの発明の理解を助けるために提供され、先行技術を記載し、または先行技術であることを認めるものではない。すべての発行物はその全部を参考のために援用する。
C型肝炎は肝硬変や原発性肝癌その他の長期的合併症につながる肝臓の炎症を引き起こすウイルス性疾患である。また、ヌクレオシドはよく知られた化合物のクラスでありB型肝炎やHIV、ヘルペス等を含む種々のウイルス性疾患に対して有効であることが示されている。いくつかのヌクレオシドはC型肝炎ウイルスの複製を阻止することが報告されていて、これには例えばリバビリンが包含され、種々のインターフェロンや2’−C−メチルリボース糖等を含むヌクレオシドとの混合薬として現在上市がされている。
一般にヌクレオシドは対応するヌクレオシド−5’−トリホスフェート(NTP)へ変換された後に抗ウイルス薬として有効である。変換は種々の細胞内キナーゼにより細胞内で行われる。最初のステップ、即ち、ヌクレオシドから5’−モノホスフェート(NMP)への変換は通常ゆっくりした工程で、ウイルスまたは宿主のいずれかがコードするヌクレオシド・キナーゼが含まれる。NMPからNTPへの変換は一般に宿主ヌクレオチドキナーゼにより触媒される。NTPはウイルスのポリメラーゼ阻害および/または連鎖停止に続くDNA若しくはRNAの成長ストランドへの組み込みを介してウイルス複製を妨げる。
肝臓のウイルス感染治療におけるヌクレオシドの使用はしばしば一、二の問題を伴う。いくつかの場合には、目的のヌクレオシドがキナーゼのよい基質となり、体内におけるその他の細胞および組織内の他肝臓においてもNTPを産生する。NTP産生はしばしば毒性を伴うので、効力が肝外の毒性によって制限され得る。別の場合には、目的のヌクレオシドはキナーゼ基質となり難く、NMPにそして最終的にNTPにまで変換が効率的になされない。
例えば、米国特許6,312,662号は、ある種のリン酸プロドラッグの使用を開示する;これによれば、例えばC型肝炎、B型肝炎および肝細胞癌のような肝臓疾患の患者を治療するためのヌクレオシドを含む種々の薬物が肝臓特異的に輸送される。
発明の要約
本発明は、新規な2’−C−メチルヌクレオシド−5’−モノホスフェート誘導体、その製造およびC型肝炎ウイルス感染の治療における使用に関するものである。
一つの側面では、本発明は式Iの化合物、
Figure 2007522237
〔式中、Bは下記
Figure 2007522237
の群から選択され;
Vは、任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から選択され;
WおよびW’は、−R、任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から独立して選択され;
Zは、ハロゲン、−CN、−COR、−CONR 、−CO、−SO、−SONR 、−OR、−SR、−R、−NR 、−OCOR、−OCO、−SCOR、−SCO、−NHCOR、−NHCO、−(CH−OR、および−(CH−SRよりなる群から選択され;
またはVとZはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み、該環状基はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でアリール基と縮合し;
または、ZとWはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み;
または、WとW’はいっしょになって追加的な2〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で0〜2個のヘテロ原子を含み;
は、Rおよび水素よりなる群から選択され;
は、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、およびアラルキルよりなる群から選択され;
は、Rおよび水素よりなる群から選択され;
は、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、およびアラルキルよりなる群から選択され;
は、水素および低級アシルよりなる群から選択され;
12は、水素および低級アシルよりなる群から選択され;そして
pは2または3の整数である。〕
およびその薬学的に許容される塩およびプロドラッグに関する。
別の側面では、本発明は式Iの化合物、
Figure 2007522237
〔式中、Bは下式
Figure 2007522237
で表され;
Vは、任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から選択され;
WおよびW’は、−R、任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から独立して選択され;
Zは、ハロゲン、−CN、−COR、−CONR 、−CO、−SO、−SONR 、−OR、−SR、−R、−NR 、−OCOR、−OCO、−SCOR、−SCO、−NHCOR、−NHCO、−(CH−OR、および−(CH−SRよりなる群から選択され;
またはVとZはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み、該環状基はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でアリール基と縮合し;
または、ZとWはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み;
または、WとW’はいっしょになって追加的な2〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で0〜2個のヘテロ原子を含み;
は、Rおよび水素よりなる群から選択され;
は、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、およびアラルキルよりなる群から選択され;
は、Rおよび水素よりなる群から選択され;
は、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、およびアラルキルよりなる群から選択され;
は、水素および低級アシルよりなる群から選択され;
12は、水素および低級アシルよりなる群から選択され;そして
pは2または3の整数である。〕
およびその薬学的に許容される塩およびプロドラッグに関する。
式Iの化合物のあるものは立体化学が特定されない不斉中心を有していて、一般に式Iの化合物に言及する場合、個々の立体異性体と同様にこれらジアステレオマー混合物も包含される。
ここで記載されるいくつかの化合物は例えばケト−エノールやイミン−エナミン互変異性体として存在することができる。その混合物の他、個々の互変異性体も式Iの化合物中に包含される。本発明化合物中に包含されると意図するケト−エノール互変異性体の例を次に示す;
Figure 2007522237
本発明化合物中に包含されると意図するイミン−エナミン互変異性体の例を次に示す;
Figure 2007522237
また、式Iの化合物、その薬学的化合物若しくはプロドラッグと、薬学的に許容される賦形剤若しくは担体を一緒に含む薬学的組成物が提供される。
また、式Iの化合物、その薬学的化合物若しくはプロドラッグの治療上の有効量を患者に投与するステップを含む、ウイルスの複製を阻害する方法が提供される。
また、式Iの化合物、その薬学的化合物若しくはプロドラッグの治療上の有効量を患者に投与するステップを含む、RNA依存性のRNAウイルスの複製を阻害する方法が提供される。
また、式Iの化合物、その薬学的化合物若しくはプロドラッグの治療上の有効量を患者に投与するステップを含む、HCVの複製を阻害する方法が提供される。
また、式Iの化合物、その薬学的化合物若しくはプロドラッグの治療上の有効量を患者に投与するステップを含む、ウイルス感染を治療する方法が提供される。
また、式Iの化合物、その薬学的化合物若しくはプロドラッグの治療上の有効量を患者に投与するステップを含む、肝臓のウイルス感染を治療する方法が提供される。
また、式Iの化合物、その薬学的化合物若しくはプロドラッグの治療上の有効量を患者に投与するステップを含む、RNA依存性のRNAウイルス感染を治療する方法が提供される。
また、式Iの化合物、その薬学的化合物若しくはプロドラッグの治療上の有効量を患者に投与するステップを含む、HCVウイルス感染を治療する方法が提供される。
また、式Iの化合物、立体異性体、およびその薬学的化合物若しくはプロドラッグを製造する方法が提供される。
定義
本発明に従い、そして使用されているように、以下の術語は他に明示的に記載しない限り、次のように定義される。
「アルキル」の語は、最大で炭素原子10個を含む、直鎖、分枝鎖および環状基を含む飽和脂肪族基をいう。適切なアルキル基としてはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、およびシクロプロピルが含まれる。アルキルは任意で1個から3個の置換基を有してもよい。
「アリール」の語は、5〜14個の環構成原子と少なくとも一つの共役π電子系を含み、いずれも任意で置換されてもよい炭素環状アリール、ヘテロ環状アリール、およびビアリールを包含する。アリール基は任意で1〜6個の置換基を有してもよい。
炭素環状アリール基は6〜14個の環構成原子を有していて、芳香環の環構成原子が炭素原子である。炭素環状アリール基には単環炭素環状アリール、多環性または任意で置換されたナフチルのような環縮合化合物が含まれる。
ヘテロ環状アリールまたはヘテロアリール基は5〜14個の環構成原子を有していて、芳香環中に1〜4個のヘテロ原子があって残りの環構成原子は炭素原子である。適切なヘテロ原子としては、酸素、硫黄および窒素が含まれる。適切なヘテロアリールとしては、フラニル、チエニル、ピリジル、ピロリル、N−低級アルキルピロリル、ピリジル−N−オキシド、ピリミジル、ピラジニル、イミダゾリル、インドリル等が包含されて、いずれも任意で置換される。
「単環アリール」の語は、5〜6個の環状原子を有する芳香族基をいい、炭素環状アリールおよびヘテロ環状アリールを包含する。適切なアリール基はフェニル、フラニル、ピリジルおよびチエニルが含まれる。アリール基は置換されていてもよい。
「単環ヘテロアリール」の語は、5〜6個の環状原子を有する芳香族基をいい、該芳香環中に1〜4個のヘテロ原子が存在し、残りの環状原子が炭素原子である。適切なヘテロ原子は酸素、硫黄および窒素を含む。
「ビアリール」の語は、5〜14個の原子を有するアリール基で一つより多い芳香環を含み、縮合環系および他のアリール基で置換されたアリール基の両方が包含される。これらは任意で置換されていてもよい。適切なビアリール基としては、ナフチルおよびビフェニルが含まれる。
「任意で置換」または「置換」の語は、低級アルキル、低級アリール、低級アラルキル、低級環状アルキル、低級ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アリールオキシ、パーハロアルコキシ、アラルコキシ、低級ヘテロアリール、低級ヘテロアリールオキシ、低級ヘテロアリールアルキル、低級ヘテロアラルコキシ、アジド、アミノ、ハロゲン、低級アルキルチオ、オキソ、低級アシルアルキル、低級カルボキシエステル、カルボキシル、カルボキサミド、ニトロ、低級アシルオキシ、低級アミノアルキル、低級アルキルアミノアリール、低級アルキルアリール、低級アルキルアミノアルキル、低級アルコキシアリール、低級アリールアミノ、低級アラルキルアミノ、低級アルキルスルホニル、低級カルボキサミドアルキルアリール、低級カルボキサミドアリール、低級ヒドロキシアルキル、低級ハロアルキル、低級アルキルアミノアルキルカルボキシ、低級アミノカルボキサミドアルキル、低級アルコキシアルキル、シアノ、低級パーハロアルキル、および低級アリールアルキルオキシアルキルから独立して選択される、1個から4個の置換基で置換された基を含む。
「置換アリール」および「置換ヘテロアリール」は1〜6個の置換基を有するアリールおよびヘテロアリール基をいう。これらの置換基は低級アルキル、低級アルコキシ、低級パーハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノおよびアミノからなる群より選択される。
「アラルキル」の語は、アリール基で置換されたアルキレン基をいう。適切なアラルキル基としては、ベンジル、ピコリル等が含まれ、任意で置換されていてもよい。アリール部分は5〜14個の環原子を有し、アルキル部分は最大で10個の炭素原子を含む。「ヘテロアリールアルキル」の語は、ヘテロアリール基で置換されたアルキレン基をいう。
「アルキルアリール」の語は、アルキル基で置換されたアリール基をいう。「低級アルキルアリール」は、アルキル基が低級アルキル基である該置換基をいう。アリール部分は5〜14個の環状原子を有し、アルキル部分は最大10個の炭素原子を有する。
有機ラジカル若しくは化合物に関連する「低級」の語は、最大で10個、ある側面では最大で6個、また別の側面では1〜4個の炭素原子をそれぞれ含むことを定義する。これらは直鎖、分枝鎖または環状であってもよい。
「環状アルキル」または「シクロアルキル」の語は、炭素数3〜10個の環状アルキル基をいい、ある側面では炭素数3〜6個である。適切な環状基としては、ノルボルニルおよびシクロプロピルが含まれる。これらは置換されていてもよい。
「ヘテロ環状」、「ヘテロ環状アルキル」および「ヘテロシクロアルキル」の語は、3〜10個の原子、一つの側面では3〜6個の原子による環状基をいい、少なくとも一つのヘテロ原子、更なる側面では1〜3個のヘテロ原子を含む。適切なヘテロ原子は酸素、硫黄および窒素を含む。ヘテロ環状基は窒素または炭素原子を介して結合することができる。ヘテロ環状アルキル基は、不飽和の環状基、縮合環基およびスピロ環状基を含む。適切なヘテロ環状基は、ピロリジニル、モルホリノ、モルホリノエチル、およびピリジルを含む。
「アリールアミノ」(a)および「アラルキルアミノ」(b)の語は、NRR’基をいい、それぞれ、(a)Rはアリールで、R’は水素、アルキル、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、またはアリール、(b)Rはアラルキルで、R’は水素、アラルキル、アリール、アルキル、またはヘテロシクロアルキルである。
「アシル」の語は、C(O)Rをいい、Rはアルキル、ヘテロシクロアルキル、またはアリールである。
「低級アシル」の語は、Rが低級アルキルであるものをいう。C−Cアシルの語は、RがC−Cであるものをいう。
「カルボキシエステル」の語は、C(O)ORをいい、Rはアルキル、アラルキル、環状アルキル、またはヘテロシクロアルキルである。すべて、任意で置換されてもよい。
「カルボキシ」の語は、C(O)OHをいう。
「オキソ」の語は、アルキルまたはヘテロシクロアルキル中の=Oをいう。
「アミノ」の語は、NRR’基をいい、RおよびR’は水素、アルキル、アリール、アラルキルおよびヘテロシクロアルキルから独立して選択され、水素以外はいずれも任意で置換されてもよい;また、RおよびR’は環状系を形成することもできる。
「カルボキシルアミド」の語は、CONRをいい、それぞれのRは独立して水素またはアルキルである。
「スルホニルアミド」の語は、−S(O)NRをいい、それぞれのRは独立して水素またはアルキルである。
「ハロゲン」または「ハロ」の語は、F、Cl、BrおよびIをいう。
「アルキルアミノアルキルカルボニル」の語は、アルキル−NR−alk−C(O)Oをいい、「alk」はアルキレン基、RはH若しくは低級アルキルである。
「スルホニル」の語は、−SORをいい、RはH、アルキル、アリール、アラルキル、またはヘテロシクロアルキルである。
「スルホネート」の語は、−SOORをいい、RはH、アルキル、アリール、アラルキル、またはヘテロシクロアルキルである。
「アルケニル」の語は、2〜12個の原子を有していて少なくとも一つの炭素炭素二重結合を含み、直鎖、分枝鎖および環状構造を含む不飽和基をいう。アルケニル基は任意で置換されてもよい。適切なアルケニル基は、アリルを含む。「1-アルケニル」は第一および第二の炭素間に二重結合を有するアルケニル基をいう。1-アルケニル基が他のグループと結合する場合、例えば、環状ホスフェートに結合するW置換基の場合、第一炭素で結合する。
「アルキニル」の語は、2〜12個の原子を有していて少なくとも一つの炭素炭素三重結合を含み、直鎖、分枝鎖および環状構造を含む不飽和基をいう。アルキニル基は任意で置換されてもよい。適切なアルキニル基は、エチニルを含む。「1-アルキニル」は第一および第二の炭素間に三重結合を有するアルケニル基をいう。1-アルキニル基が他のグループと結合する場合、例えば、環状ホスフェートに結合するW置換基の場合、第一炭素で結合する。
「アルキレン」の語は、二価の直鎖、分枝鎖または環状の飽和脂肪族をいう。一つの側面ではアルキレン基は最大で10個の原子を含む。別の側面ではアルキレン鎖は最大で6個の原子を含む。更なる側面では、アルキレン鎖は最大で4個の原子を含む。アルキレン基は直鎖、分枝鎖または環状のいずれかである。アルキレンは1〜3個の置換基で任意に置換されてもよい。
「アシルオキシ」の語は、エステル基-O-C(O)Rをいい、RはH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、またはヘテロシクロアルキルである。
「アミノアルキル」の語は、NR-alk-をいい、ここで「alk」はアルキレン基、Rは水素、アルキル、アリール、アラルキル、およびヘテロシクロアルキルから選択される。
「アルキルアミノアルキル」の語は、アルキル-NR-alk-をいい、ここで「alk」は独立して選択されるアルキレン、RはHまたは低級アルキルである。「低級アルキルアミノアルキル」は、アルキルおよびアルキレンがそれぞれ低級アルキルおよびアルキレンである置換基をいう。
「アリールアミノアルキル」の語は、アリール-NR-alk-をいい、ここで「alk」はアルキレン基、RはH、アルキル、アリール、アラルキルまたはヘテロシクロアルキルである。「低級アリールアミノアルキル」においてはアルキレン基が低級アルキレンである。
「アルキルアミノアリール」の語は、アルキル-NR-アリールをいい、ここでアリールは二価の基、RはH、アルキル、アラルキルまたはヘテロシクロアルキルである。「低級アルキルアミノアリール」においては、アルキル基が低級アルキルである。
「アルコキシアリール」の語は、アルキルオキシ基が置換したアリール基をいう。「低級アルキルオキシアリール」においては、アルキル基が低級アルキルである。
「アリールオキシアルキル」の語は、アリールオキシ基が置換したアルキル基をいう。
「アラルキルオキシアルキル」の語は、アリール−alk−O−alkをいい、ここで「alk」はアルキレン基である。「低級アラルキルオキシアルキル」はアルキレン基が低級アルキレンである置換基をいう。
「アルコキシ」または「アルキルオキシ」はアルキル−O−をいう。
「アルコキシアルキル」または「アルキルオキシアルキル」は、アルキル−O−alkをいい、ここで「alk」はアルキレン基である。「低級アルコキシアルキル」においては各アルキルおよびアルキレンが、それぞれ低級アルキルおよびアルキレンである。
「アルキルチオ」の語は、アルキル−S−をいう。
「アルキルチオアルキル」の語は、アルキル−S−alkをいい、ここで「alk」はアルキレン基である。「低級アルキルチオアルキル」においては、各アルキルおよびアルキレンが、それぞれ低級アルキルおよびアルキレンである。
「アルコキシカルボニルオキシ」の語は、アルキル−O-C(O)-O−をいう。
「アリールオキシカルボニルオキシ」の語は、アリール−O-C(O)-O−をいう。
「アルキルチオカルボニルオキシ」の語は、アルキル−S-C(O)-O−をいう。
「アミド」の語は、NRCO−、RCO−NR−、NRS(=O)−およびRS(=O)NR−のようにアシル基若しくはスルホニル基に隣接するNRをいい、RおよびRはH、アルキル、アリール、アラルキル、およびヘテロシクロアルキルを含む。
「カルボキサミド」の語は、NR−C(O)−およびRC(O)−NR−をいい、RおよびRはH、アルキル、アリール、アラルキル、およびヘテロシクロアルキルを含む。この語は、尿素−NR−C(O)−NR−を含まない。
「スルホンアミド」の語は、NR−S(=O)−およびRS(=O)−NR−をいい、RおよびRはH、アルキル、アリール、アラルキル、およびヘテロシクロアルキルを含む。この語は、スルホニル尿素−NR−S(=O)−NR−を含まない。
「カルボキサミドアルキルアリール」および「カルボキサミドアリール」の語は、それぞれアリール−alk−NR−C(O)−およびar−NR−C(O)−alkをいい、ここで「ar」はアリール、「alk」はアルキレン、RおよびRはH、アルキル、アリール、アラルキル、およびヘテロシクロアルキルを含む。
「スルホンアミドアルキルアリール」および「スルホンアミドアリール」の語は、それぞれアリール−alk−NR−S(=O)−およびar−NR−S(=O)−をいい、ここで「ar」はアリール、「alk」はアルキレン、RおよびRはH、アルキル、アリール、アラルキル、およびヘテロシクロアルキルを含む。
「ヒドロキシアルキル」の語は、一つの−OHが置換したアルキル基をいう。
「ハロアルキル」の語は、一つのハロゲンが置換したアルキル基をいう。
「シアノ」の語は、−C≡Nをいう。
「ニトロ」の語は、−NOをいう。
「アシルアルキル」の語は、アルキル−C(O)−alkをいい、ここで「alk」はアルキレンである。
「アミノカルボキサミドアルキル」の語は、NR−C(O)−N(R)−alk−をいい、Rはアルキル基またはH、「alk」はアルキレンである。「低級アミノカルボキサミドアルキル」は、「alk」が低級アルキレンである当該基をいう。
「ヘテロアリールアルキル」の語は、ヘテロアリール基が置換したアルキレンをいう。
「パーハロ」の語は、すべてのC−H結合がC−ハロ結合で置き換えられた脂肪族またはアリール基をいう。適切なパーハロ基としてはCFおよびCFClが含まれる。
「ヘテロシクロ塩基B」の語は、下式
Figure 2007522237
(式中、R14はHおよびNHよりなる群から独立して選択され、XはNH、NHCH、N(CH)、OCH、SCH、OH、およびSHよりなる群から選択される。)
をいう。
「治療上の有効量」の語句は、個々の疾患の症候もしくは症状を改善し、軽減しもしくは除去し、または個々の疾患の症候もしくは症状のひとつ以上の発現を妨げ、緩和しもしくは遅延させる化合物もしくは化合物の組み合わせの量を意味する。
「薬学的に許容される塩」の語は、本発明化合物と、有機若しくは無機の酸若しくは塩基との組み合わせにより得られる式Iの化合物およびそのプロドラッグの塩を包含する。適切な酸としては、酢酸、アジピン酸、ベンゼンスルホン酸、(+)-7,7-ジメチル-2-オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-メタンスルホン酸、クエン酸、1,2-エタンジスルホン酸、ドデシルスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、馬尿酸、塩酸ヘミエタノール酸、HBr、HCl、HI、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、メチルブロミド酸、メチル硫酸、2-ナフタレンスルホン酸、硝酸、オレイン酸、4,4'-メチレンビス[3-ヒドロキシ-2-ナフタレンカルボン酸]、リン酸、ポリガラクツロン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、スルホサリチル酸、タンニン酸、酒石酸、テレフタル酸、およびp-トルエンスルホン酸を含む。
「天然に存在するL-アミノ酸」の語は、天然のタンパク性分子成分として日常的に見られるアミノ酸をいい、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、グリシン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン、およびヒスチジンを包含する。ひとつの側面では、この語は荷電官能基としてアミンとカルボン酸のみを有するL-アミノ酸、すなわち、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、グリシン、セリン、スレオニン、システイン、およびチロシンを包含すると意図される。別の側面では、それらはアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、およびグリシンである。さらなる側面では、バリンである。
「患者」の語は、治療を受ける、ヒトを含む動物をいい、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、およびヒトのような哺乳類が含まれる。別の側面では、雌雄を含む哺乳類を含む。
ここで用いられる「プロドラッグ」の語は、生物系に投与されると自発的な化学反応、酵素触媒による化学反応、および/または代謝的化学反応、あるいはその組み合わせによる結果、生物的に活性な化合物を生じさせる任意の化合物をいう。標準的なプロドラッグは、薬物に関連した官能基、たとえば、HO、HS、HOOC、RNに結合しin vivoで切断される基を用いて作られる。標準的なプロドラッグとしては、制限はされないがカルボン酸エステルが含まれ、ここで当該基としては、ヒドロキシ、チオール、およびアミンのエステル(この場合結合する基はアシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ホスフェートまたはサルフェート)のほか、アルキル、アリール、アラルキル、アシルオキシアルキル、アルコキシカルボニルオキシアルキルである。説明した基は例示であって網羅的ではなく、当業者はその他すでに知られている種々のプロドラッグを調製できる。そのような式Iの化合物のプロドラッグは本発明の範囲に含まれる。
プロドラッグはある形式の化学変換により生物学的に活性な化合物、または生物学的に活性な化合物の前駆体を産生しなければならない。ある場合には、プロドラッグが生物学的に活性であるが、通常、その薬物自体よりも活性は低い。そして、その改良された経口上の生物学的利用率や薬物動力学上の半減期その他を通じて、薬物の効力や安全性を改善する。化合物のプロドラッグ形態は、苦味や胃腸刺激性といった不快な特性をマスクしもしくは軽減し、静脈内使用のためなどに溶解度を改良し、持続性、徐放性もしくは輸送を提供し、製剤化を容易にし、または化合物の部位特異的輸送を可能にする等によって、たとえば生物学的利用率の改善や対象の受容性の改善に利用される。プロドラッグは、シルバーマン(Richard B. Silverman)、「ドラッグデザインと薬物作用の有機化学」Academic Press, San Diego, 1992. 第8章:“プロドラッグと薬物輸送系”pp.352 401; バンドガード(H. Bundgaard)編、「プロドラッグのデザイン」、Elsevier Science, Amsterdam, 1985; ロシュ(E. B. Roche)編、「プロドラッグおよびアナログによる生物医薬的性質のデザイン」, American Pharmaceutical Association, Washington, 1977; ジュリアーノ(R. L. Juliano)、「薬物輸送系」, Oxford Univ. Press, Oxford, 1980に記載されている。
ここで「プロドラッグ」の語は、制限はされないが、エステラーゼで切断される、式Iの化合物の2'-および3'-ヒドロキシ基のプロドラッグ〔アナスターシ等(Anastasi et al.)、Curr. Med. Chem., 2003, 10, 1825〕が含まれる。標準的な基としては、アシル基、アルコキシカルボニル基、および天然L-アミノ酸誘導体のエステル〔ペリー等(Perry, et al.)、Drugs, 1996, 52, 754〕が含まれる。また、2'-および3'-ヒドロキシ基のカルボニル化により形成される環状の炭酸エステル誘導体が含まれ、これはエステラーゼの活性化によりin vivoで式Iの化合物を与える。
塩基の場合は、「プロドラッグ」はプリン誘導体の6-位が好ましい。そのような置換には、H、ハロゲン、アミノ、アセトキシ、またはアジド基が含まれる。グアノシンの6-位に水素が置換したプロドラッグはアルデヒドオキシダーゼやキサンチンオキシダーゼによりin vivoで酸化され必要な官能性が与えられる〔ラシージ等(Rashidi et al.), Drug Metab. Dispos. 1997, 25, 805〕。他方、エステラーゼはアセトキシ基を脱マスク化し、アミンおよびハロゲン置換基はデアミナーゼの基質であることが知られている。6-アジド置換化合物はまたリダクターゼの作用により対応するアミノ誘導体を与えることが知られている〔クドリアコバ等(Koudriakova, et al.), J. Med Chem., 1996, 39, 4676〕。
構造式
Figure 2007522237
は、V=Wであり、VとWがいずれも上側もしくは下側にある場合リンと酸素二重結合を通る対称面が存在する。
「1,3-プロパンジオールの環状リン酸エステル」、「1,3-プロパンジオールの環状リン酸ジエステル」、「2-オキソ-2λ5[1,3,2]ジオキサホスホリナン」、「2-オキソ-[1,3,2]-ジオキサホスホリナン」、または「ジオキサホスホリナン」の語は、下式をいう。
Figure 2007522237
「VとZは一緒になって3-5個の追加的原子とともに環状基を構成し、該環状基は任意でひとつのヘテロ原子を含むことができ、リンに結合したO原子のβ-およびγ-位でアリール基と縮合する」との語句は下式
Figure 2007522237
を包含する。
上記に示すように、VとZは4個の追加的原子とともに結合する。
「WとW‘は一緒になって2-5個の追加的原子とともに環状基を構成し、該環状基は任意で0-2個のヘテロ原子を含むことができ、Vはアリール、置換アリール、ヘテロアリール、または置換ヘテロアリールでなければならない」との語句は下式
Figure 2007522237
を包含する。
上記に示すように、WとW‘は2個の追加的原子とともに結合する。
上記の構造はV=アリールで、WとW‘がスピロ縮合している。
「環状ホスフェート」は下式
Figure 2007522237
をいう。
Vに結合する炭素はCH結合を持たねばならない。Zに結合する炭素もまたCH結合を持たねばならない。
「シス」立体化学の語は、2-オキソホスホリナン6員環上の環外単結合を介する、V基とリン原子に結合した置換基との空間的関係をいう。下記の構造AおよびBは、
2-および4-置換2-オキソホスホリナンの二つの可能なシス異性体を示す。構造Aは(2S,4R)配位のシス異性体、構造Bは(2R, 4S)配位のシス異性体を示す。
Figure 2007522237
「トランス」立体化学の語は、2-オキソホスホリナン6員環上の環外単結合を介する、V基とリン原子に結合した置換基との空間的関係をいう。下記の構造CおよびDは、2-および4-置換2-オキソホスホリナンの二つの可能なトランス異性体を示す。構造Cは(2S, 4S)配位のトランス異性体、構造Dは(2R, 4R)配位のトランス異性体を示す。
Figure 2007522237
「エナンチオマー過剰率%(%ee)」の語は、光学純度を言う。これは下式
Figure 2007522237
〔式中、[R]はR異性体量、[S]はS異性体量である〕
を用いて得られる。この式は、R異性体が多い場合にee%を与える。
「エナンチオマーに富んだ」という語は、一方の異性体を他方より多く含むキラル化合物試料をいう。試料がエナンチオマーに富んでいる程度はエナンチオマー比率かエナンチオマー過剰率により定量化される。
「肝臓」の語は、臓器の肝臓をいう。
「増強」の語は、特定の性質の増加または改善をいう。
「肝臓特異性」の語は、下記比率
[肝組織中の薬物または薬物代謝物]
[血中または他の組織中の薬物または薬物代謝物]
をいい、薬物またはプロドラッグを投与された動物で測定される。この比率は具体的な時間に組織濃度を測定するか、または三点もしくはそれ以上における測定値を基準にしてAUCをあらわすことにより決定することができる。
「肝特異性の増大もしくは増強」の語は、親薬物を投与した動物に比較してプロドラッグを投与した動物における肝特異性比率の増加をいう。
「生物学的利用率の増強」の語は、親薬物投与量の吸収が少なくとも50%増加することをいう。追加的な側面では、プロドラッグの生物学的利用率の増加は(親薬物に比較して)少なくとも100%、すなわち吸収を二倍にすることをいう。経口の生物学的利用率の測定は通常、非経口投与後の測定に比較して経口投与後に血中、血清中、組織中、または尿中におけるプロドラッグ、薬物または薬物代謝物を測定することをいう。
「治療指数」の語は、毒性または薬学上の副作用を示すマーカーの上昇や死亡等の望ましくない応答を用量に比較して、治療上の有益な応答を与える薬物もしくはプロドラッグの用量の比率をいう。
「持続性輸送」の語は、プロドラッグの存在により薬物の治療上有効な濃度の延長がある期間の増加をいう。
「薬物耐性の回避」の語は、薬物の生物学的活性の発現および維持に重要な、生物化学的な経路もしくは細胞活性の変更による、薬物の治療上の有効性の喪失もしくは一部喪失(薬物耐性)、およびこの耐性を回避する薬剤の能力をいい、または薬剤が耐性となり易い変化を誘導することができないことをいう。
病気の「治療」の語は、病気を阻止(その発展を遅らせまたは阻む)し、病気の副作用もしくは症候を緩和(苦痛緩和を包含する)し、軽減する(病気の退縮を引き起こす)ことをいう。
詳細な説明
本発明は式Iの化合物、その立体異性体、薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグ、または式Iで表されるプロドラッグの薬学的に許容される塩:
Figure 2007522237
〔式中、Bは
Figure 2007522237
よりなる群から選択され、
Vは、任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から選択され;
WおよびW’は、−R、任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から独立して選択され;
Zは、ハロゲン、−CN、−COR、−CONR 、−CO、−SO、−SONR 、−OR、−SR、−R、−NR 、−OCOR、−OCO、−SCOR、−SCO、−NHCOR、−NHCO、−(CH−OR、および−(CH−SRよりなる群から選択され;
またはVとZはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み、該環状基はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でアリール基と縮合し;
または、ZとWはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み;
または、WとW’はいっしょになって追加的な2〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で0〜2個のヘテロ原子を含み;
は、Rおよび水素よりなる群から選択され;
は、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、およびアラルキルよりなる群から選択され;
は、Rおよび水素よりなる群から選択され;
は、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、およびアラルキルよりなる群から選択され;
は、水素および低級アシルよりなる群から選択され;
12は、水素および低級アシルよりなる群から選択され;そして
pは2または3の整数である。〕
またはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくは塩に関する。
ひとつの側面では、本発明は式Iの化合物
Figure 2007522237
〔式中、Bは
Figure 2007522237
であり、
Vは、任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から選択され;
WおよびW’は、−R、任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から独立して選択され;
Zは、ハロゲン、−CN、−COR、−CONR 、−CO、−SO、−SONR 、−OR、−SR、−R、−NR 、−OCOR、−OCO、−SCOR、−SCO、−NHCOR、−NHCO、−(CH−OR、および−(CH−SRよりなる群から選択され;
またはVとZはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み、該環状基はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でアリール基と縮合し;
または、ZとWはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み;
または、WとW’はいっしょになって追加的な2〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で0〜2個のヘテロ原子を含み;
は、Rおよび水素よりなる群から選択され;
は、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、およびアラルキルよりなる群から選択され;
は、Rおよび水素よりなる群から選択され;
は、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、およびアラルキルよりなる群から選択され;
は、水素および低級アシルよりなる群から選択され;
12は、水素および低級アシルよりなる群から選択され;そして
pは2または3の整数である。〕
またはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくは塩を包含する。
別の側面では、本発明は式Iの化合物
Figure 2007522237
〔式中、Bは下式
Figure 2007522237
で表され;
Vは、任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から選択され;
WおよびW’は、−R、任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から独立して選択され;
Zは、ハロゲン、−CN、−COR、−CONR 、−CO、−SO、−SONR 、−OR、−SR、−R、−NR 、−OCOR、−OCO、−SCOR、−SCO、−NHCOR、−NHCO、−(CH−OR、および−(CH−SRよりなる群から選択され;
またはVとZはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み、該環状基はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でアリール基と縮合し;
または、ZとWはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み;
または、WとW’はいっしょになって追加的な2〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で0〜2個のヘテロ原子を含み;
は、Rおよび水素よりなる群から選択され;
は、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、およびアラルキルよりなる群から選択され;
は、Rおよび水素よりなる群から選択され;
は、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、およびアラルキルよりなる群から選択され;
は、水素および低級アシルよりなる群から選択され;
12は、水素および低級アシルよりなる群から選択され;そして
pは2または3の整数である。〕
およびその薬学的に許容される塩およびプロドラッグを包含する。
また別の側面では、本発明は式Iの化合物
Figure 2007522237
〔式中、Bは下式
Figure 2007522237
で表され;
Vは、任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から選択され;
WおよびW’は、−R、任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から独立して選択され;
Zは、ハロゲン、−CN、−COR、−CONR 、−CO、−SO、−SONR 、−OR、−SR、−R、−NR 、−OCOR、−OCO、−SCOR、−SCO、−NHCOR、−NHCO、−(CH−OR、および−(CH−SRよりなる群から選択され;
またはVとZはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み、該環状基はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でアリール基と縮合し;
または、ZとWはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み;
または、WとW’はいっしょになって追加的な2〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で0〜2個のヘテロ原子を含み;
は、Rおよび水素よりなる群から選択され;
は、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、およびアラルキルよりなる群から選択され;
は、Rおよび水素よりなる群から選択され;
は、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、およびアラルキルよりなる群から選択され;
