JP5054684B2 - アルデヒド含有物質流を水素化する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも1つの主反応器と少なくとも1つの後反応器中で、触媒の存在で少なくとも1種のアルデヒドを含有する組成物Iを水素と反応させる方法において、反応系に供給される新規水素の少なくとも50%を少なくとも1つの後反応器に供給する、組成物Iを水素と反応させる方法に関する。
アルデヒド含有組成物の水素化は広く周知である。例えば、いわゆるオキソアルコールの製造の場合に、オレフィンをヒドロホルミル化してアルデヒドにし、これを水素化してアルコールにする(K. Weissermel, HJ. Arpe, "Industrielle Organische Chemie"第5版、第149〜150頁、Wiley-VCH Verlag)。
例えば、WO 01/27061に記載されているように、リスメラール(Lysmeral)は、場合によりtert−ブチルベンズアルデヒドの存在で、デヒドロリスメラールの水素化により製造される。
同様に、不純物としてアルデヒドを含有する有機化合物を水素化する方法も公知である。例としてシクロドデカジエノンのシクロドデカノンへの水素化を挙げることができ、この場合、少量のアルデヒドがシクロドデカジエノン中に含まれていることができる。この種の方法は、例えばDE 103 44 595 Aに記載されている。
同様に、ブチンジオールのブタンジオールへの水素化の際に、少量のホルムアルデヒドは、ホルムアルデヒドとアセチレンとからのブチンジオールの合成から存在することができる。しかしながら、アルキル化されたブタンジオールを得るために、例えばEP 0 133 739 B1に開示されているように、適切にホルムアルデヒドを添加することもできる。
この水素化法の場合に、反応系中に存在するアルデヒドを分解することによりCOが形成され、これが水素化を抑制することがあることは公知である。このことは、特に、例えば生成物を高純度で得るために又は費用のかかる分離法を避けるために、出発材料の完全な反応が必要な場合に問題となる。この問題には、生じたCOをできる限り完全に反応させてメタンにするために極めて高圧で水素化することにより対処することが多い。しかしながら、この必要な高圧により、この方法のために高い投資コスト及び運転コストが生じる。
できる限り完全な反応を達成するために、一般に、通常では2段階で、いわゆる主反応器及び少なくとも1つの後反応器中で水素化される。この場合、主反応器中では水素化熱の大部分は放出され、外部循環路により運び出される。通常では新規水素の少なくとも大部分は主反応器に導入され、排ガスは最後の後反応器から又はその後で搬出される。
この種の方法実施の場合に、特に後反応器中で高いCO濃度が存在し、場合により完全な反応が達成されない。それにより、副成分を含有する生成物が得られ、この副成分は部分的に手間とコストがかかる精製工程によってのみ分離することができる。
従って、本発明の根底をなす課題は、出発物質のできる限り高い転化率が達成されるアルデヒド含有組成物の水素化方法を提供することであった。
本発明の他の課題は、生成物が高純度で得られるアルデヒド含有組成物の水素化方法を提供することであった。
本発明の他の課題は、生成物が高純度で得られるアルデヒド含有組成物の低コストの水素化方法を提供することであった。
本発明の場合に、前記課題は、反応系に供給される新規水素の少なくとも50%を少なくとも1つの後反応器に供給する、少なくとも1つの主反応器と少なくとも1つの後反応器中で、触媒の存在で少なくとも1種のアルデヒドを含有する組成物Iを水素と反応させる方法により解決される。
本発明は、有利な実施態様の場合に、少なくとも1つの主反応器と少なくとも1つの後反応器中で、触媒の存在で少なくとも1種のアルデヒドを含有する組成物Iを水素と反応させるための前記した方法において、少なくとも1の主反応器中で使用される水素の50%より多くが後反応器の排ガスから提供される、組成物Iを水素と反応させる方法に関する。
「新規水素」とは、本発明の範囲内で、反応系に供給される水素又は水素含有混合物であると解釈される。
本発明の範囲内で、「反応系」の概念とは、本発明による方法のために利用される反応器の全体であると解釈され、つまり少なくとも1つの主反応器と少なくとも1つの後反応器である。
この反応系に添加される水素の少なくとも大部分を後反応器中に導入し、そこから後反応器の排ガスとして主反応器に移す場合が特に有利であることが見出された。本発明の場合に、排ガスの大部分は主反応器から又はその後で搬出される。本発明の場合に、主反応器から後反応器へは、有利に主反応器の生成物流中に溶けた水素だけが到達する。
本発明による方法は、特に、後反応器中に低いCO濃度が存在するという利点を有する。この措置により、高圧を用いる必要がなく転化率を最大にすることを達成できる。従って、本発明による方法の場合に、触媒及び反応器スペースを節約することができる。他の利点は、特に1つ又は複数の後反応器中での触媒の寿命が高まることである。
一般に、完全な転化率が求められる水素化の場合に、水素過剰量で水素化される。本発明による方法は、必然的に廃棄しなければならずそれによりコストの原因となる水素過剰量を比較的低くできることによって優れている。有利に、この水素過剰量(化学量論的に必要な水素に対する水素Mol%)は0.1〜50Mol%である。特に有利に、0.3〜40Mol%、さらに特に有利に0.5〜25Mol%である。
