JP2007331885A - フォークリフトの油圧配管取付構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】昇降動作させたときに、油圧ホースがチェーンに干渉することを防止できるフォークリフトの油圧配管取付構造を提供する。
【解決手段】マスト構造体は、アウタマスト3を備えている。このアウタマスト3には、マスト構造体のアタッチメントを駆動する油圧シリンダに接続された2本の油圧ホース19が取付けられる。アウタマスト3には、油圧ホース19をアウタマスト3の上下方向に対してU字状に湾曲反転させるように引き回すためのガイド部材30が固定されている。そして、油圧ホース19は、ガイド部材30に沿ってアウタマスト3の上下方向に対してU字状に湾曲反転するように引き回された状態で、クランプ41,42により、ガイド部材30に固定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、フォークリフトのマスト構造体に油圧ホースを取付けるためのフォークリフトの油圧配管取付構造に関する。
一般に、フォークリフトは、荷役作業を行うためのマスト構造体を備えている。マスト構造体はリフトブラケットを有し、このリフトブラケットには各種のアタッチメントが取付けられている。アタッチメントとしては、例えば油圧シリンダによってフォークを左右に動作させるフォークシフタやサイドシフトフォーク等が知られている。油圧シリンダは、フォークリフトの機台に具備されたコントロールバルブと油圧配管を介して接続されている。油圧配管は、マスト構造体に取付けられる。
従来におけるフォークリフトの油圧配管取付構造としては、例えば特許文献1に記載されているように、油圧シリンダに圧油を供給するための油圧ホースを、マスト構造体の外側マストの上部に固定した状態でホース滑車に向けて引き回すようにしたものがある。
実用新案登録第3039210号公報
しかしながら、上記従来技術においては、中間マストを外側マストに対して昇降させ、内側マストを中間マストに対して昇降させたときに、油圧ホースがマスト構造体の上下方向に延びるチェーンに干渉して損傷する虞がある。
そこで本発明の目的は、昇降動作させたときに、油圧ホースがチェーンに干渉することを防止できるフォークリフトの油圧配管取付構造を提供することにある。
そこで、本発明は、アウタマストを有するマスト構造体と、マスト構造体に設けられた油圧アクチュエータに接続される油圧ホースとを備えたフォークリフトの油圧配管取付構造において、マスト構造体の上下方向に延びるチェーンと油圧ホースとの間に位置するように、アウタマストに固定され、油圧ホースをマスト構造体の上下方向に対してU字状に湾曲反転させるように引き回すためのガイド部材と、油圧ホースがマスト構造体の上下方向に対してU字状に湾曲反転するように引き回された状態で、油圧ホースをガイド部材に固定するホース固定手段とを備えることを特徴とする。
このような油圧配管取付構造において、油圧ホースをマスト構造体に取付けるときは、チェーンと油圧ホースとの間に位置するように、アウタマストに固定されたガイド部材に沿って、油圧ホースをマスト構造体の上下方向に対してU字状に湾曲反転させるように引き回し、その状態でホース固定手段により油圧ホースをガイド部材に固定する。このような構造では、アウタマストの内側のマストをアウタマストに対して昇降動作させたときに、ガイド部材は、油圧ホースを損傷する可能性のあるチェーンから油圧ホースを保護する干渉防止材としての機能を有することになる。これにより、油圧ホースがチェーンに干渉して損傷することが防止される。また、油圧ホースをガイド部材に沿ってU字状に湾曲反転させることにより、油圧ホースの適正な曲げ半径を確保しつつ、油圧ホースを容易に湾曲反転させて引き回すことができる。