は、水素および低級アシルよりなる群から選択され;
12は、水素および低級アシルよりなる群から選択され;そして
pは2または3の整数である。〕
およびその薬学的に許容される塩およびプロドラッグを包含する。
また別の側面では、本発明は式Iの化合物
Figure 2007522237
〔式中、Bは下式
Figure 2007522237
で表され;
Vは、任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から選択され;
WおよびW’は、−R、任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から独立して選択され;
Zは、ハロゲン、−CN、−COR、−CONR 、−CO、−SO、−SONR 、−OR、−SR、−R、−NR 、−OCOR、−OCO、−SCOR、−SCO、−NHCOR、−NHCO、−(CH−OR、および−(CH−SRよりなる群から選択され;
またはVとZはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み、該環状基はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でアリール基と縮合し;
または、ZとWはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み;
または、WとW’はいっしょになって追加的な2〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で0〜2個のヘテロ原子を含み;
は、Rおよび水素よりなる群から選択され;
は、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、およびアラルキルよりなる群から選択され;
は、Rおよび水素よりなる群から選択され;
は、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、およびアラルキルよりなる群から選択され;
は、水素および低級アシルよりなる群から選択され;
12は、水素および低級アシルよりなる群から選択され;そして
pは2または3の整数である。〕
およびその薬学的に許容される塩およびプロドラッグを包含する。
ひとつの側面では、Vはフェニル;ハロゲン、C−Cアルキル、−CF、−OR、−OR、−OR12、−COR、−CO、−NR 、−NR12 、−CONR2、SR、−SO、−SONR 、および−CNよりなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されたフェニル;単環ヘテロアリール;およびハロゲン、C−Cアルキル、−CF、−OR、−OR、−OR12、−COR、−CO、−NR 、−NR12 、−CONR2、SR、−SO、−SONR 、および−CNよりなる群から独立して選択される1〜2個の置換基で置換された単環ヘテロアリールよりなる群から選択され、ここで当該単環ヘテロアリールおよび置換単環ヘテロアリールはN、OおよびSよりなる群から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を含み、
但し、
a)2個のヘテロ原子を含みそのひとつがOの場合、他のヘテロ原子はOまたはSでなく;そして
b)2個のヘテロ原子を含みそのひとつがSの場合、他のヘテロ原子はOまたはSでなく;
または、VとZはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介し結合して環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み、該環状基はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でアリール基と縮合し;RはC−Cアルキルである。
別の側面では、Vはフェニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OMe、−NMe、−OEt、−CO−t−ブチル、−CONH、SMe、−SOMe,−SONH、および−CNよりなる群から独立して選択される1〜2個の置換基で置換された1〜3個の置換基で置換されたフェニル;単環ヘテロアリール;および−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OMe、−NMe、−OEt、−CO−t−ブチル、−CONH、SMe、−SOMe,−SONH、および−CNよりなる群から独立して選択される1〜2個の置換基で置換された1〜2個の置換基で置換された単環ヘテロアリールよりなる群から選択され、ここで当該単環ヘテロアリールおよび置換単環ヘテロアリールはN、OおよびSよりなる群から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を含み、
但し、
a)2個のヘテロ原子を含みそのひとつがOの場合、他のヘテロ原子はOまたはSでなく;そして
b)2個のヘテロ原子を含みそのひとつがSの場合、他のヘテロ原子はOまたはSでなく;
または、VとZはいっしょになって追加的な4個の原子を介し結合して6員環を形成し、該6員環はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でフェニル基もしくは置換フェニル基と縮合する。
さらに別の側面では、Vはフェニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、および−CFよりなる群から独立して選択される1〜2個の置換基を有する置換フェニル;ピリジル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、および−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換ピリジル;フラニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、および−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換フラニル;チエニル;および−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、および−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換チエニルよりなる群から選択される。
さらなる側面では、Vはフェニル、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3-ブロモ-4-フルオロフェニル、2-ピリジル、3-ピリジル、および4-ピリジルよりなる群から選択される。
別の側面では、Vは3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3-ピリジルおよび4-pyridylピリジルよりなる群から選択される。
別の側面では、Vはフェニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OH、−OMe、−NH、−NMe、−OEt、−COOH、−COt−ブチル、−CONH、SMe、−SOMe、−SONH、および−CNよりなる群から独立して選択される1〜3個の置換基を有する置換フェニル;単環ヘテロアリール;および−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OH、−OMe、−NH、−NMe、−OEt、−COOH、−COt−ブチル、−CONH、−SMe、−SOMe、−SONH、および−CNよりなる群から独立して選択される1〜2個の置換基を有する置換単環ヘテロアリールよりなる群から選択され、ここで当該単環ヘテロアリールおよび置換単環ヘテロアリールはN、OおよびSよりなる群から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を含み、
但し、
a)2個のヘテロ原子を含みそのひとつがOの場合、他のヘテロ原子はOまたはSでなく;そして
b)2個のヘテロ原子を含みそのひとつがSの場合、他のヘテロ原子はOまたはSでなく;
またはVとZはいっしょになって追加的な4個の原子を介し結合して6員環を形成し、該6員環はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でフェニル基もしくは置換フェニル基と縮合する。
ひとつの側面では、Zは−H、−OMe、−OEt、フェニル、C−Cアルキル、−NR 、−SR、−(CH)p−OR、−(CH)p−SR、および−OCORよりなる群から選択され、RはC−Cアルキルであり、RはC−Cアルキル、単環アリール、および単環アラルキルよりなる群から選択され、RはC−Cアシルである。さらなる側面では、Zは−H、−OMe、−OEt、およびフェニルよりなる群から選択される。
追加的な側面では、WおよびW’は−H、C−Cアルキル、およびフェニルよりなる群から独立して選択され、またはWおよびW’は一緒に追加的な2〜5個の原子を介して結合し環状基を形成する。さらに別の側面ではWおよびW’は−H、メチルおよびVよりなる群から独立して選択され、またはWおよびW’はそれぞれメチルであるが、WがVの場合W’はHである。
ひとつの側面では、Vは任意で置換された単環アリールおよび任意で置換された単環ヘテロアリールよりなる群から選択され;WおよびW’は−H、メチルおよびVよりなる群から独立して選択され、またはWおよびW’はそれぞれメチルであるが、WがVの場合W’はHであり;Zは−H、−OMe、−OEt、フェニル、C−Cアルキル、−NR 、−SR、−(CH−OR、−(CH−SR、および−OCORよりなる群から選択され;またはVとZは一緒に追加的な3〜5個の原子とともに環状基を形成し、該環状基は任意で1個のヘテロ原子を含み、リンに結合したOに対してβ位およびγ位でアリール基と縮合し;またはZとWは一緒に追加的な3〜5個の原子とともに環状基を形成し、該環状基は任意で1個のヘテロ原子を含み;またはWとW’は一緒に追加的な2〜5個の原子とともに環状基を形成し;RはC−Cアルキルであり;RはC−Cアルキル、単環アリール、および単環アラルキルよりなる群から選択され、RはC−Cアシルである。
別の側面では、Vはフェニル;ハロゲン、C−Cアルキル、−CF、−OR、−OR12、−COR、−CO、−NR 、−NR12 、−CONR 、−SR、−SO、−SONR および−CNよりなる群から独立して選択される1〜3個の置換基を有する置換フェニル、単環ヘテロアリール;ハロゲン、C−Cアルキル、−CF、−OR、−OR12、−COR、−CO、−NR 、−NR12 、−CONR 、−SR、−SO、−SONR 、および−CNよりなる群から独立して選択される1〜2個の置換基を有する置換単環ヘテロアリールよりなる群から選択され、ここで当該単環ヘテロアリールおよび置換単環ヘテロアリールはN、OおよびSよりなる群から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を含み、
但し、
a)2個のヘテロ原子を含みそのひとつがOの場合、他のヘテロ原子はOまたはSでなく;そして
b)2個のヘテロ原子を含みそのひとつがSの場合、他のヘテロ原子はOまたはSでなく;
WおよびW’は−H、メチルおよびVよりなる群から独立して選択され、またはWおよびW’はそれぞれメチルであるが、WがVの場合W’はHであり;
Zは−H、−OMe、−OEt、フェニル、C−Cアルキル、−NR 、−SR、−(CH−OR、−(CH−SR、および−OCORよりなる群から選択され;またはVとZは一緒に追加的な3〜5個の原子とともに環状基を形成し、該環状基は任意で1個のヘテロ原子を含み、リンに結合したOに対してβ位およびγ位でアリール基と縮合し;またはZとWは一緒に追加的な3〜5個の原子とともに環状基を形成し、該環状基は任意で1個のヘテロ原子を含み;またはWとW’は一緒に追加的な2〜5個の原子とともに環状基を形成し;RはC−Cアルキル;RはC−Cアルキル;RはC−Cアルキル、単環アリール、および単環アラルキルよりなる群から選択され、RはC−Cアシルである。
さらなる側面では、Vはフェニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OMe、−NMe、−OEt、−COt−ブチル、−CONH、SMe、−SOMe、−SONH、および−CNよりなる群から独立して選択される1〜3個の置換基を有する置換フェニル;単環ヘテロアリール;および−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OMe、−NMe、−OEt、−COt−ブチル、−CONH、SMe、−SOMe、−SONH、および−CNよりなる群から独立して選択される1〜2個の置換基を有する置換単環ヘテロアリール余栄なる群から選択され、ここで当該単環ヘテロアリールおよび置換単環ヘテロアリールはN、OおよびSよりなる群から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を含み、
但し、
a)2個のヘテロ原子を含みそのひとつがOの場合、他のヘテロ原子はOまたはSでなく;そして
b)2個のヘテロ原子を含みそのひとつがSの場合、他のヘテロ原子はOまたはSでなく;
または
WおよびW’は−H、メチルおよびVよりなる群から独立して選択され、またはWおよびW’はそれぞれメチルであるが、WがVの場合W’はHであり;
Zは−H、−OMe、−OEt、フェニル、C−Cアルキル、−NR 、−SR、−(CH−OR、−(CH−SR、および−OCORよりなる群から選択され;またはVとZは一緒に追加的な4個の原子とともに6員環を形成し、該6員環はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でフェニル基もしくは置換フェニル基と縮合し;またはZとWは一緒に追加的な3〜5個の原子とともに環状基を形成し、該環状基は任意で1個のヘテロ原子を含み;またはWとW’は一緒に追加的な2〜5個の原子とともに環状基を形成し;RはC−Cアルキル;RはC−Cアルキル、単環アリール、および単環アラルキルよりなる群から選択され、RはC−Cアシルである。
さらに別の側面では、Vはフェニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、および−CFよりなる群から独立して選択される1〜2個の置換基を有する置換フェニル;ピリジル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、および−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換ピリジル;フラニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、および−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換フラニル;チエニル;および−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、および−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換チエニルよりなる群から選択され;
WおよびW’は−H、メチルおよびVよりなる群から独立して選択され、またはWおよびW’はそれぞれメチルであるが、WがVの場合W’はHであり;
Zは−H、−OMe、−OEt、フェニル、C−Cアルキル、−NR 、−SR、−(CH−OR、−(CH−SR、および−OCORよりなる群から選択され;またはZとWは一緒に追加的な3〜5個の原子とともに環状基を形成し、該環状基は任意で1個のヘテロ原子を含み;またはWとW’は一緒に追加的な2〜5個の原子とともに環状基を形成し;RはC−Cアルキル;RはC−Cアルキル、単環アリール、および単環アラルキルよりなる群から選択され、RはC−Cアシルである。
さらなる側面では、Vはフェニル、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3-ブロモ-4-フルオロフェニル、2-ピリジル、3-ピリジル、および4-ピリジルよりなる群から選択され;Zは−H、−OMe、−OEt、およびフェニルよりなる群から選択され;WおよびW’は−H、およびフェニルよりなる群から独立して選択され、またはWおよびW’はそれぞれメチルである。
ひとつの側面では、Z、WおよびW’はそれぞれメチルである。別の側面では、VとWが同一であり、それぞれ任意で置換された単環アリールおよび任意で置換された単環ヘテロアリールよりなる群から選択される。
別の側面では、Bは
Figure 2007522237
を表し;
Vは3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、および4-ピリジルよりなる群から選択され;Z、WおよびW’はそれぞれ-Hである。
さらに別の側面では、Bは
Figure 2007522237
を表し;
Vは3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、および4-ピリジルよりなる群から選択され;Z、WおよびW’はそれぞれ−Hである。
さらなる側面では、Bは
Figure 2007522237
を表し;
Vは3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、および4-ピリジルよりなる群から選択され;Z、WおよびW’はそれぞれ-Hである
追加的な側面では、Bは
Figure 2007522237
を表し;
Vは3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、および4-ピリジルよりなる群から選択され;Z、WおよびW’はそれぞれ-Hである
本発明のさらなる側面では式Vの化合物
Figure 2007522237
(式中、リボース糖部分のVと5'-オキシメチレン基は互いにシス位にあり、Bは下記の群
Figure 2007522237
より選択され、そしてVは任意で置換された単環アリールおよび任意で置換された単環ヘテロアリールよりなる群から選択される。)
およびその薬学的に許容されるプロドラッグまたは塩が含まれる。
さらなる側面では、本発明は式Vの化合物
Figure 2007522237
(式中、リボース糖部分のVと5'-オキシメチレン基は互いにシス位にあり、Bは下記
Figure 2007522237
で表され、そしてVは任意で置換された単環アリールおよび任意で置換された単環ヘテロアリールよりなる群から選択される。)
またはその薬学的に許容されるプロドラッグまたは塩を含む。
追加的な側面では、Vはフェニル;ハロゲン、C−Cアルキル、−CF、−OR、−OR、−OR12、−COR、−CO、−NR 、−NR12 、−CONR2、SR、−SO、−SONR 、および−CNよりなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されたフェニル;単環ヘテロアリール;およびハロゲン、C−Cアルキル、−CF、−OR、−OR、−OR12、−COR、−CO、−NR 、−NR12 、−CONR2、SR、−SO、−SONR 、および−CNよりなる群から独立して選択される1〜2個の置換基で置換された置換単環ヘテロアリールよりなる群から選択され、ここで当該単環ヘテロアリールおよび置換単環ヘテロアリールはN、OおよびSよりなる群から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を含み、但し、
a)2個のヘテロ原子を含みそのひとつがOの場合、他のヘテロ原子はOまたはSでなく;そして
b)2個のヘテロ原子を含みそのひとつがSの場合、他のヘテロ原子はOまたはSでなく;RはC−Cアルキルである。
さらなる側面では、Vはフェニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OMe、−NMe、−OEt、−COt−ブチル、−CONH、SMe、−SOMe、−SONH、および−CNよりなる群から独立して選択される1〜3個の置換基を有する置換フェニル;単環ヘテロアリール;および−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OMe、−NMe、−OEt、−COt−ブチル、−CONH、−SMe、−SOMe、−SONH、および−CNよりなる群から独立して選択される1〜2個の置換基を有する置換単環ヘテロアリールなる群から選択され、ここで当該単環ヘテロアリールおよび置換単環ヘテロアリールはN、OおよびSよりなる群から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を含み、但し、
a)2個のヘテロ原子を含みそのひとつがOの場合、他のヘテロ原子はOまたはSでなく;そして
b)2個のヘテロ原子を含みそのひとつがSの場合、他のヘテロ原子はOまたはSでなく;またはVとZは一緒に追加的な4個の原子とともに6員環を形成し、該6員環はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でフェニル基もしくは置換フェニル基と縮合する。
追加的な側面では、Vはフェニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、および−CFよりなる群から独立して選択される1〜2個の置換基を有する置換フェニル;ピリジル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、および−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換ピリジル;フラニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、および−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換フラニル;チエニル;および−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、および−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換チエニルよりなる群から選択される。
さらに別の側面では、Vはフェニル、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3-ブロモ-4-フルオロフェニル、2-ピリジル、3-ピリジル、および4-ピリジルよりなる群から選択される。別の側面では、Vは3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3-ピリジル、および4-ピリジルよりなる群から選択される。
さらなる側面では、本発明は式II
Figure 2007522237
式中、Bは下式
Figure 2007522237
よりなる群から選択され、Vは、任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から選択され;
WおよびW’は−H、メチルおよびVよりなる群から独立して選択され、またはWおよびW’はそれぞれメチルであるが、WがVの場合W’はHであり;Zは−H、−OMe、−OEt、フェニル、C−Cアルキル、−NR 、−SR、−(CH−OR、−(CH−SR、および−OCORよりなる群から選択され;またはVとZは一緒に追加的な3〜5個の原子とともに環状基を形成し、該6環状基は任意で1個のヘテロ原子を含み、リンに結合したOに対してβ位およびγ位でアリール基と縮合し;またはZとWは一緒に追加的な3〜5個の原子とともに環状基を形成し、該環状基は任意で1個のヘテロ原子を含み;またはWとW’は一緒に追加的な2〜5個の原子とともに環状基を形成し;RはC−Cアルキル;RはC−Cアルキル、単環アリール、および単環アラルキルよりなる群から選択され、RはC−Cアシルであり;RとRは水素、C−Cアシル、およびC−Cアルコキシカルボニルから独立して選択され、または天然のL-アミノ酸とカルボニル基を介し結合してエステルを形成し、またはRとRは一緒になり環状の炭酸エステルを形成し;Rはアミノ、アジド、−N=CHN(R)、−NHC(O)R、および−NHC(O)ORよりなる群から選択され;R10はOR、ハロゲンおよびHよりなる群から選択される。
別の側面では、本発明は式IIの化合物
Figure 2007522237
(式中、Bは下式
Figure 2007522237
よりなる群から選択され;
Vは、任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から選択され;
WおよびW’は−H、メチルおよびVよりなる群から独立して選択され、またはWおよびW’はそれぞれメチルであるが、WがVの場合W’はHであり;Zは−H、−OMe、−OEt、フェニル、C−Cアルキル、−NR 、−SR、−(CH−OR、−(CH−SR、および−OCORよりなる群から選択され;またはVとZは一緒になって追加的な3〜5個の原子とともに環状基を形成し、該環状基は任意で1個のヘテロ原子を含み、リンに結合したOに対してβ位およびγ位でアリール基と縮合し;またはZとWは一緒になって追加的な3〜5個の原子を介して環状基を形成し、該環状基は任意で1個のヘテロ原子を含み;またはWとW’は一緒に追加的な2〜5個の原子を介して環状基を形成し;)を包含し;RはC−Cアルキル;RはC−Cアルキル、単環アリール、および単環アラルキルよりなる群から選択され、RはC−Cアシル;RとRは水素、C−Cアシル、およびC−Cアルコキシカルボニルから独立して選択され、または天然のL-アミノ酸とカルボニル基を介し結合してエステルを形成し、またはRとRは一緒になり環状の炭酸エステルを形成し;R10はOR、OR、ハロゲンおよびHよりなる群から選択される。
本発明のさらなる側面では、式IIIの化合物
Figure 2007522237
(式中、リボース糖部分のVと5'-オキシメチレン基は互いにシス位にあり、Bは下式
Figure 2007522237
よりなる群から選択され;
Vは任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から選択され;RはC−Cアルキル;RはC−Cアシル;RとRは水素、C−Cアシル、およびC−Cアルコキシカルボニルから独立して選択され、または天然のL-アミノ酸とカルボニル基を介し結合してエステルを形成し、またはRとRは一緒になり環状の炭酸エステルを形成し;Rはアミノ、アジド、−N=CHN(R)、−NHC(O)R、および−NHC(O)ORよりなる群から選択され;R10はOR、ハロゲンおよびHよりなる群から選択される。)
を包含する。
ひとつの側面では、Vはフェニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OMe、−NMe、−OEt、−COt−ブチル、−CONH、SMe、−SOMe、−SONH、および−CNよりなる群から独立して選択される1〜3個の置換基を有する置換フェニル;単環ヘテロアリール;および−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OMe、−NMe、−OEt、−COt−ブチル、−CONH、−SMe、−SOMe、−SONH、および−CNよりなる群から独立して選択される1〜2個の置換基を有する置換単環ヘテロアリールなる群から選択される。別の側面では、Vは、フェニル、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3-ブロモ-4-フルオロフェニル、2-ピリジル、3-ピリジル、および4-ピリジルよりなる群から選択される。
別の側面では、本発明は式IIIの化合物
Figure 2007522237
(式中、リボース糖部分のVと5'-オキシメチレン基は互いにシス位にあり、Bは下式
Figure 2007522237
よりなる群から選択され;
Vは、任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から選択され;RはC−Cアルキル;RはC−Cアシル;RとRは水素、C−Cアシル、およびC−Cアルコキシカルボニルから独立して選択され、または天然のL-アミノ酸とカルボニル基を介し結合してエステルを形成し、またはRとRは一緒になり環状の炭酸エステルを形成し;R10はOR、OR、NH、NHR、ハロゲンおよびHよりなる群から選択される。)
を包含する。
ひとつの側面では、Vはフェニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OMe、−NMe、−OEt、−COt−ブチル、−CONH、SMe、−SOMe、−SONH、および−CNよりなる群から独立して選択される1〜3個の置換基を有する置換フェニル;単環ヘテロアリール;および−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OMe、−NMe、−OEt、−COt−ブチル、−CONH、−SMe、−SOMe、−SONH、および−CNよりなる群から独立して選択される1〜2個の置換基を有する置換単環ヘテロアリールなる群から選択される。別の側面では、Vは、フェニル、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3-ブロモ-4-フルオロフェニル、2-ピリジル、3-ピリジル、および4-ピリジルよりなる群から選択される。
さらなる側面では、本発明化合物は式VIの化合物
Figure 2007522237
(式中、XはNH、NHCH、N(CH)、OCH、およびSCHよりなる群から選択され;
YおよびY’は独立してOまたはNH;
V、W、およびW’は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはアルカリルであって、それぞれ任意で置換され;
Zは水素、CHWOH、CHWOCOW’、SW、またはCHアリールである。)
を包含する。
別の側面では、本発明は式VIIの化合物
Figure 2007522237
(式中、Bは下式
Figure 2007522237
よりなる群から選択され;
XはNH、NHCH、N(CH)、OCH、SCH、OHおよびSHよりなる群から選択され;
YおよびY’は独立してOまたはNHであり;
14はHおよびNHよりなる群から独立して選択され;
ヘテロ環状塩基は、分子量が150より小さく、そしてハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルカリル、シクロアルキル、アシル、およびアルコキシよりなる群から選択される置換基でその任意の位置においてさらに置換されてもよく、ここで該置換基はそのヘテロ環状塩基の6-位と炭素、硫黄、酸素、またはセレンを介して縮合してもよく;
V、WおよびW’は独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはアルカリルでいずれも任意で置換され;
Zは水素、CHWOH、CHWOCOW’、SW、またはCHアリールである。)
を包含する。
別の側面では、Bは下式
Figure 2007522237
よりなる群から選択される。
さらに別の側面では、BはBは下式
Figure 2007522237
よりなる群から選択される。
別の側面では、XはNHである。
さらなる側面では、本発明は下式
Figure 2007522237
を包含する。
別の側面では、本発明は下式
Figure 2007522237
を包含する。
さらなる側面では、本発明は下式
Figure 2007522237
を包含する。
別の側面では、本発明は下式
Figure 2007522237
を包含する。
さらなる側面では、本発明は下式
Figure 2007522237
を包含する。
本発明の別の側面では、本発明化合物はV結合炭素においてR-立体化学、リン中心においてS-立体化学を有する。別の側面では、本発明化合物はV結合炭素においてS-立体化学、リン中心においてR-立体化学を有する。
ひとつの側面において、本発明には次の化合物が含まれるが、化合物はこれら図示された化合物に限定されない。
次のプロドラッグは本発明の好ましい化合物である。これら化合物はジアステレオマー混合物若しくは単一の立体異性体で生物学的に活性なので立体化学を記述することなく示す。Table1に挙げた化合物は、以下の式:M1、V、L1およびL2の変数を用いて割り当てられる番号により、示される。M1は5'-ヒドロキシ基を介して結合する式Iのヌクレオシドを表す変数で、P(O)(O−CH(V)CHCH−O)基によりリン酸化されて式VIの化合物を形成する。Vは指定された二つの位置、L1およびL2に二つに置換基を有するアリール若しくはヘテロアリ−ル基である。Vは追加的に置換基を有してもよい。
Figure 2007522237
変数M1:
1)
Figure 2007522237
2)
Figure 2007522237
3)
Figure 2007522237
4)
Figure 2007522237
変数V:グループVI
1)2−(L1)−3(L2)−フェニル
2)2−(L1)−4(L2)−フェニル
3)2−(L1)−5(L2)−フェニル
4)2−(L1)−6(L2)−フェニル
5)3−(L1)−4(L2)−フェニル
6)3−(L1)−5(L2)−フェニル
7)3−(L1)−6(L2)−フェニル
8)2−(L1)−6(L2)−3−クロロフェニル
9)4−(L1)−5(L2)−3−クロロフェニル
変数V:グループV2
1)2−(L1)−3(L2)−4−ピリジル
2)2−(L1)−5(L2)−4−ピリジル
3)2−(L1)−6(L2)−4−ピリジル
4)3−(L1)−5(L2)−4−ピリジル
5)3−(L1)−6(L2)−4−ピリジル
6)2−(L1)−4(L2)−3−ピリジル
7)2−(L1)−5(L2)−3−ピリジル
8)2−(L1)−6(L2)−3−ピリジル
9)4−(L1)−5(L2)−3−ピリジル
変数V:グループV3
1)4−(L1)−6(L2)−3−ピリジル
2)5−(L1)−6(L2)−3−ピリジル
3)3−(L1)−4(L2)−2−ピリジル
4)3−(L1)−5(L2)−2−ピリジル
5)3−(L1)−6(L2)−2−ピリジル
6)4−(L1)−5(L2)−2−ピリジル
7)4−(L1)−6(L2)−2−ピリジル
8)3−(L1)−4(L2)−2−チエニル
9)3−(L1)−4(L2)−2−フラニル
変数L1
1)水素
2)クロロ
3)ブロモ
4)フルオロ
5)メチル
6)トリフルオロメチル
7)メトキシ
8)ジメチルアミノ
9)シアノ
変数L2
1)水素
2)クロロ
3)ブロモ
4)フルオロ
5)メチル
6)トリフルオロメチル
7)メトキシ
8)ジメチルアミノ
9)シアノ
変数M1、V1、L1およびL2をこの順序に従って使用し、好ましい化合物をTable1にリストする。例えば、化合物1.3.6.7は変数M1の構造1、即ち、7-デアザ-2'-メチルアデノシン;グループV1の構造3、即ち、2−(L1)−5−(L2)フェニル;変数L1の構造6、即ち、トリフルオロメチル;および変数L2の構造7、即ち、メトキシを表す。従って、化合物1.3.6.7は、P(O)(O−CH(V)CHCH−O)基が5'-の一級ヒドロキシ基に結合した7-デアザ-2'-メチルアデノシンで、{[1-(2-トリフルオロメチル-5-メトキシフェニルl)-1,3-プロピル]ホスホリルである。
変数M1とV2を用い、4桁の番号がM1、V2、L1およびL2を表すTable1の化合物もまた好ましい化合物である。
変数M1とV3を用い、4桁の番号がM1、V3、L1およびL2を表すTable1の化合物もまた好ましい化合物である。
Figure 2007522237
Figure 2007522237
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別のグループの好ましい化合物がTable2に挙げられ、次の式M1、V/Z/Wを用いて式Iの変数に割り当てられる数字により示されている。これら化合物は、ジアステレオマー混合物若しくは単一の立体異性体で生物学的に活性なので立体化学を記述することなく示す。M1は5'-ヒドロキシ基を介して結合する式Iのヌクレオシドを表す変数で、P(O)(O−CH(V)CHCH−O)基によりリン酸化されて式Iの化合物
Figure 2007522237
を形成する。
変数M1の構造は上記と同一である。
変数V/Z/W:V/Z/Wのグループ1
1) V=3-クロロフェニル;Z=メチル;W=水素
2) V=3,5-ジクロロフェニル;Z=メチル;W=水素
3) V=4-ピリジル;Z=メチル;W=水素
4) V=3-クロロフェニル;Z=メトキシ;W=水素
5) V=3,5-ジクロロフェニル;Z=メトキシ;W=水素
6) V=4-ピリジル;Z=メトキシ;W=水素
7) V=3-クロロフェニル;Z=水素;W=3-クロロフェニル
8) V=3,5-ジクロロフェニル;Z=水素;W=3,5-ジクロロフェニル
9) V=4-ピリジル;Z=水素;W=4-ピリジル
変数V/Z/W:V/Z/Wのグループ2
1) V=3-クロロフェニル;Z=NHAc;W=水素
2) V=3,5-ジクロロフェニル;Z=NHAc;W=水素
3) V=4-ピリジル;Z=NHAc;W=水素
4) V=3-クロロフェニル;Z=水素;W=メチル
5) V=3,5-ジクロロフェニル;Z=水素;W=メチル
6) V=4-ピリジル;Z=水素;W=メチル
7) V=3-クロロフェニル;Z=アセトキシ;W=水素 8) V=3,5-ジクロロフェニル;Z=アセトキシ;W=水素
9) V=4-ピリジル;Z=アセトキシ;W=水素
変数V/Z/W:V/Z/Wのグループ3
1) V=フェニル;Z=フェニル;W=水素
2) V=フェニル;Z=Vにおいてフェニルに縮合し、6員環を形成する−CH−CH−;W=水素
3) V=フェニル;Z=H;W=Vにおいてフェニルに縮合し、6員環を形成する−CH−CH
4) V=フェニル;Z=H;W=W’=メチル
5) V=フェニル;Z=H;WおよびW’=6員環を形成する、−CH−CH−CH−CH
6) V=フェニル;ZおよびW=6員環を形成する、−CH−CH−CH−CH
7) V=3-クロロフェニル;Z=CHCHCHOC(O)OCH;W=水素
8) V=3-クロロフェニル;Z=CHCHCHSC(O)CH;W=水素
9) V=4-ピリジル;Z=CHCHCHOC(O)OCH;W=水素
10) V=4-ピリジル;Z=CHCHCHSC(O)CH;W=水素
特に指定のない限り、W’は水素である。
M1およびV/Z/Wのグループ1を用いてTable2の挙げられた化合物は好ましい化合物である。例えば、化合物1.3は、M1の構造1、即ち、7-デアザ-2'-メチルアデノシン;そしてV/Z/Wのグループ1の構造3、即ち、V=4-ピリジル、Z=メチル、およびW=水素を表す。従って、化合物1.3は、P(O)(O−CH(4-ピリジル)CH(CH)CHO)基が一級ヒドロキシ基に結合した7-デアザ-2'-メチルアデノシンである。
変数M1とV/Z/Wのグループ2を用い、Table2に挙げられた化合物もまた好ましい化合物である。
変数M1とV/Z/Wのグループ3を用い、Table2に挙げられた化合物もまた好ましい化合物である。
Figure 2007522237
式VI-VIIIのTable1および2の化合物であって、R7がカルボニルを介して結合したL−バリニル基で、R7とR8が5員環の環状炭酸エステルを形成する化合物もまた、好ましい化合物である。
その上、本発明化合物はウイルス複製の阻害のために使用することができる。別の側面では、本発明化合物はRNA依存性のRNAウイルス複製の阻害のために使用することができる。さらなる側面においては、本発明化合物はHCV複製の阻害のために使用することができる。
別の側面では、本発明化合物はウイルス感染の治療のために使用することができる。さらなる側面においては、本発明化合物はRNA依存性のRNAウイルス感染の治療のために使用することができる。別の側面では、本発明化合物はHCV感染の治療のために使用することができる。
別の側面では、本発明化合物は肝臓のウイルス感染の治療のために使用することができる。さらなる側面においては、本発明化合物は肝臓のRNA依存性のRNAウイルス感染の治療のために使用することができる。別の側面では、本発明化合物は肝臓におけるHCV感染の治療のために使用することができる。
ひとつの側面では、ウイルス複製の阻害は血清中で測定される。増大するウイルス力価の減少は、薬剤耐性に関係するウイルス・ミュータント世代の減少と関連する。
別の側面では、本発明化合物はウイルス感染に関係する症候発現を抑えるために使用することができる。
本発明プロドラッグの活性化はヌクレオシド・モノホスフェート(NMP)を産生する。NMPは肝細胞中でさらにリン酸エステル化され生物学的に活性なヌクレオシド・トリホスフェート(NTP)となる。肝細胞からの薬物離脱は、典型的には、リン酸エステル化代謝物を分解し、肝細胞から外へ、腎臓から離脱のために血中へ、若しくは胆汁中排泄のために胆汁中へ輸送可能な種へ戻すことを必要とする。ヌクレオシド骨格の薬物においてはリン酸化された代謝物はしばしば非荷電ヌクレオシドへと脱リン酸化される。
漏えいして全身循環に戻されたヌクレオシドは全身にまわることになる。ヌクレオシドが全身的に活性であれば、例えばウイルス感染細胞に入ってリン酸化されて活性種となることにより、肝臓からのヌクレオシドの脱離が肝臓外(即ち、肝外組織、血液細胞)での生物学的活性につながる。この場合、本発明のプロドラッグは肝外での病気、例えばウイルス感染の治療に有効となり得る。多くのヌクレオシドは酵素的(例えば、アデノシンデアミナーゼによる脱アミノ化)または化学的(例えば、酸不安定性)に胃腸管内で分解されることにより経口での生物学的利用率が低い値しか示さないので、経口の薬物輸送にプロドラッグを用いることができる。その上、ある場合にはプロドラッグが例えば多くのエステル型のプロドラッグに比較してゆっくりと分解されると仮定すると、そのプロドラッグはヌクレオシドの全身的徐放性を与える利点があり得る。
