JP2007506694A - シクロドデカノンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

特に工程(I)および(II):(I)シクロドデカトリエンの部分水素化によるシクロドデセンの製造、(II)(I)により得られたシクロドデセンと一酸化二窒素との反応によりシクロドデカノンを得る、を有する、シクロドデセンを一酸化二窒素と反応させることによりシクロドデカノンを製造する方法。

Description

本発明は、シクロドデセンを一酸化二窒素との反応によりシクロドデカノンへと酸化する、シクロドデセンからシクロドデカノンを製造する方法に関する。有利な1実施態様では、本発明はシクロドデカトリエンを部分水素化によりシクロドデセンへと反応させ、かつ得られたシクロドデセンを一酸化二窒素との反応によりシクロドデカノンへと酸化する2工程法に関する。
シクロドデカノンはたとえばラウリンラクタム、ドデカン二カルボン酸およびこれらから誘導されるポリマー、たとえばナイロン12またはナイロン6.12を製造するために重要な中間生成物である。
シクロドデカノンは通常の工業的な方法によればシクロドデカンをホウ酸の存在下にシクロドデシルボレートへと空気酸化し、該ボレートをシクロドデカノールへと加水分解し、かつ引き続き該シクロドデカノールを脱水素することにより製造される。シクロドデカン自体はさらに、シクロドデカトリエン(CDT)の完全な水素化により得られる。シクロドデカノンを合成するためのこの工業的な方法の記載は特に、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第6版、2000、電子版、Wiley VCHのT.Schiffer、G.Oenbrink、”Cyclododecanol、Cyclododecanon and Laurolactam”に記載されている。
しかし前記の工業的な方法は一連の欠点を有する。
一方では酸素を用いたシクロドデカンの酸化は低い反応率で認容可能な選択率を保証するにすぎない。生じたシクロドデカノールをホウ酸エステルの形でその後の酸化から保護するホウ酸の添加下でも、シクロドデカン反応率は30%を越えることはない。酸化の後でホウ酸エステルを別の工程で加水分解しなくてはならず、かつホウ酸も未反応のシクロドデカンも酸化に返送しなくてはならない。その際にホウ素を含有する廃棄物が生じ、これは廃棄処理が困難である。この場合、主生成物としてシクロドデカノールおよびシクロドデカノンが10:1の比率で形成される。
他方で、形成されたシクロドデカノールとシクロドデカノンとからなる混合物を蒸留により分離し、かつシクロドデカノールを脱水素によりシクロドデカノンへと変換しなくてはならない。この脱水素は吸熱性であり、かつ同様に部分的な反応をもたらすのみである。その後、未反応のシクロドデカノールをふたたび蒸留により分離し、かつプロセスに返送しなくてはならない。
不完全な反応の結果として通例の方法は複数の大量の返送流および技術的に高価な一連の蒸留による分離を含む。
従って本発明の根底に存在する課題の1つは、シクロドデカノンを製造するための新規の方法を提供することである。この課題は、シクロドデセンを酸化剤としての一酸化二窒素によりシクロドデカノンへと反応させる方法により解決される。特にこの課題は、1つの工程でシクロドデセンを部分水素化によってシクロドデカトリエンから製造し、かつもう1つの工程でシクロドデセンを酸化剤としての一酸化二窒素を用いてシクロドデカノンへと反応させる方法により解決された。本発明による方法では、純粋なシクロドデセンまたはシクロドデセンを含有する混合物と、純粋な一酸化二窒素または一酸化二窒素を含有する混合物とを使用することができる。さらにシクロドデセンはシス−異性体として、またはトランス−異性体として、またはシス−異性体とトランス−異性体との混合物として存在していてもよい。
一酸化二窒素を用いたオレフィン系化合物のアルデヒドまたはケトンへの酸化はたとえばGB649,680または対応するUS2,636,898に記載されている。しかし環式のオレフィン系化合物としてここには単にシクロペンテン、シクロヘキセンおよびシクロオクテンが記載されているにすぎない。両方の文献にはごく一般的に、酸化は原則として適切な酸化触媒の存在下に行うことができることが開示されている。
G.L.Panov等による比較的新しい学術論文、”Non−Catalytic Liquid Phase Oxidation of Alkenes with Nitrous Oxide. 1.Oxidation of Cyclohexene to Cyclohexanone”、React.Kinet.Catal.Lett.第76号、第2号(2002)、第401〜405頁およびK.A.Dubkov等の”Non−Catalytic Liquid Phase Oxidation of Alkenes with Nitrous Oxide、2.Oxidation of Cyclopentene to Cyclopentanone”、React.Kinet.Catal.Lett.第77巻、第1号(2002)、第197〜205頁に同様に、一酸化二窒素を用いたオレフィン系化合物の酸化が記載されている。しかしこれに関する開示はもっぱらシクロペンテンおよびシクロヘキセンに限定される。
E.V.Starokon等による学術論文、”Liquid Phase Oxidation of Alkenes with Nitrous Oxide to Carbonyl Compounds”、Adv.Synth.Catal.2004、346、第268〜274頁もまた、液相中で一酸化二窒素を用いたアルケンの酸化のメカニズムの研究を含んでいる。
従って本発明は、シクロドデセンと一酸化二窒素との反応によるシクロドデカノンの製造方法に関する。
反応のために使用される一酸化二窒素は基本的に純粋な形で、または一酸化二窒素を含有する適切な気体混合物の形で使用することができる。その際、一酸化二窒素はさらに基本的に任意の発生源に由来するものであってよい。
本発明の範囲で使用される「気体混合物」の概念は、周囲圧力および周囲温度で気体状の状態で存在する2以上の化合物からなる混合物をいう。温度の変化または圧力の変化の際に気体混合物は他の凝集状態で、たとえば液状または超臨界状態、有利には液状で存在していてもよく、これを本発明の範囲では引き続き気体混合物という。
気体混合物を使用する場合、その一酸化二窒素含有率は、本発明による反応が可能であることが保証される限り、任意である。
本発明による方法の有利な実施態様によれば、一酸化二窒素を少なくとも10体積%含有する気体混合物を使用し、その際、ふたたび有利には20〜99.9体積%の範囲、さらに有利には40〜99.5体積%の範囲、一層有利には60〜99.5体積%の範囲、および特に有利には80〜99.5体積%の範囲の一酸化二窒素含有率を有する混合物を使用する。
本発明の範囲では気体混合物の組成は体積%で記載される。その際、記載は周囲圧力および周囲温度での気体混合物の組成に対するものである。
本発明の範囲で使用される「気体混合物」の概念はさらに、一酸化二窒素以外にさらに少なくとも1の別の成分、有利には別の気体を含有する混合物もいう。この場合、成分は、選択された条件でたとえば液状で存在する気体であってもよい。この場合、実質的に一酸化二窒素とシクロドデセンとの反応が可能であることが保証されている限り、すべての気体が考えられる。従って特に、一酸化二窒素以外に少なくとも1の不活性ガスを含有する気体混合物が有利である。本発明の範囲で使用される「不活性ガス」の概念は、一酸化二窒素とシクロドデセンとの反応に関して不活性である気体をいう。不活性ガスとしてたとえば窒素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、水、アルゴン、メタン、エタンおよびプロパンがあげられる。
同様に気体混合物中に、NOとシクロドデセンとの反応の際に不活性物質ではない、有利に不活性ガスではない成分、有利には気体が含有されていてもよい。このような気体として特にNOまたはたとえば酸素があげられる。本発明の範囲で使用される「NO」の概念は、NO以外のすべてのNの化合物をいい、その際、aは1または2であり、かつbは1〜6の数である。「NO」の概念の代わりに、本発明の範囲では「窒素酸化物」の概念も使用する。このような場合、これらの気体の含有率が気体混合物の全体積に対して0〜0.5体積%である気体混合物を使用することが有利である。
従って本発明は、気体混合物がそのつど気体混合物の全体積に対して、酸素を0〜0.5体積%または窒素酸化物を0〜0.5体積%または酸素を0〜0.5体積%ならびに窒素酸化物を0〜0.5体積%含有することを特徴とする上記の方法もまた記載する。この場合、たとえば0.5体積%の値は、0.5体積%のNO以外のすべての可能な窒素酸化物の全含有率を表す。