従って、本発明は、有利な実施態様の場合に、水素を0.1〜50Mol%の過剰量で使用する前記の方法にも関する。
本発明による方法は、少なくとも1種のアルデヒドを含有する組成物Iの反応のために適用可能である。有利な実施態様の場合に、組成物Iはアルデヒドの他に少なくとも1種の他の有機化合物を含有することができ、この有機化合物は本発明による方法において水素化される。この有機化合物は、つまり本発明の範囲内で、水素化可能な有機化合物である。
本発明は、従って、少なくとも1つの主反応器と少なくとも1つの後反応器中で、触媒の存在で少なくとも1種のアルデヒドを含有する組成物Iを水素と反応させるための前記した方法において、組成物Iが少なくとも1種の他の有機化合物を含有する、組成物Iを水素と反応させる方法にも関する。
アルデヒドが組成物Iの水素化されるべき主成分である場合に、アルデヒド含有量は本発明の範囲内で有利に少なくとも80%で高くても100%、有利に少なくとも90%で高くても99.9%、特に有利に少なくとも95%、特に有利に少なくとも98%で高くても99.5%である。
アルデヒドが副成分として存在する場合に、組成物Iは本発明の範囲内で特に、組成物Iに対して他の有機化合物20〜99.9質量%を含有する。有利に、組成物Iは他の有機化合物70〜98質量%、特に有利に90〜95質量%を含有する。
有機成分の他に、組成物Iは無機化合物、例えば水を含有することができる。
有機化合物として、本発明の範囲内で、触媒の存在で水素を用いて水素化することができる全ての適した化合物を使用することができる。本発明の場合に、例えば不飽和の、場合により置換された化合物、例えばアルケン又はアルキン、芳香族化合物、ケトン、エステル、酸、無水物、アミド、ニトリル又はニトロ化合物が適している。
本発明の場合に、特に、例えば製造方法によりアルデヒドを含有する有機化合物を使用することができる。この種の化合物は、例えばシクロドデカジエン、デヒドロリスメラール又は1,4−ブタンジオールである。
従って、本発明は他の実施態様の場合に、少なくとも1つの主反応器と少なくとも1つの後反応器中で、触媒の存在で少なくとも1種のアルデヒドと少なくとも1種の他の有機化合物を含有する組成物Iを水素と反応させるための前記した方法において、前記有機化合物がシクロドデカジエン、デヒドロリスメラール又は1,4−ブチンジオールからなるグループから選択される、組成物Iを水素と反応させる方法に関する。
本発明の有利な実施態様の場合に、組成物Iは有機化合物として、シクロドデカトリエンと一酸化二窒素との反応により得られるシクロドデカジエノンを含有することができる。
この場合、シクロドデカトリエンと一酸化二窒素との反応のために、少なくとも1種の適当な溶剤又は希釈剤を使用することができる。このようなものとして、特にシクロドデカン又はシクロドデカノン又は飽和脂肪族又は芳香族の、場合によりアルキル置換された炭化水素を挙げることができ、その際、主に全ての通常の溶剤及び/又は希釈剤が適しているが、ただし、これはC−C二重結合も、C−C三重結合も、アルデヒド基も有していないものとする。
一般に、シクロドデカトリエンと一酸化二窒素との反応の場合に、溶剤又は希釈剤の添加は必要ない。
シクロドデカトリエンと一酸化二窒素との反応の場合の温度は、有利に140〜350℃の範囲内、さらに有利に180〜320℃の範囲内、特に有利に200〜300℃の範囲内である。
シクロドデカトリエンと一酸化二窒素との反応を、それぞれ上記の限度内にある2つ以上の温度でもしくは2つ以上の温度範囲で実施することができる。反応の経過での温度変化は、連続的又は不連続的に起こりえる。
シクロドデカトリエンと一酸化二窒素との反応の際の圧力は、有利に、選択された1つの反応温度又は選択された複数の反応温度での出発物質混合物もしくは生成物混合物の固有圧力よりも高い。この圧力は、有利に1〜1000barの範囲内、さらに有利に40〜300barの範囲内、特に有利に50〜200barの範囲内である。
シクロドデカトリエンと一酸化二窒素との反応を、それぞれ上記の限度内にある2つ以上の圧力でもしくは2つ以上の圧力範囲で実施することができる。反応の経過での圧力変化は、連続的又は不連続的に起こりえる。
シクロドデカトリエンと一酸化二窒素との反応のために使用可能な反応器に関して、特に制限は存在しない。特に、この反応はバッチ運転法又は連続運転法で行うことができる。従って、例えば反応器として、少なくとも1つの内部及び/又は少なくとも1つの外部熱交換器を備えた少なくとも1種のCSTR(連続撹拌槽型反応器)、少なくとも1つの管状反応器又は少なくとも1つのループ型反応器を使用することができる。同様に、前記反応器の少なくとも1つが、少なくとも2つの異なる区域を有する用に構成することもできる。この区域は、例えば反応条件、例えば温度又は圧力及び/又は区域の形状、例えば容量又は断面積が異なることができる。2つ以上の反応器中で反応を実施する場合に、2つ以上の同じ反応器タイプ又は少なくとも2つの異なる反応器タイプを使用することができる。
有利に、シクロドデカトリエンと一酸化二窒素との反応は唯一の反応器中で実施される。例えば、連続運転法での反応が有利である。