また、ガイド部材は、アウタマストの背面に略平行な第1ガイド面と、第1ガイド面に対してマスト構造体の前後方向に屈曲するように一体化された第2ガイド面とを有し、ホース固定手段は、油圧ホースを第1ガイド面に固定する第1固定部と、油圧ホースを第2ガイド面に固定する第2固定部とを有することが望ましい。この場合には、油圧ホースをマスト構造体に取付けるとき、油圧ホースをガイド部材の第1ガイド面から第2ガイド面に向けて捻りながらU字状に湾曲反転させた状態で、油圧ホースの湾曲反転部の一方側部分を第1固定部により第1ガイド面に固定し、油圧ホースの湾曲反転部の他方側部分を第2固定部により第2ガイド面に固定する。このとき、第2ガイド面が第1ガイド面に対してマスト構造体の前後方向に屈曲されているので、オペレータの前方視野を広げることができる。
また、ガイド部材は、第1ガイド面及び第2ガイド面を有する断面略L字状の板状部材であることが望ましい。この場合には、板状部材を略L字状に折り曲げることで、第1ガイド面及び第2ガイド面を有するガイド部材を容易に製造することができる。これにより、ガイド部材の製造コストを低減することができる。
上述したように、本発明によれば、昇降動作させたときに、油圧ホースがチェーンに干渉することを防止できる。これにより、油圧ホースの損傷が防止されるため、油圧ホースの耐久性を向上させることができる。
以下、図面を参照して、本発明によるフォークリフトの油圧配管取付構造の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
図1は、本発明に係る油圧配管取付構造の一実施形態を備えたフォークリフトにおけるマスト構造体及び油圧ホースの構成を分かり易く示す模式図である。本実施形態のフォークリフト1は、3段式のマスト構造体2を備えている。
マスト構造体2は、図示しない機台の前面に立設されているアウタマスト3と、アウタマスト3の内側に位置してアウタマスト3に対して昇降可能なミドルマスト4と、ミドルマスト4の内側に位置してミドルマスト4に対して昇降可能なインナマスト5と、インナマスト5の前面に位置してインナマスト5に対して昇降可能なリフトブラケット6と、リフトブラケット6に装着されているアタッチメント7とを備えている。
アウタマスト3、ミドルマスト4、インナマスト5は、特に図示はしないが、それぞれ一対の側柱部と、一対の側柱部同士を結合するアッパータイビーム及びロアタイビームとを有する枠体構造となっている。また、アウタマスト3の側柱部内側にはミドルマスト4が上下方向に摺動可能に収納されており、ミドルマスト4の側柱部内側にはインナマスト5が上下方向に摺動可能に収納されている。
アウタマスト3には、コネクタ部11が設けられている。このコネクタ部11には、インナマスト5を昇降させるためのチェーン15の一端が連結されている。また、コネクタ部11には、フォークリフトの機台に搭載されたコントロールバルブユニット24に接続された油圧ホース17A,19Aと、これらの油圧ホース17A,19Aとそれぞれ繋がる油圧ホース17,19とが接続されている。なお、油圧ホース17,19,17A,19Aは、それぞれ2本ずつ有している(図1では、簡略化のため1本ずつのみ図示)。
アウタマスト3の下部に設けられているロアタイビーム8の両端には、ミドルマスト4を昇降させる油圧シリンダ9(図1では、簡略化のため1つのみ図示)がそれぞれ立設されている。油圧シリンダ9には、コントロールバルブユニット24に接続された油圧ホース26が接続されている。なお、油圧ホース26も2本有している(図1では、簡略化のため1つのみ図示)。油圧シリンダ9のピストンロッド9a上端は、ミドルマスト4の上部に設けられているアッパータイビーム10に固定されている。従って、油圧シリンダ9の伸縮動作によって、ミドルマスト4の昇降動作が行われる。
ミドルマスト4の上部には、チェーン15が掛装されるチェーン用プーリー16と、2本の油圧ホース17が掛装される2つの油圧ホース用プーリー18とが、並列的に取付けられている。また、ミドルマスト4の下部には、2本の油圧ホース19が掛装される2つの油圧ホース用プーリー20が取付けられている。この各油圧ホース用プーリー20は、その回転軸がマスト構造体2に対して前後方向を向くように並んで配置されている。そのため、各油圧ホース19は、各油圧ホース用プーリー18に掛装されて、ミドルマスト4の側柱部側から中央部に向かうよう配置される。