基本的に本発明の範囲での混合物の組成は当業者に公知の任意の方法で決定することができる。気体混合物の組成は本発明の範囲では有利にはガスクロマトグラフィーにより決定される。しかし該組成はUV分光分析法、IR分光分析法または湿式化学的な方法により決定することもできる。
本発明によれば一酸化二窒素または一酸化二窒素を含有する気体混合物は任意の形で、特に気体状で、または液状で使用することができる。その際、一酸化二窒素または一酸化二窒素を含有する気体混合物は当業者に公知のすべての方法により、有利には圧力および温度の適切な選択により液化することができる。
本発明によれば、一酸化二窒素または一酸化二窒素を含有する気体混合物をまず適切な溶剤に吸収させ、かつこうして反応に添加することも可能である。
本発明の有利な実施態様によれば、一酸化二窒素源は化学的な方法の少なくとも1の一酸化二窒素を含有する排ガスである。本発明の範囲では、単一の装置の少なくとも2の一酸化二窒素を含有する排ガスを一酸化二窒素源として使用する実施態様も含まれている。同様に、1の装置の少なくとも1の一酸化二窒素を含有する排ガスと、少なくとも1の別の装置の少なくとも1の別の一酸化二窒素を含有する排ガスとを一酸化二窒素源として使用する実施態様も含まれている。
従って本発明はまた、一酸化二窒素源として少なくとも1の工業的な方法の少なくとも1の一酸化二窒素を含有する排ガスを使用することを特徴とする上記の方法にも関する。
同様に本発明の範囲では方法で使用するための一酸化二窒素を適切に製造することもできる。この場合、特にたとえばUS3,656,899に記載されているNHNOの熱分解による製造が有利であり、このことに関連する該文献の内容を本出願の文脈に引用することによりすべての範囲で取り入れる。同様にさらに、たとえばUS5,849,257またはWO98/25698に記載されているようなアンモニアの接触酸化による製造もまた有利であり、このことに関連する該文献の内容を本出願の文脈に引用することによりすべての範囲で取り入れる。
「一酸化二窒素源」という概念は本発明の範囲では、前記の排ガスが変性していない形で本発明によるシクロドデセンの反応で使用される実施態様も、前記の排ガスの少なくとも1を変性する実施態様も表す。
本発明の範囲においてこの関連で使用される「変性」の概念は、排ガスの化学的組成が変化する任意の適切な方法をいう。従って「変性」の概念は、特に、一酸化二窒素を含有する排ガスが一酸化二窒素含有率に関して少なくとも1の適切な方法により濃縮される実施態様を含む。このような方法はたとえばDE−OS2732267、EP1076217A2またはWO00/73202A1に記載されており、このことに関連する該文献の内容を本出願の文脈に引用することによりすべての範囲で取り入れる。
この場合、本発明の範囲で気体混合物は、気体混合物中の不活性化合物および妨げとなる化合物の濃度を低減するための変性を行うこともできる。
この変性は本発明によればたとえば気体混合物から不活性化合物を除去するために、気体混合物を適切な溶剤中で吸収させ、かつ引き続き脱着することも含んでいてよい。吸収のために適切な溶剤はたとえばDT2040219に記載されているように水である。
本発明によれば、気体混合物の処理は気体混合物からNOを分離するための精製工程を含んでいてもよい。NOを分離するためのこのような方法は基本的に従来技術から公知である。本発明によればNOを分離するために当業者に公知のすべての方法を使用することができる。
この場合、本発明によれば不活性化合物を除去するために、適切な溶剤中に排ガスを吸収させ、かつ引き続き脱着する処理を排ガスに行うことが有利である。適切な溶剤はたとえばDT2040219に記載されているように水である。
たとえば本発明による方法の有利な実施態様によれば、濃縮のために、上記の一酸化二窒素を含有する排ガスを少なくとも1の吸収塔に供給し、かつ該一酸化二窒素を少なくとも1の有機溶剤中に溶解させることが可能である。溶剤としてこのためにたとえばシクロドデセンが適切である。これらの本発明による変法は、得られるシクロドデセン中の一酸化二窒素の溶液をそれ以上後処理することなく本発明による反応に供給することができるという利点を提供する。シクロドデセン中の一酸化二窒素のこの溶液は一酸化二窒素を飽和までのすべての考えられる濃度で含有していてよい。もう1つの実施態様によれば、少なくとも1の別の溶剤またはシクロドデセンと少なくとも1の別の溶剤とからなる混合物を吸着のために使用することができる。このような別の溶剤はたとえばすべての適切な通例の有機溶剤である。有利な溶剤は特にN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネート、スルホランまたはN,N−ジメチルアセトアミドである。少なくとも1の別の溶剤またはシクロドデセンと少なくとも1の別の溶剤とからなる混合物を使用する場合、もう1つの有利な実施態様によれば一酸化二窒素が富化された溶液から少なくとも1の適切な脱着工程で一酸化二窒素を少なくとも部分的に、有利には実質的に完全に取得し、かつ本発明による反応に供給する。
もう1つの実施態様によれば、排ガスの化学組成は純粋な一酸化二窒素を排ガスに添加することによって変更することもできる。
本発明のもう1つの有利な実施態様によれば、少なくとも1の一酸化二窒素を含有する排ガスは、アジピン酸装置、ドデカン二酸装置、ヒドロキシルアミン装置および/または硝酸装置に由来し、その際、後者はふたたび有利にはアジピン酸装置、ドデカン二酸装置またはヒドロキシルアミン装置の少なくとも1の排ガスにより運転される。
有利な1実施態様によれば、シクロヘキサノール/シクロヘキサノンの混合物を、形成されるアジピン酸1モルあたり、0.8〜1.0モルの硝酸を用いてNOが形成されるアジピン酸装置の排ガス流を使用する。たとえばA.K.Uriarte等のStud.Surf.Sci.Catal.130(2000)、第743〜748頁に記載されているように、アジピン酸装置からの排ガスは異なった濃度でさらに別の成分、たとえば特に窒素、酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素酸化物、水および揮発性有機化合物を含有している。
上記のドデカン二酸装置は実質的に同一のタイプの装置である。
アジピン酸装置またはドデカン二酸装置の排ガスの典型的な組成の例は、以下の表に記載されている:
Figure 2007506694
アジピン酸装置またはドデカン二酸装置の排ガス流は直接、本発明による方法で使用することができる。有利にはアジピン酸装置またはドデカン二酸装置の排ガス流はシクロドデセンの反応のために使用する前に精製する。その際、たとえば有利には排ガス流の酸素および/または窒素酸化物の含有率は、そのつど0〜0.5体積%の範囲の含有率に調整する。上記で引用したA.K.Uirarte等の文献では、このような排ガスを接触ベンゼンヒドロキシル化の際に精製することができる種々の可能性が開示されている。たとえば圧力変更による吸収、膜分離法、低温蒸留または選択的接触還元とアンモニアとの組合せ、次いで触媒を用いた酸素の除去のような吸収法が記載されている。これらの精製法のすべてを、工業用の装置、たとえばアジピン酸装置またはドデカン二酸装置または硝酸装置の一酸化二窒素を含有する排ガス流を精製するために適用することも可能である。とりわけ有利であるのは蒸留による精製ひいてはアジピン酸装置またはドデカン二酸装置あるいは硝酸装置の排ガス流の蒸留による濃縮である。
本発明の範囲でアジピン酸装置またはドデカン二酸装置の排ガス流が特に有利であるのは、酸素および/または窒素酸化物をそのつど0.5体積%より多く含有する該排ガス流を精製する場合である。
従って本発明は、シクロドデセンの反応のためにアジピン酸装置またはドデカン二酸装置の排ガス流を使用することを特徴とする、上記の方法もまた記載する。
従って本発明はさらに、場合により有利に蒸留により精製されたアジピン酸装置またはドデカン二酸装置の排ガス流がそのつど0〜0.5体積%の範囲で酸素および/または窒素酸化物を含有することを特徴とする上記の方法を記載する。
同様に有利な実施態様によれば、別の方法からの、完全にまたは部分的に一酸化二窒素および窒素酸化物を含有する排ガスが供給される硝酸装置の排ガス流を使用する。このような硝酸装置において、窒素酸化物は吸着され、かつ大部分は硝酸へと反応し、その一方で一酸化二窒素は反応しない。たとえばこのような硝酸装置はアンモニアを適切に燃焼させることにより製造される窒素酸化物により、およびアジピン酸装置の排ガスにより、および/またはドデカン二酸装置の排ガスにより供給することができる。同様に、このような硝酸装置を単独でアジピン酸装置の排ガスにより、および/またはドデカン二酸装置の排ガスにより供給することも可能である。