シクロドデカトリエンと一酸化二窒素との反応の場合の少なくとも1つの反応器中での反応物の滞留時間は、一般に20hまでの範囲内、有利に0.1〜20hの範囲内、さらに有利に0.2〜15hの範囲内、特に有利に0.25〜10hの範囲内である。
一酸化二窒素とシクロドデカトリエンとの反応に供給される供給物中で、一酸化二窒素対シクロドデカトリエンのモル比は、一般に0.05〜4の範囲内、有利に0.06〜1の範囲内、さらに有利に0.07〜0.5の範囲内、特に有利に0.1〜0.4の範囲内にある。
シクロドデカトリエンと一酸化二窒素との反応は、シクロドデカジエノンに関して極めて高い選択率で50%までの範囲内、有利に5〜30%の範囲内、特に有利に10〜20%の範囲内のシクロドデカトリエンの転化率が達成されるように実施することができる。この場合、シクロドデカジエンに関する選択率は、一般に少なくとも90%、有利に少なくとも92.5%、特に有利に少なくとも95%である。
基本的に、全てのシクロドデカトリエン又は2種以上の異なるシクロドデカトリエンからなる混合物を一酸化二窒素と反応させることができる。特に、この場合、例えば1,5,9−シクロドデカトリエン、例えばシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエン又はシス,シス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエン又は全トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンを挙げることができる。
シクロドデカトリエンとして、シス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンを使用するのが有利である。
一般に、シス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンと一酸化二窒素との反応からは、シクロドデカ−4,8−ジエノン−異性体混合物が生じ、これはシス,トランス−シクロドデカ−4,8−ジエノン、トランス,シス−シクロドデカ−4,8−ジエノン及びトランス,トランス−シクロドデカ−4,8−ジエノンの異性体の少なくとも2種を含有する。例えば典型的な異性体混合物は、従って、約1:1:0.08のモル比で異性体を有する。この異性体混合物は、本発明による方法において使用される組成物I中に含まれていてもよい。
シクロドデカトリエンと一酸化二窒素との反応は、基本的に触媒の存在で行うことができるが、触媒を添加しなくてもよい。
1,5,9−シクロドデカトリエンは、例えば、T. Schiffer, G. Oenbrink著, "Cyclododecatriene, Cyclooctadiene, and 4-Vinylcyclohexene", Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 6th Edition (2000), Electronic Release, Wiley VCHに記載されているように、純粋な1,3−ブタジエンの三量化により製造することができる。この方法の範囲内で、例えばH. Weber et al.著 "Zur Bildungsweise von cis,trans,trans- Cyclododecatrien-(1.5.9) mittels titanhaltiger Katalysatoren" in: Liebigs Ann. Chem. 681 (1965) 第10-20頁に記載されているように、三量化の際にチーグラー触媒の存在でシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエン、シス,シス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエン及び全トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンが生じる。シクロドデカトリエンは、チタン触媒を使用して1,3−ブタジエンの三量化によって製造することができる。
基本的に全体として三量化に適したチタン触媒を使用することができるが、Weber et al.著の文献に記載された四塩化チタン/エチルアルミニウムセスキクロリド触媒が特に適している。
三量化のために使用されたブタジエンは、特に有利にガスクロマトグラフィーにより決定された純度少なくとも99.6%、さらに有利に少なくとも99.65%を有する。特に有利に、使用された1,3−ブタジエンは検出精度の範囲内で1,2−ブタジエン及び2−ブチンを含有していない。
この三量化から、一般に少なくとも95質量%、有利に少なくとも96質量%、さらに有利に少なくとも97質量%のシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンを含有する混合物が得られる。例えば、特に有利に前記混合物はシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンを約98質量%で含有する。
このシス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンを含有する混合物は、それ自体、一酸化二窒素との反応のために使用することができる。同様に、少なくとも1つの適当な方法、例えば少なくとも1つの蒸留によって、シス,トランス,トランス−1,5,9−シクロドデカトリエンを混合物から分離し、一酸化二窒素との反応で使用することも可能である。