しかしながら、別の場合には全身をヌクレオシドに晒すことは毒性をもたらし得る。これは、優先的に胆汁に排泄されるヌクレオシド、または組織内でリン酸化されないヌクレオシド、または肝臓内で速やかに生物学的に不活性な代謝物へと代謝されるヌクレオシドを選択することにより最小化することができる。ヌクレオシドを分解しそれによりヌクレオシドに晒すことを最小化し得る酵素(例えば、フェースIおよびフェースII酵素)が肝臓内に存在する。ひとつの例はアデノシンデアミナーゼであり、これはアデノシン型ヌクレオシドを脱アミノ化して相当するイノシンアナログを与える。ヌクレオシドへの脱リン酸化に続く細胞内におけるヌクレオシドの速やかな脱アミノ化は、全身をヌクレオシドに晒すことを制限し毒性の危険性を低下させる。
実施例A−Dに記載された方法は本発明化合物の活性化を試験するために用いられた。実施例Eで用いられた方法は本発明化合物がNTPを生じさせる能力を評価するために用いられた。
ヒト肝組織におけるHCV複製は実施例Fのように評価した。ヌクレオシドと比較してプロドラッグの肝特異性は実施例Gの方法により測定した。
組織分布は実施例Hの方法に従って決定できる。経口の生物学的利用率は実施例Iに記載された方法で決定した。ヌクレオシドアナログの代謝感受性は実施例Jのようにして決定できる。
本発明のひとつの側面では、RNA依存性RNAウイルス感染はプラス鎖単鎖RNA依存性ウイルス感染である。別の側面では、プラス鎖単鎖RNA依存性RNAウイルス感染はフラビ・ウイルス科ウイルス感染またはピコルナ・ウイルス科ウイルス感染である。このクラスのサブクラスでは、ピコルナ・ウイルス科ウイルス感染はライノウイルス感染、ポリオウイルス感染、またはA型肝炎ウイルス感染である。このクラスの二次サブクラスでは、フラビ・ウイルス科ウイルス感染はC型肝炎ウイルス感染、黄熱病ウイルス感染、デング熱ウイルス感染、西ナイルウイルス感染、日本脳炎ウイルス感染、バンジウイルス感染、およびウシ・ウイルス性下痢ウイルス感染よりなる群から選択される。このサブクラスのサブクラスでは、フラビ・ウイルス科ウイルス感染C型肝炎ウイルス感染である。
さらなる側面では、本発明化合物は親薬物の経口の生物学的利用率増強のために用いることができる。別の側面では、本発明化合物は親薬物の経口の生物学的利用率を少なくとも5%増強するために用いることができる。別の側面では、本発明化合物は親薬物の経口の生物学的利用率を少なくとも10%増強するために用いることができる。別の側面では、親薬物を経口投与した場合と比較して経口の生物学的利用率は50%増強される。さらなる側面では、経口の生物学的利用率は100%増強される。
別の側面では、本発明化合物は薬物の治療指数を増加させるために使用できる。
ひとつの側面では、本発明化合物は薬物耐性を回避するために使用できる。
別の側面では、本発明化合物はガンを治療するために使用できる。
製剤化
本発明化合物は一日の全用量0.01〜1000mg/kgが投与される。ひとつの側面では、その範囲は約1mg/kgから約100mg/kgである。別の側面では、その範囲は0.5〜20mg/kgである。この用量は便利なように何回にも分けて投与することができる。
本発明化合物は他の抗ウイルス薬と併用される場合、一日用量としてまたはその一日用量の適切な分画(例えば、ビッド)を投与してもよい。プロドラッグの投与は他の抗ウイルス剤の投与と同時若しくは近接した時刻、または異なる時刻に投与してもよい。本発明化合物は、組み合わせ若しくは「カクテル」療法としても知られている多薬レジメにより用いることができ、多くの薬物が一緒に投与されるが、同じ時刻、若しくは異なる間隔をおいて、または連続して別々に投与することができる。本発明化合物は、別の薬物による一連の治療の後、または別の薬物による治療の期間中に投与してもよく、治療レジメの一部として投与し、または治療プログラムにおいて別の薬物による治療の前に投与してもよい。
本発明の目的のため、化合物は、薬学的に許容される担体、補助剤および基剤を含む剤形で経口、非経口、吸入スプレイ、局所的または経直腸的な投与を含む種々の手段で投与することができる。ここで使用される非経口の語は、種々の注入技術を伴う皮下、静脈内、筋肉内、および動脈内注を包含する。ここで使用する動脈内および静脈内注はカテーテルを通じた投与を含む。静脈内注が通常好まれる。
薬学的に許容される塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、ベシル酸塩、臭化物、カムシル酸塩、塩化物、クエン酸塩、エデイシル酸塩、エストル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、馬尿酸塩、ヒクル酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、マレイン酸塩、メシル酸塩、臭化メチル、硫酸メチル、コハク酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テレフタル酸塩、トシル酸塩、およびトリエチオダイドが含まれる。
有効成分を含む薬学的組成物はどのような形態でも意図された投与方法に適している。例えば経口的使用の場合、錠剤、トローチ、ドロップ剤、水性若しくは油性懸濁液、分散粉末若しくは顆粒、乳化液、ハード若しくはソフトカプセル、シロップまたはエリキシルが調製される。経口的使用を意図した組成物は薬学的組成物製造の分野で知られたいずれも方法によっても調製することができ、口当たりのよい調製物を提供するために、そのような組成物は甘味料、香料、着色剤、および保存剤を含むひとつ以上の薬剤を含むことができる。錠剤製造に適した、薬学的に許容される無毒の賦形剤と混合した有効成分を含む錠剤は、許容される。これらの賦形剤は例えば、炭酸カルシウムやナトリウム、乳糖、リン酸カルシウムやナトリウムのような不活性な希釈剤;トウモロコシデンプンやアルギン酸のような造粒および崩壊剤;デンプン、ゼラチンまたはアカシアのような結合剤;およびステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルクのような滑沢剤である。錠剤はコーティングなしでも、また公知技術によりコーティングしてもよく、該技術には胃腸管における吸収と崩壊を遅らせ、長時間にわたり持続性の作用を与えるミクロカプセル化が含まれる。例えば、モノステアリン酸グリセリンやジステアリン酸グリセリンのような遅延剤単独またはワックスとの併用が用いられる。
硬ゼラチンカプセルとしてもまた経口使用のための製剤が提供され、この場合有効成分が例えばリン酸カルシウムまたはカオリンのような不活性な固体の希釈剤と混合される。また、軟ゼラチンカプセルとしても経口使用のための製剤が提供され、この場合は有効成分が例えば水またはピーナツオイル、液体パラフィン、オリーブオイルのような油性媒体と混合される。
本発明の水性懸濁液は、水性懸濁液製造のために適した賦形剤と混合された有効成分を含む。そのような賦形剤には、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルメチルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム、およびアカシアガムのような懸濁剤;天然に存在するホスファチド(例えばレシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンステアレート)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、脂肪酸と無水ヘキシトールから誘導される部分エステルおよびエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)のような分散若しくは湿潤剤を含む。水性懸濁液はまた、ひとつ以上の保存剤、例えばp−ヒドロキシ安息香酸エチル若しくはn−プロピル;ひとつ以上の着色剤;ひとつ以上の香料;およびひとつ以上の甘味料、例えばスクロース若しくはサッカリン等を含んでもよい。
油性懸濁液は有効成分を例えばアラキド油、オリーブ油、ゴマ油、ココナツ油等の野菜オイル、または液体パラフィンのような鉱物油中に懸濁して製剤化される。経口用懸濁液は、蜜ろう、硬パラフィン、セチルアルコールのような増粘剤を含んでもよい。上記のような甘味料、香料を添加して口当たりのよい経口剤を適用することができる。これらの組成物はアスコルビン酸のような抗酸化剤を添加し保存性を与えることができる。
水性懸濁液の調製に適した、本発明の分散性粉末若しくは顆粒は、水を加えることで分散剤若しくは湿潤剤、懸濁剤およびひとつ以上の保存剤との混合物中の有効成分を提供する。適切な分散剤若しくは湿潤剤、および懸濁剤は上記の開示で例示される。追加的な賦形剤、例えば、甘味料、香料、着色料が存在してもよい。
本発明の薬学的組成物は水中油型乳化液の形態であってもよい。油相はオリーブ油やアラキド油のような野菜油、液体パラフィンのような鉱物油、またはこれらの混合物であってよい。適切な乳化剤としては、アカシアガムやトラガカントガムのような天然に存在するガム;大豆レシチンのような天然に存在するホスファチド;ソルビタンモノオレエートのようなヘキシトールおよび脂肪酸から誘導されるエステル若しくは部分エステル、およびポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートのようなエチレンオキシドとこれら部分エステルとの縮合生成物を含む。乳化液はまた甘味料および香料を含んでもよい。
シロップおよびエリキシルは、グリセロール、ソルビトールおよびスクロースのような甘味料で製剤化される。そのような製剤はまた、粘滑剤、保存剤、香料または着色剤を含んでもよい。
本発明の薬学的組成物は、無菌の水性若しくは油性懸濁液のような無菌の注射剤の形態でもよい。この懸濁液は公知の技術に従い、上記の適切な分散剤若しくは湿潤剤および懸濁化剤を用いて調製できる。無菌の注射用製剤はまた無菌の注射用溶液若しくは懸濁液でもよく、無毒で許容される非経口希釈剤若しくは溶媒中で、例えば1,3-ブタンジオール溶液としてまたは凍結乾燥粉末として調製される。許容される基剤および溶媒の中で用いられるのは水、リンゲル液および塩化ナトリウム等張液である。加えて、無菌の固定オイルが慣用的に溶媒若しくは懸濁媒体として用いられる。この目的のため、合成モノ若しくはジグリセリドを含む、任意の無刺激性固定オイルを用いることができる。加えて、オレイン酸のような脂肪酸も同様に注射剤製造に用いることができる。
担体物質と組み合わせて単回投与量形態を提供する有効成分の量は治療される宿主および個々の投与の方法により変化するであろう。例えば、ヒトへの経口投与を意図した時間-放出製剤は、活性物質化合物を20〜2000 μモル(およそ 10〜1000 mg)、そして総組成物の約5〜約95%の範囲で変化する担体物質を適切な、そして都合のよい量含む。薬学的組成物は投与量を簡単に測定できる量で提供されることが好ましい。例えば、静脈内注入を意図した水溶液は約30 mL/hの速度で適切な量が注入できるように、約0.05〜約50μモル(およそ 0.025〜25 mg)の有効成分を溶液mlあたり含むべきである。
上記のとおり、経口投与に適した本発明の製剤は、それぞれがあらかじめ決められた量の有効成分を含む、例えばカプセル、キャセイ若しくは錠剤のような個々の単位で;粉末若しくは顆粒で;水性若しくは非水性液体の溶液若しくは懸濁液で;または水中油性の乳化液若しくは油中水性の乳化液として、提供することができる。有効成分はまたボーラス、舐剤若しくはペーストとして投与することもできる。
錠剤は、任意でひとつ以上の補助成分とともに加圧または成型により作られる。加圧錠剤は適切な機械で、自由な流動形態、例えば粉体または顆粒中、結合剤(例えば、ポビドン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、非活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポビドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、界面活性剤または分散剤等と任意で混合して調製され得る。成形錠剤は、粉末化した化合物の混合物を不活性な液体希釈剤で湿潤させて適切な機械でこれを成形することにより調製される。錠剤は任意でコーティングし、切り目を入れ、または有効成分の放出遅延若しくは制御をするため製剤化されてもよい。この所望の放出特性を与えるためには、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースが種々の比率で加えられる。錠剤はまた任意で、その一部が胃よりも腸内で放出されるように、腸溶性コーティングをして提供されてもよい。これは特に式Iの化合物において酸による加水分解を受けやすい場合には有利である。
口の中での局所投与に適した製剤には、通常はスクロースおよびアカシア若しくはトラガカントのような味のついた基剤中に有効成分を含むトローチ剤;ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアのような非活性基剤中に有効成分を含む芳香錠;および適切な液体担体中に有効成分を含むマウスウォッシュが含まれる。
直腸投与のための製剤は、例えばココアバターまたはサリチル酸塩を含む適切な基剤を用いた座剤として提供される。膣内投与に適した製剤としては、有効成分に加えて当該分野で適切と知られている担体を含む、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、またはスプレイ製剤として提供される。
非経口投与に適した製剤には、水性若しくは非水性の等張殺菌注射溶液が含まれ、これらは抗酸化剤、緩衝液、静菌剤および製剤を意図された患者の血液と等張化するための溶質を含む;また、懸濁化剤と増粘剤を含む水性若しくは非水性の殺菌懸濁液が含まれる。製剤は用量単位または多用量密封容器で提供され、例えば、アンプル、バイアル、および使用の直前に殺菌液体担体、例えば注射用水を加えるのみの凍結乾燥体として蓄えられる。注射溶液、懸濁液は殺菌粉体、顆粒および前に述べた種類の錠剤から調製される。
非経口投与に適した製剤は、体内留置ポンプや点滴バッグを介して連続的注入により投与することができる。連続注入には外部ポンプによる注入が含まれる。注入は、ヒックマン(Hickman)、PICCまたはその他の非経口若しくはi.v.の製剤投与手段によりなされる。
好ましい単位投与量製剤は、薬物の一日用量若しくは単位、一日サブ用量、またはその適切な分割を含むものである。しかしながら、当業者によく知られているように個々の患者の具体的な用量レベルは種々の因子に依存することを理解すべきであろう;これら因子には、具体的に使用された化合物の活性;治療を受ける個人の年齢、体重、全体の健康、性別、食事;投与時間とその経路;排泄速度;以前投与されていた薬物;および治療される個々の病気の重篤度等が含まれる。
本発明の他の側面は、本発明化合物、およびHCV治療に使用される他のひとつ以上の薬物との併用による、HCV複製阻害またはHCV感染治療の方法に関連する。HCVに対して有効な薬物には、限定はされないが、リバビリン、レボビリン、ビラミジン、チモシンα-1、インターフェロン-β、インターフェロン-α、ペグ化インターフェロン-α(ペグインターフェロン-α)、インターフェロン-αとリバビリンの併用、ペグインターフェロン-αとリバビリンの併用、インターフェロン-αとレボビリンの併用、およびペグインターフェロン-αとレボビリンの併用等が含まれる。インターフェロン-αには、限定はされないが、リコンビナントインターフェロン-α2a(ロフェロンインターフェロン、ホフマン・ラロシュ、Nutley, NJ)、ペグ化インターフェロン-α2a(Pegasys(商標))、インターフェロン-α2b(イントロン-Aインターフェロン、シェリング・コーポレーション、Kenilworth, NJ)、ペグ化インターフェロン-α2b(PegIntron(商標))、リコンビナント・コンセンサス・インターフェロン(インターフェロン アルファコン-1等)、および高純度インターフェロン-α製品が含まれる。
アムジェンのリコンビナント・コンセンサス・インターフェロンは登録商標がInfergenである。レボビリンはリバビリンのL-エナンチオマーであってリバビリンと類似の免疫調節作用を示す。ビラミジンは肝臓を標的としたリバビリンのプロドラッグアナログであってWO 01/60379に開示されている(権利者ICN ファーマシューティカルズ)。本発明の方法に関連して組み合わせられる個々の成分は治療期間中異なる時刻に別々に投与することもできるし、また分割した若しくは単一の組み合わせ形態で同時に投与してもよい。従って、本発明は同時のまたは交互の処置を包含すると理解されるべきであるし、「投与」の語はそのように解釈すべきである。本発明化合物とHCV感染治療に有用な他の医薬との組み合わせの範囲は基本的にHCV感染を治療するための任意の薬学的組成物を包含すると理解されよう。本発明化合物若しくはその薬学的に許容される塩がHCVに対して有効な第二の医薬と組み合わせて用いられる場合、各化合物の用量は単独で用いられる場合と同じかまたは異なる。
また、式Iの化合物若しくはプロドラッグまたはその薬学的に許容される塩、およびウイルス感染特にHCV感染の治療に用いられる少なくともひとつの医薬を含む薬学的組成物も本発明の範囲に包含される。
HCV感染を治療するため、本発明化合物はまたHCV NS3セリンプロテアーゼの阻害剤と組み合わせて投与してもよい。HCV NS3セリンプロテアーゼはウイルスに必須の酵素でHCV複製の阻害には格好の標的であるとされている。HCV NS3セリンプロテアーゼの基質阻害剤および非基質阻害剤の両方がWO 98/22496、WO 98/46630、WO 99/07733、WO 99/07734、WO 99/38888、WO 99/50230、WO 99/64442、WO 00/09543、WO 00/59929、GB-2337262、WO 02/48116、WO 02/48172、米国特許6,323,180号および同6,410,531号に開示されている。NS3プロテアーゼと本発明化合物を組み合わせた具体的な態様は、BILN 2061(ベーリンガー・インゲルハイム)、およびVX-950/LY-570310である。HCV複製阻害剤開発およびHCV感染治療の標的としてのHCV NS3セリンプロテアーゼは、ディモック(B.W.Dymock)、「C型肝炎ウイルス感染の新しい治療法」、Emerging Drugs, 6: 13-42(2001)で議論されている。
リバビリン、レボビリン、およびビラミジンは、細胞内酵素、イノシンモノホスフェートデヒドロゲナーゼ(IMPDH)を阻害することによりグアニンヌクレオチドの細胞内プールを変化させてその抗HCV効果を発揮している可能性がある。IMPDHはグアニンヌクレオチドのデノボ生合成における生合成経路の律速酵素である。リバビリンは細胞内で容易にリン酸化されそのモノホスフェート誘導体がIMPDH阻害剤となる。こうしてIMPDH阻害はHCV複製阻害剤探索のための別の有用な標的となる。従って、本発明化合物はまたIMPDH阻害剤と組み合わせて投与することもできる;このIMPDH阻害剤としては、例えば、WO 97/41211およびWO 01/00622 (権利者ヴァーテクス)に開示のあるVX-497(メリメポジブ);WO 00/25780(権利者ブリストルマイヤーズ・スクイブ)に開示されているような別のIMPDH阻害剤;またはミコフェノレートモフェチル[アリソン等(A.C. Allison and E.M. Eugui), Agents Action, 44(Suppl.): 165(1993)参照]等がある。
HCV感染治療のため、本発明化合物はまた抗ウイルス剤アマンタジンおよびその塩酸塩[その包括的な記載としては、キルシュバウム(J. Kirschbaum), Anal. Profiles Drug Subs. 12: 1-36(1983)参照]と組み合わせて投与することもできる。
本発明化合物はまたHCV感染治療のため抗ウイルス剤の1'-C、2'-C-、または3'-C-分枝リボヌクレオシドと組み合わせてもよい;これらは、ハリー等(R. E. Harry-O'kuru, et al.), J. Org. Chem., 62:1754-1759(1997);ウォルフ等(M. S. Wolfe, et al.), Tetrahedron Lett., 36: 7611-7614 (1995);米国特許3,480,613号(1969年11月25日);国際公開公報、WO 01/90121(2001年11月29日); 国際公開公報、WO 01/92282(2001年12月6日); 国際公開公報WO 02/32920 (2002年4月25日)等に開示され、これらの内容はすべて参考のために援用する。このような分枝リボヌクレオシドとしては、限定はされないが、2'-C-メチルシチジン、2'-C-メチルウリジン、2'-C-メチルアデノシン、2'-C-メチルグアノシン、9-(2-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-2,6-ジアミノプリン、およびそのプロドラッグが含まれる。
本発明化合物はまたHCV感染治療のため抗HCV作用を有する他のヌクレオシドと組み合わせてもよい;これらヌクレオシドとしては、例えば権利者が三菱ファルマのWO 02/51425 (2002年7月4日);権利者がファルマセット(Pharmasset, Ltd.)のWO 01/79246、WO 02/32920 (2002年4月25日)、およびWO 02/48165 (2002年6月20日);権利者がICNファルマシューティカルズ(ICN Pharmaceuticals)のWO 01/68663 (2001年9月20日);権利者がホフマン・ラロシュのWO 02/18404 (2002年3月7日);U.S. 2002/0019363 (2002年2月14日);権利者がメルク(Merck & Co.)およびイシスファルマシューティカルズ(Isis Pharmaceuticals)のWO 02/057287 (2002年7月25日);権利者がメルク(Merck & Co.)およびイシスファルマシューティカルズ(Isis Pharmaceuticals)のWO 02/057425 (2002年7月25日)等がある。
本発明化合物はまたHCV感染治療のため、非ヌクレオシドのHCVポリメラーゼ阻害剤と組み合わせてもよい;これら阻害剤としては例えば、権利者がチュラリク(Tularik, Inc.)のWO 01/77091 (18 Oct. 2001);権利者が日本タバコ株式会社の WO 01/47883 (5 July 2001);権利者がベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim)のWO 02/04425 (17 January 2002);権利者がアンジェレッティ(Istituto di Ricerche di Biologia Moleculare P. Angeletti S.P.A.)の WO 02/06246 (24 Jan. 2002);およびWO 02/20497 (3 March 2002)等がある。WO 01/47883は多数のベンズイミダゾール誘導体を開示し、例えばJTK-003は現在臨床評価が進行中の経口で有効なNS5B阻害剤である。
2'-C-メチル誘導体化合物の合成
本発明の5'-ヌクレオシドモノホスフェートプロドラッグの合成は二つのセクションに分かれる;
1.リン酸化前駆体の合成
2.ヌクレオシドとプロドラッグ部分との縮合によるプロドラッグの合成
リン酸化前駆体の合成
リン酸化前駆体の合成はふたつの段階よりなる;
1.1,3-ジオールの合成
2.リン酸化前駆体の合成
1,3-ジオールの合成
次のタイプの1,3-ジオールを合成するための種々の方法が知られている;
a)1-置換体、b)2-置換体、c) 1,2-若しくは1,3-環状体の各等ラセミ体若しくはエナンチオマー体。式IのV、W、およびZ基はジオール合成の最中、またはプロドラッグ合成の後に導入若しくは修飾することができる。
1-(アリール)-プロパン-1,3-ジオールの合成:
1,3-ジオールを適切の合成する方法は次の二つの型に分けることができる;
1)1-(アリール)-プロパン-1,3-ジオール・ラセミ体の合成、2) 1-(アリール)-プロパン-1,3-ジオールのエナンチオマーの合成
1-(アリール)-プロパン-1,3-ジオール・ラセミ体の合成
1,3-ジヒドロキシ化合物はよく知られた文献記載の方法により合成することができる。酢酸アルキルのリチウムエノレートの付加および続くエステル還元を介して1-(アリール)-プロパン-1,3-ジオール・ラセミ体を合成するために置換芳香族アルデヒドが用いられる(経路A)〔ターナー(Turner), J. Org. Chem. 55:4744(1990)〕。或いはまた、1-ヒドロキシプロパン-3-アルへのアルキルリチウム若しくはグリニヤール試薬の付加により1-(アリール置換)プロパン-1,3-ジオールを得ることができる(経路B)。この方法は種々の置換アリールハライドから1-(アリール置換)プロパン-1,3-ジオールへの変換を可能とする〔コッピ等(Coppi, et al.), J. Org. Chem. 53:911(1988)〕。
1,3-ジオキシ-4-エンのヘック(Heck)縮合と続く還元および加水分解により、アリールハライドを用いて1-置換プロパンジオールを合成することもできる〔サカモト等(Sakamoto, et al.), Tetrahedron Lett. 33:6845(1992)〕。N-オキシドを調製し無水酢酸存在下で転位させることにより、ピリジル-、キノリル-、イソキノリル-プロパン-3-オールをヒドロキシル化して1-置換-1,3-ジオールを得ることもできる(経路C)〔ヤマモト等(Yamamoto, et al.), Tetrahedron 37:1871 (1981)〕。また、ビニルリチウム若しくはビニルグリニヤール試薬の付加と続くヒドロボレーションにより種々の芳香族アルデヒドを1-置換-1,3-ジオールへと変換することもできる(経路D)。
Figure 2007522237
エナンチオマーリッチな1-(アリール)-プロパン-1,3-ジオールの合成
化学的または酵素的試薬による二級アルコールの分割方法が種々知られていて、これらを用いてジオールのエナンチオマーを得ることができる〔ハラダ等(Harada, et al.), Tetrahedron Lett. 28:4843(1987)〕。置換3-アリール-3-オキソプロパン酸若しくはそのエステルの遷移金属触媒下水素化反応はエナンチオマー純度の高いβ-ヒドロキシ酸若しくはエステルを調製するための優れた方法である〔包括的不斉触媒、ヤコブセン等(Jacobsen, E. N., Pfaltz, A., Yamamoto, H.)、(Eds), Springer, (1999); 有機合成における不斉触媒、野依(Noyori, R.), John Wiley, (1994)〕。これらのβヒドロキシ酸若しくはエステルをさらに還元すればエナンチオマー過剰率(ee)の高い必要な1-(アリール)-プロパン-1,3-ジオールが得られる(経路A)。
高圧水素化または水素移動反応の基質となるβケト酸若しくはエステルは種々の方法により調製可能であり、例えば塩基の存在下におけるアセトフェノンと炭酸ジメチルとの縮合反応〔チュウ等(Chu, et al.), J. Het Chem. 22:1033(1985)〕、エステル縮合〔ターナー等(Turner, et al.), J. Org. Chem. 54:4229 (1989)〕、またはアリールハライド〔コバヤシ等(Kobayashi, et al.), Tetrahedron Lett. 27:4745 (1986)〕から調製される。或いは、高エナンチオマー純度の1,3-ジオールはβ-ヒドロキシエチルアリールケトン誘導体若しくはβケト酸誘導体のエナンチオ選択的なホウ素還元により得ることができる(経路B)〔ラマチャンドラン等(Ramachandran, et al.), Tetrahedron Lett. 38:761 (1997)〕。別法では市販品として入手可能なケイヒアルコールを触媒的不斉エポキシ化条件の下でエポキシアルコールに変換してもよい。これらエポキシアルコールをRed-Alにより還元すると高eeの1,3-ジオールを得る(経路C)〔ガオ等(Gao, et al.), J. Org. Chem. 53:4081 (1980)〕。エナンチオ選択的なアルドール縮合は、芳香族アルデヒドから出発し高eeの1,3-酸素化官能基を合成する別のよく知られた方法である(経路D)〔向山(Mukaiyama), Org. React. 28:203 (1982)〕。
Figure 2007522237
2-置換-1,3-ジオールの合成:
市販品として入手可能な2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパン-ジオールより種々の2-置換-1,3-ジオールを合成できる。ジカルボン酸の脱炭酸と続く還元によりペンタエリスリトールをトリオールへと変換できる(経路a)〔ワーレ等(Werle, et al.), Liebigs. Ann. Chem., 1986, 944〕。または既知の条件下で脱炭酸させることによりジオールモノカルボン酸誘導体が得られる〔イワタ等(Iwata, et. al.), Tetrahedron Lett. 1987, 28, 3131〕。ニトロトリオールもまた還元的脱離によりトリオールを与えることが知られている(経路b)〔ラツール等(Latour, et. al.), Synthesis, 1987, 8, 742〕。トリオールは塩化アルカノイルまたはクロロギ酸アルキルで処理するとモノアシル体または炭酸エステル体に誘導される(経路d)〔グリーン等(Greene and Wuts), 「有機合成における保護基」, John Wiley, New York, 1990〕。アリール置換はアルデヒドへの酸化とアリールグリニヤール付加により達成される(経路c)。アルデヒドはまた還元的アミノ化により置換アミンへと変換される(経路e)。
Figure 2007522237
環状1,3-ジオールの合成
式IにおいてV-ZおよびV-Wが四個の炭素で縮合している化合物はシクロヘキサンジオール誘導体から調製される。2-置換-プロパン-1,3-ジオールの場合の記載と同様にまたはこれを修飾して、市販品として得られるシス、シス-1,3,5-シクロヘキサントリオールを用いて種々のアナログを得ることができる。これらの修飾はエステル化の前または後にすることができる。ピロンをジエンとしてディールスアルダー(Diels-Alder)法により種々の1,3-シクロヘキサンジオールを合成できる〔ポスナー等(Posner, et. al.), Tetrahedron Lett., 1991, 32, 5295〕。シクロヘキサンジオール誘導体はまたニトリルオキシド-オレフィン付加により製造される〔カレン等(Curran, et. al.), J. Am. Chem. Soc., 1985, 107, 6023〕。或いは、また市販品として入手できるキナ酸からシクロヘキシル前駆体を製造することもできる〔ラオ等(Rao, et. al.), Tetrahedron Lett., 1991, 32, 547.〕。
置換1,3-ヒドロキシアミンおよび1,3-ジアミンの合成
天然に存在する化合物中にこれら官能基は普遍的に存在するため、置換1,3-ヒドロキシアミンおよび1,3-ジアミンを合成する方法は多数存在する。以下の方法は、1.置換1,3-ヒドロキシアミンの合成、2.置換1,3-ジアミンの合成、および3.キラルな置換1,3-ヒドロキシアミンおよび1,3-ジアミンの合成より構成される。
置換1,3-ヒドロキシアミンの合成
先の箇所で記載した1,3-ジオールは、ヒドロキシ官能基を脱離基に変換し無水アンモニアまたは必要な一級若しくは二級アミンで処理することにより、ヒドロキシアミンまたは対応するジアミンへと選択的に変換され得る〔コーリイ等(Corey, et al.), Tetrahedron Lett., 1989, 30, 5207: ガオ等(Gao, et al.), J. Org. Chem., 1988, 53, 4081〕。アルコールから同様の変換をミツノブ型の反応条件下で達成することができる〔ヒューズ(Hughes, D. L.), Org. React., 1992, 42〕。
3-アリール-3-ヒドロキシ-プロパン-1-アミン型のプロドラッグ部分を合成する一般的方法には、アリールエステルと亜硝酸アルキルのアルドール型縮合とこれに続く得られた置換ベンゾイルアセトニトリルの還元が含まれる〔シー等(Shih et al.), Heterocycles, 1986, 24, 1599〕。この方法は、置換アルキルニトリルを用いることにより2-置換アミノプロパノールの調製にもまた適用される。別の側面から、酢酸アンモニウムの存在下でマロン酸を縮合させ、次いで得られた置換β-アミノ酸を還元することにより、3-アリール-3-ヒドロキシ-プロパン-1-アミン型のプロドラッグ部分はアリールハライドから合成される。これら方法は両方とも種々のアリール置換基を導入することができる〔シー等(Shih et al.), Heterocycles, 1978, 9, 1277〕。或いはまた、スチレンタイプの化合物より生じる1-アミノ-1-アリールエチルジアニオンのβ置換有機リチウム化合物はカルボニル化合物と付加して、カルボニル化合物の多様性により種々のWおよびW’を提供する〔バルエンガ等(Barluenga, et al.), J.Org. Chem., 1979, 44, 4798〕。
置換1,3-ジアミンの合成
置換1,3-ジアミンは種々の基質から出発して合成することができる。アリールグルタロニトリルは、アミドに加水分解してホフマン(Hofmann)転位させることにより、1-置換ジアミンへと変換可能である〔ベルトチオ等(Bertochio, et al.), Bull. Soc. Chim. Fr, 1962, 1809〕。一方、マロノニトリル置換は、求電子的導入と続くジアミンへのヒドリド還元により種々のZ置換を可能にする。別の側面では、ケイヒアルデヒドをヒドラジン若しくは置換ヒドラジンと反応させ対応するピラゾリンとし触媒的水素化により置換1,3-ジアミンとする〔ウェインハード等(Weinhardt, et al.), J. Med. Chem., 1985, 28, 694〕。ピラゾリンへのアリールグリニヤール付加と続く還元により、1,3-置換における高いトランス-ジアステレオマー選択性が達成される〔アレクサキス等(Alexakis, et al.), J. Org. Chem., 1992, 576, 4563〕。1-アリール-1,3-ジアミノプロパンはまた、3-アミノ-3-アリールアクリロニトリルのジボラン還元により調製され、該アクリロニトリルはニトリル置換の芳香族化合物から作られる〔ドーナウ等(Dornow, et al.), Chem Ber., 1949, 82, 254〕。対応する1,3-カルボニル化合物から得られる1,3-ジイミンの還元は1,3-ジアミンプロドラッグ部分の別の原料であり、広範な種類のVおよび/またはZが活性化基となる〔バルエンガ等(Barluenga, et al.), J. Org. Chem., 1983, 48, 2255〕。
キラルな置換1,3-ヒドロキシアミンおよび1,3-ジアミンの合成
純粋なエナンチオマーである3-アリール-3-ヒドロキシプロパン-1-アミンはβ-クロロプロピオフェノンのCBSエナンチオ選択的触媒反応と続くハロ基の置換により必要な二級若しくは三級アミンとすることで合成される〔コーリイ等(Corey, et al.), Tetrahedron Lett., 1989, 30, 5207〕。プロドラッグ部分のキラルな3-アリール-3-アミノプロパン-1-オール型は、キラルに純粋なオレフィンとアリールアルデヒドの置換ニトロンとの1,3-双極子付加、および得られたイソキサゾリジンを続いて還元することにより得ることができる〔コイズミ等(Koizumi, et al.), J. Org. Chem., 1982, 47, 4005〕。置換イソキサゾリジンを形成する1,3-双極子付加においてしキラル導入することはまた、キラルホスフィンパラジウム錯体により達成され、アミノアルコールがエナンチオ選択的に形成される〔ホリ等(Hori, et al.), J. Org. Chem., 1999, 64, 5017〕。或いは、対応するキラルエポキシアルコールを所望のアミンで選択的に開環し、光学的に純粋な置換アミノアルコールが得られる〔カナス等(Canas et al.), Tetrahedron Lett., 1991, 32, 6931〕。
1,3-二置換アミノアルコールのジアステレオ選択的な合成方法がいくつか知られている。例えば、(E)-N-シンナミルトリクロロアセタミドを次亜塩素酸で処理するとトランス-ジヒドロオキサジンが得られ、これは容易に加水分解されて高いジアステレオ選択性でエリスロ-β-クロロ-γ-ヒドロキシ-γ-フェニルプロパンアミンとなる〔コメルコン等(Commercon et al.), Tetrahedron Lett., 1990, 31, 3871〕。1,3-アミノアルコールのジアステレオ選択的な生成はまた、光学的に純粋な3-ヒドロキシケトンの還元的アミノ化によっても達成される〔ハッダド等(Haddad et al.), Tetrahedron Lett., 1997, 38, 5981〕。別の側面からは、選択的ヒドリド還元により3-アミノケトンが1,3-二置換アミノアルコールへと高い立体選択性で変換される〔バーレンガ等(Barluenga et al.), J. Org. Chem., 1992, 57, 1219〕。
リン酸化前駆体の合成
リン酸化前駆体の合成は二つのセクションに分割される;
a.P(III) リン酸化前駆体の合成
b.立体選択的なP(V) リン酸化前駆体の合成
P(III) リン酸化前駆体の合成
Figure 2007522237
5'-アルコールのリン酸化はリン酸化試薬の環状1',3'-プロパニルエステルを用いて達成される。ここで、該試薬はP(III)酸化状態である。ひとつの好ましいリン酸化試薬はクロロホスホラン(L'=クロロ)である。環状クロロホスホランは三塩化リンと置換1,3-ジオールとを温和な条件下で反応させて得られる〔ウィスナー等(Wissner, et al.), J. Med. Chem., 1992, 35, 1650〕。或いは、ホスホロアミダイトもリン酸化試薬として用い得る〔ビューケイジ等(Beaucage, et al.), Tetrahedron, 1993, 49, 6123〕。適切な置換ホスホロアミダイトは環状クロロホスホランをN,N-ジアルキルアミンと反応させて調製できる〔ペリッチ等(Perich, et al.), Aust. J. Chem., 1990, 43, 1623;ペリッチ等(Perich, et al.), Synthesis, 1988, 2, 142〕し、また、市販品として得られるジアルキルアミノホスホロクロリデートを置換プロパン-1,3-ジオールと反応させても調製できる。
P(V)リン酸化前駆体の合成
Figure 2007522237
一般に、リン酸エステルの合成は例えばアルコールと対応する活性化リン酸エステル前駆体とを反応させて達成される。5'-ヒドロキシヌクレオシドとクロロホスフェート(L'=クロロ)の縮合はヌクレオシドホスフェートモノエステルを調製するよく知られた方法である。活性化前駆体はいくつかのよく知られた方法で調製できる。プロドラッグ合成に有用なクロロホスフェートは置換-1,3-プロパンジオールから調製される〔ウィスナー等(Wissner, et al.), J. Med Chem., 1992, 35, 1650〕。クロロホスフェートは対応するクロロホスホランの酸化により調製され〔アンダーソン等(Anderson, et al.), J. Org. Chem., 1984, 49, 1304〕、該クロロホスホランは置換ジオールを三塩化リンで処理して得られる。或いは、このクロロホスフェート試薬は置換-1,3-ジオールをオキシ塩化リンで処理して得られる〔パトワ等(Patois, et al.), J. Chem. Soc. Perkin Trans. I, 1990, 1577〕。クロロホスフェート種はまた対応する環状ホスファイトから溶液中でも発生させられ〔シルバーベルグ等(Silverburg, et al.), Tetrahedron Lett., 1996, 37, 771〕、該ホスファイトは逆にクロロホスホランまたはホスホロアミデート中間体から作られる。ピロホスフェートまたはリン酸から調製されるホスホロフルオリデート中間体はまた環状プロドラッグ調製の前駆体として機能する〔ワタナベ等(Watanabe et al.), Tetrahedron Lett., 1988, 29, 5763〕。
ホスホロアミデート(L'=NRR')はまたリン酸エステル合成のよく知られた中間体である。モノアルキル若しくはジアルキルホスホロアミデート〔ワタナベ等(Watanabe, et al.), Chem Pharm Bull., 1990, 38, 562〕、トリアゾロホスホロアミデート〔ヤマカゲ等(Yamakage, et al.), Tetrahedron, 1989, 45, 5459〕、およびピロリジノホスホロアミデート〔ナカヤマ等(Nakayama, et al.), J. Am. Chem. Soc., 1990, 112, 6936〕はリン酸エステル調製に用いられる既知中間体である。他の有効なリン酸化法は2-オキサジンの環状クロロホスフェート付加物の金属触媒付加である。この中間体は二級ヒドロキシ基共存下で一級ヒドロキシ基に対するリン酸化の高い選択性を達成する〔ナガマツ等(Nagamatsu, et al.), Tetrahedron Lett., 1987, 28, 2375〕。これらの試薬はアミンとクロロホスフェートの反応、または対応するホスホロアミデートの生成後続いてこれを酸化する事により得られる。