このような硝酸装置の排ガスは基本的に異なった濃度でさらに別の成分、たとえば特に窒素、酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素酸化物、水および揮発性有機化合物を含有する。
このような硝酸装置の排ガスの一般的な組成の例は以下の表に記載されている:
Figure 2007506694
硝酸装置の排ガス流は直接本発明による方法で使用することができる。有利には硝酸装置の排ガスをシクロドデセンの反応のために使用する前に精製する。その際、たとえば有利には該排ガス流の酸素および/または窒素酸化物の含有率をそのつど0〜0.5体積%の範囲の含有率に調整する。これらの値を調整することができる適切な方法は、上記のアジピン酸装置およびドデカン二酸装置の範囲で記載されている。硝酸装置の排ガスの範囲でもとりわけ有利であるのは蒸留による精製ひいては蒸留による濃縮である。
特に有利であるのは本発明の範囲では硝酸装置の排ガス流が、そのつど0.5体積%より多くの酸素および/または窒素酸化物を含有する場合に、該排ガス流を精製する。
従って本発明は、シクロドデセンを反応させるために、硝酸装置の一酸化二窒素を含有する排ガス流を使用することを特徴とする、上記の方法も記載する。
従って本発明はさらに、場合により有利に蒸留により精製した硝酸装置の排ガス流が酸素および/または窒素酸化物を0〜0.5体積%の範囲で含有することを特徴とする上記の方法を記載する。
本発明による方法の同様に有利な実施態様によれば、たとえばまずアンモニアを空気または酸素によりNOへと酸化し、その際、少量の一酸化二窒素が副生成物として形成される、ヒドロキシルアミン装置の排ガス流を使用する。該NOを引き続き水素によりヒドロキシルアミンへと水素化する。一酸化二窒素が水素化条件下で不活性化された後、該一酸化二窒素は水素循環流中で富化される。有利な方法実施では、ヒドロキシルアミン装置のパージ流が水素中に一酸化二窒素を9〜13体積%の範囲で含有する。このパージ流をそのままで本発明による反応のために使用することができる。同様に、この流を一酸化二窒素含有率に関して上記のとおり、適切に濃縮することも可能である。
従って本発明は、一酸化二窒素源が、アジピン酸装置および/またはドデカン二酸装置および/またはヒドロキシルアミン装置の排ガスであるか、および/またはアジピン酸装置および/またはドデカン二酸装置および/またはヒドロキシルアミン装置の排ガスにより運転される硝酸装置の排ガスであることを特徴とする上記の方法にも関する。
同様に本発明は、少なくとも次の工程(i)および(ii):
(i)少なくとも1のアジピン酸装置および/またはドデカン二酸装置および/または少なくとも1のヒドロキシルアミン装置の少なくとも1の排ガス流、および/またはアジピン酸装置および/またはドデカン二酸装置および/またはヒドロキシルアミン装置の排ガスにより運転される少なくとも1の硝酸装置の排ガス流をベースとする、酸素および/または窒素酸化物をそのつど0〜0.5体積%含有する、一酸化二窒素含有気体混合物を準備する工程、
(ii)(i)により準備された気体混合物とシクロドデセンとを反応させてシクロドデカノンを得る工程
を有する、シクロドデカノンを製造するための統合された方法を記載する。
同様に本発明による方法の範囲では方法において使用するための一酸化二窒素を適切に製造することができる。この場合、特にたとえばUS3,656,899に記載されているNHNOの熱分解による製造が有利であり、このことに関連する該文献の内容を本出願の文脈に引用することによりすべての範囲で取り入れる。同様に、たとえばUS5,849,257またはWO98/25698に記載されているようなアンモニアの接触酸化による製造も有利であり、このことに関連する該文献の内容を本出願の文脈に引用することによりすべての範囲で取り入れる。
シクロドデセンと一酸化二窒素との本発明による反応の範囲で、少なくとも1の適切な溶剤または希釈剤を使用することができる。溶剤または希釈剤として特にシクロドデカンまたはシクロドデカノンがあげられ、その際、実質的にすべての通例の溶剤および/または希釈剤が適切であるが、ただし、これらはC−C二重結合もC−C三重結合もアルデヒド基も有していないことが条件である。
一般に本発明による一酸化二窒素による反応の際に溶剤または希釈剤の添加は必要ではない。
シクロドデセンと一酸化二窒素との反応は連続式で、または回分式で実施することができ、その際、連続式の方法と回分式の方法との組合せもまた可能である。連続的な方法実施が有利である。
反応器としてすべての適切な反応器があげられる。たとえばシクロドデセンと一酸化二窒素との反応または一酸化二窒素を含有する気体混合物との反応を、内部もしくは外部の熱交換器を有するCSTR(連続攪拌容器反応器)中で、少なくとも1の管型反応器中で、少なくとも1のループ型反応器中で、またはこれらの反応器の少なくとも2の組合せで実施することができる。同様に、これらの反応器の少なくとも1つが少なくとも2つの異なった帯域を有するように構成することも可能である。これらの帯域はたとえば温度または圧力のような反応条件において、および/またはたとえば体積または断面積のような帯域の形状において異なっていてもよい。並行流冷却および相応する冷媒量の調整により実現すべき軸方向の温度プロフィールもまた考えられる。
特に有利にはシクロドデセンの酸化を少なくとも1の管型反応器中で実施する。
従って本発明はまた、シクロドデセンと一酸化二窒素との反応を少なくとも1の管型反応器中で実施することを特徴とする、上記の方法も記載する。
シクロドデセンの反応は有利には140〜350℃の範囲、有利には200〜325℃の範囲および特に有利には225〜300℃の範囲の温度で行う。
従って本発明はまた、反応を少なくとも1の管型反応器中、140〜350℃の範囲の温度で実施することを特徴とする、上記の方法にも関する。
反応容器、有利には少なくとも1の管型反応器中の圧力は一般に、反応容器中で選択された1もしくは複数の反応温度での原料混合物もしくは生成物混合物の固有圧力より大きいか、または同じであり、有利にはより大きい値である。一般に反応圧力は1〜14000バールの範囲、有利には固有圧力から3000バールの範囲、特に有利には固有圧力から1000バールまでの範囲およびとりわけ有利には固有圧力から500バールの範囲である。
反応器中の反応混合物の滞留時間は一般に30時間まで、有利には0.1〜30時間の範囲、さらに有利には0.25〜25時間の範囲、特に有利には0.3〜20時間の範囲およびとりわけ有利には0.5〜20時間の範囲である。
原料である一酸化窒素:シクロドデセンのモル比は一般に5:1まで、有利には1:1〜4:1の範囲、さらに有利には1:1〜3:1の範囲および特に有利には1.01:1〜2:1の範囲である。代替的な実施態様によればモル比はたとえば0.5〜5、特に0.07〜2、有利には0.1〜2、特に有利には0.1〜1である。
特に有利には、シクロドデセンの反応率が30〜95%の範囲、特に有利には40〜85%の範囲およびとりわけ有利には50〜80%の範囲であるように反応条件を選択する。代替的な実施態様によれば、シクロドデセンの反応率が5〜95%の範囲、有利には7〜80%の範囲、特に10〜50%であるように反応条件を選択する。
上記で使用されている「反応率」の概念は、シクロドデセンの全反応率を表す。原料としてもっぱらシス−シクロドデセンまたはもっぱらトランス−シクロドデセンを使用する場合、全反応率はそのつどの異性体の反応率に相応する。原料としてシス−異性体をxモル%およびトランス−異性体をyモル%含有するシス−異性体とトランス−異性体とからなる混合物を使用し、かつシス異性体をm%まで、かつトランス異性体をn%まで反応させる場合、全反応率はmx+nyの合計として計算される。
原料として異性体混合物を使用する場合、本発明の範囲では、一酸化二窒素との反応を少なくとも2つの工程で、さらに有利には2もしくは3工程で、およびとりわけ有利には2工程で実施することが有利である。
この場合、第一工程では有利に140〜300℃の範囲、さらに有利には180〜290℃の範囲および特に有利には225〜275℃の範囲の温度を選択する。この第一工程では主としてトランス−異性体をシクロドデカノンへと酸化する。第二工程では有利に165〜350℃の範囲、さらに有利には225〜325℃の範囲、および特に有利には275〜310℃の範囲にある、第一工程と比較して高い温度を選択する。この第二工程ではシス−異性体をシクロドデカノンへと酸化する。