本発明の場合に、組成物I中にアルデヒドが含有されている。本発明による方法は、基本的に全ての任意のアルデヒドの存在で実施することができる。これは、例えば1〜20個のC原子を有するアルデヒドであることができる。
本発明は、従って、有利な実施態様の場合に、少なくとも1つの主反応器と少なくとも1つの後反応器中で、触媒の存在で少なくとも1種のアルデヒドを含有する組成物Iを水素と反応させるための前記した方法において、少なくとも1種のアルデヒドがC1〜C20−アルデヒドからなるグループから選択される、組成物Iを水素と反応させる方法に関する。
組成物Iが少なくとも1種のアルデヒド、少なくとも1種の有機化合物を含有する場合に、前記組成物Iは、本発明の範囲内で、特に組成物Iに対してアルデヒド0.1〜80質量%を含有する。有利に、組成物Iは、アルデヒド2〜30質量%、特に有利に5〜10質量%を含有する。
本発明による方法は、少なくとも1種の主反応器及び少なくとも1種の副反応器中で実施される。この場合、本発明の場合に有利に主反応器中で組成物Iの少なくとも60%を反応させる。
更に有利に、本発明による方法の場合に、主反応器中で組成物Iの少なくとも85%、特に有利に主反応器中で組成物Iの少なくとも90%を反応させる。
従って、有利な実施態様による本発明は、少なくとも1つの主反応器と少なくとも1つの後反応器中で、触媒の存在で少なくとも1種のアルデヒドを含有する組成物Iを水素と反応させるための前記した方法において、主反応器中で組成物Iの少なくとも60%を反応させる、組成物Iを水素と反応させる方法に関する。
本発明の場合に、反応系に供給される新規水素の少なくとも50%は、少なくとも1つの後反応器中に供給される。更に有利な実施態様の場合に、例えば新規水素の少なくとも60%、特に少なくとも70%、さらに特に有利に80%、殊に有利に90%が後反応器に供給される。
従って、本発明の範囲内で、特に、反応系に供給される新規水素の60〜100%、有利に70〜99%、特に有利に80〜95%が少なくとも1つの後反応器中に供給される。
本発明は、従って、他の実施態様の場合に、少なくとも1つの主反応器と少なくとも1つの後反応器中で、触媒の存在で少なくとも1種のアルデヒドを含有する組成物Iを水素と反応させる前記した方法において、反応系に供給される新規水素の少なくとも60%を少なくとも1つの後反応器に供給する、組成物Iを水素と反応させる方法に関する。
本発明の場合に、同様に、反応系に他の水素を例えば少なくとも1つの主反応器又は複数の主反応器を介して供給することも可能である。
本発明の場合に、本発明による方法において生じる排ガスは主に少なくとも1つの主反応器から又はその後で搬出することができる。特に、主反応器の排ガスの少なくとも70%、有利に少なくとも75%、特に有利に少なくとも80%、殊に有利に少なくとも90%が搬出される。有利に、溶解した分の水素を除いて、1つ又は複数の主反応器から1つ又は複数の後反応器中へガスは到達しない。
従って、本発明は有利な実施態様の場合に、少なくとも1つの主反応器と少なくとも1つの後反応器中で、触媒の存在で少なくとも1種のアルデヒドを含有する組成物Iを水素と反応させるための前記した方法において、主反応器の排ガスの少なくとも70%が搬出される、組成物Iを水素と反応させる方法に関する。
同様に、本発明の範囲内で、特に、少なくとも1つの主反応器中で使用された水素の少なくとも50%が後反応器の排ガスから提供されることが保証される場合に、後反応器の排ガスの一部を搬出することもできる。有利に、本発明の範囲内で、少なくとも1つの主反応器中で使用された水素の少なくとも60%、特に有利に少なくとも70%、さらに特に有利に少なくとも80%は後反応器の排ガスから提供される。
従って、有利な実施態様による本発明は、少なくとも1つの主反応器と少なくとも1つの後反応器中で、触媒の存在で少なくとも1種のアルデヒドを含有する組成物Iを水素と反応させるための前記した方法において、水素は主反応器の生成物流中に溶解した水素の形でだけ少なくとも1つの主反応器から少なくとも1つの後反応器に到達する、組成物Iを水素と反応させる方法に関する。
本発明による方法の場合に、主反応器中の反応の際に得られた混合物は、更なる反応のための他の主反応器又は1つの後反応器中に移される。組成物Iと水素との反応生成物は、本発明の範囲内で後反応器から取り出される。
組成物Iの水素化のために、適した全ての触媒を使用することができる。特に、少なくとも1種の均一系触媒又は少なくとも1種の不均一系触媒又は少なくとも1種の均一系と少なくとも1種の不均一系触媒を使用することができる。
有利に、使用可能な触媒は、元素の周期表の第7副族、第8副族、第9副族、第10副族又は第11副族からなる少なくとも1つの金属を含有する。更に有利に、本発明により使用可能な触媒は、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu及びAuからなるグループから選択される少なくとも1つの元素を含有する。特に有利に本発明により使用可能な触媒は、Fe、Ni、Pd、Pt及びCuからなるグループから選択される少なくとも1種の元素を含有する。特に有利に、本発明により使用可能な触媒は、Pd、Pt、Ru又はNiを含有する。