エナンチオリッチなP(V)リン酸化前駆体の合成
Figure 2007522237
エナンチオリッチな活性化リン酸化試薬は、エナンチオリッチな1-(V)-1,3-プロパンジオールを塩基存在下、式L−P(O)Clのホスホロジクロリデートでリン酸化することにより合成される〔フェローニ等(Ferroni, et al.), J. Org. Chem. 64(13), 4943(1999)〕。エナンチオマー純度の高い置換ジオールを、例えば市販品として入手できるホスホロジクロリデートR−OP(O)Cl(ここでROは脱離基で、好ましくはニトロ基やクロロ基のような電子吸引性基で置換されたアリールである)でリン酸化すると二つのジアステレオマー中間体を与える。リン原子の相対的な立体配置は31P-NMRスペクトルの比較により容易に決定できる。イカトリアル位ホスホリルオキシ部分の化学シフト(トランス異性体)はアキシャル異性体(シス異性体)のひとつよりも常により高磁場にある〔ベルケード等(Verkade, et al.), J. Org. Chem., 1977, 42, 1549〕。これらのジアステレオマーはトリエチルアミンやDBUのような塩基の存在下でさらに平衡化されてトランスの2,4-置換リン酸化試薬を与えることができる。2,4-シス-ジアステレオマーの転換を完了させる平衡はまた、適切に置換されたフェノキシドナトリウムの存在下においても達成される。平衡化ステップにより単離されたトランス-リン酸化試薬は95%より大きなeeを与える。
ヌクレオシドの合成
式Iのすべてのヌクレオシド部分は文献に十分記載されている。2'-C-メチル-アデノシンおよび2'-C-メチル-グアノシンアナログはパーシリル化塩基と1'-アセテート若しくはベンゾエート糖中間体とのルイス酸触媒反応により製造される〔ワルトン等(Walton et al.), J. Am. Chem. Soc., 1966, 88, 4524; ハリーオクルー等(Harry-O'Kuru et al.), J. Org. Chem., 1997, 62,1754; WO01/90121〕。7-デアザアナログはすでに記載のとおり塩基のナトリウム塩の反応を介して1'-ブロモ糖中間体より製造される(US2002-0147160A1、またはWO02/057827)。グリコシル化生成物は脱保護および加アンモニア分解反応を介するアミノ化の対象となる。
本発明の式VI-VIIIのヌクレオシド部分およびその誘導体はヌクレオシドの文献に記載されている、多くのよく確立された一般法により合成することができる。ここに記載されたいくつかのヌクレオシドアナログはWO04/046331で示された、およびそこで引用された方法により合成される。本発明のこれら化合物はまた、よく知られたグリコシル化反応の範囲を介し、2'-メチルリボグリコシル化前駆体を使用して広範な市販の塩基から製造される〔フォルブルゲン等(Vorbruggen and Ruh-Pohlenz), ヌクレオシド合成のハンドブック, Wiley, New York, 2001〕。さらに、デアザおよびアザヌクレオシドアナログはまた、対応するリボアナログの場合において報告されている方法を用い、2'-メチルグリコシル化前駆体によるグリコシル化により調製することもできる〔ロビンス等(Robins, et al.), 抗ウイルス薬デザインの進歩, Vol. 1, p39-85, De Clercq, ed., JAI Press, Greenwich, CT, 1993〕。加えて、入手可能なヌクレオシドの修飾または新しい塩基の合成を介して続くグリコシル化により、ヌクレオシドの新しい塩基アナログを合成することができる〔ヌクレオシドとヌクレオチドの化学, Vols. 1-3, Townsend, ed., Plenum, New York, 1988;核酸化学, Vols. 1-4, Townsend and Tipson Eds., Wiley, New York, 1986〕。
ヌクレオシドとプロドラッグ部分の縮合によるプロドラッグの合成
プロドラッグを調製する以下の方法はNMPプロドラッグを調製するために用いられる一般法を説明する。プロドラッグは合成の異なる段階で導入することができる。種々の反応条件に対するこれらの一般的反応性のため、プロドラッグは多くの場合、後の段階で作られる。リン中心に単一の異性体を含む光学的に純粋なプロドラッグはエナンチオマーリッチな活性化ホスフェート中間体の縮合により製造される。
ここに記載する方法はすべて、YおよびY’が酸素の場合、プロドラッグの合成に適用されるし、Yおよび/またはY’がNHの場合は適切な置換と窒素の保護によりプロドラッグの合成に適用される。
プロドラッグの調製はさらに、1)P(III)中間体を経由する合成、2) P(V)中間体を経由する合成、および3)その他の方法、より構成される。
P(III)中間体を経由するプロドラッグ合成
Figure 2007522237
(式中、QはNまたはCH;LはHでMはNH、またはMはOHでLはNH
クロロホスホランは、塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジン)の存在下でヌクレオシド上のアルコールをリン酸化するために用いられる。或いは、テトラゾールやベンズイミダゾリウムトリフレートのような縮合促進剤の存在下でヌクレオシドとホスホラミデートとの縮合によりホスファイトが得られる〔ハヤカワ等(Hayakawa et al.), J. Org. Chem., 1996, 61, 7996〕。ホスファイトジアステレオマーはカラムクロマトグラフィー若しくは結晶化により単離することができる〔ワン等(Wang, et al.), Tetrahedron Lett, 1997, 38, 3797; ベントリッジ等(Bentridge et al.), J. Am. Chem. Soc., 1989, 111, 3981〕。アルコールとクロロホスホラン若しくはホスホロアミダイトの縮合はSN2(P)反応であり、生成物の立体配置は逆転することが期待される。このことは環状ホスファイトの立体選択的合成を可能とする。リン酸化反応の異性体混合物はまた平衡(例えば、熱的平衡)に至らしめることができ、より熱力学的に安定な異性体へと移行する。
続いて分子状酸素やt-ブチルヒドロペルオキシドのような酸化剤を用いて得られたホスファイトを酸化すると対応するホスフェートプロドラッグとなる〔メイヤー等(Meier et al.), Bioorg, Med. Chem. Lett., 1997, 7, 1577〕。光学的に純粋なホスファイトの酸化は光学活性なプロドラッグを立体選択的に与えることが期待される〔ミコライチク等(Mikolajczyk, et al.), J. Org. Chem., 1978, 43, 2132;クリス(Cullis, P. M. J.), Chem. Soc., Chem Commun., 1984, 1510;ベルファース等(Verfurth, et al.), Chem. Ber., 1991, 129, 1627〕。
P(V)中間体を介するプロドラッグの合成
式Iのシスプロドラッグを合成するため、合成の異なる段階でプロドラッグ部分を導入することができる。種々の反応条件に対するこれらの一般的反応性のため、環状ホスフェートは多くの場合、後の段階で導入される。その合成はまた、化合物中に存在する官能基の反応性に依存して保護または無保護のヌクレオシド若しくはヌクレオシドアナログを用いて進行させることができる。シスプロドラッグの単一立体異性体は、カラムクロマトグラフィーおよび/または結晶化の組み合わせによるジアステレオ異性体/エナンチオマーの分離、またはエナンチオマーリッチな活性化ホスフェート中間体を用いるエナンチオマー特異的若しくはエナンチオマー選択的な合成によって得ることができる。
エナンチオマーリッチなプロドラッグの合成
Figure 2007522237
式中、QはNまたはCH;LはHでMはNHまたはMはOHでLはNHである。
保護ヌクレオシドのリン酸化の一般方法は、適切な保護ヌクレオシドと塩基を反応させ、生成したアルコキシドをリン酸化試薬と反応させることにより達成される。保護ヌクレオシドは当業者によりヌクレオシド保護について記載された多くの方法のひとつを用いて調製することができる〔グリーン(Greene T.W.), 有機合成における保護基, John Wiley & Sons, New York (1999)〕。ヌクレオシドは、ホスフェート基を付加させるヒドロキシ基は晒したまま、ヌクレオシド上にあって、リン酸化工程で反応しまたは位置異性体を生ぜしめる残りのヒドロキシ基およびその他の官能基を保護するような方法で保護がなされる。ある側面では、選択された保護基は例えばエーテル、シリルエーテルおよびケタールのように強塩基に抵抗する。ある側面では、保護基は任意で置換されたMOMエーテル、MEMエーテル、トリアルキルシリルエーテル、および対称ケタールである。別の側面では、該保護基はt-ブチルジメチルシリルエーテルおよびイソプロピリデンである。更なる保護は、存在する場合は、酸性のプロトンをすべて排除するように塩基部分のアミノ基のマスキングを必要とする。ある側面では、選択されたN-保護基は、ジアルキルホルムアミジン、モノ若しくはジアルキルイミン、モノ若しくはジアリールイミンよりなる群から選択される。ある側面では、該N-保護基はジアルキルホルムアミジン、モノアルキル-イミン、およびモノアリールイミンよりなる群から選択される。ある側面では、モノアルキルイミンはベンジルイミンであり、モノアリールイミンはフェニルイミンである。別の側面では、N保護基はジメチルホルムアミジンおよびジエチルホルムアミジンの群から選択される対称ジアルキルホルムアミジンである。
適切に保護されたヌクレオシド上に晒されたヒドロキシ基のアルコキシドの生成は塩基に感受性のない、THF、ジアルキルおよび環状ホルムアミド、エーテル、トルエン、およびこれら混合物のような非水性溶媒中、塩基で達成される。ある側面では、溶媒はDMF、DMA、DEF、N-メチルピロリドン、THF、およびこれらの混合溶媒である。
ヌクレオシドおよび非ヌクレオシド化合物を環状および非環状リン酸化試薬でリン酸化する場合多くの異なる塩基が用いられる。例えば、トリエチルアミン〔ルードサリ等(Roodsari et al.), J. Org. Chem. 64(21), 7727 (1999)〕、N,N-ジイソプロピルエチルアミン〔ミーク等(Meek et al.), J. Am. Chem. Soc. 110(7), 2317 (1988)〕のようなジアルキルアミン;ピリジン〔ホフラー等(Hoefler et al.), Tetrahedron 56(11), 1485 (2000)〕、N-メチルイミダゾール〔バンカヤラパチ等(Vankayalapati et al.), J. Chem. Soc. Perk T 1 14, 2187(2000)〕、1,2,4-トリアゾール〔タカク等(Takaku et al.), Chem. Lett. (5), 699 (1986)〕またはイミダゾール〔ディアトキナ等(Dyatkina et al.), Tetrahedron Lett. 35(13), 1961 (1994)〕のような含窒素ヘテロ環状アミン;カリウムt-ブトキシド〔ポステル等(Postel et al.), J. Carbohyd. Chem. 19(2), 171 (2000)〕、ブチルリチウム〔トーネイロ等(Torneiro et al.), J. Org. Chem. 62(18), 6344 (1977)〕、塩化t-ブチルマグネシウム〔ハヤカワ等(Hayakawa et al.), Tetrahedron Lett. 28(20), 2259 (1987)〕、またはLDA〔アレクシウク等(Aleksiuk et al.), J. Chem. Soc. Chem. Comm. (1), 11 (1993)〕のような有機金属塩基;フッ化セシウム〔タカク等(Takaku et al.), Nippon Kagaku Kaishi (10), 1968 (1985)〕、水素化ナトリウム〔ハナオカ等(Hanaoka et al.), Heterocycles 23(11), 2927 (1985)〕、ヨウ化ナトリウム〔ストロムバーグ等(Stromberg et al.), J. Nucleos. Nucleot. 6(5), 815 (1987)〕、ヨウ素〔ストロムバーグ等(Stromberg et al.), J. Nucleos. Nucleot. 6(5), 815 (1987)〕、水酸化ナトリウム〔アタナーシ等(Attanasi et al.), Phosphorus Sulfur 35(1-2), 63 (1988)〕のような無機塩基;銅〔バティア等(Bhatia et al.), Tetrahedron Lett. 28(3), 271 (1987)〕のような金属である。しかしながら、リン酸化薬の縮合が先に述べた方法でもって試みられる場合、リンの立体中心上で反応若しくはラセミ化は観察されなかった。特に、先に置換環状リン酸化薬とともに用いて対応する環状ホスフェートを高収率で与えた塩基、例えば、水素化ナトリウム〔スオン等(Thuong et al.), Bull. Soc. Chim. Fr. 667 (1974)〕、ピリジン〔アイヤルカロスチアン等(Ayral-Kaloustian et al.), Carbohydr. Res. 187(1991)〕、ブチルリチウム〔ハルスト等(Hulst et al.), Tetrahedron Lett. 1339 (1993)〕、DBU〔メルクリング等(Merckling et al.), Tetrahedron Lett. 2217 (1996)〕、トリエチルアミン〔ハドバリー等(Hadvary et al.), Helv. Chim. Acta, 1986, 69(8), 1862)〕、N-メチルイミダゾール〔リー等(Li et al.), Tetrahedron Lett. 6615 (2001)〕またはナトリウムメトキシド〔ゴレンスタイン等(Gorenstein et al.), J. Am. Chem. Soc. 5077 (1980)〕について反応は観察されなかった。グリニヤール試薬の使用がリン中心のエピメリ化を最小にしつつリン酸化を促進することが見出された。ひとつの側面では、グリニヤール試薬はアルキルおよびアリールグリニヤールである。別の側面では、グリニヤール試薬はハロゲン化t-ブチルマグネシウムおよびハロゲン化フェニルマグネシウムである。別の側面では、グリニヤール試薬は塩化t-ブチルマグネシウムおよび塩化フェニルマグネシウムである。
別の側面では、ヌクレオシドのマグネシウム5'-アルコキシドを得るためにマグネシウムアルコキシドが用いられる。ひとつの側面ではマグネシウムアルコキシドはMg(O-t-Bu)2およびMg(O-iPr)2の群から選択される。
上記に記載された保護プロドラッグは当業者によく知られた多くの方法のひとつでホスフェートプロドラッグの安定性と共存できる方法を用いてすべての保護基を除去するため、脱保護工程に付される〔グリーン(Greene T.W.), 有機化学における保護基, John Wiley & Sons, New York (1999)〕。ひとつの側面では、脱保護試薬にはシリル保護基を除去するフッ化塩、シリルおよび/またはケタールおよびN-保護基のような酸分解性保護基を除去するための鉱酸若しくは有機酸が包含される。別の側面では、試薬はフッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)、塩化水素溶液およびTFA水溶液である。中間体と同様最終生成物の単離と精製はカラムクロマトグラフィーおよび/または結晶化の組み合わせにより達成される。
一連の反応は式Iの化合物の単一異性体を合成する方法を提供する。環状ホスフェート試薬上でVが結合した炭素に立体中心が存在するため、この炭素原子は二つの異なる方向性、即ちRとSを有する。ラセミ体ジオールより調製されたトランスホスフェート試薬はS-トランスまたR-トランス配置のいずれかとして存在し得るので、S-シスおよびR-シスのプロドラッグ混合物を与える。C'-S-トランスホスフェート試薬はヌクレオシドのC'-S-シスプロドラッグを与え、他方、C'-R-トランスホスフェート試薬はC'-S-シスプロドラッグを与える。
6-,2'-、および/または3'-置換プロドラッグの合成
式IIまたはIIIの6-,2'-、および/または3'-置換プロドラッグの合成は式Iの化合物から出発して完成される。例えば、式Iのヌクレオシドモノホスフェート環状プロドラッグの選択的な3'-アシル化は、文献〔有機合成における保護基、グリーンとウッツ(Greene and Wuts), John Wiley, New York, 1991〕に記載されたいくつかの方法で達成される。加えて、2'-位の三級ヒドロキシ官能基の存在下でこれを保護することなく選択的な3'-アシル化が種々のエステル化法により達成される。アシル化はまた、前に記載の通り〔WO 04/002422; ハンソン等(Hanson et al.), Bioorg. Med. Chem. 2000, 8, 2681〕アミンを保護したアミノ酸を用いて効率よく達成され、そのアミノ保護基は温和な酸性条件下で除去される。2',3-環状炭酸エステル形成は別のよく知られたリボフラノシルヌクレオシドの変換である。式Iの化合物は中性条件下で炭酸エステルを形成し、式II若しくはIIIの化合物となる〔パンケビック等(Pankiewicz, et al.), J. Org. Chem., 1985, 50, 3319〕。
6-位のプロドラッグはヌクレオシドの対応するハロ誘導体から調製が可能である。プロドラッグの置換はR9若しくはR10が置換された(例えば、N、H、-COR)式II若しくはIIIの化合物の場合対応するクロロまたはヒドロキシ官能基からヌクレオシドの段階で(5'-プロドラッグ形成前)なされる。そのようなヌクレオシド前駆体の合成は既に記載(WO 02/057287)されたように達成される。アジド置換〔アソ等(Aso et al.), J. Chem Soc Perkin Trans II, 2000, 8 1637〕または水素化〔フリール等(Freer et al.), Tetrahedron, 2000, 56, 45〕によるこれらプリンアナログの調製もよく知られた方法である。続いてこれらプロドラッグ官能基で置換されたヌクレオシドは対応する式IIまたはIIIのモノホスフェート環状プロドラッグへと変換される。
その他の方法
活性化ホスフェートとアルコールとの縮合は有機塩基の存在下で達成される。例えば、先の箇所で記載したように合成されるクロロホスフェートはピリジンやN-メチルイミダゾールのような塩基の存在下でアルコールと反応する。ある場合には、クロロホスフェートから溶液中で発生されたヨードホスフェートによりリン酸化が促進される〔ストンバーグ等(Stomberg, et al.), Nucleosides & Nucleotides., 1987, 5: 815〕。ホスホロフルオリド酸中間体もまた、CsFやn-BuLiのような塩基の存在下でリン酸化反応に用いられ、環状プロドラッグを産生する〔ワタナベ等(Watanabe et al.), Tetrahedron Lett., 1988, 29, 5763〕。ホスホロアミド酸中間体も遷移金属触媒により縮合することが知られている〔ナガマツ等(Nagamatsu, et al.), Tetrahedron Lett., 1987, 28, 2375〕。
酸の存在下におけるホスホロアミド酸中間体の光学的に純粋なジアステレオマーとヌクレオシドのヒドロキシ基との反応はSN2(P)反応により光学的に純粋なホスフェートプロドラッグを与える〔ナカヤマ等(Nakayama, et al.), J. Am. Chem. Soc., 1990, 112, 6936〕。或いは、光学的に純粋なホスフェート前駆体をフッ素イオン源、好ましくはフッ化セシウムやTBAFと反応させるとより活性の高いホスホロフルオリド酸を提供し、これがヌクレオシドのヒドロキシ基と反応して光学的に純粋なホスフェートプロドラッグを与えるがリン原子上の立体配置は全体で保持される〔オギルビー等(Ogilvie, et al.), J. Am. Chem. Soc., 1977, 99, 1277〕。
式Iのプロドラッグは対応するホスホロジクロル酸とアルコールの反応でも合成される〔カムネイ等(Khamnei, et al.), J. Med. Chem., 1996, 39 : 4109〕。例えば、塩基(例えばピリジン、トリエチルアミン等)の存在下でホスホロジクロル酸と置換1,3-ジオールとを反応させると式Iの化合物が得られる。
そのような反応性ジクロル酸中間体は対応する酸と塩化チオニル〔スターレット等(Starrett, et al.), J. Med. Chem., 1994, 1857〕、塩化オキサリル〔ストウェル等(Stowell, et al.), Tetrahedron Lett., 1990, 31: 3261〕、五塩化リン〔クアスト等(Quast, et al.), Synthesis, 1974, 490〕のようなクロル化試薬より調製される。
アルコールのリン酸化はまた、ミツノブ反応の条件下でトリフェニルホスフィン酸およびアゾジカルボン酸ジエチルを共存させ、リン酸の環状1',3'-プロパニルエステルを用いて達成される〔キムラ等(Kimura et al.), Bull. Chem. Soc. Jpn., 1979, 52, 1191〕。この方法は、対応するリン酸から純粋なホスフェートエナンチオマーを調製する場合にも拡張できる。ホスフェートプロドラッグはまた遊離の酸からミツノブ反応により〔ミツノブ(Mitsunobu), Synthesis, 1981, 1; Campbell, J. Org. Chem., 1992, 52: 6331〕、また別の酸縮合試薬から調製され、該縮合試薬には例えば限定はされないがカルボジイミド〔アレキサンダー等(Alexander, et al.), Collect. Czech. Chem. Commun., 1994, 59: 1853; カサラ等(Casara, et al.), Bioorg. Med. Chem. Lett., 1992, 2: 145; オーハシ等(Ohashi, et al.), Tetrahedron Lett., 1988, 29: 1189〕やベンゾトリアゾリルオキシトリス-(ジメチルアミノ)ホスホニウム塩〔キャンペーン等(Campagne, et al.), Tetrahedron Lett., 1993, 34: 6743〕が含まれる。環状1,3-プロパニルホスフェートプロドラッグはまたNMPと置換プロパン-1,3-ジオールから塩基(例えば、ピリジン)の存在下で1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)のような縮合試薬を用いて合成される。その他のカルボジイミド系縮合剤、例えば1,3-ジイソプロピルカルボジイミドや水溶性試薬、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)を用いて環状プロドラッグを合成することもできる。
ホスフェートプロドラッグはホスフェートの対応するテトラブチルアンモニウム塩および1,3-ジオールより得られる置換1,3-ジヨードプロパンのアルキル化反応により調製することもできる〔ファルカー等(Farquhar, et al.), Tetrahedron Lett., 1995 36, 655〕。さらに、ホスフェートプロドラッグは、トリエチル亜リン酸の存在下でホスホリルクロリドによりヌクレオシドをジクロル酸中間体へ変換し、置換1,3-プロパンジオールで反応停止させることにより合成できる〔ファルカー等(Farquhar et al.), J. Org. Chem., 1983, 26, 1153〕。
リン酸化はリン酸の環状ジエステルと塩化チオニル、好ましくは塩化8-キノリンスルホニルとで混合酸無水物を調製し、塩基、好ましくはN-メチルイミダゾールの存在下でヌクレオシドのヒドロキシ基を反応させても達成できる〔タカク等(Takaku, et al.), J. Org. Chem., 1982, 47, 4937〕。加えて、分割により得られるリン酸環状ジエステルの純粋なエナンチオマー〔ウィンバーグ等(Wynberg, et al.), J. Org. Chem., 1985, 50, 4508〕から出発し、ホスフェートの純粋なエナンチオマーを得ることができる。

本発明で使用される化合物およびその製造は以下の実施例によりさらに理解することができる。これらは本発明化合物を製造する工程のいくつかを説明する。しかしながら、これら実施例は本発明を具体的に制限するものと解釈すべきでなく、該化合物のバリエーションは既知のもの、または後日開発されるものも、ここで請求するとおり本発明の範囲内に包含されると考えるべきである。
式Iの化合物は以下の概略に従い製造される。TLC条件としては、アナルテック(Analtech)のUNIPLATE、シリカゲルGHLF、10 X 20 cm、250ミクロンを用いた。
1-(アリール)プロパン-1,3-ジオールの合成
実施例1
グリニヤール付加およびハイドロボレーションによる1-(2'-フラニル)-プロパン-1,3-ジオールの製造
2-フルアルデヒド(3 g, 31.2 mmol)をTHF(60 mL)に溶解し、1M 臭化ビニルマグネシウムのTHF溶液(34 mL)を0℃で加えた。1時間撹拌した後、1M BH・THF錯体のTHF溶液を加えた。3N NaOH水溶液(20 mL)および30%過酸化水素水(10 mL)を0℃で加えて反応を停止させた。有機物分画を分離して濃縮した。粗生成物をクロマトグラフに付し、5%メタノール−ジクロロメタンで溶出して1-(2'-フリル)プロパン-1,3-ジオール(1 g)を得た。
実施例2
ベンジル酸化による1-(2'-ピリジル)-プロパン-1,3-ジオールの製造
ステップA: 〔J. Org. Chem. 22:589(1957)〕
3-(2'-ピリジル)プロパン-1-オール(10 g, 72.9 mmol)を酢酸(75 mL)に溶解し、30%過酸化水素水をゆっくりと加えた。反応混合物を80℃で16時間加熱した。反応溶液を減圧下で濃縮し、残渣を無水酢酸(100 mL)に溶解して110℃で終夜加熱した。反応が完結したら無水酢酸を留去した。混合物をクロマトグラフに付し、メタノール−ジクロロメタン(1:9)で溶出して純粋なジアセテート10.5gを得た。
ステップB:
ジアセテート(5 g, 21.1 mmol)をメタノール−水(3:1, 40 mL)に溶解し、炭酸カリウム(14.6 g, 105.5 mmol)を加えた。室温で3時間撹拌し反応混合物を濃縮した。残渣をクロマトグラフに付し、メタノール−ジクロロメタン(1:9)で溶出して結晶のジオール2.2gを得た。
実施例3
グリニヤール付加を介したプロパン-1,3-ジオールからの1-(アリール)-プロパン-1,3-ジオールの調製
ステップA:〔J. Org. Chem. 53:911(1988)〕
塩化オキサリル(5.7 mL, 97 mmol)をジクロロメタン(200 mL)に溶解し-78℃に冷却してジメチルスルホキシド(9.2 mL, 130 mmol)を加えた。反応混合物を-78℃で20分間撹拌してから3-(ベンジルオキシ)プロパン-1-オール(11 g, 65 mmol)/ジクロロメタン(25 mL)を加えた。-78℃で1時間経過後、トリエチルアミン(19 mL, 260 mmol)を加えて反応を停止させ、室温にまで加温した。後処理してカラムクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタンで溶出して8gの3-(ベンジルオキシ)プロパン-1-アルを得た。
ステップB:
3-(ベンジルオキシ)プロパン-1-アル(1 g, 6.1 mmol)をTHFに溶解して0℃に冷却し、1Mの臭化4-フルオロフェニルマグネシウム・THF溶液(6.7 mL, 6.7 mmol)を加えた。反応液を室温にまで加温し1時間撹拌した。後処理してカラムクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタンで溶出して0.7gのアルコールを得た。
ステップC:
ベンジルエーテル(500 mg)を酢酸エチル(10 mL)に溶解し、Pd(OH)2C(100 mg)を添加した。反応液を水素ガス下で16時間撹拌した。反応混合物をセライトで濾過して濾液を濃縮した。残渣をクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−塩化メチレン(1:1)で溶出して340 mgの生成物を得た。
実施例4
アリールアルデヒドから1-アリール置換−プロパン-1,3-ジオールを調製する一般的方法
ステップA:〔J. Org. Chem. 55:4744(1990)〕
ジイソプロピルアミン(2 mmol)をTHFに溶解(0.7 mL/mmol ジイソプロピルアミン)し、-78℃に冷却してn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(2 mmol, 2.5 M)をゆっくりと加えた。反応液を-78℃で15分間撹拌してから酢酸エチル(2 mmol)をTHFに溶解(0.14 mL/mmol 酢酸エチル)してゆっくりと加えた。-78℃でさらに30分間撹拌してから、アリールアルデヒドのTHF溶液(1.0 mmol/0.28 mL THF)を加えた。反応液を-78℃で30分間撹拌し室温にまで加温してさらに2時間撹拌した。水を加えて後処理(0.5 M HCl)し、有機層を濃縮して粗生成物オイル(β-ヒドロキシエステル)を得た。
ステップB:
粗ヒドロキシエステルをエーテル中(2.8 mL/mmol)に溶解し、氷水浴で冷却して水素化リチウムアルミニウム(3 mmol)を一度に加えた。反応液を撹拌して氷水浴を溶解させ室温に至らしめた。室温で終夜撹拌した後、反応液を再び氷水浴で冷却し酢酸エチルを加えて反応を停止させた。水を加えて後処理し(0.5M HCl)、得られた粗オイルをクロマトグラフィーまたは蒸留で精製した。
実施例4a
1-(3-メトキシカルボニルフェニル)-1,3-プロパンジオールの合成
実施例4と同様にして1-(3-ブロモフェニル)-1,3-プロパンジオールを調製し、さらに次のようにして誘導体化した;
耐圧容器に1-(3-ブロモフェニル)-1,3-プロパンジオール(2 g, 8.6 mmol)、メタノール(30 mL)、トリエチルアミン(5 mL)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(0.36 g, 05 mmol)を加えた。容器を密閉して一酸化炭素で55 psiにまで加圧し85℃で24時間加熱した。容器を冷却して開栓し反応混合物をセライトで濾過してメタノールで洗浄した。濾液をあわせて減圧下で濃縮し残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して題記化合物(1.2 g)を得た。
TLC:ヘキサン/酢酸エチル=2/8;Rf=0.5
H−NMR(CDCl3, バリアン Gemini 200 MHz): 5.05-4.95(m, 1H), 3.9(s, 3H), 2-1.8(m, 2H).
実施例4b
1-(4-メトキシカルボニルフェニル)-1,3-プロパンジオールの合成
実施例4と同様にして1-(4-ブロモフェニル)-1,3-プロパンジオールを調製し、さらに実施例4aのようにして誘導体化した;
TLC:ヘキサン/酢酸エチル=3/7;Rf=0.35
H−NMR(CDCl3, バリアン Gemini 200 MHz): 5.1-5(m, 1H), 3.91(s, 3H), 2.05-1.9(m, 2H).
エナンチオマーに富む、1-(アリール)プロパン-1,3-ジオールの合成
実施例5
1,3-ジオール・ラセミ体の分割の一般方法
以下の手順に記載の通り、実施例1−4で合成されたラセミ体ジオールを分割してそれぞれのエナンチオマーを得ることができる。
ステップA:
ジオール(1.0 mmol)をTHF(1.0 ml)に溶解してヘキサメチルジシラザン(2.1 mmol)を加え、続いて触媒量のトリメチルシリルトリフレート(2,3滴)を加えた。室温で1時間撹拌した後、反応液をヘキサン(4 mL)で希釈し、氷冷水で後処理した。得られたジシリルエーテルをクロマトグラフィーで精製するか、または純度が十分であればそのまま次の反応に供した。
ステップB:
ジシリルエーテル(1.0 mmol)と(-)-メントン(1.1 mmol)をジクロロメタン(2.0 ml)に溶解して-40℃に冷却し、トリメチルシリルトリフレート(0.11 mmol)を加えた。反応液を48時間、-50℃〜-60℃に冷却しその後ピリジンを加えて反応を停止させた。室温にまで加温し粗混合物をヘキサン(4.0 ml)で希釈して水を加え処理した。二つのケタールをクロマトグラフィーで分離した。
ステップC:
分離したケタールをそれぞれメタノールに溶解(4.0 mL/mmol)し、触媒量の濃塩酸を加えて加水分解した。室温で終夜撹拌した後、減圧下でメタノールを留去し、残渣に水を加えて処理した。分割したジオールはクロマトグラフィーまたは蒸留のいずれかによりさらに精製した。
実施例6
シャープレス不斉エポキシ化による、エナンチオマーに富む1-(3'-クロロフェニル)-1,3-ジヒドロキシプロパンの合成
ステップA:
m−クロロケイヒ酸(25 g, 137 mmol)をエタノール(275 mL)中に分散させ、室温で濃硫酸(8 mL)を加えた。反応液を終夜還流して濃縮した。氷水を加えて析出した白色固体を濾取し冷水で洗浄した。沈殿物を減圧下で終夜乾燥しエステル25gを得た。(Rf= 0.5、シリカ上、ジクロロメタン)
ステップB:
エチルm−クロロケイヒ酸(23 g, 109.5 mmol)をジクロロメタンに溶解し-78℃に冷却して、1M DIBAL−H/ジクロロメタン(229 mL, 229 mmol)を1時間かけて滴下した。反応液を-78℃でさらに3時間撹拌した。酢酸エチルを加えて過剰のDIBAL−Hの反応を停止させ、酒石酸カリウムナトリウムの飽和水溶液を加えて反応液を室温で3時間撹拌した。有機層を分離して塩を酢酸エチルで洗浄した。有機層を合一して濃縮し、120℃/0.1mmで蒸留してアリルアルコール14gを得た。(Rf=0.38、シリカゲル上、酢酸エチル:ヘキサン=1:1)
ステップC:
m−クロロケイヒアルコール(5 g, 29.76 mmol)を塩化メチレン(220 mL)に溶解し、活性化した4Åモレキュラーシーブ末(2.5 g)を加えて混合物を-20℃に冷却した。(+)-酒石酸ジエチル(0.61 mL, 3.57 mmol)を-20℃で加えて15分間撹拌し、チタンテトライソプロポキシド(0.87 g, 2.97 mmol)を加えた。反応液をさらに30分間撹拌し、内部温度を-20℃から-25℃に保ちながら5-6Mt−ブチルヒドロパーオキシド/ヘキサン溶液(10 mL, 60 mmol)を滴下した。-20℃で混合物をさらに3時間撹拌してから、10%水酸化ナトリウム/塩化ナトリウム水溶液(7.5 mL)を加え次いでエーテル(25 mL)を加えた。反応液を10℃にまで加温し15分間撹拌してから無水硫酸マグネシウム(10 g)およびセライト(1.5 g)を加えた。混合物をさらに15分間撹拌し、濾過して25℃で濃縮し粗エポキシアルコールを得た。(Rf=0.40、シリカ上、酢酸エチル:ヘキサン=1:1)
ステップD:
先の反応で得られた粗m−クロロエポキシケイヒアルコールをジメトキシエタン(300 mL)に溶解し、窒素ガス下0℃に冷却して、65%% Red−Al/トルエン溶液(18.63 mL, 60 mmol)を滴下した。室温で3時間撹拌後、溶液を酢酸エチル(400 mL)で希釈し、硫酸ナトリウムの飽和水溶液(50 mL)を加えて反応を停止させた。室温で30分間撹拌した後、生成した白色沈殿を濾取し酢酸エチルで洗浄した。濾液を乾燥して濃縮した。粗生成物を125-130℃/0.1mmで蒸留してエナンチオマーに富む(R)-1-(3'-クロロフェニル)-1,3-ジヒドロキシプロパン3.75gを得た。(Rf=0.40、シリカ上、酢酸エチル:ジクロロメタン=1:1)
エナンチオマー過剰率はジアセテート(ジオールを塩化メチレン中、無水酢酸、トリエチルアミン、触媒量のDMAPで処理して調製)としてHPLC〔(S,S) Whelko-0, 250cm X 4.0mm IDRegisより購入〕で定義した。
(R)-1-(3'-クロロフェニル)-1,3-ジヒドロキシプロパン: 91% ee
(+)-酒石酸ジイソプロピルは(R)-1-(3'-クロロフェニル)-1,3-ジヒドロキシプロパンを>96% eeで与えた。
(S)-1-(3'-クロロフェニル)-1,3-ジヒドロキシプロパンも同様にして、(-)-酒石酸を用いる不斉エポキシ化と還元により同様の収率で得られた。(S)-3-(3'-クロロフェニル)-1,3-ジヒドロキシプロパンは79% eeで得られた。
実施例7
水素移動反応による、エナンチオマーに富む1-(3'-クロロフェニル)-1,3-ジヒドロキシプロパンの合成
ステップA:3-(3'-クロロフェニル)-3-オキソ-プロパン酸メチルの調製
22Lの丸底三口フラスコに機械撹拌装置、温度計および窒素流入口(ラインの気泡管)を装着した。該フラスコを窒素ガスでフラッシュし、THF(6 L)、カリウムt−ブトキシド(1451 g)、次いでTHF(0.5 L)を連続して加えた。得られた混合物を周辺温度で15分間撹拌してから、20℃の水浴を適用した。3 Lの丸底フラスコに3'-クロロアセトフェノン(1000 g)と炭酸ジエチルを入れ、得られた黄色溶液を、カリウムt−ブトキシド溶液を撹拌しながらその中にゆっくりと加えた。この間温度は16℃から31℃の範囲であった。すべてを加えてから(1時間10分)、冷却浴を取り除き溶液を1時間30分間撹拌した。TLCは反応の完了を示した。5ガロンの固定型分液ろうとに氷水(4 L)および濃塩酸(12 M、1.3 L)を加えた。暗赤色反応溶液をその酸性水溶液中に注いで反応を停止させ、混合物を15分間撹拌した。層を分離して水層(下層)を再度トルエン(4 L)で抽出した。有機層をあわせて飽和食塩水で洗浄(2 X 3 L、それぞれ10分間撹)し、乾燥(MgSO4)してから、減圧下で濃縮し、褐色のオイル1480gを得た。該オイルを終夜高真空下(10 torr)におくと1427gとなった。これを減圧蒸留し108-128℃1-0.5 torrの留分を集めて1273.9 gの黄色オイルを得た。(Rf=0.36、20% 酢酸エチル/ヘキサン).
ステップB:(S)-3-(3'-クロロフェニル)-3-ヒドロキシプロピオン酸メチルの調製
Figure 2007522237
12Lの丸底三口フラスコに機械撹拌装置、温度計、滴下ろうと(500 mL)および窒素流入口(ラインの気泡管)を装着した。該フラスコを窒素ガスでフラッシュし、ギ酸(292 mL, 350 g)を入れた。トリエチルアミン(422 mL, 306 g)を滴下ろうとに入れ、撹拌しながらゆっくりと滴下した。温度は45℃より低く保った。滴下完了後、氷水浴を適用して溶液を20分間撹拌し、その後周辺温度でさらに1時間撹拌した。該フラスコに、3-(3-クロロフェニル)-3-オキソ-プロパン酸メチル(1260 g)、DMF(洗い込み量を加えて2.77 L)、および(S,S)-Ts-DPEN-Ru-Cl-(p-シメン)(3.77 g)を続いて加えた。フラスコに加熱マントルを装着し、滴下ろうとをコンデンサー(5C循環冷却液)に置き換えた。反応溶液を撹拌しながら60℃でゆっくり加熱し(60℃に達するのに90分)、内容物を60℃で4.25時間加熱した。HPLCは残存出発物質が3%であることを示した。反応液を60℃でさらに8時間加熱し、その後終夜で徐々に周辺温度にまで放冷した。HPLCは出発物質が0.5%であることを示した。5ガロンの固定式分液ろうとに水(10 L)およびMTBE(1 L)を加えた。反応溶液を該水溶液に注ぎ、反応フラスコをさらに1 LのMTBEで洗浄した。内容物を数分間撹拌し、層を分離した。水層をさらにMTBE(2 X 1 L)で抽出し、有機層を合一して飽和食塩水(1 L)で洗浄し減圧下で濃縮して赤色のオイル1334gを得た。該オイルはさらに精製することなく次の工程に供した。
粗ヒドロキシエステル(10 mg, 0.046 mmol)をジクロロメタン(1 mL)に溶解した。無水酢酸(22 μL, 0.23 mmol)および4-(ジメチルアミノ)ピリジン(22 mg, 0.18 mmol)を加えて溶液を周辺温度で15分間撹拌した。ジクロロメタン(10 mL)で希釈して1M 塩酸で洗浄した(3 X 3 mL)。有機層を乾燥して(MgSO4)、濾過し減圧下で濃縮した。油状残渣をメタノールに溶解し、キラルHPLCで分析した(Zorbax Rx-C18, 250 X 4.6 mm; 移動相: 65/35 (v/v) 水/アセトニトリル, イソクラチック溶出; 流速 = 1.5 mL/min; 注入量 = 15 μL; 検出UV 220 nm. 保持時間: 生成物 = 9.3 min, 出発物質 = 17.2 min)。ヒドロキシエステルをアセテートに誘導しキラルHPLCで分析した結果、91% eeを示した。(HPLC条件: カラム: Pirkle covalent (S,S) Whelk-O 10/100 krom FEC, 250 X 4.6 mm; 移動相: 70/30 (v/v) メタノール/水、イソクラチック溶出; 流速: 1.5 mL/min; 注入量 = 10 μL; 検出UV 220 nm. 保持時間: S-ヒドロキシエステル(アセテート) = 9.6 min, R-ヒドロキシエステル (アセテート) = 7.3 min.)