インナマスト5の下部には、上記チェーン15の他端が連結されている。上述したように、ミドルマスト4のチェーン用プーリー16にはチェーン15が掛装されているため、インナマスト5は、油圧シリンダ9の伸縮速度(ミドルマスト4の昇降速度)に対して2倍の速度で昇降動作するようになる。なお、インナマスト5をできるだけ高く上昇させるためには、チェーン用プーリー16及び油圧ホース用プーリー18はミドルマスト4の最上部に設けられるのが望ましく、チェーン15の他端はインナマスト5の最下部に連結されるのが望ましい。
インナマスト5の下部に設けられているロアタイビーム12の中央部には、リフトブラケット6を昇降させる油圧シリンダ13が立設されている。油圧シリンダ13のピストンロッド13aの上端には、リフトブラケット6を昇降させるためのチェーン21が掛装されるチェーン用プーリー22と、上記2本の油圧ホース19が掛装される2つの油圧ホース用プーリー23とが、並列的に取付けられている。また、インナマスト5の下部には、チェーン21の一端が連結されている。
リフトブラケット6の下部には、チェーン21の他端が連結されている。上述したように、チェーン用プーリー22にはチェーン21が掛装されているため、リフトブラケット6は、油圧シリンダ13の伸縮速度に対して2倍の速度で昇降動作するようになる。
また、リフトブラケット6には、アタッチメント7(ここでは1対のフォーク)を左右方向に移動させる油圧シリンダ14が搭載されている。油圧シリンダ14は、上記2本の油圧ホース19と接続されている。
各油圧ホース19は、ミドルマスト4に設けられた油圧ホース用プーリー20と油圧シリンダ13に取付けられた油圧ホース用プーリー23とに掛装されるとともに、アウタマスト3の上部でU字状に湾曲反転した状態で保持されている。各油圧ホース19は、マスト構造体2の前後方向に並ぶように油圧ホース用プーリー20に掛装される。また、各油圧ホース19の一端は、アウタマスト3に設けられたコネクタ部11と接続されており、各油圧ホース19の他端は、油圧シリンダ14と接続されている。各油圧ホース19は、マスト構造体2の左右方向に並ぶようにコネクタ部11に保持されている。
図2は、2本の油圧ホース19をマスト構造体2のアウタマスト3に取付けた状態を示す斜視図である。同図において、アウタマスト3の上部には、各油圧ホース19をマスト構造体2の上下方向に対してU字状に湾曲反転させて引き回すためのガイド部材30が設けられている。
ガイド部材30は、図3に示すように、金属板(鋼板)により形成されている。ガイド部材30は、断面略L字状の保護部31と、この保護部31と一体形成された上部ガイド固定部32とにより構成されている。
保護部31は、アウタマスト3の背面3bに略平行なガイド面31aと、アウタマスト3の側柱部3aの内側面3cに略平行なガイド面31bとを有している。つまり、ガイド面31bは、ガイド面31aに対してアウタマスト3の前面側に90度曲げられている。また、保護部31におけるガイド面31aとガイド面31bとの境界部分(角部)には、油圧ホース19に傷がつくのを防止するための面取りが形成されていることが好ましい。
保護部31のガイド面31aの下部とガイド面31bの中央部には、それぞれ2本の油圧ホース19が並べられた状態で固定されている。ガイド面31aの下部には、2つのボルト貫通用の穴33が形成され、ガイド面31bの中央部には、2つのボルト貫通用の穴34が形成されている。
上部ガイド固定部32は、アウタマスト3のアッパータイビーム27の下面にボルト等で固定されている。上部ガイド固定部32は、ガイド面31aの上端部からガイド面31bの反対側に90度曲げられている。
ガイド部材30のガイド面31aの下部は、ブラケット40を介してチェーンアンカ28に固定されている。なお、チェーンアンカ28は、チェーン15の一端を連結するための上記コネクタ11の一部を構成している。アウタマスト3のチェーンアンカ28に固定されたブラケット40は、ガイド部材30の裏側(ガイド面31aの反対側)まで延びている。ブラケット40には、4つのボルト貫通用の穴(図示せず)が形成されている。
ガイド部材30は、例えば金属平板を溶断等により型抜きした後、曲げ加工し、更に該当する箇所にボルト貫通用の穴等をあけることにより得られるため、安価な材料で容易に製造することが可能である。