従って、本発明は他の実施態様の場合に、少なくとも1つの主反応器と少なくとも1つの後反応器中で、触媒の存在で少なくとも1種のアルデヒドを含有する組成物Iを水素と反応させるための前記した方法において、触媒が活性金属としてPd、Pt、Ru又はNiを含有する、組成物Iを水素と反応させる方法に関する。
本発明による方法の場合に、使用された均一系触媒は、第8副族、第9副族又は第10副族の少なくとも1つの元素を含有する。更に、Ru、Rh、Ir及び/又はNiを含有する均一系触媒が有利である。例えば、この場合に、RhCl(TTP)3又はRu44(CO)12を挙げることができる。Ruを含有する均一系触媒が特に有利である。例えば、US 5,180,870, US 5,321,176, US 5,177,278, US 3,804,914, US 5,210,349 US 5,128,296, US B 316,917及びD.R. Fahey著 J. Org. Chem. 38 (1973) p. 80-87に記載されている均一系触媒が使用され、前記文献のこれに関する開示は本願明細書の文脈に完全に引用される。このような触媒は、例えば(TPP)2(CO)3Ru, [RU(CO)4]3, (TPP)2Ru(CO)2CI2, (TPP)3(CO)RuH2, (TPP)2(CO)2RuH2, (TPP)2(CO)2RUCIH又は(TPP)3(CO)RuCI2である。
特に有利に、本発明による方法の範囲内で、少なくとも1種の不均一系触媒が使用され、その際、前記金属の少なくとも1つを金属自体として、ラネー触媒として及び/又は通常の担体上に塗布して使用することができる。有利な担体材料は、例えば活性炭又は酸化物、例えば酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン又は酸化ジルコニウムである。同様に特に担体材料としてベントナイトが挙げられる。2種以上の金属が使用される場合に、これらは別個に又は合金として存在していてもよい。この場合、少なくとも1種の金属がそれ自体で及び少なくとも1種の他の金属がラネー触媒として又は少なくとも1種の金属自体及び少なくとも1種の他の金属が少なくとも1種の担体に塗布されて、又は少なくとも1種の金属がラネー触媒として及び少なくとも1種の他の金属が少なくとも1種の担体に塗布されて、又は少なくとも1種の金属がそれ自体で及び少なくとも1種の他の金属がラネー触媒として及び少なくとも1種の他の金属が少なくとも1種の担体に塗布されて使用されることができる。
本発明による方法において使用される触媒は、例えばいわゆる沈殿触媒(Faellungskatalysatoren)であることもできるこのような触媒は、その触媒活性成分をその塩溶液から、特にその硝酸塩及び/又は酢酸塩の溶液から、例えばアルカリ金属−及び/又はアルカリ土類金属水酸化物−及び/又は炭酸塩−溶液、例えば硫酸性の水酸化物、オキシヒドラート、塩基性塩又は炭酸塩の添加により沈殿させ、得られた沈殿物を引き続き乾燥し、次いでこれを一般に300〜700℃、特に400〜600℃でか焼することにより相応する酸化物、混合酸化物及び/又は混合価(gemischtvalentig)の酸化物に変換し、これを水素又は水素含有ガスで一般に50〜700℃、特に100〜400℃の範囲内で処理することにより該当する金属及び/又は低い酸化数の酸化物化合物に還元し、かつ本来の触媒活性形に変換することにより製造することができる。この場合、一般に、水がもはや生成されなくなるまで還元される。担体材料を含有する沈殿触媒の製造の際に、触媒活性成分の沈殿を該当する担体材料の存在で行うことができる。触媒活性成分は、有利に該当する塩溶液から担体材料と一緒に同時に沈殿させることができる。
有利に、本発明による方法の場合に、水素化を触媒する金属又は金属化合物を担体材料上に析出させて含有する水素化触媒が使用される。
触媒活性成分の他になお付加的に担体材料を含有する上記の沈殿触媒の他に、本発明による方法のために一般に、接触水素化に作用する成分が例えば含浸により担体材料上に適用されている担体材料が適している。
触媒活性金属を担体に適用する方法は一般に重要ではなく、多様な種類及び方法で達成することができる。前記の触媒活性金属は前記担体材料上に、例えば該当する元素の塩又は酸化物の溶液又は懸濁液を用いた含浸、乾燥及び引き続く金属化合物の該当する金属又は低い酸化数の化合物に還元剤、有利に水素又は錯体水素化物により還元することにより適用することができる。触媒活性金属を担体に適用するための他の方法は、担体を熱により容易に分解可能な塩、例えば硝酸塩又は熱により容易に分解可能な錯化合物、例えば触媒活性金属のカルボニル錯体又はヒドリド錯体の溶液で含浸し、こうして得られた担体を、吸着した金属化合物の熱分解するために300〜600℃の範囲内の温度に加熱することにある。この熱分解は、有利に、保護ガス雰囲気下で行われる。適当な保護ガスは、例えば窒素、二酸化炭素、水素又は希ガスである。さらに、触媒活性金属を触媒担体上に、蒸着又は溶射により堆積させることができる。この担持触媒の触媒活性金属の含有量は、原則として本発明による方法の成果のために重要ではない。一般に、この担持触媒の触媒活性金属の高い含有量により、低い含有量よりもより高い空時得率が生じる。一般に、触媒の全質量に対して0.1〜90質量%の範囲内の、有利に0.5〜40質量%の範囲内の触媒活性金属含有量の担持触媒が使用される。この含有量数値が担体材料を含めた全触媒に対し、多様な触媒材料は極めて多様な比重及び比表面積を有しているために、本発明による方法の結果に不利な影響を与えることなく、この数値を下回るか又は上回ることがあるとも考えられる。もちろん、複数の触媒活性金属がそれぞれの担体材料に適用されていてもよい。