ステップC:(S)-3-(3'-クロロフェニル)-3-ヒドロキシプロピオン酸の調製
10Lの回転式エバポレータフラスコ内に粗ヒドロキシエステルを入れ、2M 水酸化ナトリウム水溶液(2.5 L)を加えた。得られた溶液を周辺温度下、回転式エバポレータ上で2時間撹拌した。HPLCは残存出発物質5%を示した(HPLC条件:Zorbax Rx-C18, 250 X 4.6 mm; 移動相: 65/35 (v/v) 水/アセトニトリル, イソクラチック溶出; 流速 = 1.5 mL/min; 注入量 = 15 μL; 検出UV 220 nm. 保持時間: 生成物 = 3.8 min, 出発物質 = 18.9 min)。溶液のpHは11であった(広域pH試験紙)。2M NaOH水溶液を追加してpHを14に調節し(およそ100 mL)溶液をさらに30分間撹拌した。HPLCは反応の完結を示した。溶液を5ガロンの固定式分液ろうとに移し、MTBE(2 L)で抽出した。層を分液して有機層を廃棄した。水層を分液ろうとに戻し、12M 塩酸(600 mL)で酸性化した。混合物をMTBE(1 X 2 L, 2 X 1 L)で抽出した。有機層をあわせて乾燥し(MgSO4)、濾過して減圧下で濃縮し褐色の油状半固体1262gを得た。該残渣に酢酸エチル(1 L)を加えてスラリー化し、機械撹拌装置、加熱マントル、コンデンサーおよび温度計が装着された12Lの丸底三口フラスコ内に移した。出発物質を加熱して(28℃)すべての固体を溶解させ、暗色の溶液を10℃に冷却した(11℃で固体が析出)。混合物にゆっくりとヘキサンを加えて(1時間で4 L)希釈し、得られた混合物を<10℃で2時間撹拌した。混合物を濾過して集めた固体を冷ヘキサン/酢酸エチル(4/1)(1 L)で洗浄し、恒量となるまで乾燥した(-30in.Hg, 50℃、4 h)。回収=ベージュ色固体837g、mp = 94.5-95.5℃。
ヒドロキシ酸のサンプル50mgをボラン-THFでジオールに還元(ステップD参照)した。粗ジオールをジアセテートに変換し(ステップBと同様)キラルHPLCで分析した。保持時間: S-ジオール(ジアセテート)= 12.4 min, R-ジオール(ジアセテート)= 8.8 min.) ee = 98%。
ヒドロキシ酸の二次物を単離した。上記の濾液を減圧下に濃縮し260gの褐色スラッジを得た。これを酢酸エチル(250 mL)に溶解し、暗色の溶液を撹拌しながらヘキサン(1000 mL)でゆっくり希釈し、得られた混合物を周辺温度で終夜撹拌した。混合物を濾過し固体を集めてヘキサン/酢酸エチル(5/1)(200mL)で洗浄し恒量となるまで乾燥した(-30in.Hg, 50℃、16 h)。回収=ベージュ色固体134g、ee = 97%。
ステップD:(S)-(-)-1-(3-クロロフェニル)-1,3-プロパンジオールの調製
Figure 2007522237
22Lの丸底三口フラスコに機械撹拌装置、温度計および窒素流入口(ラインの気泡管)を装着した。フラスコ内に2M ボラン−THF(3697 g, 4.2 L)を入れ、撹拌しながら5℃に冷却した。(S)-3-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシプロピオン酸(830 g)をTHF(1245 mL)に溶解した(わずかに発熱)。該フラスコに滴下ろうと(1 L)を装着し、温度を<16℃に保ちながら、ボラン溶液を撹拌しつつ、ヒドロキシ酸のTHF溶液をゆっくりと滴下した。滴下が完了(3 h)後、混合物を氷冷浴温度で1.5時間撹拌した。水(2.5 L)を注意して加え、反応を停止させた。水の添加が完了(30分)後、3M NaOH水溶液(3.3 L)を加え(温度が35℃まで上昇)、混合物をさらに20分間撹拌した(温度は30℃)。反応液を5ガロンの固定式分液ろうとに移して層を分液した。水溶液をMTBE(2.5 L)で抽出し有機層(THFおよびMTBE)を合一して20重量%のNaCl水溶液(2 L)で洗浄しMgSO4(830 g)を加えて30分間撹拌した。混合物をセライトで濾過して減圧下で濃縮し735gの粘稠な褐色オイルを得た。これを減圧下で蒸留し、135-140℃/0.2mmHgの留分を集めて無色オイル712.2gを得た。
ジオールをジアセチル化してキラルHPLCで分析した(e.e. = 98%)(ステップB参照)。保持時間: S-ジオール(ジアセテート) = 12.4 min, R-ジオール(ジアセテート) = 8.9 min. [α]D = -51.374 (5 mg/mL、CHCl3)。
実施例8
水素移動反応による、エナンチオマーに富む1-(4'-ピリジル)-1,3-ジヒドロキシプロパンの合成
ステップA:3-オキソ-3-(ピリジン-4-イル)-プロパン酸メチルの合成
50 Lの丸底三口フラスコに頂上攪拌機、加熱マントルおよび窒素流入口を装着した。該フラスコ内にTHF(8 L)、カリウムt−ブトキシド(5 kg, 44.6 mol)、およびTHF(18 L)を入れた。4-アセチルピリジン(2.5 kg, 20.6 mol)、続いて炭酸ジメチル(3.75 L, 44.5 mol)を加えた。反応混合物を加熱なしに2.5時間、次いで57-60℃に加熱して3時間撹拌した。加熱を停止し、混合物をゆっくり終夜放冷した(15 h)。混合物を45cmのブフナーろうとで濾過し、固体を50Lのフラスコ内に戻し酢酸水溶液(酢酸3 Lと水15 L)で希釈した。混合物をMTBE(1 x 16 L, 1 x 12 L)で抽出した。有機層を合一して炭酸ナトリウム水溶液(Na2CO3 1750 gと水12.5 L)、NaHCO3飽和水溶液(8 L)および飽和食塩水(8 L)で洗浄しMgSO4(500 g)上で終夜乾燥した(15 h)。溶液を濾過して溶媒を回転式エバポレーターで除去し6.4kgの物質を得た。得られた懸濁液を氷水浴で冷却しながら2時間撹拌した。固体を濾取してMTBE(500 mL)で洗浄し、減圧下、20℃で15時間乾燥してケトエステル2425gを淡黄色固体として得た。
MTBE母液を約1 Lまで濃縮した。得られた懸濁液を氷水浴で冷却しながら1時間撹拌した。固体を濾取してMTBE(2 x 150 mL)で洗浄し減圧乾燥して第二次晶240gを得た。
TLC:Merckのシリカゲルプレート、THF/ヘキサン(1/2)、UVランプ、Rf=0.25(SM)、0.3(生成物)
融点:74-76℃
ステップB:S-3-ヒドロキシ-3-(ピリジン-4-イル)-プロパン酸メチルの合成
Figure 2007522237
22 Lの丸底三口フラスコに頂上攪拌機、温度計、滴下ろうと(1 L)および冷却容器(空)を装着した。該フラスコを窒素ガスでフラッシュし、ギ酸(877 g)を入れて氷冷した。トリエチルアミン(755 g)を滴下ろうとに入れ、ギ酸を撹拌しながら50分かけてゆっくりと滴下した。滴下の完了後、冷却槽を除去して反応液をDMF(5.0 L)で希釈した。ケトエステル(2648 g)を一度に加え、次いでDMF0.5Lを追加した。フラスコに加熱マントルを装着し、混合物を撹拌しながら16℃にまで加温して固体をすべて溶解させた。触媒の(S,S)-Ts-DPEN-Ru-Cl-(p-シメン)(18.8 g)を一度に加えて、混合物を撹拌しながら55℃で1時間加熱した。TLCは反応完結を示した。溶媒を減圧下に留去(Buchi R152 回転式エバポレータ、減圧下、浴槽温度60℃)し、褐色のオイル3574gを得た。このオイルをジクロロメタン(10 L)に溶解し、5ガロンの固定式分液ろうとに移した。暗色の溶液を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3.0 L)で洗浄し、水層をジクロロメタン(3.0 L)で逆抽出した。ジクロロメタン溶液をあわせてMgSO4(300 g)上で乾燥し、濾過して、減圧下に濃縮し3362gの褐色オイルを得た。
カラム:Chiralpak AD, 0.46 x 25 cm; 移動相 = 10:90, エタノール:ヘキサン, イソクラチック溶出; 流速= 1.5 mL/min; 注入量= 10 μL;検出 UV 254 nm.
保持時間: R-ヒドロキシエステル = 19.9 min.
S-ヒドロキシエステル = 21.7 min.
保持時間: R-ジオール = 14.2 min.
S-ジオール = 15.5 min
ヒドロキシエステル:
H−NMR(CDCl3): δ 2.73(d, 2H, J=1.5Hz), 3.73(s, 3H), 4.35(s, 1H), 5.11-5.19(m, 1H), 7.31(d, 2H, J=6.6Hz), 8.53(d, 2H, J=6.0Hz).
Merck シリカゲル 60 プレート, 2.5 X 7.5 cm, 250 ミクロン; UVランプ: 5% MeOH/CH2Cl2; Rf = 0.44(S.M.), Rf = 0.15(生成物).
e.e. = 87% ヒドロキシエステルS-異性体.
ステップC:S-(-)-1-(ピリド-4-イル)-1,3-プロパンジオールの合成
Figure 2007522237
22 Lの丸底四口フラスコに頂上攪拌機、温度計、滴下ろうと(2 L)、コンデンサーおよび冷却容器(空)を装着した。該フラスコを窒素ガスでフラッシュし、水素化ホウ素ナトリウム(467 g, 12.3 mol)、1-ブタノール(9.0 L)、および水(148 mL, 8.23 mol)を続いて入れた。粗ヒドロキシエステルを1-ブタノール(1.0 L)に溶解し、該溶液を滴下ろうとに入れた。必要に応じて冷却し温度が62℃より低くなるようにしながら、3.25時間かけて該溶液を滴下した。滴下の完了後、混合物を0.5時間撹拌し、次いでフラスコに加熱マントルを装着して混合物を撹拌しながら0.75時間で90℃にまで加熱した。該混合物を90-93℃で2.25時間加熱し、次いで1.5時間で28℃にまで冷却した。炭酸カリウム水溶液(10 wt/vol %, 6 L)を加えて反応を停止させ、混合物を10分間撹拌した。層を分液し、ブタノール層を炭酸カリウム水溶液(10 wt/vol %, 2 L)、および塩化ナトリウム水溶液(15 wt/vol %, 2 L)で洗浄した。溶媒を減圧下で留去し(Buchi R152 回転式エバポレータ、減圧下、浴槽温度60℃)、濃縮液と留去物10.5 Lを得た。アセトニトリル(3 L)をエバポレータフラスコ内に加えて、減圧下で溶媒を留去した。
アセトニトリル(9 L)を再びエバポレータフラスコ内に加えスラリーを60℃(浴槽温度70℃、大気圧)で15分間撹拌した(回転式エバポレータ上で回転)。熱いスラリーをセライト521(250gをアセトニトリル1 Lでスラリー化して24cmのブフナーろうと上にあらかじめパック)で濾過した。濾液を減圧下で部分的に濃縮し(留去物5 Lを得る)、得られたスラリーを大気圧下で回転式エバポレータ上にて加熱して(浴槽温度65℃)固体をすべて溶解させた。熱源を切り、得られた溶液を回転式エバポレータ上で10時間撹拌し、徐々に周辺温度にまで放冷した。得られた混合物を濾過して固体をアセトニトリル(2 X 200 mL)で洗浄し恒量となるまで乾燥し(-30in.Hg, 55℃, 4 h)、S-(-)-1-(4-ピリジル)-1,3-プロパンジオール496gを黄色固体として得た。
融点= 98-100℃
HPLC条件:カラム: Chiralpak AD, 0.46 x 25 cm; 移動相 = 10:90, エタノール:ヘキサン, イソクラチック溶出; 流速= 1.5 mL/min; 注入量= 10 μL; 検出 UV 254 nm.
保持時間: R-ジオール = 14.2 min.
S-ジオール = 15.5 min.
Merck シリカゲル 60 プレート, 2.5 X 7.5 cm, 250 ミクロン; UV ランプ; 15% MeOH/CH2Cl2; Rf = 0.38(出発物質), Rf = 0.17(生成物), Rf = 0.26(ホウ素錯体).
実施例9
(-)-β-クロロジイソピノカンフェイルボラン(DIPCl)還元による、(S)-3-(3'-クロロフェニル)-1,3-ジヒドロキシプロパンの合成
ステップA:3-(3-クロロフェニル)-3-オキソ-プロパン酸の調製
12Lの丸底三口フラスコに機械撹拌装置と滴下ろうと(2 L)を装着した。該フラスコを窒素ガスでフラッシュし、ジイソプロピルアミン(636 mL)およびTHF(1.80 L)を入れた。熱電対プローブを反応溶液中に沈め、撹拌しながら-20℃に冷却した。2.5M n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1.81 L)を滴下ろうとに入れて、反応液を撹拌し温度を-20℃から-28℃に維持しながらゆっくり滴下した。滴下の完了後(30分)、滴下ろうとをヘキサンで洗浄し、撹拌しながら-62℃に冷却した。温度を<-60℃に維持しながら、酢酸トリメチルシリル(300 g)をゆっくりと加えた。滴下の完了後(30分)、該溶液を-60℃で15分間撹拌した。撹拌しながら、塩化3-クロロベンゾイル(295 mL)をゆっくりと加え、温度は<-60℃に維持した。滴下が完了後(65分)、冷却槽を除いて反応液を1.25時間撹拌し徐々に0℃まで加温した。反応フラスコを氷冷槽で冷却し、撹拌しながら水(1.8 L)を加えた。反応混合物を10分間撹拌してから、t−ブチルメチルエーテル(1.0 L)で希釈した。下側の水層を分液して、機械攪拌機を備えた12Lの丸底三口フラスコに移した。t−ブチルメチルエーテル(1.0 L)を加えて、混合物を撹拌しながら<10℃に冷却した(氷浴)。濃塩酸(12M溶液300mL)を加えて混合物を激しく撹拌した。二層を分液し、水層に濃塩酸(30 mL)を追加してさらに酸性化し、t−ブチルメチルエーテル(1.0 L)で再度抽出した。MTBE抽出液を合一し、飽和食塩水(1 L)で洗浄して乾燥し(MgSO4, 70 g)、濾過して減圧下で濃縮し黄色固体827gを得た。この粗固体にヘキサン(2.2 L)を加えてスラリー化し、機械攪拌機を備えた5Lの丸底三口フラスコに移した。該混合物を<10℃(氷浴)で1時間撹拌してから、濾過しヘキサンで洗浄し(4 X 100mL)、恒量となるまで乾燥した(-30 in.Hg、周辺温度、14時間)。回収量=309g(淡黄色粉末)
ステップB:(S)-3-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシプロパン酸の調製
Figure 2007522237
12Lの丸底三口フラスコに機械撹拌装置と滴下ろうと(1L)を装着した。フラスコを窒素ガスでフラッシュし3-(3-クロロフェニル)-3-オキソ-プロパン酸(275.5 g)とジクロロメタン(2.2 L)を加えた。熱電対プローブを反応スラリー中に沈め、内容物を撹拌しながら-20℃に冷却した。該スラリーを撹拌しながら、トリエチルアミン(211 mL)を5分間で加え固体をすべて溶解させた。1.60M (-)-β-クロロジイソピノカンフェニルボランのジクロロメタン溶液(1.04 L)を滴下ろうとに入れて、撹拌しながらゆっくりと滴下し温度は-20℃から-25℃の範囲内に維持した。滴下(35分間)完了後、溶液を氷冷温度(2-3℃)にまで加温し4時間撹拌した。曇ったオレンジ色の反応混合液に水(1.2 L)を加え、続いて3M NaOH水溶液(1.44 L)を加えた。混合物を5分間、激しく撹拌してから分液ろうとに移した。二層を分液して、塩基性の水層を酢酸エチル(1.0 L)で洗浄した。水層を濃塩酸(300 mL)で酸性化し酢酸エチルで抽出した(2 X 1.3 L)。二つの酸性酢酸エチル抽出物を合一して飽和食塩水(600 mL)で洗浄しMgSO4(130 g)上で乾燥した。濾過して濾液を減圧下で濃縮し黄色のオイル328 g(放置すると結晶化した)を得た。その固体を酢酸エチル(180 mL)でスラリー化し攪拌機を備えた2Lの丸底三口フラスコへ移した。混合物を撹拌しながら<10℃に冷却し(氷浴)、ヘキサン(800 mL)で希釈した。得られた混合物を氷浴中で4時間撹拌してから濾過した。固体をヘキサン:酢酸エチル=4:1(3 X 50 mL)で洗浄し、恒量となるまで乾燥した(-30in.Hg、周辺温度、12時間)。回収=207.5 g(白色粉末)
ステップC:(S)-(-)-1-(3-クロロフェニル)-1,3-プロパンジオールの調製
Figure 2007522237
実施例7のステップDと同様にして調製した。残渣をメタノール(1 mL)に溶解してキラルHPLCで分析した(実施例7、ステップB参照)。ee > 98%。
実施例10
触媒的不斉水素化による1,3-ジオールの調製
ステップA:
出発物質のβ−ケトエステルは実施例7ステップAの記載に従って合成した。
ステップB:
β−ケトエステル(1 mmol)を含むメタノールまたはエタノール溶液(ケトエステル濃度5-10 mL/mmol)を室温下で何度かポンプ吸引/窒素ガス置換を繰り返して脱気した。脱気した溶液をグローブバッグ内に置き、窒素下で撹拌子および1.0 mole %のRu−BINAPを含むステンレス製容器に移した。容器を密封し、グローブバッグから取り出してHガスでパージし、150psiのHガスを加えて室温下18-24時間撹拌した。水素圧を開放してから容器を開封し反応混合物を取り出して濃縮した。粗β−ヒドロキシエステルを加水分解に供した。
ステップC:
粗β−ヒドロキシエステルを実施例7、ステップCに記載に従い加水分解した。
ステップD:
光学活性なβ−ヒドロキシカルボン酸を7、ステップDに記載に従い還元した。
ラセミ体のリン酸化試薬の合成
実施例11
トランス-4-(アリール)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン合成の一般的方法
Figure 2007522237
実施例11.1:トランス-4-(3-クロロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(3-クロロフェニル)-1,3-プロパンジオール(25 g, 134 mmol)およびトリエチルアミン(62.5 mL, 442 mmol)をTHFに溶解して、室温下で4-ニトロフェニル-ホスホロジクロリデート (37.7 g, 147 mmol)のTHF溶液に加え、得られた混合物を加熱環流した。2時間後、TLCは出発物質のジオールの完全な消失とシス/トランス異性体(HPLCで60/40の比)の生成を示した。きれいな黄色溶液を30℃に冷却し、4-ニトロフェノキシドナトリウム(56 g, 402 mmol)を加えて反応混合物を加熱環流した。90分後、赤みがかった反応混合物を室温にまで冷却し室温で2時間撹拌してから冷蔵庫内で終夜静置した。HPLCで決定した最終的な比率はトランス/シス=96/4であった。
反応混合物に塩化アンモニウム飽和水溶液を加えて反応停止させ酢酸エチルで希釈した。二層を分離し、有機層を0.3N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄してニトロフェノーールを除去し、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。濾過した溶液を減圧下で乾燥し得られた固体を酢酸エチルから再結晶して大きな灰白色針状結晶を得た(45 g、mp = 115-116℃、純度98 A%)。
H−NMR(CDCl3、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: シス異性体5.6-5.8(m, 1H)、トランス異性体5.5-5.69(m, 1H).
TLC条件: メルク シリカゲル60 F254プレート, 厚さ250 μm; 移動相 = 60/40 ヘキサン/酢酸エチル; Rf: ジオール = 0.1、シス-ホスフェート= 0.2, トランス-ホスフェート = 0.35.
HPLC条件: カラム = ウォーターズ μBondapack C18 3.9 x 300 mm; 移動相 = 40/60 アセトニトリル/リン酸緩衝液pH 6.2; 流速 = 1.4 mL/min; 検出 = UV @ 270 nm; 保持時間(分): シス異性体= 14.46, トランス異性体= 16.66, 4-ニトロフェノール = 4.14.
実施例11.2:トランス-4-(3-ピリド-3-イル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
実施例11.1と同様。
H−NMR(CDCl3、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体 5.6-5.8(m, 1H).
実施例11.3:トランス-4-(3、5-ジフルオロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
実施例11.1と同様。
TLC条件:メルク シリカゲル60 F254 プレート, 厚さ250 μm; 移動相 = 50/50 ヘキサン/酢酸エチル; Rf: ジオール= 0.1, シス-ホスフェート = 0.25, トランス-ホスフェート = 0.4.
H−NMR(CDCl3、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体 5.7-5.5(m, 1H).
実施例11.4:トランス-4-(4-メチルフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(4-メチルフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例11.1と同様。
TLC:50/50 ヘキサン/酢酸エチル; Rf : シス-ホスフェート = 0.25; トランス-ホスフェート = 0.35.
H−NMR(CDCl3、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体5.65-5.5(m, 1H).
実施例11.5:トランス-4-(3、5-ジメチルフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(3,5-ジメチルフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例11.1と同様。
TLC:50/50 ヘキサン/酢酸エチル; Rf : シス-ホスフェート = 0.2; トランス-ホスフェート = 0.3.
H−NMR(CDCl3、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体5.6-5.45(m, 1H).
実施例11.6:トランス-4-(3、5-ジクロロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(3,5-ジクロロフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例11.1と同様。
TLC:70/30 ヘキサン/酢酸エチル; Rf : シス-ホスフェート = 0.3; トランス-ホスフェート = 0.5.
H−NMR(CDCl3、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体5.85-5.7(m, 1H).
実施例11.7:トランス-4-(ピリド-4-イル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(ピリド-4-イル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例11.1と同様。
TLC: 95/5 ジクロロメタン/エタノール; Rf : トランス-ホスフェート = 0.35.
H−NMR(CDCl3、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体5.7-5.55(m, 1H).
実施例11.8:トランス-4-(3-メトキシカルボニルフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(3-メトキシカルボニルフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例11.1と同様。
TLC: 30/70 ヘキサン/酢酸エチル; Rf : シス-ホスフェート= 0.5;トランス-ホスフェート = 0.6.
H−NMR(CDCl3、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体5.7-5.6 (m, 1H)
実施例11.9:トランス-4-(4-メトキシカルボニルフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(4-メトキシカルボニルフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例11.1と同様。
TLC: 30/70 ヘキサン/酢酸エチル; Rf : シス-ホスフェート= 0.35;トランス-ホスフェート = 0.5.
H−NMR(CDCl3、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体5.7-5.6(m, 1H).
実施例11.10:トランス-4-(5-ブロモピリド-3-イル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(5-ブロモピリド-3-イル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例11.1と同様。
H−NMR(CDCl3、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体5.8-5.65(m, 1H).
実施例11.11:トランス-4-(2,3-ジクロロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(2,3-ジクロロフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例13aのように4-ニトロフェノールと水素化リチウムで異性化を行う以外は実施例11.1と同様。
H−NMR(CDCl3、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体6-5.9 (m, 1H).
実施例11.12:トランス-4-(2,3、5-トリクロロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(2,3、4-トリクロロフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例13bのように4-ニトロフェノールとトリエチルアミンで異性化を行う以外は実施例11.1と同様。
H−NMR(CDCl3、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体5.9-5.7(m, 1H).
実施例11.13:トランス-4-(2-クロロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(2-クロロフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例13aのように4-ニトロフェノールと水素化リチウムで異性化を行う以外は実施例11.1と同様。
H−NMR(CDCl3、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体6-5.9(m, 1H).
実施例11.14:トランス-4-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(3,5-ジメトキシフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例13bのように4-ニトロフェノールとトリエチルアミンで異性化を行う以外は実施例11.1と同様。
H−NMR(CDCl3、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体5.55-5.45(m, 1H), 3.3(s, 6H).
実施例11.15:トランス-4-(2-ブロモシフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(2-ブロモシフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例13aのように4-ニトロフェノールとトリエチルアミンで異性化を行う以外は実施例11.1と同様。
H−NMR(CDCl3、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体5.95-5.85(m, 1H).
実施例11.16:トランス-4-(3-ブロモ-5-エトキシフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(3-ブロモ-5-エトキシフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例13bのように4-ニトロフェノールとトリエチルアミンで異性化を行う以外は実施例11.1と同様。
H−NMR(CDCl3、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体5.9-5.75(m, 1H), 4.04(q, 2H), 1.39(t, 3H).
実施例11.17:トランス-4-(2-トリフルオロメチルフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(2-トリフルオロメチルフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例13bのように4-ニトロフェノールとトリエチルアミンで異性化を行う以外は実施例11.1と同様。
H−NMR(CDCl3、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体6-5.75(m, 1H).
実施例11.18:トランス-4-(4-クロロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(4-クロロフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、異性化することなくシス/トランス混合物からトランス異性体を単離すること以外は実施例11.1と同様。
TLC:1/1 ヘキサン/酢酸エチル; Rf : シス-ホスフェート = 0.2; トランス-ホスフェート= 0.6.
H−NMR(CDCl3、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体5.6-5.5(m, 1H).
実施例11.19:トランス-4-(3-メチルフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(3-メチルフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、異性化することなくシス/トランス混合物からトランス異性体を単離すること以外は実施例11.1と同様。
TLC:ヘキサン/酢酸エチル 6/4; Rf : シス-ホスフェート = 0.2; トランス-ホスフェート= 0.5.
H−NMR(CDCl3、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体5.65-5.5(m, 1H).
実施例11.20:トランス-4-(4-フルオロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(4-フルオロフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、異性化することなくシス/トランス混合物からトランス異性体を単離すること以外は実施例11.1と同様。
H−NMR(DMSO-d6、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体5.78-5.85(m, 1H).
実施例11.21:トランス-4-(2-フルオロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(2-フルオロフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、異性化することなくシス/トランス混合物からトランス異性体を単離すること以外は実施例11.1と同様。
H−NMR(DMSO-d6、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体5.9-6.1(m, 1H).
実施例11.22:トランス-4-(3-フルオロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(3-フルオロフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、異性化することなくシス/トランス混合物からトランス異性体を単離すること以外は実施例11.1と同様。
H−NMR(DMSO-d6、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体5.8-5.9(m, 1H).
実施例11.23:トランス-4-[4-(4-クロロフェノキシ)フェニル]-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-[4-(4-クロロフェノキシ)フェニル]-1,3-プロパンジオールから出発し、異性化することなくシス/トランス混合物からトランス異性体を単離すること以外は実施例11.1と同様。
H−NMR(DMSO-d6、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体 5.75-5.9(m, 1H).
実施例11.24:トランス-4-(3-ブロモフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(3-ブロモフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、異性化することなくシス/トランス混合物からトランス異性体を単離すること以外は実施例11.1と同様。
TLC:ヘキサン/酢酸エチル 1/1; Rf : シス-ホスフェート = 0.25; トランス-ホスフェート= 0.5.
H−NMR(DMSO-d6、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体 5.8-5.95(m, 1H).
実施例11.25:トランス-4-(3、4-エチレンジオキシフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(3、4-エチレンジオキシフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、異性化することなくシス/トランス混合物からトランス異性体を単離すること以外は実施例11.1と同様。
TLC:ヘキサン/酢酸エチル 1/1; Rf :トランス-ホスフェート = 0.6.
H−NMR(DMSO-d6、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体 5.8-5.9(m, 1H).
実施例11.26:トランス-4-(2-フルオロ-4-クロロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(2-フルオロ-4-クロロフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、異性化することなくシス/トランス混合物からトランス異性体を単離すること以外は実施例11.1と同様。
TLC:ヘキサン/酢酸エチル 1/1; Rf :トランス-ホスフェート = 0.7.
H−NMR(DMSO-d6、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体 5.9-6(m, 1H).
実施例11.27:トランス-4-(2、6-ジクロロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(2、6-ジクロロフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、異性化することなくシス/トランス混合物からトランス異性体を単離すること以外は実施例11.1と同様。
TLC:ヘキサン/酢酸エチル 1/1; Rf :トランス-ホスフェート = 0.65.
H−NMR(DMSO-d6、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体 6.2-6.4(m, 1H).
実施例11.28:トランス-4-(2-フルオロ-5-メトキシフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(2-フルオロ-5-メトキシフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、異性化することなくシス/トランス混合物からトランス異性体を単離すること以外は実施例11.1と同様。
H−NMR(CDCl3、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体 5.8-5.95(m, 1H), 3.8(s, 3H).
実施例11.29:トランス-4-(3-フルオロ-4-クロロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(3-フルオロ-4-クロロフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例13bのように4-ニトロフェノールとトリエチルアミンで異性化を行う以外は実施例11.1と同様。
H−NMR(CDCl3、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体 5.4-5.6(m, 1H).
実施例11.30:トランス-4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例13bのように4-ニトロフェノールとトリエチルアミンで異性化を行う以外は実施例11.1と同様。
H−NMR(CDCl3、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体 5.5-5.6(m, 1H).
実施例11.31:トランス-4-(2-フルオロ-5-ブロモフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(2-フルオロ-5-ブロモフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例13bのように4-ニトロフェノールとトリエチルアミンで異性化を行う以外は実施例11.1と同様。
H−NMR(CDCl3、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体 5.8-5.9(m, 1H).
実施例11.32:トランス-4-(2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例13bのように4-ニトロフェノールとトリエチルアミンで異性化を行う以外は実施例11.1と同様。
H−NMR(CDCl3、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体 5.9-6(m, 1H).
実施例11.33:トランス-4-(2,3,6-トリフルオロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(2.3.6-トリフルオロフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例13bのように4-ニトロフェノールとトリエチルアミンで異性化を行う以外は実施例11.1と同様。
H−NMR(CDCl3、バリアン Gemini 200MHz): C'-プロトン: トランス異性体 5.9-6(m, 1H).
実施例11.34:トランス-4(R)-(フェニル)-2-(4-クロロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1(R)-(フェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、異性化することなくカラムで単離して実施例11.1と同様。
Rf = 0.5(50% EtOAc/ヘキサン). mp 90-92℃. 元素分析(C15H14ClO4P):計算値:C, 55.49; H, 4.35. 測定値: C, 55.64; H, 3.94.
実施例11.35:トランス-4(R)-(フェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1(R)-(フェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、異性化することなくカラムで単離して実施例11.1と同様。
Rf = 0.4(50% EtOAc/ヘキサン). mp 130-131℃. 元素分析(C15H14NO6P): 計算値 C, 53.74; H, 4.21; N, 4.18. 測定値: C, 53.86; H, 4.07; N, 4.00.
実施例11.36:トランス-4(S)-(フェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1(S)-(フェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例11.1と同様。
Rf = 0.2(5% EtOAc/CH2Cl2). mp 128-129℃. 元素分析(C15H14NO6P): 計算値 C, 53.74; H, 4.21; N, 4.18. 測定値: C, 53.69; H, 4.53; N, 4.23.
実施例11.37:トランス-4-(3-トリフルオロメチルフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(3-トリフルオロメチルフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例11.1と同様。
Rf = 0.32(35% EtOAc/ヘキサン). mp 78-81℃. 元素分析(C16H13F3NO6P): 計算値 C, 47.66; H, 3.25; N, 3.47. 測定値: C, 47.69; H, 3.77; N, 3.52.
実施例11.38:トランス-4-(2,4-ジクロロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(2,4-ジクロロフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例11.1と同様。
Rf = 0.32(35% EtOAc/ヘキサン). mp 154-157℃. 元素分析(C15H12Cl2NO6P) 計算値: C, 44.58; H, 2.99; N, 3.47. 測定値: C, 44.63; H, 3.07; N, 3.47.
実施例11.39:トランス-4-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例11.1と同様。
Rf = 0.2(5% EtOAc/CH2Cl2). mp 108℃. 元素分析(C15H12NO6BrFP)計算値 : C, 41.69; H, 2.80; N, 3.24. 測定値: C, 41.90; H, 2.76; N, 3.05.
実施例11.40:トランス-4-(2-ピリジル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(2-ピリジル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例11.1と同様。
mp 99-102℃. 元素分析(C14H13N2O6P) 計算値: C, 50.01; H, 3.90; N, 8.33. 測定値: C, 49.84; H, 3.41; N, 8.14.
実施例11.41:トランス-4-(3,4-ジクロロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(3,4-ジクロロフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例11.1と同様。
Rf = 0.15(35% EtOAc/ヘキサン). mp 126-129℃. 元素分析(C15H12Cl2NO6P)計算値: C, 44.58; H, 2.99; N, 3.47. 測定値: C, 44.71; H, 3.49; N, 3.41.
実施例11.42:トランス-4-(4-tert-ブチルフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(4-tert-ブチルフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例11.1と同様。
Rf = 0.20(35% EtOAc/ヘキサン). mp 108-111℃. 元素分析(C19H22NO6P)計算値:C, 58.31; H, 5.67; N, 3.58. 測定値: C, 58.04; H, 5.67; N, 3.55.
実施例11.43:トランス-4-(3-チオフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(3-チオフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例11.1と同様。
mp 94-96℃. 元素分析(C13H12NO6PS)計算値: C, 45.75; H, 3.54; N, 4.10. 測定値: C, 45.65; H, 3.21; N, 4.24.
実施例11.44:トランス-4-(3-フラニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(3-フラニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例11.1と同様。
mp 108-111℃. 元素分析(C13H12NO7P)計算値: C, 48.01; H, 3.72; N, 4.31. 測定値: C, 48.06; H, 3.61; N, 4.26.
実施例11.45:トランス-4-(2-ブロモ-5-クロロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(2-ブロモ-5-クロロフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例11.1と同様。
Rf = 0.20(5% MeOH/CH2Cl2). mp 105-106℃. 元素分析(C15H12NO6BrClP)計算値:C, 40.16; H, 2.70; N, 3.12. 測定値: C, 39.97; H, 2.86; N, 3.06.
実施例11.46:トランス-4-(2,5-ジフルオロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(2,5-ジフルオロフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例11.1と同様。
Rf = 0.50(50% EtOAc/ヘキサン). mp 120-122℃. 元素分析(C15H12F2NO6P)計算値: C, 48.53; H, 3.26; N, 3.77. 測定値: C, 48.46; H, 3.52; N, 3.87.
実施例11.47:トランス-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,3-プロパンジオールから出発し、実施例11.1と同様。
Rf = 0.50(50% EtOAc/ヘキサン). mp 85-87℃. 元素分析(C15H12F2NO6P)計算値: C, 48.53; H, 3.26; N, 3.77. 測定値: C, 48.82 ; H, 3.55; N, 3.84.
実施例11.48:トランス-4-シス-6-(ジフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
トランス-1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオール(Yamamura, H., Araki, S., Tetrahedron, 1997, 53, 46, 15685-15690)から出発し、平衡させることなく、実施例11.1と同様。
Rf = 0.29(35% EtOAc/ヘキサン). mp 118-121℃. 元素分析(C21H18NO6P)計算値:C, 61.32; H, 4.41; N, 3.41. 測定値: C, 60.94; H, 4.44; N, 3.53.
実施例11.49:トランス-4-トランス-6-(ジフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
シス-1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオール(Yamamura, H., Araki, S., Tetrahedron, 1997, 53, 46, 15685-15690)から出発し、平衡させることなく、実施例11.1と同様。
Rf = 0.65(5% EtOAc/CH2Cl2). mp 144-147℃. 元素分析(C21H18NO6P)計算値: C, 61.32; H, 4.41; N, 3.41. 測定値: C, 61.21; H, 4.58; N, 3.36.
実施例11.50:シス-4-シス-6-(ジフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
シス-1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオール(Yamamura, H., Araki, S., Tetrahedron, 1997, 53, 46, 15685-15690)から出発し、平衡させることなく、実施例11.1と同様。
Rf = 0.3(5% EtOAc/CH2Cl2). mp 135-138℃. 元素分析(C21H18NO6P)計算値:C, 61.32; H, 4.41; N, 3.41. 測定値: C, 61.29; H, 4.77; N, 3.46.
実施例11.51:シス-4-シス-5-(ジフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
シス-1,2-ジフェニル-1,3-プロパンジオール(Kristersson, P, Lindquist, K., Acta Chem. Scand. B 1980, 34, 3, 213-234)から出発し、平衡させることなく、実施例11.1と同様。
Rf = 0.35(5% EtOAc/CH2Cl2). mp 136-139℃. 元素分析(C21H18NO6P)計算値 C, 61.32; H, 4.41; N, 3.41. 測定値: C, 60.95; H, 4.41; N, 3.82.
実施例11.52:トランス-4-トランス-5-(ジフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
シス-1,2-ジフェニル-1,3-プロパンジオール(Kristersson, P, Lindquist, K., Acta Chem. Scand. B 1980, 34, 3, 213-234)から出発し、平衡させることなく、実施例11.1と同様。
Rf = 0.65(5% EtOAc/CH2Cl2). mp 176-178℃. 元素分析(C21H18NO6P)計算値: C, 61.32; H, 4.41; N, 3.41. 測定値: C, 61.09; H, 4.46; N, 3.80.
実施例11.53:トランス-4-4-ジメチル-6-(フェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
ステップA:
ジイソプロピルアミン(58.4 g, 577 mmol)を乾燥エーテル(500 mL)に溶解し、-78℃に冷却し窒素下でn-BuLiの2.5M ヘキサン溶液(215 mL, 538 mmol)を30分かけて加えた。反応液を10分間撹拌後、酢酸エチル(55 mL, 558 mmol)を30分かけて加えた。新たに蒸留したベンズアルデヒド(47 mL, 443 mmol)をエーテル(50 mL)に溶解し30分かけてゆっくりと加え、混合物を室温にまで加温した。0℃で塩化アンモニウム飽和水溶液(150 mL)を加えて反応を停止させた。有機層を洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥して濃縮し粗付加生成物を得た。
ステップB:
粗縮合生成物(10.6 g, 54.6 mmol)を乾燥エーテルに溶解し、-78℃に冷却してMeMgBrの3.0M THF溶液(60 mL, 180 mmol)を加えた。混合物を室温にまで加温して終夜撹拌した。0℃で塩化アンモニウム(50 mL)を加えて反応を停止させ、EtOAc (350 mL)で希釈した。有機層を洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥して濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(0-10% EtOAc/CH2Cl2)で精製し3,3-ジメチル-1-フェニル-1,3-プロパンジオール(7 g)を淡黄色オイルとして得た。
ステップC
3,3-ジメチル-1-フェニル-1,3-プロパンジオールから出発し、平衡させることなく、実施例11.1と同様。
Rf = 0.18(35% EtOAc/ヘキサン). mp 131-133℃. 元素分析(C17H18NO6P)計算値: C, 56.20; H, 4.99; N, 3.86. 測定値: C, 56.00; H, 5.03; N, 3.86.