従って本発明はまた、シス−シクロドデセンおよびトランス−シクロドデセンを含有する混合物を2工程で一酸化二窒素と反応させることを特徴とする上記の方法にも関する。
同様に本発明はまた、第一工程で反応を140〜300℃の範囲の温度で、および第二工程で反応を165〜350℃の範囲の温度で実施し、その際、第一工程の温度は第二工程の温度より低いことを特徴とする、上記の方法にも関する。
上記の有利な2工程法の両方の工程のその他の反応パラメータ、たとえば圧力、滞留時間または反応容器に関しては、上記の一工程法の一般的かつ有利な実施態様を参照されたい。
上記の二工程法はすべての適切な方法実施により実現することができる。たとえば二工程法は少なくとも2つの反応器中で実施することができ、その際、少なくとも1の反応器中で、より低い温度を、および少なくとも1つの別の反応器中でより高い温度を調整する。同様に異なった温度の少なくとも2つの帯域を有する単一の反応器中で異なった温度を実現することも可能である。異なった温度の少なくとも2つの帯域を有する反応器を使用する場合、両方の温度は相互に連続的に、または不連続的に重なってもよい。たとえば特にこの場合、たとえば上記のとおりに実現することができる軸方向の温度プロフィールを有する管型反応器が有利である。
二工程法の範囲で少なくとも2つの異なった反応器を使用する場合、これらの反応器の少なくとも2つの間で反応混合物の少なくとも1の中間処理を行うことができる。可能な中間処理としてたとえば次のものがあげられる:
− 反応混合物の加熱、
− 反応混合物が存在する圧力の変更。有利にはこの関連でたとえば少なくとも1のポンプおよび/または少なくとも1の圧縮機による圧力の上昇、
− 少なくとも1の原料の計量供給。特に一酸化二窒素および/またはシクロドデセンを計量供給することができる。シクロドデセンの場合、これは新鮮な原料および/または第二工程で反応せず、かつ少なくとも1の適切な措置により生成物流から分離され、かつ方法に返送されるシクロドデセンであってよい。
− 少なくとも1の適切な措置、たとえば有利には少なくとも1の蒸留工程による、形成されたシクロドデカノンの分離。
本発明による方法のもう1つの有利な実施態様によれば、原料としてシス−およびトランス−シクロドデセンからなる混合物を使用する場合、シクロドデセンの反応のために選択される反応条件下でシス−およびトランス−異性体の平衡の調整を触媒することができる少なくとも1の触媒を添加する。
基本的にこのためにすべての適切な触媒を使用することができる。特に有利には、本発明による方法においてこの目的のために、たとえばオレフィンまたはポリエンの水素化のためにも使用される触媒を使用することができる。特に有利には本発明による方法では、少なくとも1の遷移金属、特に有利にはRuを含有する異性化触媒を使用する。
シス−およびトランス−異性体の平衡を調整するために使用される異性化触媒は均一系触媒であっても不均一系触媒であってもよい。同様に少なくとも1の均一系触媒および少なくとも1の不均一系触媒を使用することが可能である。この場合、不均一系触媒は懸濁床または固床触媒として使用することができる。同様に少なくとも1の不均一系懸濁触媒も、少なくとも1の不均一系固床触媒も、場合により少なくとも1の均一系触媒に加えて使用することが可能である。特に有利には少なくとも1の均一系触媒を使用する。
基本的にすべての適切な均一系触媒を使用することができる一方で、有利にはRuを活性金属として含有する触媒を使用する。さらに特に有利には、US5,180,870、US5,321,176、US5,177,278、US3,804,914、US5,210,349、US5,128,296、US−B316,917およびD.R.FaheyのJ.Org.Chem.38(1973)、第80〜87頁に記載されている触媒を使用し、触媒に関するこれらの開示内容を本出願の文脈においてすべての範囲で取り入れる。このような触媒はたとえば(TPP)(CO)Ru、[Ru(CO)、(TPP)Ru(CO)Cl、(TPP)(CO)RuH、(TPP)(CO)RuH、(TPP)(CO)RuCIHまたは(TPP)(CO)RuClである。
特に有利な触媒として(TPP)(CO)RuClまたは相応するCl不含の変種、たとえば(TPP)(CO)RuHを使用し、その際、TPPはトリフェニルホスフィンを表す。
もう1つの有利な実施態様によれば、本発明による方法において使用される触媒を現場で製造する。この現場での製造の際に、たとえば塩化ルテニウム、酢酸ルテニウム、アセチルアセトナトルテニウムまたはその他のRu化合物から出発する。
一般に酸化は少なくとも1のRu成分以外にさらに化合物NR、PR、AsRまたはSbRの少なくとも1つを添加し、その際、Rは有利に1〜20の炭素原子を有するアルキル基、アラルキル基、アルカリール基またはアリール基を表す。特に有利であるのは本発明の範囲ではこの場合、トリフェニルホスフィンである。
別の実施態様の範囲では、DE19856862A1に記載されているように酸化を少なくとも1のカルボン酸の存在下に実施し、酸化に関するその内容を本出願の文脈において引用することによってすべての範囲で取り入れる。
カルボン酸としてたとえば脂肪族、脂環式、芳香族もしくは芳香脂肪族カルボン酸を使用することができる。有利には、反応条件下で反応系中に可溶性であるカルボン酸を使用する。例はたとえばC〜C20−モノカルボン酸、C〜C−ジカルボン酸、シクロヘキシルカルボン酸、安息香酸、テレフタル酸、フタル酸またはフェニル酢酸である。特に有利な酸は脂肪族のモノカルボン酸およびジカルボン酸、特に酢酸、プロピオン酸ならびにC12〜C20−脂肪酸、コハク酸およびアジピン酸である。
触媒を現場で製造する場合、特に有利には少なくとも1のCO源を添加する。これはCO自体であってもよい。別の可能なCO源はたとえばホルムアルデヒド、メタノール、エタノールまたはその他の適切な第一級アルコール、たとえばベンジルアルコールまたは少なくとも1の第一級アルコール基を有するジオールまたはポリオール、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコールまたはグリセリンである。
シクロドデセンの本発明による酸化から一般に生成物混合物が得られる。有利には該生成物混合物は、20℃に冷却し、かつ標準圧力へ放圧した後に、そのつど生成物混合物の全質量に対してシクロドデカノンを30〜95質量%の範囲で、特に有利には40〜90質量%およびとりわけ有利には50〜80質量%の範囲で含有する。代替的な方法によれば、生成物混合物はシクロドデカノンをたとえば5〜95質量%、有利には7〜80質量%、特に10〜50質量%含有する。
別の成分として該生成物混合物は場合により酸化工程の前に使用され、かつ分離されない触媒、反応しなかったシクロドデセンならびに場合により原料と共に酸化へ導入された化合物、たとえばシクロドデカンおよび一酸化二窒素との反応の際に場合により一緒に反応した化合物を含有しており、これらについては以下に記載する。
反応のために使用される異性化触媒はその後、方法に返送されるか、廃棄処理されるか、またはたとえば触媒中に含有されている少なくとも1の金属を回収するために後処理される。触媒を方法に返送する場合、該触媒を一酸化二窒素との反応の方法工程へ返送するか、または本発明による方法が付加的に有していてもよい任意の別の工程に返送する。以下に記載される特に有利な実施態様によれば、本発明による方法はこのような付加的な工程として少なくとも1のシクロドデカトリエンの部分水素化を有し、その際、前記の部分水素化はさらに有利には、シクロドデセンのシス−およびトランス−異性体の平衡調整のための異性化触媒として使用される触媒と同一の触媒の存在下で行うことができる。従ってこの部分水素化もまた分離された触媒を供給することができ、その際、触媒は供給前に適切な再生工程を行うことができる。
原料として使用される、シス−異性体、またはトランス−異性体、またはシス−異性体とトランス−異性体との混合物としても使用することができるシクロドデセンは基本的にすべての任意の源に由来することができる。
とりわけ有利には本発明の範囲ではシクロドデセンを少なくとも1のシクロドデカトリエンの部分水素化により、有利には少なくとも1の1,5,9−シクロドデカトリエン、たとえばシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンまたはシス,シス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンまたはall−トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンの部分水素化により、および特にシス,シス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンから製造される。