さらに、前記触媒活性金属は、例えばDE-OS 25 19 817, EP 1 477 219 A1又はEP 0 285 420 A1の方法により担体に適用されていてもよい。前記刊行物による触媒中には、触媒活性金属が合金として存在し、前記金属は、例えば前記金属の塩又は錯体で含浸した後に熱処理及び/又は還元により製造される。
沈殿触媒並びに担持触媒の活性化は、還元の開始時に存在する水素によりin situで行うこともできる。有利に前記触媒はその使用の前に別個に活性化される。
担体材料として、一般にアルミニウム及びチタンの酸化物、二酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素、バン土、例えばモンモリロナイト、ケイ酸塩、例えばケイ酸マグネシウム又はケイ酸アルミニウム、ゼオライト、例えば構造タイプZSM−5又はZSM−10のゼオライト、又は活性炭を使用することができる。有利な担体材料は、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム及び活性炭である。もちろん、多様な担体材料の混合物を、本発明による方法において使用可能な触媒の担体として使用することもできる。
さらに特に有利な触媒は、本発明の場合に、Ni、Pt及び/又はPdを含有しかつ担体上に適用された触媒である。さらに有利な担体は、活性炭、酸化アルミニウム、二酸化チタン及び/又は二酸化ケイ素であるか又はこれらを含有する。
主反応器及び後反応器中では同じ触媒が存在していてもよいが、これは本発明の範囲内で必然的ではない。本発明は、例えばそれぞれの反応器中で、異なる触媒を使用することもできる。例えば懸濁水素化を均一水素化及び/又は不均一水素化と組み合わせることができる。不均一系触媒を用いた水素化が特に有利であり、その際、特に1つ又は複数の後反応器中で使用される触媒は固定層として使用される。
少なくとも1種の不均一系触媒は、例えば懸濁触媒及び/又は固定層触媒として使用することができる。
例えば、本発明による方法の範囲内で水素化を少なくとも1種の懸濁触媒で実施する場合に、有利に少なくとも1つの撹拌反応器又は少なくとも1つの気泡塔又は少なくとも1つの充填気泡塔又は2つ以上の同じ又は異なる反応器の組み合わせ中で水素化される。
「異なる反応器」の概念は、異なる反応器タイプ並びにその幾何学、例えばその容量及び/又はその断面により及び/又は反応器中の水素化条件により異なる同じ種類の反応器を表す。
例えば、本発明による方法の範囲内で、水素化を少なくとも1種の固定配置された触媒で実施する場合、有利に少なくとも1つの管状反応器、例えば少なくとも1つのループ型反応器及び/又は少なくとも1つの管束反応器が使用され、その際、個々の反応器は液相運転法(Sumpffahrweise)又は細流運転法(Rieselfahrweise)で運転することができる。2つ以上の反応器を使用する場合に、少なくとも1つは液相運転法で及び少なくとも1つは細流運転法で実施することができる。
本発明による方法の有利な実施態様の場合には、この水素化のために使用される少なくとも1つの触媒は、主反応器中での反応の後に、水素化の生成物混合物から分離される。この分離は、それぞれ適した運転方法に従って使用された触媒に依存して行うことができる。
同様に、後反応器の後に、適当な運転方法で触媒の分離を行うこともできる。この後続する実施は、主反応器又は後反応器の後の触媒分離に該当する。
水素化の場合の触媒として、例えば不均一系触媒を懸濁触媒として使用する場合に、これは本発明の範囲内で、少なくとも1つの濾過工程により分離される。この種の分離された触媒は、水素化に返送することができるか、又は少なくとも1つの任意の他の方法に供給することができる。同様に、例えば触媒中に含まれる金属を回収するために、触媒を後処理することも可能である。
水素化の場合の触媒として、例えば均一系触媒を使用する場合に、これは本発明の範囲内で、有利に少なくとも1つの蒸留工程により分離される。この蒸留の範囲内で、1つ又は2つ又はそれ以上の蒸留塔を使用することができる。この種の分離された触媒は、水素化に返送することができるか、又は少なくとも1つの任意の他の方法に供給することができる。同様に、例えば触媒中に含まれる金属を回収するために、触媒を後処理することも可能である。
任意の方法で使用する前に、例えば本発明による方法に返送する前に、少なくとも1つの均一系触媒も少なくとも1つの不均一系触媒も、必要な場合に、少なくとも1つの適当な方法により再生することができる。
熱を本発明により使用される反応器で内部で例えば冷却蛇管により及び/又は外部で例えば少なくとも1つの熱交換器で排熱することができる。例えば有利に少なくとも1つの管状反応器を水素化のために使用する場合に、有利に前記反応を排熱装置が組み込まれている外部循環路を介して運転する。