実施例11.54:シス-4-(3-クロロフェニル)-シス-5-メトキシ-(-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンおよびトランス-4-(3-クロロフェニル)-シス-5-メトキシ-(-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン(11.55):
ステップA:
リチウムジイソプロピルアミド(356 mmol)をTHF(500 mL)に溶解し、-78℃に冷却して、2-メトキシ-メチル アセテート(38.8 mL, 392 mmol)を滴下ろうとから滴下した。反応液を-78℃で30分間撹拌してから3-クロロベンズアルデヒド(20.1 mL, 178 mmol)を加えた。反応液を室温にまで加温しNH4Clの飽和水溶液(500 mL)を加えて反応を停止させた。混合物を酢酸エチルで抽出し(3 X 200 mL)、有機抽出物をあわせて水洗し無水Na2SO4上で乾燥した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し(550% EtOAc/ヘキサン)、3-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシ-2-メトキシ-メチル プロピオネート(39 g)を淡黄色オイルとして得た。
ステップB:
ステップAで得られたエステル(39 g, 159 mmol)をエタノール(500 mL)中に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(6.2 g, 159 mmol)を三回に分けて10分間で加えた。反応液を3時間環流してから、減圧下でエタノールを留去した。残渣をEtOAc(500 mL)に溶解し、水洗し無水Na2SO4上で乾燥した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し(1-5% MeOH-CH2Cl2)、ジオール(28 g)を無色オイルとして得た。
ステップC:
ジオール(28 g, 129 mmol)をアセトン(250 mL)に溶解して、オルトギ酸メチル(10 mL) (10 mL)を加え、続いてp-トルエンスルホン酸(500 mg, 2.64 mmol)を加えて反応液を終夜還流した。反応液を室温にまで冷却し、減圧下でアセトンを留去した。残渣を酢酸エチルに溶解しNaHCO3、水で洗浄し無水Na2SO4上で乾燥した。ケタールをカラムクロマトグラフィーで精製し(510% EtOAc/ヘキサン)、1,2-シス(7.26 g)および1,2-トランス ケタール(0.9 g)の両ジアステレオマーを得た。
ステップD:
1,2-シスケタール(4.5 g, 17.5 mmol)をin 70% TFA水溶液 (10 mL)に溶解し、室温で終夜反応させた。アセトニトリル(30 mL)を加えて反応液を希釈し、減圧下で揮発物を留去した。残渣を酢酸エチル(300 mL)に溶解し、有機層をNaHCO3飽和水溶液、水で洗浄し無水Na2SO4上で乾燥した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し(1-5% MeOH-CH2Cl2)、1,2-シスジオールのジアステレオマー(3.5 g)を得た。
1,2-トランスケタールジアステレオマーも上記の手順に従って加水分解し。1,2-トランスジオールのジアステレオマーを得た。
ステップE:
実施例11.1の方法に従って1,2-シスジオールのジアステレオマーを平衡させることなくリン酸化し、次の二つの異性体を得た。
11.54: Rf = 0.57(5% EtOAc/CH2Cl2). mp 110-112℃. 元素分析(C16H15NO7PCl)計算値: C, 48.08; H, 3.78; N, 3.50. 測定値: C, 48.35; H, 3.56; N, 3.69.
11.55: Rf = 0.34(5% EtOAc/CH2Cl2). mp 131-134℃. 元素分析(C16H15NO7PCl・0.3H2O)計算値: C, 47.44; H, 3.88; N, 3.46. 測定値: C, 47.23; H, 4.01; N, 3.46.
実施例12
オキシ塩化リンを用いる、トランス-4-(アリール)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン合成の一般的方法
1-(3-クロロフェニル)-1,3-プロパンジオールを塩化メチレンに溶解し0℃に冷却してオキシ塩化リン(3.4 mL, 36.3 mmol)を加え、続いてトリエチルアミン(10.2 mL, 73 mmol)を加えた。2時間後、このシス/トランス ホスホノクロリデート試薬に4-ニトロフェノキシドナトリウム(10.63 g, 66 mmol)を加え、オレンジ色の反応溶液を1時間加熱環流した。溶液を冷却して酢酸エチルおよび塩化アンモニウムの飽和水溶液に分配した。有機層を分液して硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をTHFに溶解し4-ニトロフェノキシドナトリウム(10.63 g, 66 mmol)を加え、オレンジ色の反応混合物を3時間加熱環流した(HPLC, 95/5 トランス/シス)。溶液を冷却して酢酸エチルおよび塩化アンモニウムの飽和水溶液に分配した。有機層を分液して0.3N 水酸化ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮した。実施例10のように、酢酸エチルから再結晶してホスフェート試薬を得た。
実施例13
4-(アリール)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンのシス/トランス混合物におけるトランス異性体の豊富化の方法
4-ニトロフェノールの添加前にシスおよびトランス異性体をカラムクロマトグラフィーで分離する以外は、実施例11と同様にして4-(3-クロロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンのシス/トランス混合物を調製した。
シス異性体溶液を、以下の塩基で調製した4-ニトロフェノキシド溶液に加えることにより、シス-4-(3-クロロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンをトランス異性体へと異性化させた。
実施例13a:
4-ニトロフェノールをTHFに溶解し室温で水素化リチウム(19.4 mg, 2.44 mmol)を加えた。黄色溶液を室温で30分間撹拌した。シス-4-(3-クロロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン(300 mg, 0.813 mmol)をTHFに溶解し、リチウム4-ニトロフェノキシド溶液に加えた。オレンジ色の反応混合物を室温で撹拌しat。5時間後のトランス/シスの比は92.9/ 5.4であった(HPLCによる定量)。
実施例13b:
水素化リチウムに代えてトリエチルアミンを用い、上記と同様。20時間後のトランス/シスの比は90.8/5.3であった。
実施例13c:
水素化リチウムに代えてDBUを用い、上記と同様。3時間後のトランス/シスの比は90.8/5.3であった。
エナンチオリッチなリン酸化試薬の合成
実施例14
エナンチオリッチな4-(アリール)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン合成の一般方法
Figure 2007522237
実施例14a:
(+)-(4R)-トランス-4-(3-クロロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
(+)-(R)-1-(3-クロロフェニル)-1,3-プロパンジオール(3 g, 16.1 mmol)とトリエチルアミン(6.03 ml, 59.6 mmol)をTHF(80 mL)に溶解し、4-ニトロフェノキシホスホロジクロリデート(7.63 g, 29.8 mmol)をTHF150mLに溶解して0℃に冷却しその中に滴下した。2時間後、出発物質のジオールが消費されて、4-ニトロフェニルホスフェートの二つの異性体が生成し、トリエチルアミン(8.31 mL)次いで4-ニトロフェノール(8.29 g, 59.6 mmol)を追加した。反応混合物を終夜撹拌した。溶媒を減圧下で留去し、残渣を酢酸エチルと水に分配した。有機層を洗浄し(0.4M NaOH水溶液、水およびNaCl飽和水溶液)、MgSO4上で乾燥した。濃縮して残渣をクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し目的物 4.213 gを得た。
H−NMR(200MHz, CDCl3): 8.26(2H, d, J = 9.7 Hz), 7.27.5(6H, m), 5.56(1H, apparent d, J = 11.7 Hz), 4.44.7(2H, m), 2.22.6(1H, m), 2.02.2(1H, m).
mp: 114 115℃. [α]D= +91.71. 元素分析(C15H13NO6ClP)計算値: C: 48.73, H: 3.54, N: 3.79. 測定値: C: 48.44, H: 3.20, N: 3.65.
実施例14b:
(-)-(4S)-トランス-4-(3-クロロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
実施例14a
(+)-(4R)-トランス-4-(3-クロロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
4-ニトロフェノキシホスホロジクロリデート(7.63 g, 29.8 mmol)をTHF150mLに溶解して0℃に冷却し、(+)-(R)-1-(3-クロロフェニル)-1,3-プロパンジオール(3 g, 16.1 mmol)およびトリエチルアミン(6.03 ml, 59.6 mmol)をTHF(80 mL)に溶解して滴下した。2時間後、4-ニトロフェニルホスフェートの二つの異性体の生成とともに出発物質のジオールは消失したが、トリエチルアミン(8.31 mL)次いで4-ニトロフェノール(8.29 g, 59.6 mmol)を追加した。反応混合物を終夜撹拌した。溶媒を減圧下に除去し残渣を酢酸エチルと水に分配した。有機層を0.4M NaOH水溶液、水および飽和食塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥した。濃縮して残渣をクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、目的物4.213 gを得た。
H−NMR(200MHz, CDCl3): 8.26(2H, d, J = 9.7 Hz), 7.27.5(6H, m), 5.56(1H, apparent d, J = 11.7 Hz), 4.44.7(2H, m), 2.22.6(1H, m), 2.02.2(1H, m).
mp: 114115℃. [α]D= +91.71. 元素分析(C15H13NO6ClP)計算値: C: 48.73, H: 3.54, N: 3.79. 測定値: C: 48.44, H: 3.20, N: 3.65.
実施例14b
(-)-(4S)-トランス-4-(3-クロロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
Figure 2007522237
同様にして、(-)-(S)-1-(3-クロロフェニル)-1,3-プロパンジオール3.116gから目的のホスフェート4.492gを得た。
H−NMR(200MHz, CDCl3): 8.26(2H, d, J = 9.7 Hz), 7.27.5(6H, m), 5.56(1H, apparent d, J = 11.7 Hz), 4.44.7(2H, m), 2.22.6(1H, m), 2.02.2(1H, m).
mp: 114 115℃. [α]D= -91.71. 元素分析(C15H13NO6ClP):計算値:C: 48.73, H: 3.54, N: 3.79. 測定値: C: 48.61, H: 3.36, N: 3.66.
実施例14c
(-)-(4S)-トランス-フェニル-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
S-(-)-1-フェニル-1,3-プロパンジオールより出発し、実施例13bのように4-ニトロフェノールとトリエチルアミンで異性化を行う以外は実施例11.1と同様。
TLC ヘキサン/酢酸エチル 4/1; Rf = 0.4
H−NMR(DMSO-d6、バリアン Gemini 300MHz): C'-プロトン: トランス異性体5.85-5.75(m, 1H).
実施例15
エナンチオリッチなリン酸化試薬合成時においてエナンチオマー過剰率を維持するための一般的方法
実施例15a
(-)-(4S)-トランス-(ピリド-4-イル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
Figure 2007522237
頂上攪拌機および窒素ガス流入口を備えた12Lの丸底フラスコ内に(S)-(-)-トランス-(ピリド-4-イル)-1,3-プロパンジオール(1.2 kg, 7.83 mol)とピリジン(6 L)を入れた。混合物を室温で0.5時間激しく撹拌して固体をすべて溶解させた。一方、22Lの三口丸底フラスコに頂上攪拌機、熱伝対、冷却浴槽および窒素ガス流入口を装着した。この容器内に4-ニトロフェニルホスホロジクロリデート(2.01 kg, 7.83 mol)とピリジン(6 L)を入れた。得られた混合物を3.3℃に冷却した。ジオールが完全に溶解してから(0.5時間)、トリエチルアミン(190 mL, 1.36 mol)を加え、わずかに曇った黄褐色の溶液を該22Lフラスコ上の2Lの滴下ろうと内に分割して移した。冷却したホスホロジクロリデートに対して該溶液を3.25時間かけて滴下した。滴下の完了後冷却槽を排水し3時間撹拌を続けた。この間、50Lの三口フラスコに頂上攪拌機、熱伝対、滴下ろうと、冷却浴槽(氷冷水)、および窒素ガス流入口を装着した。このフラスコ内に水素化ナトリウム(180 g, 4.5 mol)とTHF(1 L)を入れ、滴下ろうとに4-ニトロフェノール(817 g, 5.87 mol)をTHF(1L)に溶解して加えた。ニトロフェノールの溶液を冷却した水素化ナトリウムの懸濁液にゆっくりと加えた。滴下の完了後、得られた明るいオレンジ色の懸濁液を室温で1時間撹拌した。上記のジオール−ジクロリデート反応が完結と判断されたら、暗色の懸濁液を吸引濾過した。ガラス器具と濾過したケーキ(トリエチルアミン・HCl)をTHF(1L)で洗浄し濾液と洗浄液をあわせて、オレンジ色の4-ニトロフェノキシドナトリウムの懸濁液に加えた。その後、得られた混合物を40℃で3.5時間加熱し、それから加熱マントルを除去して反応混合物をさらに11時間室温で撹拌した。粗反応混合物を減圧下、45-50℃に加温し回転式エバポレーターで濃縮した(オイルポンプ)。
得られた粘稠な黒い泡状タールを1.5M 塩酸(12 L)および酢酸エチル(8 L)に溶解した。混合物を12.5ガロンの分液ろうとに移して10分間撹拌後二層を分液した。酢酸エチル層をさらに1.3Lの1.5M 塩酸で洗浄した。水層をあわせて塩化メチレン(8 L)を加え、激しく撹拌しながら注意深く固体の炭酸水素ナトリウムで中和した。二層を分液して、水層を塩化メチレン(8 L)で抽出した。有機層をあわせて硫酸マグネシウム(600 g)上で乾燥し濾過した。溶媒の殆どを除去するまで溶液を回転式エバポレーターで濃縮し粘稠な懸濁液を得た。2-プロパノール(5 L)を加えて4Lの留去物が得られるまで濃縮を続けた。2-プロパノール(3 L)を加えて3Lの留去物が得られるまで濃縮を続けた。粘稠なスラリーを2-プロパノール(2 L)で希釈し、混合物を冷却しながら(氷浴)1時間撹拌した。固体を濾過して2-プロパノール(2 L)で洗浄し減圧下に恒量1.86kgとなるまで乾燥した(−30in.Hg、55℃、18時間)。mp 140142℃.
比旋光度= -80.350(c = 1.0, MeOH); ee = 99+% トランス.
HPLC条件;カラム: Chiralpak AD, 0.46 x 25 cm; 移動相 2-プロパノール/ヘキサン=50/50, イソクラティック溶出; 流速= 1.0 mL/min; 注入量= 10μL ;UV 検出 254 nm.
シス/トランス平衡はHPLCでモニターした。最終比率 92% トランス, 6.6% シス;保持時間:トランス異性体 6.9分、シス異性体 10.9分.
H−NMR(DMSO-d6):δ = 2.23-2.29(m, 2H), 4.56-4.71(m, 2H), 5.88-5.95(m, 1H), 7.44(d, 2H, J=5.8Hz), 7.59(d, 2H, J=9.2Hz), 8.34(d, 2H, J=9.4Hz), 8.63(d, 2H J=5.8Hz).
実施例15b
(-)-(4S)-(-)-(ピリド-4-イル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナンの合成
1Lの三口丸底フラスコに機械攪拌機、滴下ろうと、温度計および窒素ガス流入口を装着した。該フラスコ内にS-(-)-1-(ピリド-4-イル)-プロパン-1,3-ジオール(25 g, 163.4 mmol)および酢酸エチル(250 mL)を入れ、得られた懸濁液に4N HCl/ジオキサン溶液(43 mL, 176 mmol)をゆっくり15分間かけて加えた。30分間室温で撹拌した後、4-ニトロフェノキシホスホロジクロリデート(41.81 g, 163.4 mmol)を窒素ガス気流下で固体のままできる限り素早く加えた。反応混合物の内部温度はドライアイス−アセトン浴を用いて-10℃に調節した。トリエチルアミン(79 mL, 572 mmol)を酢酸エチル(100 mL)に溶解して加え、反応温度は<-5℃を維持した。トリエチルアミン溶液の滴下30分後、冷却浴を除去して反応混合物を室温下で1時間撹拌した。反応混合物を濾過してトリエチルアミン塩酸塩を除去し、これを洗浄液が殆ど吸収を示さなくなるまで酢酸エチルで洗浄した(3 x 30 mL)。濾液を減圧下で150-175 mLまで濃縮した。濃縮溶液に4-ニトロフェノール (7.5 g, 54.3 mmol)とトリエチルアミン(9 mL)を加え、得られたオレンジ色の反応混合物を室温で24時間撹拌した。生成した固体を濾過して酢酸エチル(2 x 25 mL)、次いでメチルt-ブチルエーテル(25 mL)で洗浄し減圧下55℃で乾燥して目的物31.96gを得た。分析データは実施例14aに同じ。
実施例16
トランス・ホスフェート付加による2'-C-β-メチル-7-デアザアデノシン・プロドラッグの調製
16.1: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(3-クロロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
ステップA:
4-アミノ-7-(2-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン (US2002-0147160A1, WO 02/057827)(10 g, 0.356 mol)を無水アセトン(145 mL)および無水DMF(35 mL)に溶解し、p-トルエンスルホン酸一水和物(33.8 g, 0.18 mol)とオルトギ酸エチル(31.2 mL, 28.5 mol)を室温で加えた。反応液を80℃に加熱し、窒素下で3時間撹拌した。減圧下で混合物を濃縮した。油状残渣をカラムクロマトグラフィー(5% MeOH/CH2Cl2)で精製し、イソプロピリデン誘導体(8.6 g)を白色固体として得た。
ステップB:
2',3'-O-イソプロピリデン-4-アミノ-7-(2-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(0.094 g, 0.29 mmol)をDMF(1.5 mL)に溶解し、塩化t-ブチルマグネシウムを加えて窒素下で30分間撹拌した。反応混合物を-55℃に冷却し、リン酸化試薬(0.13 g, 0.35 mmol)(その調製は実施例11.1に記載)をDMF(1.5 mL)とともに滴下した。反応物を室温にまで加温し、窒素下で2時間撹拌した。減圧下で混合物を濃縮しカラムクロマトグラフィー(5% MeOH/CH2Cl2)で精製して2',3'-O-イソプロピリデン保護プロドラッグ0.070 gを黄色固体として得た。
ステップC:
上記のステップで得られたプロドラッグ(0.15 g, 0.27 mmol)をあらかじめ冷却した75% TFA/H2O (20 mL)に溶解し、0℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(1% NH4OH水溶液/10%MeOH/CH2Cl2)で精製し、題記化合物0.142 gを灰白色固体として得た。
Rf = 0.40 (10% MeOH/CH2Cl2). mp 138-141℃. 元素分析(C21H24ClN4O7P・0.4CH2Cl2) 計算値: C, 47.18; H, 4.59; N, 10.28. 測定値: C, 46.97; H, 4.59; N, 10.11.
以下の実施例は、リン酸化試薬(実施例1-15)を利用し、実施例16.1のステップA−Cの記載と同様にして合成した。
16.2: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(2,5-ジフルオロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.35(10% MeOH/CH2Cl2). mp 145-148℃. 元素分析(C21H23N4O7F2P・1.35H2O・1.0CF3CO2H)計算値: C, 42.45; H, 4.14 ; N, 8.62. 測定値: C, 42.18; H, 3.77; N, 8.42.
16.3: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.30(10% MeOH/CH2Cl2). mp 128-130℃. 元素分析(C21H23N4O7FClP・2H2O・1.9CF3CO2H): 計算値:C, 38.11; H, 3.73; N, 7.17. 測定値: C, 38.04; H, 3.28; N, 7.02.
16.4: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[6,6-ジメチル-4-フェニル-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.40(10% MeOH/CH2Cl2). mp 140-142℃. 元素分析(C23H29N4O7P・1H2O・0.4CF3CO2H): 計算値:C, 50.32; N, 5.57; N, 9.86. 測定値: C, 50.38; H, 5.12; N, 9.96.
16.5: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(S)-(3-クロロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.45(10% MeOH/CH2Cl2). mp 135-138℃. 元素分析(C21H24ClN4O7P・0.2H2O・0.4CH2Cl2):計算値: C, 46.87; H, 4.63; N, 10.22. 測定値: C, 47.02; H, 4.25; N, 9.99.
16.6: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(S)-(3-クロロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン・メタンスルホン酸塩
Figure 2007522237
Rf = 0.45(10% MeOH/CH2Cl2). mp 125-128℃. 元素分析(C21H24N4O7ClP・1.6CH3SO3H・1.0H2O): 計算値:C, 39.76; H, 4.78; N, 8.21; S, 7.52. 測定値: C, 39.39; H, 4.30; N, 8.30; S, 7.96.
16.7: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(S)-(ピリミジン-4-イル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf=0.40(15% MeOH/CH2Cl2-1%NH4OH). mp 183-185℃. 元素分析(C20H24N5O7P・1.6H2O)
:計算値: C, 47.45; H, 5.42; N, 13.83. 測定値: C, 47.78; H, 5.47; N, 13.77.
16.8: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(3-フルオロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.15(10% MeOH/CH2Cl2). 元素分析(C21H24FN4O7P・0.3H2O):計算値: C, 50.46; H, 4.96; N, 11.21. 測定値: C, 50.63; H, 5.35; N, 10.94.
16.9: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(3-ブロモフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf=0.48(15% MeOH/CH2Cl2-1%NH4OH). 元素分析(C21H24BrN4O7P・0.5H2O):計算値: C, 44.70; H, 4.47; N, 9.93. 測定値: C, 44.58; H, 4.52; N, 9.56.
16.10: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(2-ブロモフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.15(10% MeOH/CH2Cl2). mp 132-135℃. 元素分析(C21H24BrN4O7P・0.5H2O):計算値:C, 44.7; H, 4.47, N; 9.93. 測定値: C, 44.73; H, 4.69; N, 9.82.
16.11: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.35(10% MeOH/EtOAc) mp 132-135℃. 元素分析(C20H23N5O7BrP・0.5H2O・0.5EtOAc):計算値: C, 43.36; H, 4.63; N, 11.49. 測定値: C, 43.37; H, 4.80; N, 11.16.
16.12: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(S)-フェニル-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf=0.42(15% MeOH/CH2Cl2-1%NH4OH). mp 115-118℃. 元素分析(C21H25N4O7P・0.4EtOAc・1.0H2O):計算値: C, 51.25; H, 5.75; N, 10.58. 測定値: C, 51.07; H, 5.88; N, 10.35.
16.13: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4,5-シス-ジフェニル-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン・トリフルオロ酢酸塩
Figure 2007522237
Rf = 0.45(10% MeOH/CH2Cl2). mp 174-177℃. 元素分析(C29H30F3N4O9P・1.75H2O):計算値: C, 49.90; H, 4.48; N, 8.03. 測定値: C, 49.68; H, 4.82; N, 8.1.
16.14: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(2-クロロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf=0.48(10% MeOH/CH2Cl2). mp 187-190℃. 元素分析(C21H24ClN4O7P・H2O・0.2DMF):計算値: C, 47.72; H, 5.05; N, 10.77. 測定値: C, 47.66; H, 5.02; N, 10.96.
16.15: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(2-フルオロ-5-ブロモフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf=0.48(15% MeOH/CH2Cl2-1%NH4OH). 元素分析(C21H23BrFN4O7P・1.3H2O):計算値: C,42.27; H, 4.32; N, 9.39. 測定値: C, 42.26; H, 4.03; N, 9.36.
16.16: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4,6-シス-ジフェニル-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン・トリフルオロ酢酸塩
Figure 2007522237
Rf = 0.20(10% MeOH/CH2Cl2). mp 140-143℃. 元素分析(C27H29N4O7P・1.25H2O・CF3CO2H): 計算値:C, 50.55; H, 4.75; N, 8.13. 測定値: C, 50.25; H, 4.88; N, 7.99.
16.17: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4(3,5-ビス-トリフルオロメチルフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.15(10% MeOH/CH2Cl2). mp 130-134℃. 元素分析(C23H23N4O7P・0.6H2O):計算値: C, 44.33; H, 3.91; N, 8.99. 測定値: C, 44.29; H, 4.13; N, 8.98.
16.18: 4-アミノ-7-(トランス-5'-O-[4,6-シス-ジフェニル-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン・トリフルオロ酢酸塩
Figure 2007522237
Rf=0.48 (15% MeOH/CH2Cl2-1%NH4OH). mp >220℃. 元素分析(C27H29N4O7P・0.9H2O):計算値: C, 57.02; H, 5.46; N, 9.85. 測定値: C, 57.55; H, 5.97; N, 9.88.
16.19: 4-アミノ-7-(トランス-5'-O-[4-(3-ブロモ-ピリジン-4-イル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.3 (10% MeOH/EtOAc). mp 116-120℃. 元素分析(C20H23N5O7BrP・1.0H2O・0.6EtOAc):計算値: C, 42.90; H, 4.79; N, 11.17 測定値: C, 42.90; H, 4.42; N, 10.82.
16.20: 4-アミノ-7-(トランス-5'-O-[4-(2,4-ジクロロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.15 (10% MeOH/CH2Cl2). mp 184-188℃. 元素分析(C22H24F3N4O7P・0.6H2O):計算値: C, 47.59; H, 4.57; N, 10.09. 測定値: C, 47.46; H, 4.96; N, 10.10.
16.21: 4-アミノ-7-(トランス-5'-O-[4-(3-トリフルオロメチルフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.15(10% MeOH/CH2Cl2). mp 120-124℃. 元素分析(C21H23Cl2N4O7P・0.5H2O): 計算値:C, 45.50; H, 4.36; N, 10.11. 測定値: C, 45.32; H, 4.58; N, 10.26.
16.22: 4-アミノ-7-(トランス-5'-O-[4,5-シス-ジフェニル-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.75(15% MeOH/CH2Cl2-1%NH4OH). mp 160-163℃. 元素分析(C27H29N4O7P・1.2H2O):計算値: C, 56.48; H, 5.51; N, 9.76. 測定値: C, 56.34, H, 5.75; N, 9.71.
16.23: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[シス-(5-メトキシ-4-フェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン・トリフルオロ酢酸塩
Figure 2007522237
Rf = 0.25(10% MeOH/CH2Cl2). mp 116-120℃. 元素分析(C22H26N4O8PCl・1.75H2O・1.5CF3CO2H): 計算値:C, 40.39; H, 4.20; N, 7.54. 測定値: C, 39.95; H, 3.85; N, 7.38.
16.24: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[トランス-(5-メトキシ-4-フェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン・トリフルオロ酢酸塩
Figure 2007522237
Rf = 0.30(10% MeOH/CH2Cl2). mp 140-143℃. 元素分析(C22H26N4O8PCl・2.5H2O・2.2CF3CO2H): 計算値:C, 37.89; H, 4.00; N, 6.70. 測定値: C, 37.73; H, 3.61; N, 6.85.
16.25: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(2-ブロモ-5-クロロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.3(10% MeOH/CH2Cl2). mp 193-196℃. 元素分析(C21H23N4O7PClBr・1.75H2O・1.0CF3CO2H): 計算値:C, 37.57; H, 3.77; N, 7.62. 測定値: C, 37.20; H, 3.49; N, 7.36.
16.26: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(3,5-ジクロロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.3(10% MeOH/CH2Cl2). mp 182-185℃. 元素分析(C21H23N4O7Cl2P・0.3MeOH・0.5H2O):計算値: C, 45.37; H, 4.50; N, 9.93. 測定値: C, 45.36; H, 4.18; N, 9.58.
16.27: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(3,5-ジフルオロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.35(10% MeOH/CH2Cl2). mp 135-140℃. 元素分析(C21H23N4O7F2P・1.0H2O):計算値: C, 47.55; H, 4.75; N, 10.56.測定値: C, 47.29; H, 4.51; N, 10.28.
16.28: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(R)-(3-クロロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.45(10% MeOH/CH2Cl2). mp 126-128℃. 元素分析(C21H24ClN4O7P・1.0H2O): 計算値:C, 47.69; H, 4.96; N, 1059. 測定値: C, 47.31; H, 4.77; N, 10.3.
16.29: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(2-トリフルオロメチルフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.5(10% MeOH/CH2Cl2). mp 115-120℃. 元素分析(C22H24F3N4O7P・1.0H2O・1.0CF3CO2H):計算値:C, 42.61; H, 4.02; N, 8.28. 測定値: C, 42.78; H, 4.07; N, 8.27.
16.30: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(R)-(ピリジン-4-イル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.3(20% MeOH/EtOAc). mp 132-136℃. 元素分析(C20H24N5O7P・0.03H2O・0.7CH2Cl2): 計算値:C, 46.52; H, 4.79; N, 13.14. 測定値: C, 46.13; H, 4.39; N, 13.50.
16.31: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(3-ブロモ-4-フルオロ-フェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.35(10% MeOH/EtOAc). mp 122-125℃. 元素分析(C21H23N4O7FBrP・0.2CF3CO2H):計算値: C, 43.12; H, 3.92; N, 9.40. 測定値: C, 42.82; H, 3.76; N, 9.57.
16.32: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(ピリジン-3-イル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.30(10% MeOH/EtOAc). mp 134-138℃. 元素分析(C20H24N5O7P・1.5H2O):計算値:C, 47.62; H, 5.40; N, 13.88. 測定値: C, 47.89; H, 5.08; N, 13.97.
16.33: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(ピリジン-2-イル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン・トリフルオロ酢酸塩
Figure 2007522237
Rf = 0.50(10% MeOH/CH2Cl2). mp 88-90℃. 元素分析(C20H24N5O7P・2.3H2O・1.3CF3CO2H):計算値:C, 40.69; H, 4.52; N, 10.50. 測定値: C, 40.38; H, 4.86; N, 10.90.
16.34: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(R)-(フェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.30(10% MeOH/CH2Cl2). mp 177-180℃. 元素分析(C21H25N4O7P・0.1EtOAc・0.2CF3CO2H):計算値: C, 51.54; H, 5.16; N, 11.03. 測定値: C, 51.92; H, 4.78; N, 10.75.
16.35: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン・トリフルオロ酢酸塩
Figure 2007522237
Rf = 0.45(10% MeOH/CH2Cl2). mp 182-184℃. 元素分析(C21H24N4O7ClP・2.0H2O・2.9CF3CO2H):計算値: C, 36.68; H, 3.55; N, 6.38. 測定値: C, 36.33; H, 3.35; N, 6.44.
16.36: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(2,3-ジフルオロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン・トリフルオロ酢酸塩
Figure 2007522237
Rf = 0.5(10% MeOH/CH2Cl2). mp 177-180℃. 元素分析(C21H23F2N4O7P・1.9H2O・1.1CF3CO2H):計算値: C, 41.46; H, 4.18; N, 8.34. 測定値: C, 42.07; H, 4.02; N, 8.68.
16.37: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(2-フルオロ-5-メトキシフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン・トリフルオロ酢酸塩
Figure 2007522237
Rf = 0.4(10% MeOH/CH2Cl2). mp 80-85℃. 元素分析(C22H26N4O8FP・0.4H2O・2.0CF3CO2H):計算値: C, 41.11; H, 3.82; N, 7.37. 測定値: C, 41.13; H, 3.50; N, 7.54.
16.38: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン・トリフルオロ酢酸塩
Figure 2007522237
Rf = 0.46(15% MeOH/CH2Cl2). mp 138-141℃. 元素分析(C21H23ClFN4O7P・0.3H2O・0.9CF3CO2H):計算値: C, 43.00; H, 3.88; N, 8.80. 測定値: C, 42.73; H, 4.21; N, 8.55.
16.39: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(2-フルオロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.48(15% MeOH/CH2Cl2-1%NH4OH). mp 101-103℃. 元素分析(C21H24FN4O7P・1.5H2O):計算値:C, 48.37; H, 5.22; N, 10.74. 測定値: C, 48.70; H, 5.47; N, 10.43.
16.40: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(2-シアノフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン.
Figure 2007522237
Rf = 0.42(15% MeOH/CH2Cl2-1%NH4OH). 元素分析(C22H24N5O7P・2H2O・0.1CF3CO2H):計算値: C, 48.58; H, 5.16; N, 12.76. 測定値: C, 48.86; H, 5.51; N, 12.70.
16.41: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(S)-(3-クロロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン・トリフルオロ酢酸塩
Figure 2007522237
Rf = 0.45(10% MeOH/CH2Cl2). mp 145-148℃. 元素分析(C21H24N4O7PCl・0.7CH2Cl2・1.2CF3CO2H):計算値: C, 40.93; H, 3.79; N, 7.92; F, 9.67.測定値: C, 40.43; H, 3.77; N, 8.22; F, 9.47.
16.42: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-フェニル-5,6-テトラメチレン-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.24(15% MeOH/CH2Cl2-1%NH4OH). mp 110-113℃. 元素分析(C25H31N4O7P・2.0H2O):計算値: C, 53.00; H, 6.23; N, 9.89. 測定値: C, 53.03; H, 5.93; N, 9.91.
16.43: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(3-シアノフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.51(15% MeOH/CH2Cl2-1%NH4OH). mp 157-160℃. 元素分析(C22H24N5O7P・2.5H2O):計算値: C, 48.35; H, 5.35; N, 12.82. 測定値: C, 48.50; H, 5.72; N, 12.77.
実施例17
トランス-ホスフェート付加を介する2'-C-β-メチル-7-デアザグアノシンプロドラッグの調製
親ヌクレオシドの2-アミノ-7-(2-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オンは US2002-0147160A1およびWO 02/057827の記載と同様にして合成した。
該ヌクレオシドは実施例16のステップA、BおよびCの方法に従って対応するプロドラッグに変換した。
以下の実施例はステップA、BおよびCの記載に従って合成した。
17.1: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(3-クロロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
Figure 2007522237
Rf = 0.30(10% MeOH/CH2Cl2). 元素分析(C21H24CIN4O8P・1.2CF3CO2NH4・1.0CF3CO2H):計算値: C, 38.22; H, 3.76; N, 9.13. 測定値: C, 37.93; N, 3.80; N, 9.40.
17.2: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(S)-(3-クロロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
Figure 2007522237
Rf = 0.15(10% MeOH/CH2Cl2). mp 175℃. 元素分析(C21H24ClN4O8P・0.5H2O):計算値:C, 47.07; H, 4.70; N, 10.46. 測定値: C, 46.73; H, 4.90, N, 10.16.
17.3: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(5-ブロモ-2-フルオロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
Figure 2007522237
Rf =0.41(15% MeOH/CH2Cl2-1%NH4OH). 元素分析(C21H23BrFN4O8P・0.5H2O・0.2CF3CO2H):計算値: C, 41.38; H, 3.93; N, 9.02. 測定値: C, 41.60; H, 4.32; N, 8.77.
17.4: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(3-ブロモフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン・トリフルオロ酢酸塩
Figure 2007522237
Rf = 0.38(15% MeOH/CH2Cl2-1%NH4OH). mp 142-145℃. 元素分析(C21H24N4O8P・0.7H2O・0.9CF3CO2H):計算値:C, 39.89; H, 3.86; N, 8.16. 測定値: C, 39.53; H, 3.65; N, 8.43.
17.5: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
Figure 2007522237
Rf = 0.45(20% MeOH/CH2Cl2) 元素分析(C21H23N4O8FClP・1.4H2O):計算値:C, 44.24, H, 4.78; N, 9.83. 測定値: C, 43.77; H, 4.78; N, 10.31.
17.6: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(2,5-ジフルオロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
Figure 2007522237
Rf = 0.35(20% MeOH/CH2Cl2). mp 170-173℃. 元素分析(C21H23F2N4O8P・2.0H2O・0.4CF3CO2NH4):計算値: C, 42.45; H, 4.67; N, 9.99. 測定値: C, 42.28; H, 4.76 N, 9.96.
17.7: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(2-クロロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
Figure 2007522237
Rf = 0.25(15% MeOH/CH2Cl2-1%NH4OH). 元素分析(C21H24ClN4O8P・1.25H2O・0.2CF3CO2H):計算値: C, 44.92; H, 4.70; N, 9.79. 測定値: C, 44.93; H, 5.09; N, 10.08.
17.8: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(ピリジン-2-イル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン・トリフルオロ酢酸塩
Figure 2007522237
Rf = 0.4(15% MeOH/CH2Cl2). mp 180-190℃. 元素分析(C20H24N5O8P・1.3CF3CO2H・0.3CH2Cl2):計算値:C, 41.23; H, 3.91; N, 10.50. 測定値: C, 40.96; H, 3.46; N, 11.05.