これらの有利な化合物はたとえば純粋な1,3−ブタジエンの三量化により製造することができ、これはたとえばT.Schiffer、G.Oenbrinkの”Cyclodecatriene, Cyclooctadiene,and 4−Vinylcyclohexene”、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemstry、第6版、(2000)、電子版、Wiley VCHに記載されている。この方法の範囲で、たとえばツィーグラー触媒の存在下での三量化の際にシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエン、シス,シス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンおよびall−トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンが生じ、これはたとえばH.Weber等の”Zur Bildungsweise von cis,trans,trans−Cyclododecatrien−(1.5.9)mittels titanhaltiger Katalysatoren”、Liebigs Ann. Chem.681(1965)、第10〜20頁に記載されている。本発明による方法の範囲のこれらのすべてのシクロドデカトリエンは部分水素化することができる一方で、上記の、シス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンの反応は本発明による方法の範囲で特に有利である。このシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンは特に有利には上記のWeber等の論文に記載されているように製造され、これに関する該論文の内容を本出願の文脈において引用することによってすべての範囲で取り入れる。
従って本発明はまた、シクロドデカトリエンをチタン触媒の使用下で1,3−ブタジエンを三量化することにより製造することを特徴とする上記の方法にも関する。
基本的にすべての適切なチタン触媒を三量化のために使用することができる一方で、Weber等の論文に記載されている四塩化チタン/エチルアンモニウムセスキクロリド触媒が特に有利である。
三量化のために使用されるブタジエンは特に有利にはガスクロマトグラフィーにより測定される少なくとも99.6%の純度およびさらに有利には少なくとも99.65%の純度を有する。特に有利には使用される1,3−ブタジエンは検出精度の範囲で1,2−ブタジエンを含有せず、かつ2−ブチンを含有しない。
これらの有利な三量化から、一般に、シス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンを少なくとも95質量%、有利には少なくとも96質量%、およびさらに有利には少なくとも97質量%含有する混合物が得られる。たとえば特に有利には該混合物は約98質量%のシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンを含有する。
従って本発明はまた、工程(I)および(II):
(I)シクロドデカトリエンの部分水素化によりシクロドデセンを製造する工程、
(II)(I)により得られたシクロドデセンを一酸化二窒素と反応させてシクロドデカノンを得る工程
を含むシクロドデカノンの製造方法にも関する。
同様に本発明は、工程(I)および(II)を含み、かつ工程(I)において使用されるシクロドデカトリエンを1,3−ブタジエンの三量化により製造することを特徴とする、シクロドデカノンの製造方法にも関する。
特に本発明はまた、三量化をチタン触媒の存在下に行い、かつシクロドデカトリエンがシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンであることを特徴とする、工程(I)および(II)を含み、その際、工程(I)で使用されるシクロドデカトリエンを1,3−ブタジエンの三量化により製造する、シクロドデカノンの製造方法にも関する。
同様に本発明はまた、シクロドデセンがシクロドデカトリエンの接触部分水素化により得られることを特徴とする、上記の方法にも関する。
さらに本発明はまた、少なくとも次の工程(a)および(b)ならびに(i)および(ii):
(a)1,3−ブタジエンからのシクロドデカトリエンの製造、
(b)シクロドデセンを得る、シクロドデカトリエンの部分水素化、
(i)アジピン酸装置および/または硝酸装置および/またはヒドロキシルアミン装置の少なくとも1の排ガス流、および/またはアジピン酸装置および/またはドデカン二酸装置および/またはヒドロキシルアミン装置の排ガスにより運転される硝酸装置の少なくとも1の排ガス流をベースとする、酸素および/または窒素酸化物をそのつど0〜0.5体積%含有する、一酸化二窒素含有気体混合物の準備、
(ii)シクロドデカノンを得る、(b)により得られたシクロドデセンと(i)により準備された気体混合物との反応
を含む、シクロドデカノンを製造するための統合された方法も記載する。
シクロドデカトリエンの接触部分水素化のための方法は、文献に記載されている。この場合、一般に、この反応における収率が極めて高いことが重要である。というのも、原料および生成物のわずかな質量および極性の違いに基づいてこれらは相互に蒸留によって分離することができないか、または極めて高価な蒸留によって分離することができるにすぎないからである。従ってシクロドデカトリエンの反応率はできる限り定量的でなくてはならない。
均一系Ru触媒を使用して水の添加下でのポリエンのモノエンへの水素化はたとえばUS5,180,870に記載されている。該文献の実施例2では水の添加下で4時間の反応時間後に98.4%のシクロドデカトリエン反応率が達成されている。どのようなシクロドデセン収率が得られるかは記載されていない。該文献の例1では、例2よりも若干少ない水の添加下に8時間の反応時間の後で85.8%の不十分な反応率が達成されるにすぎない。
US5,321,176には均一系触媒による水素化へアミンを添加することが記載されている。
US5,177,278には均一系Ru触媒を用いて溶剤、たとえばエーテルまたはエステルの存在下にシクロドデカトリエンの水素化を実施している。該文献の実施例によれば、最もよいシクロドデセン選択率は96〜98%である。しかしいずれの場合でも定量的な反応は達成されていないので、後処理の際に分離の問題が生じる。
US3,925,494では同様に溶剤中で作業している。シクロドデセンの最大の収率は約95%と記載されている。しかしこの場合も反応率は定量的ではない。
D.R.FaheyによりJ.Org.Chem.38(1973)、第80〜87頁には種々の均一系Ru触媒を使用したシクロドデカトリエンの水素化が記載されている。すべての実施例において大量の溶剤の存在下で作業している。約98%のシクロドデセン収率が記載されている。しかし記載のRu使用量はシクロドデカトリエンに対して極めて大量である。
DE19856862A1には均一系Ru触媒を使用する、カルボン酸の存在下でのシクロドデカトリエンの水素化が記載されている。この場合、98%のシクロドデセンの収率が達成される。
本発明の範囲では、すべての適切な方法によりシクロドデカトリエンからシクロドデセンへの接触部分水素化を行うことができる。
特に均一系もしくは不均一系触媒を用いた接触部分水素化を実施することができ、この場合、不均一系触媒は懸濁液として、または固床として使用することができる。
不均一系触媒系として有利には、活性水素化金属として元素Pd、Pt、Ru、Ir、NiおよびRhの少なくとも1を含有する触媒系を使用する。
特に有利な実施態様によれば本発明による方法ではシクロドデカトリエンを少なくとも1の均一系水素化触媒の存在下でシクロドデセンへと部分的に水素化する。
基本的にすべての適切な均一系触媒を使用することができる一方で、有利には、活性水素化金属としてRuを含有する触媒を使用する。さらに特に有利には、US5,180,870、US5,321,176、US5,177,278、US3,804,914、US5,210,349、US5,128,296、US−B316,917およびD.R.FaheyのJ.Org.Chem.38(1973)、第80〜87頁に記載されている触媒を使用し、触媒に関するこれらの文献の開示内容を本出願の文脈においてすべての範囲で取り入れる。このような触媒はたとえば(TPP)(CO)Ru、[Ru(CO)、(TPP)Ru(CO)Cl、(TPP)(CO)RuH、(TPP)(CO)RuH、(TPP)(CO)RuClHまたは(TPP)(CO)RuClである。