本発明による方法の有利な実施態様の場合に水素化を連続的に実施する場合、更に有利に少なくとも2つの反応器、更に有利に少なくとも2つの管状反応器、更に有利に少なくとも2つの直列接続された管状反応器、及び特に有利に2つの直列接続された管状反応器を使用する。使用される反応器中の水素化条件は、それぞれ同じ又は異なることができ、かつそれぞれ前記の範囲内にある。
水素化を少なくとも1つの懸濁された触媒で実施する場合に、この滞留時間は一般に0.05〜50hの範囲内、例えば0.5〜50hの範囲内、有利に1〜30hの範囲内、特に有利に1.5〜25hの範囲内、さらに特に有利に1.5〜10hの範囲内にある。この場合、本発明の場合に主反応器又は後反応器又は付加的に他の反応器を使用するかどうかは重要でない。この実施態様の全体に対して、全体の滞留時間は上記の範囲内にある。
本発明による方法の範囲内で、水素化を連続的運転法で少なくとも1つの固定配置された触媒で実施する場合に、触媒負荷量(供給量kg/触媒リットル×h)は一般に0.03〜20の範囲内、有利に0.05〜5の範囲内、特に有利に0.1〜2の範囲内にある。この場合、本発明の場合に主反応器又は後反応器又は付加的に他の反応器を使用するかどうかは重要でない。この実施態様の全体に対して、全体の負荷量は上記の範囲内にある。
1つ又は複数の後反応器は、主反応器と同じ温度水準、主反応器より低い温度水準又は高い温度水準で運転することができる。一般に、主反応器中の水素化温度は0〜350℃の範囲内、有利に20〜300℃の範囲内、更に有利に50〜250℃の範囲内、特に有利に80〜220℃の範囲内にある。
従って、他の実施態様による本発明は、少なくとも1つの主反応器と少なくとも1つの後反応器中で、触媒の存在で少なくとも1種のアルデヒドを含有する組成物Iを水素と反応させるための前記した方法において、主反応器中での組成物Iと水素との反応を0℃〜350℃の範囲内の温度で実施する、組成物Iを水素と反応させる方法に関する。
水素圧は、主反応器中の本発明による水素化の際に、一般に1〜325barの範囲内、有利に5〜300barの範囲内、更に有利に10〜250barの範囲内、特に有利に15〜150barの範囲内にある。この場合、後反応器中の圧力水準は、主反応器中の圧力水準と同じか又はより高い場合が有利である。
本発明は、他の実施態様の場合に、少なくとも1つの主反応器と少なくとも1つの後反応器中で、触媒の存在で少なくとも1種のアルデヒドを含有する組成物Iを水素と反応させるための前記した方法において、主反応器中での組成物Iと水素との反応を1bar〜325barの範囲内の圧力で実施する、組成物Iを水素と反応させる方法に関する。
主反応器から得られる混合物は、反応生成物を、有利に反応した有機化合物を、全混合物に対する反応割合で、有利に60〜99.9%の範囲内、特に有利に70〜99.5%の範囲内で含有する。この混合物は、場合により少なくとも1種の適当な中間処理の後に、後反応器に供給される。後反応器から得られる混合物は、反応生成物を、有利に反応した有機化合物を、割合で、有利に少なくとも99.5%の範囲内、更に有利に99.9%の範囲内、特に有利に99.99%の範囲内で含有する。
本発明による水素化の範囲内で、少なくとも1種の適当な溶剤又は希釈剤を使用することができる。それ自体、基本的に、水素化条件で水素化されないか他の方法で反応されない全ての溶剤及び希釈剤、例えばアルコール、エーテル、炭化水素、水、芳香族化合物又はケトンを挙げることができる。特に、有機化合物として、組成物I中にシクロドデカジエノンが含まれている場合に、特にトルエン又はシクロドデカンが適している。
本発明による方法の有利な実施態様の場合に、水素化は溶剤又は希釈剤の添加なしで実施される。
本発明による水素化から、一般に、反応生成物、有利に反応した有機化合物の他に、場合により少なくとも1種の副生成物及び/又は例えば有機化合物を含有する混合物を介して水素化に供給される少なくとも他の化合物を含有する混合物が得られる。この混合物から、反応生成物、有利に反応した有機化合物を、少なくとも1つの適当な方法により、例えば有利に少なくとも1つの蒸留により分離することができる。
本発明による方法は高い転化率により優れており、これにより得られた生成物の高い純度が生じる。触媒寿命、特に後反応器中の触媒寿命は高まり、後反応器中の触媒活性はわずかなCO量により高くなる、つまり、本発明の場合に少量の触媒を使用することができ、その際、一般にわずかな反応圧を適用することもできる。
本発明を、次の実施例により説明する。
実施例
比較例1:シクロドデカ−4,8−ジエン−1−オンのシクロドデカノンへの水素化
液体循環路及び後反応器を備えた管状反応器からなる反応カスケード中で、約0.5%の複数の不飽和を有するC12アルデヒドを含有するシクロドデカ−4,8−ジエン−1−オンを連続的に水素化した(30bar、温度130℃、それぞれの反応器は細流運転法で、触媒は酸化アルミニウム上の0.2%のPd)。全体の水素量(出発物質に対して2.1Mol当量、つまり5Mol%水素過剰量)を主反応器中に導入し、生成物流と一緒に後反応器に移した。その後に、残留するガスを排ガスとして搬出した。ジエノン0.5kg/触媒1リットル×hの全触媒負荷量で、転化率は99.8%であり、つまり反応搬出物中になお0.2%の未反応のオレフィンが存在していた。後続する蒸留で、シクロドデカノンは99.4%の純度で得られ、0.2%の未反応のシクロドデカノンは不所望な副成分であった。