このようなガイド部材30を用いて、油圧ホース19をマスト構造体2に取付けるときは、クランプ41,42により油圧ホース19をガイド部材30に固定する。
具体的には、図2及び図4に示すように、2本の油圧ホース19をマスト構造体2の上部位置まで上げ、各油圧ホース19をガイド部材30のガイド面31aからガイド面31bに向けて90度捻りながら、マスト構造体2の下方に向けて180度湾曲反転させる。そして、油圧ホース19の湾曲反転部25の一方側部分をクランプ41により狭持した状態で、ボルト35によりクランプ41をガイド部材30のガイド面31aに固定する。このとき、ボルト35は、クランプ41に形成された穴、ガイド部材30の穴33及びブラケット40に形成された穴を貫通した状態で、ナット35A(図5参照)にねじ込まれている。これにより、油圧ホース19、クランプ41、ガイド部材30がブラケット40に共締めされた状態となる。また、油圧ホース19の湾曲反転部25の他方側部分をクランプ42により狭持した状態で、ボルト36によりクランプ42をガイド部材30のガイド面31bに固定する。このとき、ボルト36は、クランプ42に形成された穴及びガイド部材30の穴34を貫通した状態で、ナット36A(図5参照)にねじ込まれている。
クランプ41及びクランプ42において油圧ホース19を狭持する面は、図5に示すように、狭持によって油圧ホース19が変形するのを最小限に抑えつつ、油圧ホース19をガイド部材30に確実に保持させるため、油圧ホース19の寸法に対応した曲面状の凹部になっているのが好ましい。
なお、上記の構造では、ボルト35,36及びナット35A,36Aを用いて、油圧ホース19をガイド部材30にクランプ41,42を介して固定したが、例えばガイド部材30の裏側にナットを配置するスペースが無いような場合には、ブラケット40やガイド部材30の保護部31に、ボルト35,36がねじ込まれるタップ穴を形成しても良い。また、上記の構造では、ガイド部材30の保護部31がブラケット40を介してチェーンアンカ28に固定されているが、保護部31はアウタマスト3に直接固定されても良く、別の部材等を介して間接的にアウタマスト3に固定されても良い。
引続いて、フォークリフト1のマスト構造体2の動作について説明する。全てのマストが最下端に降ろされた状態では、ミドルマスト4に設けられているチェーン用プーリー16、油圧ホース用プーリー18と、油圧ホース19の湾曲反転部25とが、ガイド部材30を隔てて、ほぼ同じ高さに位置している。
この状態から、マスト構造体2のミドルマスト4及びインナマスト5を昇降動作させる場合は、油圧シリンダ13に接続された油圧ホース17内の作動油の油圧と、油圧シリンダ9に接続された油圧ホース26内の作動油の油圧とを加減して、油圧シリンダ13及び油圧シリンダ9を伸縮させる。すると、油圧シリンダ13の伸縮に伴い、リフトブラケット6が昇降し、油圧シリンダ9の伸縮に伴い、ミドルマスト4及びインナマスト5が昇降する。
このとき、ミドルマスト4及びインナマスト5は、アウタマスト3に対して昇降動作をするため、ミドルマスト4及びインナマスト5に固定された部品(例えばチェーン15)とは異なる動作をするようになる。このとき、アウタマスト3に固定された油圧ホース19の湾曲反転部25がチェーン15に干渉すると、油圧ホース19の損傷が著しくなることがある。
本実施形態では、アウタマスト3にガイド部材30を固定し、このガイド部材30に油圧ホース19の湾曲反転部25を取付けた構造となっている。このような構造では、ミドルマスト4及びインナマスト5を昇降動作させたときに、ガイド部材30は、油圧ホース19を損傷させる可能性のあるチェーン15から油圧ホース19を保護する干渉防止材としての機能を果たすことになる。これにより、油圧ホース19がチェーン15に干渉して損傷することは無い。
また、アタッチメント7を動作させる場合は、油圧ホース19内の作動油の油圧を加減して、油圧シリンダ14を伸縮させる。すると、この油圧シリンダ14の伸縮に伴い、アタッチメント7が左右方向に移動する。