とりわけ有利な触媒として(TPP)(CO)RuClまたは相応するCl不含の変種、たとえば(TPP)(CO)RuHを使用し、その際、TPPはトリフェニルホスフィンを表す。
さらに有利な実施態様によれば、部分水素化のために使用される触媒を本発明による方法において現場で製造する。この現場での製造の場合、たとえば有利には化合物塩化ルテニウム、酢酸ルテニウム、アセチルアセトナトルテニウムまたはその他のRu化合物から出発する。
一般に水素化反応は少なくとも1のRu成分以外に付加的に少なくとも1の化合物NR、PR、AsRまたはSbRが添加され、その際、Rは有利に1〜20の炭素原子を有するアルキル基、アラルキル基、アルカリール基またはアリール基を表す。特に有利には本発明の範囲ではこの場合トリフェニルホスフィンである。
シクロドデカトリエン1kgに対して本発明による方法では、金属として計算して、活性水素化金属、特に有利にはRuを一般に0.1〜2000mg使用する。有利には1〜1000mgおよび特に有利には10〜200mgを使用する。
本発明による方法の1実施態様によれば、触媒を部分水素化が終了した後で反応混合物から分離する。分離された触媒は本発明のもう1つの実施態様により任意の方法に供給し、かつ特に有利には本発明による方法に返送する。触媒の分離は本発明によれば特に有利には少なくとも1の蒸留において行い、その際、部分水素化の生成物であるシクロドデセンを塔頂を介して、および触媒を、場合によりシクロドデセンの割合と共に塔底を介して分離する。
上記の極めて少ない触媒材料の量に基づいて、ひいては触媒に関して極めて低いコストに基づいて本発明による方法では一般に、触媒を部分水素化の後に反応混合物から分離し、かつ方法に返送する必要はない。
別の実施態様の範囲では、部分水素化を少なくとも1のカルボン酸の存在下に実施し、たとえばこれはDE19856862A1に記載されており、これに関する該文献の内容を本出願の文脈においてすべての範囲で取り入れる。
カルボン酸としてたとえば脂肪族、脂環式、芳香族もしくは芳香脂肪族のカルボン酸を使用することができる。有利には、反応条件下で反応系中で可溶性のカルボン酸を使用する。その例はたとえばC〜C20−モノカルボン酸、C〜C−ジカルボン酸、シクロヘキシルカルボン酸、安息香酸、テレフタル酸、フタル酸またはフェニル酢酸である。特に有利な酸は脂肪族モノカルボン酸およびジカルボン酸であり、特に酢酸、プロピオン酸ならびにC12〜C20−脂肪酸、コハク酸およびアジピン酸である。
添加される酸の量はシクロドデカトリエン1kgあたり、一般に0.001〜100g、有利には0.01〜50gおよび特に有利には0.05〜25gである。
触媒を現場で製造する場合、特に有利にはさらに少なくとも1のCO源を添加する。これはCO自体であってもよい。別の可能なCO源はたとえばホルムアルデヒド、メタノール、エタノールまたはその他の適切な第一級アルコール、たとえばベンジルアルコールまたは少なくとも1の第一級アルコール基を有するジオールまたはポリオール、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコールまたはグリセリンである。
部分水素化は本発明による方法では一般に50〜300℃の範囲、有利には80〜250℃の範囲および特に有利には100〜200℃の範囲の温度で行う。反応圧力はこの場合、1〜300バールの範囲、有利には1〜200バールの範囲および特に有利には1〜100バールの範囲である。
回分式の運転法ではバッチあたりの反応時間もしくは連続式の方法実施の場合の滞留時間は一般に0.5〜48時間の範囲である。これは実質的にバッチの大きさおよびエネルギーを供給するか、もしくは除去することができる可能性に応じて適合させる。上記のカルボン酸の添加により、反応バッチが必要とされる以上に長く反応条件下で処理されることは重要ではない。このことにより著しく簡素化された反応実施および反応制御が可能である。
部分水素化の有利な方法実施は連続式の運転法である。反応器としてたとえば攪拌反応器またはポンプにより混合される反応器が有利であり、その際水素の導入はできる限り効率的であるべきである。これはたとえば攪拌されるシステムでは水切り(Wellenbrecher)により、または一般にバッフル(Stromstoerer)により達成することができる。
本発明の特に有利な実施態様によれば、水素化が行われるところで同時に放出される熱を除去し、ひいてはたとえば蒸気が発生する。この方法実施はたとえば有利には少なくとも1の管束反応器中で実施される。管型反応器システムを利用する場合、たとえば充填物を有する泡鐘塔の場合に一般的であるように、たとえば適切な内部構造物により水素の混合を促進することが有利である。
反応を完了させるために本発明の範囲では、少なくとも2の反応器を直列に運転することが可能である。この場合、たとえば第一の反応器は強力に混合され、このことはたとえばポンプによる生成物の返送により達成することができ、他方、第二および場合により第三の反応器は単に貫流させるのみであり、その際、場合により水素を添加することができる。この特別な方法実施の有利な実施態様によれば、第一の反応器中で80〜98%の範囲の反応率が達成され、他方、後反応器は残りの反応率を保証する。
水素化を始動する際に、原料のシクロドデカトリエンを装入しないか、または触媒および/または触媒前駆物質と一緒に装入しないことは特に有利である。というのも、これは不所望の発熱反応につながりうるからである。一般に少なくとも1の適切な溶剤または希釈剤を添加することができる。溶剤または希釈剤としてたとえばシクロドデカン、シクロドデセン、飽和脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素またはこれらの2種以上の混合物があげられる。有利な実施態様によればシクロドデセンまたはシクロドデカンまたはシクロドデセンとシクロドデカンとからなる混合物あるいはシクロドデセンとシクロドデカトリエンとからなる混合物あるいはシクロドデカンとシクロドデカトリエンとからなる混合物またはシクロドデセン、シクロドデカンおよびシクロドデカトリエンからなる混合物を装入する。相応する混合物のシクロドデカトリエンの含有率は一般に重要ではない一方で、これは連続的な方法では有利には30質量%までの範囲、特に有利には25質量%まで、および特に有利には20質量%までである。
従って本発明はまた、部分水素化の始動の際にシクロドデカンおよび/またはシクロドデセンからなる混合物を、シクロドデカトリエンと一緒に装入し、その際、該混合物のシクロドデカトリエンの含有率が30質量%までの範囲であることを特徴とする、上記の方法も記載する。
本発明による部分水素化から得られる生成物は一般に混合物である。有利な実施態様によれば、該混合物はそのつど生成物混合物の全質量に対して、シクロドデセンを90〜99.9質量%の範囲で、たとえば92〜99.9質量%または91〜99質量%の範囲で、さらに有利には92〜98質量%の範囲で、特に有利には94〜99質量%の範囲でおよびとりわけ有利には96〜98質量%の範囲で含有する。
一般にシクロドデセンは、シス−異性体とトランス−異性体とからなる混合物として生じる。一般にシス−異性体対トランス−異性体のモル比は0.35:1〜2.0:1の範囲、有利には0.4:1〜2.0:1の範囲である。
シクロドデセン以外に生成物混合物は、そのつど生成物混合物の全質量に対して、一般にシクロドデカンを0.1〜8質量%の範囲で、有利には0.3〜7質量%の範囲で、たとえば0.3〜5質量%または0.5〜6.5質量%の範囲で、および特に有利には0.5〜3質量%の範囲で含有する。
シクロドデセンおよびシクロドデカン以外に生成物混合物は痕跡量のシクロドデカジエンおよび/または反応しなかったシクロドデカトリエンおよび/または触媒を含有しうる。本発明による方法は原則的に、使用されるシクロドデカトリエンが完全にシクロドデセンへと反応するように実施することができる。一般に生成物混合物は未反応の原料であるシクロドデカトリエンを、そのつど生成物混合物の全質量に対して、0.5質量%より少ない量で、有利には0.25質量%より少なく、かつ特に有利には0.1質量%より少なくおよびとりわけ有利には0.1質量%より少ない量で含有する。
所望される場合には、未反応のシクロドデカトリエンを少なくとも1の適切な方法、たとえば有利には少なくとも1の蒸留措置により生成物混合物から分離し、かつ方法に返送することができる。特に有利には本発明による方法では、シクロドデカトリエンの極めて高い反応率に基づいてこれを部分水素化からの生成物混合物から分離せず、かつシクロドデカトリエンの痕跡量をシクロドデセンと一緒に一酸化二窒素を用いる酸化に供給することが有利である。