実施例1:シクロドデカ−4,8−ジエン−1−オンのシクロドデカノンへの水素化
比較例1を繰り返すが、水素を後反応器中に導入し、それから残留する水素を主反応器に移し、主反応器から排ガスを搬出した。後反応器の後の転化率は99.99%であった。蒸留の際に、シクロドデカノンは99.6%の純度で得られた。不所望な不飽和生成物はなお100ppmの含有量で含まれていただけであった。
比較例2:デヒドロリスメラールのリスメラールへの水素化
比較例1と同様に、メタノール50%、デヒドロリスメラール29%、tert−ブチルベンズアルデヒド13%、水5%及び他の成分、例えばプロパノール、プロパナール、異なるエステル及び高沸点物、例えばナトリウム塩3%からなる混合物を水素化した。触媒として、活性炭上の5%Pdを使用した。主反応器中の水素化温度は約80℃であり、後反応器中では約130℃であり、反応圧力は15barであった。デヒドロリスメラールに対する水素過剰量は、1.05モル当量であった。デヒドロリスメラール転化率は、約2kg/触媒1リットル×hの触媒負荷量で、後反応器の後で93%であり、リスメラール選択率は91%であった。
実施例2
比較例2を実施例1と同様に繰り返した。後反応器の後の転化率は97%であり、リスメラール選択率は94%であった。

Claims (17)

  1. シクロドデカノンを有する混合物を提供するために、主反応器と後反応器中で、触媒の存在で、1,5,9−シクロドデカトリエンと一酸化二窒素との反応により得られたシクロドデカ−4,8−ジエン−1−オンを有し、及び更に前記シクロドデカジエノンの製造プロセスの結果としての複数の不飽和を有するC12アルデヒドを有する組成物Iを水素と反応させる方法において、反応系に供給される新規水素の少なくとも50%を前記後反応器に供給する、組成物Iを水素と反応させる方法。
  2. シクロドデカ−4,8−ジエン−1−オンの製造プロセスにおいて、唯一の反応器中で200〜300℃の範囲内の温度で、50〜200barの範囲内の圧力で、0.25〜10hの範囲内の反応物の滞留時間で、1,5,9−シクロドデカトリエンを連続運転法で一酸化二窒素と反応させ、一酸化二窒素と1,5,9−シクロドデカトリエンとの反応に供給される供給物中で、一酸化二窒素対1,5,9−シクロドデカトリエンのモル比は0.1〜0.4の範囲内にある、請求項1記載の方法。
  3. 主反応器中で使用された水素の50%より多くが後反応器の排ガスから提供される、請求項1又は2記載の方法。
  4. 水素を0.1〜50Mol%の過剰量で使用する、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  5. 主反応器中で組成物Iの少なくとも60%が反応される、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  6. 主反応器中で組成物Iの少なくとも85%が反応される、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  7. 反応系に供給される新規水素の少なくとも60%〜100%を後反応器に供給する、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  8. 主反応器の排ガスの少なくとも70%を搬出する、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  9. 主反応器の排ガスの少なくとも80%を搬出する、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  10. 主反応器の排ガスの少なくとも90%を搬出する、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  11. 水素は、主反応器の生成物流中に溶解した水素の形でだけ、主反応器から後反応器に達する、請求項から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. 溶解した分の水素を除いて、主反応器から後反応器へガスは到達しない、請求項11記載の方法。
  13. 触媒は活性金属としてPd、Pt、Ru又はNiを含有する、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
  14. 主反応器中での触媒が、後反応器中の触媒と同じである、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
  15. 触媒が不均一系Pd触媒である、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
  16. 主反応器中で組成物Iと水素の反応を0℃〜350℃の範囲内の温度で実施する、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
  17. 主反応器中で組成物Iと水素の反応を1bar〜325barの範囲内の圧力で実施する、請求項1から16までのいずれか1項記載の方法。
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