17.9: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(2-トリフルオロメチルフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン・トリフルオロ酢酸塩
Figure 2007522237
Rf = 0.4(10% MeOH/CH2Cl2). mp 185-188℃. 元素分析(C22H24N4O8F3P・0.8CF3CO2H):計算値:C, 43.50; H, 3.84; N, 8.60. 測定値: C, 43.55; H, 3.97; N, 8.98.
17.10: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(R)-(3-クロロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン・トリフルオロ酢酸塩
Figure 2007522237
Rf = 0.50(15% MeOH/CH2Cl2). mp 170-180℃.
17.11: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(3,5-ジフルオロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン・トリフルオロ酢酸塩
Figure 2007522237
Rf = 0.30(10% MeOH/CH2Cl2) mp 182-185℃. 元素分析(C21H23N4O8F2P・0.3EtOAc・0.2CF3CO2H):計算値: C, 46.99; H, 4.47; N, 9.70. 測定値: C, 47.26; H, 4.32; N, 9.46.
17.12: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(3,5-ジクロロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
Figure 2007522237
Rf = 0.35(10% MeOH/CH2Cl2). mp 177-180℃. 元素分析(C21H23N4O8Cl2P・0.1EtOAc・0.2CF3CO2H).計算値:C, 44.16; H, 4.08; N, 9.45. 測定値: C, 44.33; H, 4.44; N, 9.18.
17.13: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(S)-(ピリジン-4-イル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
Figure 2007522237
Rf = 0.21(15% MeO/CH2Cl2-1%NH4OH). mp 138-141℃. 元素分析(C20H24N5O8P・2.2H2O):計算値: C, 45.07; H, 5.33; N, 13.14. 測定値: C, 45.12; H, 5.40; N, 12.89.
17.14: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(3-フルオロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
Figure 2007522237
Rf = 0.25(10% MeOH/CH2Cl2). mp 170℃. 元素分析(C21H24FN4O8P・1.5H2O):計算値: C, 46.93; H, 5.06; N,10.42. 測定値: C, 46.92; H, 5.12; N, 10.44.
17.15: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
Figure 2007522237
Rf = 0.25(10% MeOH/CH2Cl2). mp 175-179℃. 元素分析(C21H23BrFN4O8P・0.5H2O・0.5EtOAc):計算値: C, 43.01; H, 4.39; N, 8. 72. 測定値: C, 43.03; H, 4.49; N, 8.49.
17.16: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(R)-フェニル-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
Figure 2007522237
Rf = 0.30(10% MeOH/CH2Cl2) mp 128-133℃. 元素分析(C21H25N4O8P・1.1H2O・0.3CF3CO2H):計算値: C, 47.48; H, 5.07; N, 10.25. 測定値: C, 47.61; H, 5.36; N, 9.91.
17.17: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[4, 5-シス-ジフェニル-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン・トリフルオロ酢酸塩
Figure 2007522237
Rf = 0.45(20% MeOH/CH2Cl2). mp 187-190℃. 元素分析(C27H29N4O8P・2.0H2O・1.3CF3CO2H):計算値: C, 47.23; H, 4.59; N, 7.44. 測定値: C, 46.83; H, 4.33; N, 7.31.
17.18: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[6,6-ジメチル-4-フェニル-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン・トリフルオロ酢酸塩
Figure 2007522237
Rf = 0.40(20% MeOH/CH2Cl2). mp 192-194℃. 元素分析(C23H29N4O8P・2.0H2O・1.0CF3CO2H):計算値: C, 44.78; H, 5.11; N, 8.36. 測定値: C, 44.40; H, 4.67; N, 8.22.
17.19: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[シス-(5メトキシ-4-フェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
Figure 2007522237
Rf = 0.30(20% MeOH/CH2Cl2). mp 148-151℃. 元素分析(C22H26N4O9ClP・1.0H2O):計算値: C, 45.96; H, 4.91; N, 9.75. 測定値: C, 46.03; H, 4.80; N, 9.64.
17.20: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(2,3-ジフルオロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン・トリフルオロ酢酸塩
Figure 2007522237
Rf = 0.5(10% MeOH/CH2Cl2). mp 215-220℃. 元素分析(C21H23N4O8F2P・1.0H2O・1.0CF3CO2H):計算値: C, 41.83; H, 3.97; N, 8.48. 測定値: C, 41.70; H, 3.77; N, 8.50.
17.21: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(2-ブロモフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
Figure 2007522237
Rf = 0.15(10% MeOH/CH2Cl2). mp 180℃. 元素分析(C21H24BrN4O8P・1.1H2O):計算値: C, 42.67; H, 4.47; N, 9.48. 測定値: C, 42.51, H, 4.60; N, 9.58.
17.22: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(3,4-ジクロロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
Figure 2007522237
Rf = 0.30(10% MeOH/CH2Cl2). mp 192-195℃. 元素分析(C21H23N4O8Cl2P・0.2CF3CO2H・0.2EtOAc):計算値: C, 44.31; H, 4.15; N, 9.31. 測定値: C, 44.40; H, 3.94; N, 9.21.
17.23: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(3,5-ビス-(トリフルオロメチルフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
Figure 2007522237
Rf = 0.15(10% MeOH/CH2Cl2) mp 155-175℃. 元素分析(C23H23F6N4O8P・0.6H2O) :計算値: C, 43.22; H, 3.82; N, 8.76. 測定値: C, 43.08; H, 4.03; N, 8.94.
17.24: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(3-トリフルオロメチルフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
Figure 2007522237
Rf = 0.15(10% MeOH/CH2Cl2). mp 145-165℃. 元素分析(C22H24F3N4O8P・1H2O): 計算値:C, 45.68; H, 4.53; N, 9.69. 測定値: C, 45.31; H, 4.88; N, 9.71.
17.25: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(2,4-ジクロロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン.
Figure 2007522237
Rf = 0.15(10% MeOH/CH2Cl2) mp 175℃. 元素分析(C21H23Cl2N4O8P・1H2O):計算値: C, 43.54; H, 4.35; N, 9.67. 測定値: C, 43.32; H, 4.35; N, 9.55.
17.26: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(5-ブロモ-ピリジン-3-イル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン.
Figure 2007522237
Rf = 0.3(10% MeOH/CH2Cl2) mp 185-189℃. 元素分析(C20H23N5O8BrP・1.5CF3CO2H):計算値: C, 37.16; H, 3.32; N, 9.42. 測定値: C, 37.23; H, 3.44; N, 9.33.
17.27: 2-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(ピリジン-3-イル) -2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン
Figure 2007522237
Rf = 0.15(10% MeOH/CH2Cl2); 元素分析(C20H24N5O8P・1H2O・0.4EtOAc): C, 47.46; H, 5.38; N, 12.81. 測定値: C, 47.40; H, 5.17; N, 12.78.
実施例18
5'-O-[4-(3-クロロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチルアデノシン
Figure 2007522237
2'-C-メチル アデノシンはWO01/90121の記載に従って合成した。
ステップA:
置換ジオールから環状亜ホスホルアミド酸を合成する一般的方法
市販品として得られるジイソプロピル亜ホスホルアミド酸ジクロリド(1 mmol)をTHF(5 mL)に溶解し-78℃に冷却し、1,3-ジオール(1 mmol)とトリエチルアミン(4mmol)をTHF(5 mL)に溶解して30分間かけて加えた。反応液を徐々に室温にまで加温し終夜撹拌した。反応混合物を濾過して塩を除去し濾液を濃縮して粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純粋な1,3-ジオールの環状ジイソプロピル亜ホスホルアミド酸を得た。
ステップB:
ヌクレオシド-環状亜ホスホルアミド酸の縮合と酸化の一般的方法(J. Org. Chem., 1996, 61, 7996)
ヌクレオシド(1 mmol)と環状亜ホスホルアミド酸(1 mmol)をDMF(10 mL)に溶解し、ベンズイミダゾリウムトリフレート(1 mmol)を加えた。反応液を30分間室温で撹拌した。混合物を-40℃に冷却し、t-ブチルヒドロパーオキシド(2 mmol)を加えて室温で終夜放置した。減圧下で濃縮し、粗生成物をクロマトグラフィーで精製して純粋な環状プロピルプロドラッグを得た。
Rf = 0.46(12 % MeOH/CH2Cl2). mp 153℃. 元素分析(C20H23ClN5O7P):計算値: C, 46.93; H, 4.53; N, 13.63. 測定値: C, 47.06; H, 4.36; N, 13.68.
実施例19
シス-5'-O-[4-(3-クロロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-グアノシン
Figure 2007522237
2'-C-メチル-グアノシンはWO01/90121の記載に従って調製した。
該ヌクレオシドは実施例16のステップA、BおよびCの方法に従って対応するプロドラッグに変換した。
Rf = 0.35(25% MeOH/CH2Cl2). mp >230℃. 元素分析(C20H23ClN5O8P): 計算値:C, 45.51; H, 4.39; N, 13.27. 測定値: C, 45.89; H, 4.44; N, 13.23.
実施例20
シス-5'-O-[4-(S)-(3-クロロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-β-メチル-グアノシン
Figure 2007522237
この化合物は、実施例14にその調製が記載されているリン酸化試薬を用いて、実施例19と同様の手順により合成した。
Rf = 0.35(20% MeOH/CH2Cl2). mp >180℃. 元素分析(C20H23N5O8ClP・1.0H2O・0.8CF3CO2H):計算値: C,40.72; H, 4.08; N, 10.99. 測定値: C, 40.43; N, 4.41; N, 11.34.
実施例21
トランス-リン酸付加による2'-C-β-メチル-アデノシンのプロドラッグの調製
2'-C-メチル-アデノシンはWO01/90121の記載に従い調製した。
該ヌクレオシドは実施例16のステップA、BおよびCの方法に従って対応するプロドラッグに変換した。
ステップBで用いられるトランス−リン酸化試薬は実施例1−15に記載された方法で合成される。
21.1: シス-5'-O-[4-(S)-(3-クロロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-β-メチル-アデノシン・トリフルオロ酢酸塩
Figure 2007522237
Rf = 0.3(5% MeOH/EtOAc). mp 125-128℃. 元素分析(C20H23ClN5O7P・1.7CF3CO2H):計算値: C, 39.83; H, 3.53; N, 9.92. 測定値: C; 39.52, H; 3.46, N; 10.21.
21.2: シス-5'-O-[4-(3-シアノフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-β-メチル-アデノシン
Figure 2007522237
Rf = 0.43(15% MeOH/CH2Cl2-1%NH4OH). mp 153-156℃. 元素分析(C21H23N6O7P・1.1H2O):計算値: C, 48.30; H, 4.86; N, 16.09. 測定値: C, 48.53; H, 5.11; N, 15.75.
21.3: シス-5'-O-[4-(2,5-ジフルオロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-β-メチル-アデノシン
Figure 2007522237
Rf = 0.60(15% MeOH/CH2Cl2-1%NH4OH). mp 75-78℃. 元素分析(C20H22F2N5O7P・0.3CH2Cl2):計算値: C, 45.25; H, 4.23; N, 13.00. 測定値: C, 45.07; H, 3.94; N, 12.69.
21.4: シス-5'-O-[4-(3,5-ジフルオロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-β-メチル-アデノシン
Figure 2007522237
Rf=0.65(15% MeOH/CH2Cl2-1%NH4OH). mp 120-123℃. 元素分析(C20H22F2N5O7P・1.5H2O・0.1C6H14):計算値: C, 45.07; H, 4.85; N, 12.76. 測定値: C, 45.04 ; H, 5.25; N, 12.59.
21.5: シス-5'-O-[4-(S)-(ピリジン-4-イル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-β-メチル-アデノシン
Figure 2007522237
Rf = 0.55(15% MeOH/CH2Cl2-1%NH4OH). 元素分析(C19H23N6O7P・2.5H2O):計算値: C, 43.60; H, 5.39; N, 16.06. 測定値: C, 43.35; H, 5.54; N, 16.05.
21.6: シス-5'-O-[4-(3-ブロモフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-β-メチル-アデノシン
Figure 2007522237
Rf = 0.5(10% MeOH/CH2Cl2). mp 108-110℃. 元素分析(C20H23N5O7BrP・1.5H2O・0.4CF3CO2H):計算値:C, 39.72; H, 4.23; N, 11.14. 測定値: C, 39.44; H, 4.55; N, 11.18.
21.7: シス-5'-O-[4-(ピリジン-2-イル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-β-メチル-アデノシン・トリフルオロ酢酸塩
Figure 2007522237
Rf = 0.4(10% MeOH/CH2Cl2). mp 118-120℃. 元素分析(C19H23N6O7P・2.0H2O・1.0CF3CO2H):計算値: C, 40.14; H, 4.49; N, 13.37. 測定値: C, 40.36; H, 4.92; N, 13.63.
21.8: シス-5'-O-[4-(4-メチルスルホニルフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-β-メチル-アデノシン・トリフルオロ酢酸塩
Figure 2007522237
Rf = 0.3(10% MeOH/CH2Cl2). mp 185-187℃. 元素分析(C21H26N5O9PS・0.6H2O・0.6CF3CO2H):計算値: C, 42.01; H, 4.41; N, 11.03. 測定値: C, 41.93; H, 4.73; N, 10.97.
21.9: シス-5'-O-[4-(ピリジン-3-イル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-β-メチル-アデノシン
Figure 2007522237
Rf = 0.2(10% MeOH/EtOAc). mp 137-140℃. 元素分析(C19H23N6O7P・1.5H2O・0.4EtOAc).計算値:C, 45.76; H, 15.54; N, 5.44. 測定値: C; 45.88; H, 15.19; N, 5.09.
実施例22
2'-C-β-メチル-7-デアザアデノシン環状プロドラッグの3'-アセチルプロドラッグ調製の一般的方法
5'-置換環状プロピルプロドラッグ(0.3 mmol)をピリジン(3 mL)に溶解し、0℃で無水酢酸(0.6 mL)を加えた。反応液を0℃で18時間放置した。エタノール(3 mL)を加えて過剰の無水酢酸を反応停止させた。混合物を濃縮し、エタノールを追加して(2 X 5 mL)水を共沸させて除去した。粗な残渣をクロマトグラフィーで精製して純粋なモノアセチル化化合物を固体として得た。
22.1: 4-アミノ-7-(3'-アセチル-シス-5'-O-[4-(S)-(ピリジン-4-イル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン.
Figure 2007522237
Rf = 0.35(15% MeOH/CH2Cl2). mp 182-185℃. 元素分析(C22H26N5O8P・1.5H2O・0.2CH2Cl2):計算値: C, 47.32; H, 5.56; N, 12.43. 測定値: C, 47.19; H, 4.78; N, 12.09.
22.2: 4-アミノ-7-(3'-アセチル-シス-5'-O-[4-(S)-(3-クロロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.35(10% MeOH/CH2Cl2). mp 90-93℃. 元素分析(C23H26N4O8ClP・1.0H2O):計算値:C, 48.39; H, 4.94; N, 9.81. 測定値: C, 48.79; H, 4.85; N, 9.91.
実施例23
2'-C-β-メチル-7-デアザアデノシン環状プロドラッグの2',3'-環状炭酸エステルプロドラッグ調製の一般的方法
5'-置換環状プロピルプロドラッグ(0.25 mmol)をDMF(2.5 mL)に溶解し、0℃に冷却してカルボニルジイミダゾール(CDI)(0.5 mmol)を加えた。反応液を室温にまで加温し4時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去し粗生成物をクロマトグラフィーで精製して2',3'-炭酸エステルを固体として得た。
23.1: 4-アミノ-7-(2',3'-カルボニル-シス-5'-O-[4-(S)-(3-クロロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.45(10% MeOH/CH2Cl2). mp 127-130℃. 元素分析(C22H22N4O8PCl・1.0H2O):計算値: C, 47.62; H, 4.36; N, 10.10. 測定値: C, 47.94; H, 4.10; N, 10.13.
23.2: 4-アミノ-7-(2',3'-カルボニル-シス-5'-O-[4-(S)-(ピリジン-4-イル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン.
Figure 2007522237
Rf = 0.4 (20% MeOH/CH2Cl2). mp 192-195℃. 元素分析(C21H22N5O8P・1.0H2O): 計算値:C, 48.37; H, 4.64; N, 13.43. 測定値: C, 48.41; H, 4.39; N, 13.60.
実施例24
2'-C-β-メチル-7-デアザアデノシン環状プロドラッグの3'-L-バリニルエステルプロドラッグ調製の一般的方法
24.1: 4-アミノ-7-(シス-5'-O-[4-(S)-(3-クロロフェニル)-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル]-2'-C-メチル-3'-L-バニリル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
実施例16の記載と同様にして5'-置換環状プロドラッグ(16.5)を調製した。
ステップA:
Boc-L-Val(217 mg, 1.0 mmol)をTHF(5 mL)に溶解し、カルボニルジイミダゾール(CDI)(162 mg, 1 mmol)を加えた。反応液を50℃に加温し、1時間撹拌した。5'-置換環状プロドラッグ(16.5) (0.50 mmol)をDMF(3 mL)に溶解し、これに得られた混合物を加え続いてトリエチルアミン(1.5 mL)と4-ジメチルアミノピリジン(6 mg, 0.05 mmol)を加えた。反応液を80℃で3時間加熱した。減圧下で反応混合物を濃縮し粗生成物を10% MeOH-CH2Cl2で抽出した。有機抽出物を水洗し乾燥して濃縮した。粗残渣をクロマトグラフィーで精製(5%-10% MeOH-CH2Cl2で溶出)し、5'-環状プロドラッグの3'-Boc-L-Val付加体(200 mg)を得た。
ステップB:
上記Boc保護プロドラッグ(200 mg)をあらかじめ冷却した70% トリフルオロ酢酸−水(10 mL)に0℃で溶解した。反応液を0℃で3時間撹拌した。減圧下で混合物を濃縮しエタノールを加えて共沸により水分を除去した。粗残渣をクロマトグラフィーで精製(5%-20% MeOH/CH2Cl2で溶出)し、Boc脱保護プロドラッグ(140 mg)を得た。
Figure 2007522237
Rf = 0.35(15% MeOH/CH2Cl2). mp 132-135℃. 元素分析(C26H33N5O8ClP・2.3CF3CO2H・2.1H2O) : 計算値:C, 40.38; H, 4.37; N, 7.70. 測定値: C, 39.94; H, 3.93; N, 7.48.
実施例25
2'-C-β-メチル-7-デアザアデノシン5'-モノホスフェート環状プロドラッグの6-アジドプロドラッグの調製
4-クロロ-7-(2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジンはWO 02/057287の記載に従い調製した。
ステップA:
4-クロロ-7-(2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(162 mg, 0.54 mmol)をDMF(5 mL)に溶解しアジ化ナトリウム(70 mg, 1.08 mmol)を室温で加えた。反応液を60℃に加熱して18時間撹拌した。混合物を濃縮してクロマトグラフィーで精製(CH2Cl2から5% MeOH-CH2Cl2で溶出)してアジド置換生成物(102 mg)を得た。
25.1: 4-アジド-7-(2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
Figure 2007522237
Rf = 0.4(5% MeOH/CH2Cl2). mp 179-180℃. 元素分析(C12H14N6O4): 計算値:C, 47.06; H, 4.61; N, 27.44. 測定値: C, 46.97; H, 4.71; N, 27.28.
ステップB:
4-アジド-7-(2'-C-メチル-β-D-リボフラノシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジンの5'-置換モノホスフェート環状プロドラッグは実施例16の記載に従って調製できる。
生物学的実施例
本発明の方法を使用する実施例は下記のものを含む。これらの実施例は例示であって本発明の方法はこれらの実施例に限定されないと解すべきである。簡潔性と明確さのために、以下の生物学的実施例において化合物は合成実施例の番号で言及する。
実施例A
ラット肝ミクロゾームによるプロドラッグアナログのin vitro活性化
プロドラッグ副生物捕捉試験の手段により、ラットの肝ミクロゾーム中でプロドラッグアナログの活性化試験をした。
方法
デキサメサゾン誘発CYP3A4活性増強作用(Human Biologics Inc., Phoenix AZ)を用いてラットから単離した肝ミクロゾーム中の活性化を試験した。試験は、ラット肝ミクロゾーム2mg/mL、100mM KH2PO4、10mM グルタチオン、25μm 若しくは250 μm の化合物、および2mM NADPH中、エッペンドルフサーモミキサー 5436、37℃、スピード6で0-7.5分間行った。NADPHの添加により反応を開始し、2分間の前インキュベーションを行った。0、2.5、5、および7.5分に60% メタノールを添加して反応を停止した。1.5倍体積のメタノールで反応液を抽出し、プロドラッグ活性化の副生成物である3-クロロフェニル ビニル ケトンとグルタチオンの付加生成物、L-グルタミル-L-(S-(3-オキソ-3-(3-クロロフェニル)プロピル)システイニルグリシンを定量した。抽出試料をエッペンドルフのミクロフュージ中で14,000rpmの遠心分離を行い、上澄中のL-グルタミル-L-(S-(3-オキソ-3-(3-クロロフェニル)プロピル)システイニルグリシン含量をHPLCで分析した。反応条件下でミクロゾーム2 mg/mLにL-グルタミル-L-(S-(3-オキソ-3-(3-クロロフェニル)プロピル)システイニルグリシンを添加して標品(1-30 μm)を調製し、未知の試料と同等の処理を行った。HPLC分析は、移動相緩衝液(バファーA)は20mM リン酸カリウム(pH 6.2)およびアセトニトリル9:1(v/v)で構成した。抽出物(100μL)はベックマンのUltrasphere ODS カラム(4.6 x 250 mM, part# 235329)に注入し、該カラムをグラディエント溶出(最終60%アセトニトリル)した。L-グルタミル-L-(S-(3-オキソ-3-(3-クロロフェニル)プロピル)システイニルグリシン(保持時間10.4分)はUV245nmで検出した。
結果:
Figure 2007522237
結論
化合物18の場合、L-グルタミル-L-(S-(3-オキソ-3-(3-クロロフェニル)プロピル)システイニルグリシンはプロドラッグ活性化が4.7 nmol/mg/minの速度であることを示した。
実施例B
ラット肝ミクロゾームによるプロドラッグアナログのin vitro活性化:LC-MS/MSによる定量
ラット肝臓のミクロゾーム分画により触媒された反応において、プロドラッグアナログにつきNMPへの活性化を試験した。
方法
デキサメサゾン誘発CYP3A4活性増強作用(Human Biologics Inc., Phoenix AZ)を用いてラットから単離した肝ミクロゾーム中の活性化を試験した。反応は、2 mMのNADPHおよび肝ミクロゾーム(1 mg/mL)の存在下で、0.1M KH2PO4(pH 7.4)中で行った。反応混合物をエッペンドルフサーモミキサー 5436中、37℃、スピード6で5分間インキュベートした。反応は1.5倍体積のメタノールの添加により停止させた。エッペンドルフのミクロフュージ中で14,000rpmの遠心分離(20分間)を行い、得られた抽出物の上澄を作製した。減圧下で上澄(200 μL)を濃縮し加熱して乾固させた。乾燥残渣に水200μLを加えて混合物を10分間、14,000rpmで遠心分離した。上澄35μLと移動相A(20 mM N,N-ジメチルヘキシルアミンおよび10 mM プロピオン酸/20% メタノール)35μLを混合して、Agilent 1100 二元ポンプおよびLEAPインジェクターを備えたLC-MS/MS (アプライドバイオシステムズ, API 4000で分析した。NMPはMS/MSモード(M-/78.8)で検出し、ラミブジンモノホスフェート標品と比較して定量化した。
結果:
Figure 2007522237
Figure 2007522237
実施例C
ヒト肝ミクロゾーム中のin vitro活性化:副生成物捕捉による定量化
プロドラッグアナログについて、ヒト肝ミクロゾーム中の活性化を試験した。
方法
ヒト肝ミクロゾームはインビトロテクノロジー(IVT1032)より購入した。試験は、ラット肝ミクロゾーム2mg/mL、100mM KH2PO4、10mM グルタチオン、25μm 若しくは250 μm の化合物、および2mM NADPH中、エッペンドルフサーモミキサー 5436、37℃、スピード6で0-7.5分間行った。NADPHの添加により反応を開始し、2分間の前インキュベーションを行った。0、2.5、5、および7.5分に60% メタノールを添加して反応を停止した。1.5倍体積のメタノールで反応液を抽出し、プロドラッグ活性化の副生成物である3-クロロフェニル ビニル ケトンとグルタチオンの付加生成物、L-グルタミル-L-(S-(3-オキソ-3-(3-クロロフェニル)プロピル)システイニルグリシンを定量した。抽出試料をエッペンドルフのミクロフュージ中で14,000rpmの遠心分離を行い、上澄中のL-グルタミル-L-(S-(3-オキソ-3-(3-クロロフェニル)プロピル)システイニルグリシン含量をHPLCで分析した。反応条件下でミクロゾーム2 mg/mLにL-グルタミル-L-(S-(3-オキソ-3-(3-クロロフェニル)プロピル)システイニルグリシンを添加して標品(1-30 μm)を調製し、未知の試料と同等の処理を行った。HPLC分析は、移動相緩衝液(バファーA)は20mM リン酸カリウム(pH 6.2)およびアセトニトリル9:1(v/v)で構成した。抽出物(100 μL)はベックマンのUltrasphere ODS カラム(4.6 x 250 mM, part# 235329)に注入し、該カラムをグラディエント溶出(最終60%アセトニトリル)した。L-グルタミル-L-(S-(3-オキソ-3-(3-クロロフェニル)プロピル)システイニルグリシン(保持時間10.4分)はUV245nmで検出した。
結論
L-グルタミル-L-(S-(3-オキソ-3-(3-クロロフェニル)プロピル)システイニルグリシンの生成はプロドラッグがヒト肝ミクロゾーム中in vitroで活性化されることを示す。
実施例D
ヒト肝ミクロゾームによるプロドラッグアナログのin vitro活性化:LC-MS/MSによる定量
ヒト肝臓のミクロゾーム分画により触媒された反応において、プロドラッグアナログにつきNMPへの活性化を試験した。
方法
プロドラッグにつき、インビトロテクノロジー(IVT1032)より購入したヒト肝ミクロゾームによる活性化を試験した。反応は、2 mMのNADPHおよび肝ミクロゾーム(1 mg/mL)の存在下で、0.1M KH2PO4(pH 7.4)中で行った。反応混合物をエッペンドルフサーモミキサー 5436中、37℃、スピード6で5分間インキュベートした。反応は1.5倍体積のメタノールの添加により停止させた。エッペンドルフのミクロフュージ中で14,000rpmの遠心分離(20分間)を行い、得られた抽出物の上澄を作製した。減圧下で上澄(200 μL)を濃縮し加熱して乾固させた。乾燥残渣に水200μLを加えて混合物を10分間、14,000rpmで遠心分離した。上澄35μLと移動相A(20 mM N,N-ジメチルヘキシルアミンおよび10 mM プロピオン酸/20% メタノール)35μLを混合して、Agilent 1100 二元ポンプおよびLEAPインジェクターを備えたLC-MS/MS (アプライドバイオシステムズ, API 4000で分析した。NMPはMS/MSモード(M-/78.8)で検出し、ラミブジンモノホスフェート標品と比較して定量化した。
結果
Figure 2007522237
Figure 2007522237
実施例E
ヌクレオシドアナログとそのプロドラッグのインキュベーションに続く肝細胞中におけるNTPの蓄積
ヌクレオシドアナログおよびそのプロドラッグにつき、新しく調製したラット肝細胞中においてNTPを生じさせる効果を評価した。ヌクレオシドのNTPが活性な抗ウイルス薬であることは一般に認められている。
方法:
ベリーとフレンドの方法〔Berry, M.N. Friend, D.S., J. Cell Biol. 43:506-520 (1969)〕に従い、グロエンの変法〔Groen, A.K. et al., Eur. J. Biochem 122:87-93 (1982)〕と同様にして給餌Sprague-Dawleyラット(250-300g)から肝細胞を調製した。肝細胞(湿重量20 mg/mL、トリパンブルー生存率>85%)は、20 mMグルコースおよび1 mg/mL BSAを含むクレブス-重炭酸イオン緩衝液2mL中、1-250 μmのヌクレオシド若しくはプロドラッグ(25mM貯蔵用DMSO溶液より)の存在下、37℃でインキュベートした。インキュベーションの後、細胞懸濁液1600μLを遠心分離し、アセトニトリル300μLをペレットに加えて、ボルテックスミキサーと超音波処理でそのペレットを崩壊させた。水200 μLを加えて60%アセトニトリル溶液とした。14,000rpmで10分間遠心分離した後、上澄を新しいバイアルに移して室温下Savant SpeedVac Plus中で濃縮してほぼ乾固させた。乾燥残渣に水200 μLを加えてから再び14,000rpmで10分間遠心分離した。35μLの上澄と35μLの移動相A(20mM N,N-ジメチルヘキシルアミンおよび10mM プロピオン酸/20% メタノール)とを混合して、Agilent 1100 二元ポンプおよびLEAPインジェクターを備えたLC-MS/MS (アプライドバイオシステムズ, API 4000で分析した。NTPはMS/MSモード(M-/78.8)で検出し、ラミブジントリホスフェート標品と比較して定量化した。
結果
25 μmまたは250 μmのヌクレオシドおよびプロドラッグを最初のラット肝細胞とともにインキュベートに続き、2時間にわたってNTP生成を観測しnmol/gで測定した。
Figure 2007522237
Figure 2007522237
結論
本発明化合物は新しく単離されたラット肝細胞中でNTPを生じさせる効力を有することが示された。
実施例F
HCV感染ヒト肝臓切片試験
以下の試験により、ヒト肝組織中におけるHCV複製の阻害効果を評価した。
方法
調達:
脳死したHCV抗体陽性のヒト患者肝臓を氷冷ビアスパン(デュポン・ファーマシューティカルズ)保存液でかん流し、ビアスパン中で氷冷保存した。精密切断した厚さ約200-250μm、直径8cmの肝臓切片を調製し、10%ウシ胎仔血清および10 mL/Lのフンジ-バクト(Fungi-Bact)を追加したウェイマウス(Waymouth)の細胞培養培地(Gibco, Inc.)中、37℃で培養し、カーボゲン(carbogen)(95% O2、5% CO2)を0.75 l/min供給した。組織切片を培養中72時間維持した。被験化合物溶液を含む細胞培養培地は毎日交換した。
肝切片のインキュベーション中適切な時間に、HCV RNA(組織及び培地)およびヌクレオチドレベル(NTP)の分析用に肝切片と培地を採取した。採取した培地及び組織切片は分析に供するまで液体N中で保存した。
刊行物記載〔ボナシーニ等(Bonacini et. al.), 1999〕の方法に従い、自動マルチサイクルポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を基礎とする技術を用いて培地及び組織試料のHCV RNAレベルを分析した。この試験法のHCV RNAの検出限界は100ウイルスコピー/mlである。
組織NTPの分析
ブランソン(Branson)超音波照射器 450 (Branson Ultrasonics, Danbury, CT)による超音波処理とダウンス(Dounce)円錐乳棒の組み合わせを用いて、10%(v/v)過塩素酸200μL中で凍結肝切片を分解させた。2,500 x gで5分間遠心分離した後、3M KOH/3M KHCO3を用いて上澄を中和し、激しく混合した。中和した試料を2,500 gで5分間遠心分離してから、Whatman Partisil 5 SAX (5μm, 4.6 x 250 mm)カラムを用いたイオン交換HPLC(ヒューレット・パッカード 1050)でNTPレベルを決定した。試料(50 μL)を70% 10mM リン酸アンモニウムバファー、および30% 1M リン酸アンモニウムバファー(いずれもpH 3.5で6% エタノールを含む)に溶解してカラムに注入した。ヌクレオシドトリホスフェートは、80% 1M リン酸アンモニウム pH 3.5/ 6% エタノールバファーへの直線的グラディエント、流速1.25mL/min、検出UV(254 nm)でカラムから溶出した。
結果
2'-C-メチルグアノシンおよび化合物19と共にインキュベートすると、肝切片培養培地中のHCV RNAレベルは、対照の未処理切片のレベルよりも減少した。
Figure 2007522237
結論
HCV感染ヒト肝切片を2'-C-メチルグアノシンまたは化合物19で72時間処理すると48-72時間中に培養培地に放出されるHCV RNAの量が減少した。プロドラッグである化合物19はヌクレオシドの2'-C-メチルグアノシンよりも効果的であり培養培地中のウイルス産生を低下させた。
実施例G
ヌクレオシドアナログおよびそのプロドラッグの肝臓標的化
肝臓特異性につき、化合物19プロドラッグを親ヌクレオシドの2'-C-メチルグアノシンと、そして化合物21.1プロドラッグをその親ヌクレオシドの2'-C-メチルアデノシンと比較した;肝臓におけるNTPの産生を測定し血漿中におけるヌクレオシドの場合と比較した。
方法;
化合物19および2'-C-メチルグアノシンにつき、ヌクレオシド当量基準で30mg/kgの用量をC57BL/6マウスに腹腔内投与した(2'-C-メチルグアノシン 30mg/kgおよび化合物1953.27mg/kg)。化合物21.1または2'-C-メチルアデノシンについては、ヌクレオシド当量基準で5.5mg/kgの用量をC57BL/6マウスに静脈内投与した(2'-C-メチルアデノシン 5.5mg/kgおよび化合物21.1 10mg/kg)。2'-C-メチルグアノシン、化合物19、2'-C-メチルアデノシン、および化合物21.1の血漿中濃度をHPLC-UVで決定し、そして肝臓中の2'-C-メチルグアノシン、および2'-C-メチルアデノシンの5'-トリホスフェート濃度を、実施例Eで記載したトリホスフェートの標準的なイオンペアクロマトグラフィー法を用いてLC-MSにより測定した。慣用的なSAX HPLC-UVでは内因性GTPと2'-C-メチルグアノシントリホスフェートとを区別できなかった。2'-C-メチルグアノシントリホスフェート標品が得られなかったので、実施例Eに記載の方法によりヌクレオチドの肝臓内濃度を概算した。
結果;
2'-C-メチルグアノシンのトリホスフェートとしての化合物19の肝標的化、および2'-C-メチルアデノシンのトリホスフェートとしての化合物21.1の肝標的化がプロドラッグでもって示された。相対的な肝臓NTP AUC値、血漿ヌクレオシドAUC値、肝臓標的率(肝臓/血漿)およびプロドラッグによる重なる改良を以下の表にまとめた。
化合物19はフリーのヌクレオチドに対して、プロドラッグにより30倍の肝標的化の改良を示した。化合物21.1はフリーのヌクレオシドに対して、プロドラッグにより32倍の肝標的化の改良を示し、フリーのヌクレオシドの場合は化合物21.1の投与量につき血漿中の定量限界以下であった。
Figure 2007522237
実施例H
ヌクレオシドアナログおよびそのプロドラッグの経口投与後の組織内分布
その親ヌクレオシドアナログ阻害剤に対するプロドラッグの肝臓特異性を、毒性の標的となり得る肝臓及びその他の臓器で比較した。
方法
ヌクレオシドアナログおよびそのプロドラッグを絶食ラットに対して30mg/kg(ヌクレオシド当量)強制的に経口投与した。実施例Jに記載のとおり、ヌクレオシドおよびそのプロドラッグの血漿中濃度をHPLC-UVで決定した;そして、実施例Eに記載のとおり、トリホスフェートの標準的なイオンペアクロマトグラフィー法を用いてLC-MSにより、肝臓、骨格筋、心臓、腎臓、小腸、およびその他の器官におけるヌクレオシド5'-トリホスフェート濃度を測定した。
結果:
結果はヌクレオシドアナログプロドラッグの肝臓標的化を示し、ヌクレオシド単独の場合よりもプロドラッグの安全性が改良されている証拠を提供する。これはもっぱら、プロドラッグにより提供される肝臓標的化により、またはヌクレオシドモノホスフェートの脱リン酸化に続いて誘導されるヌクレオシドの追加的肝臓代謝により起こり得る。後者の場合、ヌクレオシドは肝臓からその周辺に逃れて他の組織を該ヌクレオシドに晒すこととなり、肝臓外毒性のおそれがある。肝臓からのヌクレオシドの放出はヌクレオシドモノホスフェート若しくはそのヌクレオシドの細胞内代謝、例えば、アデニレートデアミナーゼおよびヌクレオチダーゼを介するアデノシン系ヌクレオシドモノホスフェートのイノシンへの分解、またはアデノシンデアミナーゼとプリンヌクレオシドホスホリラーゼを介するアデノシン系ヌクレオシドモノホスフェートのイノシンおよびヒポキサンチンへの分解によりそれぞれ抑制することができる。
実施例I
通常の雄性ラットを用いた、ヌクレオシドアナログとそのプロドラッグの経口における生物学的利用率の評価
ヌクレオシドアナログとそのプロドラッグにつき、通常の雄性ラットを用いて、経口における生物学的利用率の評価を行った。
方法:
化合物は静脈内投与及び経口投与の適切な基剤中に可溶化させた。OBAVは一群四匹のラットを使用し化合物30 mg/kgを(ヌクレオシド当量)投与して、肝臓におけるNTPの濃度-時間プロフィールのAUC値を経口とi.v.若しくはi.p.投与の場合で比を計算して評価した。肝臓器官試料を20分後次いで1、3、5、8、12および24時間後に採取した。NTPの肝臓器官濃度をLC-MS/MS分析(実施例E)またはHPLC分析(実施例F)で決定した。
結果:
Figure 2007522237
実施例J
ラット肝S9分画または単離肝細胞中におけるヌクレオシドの代謝感受性
ラット肝S9分画または単離肝細胞中において、プリンヌクレオシドアナログの代謝感受性を評価した。
方法:
プリンヌクレオシドアナログ(例えば、2'-C-メチルアデノシン)(100μm)をラット肝S9分画または単離肝細胞中37℃でインキュベートした。最大2時間の時点で反応を終了させ、60%アセトニトリルで抽出して脱タンパク化した。遠心分離の後上澄を濃縮乾固して得られた残渣に水性移動相を加えてもどした。ダイオードアレイ検出器を備えたHPLCシステムで試料について代謝物を分析した。ベックマン Ultrasphere C-18 逆相カラム (4.5 x 250 mm)、バファー A (100 mM リン酸カルシウム pH 6)およびバファー B (25% v/v メタノール)のグラディエント、流速1.5 mL/minでヌクレオシド(例えば、2'-C-メチルイノシン)および塩基(例えば、ヒポキサンチン)を分離し、定量した。カラムは、バファーB 0%からバファーB 100%(% ポンプ バファー B = 100 x (時間 [分]/40)3)非直線状グラディエントで展開し、UV吸収260nmで検出した。代謝物は標品をともに溶出させおよび/またはUVスペクトルの一致で同定した。
結果:
プリンヌクレオシドアナログの代謝感受性は同族体の構造的修飾およびタイプに依存した。ある種の薬学的活性基(例えば、2'-C-メチルアデノシンの2'-C-メチル基)が含まれると、プリンサルベージ経路酵素(例えば、アデノシンデアミナーゼやプリンヌクレオシドホスホリラーゼ)による代謝に対する抵抗性が増加する。1)

1)エルドラップ等(Eldrup AB, Allerson CR, Bennett CF, et al.), (2004) J. Med. Chem. 47(9):2283-2295,「C型肝炎ウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼ阻害におけるプリンリボヌクレオチドの構造活性相関」

Claims (106)

  1. 式Iの化合物;
    Figure 2007522237
    〔式中、Bは下記
    Figure 2007522237
    の群から選択され;
    Vは、任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から選択され;
    WおよびW’は、−R、任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から独立して選択され;
    Zは、ハロゲン、−CN、−COR、−CONR 、−CO、−SO、−SONR 、−OR、−SR、−R、−NR 、−OCOR、−OCO、−SCOR、−SCO、−NHCOR、−NHCO、−(CH−OR、および−(CH−SRよりなる群から選択され;
    またはVとZはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み、該環状基はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でアリール基と縮合し;
    または、ZとWはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み;