本発明による方法の有利な実施態様によれば、部分水素化のために使用される少なくとも1の触媒を部分水素化の生成物混合物から分離する。この分離は使用される触媒に依存して任意の適切な方法実施により行うことができる。
部分水素化の際の触媒としてたとえば不均一系触媒を懸濁触媒として使用する場合、該触媒を本発明の範囲では有利には少なくとも1の濾過工程により分離する。このようにして分離した触媒はその後、方法に返送するか、または別の方法で使用するか、廃棄処理するか、またはたとえば触媒中に含有されている少なくとも1の金属を回収するために後処理することができる。
部分水素化の際の触媒としてたとえば均一系触媒として使用する場合、該触媒を本発明の範囲では有利には少なくとも1の蒸留工程により分離する。この蒸留の範囲で1もしくは2もしくはそれ以上の蒸留塔を使用することができる。
少なくとも1の蒸留塔中で、部分水素化からの生成物混合物を少なくとも2の留分に分離する。高沸点留分はこの場合、実質的に使用される均一系水素化触媒の全量を含有する。このようにして分離した触媒は、場合により少なくとも1の適切な再生工程の後で、その後、方法に返送するか、廃棄処理するか、またはたとえば触媒中に含有されている少なくとも1の金属を回収するために後処理することができる。分離した触媒の、別の方法における使用もまた可能である。
本発明による方法の特に有利な実施態様によれば、このようにして分離した均一系水素化触媒の一部を方法に返送し、かつ方法から分離した触媒の残りを返送し、かつ方法から分離した触媒の残りを排出する。
部分水素化からの生成物混合物の上記の蒸留による後処理からの主留分は、すでに上で記載したように、実質的にシクロドデセンを、少量のシクロドデカン、および場合により痕跡量のシクロドデカジエンと共に含有している。
本発明による方法の有利な実施態様によれば、この主留分を一酸化二窒素による酸化に供給する。
同様に、酸化へ供給する前に少なくとも1の適切な蒸留工程において低沸点成分を主留分から分離することも可能である。
本発明による方法のもう1つの有利な実施態様によれば、部分水素化のために使用される少なくとも1の触媒を部分水素化の生成物混合物から分離しない。この実施態様は、水素化のために均一系触媒を使用する場合に特に有利である。さらに有利にはこの場合、部分水素化からの生成物混合物を後処理せずに直接、一酸化二窒素による酸化に供給する。
すでに上で記載したとおり、一酸化二窒素によるシクロドデセンの酸化の範囲で有利な実施態様によれば、シクロドデセンのシス−異性体とトランス−異性体との間の平衡の調整を触媒することができる適切な触媒を使用する。
特に有利な実施態様によれば、この平衡の調整のための触媒として、シクロドデカトリエンの部分水素化のための触媒と同一の触媒を使用する。
従って本発明は、シクロドデカトリエンからシクロドデセンへの水素化および一酸化二窒素によるシクロドデセンからシクロドデカノンへの反応を同一の触媒の存在下に実施することを特徴とする上記の方法にも関する。
本発明による方法の顕著な方法技術的な利点は、同一の均一系触媒を部分水素化および一酸化二窒素による酸化の際に使用する場合、触媒を部分水素化の生成物混合物から分離する必要がなく、触媒の高価な蒸留分離を行わずに該混合物を直接一酸化二窒素による酸化に供給することができるという事実である。
従って本発明はまた、均一系触媒の存在下でのシクロドデカトリエンからシクロドデセンへの水素化から生じる、シクロドデセンと均一系触媒とを含有する混合物を一酸化二窒素による反応のための原料として使用することを特徴とする、上記の方法にも関する。
本発明の範囲でさらに、部分水素化の生成物混合物から触媒の一部のみを分離し、かつ得られる、シクロドデセンと触媒の残りの部分とを含有する混合物を一酸化二窒素による酸化に供給することも可能である。この場合、場合により少なくとも1の別の触媒を一酸化二窒素による酸化の際に添加することができる。さらに、部分水素化の生成物混合物から触媒を分離せず、かつ一酸化二窒素による酸化の際に同一の、および/または少なくとも1の別の触媒を添加することも可能である。
シクロドデカノンを製造するための上記の本発明による方法は特に、シクロドデカノンを少ない工程で、かつ同時に高い選択率で得るという利点を提供する。もう1つの顕著な利点は、本発明による方法のための原料として、有利に工業的な装置からの一酸化二窒素を含有する排ガスを使用することができ、これは一方では大きなコストなしで入手することができ、かつ他方では本発明による方法を既存の装置接続へ統合することが可能となり、このことによって原料のための輸送経路は最小限に維持することができ、かつさらに、潜在的な調整ガス(Klimagas)として、廃棄処理のための特別な処理に供給する必要がなく、直接有価生成物として流すという事実である。
本発明により製造したシクロドデカノンはたとえば特に有利にはドデカン二カルボン酸および/またはラウリンラクタムおよび/またはこれらから誘導されるポリマー、たとえばポリアミド、たとえばナイロン12またはナイロン6.12の製造のために使用することができる。
本発明を以下に記載される図1および以下の実施例により具体的に説明する。
図1は、本発明の範囲で、たとえば例2に記載されているような均一系触媒を用いたシクロドデカトリエンからシクロドデセンへの特に有利な連続的な水素化を記載している。その際、シクロドデカトリエン原料(8)をポンプ(11)を介して水素(7)と混合しながら、第一の連続的に運転される反応器(1)へ供給し、ここで第一の水素化工程が行われる。反応器(1)からの反応搬出物をポンプ(12)を介して搬送し、かつ分割し、その際、反応搬出物の一部を希釈のために反応器(1)へ返送し、かつ反応搬出物の別の部分を供給流として第二の、同様に連続的に運転される反応器(2)である後反応器へ供給する。反応器(2)からの反応搬出物を分離器(9)中で液相と気相とに分離し、かつ排ガス(5)を分離器(9)から除去する。分離器(9)を出た後に、液相を周囲圧力に放圧し、かつモーター(6)により運転される薄膜蒸発器(3)に供給する。薄膜蒸発器(3)の分離から蒸留液として生成物であるシクロドデセン(4)が、および塔底生成物(10)として液相が得られ、該液相をポンプ(13)を介して反応器(1)へ返送する。この液相は均一系水素化触媒ならびに生成物(4)の一部を触媒のための溶剤として含有している。
実施例
例1:シクロドデカトリエンからシクロドデセンへの不連続式の水素化
2.5lの攪拌オートクレーブ中に、トランス,トランス,シス−シクロドデカ−1,5,9−トリエン1kg、RuCl・HO 150mg、トリフェニルホスフィン20g、37%の水性ホルムアルデヒド12.5g、エタノール25mlおよび酢酸2.5gを充填した。反応器を窒素もしくは水素でパージした後、水素15バールを圧入した。その後、反応器を撹拌下に加熱した。約130℃の温度で反応器圧力は顕著に低下した。温度を引き続き140〜150℃に高め、圧力を水素の後圧入により20バールに維持した。水素の吸収が終了した後、反応器搬出物中にはガスクロマトグラフ分析によれば、シクロドデセンが98.1%、およびシクロドデカンが1.8%の収率で存在していた。
例2:シクロドデカトリエンからシクロドデセンへの連続式の水素化
シクロドデセン1kg、RuCl・HO 150mg、トリフェニルホスフィン20g、37%の水性ホルムアルデヒド12.5g、エタノール25mlおよびアジピン酸2gを、図1に記載の試験装置の第一の反応器(内容量約1リットル)に充填した。反応器システムを100℃に加熱した後、循環ポンプを運転し、水素により圧力を20バールにし、かつシクロドデカトリエン200gの供給を調整した。第一および第二の反応器(内容量約0.6リットル)の反応温度を約140℃に調整した。反応器搬出物を周囲圧力に放圧後、薄膜蒸発器中で、塔底生成物約10g/hおよび蒸留液190g/hが生じるように分離した。塔底生成物をポンプにより第一の反応器へ返送した。蒸留液中には24時間の運転時間後に、シクロドデセン約97%、シクロドデカン2.6%ならびにいくつかの別の、量的に重要ではない生成物が存在していた。
例3:シクロドデセンとNOとの反応
250mlのオートクレーブ中にシクロドデセン(トランス割合64%およびシス割合33%を有する混合物として、例2からの生成物)0.5モルを装入した。次いでオートクレーブを閉鎖し、かつNでパージした。引き続きオートクレーブをNOにより50バールまで圧入した。次いで温度を250℃に高めた(反応の間の最大の圧力:84バール)。反応時間20時間後にオートクレーブを冷却し、かつ放圧した。オートクレーブ内容物はすでに部分的に結晶化していた。生成物を分析するために、内容物を60℃で溶融し、かつ均一な試料を取り出した。トルエンで希釈後、該試料を定量的にGCにより分析した。トランス−シクロドデセンの反応率は98%であった。シス−シクロドデセンの反応率は24%であった。シクロドデセンの全反応率は71%であった。シクロドデカノンに対する選択率は95%より高かった。副生成物としてGC/MSによりシクロドデセンエポキシドおよび11−ドデカナールの痕跡が検出されたにすぎなかった。
例4:シクロドデセンとNOとの反応
250mlのオートクレーブ中にシクロドデセン(トランス割合64%およびシス割合33%を有する混合物として、例2からの生成物)0.52モルを装入した。次いでオートクレーブを閉鎖し、かつNでパージした。引き続きオートクレーブをNOにより50バールまで圧入した。次いで温度を275℃に高めた(反応の間の最大の圧力:122バール)。反応時間10時間後にオートクレーブを冷却し、かつ放圧した。オートクレーブ内容物はすでに部分的に結晶化していた。生成物を分析するために、内容物を60℃で溶融し、かつ均一な試料を取り出した。トルエンで希釈後、該試料を定量的にGCにより分析した。トランス−シクロドデセンの反応率は99%であった。シス−シクロドデセンの反応率は36%であった。シクロドデセンの全反応率は76%であった。シクロドデカノンに対する選択率は95%より高かった。
例5:部分水素化からの触媒を分離しない、シクロドデセンとNOとの反応
250mlのオートクレーブ中にシクロドデセン(なおRu触媒を含有していた例1からの生成物混合物)0.5モルを装入した。次いでオートクレーブを閉鎖し、かつNでパージした。引き続きオートクレーブをNOにより50バールまで圧入した。次いで温度を250℃に高めた(反応の間の最大の圧力:79バール)。反応時間10時間後にオートクレーブを冷却し、かつ放圧した。オートクレーブ内容物はすでに部分的に結晶化していた。生成物を分析するために、内容物を60℃で溶融し、かつ均一な試料を取り出した。トルエンで希釈後、該試料を定量的にGCにより分析した。トランス−シクロドデセンの反応率は75%であった。シス−シクロドデセンの反応率は21%であった。シクロドデカノンに対する選択率は95%より高かった。
例6:部分水素化からの触媒を分離する、シクロドデセンとNOとの反応
例5を繰り返したが、その際、シクロドデセンを含有する部分水素化からの生成物混合物から、まず蒸留によりRu触媒を除去した。この場合のトランス−シクロドデセンの反応率は75%であった。しかしシス−シクロドデセンの反応率は1%より低かった(例5では21%)。シクロドデカノンに対する選択率は95%より高かった。
例7:部分水素化からの触媒を分離しない、シクロドデセンとNOとの2工程反応
例5により得られた生成物をそれ以上処理することなく再びNOを用いて室温で最終圧力50バールに圧入し、かつ該混合物を295℃で20時間攪拌した(反応の間の最大圧力:245バール)。引き続きオートクレーブを冷却し、かつ放圧した。生成物を分析するために、内容物を60℃で溶融し、かつ均一な試料を取り出した。トルエンで希釈後、該試料を定量的にGCにより分析した。トランス−シクロドデセンの反応率は99%であった。シス−シクロドデセンの反応率は32%であった。シクロドデカノンに対する選択率は95%より高かった。
本発明による均一系触媒を用いたシクロドデカトリエンからシクロドデセンへの連続的な水素化工程を示す図
符号の説明
1 反応器1
2 反応器2
3 薄膜蒸発器
4 シクロドデセン
5 排ガス
6 薄膜蒸発器の駆動モーター
7 水素
8 シクロドデカトリエン
9 分離器
10 塔底生成物
11 ポンプ
12 ポンプ
13 ポンプ

Claims (21)

  1. シクロドデセンを一酸化二窒素と反応させることによりシクロドデカノンを製造する方法。
  2. 一酸化二窒素源として、少なくとも1の工業的な方法の少なくとも1の一酸化二窒素を含有する排ガスを使用することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 一酸化二窒素源が、アジピン酸装置および/またはドデカン二酸装置および/またはヒドロキシルアミン装置の排ガスであるか、および/またはアジピン酸装置および/またはドデカン二酸装置および/またはヒドロキシルアミン装置の排ガスにより運転される硝酸装置の排ガスであることを特徴とする、請求項2記載の方法。
  4. シクロドデセンを、気体混合物の全質量に対して一酸化二窒素を20〜99.9質量%含有する気体混合物と反応させることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 一酸化二窒素または一酸化二窒素を含有する気体混合物を液体の形で使用することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 反応を少なくとも1の管型反応器中、140〜350℃の範囲の温度で連続的に実施することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. シス−シクロドデセンおよびトランス−シクロドデセンを含有する混合物を、2工程で一酸化二窒素と反応させることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 第一工程で反応を140〜300℃の範囲の温度で、および第二工程で反応を165〜325℃の範囲の温度で実施し、その際、第一工程の温度は第二工程の温度よりも低いことを特徴とする、請求項7記載の方法。
  9. シクロドデセンが少なくとも1のシクロドデカトリエンの接触水素化から得られることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. シクロドデカトリエンからシクロドデセンへの水素化および一酸化二窒素を用いたシクロドデセンからシクロドデカノンへの反応を同一の触媒の存在下で行うことを特徴とする、請求項9記載の方法。
  11. 均一系触媒の存在下でのシクロドデカトリエンからシクロドデセンへの水素化から得られる、シクロドデセンおよび均一系触媒を含有する混合物を、一酸化二窒素との反応のための原料として使用することを特徴とする、請求項10記載の方法。
  12. 工程(I)および(II):
    (I)シクロドデカトリエンの部分水素化によりシクロドデセンを製造する工程
    (II)(I)により得られたシクロドデセンと一酸化二窒素とを反応させてシクロドデカノンを得る工程
    を含む、シクロドデカノンの製造方法。
  13. (II)により使用される一酸化二窒素の源として少なくとも1の工業的な方法の少なくとも1の一酸化二窒素を含有する排ガスを使用することを特徴とする、請求項12記載の方法。
  14. 一酸化二窒素源が、アジピン酸装置および/またはドデカン二酸装置および/またはヒドロキシルアミン装置の排ガスであるか、および/またはアジピン酸装置および/またはドデカン二酸装置および/またはヒドロキシルアミン装置の排ガスにより運転される硝酸装置の排ガスであることを特徴とする、請求項13記載の方法。
  15. 工程(II)によるシクロドデセンを、気体混合物の全質量に対して一酸化二窒素を20〜99.9質量%含有する気体混合物と反応させることを特徴とする、請求項12から14までのいずれか1項記載の方法。
  16. 一酸化二窒素または一酸化二窒素を含有する気体混合物を液体の形で使用することを特徴とする、請求項12から15までのいずれか1項記載の方法。
  17. (II)による反応を少なくとも1の管型反応器中、140〜350℃の範囲の温度で連続的に実施することを特徴とする、請求項12から16までのいずれか1項記載の方法。
  18. (II)により、シス−シクロドデセンおよびトランス−シクロドデセンを含有する混合物を、2工程で一酸化二窒素と反応させることを特徴とする、請求項12から17までのいずれか1項記載の方法。
  19. 第一工程で反応を140〜300℃の範囲の温度で、および第二工程で反応を165〜325℃の範囲の温度で実施し、その際、第一工程の温度は第二工程の温度よりも低いことを特徴とする、請求項18記載の方法。
  20. (I)によるシクロドデカトリエンからシクロドデセンへの部分水素化および(II)による一酸化二窒素を用いたシクロドデセンからシクロドデカノンへの反応を同一の触媒の存在下で行うことを特徴とする、請求項12から19までのいずれか1項記載の方法。
  21. (I)による均一系触媒の存在下でのシクロドデカトリエンからシクロドデセンへの部分水素化から得られる、シクロドデセンおよび均一系触媒を含有する混合物を、(II)による一酸化二窒素との反応のための原料として使用することを特徴とする、請求項20記載の方法。
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