    または、WとW’はいっしょになって追加的な2〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で0〜2個のヘテロ原子を含み;
    は、Rおよび水素よりなる群から選択され;
    は、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、およびアラルキルよりなる群から選択され;
    は、Rおよび水素よりなる群から選択され;
    は、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、およびアラルキルよりなる群から選択され;
    は、水素および低級アシルよりなる群から選択され;
    12は、水素および低級アシルよりなる群から選択され;そして
    pは2または3の整数である。〕
    およびその薬学的に許容される塩。
  2. Bが下式
    Figure 2007522237
    である、請求項1の化合物。
  3. Bが下式
    Figure 2007522237
    である、請求項1の化合物。
  4. Bが下式
    Figure 2007522237
    である、請求項1の化合物。
  5. 下式IIの化合物
    Figure 2007522237
    〔式中、Bは下記
    Figure 2007522237
    の群から選択され;
    Vは任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から選択され;
    WおよびW’は、-H、メチルおよびVよりなる群から独立して選択され、またはWおよびW’は、それぞれメチルであり、但し、WがVの場合、W’は、-Hであり;
    Zは、-H、-OMe、-OEt、フェニル、C−Cアルキル、-NR 、-SR、−(CH)p−OR、-(CH)p−SRおよび-OCORよりなる群から選択され;または
    VとZはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み、該環状基はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でアリール基と縮合し;
    または、ZとWはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み;
    または、WとW’はいっしょになって追加的な2〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し;
    はC−Cアルキル;
    はC−Cアルキル、単環アリール、および単環アラルキルよりなる群から選択され;
    はC−Cアシル;
    とRは、水素、C−Cアシル、およびC−Cアルコキシカルボニルよりなる群から独立して選択され、または天然に存在するL-アミノ酸とカルボニル基を介して結合してエステルを形成してもよく;またはRとRは一緒に環状炭酸エステルを形成してもよく;
    は−N=CHN(R)、−NHC(O)Rおよび-NHC(O)ORよりなる群から選択され;
    10はOR、ハロゲンおよびHよりなる群から選択される。〕
    およびその薬学的に許容される塩。
  6. Vが、フェニル;ハロゲン、C−Cアルキル、−CF、−OR、−OR12、−COR、−CO、−NR 、−NR12 、−CONR 、-SR、−SO、−SONR および−CNよりなる群から独立して選択される1個〜3個の置換基を有する置換フェニル;単環ヘテロアリール;およびハロゲン、C−Cアルキル、−CF、−OR、−OR12、−COR、−CO、−NR 、−NR12 、−CONR 、-SR、−SO、−SONR および−CNよりなる群から独立して選択される1個〜2個の置換基を有する置換単環ヘテロアリールよりなる群から選択され、該単環ヘテロアリールおよび置換単環ヘテロアリールはN、OおよびSよりなる群から独立して選択される1個〜2個のヘテロ原子を含み;但し、
    a)2個のヘテロ原子が含まれてその一方がOの場合、他方はOまたはSでなく;
    b)2個のヘテロ原子が含まれてその一方がSの場合、他方はOまたはSでなく;または
    VとZはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み、該環状基はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でアリール基と縮合し;および
    はC−Cアルキルである、請求項1の化合物。
  7. Vが、フェニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OMe、−NMe、−OEt、−COt-ブチル、−CONH、-SMe、−SOMe、−SONHおよび−CNよりなる群から独立して選択される1個〜3個の置換基を有する置換フェニル;単環ヘテロアリール;および−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OMe、−NMe、−OEt、−COt-ブチル、−CONH、-SMe、−SOMe、−SONHおよび−CNよりなる群から独立して選択される1個〜2個の置換基を有する置換単環ヘテロアリールよりなる群から選択され、該単環ヘテロアリールおよび置換単環ヘテロアリールはN、OおよびSよりなる群から独立して選択される1個〜2個のヘテロ原子を含み;但し、
    a)2個のヘテロ原子が含まれてその一方がOの場合、他方はOまたはSでなく;
    b)2個のヘテロ原子が含まれてその一方がSの場合、他方はOまたはSでなく;または
    VとZはいっしょになって追加的な4個の原子を介して結合し6員環を形成し、該6員環はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でフェニル基もしくは置換フェニルと縮合する、請求項6の化合物。
  8. Vが、フェニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキルおよび−CFよりなる群から独立して選択される1個〜2個の置換基を有する置換フェニル;ピリジル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキルおよび−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換ピリジル;フラニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキルおよび−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換フラニル;チエニル;および−Cl、−Br、−F、C−Cアルキルおよび−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換チエニルよりなる群から選択される、請求項7の化合物。
  9. Vが、フェニル、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3-ブロモ-4-フルオロフェニル、2-ピリジル、3-ピリジル、および4-ピリジルよりなる群から選択される、請求項8の化合物。
  10. Vが、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3-ピリジル、および4-ピリジルよりなる群から選択される、請求項9の化合物。
  11. Zが、-H、−OMe、−OEt、フェニル、C−Cアルキル、−NR 、−SR、−(CH)p−OR、−(CH)p−SRおよび-OCORよりなる群から選択され;
    がC−Cアルキルであり;
    が、C−Cアルキル、単環アリール、および単環アラルキルよりなる群から選択され:
    がC−Cアシルである、請求項1の化合物。
  12. Zが、−H、−OMe、−OEtおよびフェニルよりなる群から選択される、請求項11の化合物。
  13. WおよびW’が、-H、C−Cアルキルおよびフェニルよりなる群から独立して選択され;または、WおよびW’が追加的な2個〜5個の原子を介して結合し環状基を形成する、請求項1の化合物。
  14. WおよびW’が、-H、メチル、およびVなる群から独立して選択され、またはWおよびW’がそれぞれメチルであって、但し、WがVの場合、W’はHである、請求項1の化合物。
  15. Vが、任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から選択され;
    WおよびW’が、-H、メチル、およびVなる群から独立して選択され、またはWおよびW’がそれぞれメチルであって、但し、WがVの場合、W’はHであり;
    Zが、-H、−OMe、−OEt、フェニル、C−Cアルキル、−NR 、−SR、−(CH)p−OR、−(CH)p−SRおよび-OCORよりなる群から選択され;
    またはVとZはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み、該環状基はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でアリール基と縮合し;
    または、ZとWはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み;
    または、WとW’はいっしょになって追加的な2〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し;
    はC−Cアルキルであり;
    はC−Cアルキル、単環アリール、および単環アラルキルよりなる群から選択され;
    はC−Cアシルである、請求項1の化合物。
  16. Vが、フェニル;ハロゲン、C−Cアルキル、−CF、−OR、−OR12、−COR、−CO、−NR 、−NR12 、−CONR 、-SR、−SO、−SONR および−CNよりなる群から独立して選択される1個〜3個の置換基を有する置換フェニル;単環ヘテロアリール;およびハロゲン、C−Cアルキル、−CF、−OR、−OR12、−COR、−CO、−NR 、−NR12 、−CONR 、-SR、−SO、−SONR および−CNよりなる群から独立して選択される1個〜2個の置換基を有する置換単環ヘテロアリールよりなる群から選択され、該単環ヘテロアリールおよび置換単環ヘテロアリールはN、OおよびSよりなる群から独立して選択される1個〜2個のヘテロ原子を含み;但し、
    a)2個のヘテロ原子が含まれてその一方がOの場合、他方はOまたはSでなく;
    b)2個のヘテロ原子が含まれてその一方がSの場合、他方はOまたはSでなく;または
    VとZはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み、該環状基はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でアリール基と縮合し;および
    はC−Cアルキルである、請求項15の化合物。
  17. Vが、フェニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OMe、−NMe、−OEt、−COt-ブチル、−CONH、-SMe、−SOMe、−SONHおよび−CNよりなる群から独立して選択される1個〜3個の置換基を有する置換フェニル;単環ヘテロアリール;および−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OMe、−NMe、−OEt、−COt-ブチル、−CONH、-SMe、−SOMe、−SONHおよび−CNよりなる群から独立して選択される1個〜2個の置換基を有する置換単環ヘテロアリールよりなる群から選択され、該単環ヘテロアリールおよび置換単環ヘテロアリールはN、OおよびSよりなる群から独立して選択される1個〜2個のヘテロ原子を含み;但し、
    a)2個のヘテロ原子が含まれてその一方がOの場合、他方はOまたはSでなく;
    b)2個のヘテロ原子が含まれてその一方がSの場合、他方はOまたはSでなく;または
    VとZはいっしょになって追加的な4個の原子を介して結合し6員環を形成し、該6員環はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でフェニル基もしくは置換フェニルと縮合する、請求項16の化合物。
  18. Vが、フェニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキルおよび−CFよりなる群から独立して選択される1個〜2個の置換基を有する置換フェニル;ピリジル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキルおよび−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換ピリジル;フラニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキルおよび−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換フラニル;チエニル;および−Cl、−Br、−F、C−Cアルキルおよび−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換チエニルよりなる群から選択される、請求項17の化合物。
  19. Vが、フェニル、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3-ブロモ-4-フルオロフェニル、2-ピリジル、3-ピリジル、および4-ピリジルよりなる群から選択され;
    Zが−H、OMe、OEt、およびフェニルよりなる群から選択され;
    WおよびW’が、-H、およびフェニルよりなる群から独立して選択され、またはWおよびW’がいずれもメチルである、請求項1の化合物。
  20. Z、WおよびW’がいずれも−Hである、請求項1の化合物。
  21. VとWが同一であり、いずれも任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から選択される、請求項1の化合物。
  22. Bが下式
    Figure 2007522237
    であり;
    Vが3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3-ピリジル、および4-ピリジルよりなる群から選択され;
    Z、WおよびW’がいずれも−Hである、請求項1の化合物。
  23. 下式
    Figure 2007522237
    で表される、請求項22の化合物。
  24. Bが下式
    Figure 2007522237
    であり;
    Vが3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3-ピリジル、および4-ピリジルよりなる群から選択され;
    Z、WおよびW’がいずれも−Hである、請求項1の化合物。
  25. 下式
    Figure 2007522237
    で表される、請求項24の化合物。
  26. Bが下式
    Figure 2007522237
    であり;
    Vが3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3-ピリジル、および4-ピリジルよりなる群から選択され;
    Z、WおよびW’がいずれも−Hである、請求項1の化合物。
  27. 下式
    Figure 2007522237
    で表される、請求項26の化合物。
  28. 下式
    Figure 2007522237
    で表される、請求項26の化合物。
  29. 下式V
    Figure 2007522237
    (式中、Vおよびリボース糖部分の5'-オキシメチレン基は互いにシス位にある。)
    で表される、請求項1の化合物。
  30. 下式III
    Figure 2007522237
    (式中、Vおよびリボース糖部分の5'-オキシメチレン基は互いにシス位にある。)
    で表される、請求項5の化合物。
  31. Vが、フェニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OMe、−NMe、−OEt、−COt-ブチル、−CONH、-SMe、−SOMe、−SONHおよび−CNよりなる群から独立して選択される1個〜3個の置換基を有する置換フェニル;単環ヘテロアリール;および−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OMe、−NMe、−OEt、−COt-ブチル、−CONH、-SMe、−SOMe、−SONHおよび−CNよりなる群から独立して選択される1個〜2個の置換基を有する置換単環ヘテロアリールよりなる群から選択される、請求項30の化合物。
  32. Vが、フェニル、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3-ブロモ-4-フルオロフェニル、2-ピリジル、3-ピリジル、および4-ピリジルよりなる群から選択される、請求項31の化合物。
  33. Vが結合した炭素の立体化学がR配位、リン中心の立体化学がS配位である、請求項32の化合物。
  34. Vが結合した炭素の立体化学がS配位、リン中心の立体化学がR配位である、請求項32の化合物。
  35. Vが、フェニル;ハロゲン、C−Cアルキル、−CF、−OR、−OR12、−COR、−CO、−NR 、−NR12 、−CONR 、-SR、−SO、−SONR および−CNよりなる群から独立して選択される1個〜3個の置換基を有する置換フェニル;単環ヘテロアリール;およびハロゲン、C−Cアルキル、−CF、−OR、−OR12、−COR、−CO、−NR 、−NR12 、−CONR 、-SR、−SO、−SONR および−CNよりなる群から独立して選択される1個〜2個の置換基を有する置換単環ヘテロアリールよりなる群から選択され、該単環ヘテロアリールおよび置換単環ヘテロアリールはN、OおよびSよりなる群から独立して選択される1個〜2個のヘテロ原子を含み;但し、
    a)2個のヘテロ原子が含まれてその一方がOの場合、他方はOまたはSでなく;
    b)2個のヘテロ原子が含まれてその一方がSの場合、他方はOまたはSでなく;
    はC−Cアルキルである、請求項29の化合物。
  36. Vが、フェニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OMe、−NMe、−OEt、−COt-ブチル、−CONH、-SMe、−SOMe、−SONHおよび−CNよりなる群から独立して選択される1個〜3個の置換基を有する置換フェニル;単環ヘテロアリール;および−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OMe、−NMe、−OEt、−COt-ブチル、−CONH、-SMe、−SOMe、−SONHおよび−CNよりなる群から独立して選択される1個〜2個の置換基を有する置換単環ヘテロアリールよりなる群から選択され、該単環ヘテロアリールおよび置換単環ヘテロアリールはN、OおよびSよりなる群から独立して選択される1個〜2個のヘテロ原子を含み;但し、
    a)2個のヘテロ原子が含まれてその一方がOの場合、他方はOまたはSでなく;
    b)2個のヘテロ原子が含まれてその一方がSの場合、他方はOまたはSでなく;または
    VとZはいっしょになって追加的な4個の原子を介して結合し6員環を形成し、該6員環はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でフェニル基もしくは置換フェニルと縮合する、請求項35の化合物。
  37. Vが、フェニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキルおよび−CFよりなる群から独立して選択される1個〜2個の置換基を有する置換フェニル;ピリジル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキルおよび−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換ピリジル;フラニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキルおよび−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換フラニル;チエニル;および−Cl、−Br、−F、C−Cアルキルおよび−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換チエニルよりなる群から選択される、請求項36の化合物。
  38. Vが、フェニル、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3-ブロモ-4-フルオロフェニル、2-ピリジル、3-ピリジル、および4-ピリジルよりなる群から選択される、請求項37の化合物。
  39. Vが、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3-ピリジル、および4-ピリジルよりなる群から選択される、請求項38の化合物。
  40. Vが結合した炭素の立体化学がR配位、リン中心の立体化学がS配位である、請求項29の化合物。
  41. Vが結合した炭素の立体化学がS配位、リン中心の立体化学がR配位である、請求項29の化合物。
  42. 請求項1の化合物の薬学的な有効量、および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
  43. 請求項5の化合物の薬学的な有効量、および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
  44. ヒト患者において請求項1の化合物の治療上の有効量を投与することを含む、該患者におけるウイルス複製を阻害する方法。
  45. ヒト患者において請求項5の化合物の治療上の有効量を投与することを含む、該患者におけるウイルス複製を阻害する方法。
  46. 当該ウイルス複製がRNA依存性RNAウイルスの複製である、請求項44の方法。
  47. 当該ウイルス複製がHCVの複製である、請求項44の方法。
  48. ヒト患者において請求項1の化合物の治療上の有効量を投与することを含む、該患者におけるウイルス感染を治療する方法。
  49. ヒト患者において請求項5の化合物の治療上の有効量を投与することを含む、該患者におけるウイルス感染を治療する方法。
  50. 当該ウイルス感染がRNA依存性RNAウイルスの感染である、請求項48の方法。
  51. 当該ウイルス感染がHCVの感染である、請求項48の方法。
  52. HCVに対して有効な第二の医薬の治療上の有効量と組み合わせて、当該式Iの化合物が使用される、請求項51の方法。
  53. HCVに対して有効な当該第二の医薬がリバビリン;レボビリン;ビラミジン;チモシンα-1;インターフェロン-β;NS3セリンプロテアーゼ阻害剤;イノシンモノホスフェートデヒドロゲナーゼの阻害剤;インターフェロン-α若しくはペグ化インターフェロン-α、それぞれ単独またはリバビリン若しくはレボビリンとの組み合わせ、である請求項52の方法。
  54. HCVに対して有効な当該第二の医薬が、インターフェロン-α若しくはペグ化インターフェロン-α、それぞれ単独またはリバビリン若しくはレボビリンとの組み合わせ、である請求項53の方法。
  55. 式Iの化合物;
    Figure 2007522237
    〔式中、Bは下記
    Figure 2007522237
    で表され;
    Vは、任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から選択され;
    WおよびW’は、−R、任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から独立して選択され;
    Zは、ハロゲン、−CN、−COR、−CONR 、−CO、−SO、−SONR 、−OR、−SR、−R、−NR 、−OCOR、−OCO、−SCOR、−SCO、−NHCOR、−NHCO、−(CH−OR、および−(CH−SRよりなる群から選択され;
    またはVとZはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み、該環状基はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でアリール基と縮合し;
    または、ZとWはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み;
    または、WとW’はいっしょになって追加的な2〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で0〜2個のヘテロ原子を含み;
    は、Rおよび水素よりなる群から選択され;
    は、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、およびアラルキルよりなる群から選択され;
    は、Rおよび水素よりなる群から選択され;
    は、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、およびアラルキルよりなる群から選択され;
    は、水素および低級アシルよりなる群から選択され;
    12は、水素および低級アシルよりなる群から選択され;そして
    pは2または3の整数である。〕
    またはその薬学的に許容される塩。
  56. 式IIの化合物;
    Figure 2007522237
    〔式中、Bは下記
    Figure 2007522237
    の群から選択され;
    Vは、任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から選択され;
    WおよびW’は、-H、メチルおよびVよりなる群から独立して選択され、またはWおよびW’は、それぞれメチルであり、但し、WがVの場合、W’は、-Hであり;
    Zは、-H、-OMe、-OEt、フェニル、C−Cアルキル、-NR 、-SR、−(CH)p−OR、-(CH)p−SRおよび-OCORよりなる群から選択され;または
    VとZはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み、該環状基はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でアリール基と縮合し;
    または、ZとWはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み;
    または、WとW’はいっしょになって追加的な2〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し;
    はC−Cアルキル;
    はC−Cアルキル、単環アリール、および単環アラルキルよりなる群から選択され;
    はC−Cアシル;
    とRは、水素、C−Cアシル、およびC−Cアルコキシカルボニルよりなる群から独立して選択され、または天然に存在するL-アミノ酸とカルボニル基を介して結合してエステルを形成してもよく;またはRとRは一緒に環状炭酸エステルを形成してもよく;
    10はOR、OR、NH、NHR、ハロゲンおよびHよりなる群から選択される。〕
    またはその薬学的に許容される塩。
  57. Vが、フェニル;ハロゲン、C−Cアルキル、−CF、−OR、−OR12、−COR、−CO、−NR 、−NR12 、−CONR 、-SR、−SO、−SONR および−CNよりなる群から独立して選択される1個〜3個の置換基を有する置換フェニル;単環ヘテロアリール;およびハロゲン、C−Cアルキル、−CF、−OR、−OR12、−COR、−CO、−NR 、−NR12 、−CONR 、-SR、−SO、−SONR および−CNよりなる群から独立して選択される1個〜2個の置換基を有する置換単環ヘテロアリールよりなる群から選択され、該単環ヘテロアリールおよび置換単環ヘテロアリールはN、OおよびSよりなる群から独立して選択される1個〜2個のヘテロ原子を含み;但し、
    a)2個のヘテロ原子が含まれてその一方がOの場合、他方はOまたはSでなく;
    b)2個のヘテロ原子が含まれてその一方がSの場合、他方はOまたはSでなく;または
    VとZはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み、該環状基はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でアリール基と縮合し;および
    はC−Cアルキルである、請求項55の化合物。
  58. Vが、フェニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OMe、−NMe、−OEt、−COt-ブチル、−CONH、-SMe、−SOMe、−SONHおよび−CNよりなる群から独立して選択される1個〜3個の置換基を有する置換フェニル;単環ヘテロアリール;および−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OMe、−NMe、−OEt、−COt-ブチル、−CONH、-SMe、−SOMe、−SONHおよび−CNよりなる群から独立して選択される1個〜2個の置換基を有する置換単環ヘテロアリールよりなる群から選択され、該単環ヘテロアリールおよび置換単環ヘテロアリールはN、OおよびSよりなる群から独立して選択される1個〜2個のヘテロ原子を含み;但し、
    a)2個のヘテロ原子が含まれてその一方がOの場合、他方はOまたはSでなく;
    b)2個のヘテロ原子が含まれてその一方がSの場合、他方はOまたはSでなく;または
    VとZはいっしょになって追加的な4個の原子を介して結合し6員環を形成し、該6員環はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でフェニル基もしくは置換フェニルと縮合する、請求項57の化合物。
  59. Vが、フェニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキルおよび−CFよりなる群から独立して選択される1個〜2個の置換基を有する置換フェニル;ピリジル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキルおよび−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換ピリジル;フラニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキルおよび−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換フラニル;チエニル;および−Cl、−Br、−F、C−Cアルキルおよび−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換チエニルよりなる群から選択される、請求項58の化合物。
  60. Vが、フェニル、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3-ブロモ-4-フルオロフェニル、2-ピリジル、3-ピリジル、および4-ピリジルよりなる群から選択される、請求項59の化合物。
  61. Vが、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3-ピリジル、および4-ピリジルよりなる群から選択される、請求項60の化合物。
  62. Zが、-H、−OMe、−OEt、フェニル、C−Cアルキル、−NR 、−SR、−(CH)p−OR、−(CH)p−SRおよび-OCORよりなる群から選択され;
    がC−Cアルキルであり;
    が、C−Cアルキル、単環アリール、および単環アラルキルよりなる群から選択され:
    がC−Cアシルである、請求項55の化合物。
  63. Zが、−H、−OMe、−OEtおよびフェニルよりなる群から選択される、請求項62の化合物。
  64. WおよびW’が、-H、C−Cアルキルおよびフェニルよりなる群から独立して選択され;または、WおよびW’が追加的な2個〜5個の原子を介して一緒に結合し環状基を形成する、請求項55の化合物。
  65. WおよびW’が、-H、メチル、およびVなる群から独立して選択され、またはWおよびW’がそれぞれメチルであって、但し、WがVの場合、W’はHである、請求項55の化合物。
  66. Vが、任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から選択され;
    WおよびW’が、-H、メチル、およびVなる群から独立して選択され、またはWおよびW’がそれぞれメチルであって、但し、WがVの場合、W’はHであり;
    Zが、-H、−OMe、−OEt、フェニル、C−Cアルキル、−NR 、−SR、−(CH)p−OR、−(CH)p−SRおよび-OCORよりなる群から選択され;
    またはVとZはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み、該環状基はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でアリール基と縮合し;
    または、ZとWはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み;
    または、WとW’はいっしょになって追加的な2〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し;
    はC−Cアルキルであり;
    はC−Cアルキル、単環アリール、および単環アラルキルよりなる群から選択され;
    はC−Cアシルである、請求項55の化合物。
  67. Vが、フェニル;ハロゲン、C−Cアルキル、−CF、−OR、−OR12、−COR、−CO、−NR 、−NR12 、−CONR 、-SR、−SO、−SONR および−CNよりなる群から独立して選択される1個〜3個の置換基を有する置換フェニル;単環ヘテロアリール;およびハロゲン、C−Cアルキル、−CF、−OR、−OR12、−COR、−CO、−NR 、−NR12 、−CONR 、-SR、−SO、−SONR および−CNよりなる群から独立して選択される1個〜2個の置換基を有する置換単環ヘテロアリールよりなる群から選択され、該単環ヘテロアリールおよび置換単環ヘテロアリールはN、OおよびSよりなる群から独立して選択される1個〜2個のヘテロ原子を含み;但し、
    a)2個のヘテロ原子が含まれてその一方がOの場合、他方はOまたはSでなく;
    b)2個のヘテロ原子が含まれてその一方がSの場合、他方はOまたはSでなく;または
    VとZはいっしょになって追加的な3〜5個の原子を介して結合し環状基を形成し、任意で1個のヘテロ原子を含み、該環状基はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でアリール基と縮合し;および
    はC−Cアルキルである、請求項66の化合物。
  68. Vが、フェニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OMe、−NMe、−OEt、−COt-ブチル、−CONH、-SMe、−SOMe、−SONHおよび−CNよりなる群から独立して選択される1個〜3個の置換基を有する置換フェニル;単環ヘテロアリール;および−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OMe、−NMe、−OEt、−COt-ブチル、−CONH、-SMe、−SOMe、−SONHおよび−CNよりなる群から独立して選択される1個〜2個の置換基を有する置換単環ヘテロアリールよりなる群から選択され、該単環ヘテロアリールおよび置換単環ヘテロアリールはN、OおよびSよりなる群から独立して選択される1個〜2個のヘテロ原子を含み;但し、
    a)2個のヘテロ原子が含まれてその一方がOの場合、他方はOまたはSでなく;
    b)2個のヘテロ原子が含まれてその一方がSの場合、他方はOまたはSでなく;または
    VとZはいっしょになって追加的な4個の原子を介して結合し6員環を形成し、該6員環はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でフェニル基もしくは置換フェニルと縮合する、請求項67の化合物。
  69. Vが、フェニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキルおよび−CFよりなる群から独立して選択される1個〜2個の置換基を有する置換フェニル;ピリジル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキルおよび−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換ピリジル;フラニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキルおよび−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換フラニル;チエニル;および−Cl、−Br、−F、C−Cアルキルおよび−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換チエニルよりなる群から選択される、請求項68の化合物。
  70. Vが、フェニル、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3-ブロモ-4-フルオロフェニル、2-ピリジル、3-ピリジル、および4-ピリジルよりなる群から選択され;
    Zが、−H、−OMe、−OEtおよびフェニルよりなる群から選択され;
    WおよびW’が、-H、およびフェニルよりなる群から独立して選択され、またはWおよびW’がそれぞれメチルである、請求項55の化合物。
  71. Z、WおよびW’がいずれも−Hである、請求項55の化合物。
  72. VとWが同一であり、いずれも任意で置換される単環アリールおよび任意で置換される単環ヘテロアリールよりなる群から選択される、請求項55の化合物。
  73. Bが下式
    Figure 2007522237
    で表され;Vが、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3-ピリジル、および4-ピリジルよりなる群から選択され;そして、Z、WおよびW’がいずれも−Hである、請求項55の化合物。
  74. 下式
    Figure 2007522237
    で表される、請求項73の化合物。
  75. 下式V
    Figure 2007522237
    (式中、Vおよびリボース糖部分の5'-オキシメチレン基は互いにシス位にある。)
    で表される、請求項55の化合物。
  76. 下式III
    Figure 2007522237
    (式中、Vおよびリボース糖部分の5'-オキシメチレン基は互いにシス位にある。)
    で表される、請求項56の化合物。
  77. Vが、フェニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OMe、−NMe、−OEt、−COt-ブチル、−CONH、-SMe、−SOMe、−SONHおよび−CNよりなる群から独立して選択される1個〜3個の置換基を有する置換フェニル;単環ヘテロアリール;および−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OMe、−NMe、−OEt、−COt-ブチル、−CONH、-SMe、−SOMe、−SONHおよび−CNよりなる群から独立して選択される1個〜2個の置換基を有する置換単環ヘテロアリールよりなる群から選択される、請求項76の化合物。
  78. Vが、フェニル、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3-ブロモ-4-フルオロフェニル、2-ピリジル、3-ピリジル、および4-ピリジルよりなる群から選択される、請求項77の化合物。
  79. Vが結合した炭素の立体化学がR配位、リン中心の立体化学がS配位である、請求項78の化合物。
  80. Vが結合した炭素の立体化学がS配位、リン中心の立体化学がR配位である、請求項78の化合物。
  81. Vが、フェニル;ハロゲン、C−Cアルキル、−CF、−OR、−OR12、−COR、−CO、−NR 、−NR12 、−CONR 、-SR、−SO、−SONR および−CNよりなる群から独立して選択される1個〜3個の置換基を有する置換フェニル;単環ヘテロアリール;およびハロゲン、C−Cアルキル、−CF、−OR、−OR12、−COR、−CO、−NR 、−NR12 、−CONR 、-SR、−SO、−SONR および−CNよりなる群から独立して選択される1個〜2個の置換基を有する置換単環ヘテロアリールよりなる群から選択され、該単環ヘテロアリールおよび置換単環ヘテロアリールはN、OおよびSよりなる群から独立して選択される1個〜2個のヘテロ原子を含み;但し、
    a)2個のヘテロ原子が含まれてその一方がOの場合、他方はOまたはSでなく;
    b)2個のヘテロ原子が含まれてその一方がSの場合、他方はOまたはSでなく;
    はC−Cアルキルである、請求項75の化合物。
  82. Vが、フェニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OMe、−NMe、−OEt、−COt-ブチル、−CONH、-SMe、−SOMe、−SONHおよび−CNよりなる群から独立して選択される1個〜3個の置換基を有する置換フェニル;単環ヘテロアリール;および−Cl、−Br、−F、C−Cアルキル、−CF、−COCH、−OMe、−NMe、−OEt、−COt-ブチル、−CONH、-SMe、−SOMe、−SONHおよび−CNよりなる群から独立して選択される1個〜2個の置換基を有する置換単環ヘテロアリールよりなる群から選択され、該単環ヘテロアリールおよび置換単環ヘテロアリールはN、OおよびSよりなる群から独立して選択される1個〜2個のヘテロ原子を含み;但し、
    a)2個のヘテロ原子が含まれてその一方がOの場合、他方はOまたはSでなく;
    b)2個のヘテロ原子が含まれてその一方がSの場合、他方はOまたはSでなく;または
    VとZはいっしょになって追加的な4個の原子を介して結合し6員環を形成し、該6員環はリンに結合したOに対してβ位およびγ位でフェニル基もしくは置換フェニルと縮合する、請求項81の化合物。
  83. Vが、フェニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキルおよび−CFよりなる群から独立して選択される1個〜2個の置換基を有する置換フェニル;ピリジル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキルおよび−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換ピリジル;フラニル;−Cl、−Br、−F、C−Cアルキルおよび−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換フラニル;チエニル;および−Cl、−Br、−F、C−Cアルキルおよび−CFよりなる群から独立して選択される1個の置換基を有する置換チエニルよりなる群から選択される、請求項82の化合物。
  84. Vが、フェニル、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3-ブロモ-4-フルオロフェニル、2-ピリジル、3-ピリジル、および4-ピリジルよりなる群から選択される、請求項83の化合物。
  85. Vが、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、2-ブロモフェニル、3,5-ジクロロフェニル、および4-ピリジルよりなる群から選択される、請求項84の化合物。
  86. Vが結合した炭素の立体化学がR配位、リン中心の立体化学がS配位である、請求項75の化合物。
  87. Vが結合した炭素の立体化学がS配位、リン中心の立体化学がR配位である、請求項75の化合物。
  88. 請求項55の化合物の薬学的な有効量、および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
  89. 請求項56の化合物の薬学的な有効量、および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
  90. ヒト患者において請求項55の化合物の治療上の有効量を投与することを含む、該患者におけるウイルス複製を阻害する方法。
  91. ヒト患者において請求項56の化合物の治療上の有効量を投与することを含む、該患者におけるウイルス複製を阻害する方法。
  92. 当該ウイルスの複製がRNA依存性RNAウイルスの複製である、請求項90の方法。
  93. 当該ウイルスの複製がHCVの複製である、請求項90の方法。
  94. ヒト患者において請求項55の化合物の治療上の有効量を投与することを含む、該患者におけるウイルス感染を治療する方法。
  95. ヒト患者において請求項56の化合物の治療上の有効量を投与することを含む、該患者におけるウイルス感染を治療する方法。
  96. 当該ウイルスの感染がRNA依存性RNAウイルスの感染である、請求項94の方法。
  97. 当該ウイルスの感染がHCVの感染である、請求項94の方法。
  98. HCVに対して有効な第二の医薬の治療上の有効量と組み合わせて、当該式Iの化合物が使用される、請求項97の方法。
  99. HCVに対して有効な当該第二の医薬がリバビリン;レボビリン;ビラミジン;チモシンα-1;インターフェロン-β;NS3セリンプロテアーゼ阻害剤;イノシンモノホスフェートデヒドロゲナーゼの阻害剤;インターフェロン-α若しくはペグ化インターフェロン-α、それぞれ単独またはリバビリン若しくはレボビリンとの組み合わせ、である請求項98の方法。
  100. HCVに対して有効な当該第二の医薬が、インターフェロン-α若しくはペグ化インターフェロン-α、それぞれ単独またはリバビリン若しくはレボビリンとの組み合わせ、である請求項99の方法。
  101. 下式VI
    Figure 2007522237
    (式中、XはNH、NHCH、N(CH)、OCHおよびSCHよりなる群から選択され;
    YおよびY’は独立してOまたはNHであり;
    V、W、およびW’は独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはalk-アリールであって、いずれも任意で置換され;
    Zは水素、CHWOH、CHWOCOW’、SWまたはCHアリールである。)
    で表される化合物。
  102. 下式VII
    Figure 2007522237
    (式中、Bは下記
    Figure 2007522237
    よりなる群から選択され;
    XはNH、NHCH、N(CH)、OCH、SCH、OHおよびSHよりなる群から選択され;
    YおよびY’は独立してOまたはNHであり;
    14はHおよびNHよりなる群から選択され;
    ヘテロ環状塩基Bはそのヘテロ環状塩基上の任意の位置で、分子量が150より少なく、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルクアリール、シクロアルキル、アシル、およびアルコキシよりなる群から選択される置換基で置換されてもよく、また該置換基は炭素、硫黄、酸素、若しくはセレンを介してそのヘテロ環状塩基の6位と縮合してもよく;
    V、W、およびW’は独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはalk-アリールであって、いずれも任意で置換され;
    Zは水素、CHWOH、CHWOCOW’、SWまたはCHアリールである。)
    で表される、化合物。
  103. Bが下式
    Figure 2007522237
    よりなる群から選択される、請求項102の化合物。
  104. XがNHである、請求項103の化合物。
  105. Bが下式
    Figure 2007522237
    よりなる群から選択される、請求項103の化合物。
  106. XがNHである、請求項105の化合物。
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