ここで、油圧ホース19は弾力性を有するため、油圧ホース19内の作動油の油圧に変化が生じると、油圧ホース19に膨張伸縮等が生ずる。このため、油圧ホース19の湾曲反転部25の形状が大きく変化する場合がある。
しかし、本実施形態では、チェーン15と油圧ホース19との間にガイド部材30が配置されているため、油圧ホース19内の作動油の油圧が高くなって油圧ホース19の湾曲反転部25が膨張したとしても、湾曲反転部25がチェーン15に干渉することは無い。
ここで、本実施形態との比較のため、従来一般の油圧配管取付構造を図6に示す。なお、本実施形態と同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
図6に示すように、図示しないアタッチメントと接続される油圧ホース50a及び50bは、途中でコネクタ部53及び54によって金属パイプ51と接合されている。
金属パイプ51は、特定形状を保持できる剛性を有するものであり、チェーン用プーリー16、チェーン用プーリー16に掛装されているチェーン15、油圧ホース用プーリー18、油圧ホース用プーリー18に掛装されている油圧ホース17等と干渉しないように、予めU字状に湾曲反転された形状に成形されている。そして、金属パイプ51は、アウタマスト3のアッパータイビーム27にクランプ52で固定されている。
このような従来一般の油圧配管取付構造では、油圧ホース50a,50bと金属パイプ51とがコネクタ部53,54によって溶接接合されているため、コネクタ部53,54に隙間が生じて作動油が漏れるおそれがある。また、一般に金属パイプは油圧ホースに比べて高価であるため、油圧ホースのみでU字状に湾曲反転させた場合に比べてコストが高くなってしまう。
これに対して、本実施形態の油圧配管取付構造では、上述したように、干渉防止機能を兼ねたガイド部材30を設け、油圧ホース19をアウタマスト3に取付けるときは、アウタマスト3に固定されたガイド部材30に沿って、油圧ホース19を上下方向に延在させると共にU字状に湾曲反転させるように取り回し、その状態でクランプ41とクランプ42により油圧ホース19をガイド部材30に固定する。このとき、油圧ホース19をガイド部材30のガイド面31a,31bに沿って引き回すので、油圧ホース19の最小曲げ半径を確保しつつ、油圧ホース19を簡単にU字状に湾曲反転させることができる。
このように、油圧ホース19をU字状に湾曲反転させた状態でガイド部材30に保持することにより、油圧ホース19の湾曲反転部25がチェーン15に干渉して損傷することを防止できる。このため、図6に示す構造のように、アウタマスト3の上部で油圧ホース19を反転させるために、油圧ホース19に金属パイプを接合させる必要が無くなる。これにより、作動油の漏れが発生しにくくなり、油圧ホース19の耐久性を向上させることができる。また、油圧ホースに比べて高価な金属パイプを使用しないので、部品点数が削減されると共に、金属パイプを1本1本曲げたり、油圧ホースと溶接する必要も無いので、コスト削減を図ることができる。
また、上述したように、油圧ホース19は、マスト構造体2の前後方向に並ぶように油圧ホース用プーリー20に掛装されていると共に、マスト構造体2の左右方向に並ぶようにコネクタ部11に接続されている。このとき、油圧ホース用プーリー20がガイド部材30のガイド面31bに対応する位置にあり、コネクタ部11がガイド部材30のガイド面31aに対応する位置にある場合には、油圧ホース19の湾曲反転部25の一方側部分は、コネクタ部11に向けて下方にまっすぐ延び、油圧ホース19の湾曲反転部25の他方側部分は、油圧ホース用プーリー20に向けて下方にまっすぐ延びるようになる。このため、油圧ホース19に与えるストレスを最小限に抑えることができる。また、ガイド部材30のガイド面31bは、アウタマスト3の側柱部3aの内側面3cに平行になるようにガイド面31aに対して前方に屈曲しているので、オペレータの前方視野を広げることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、ガイド部材30は金属板で形成されているものとしたが、ガイド部材30の保護部は網材で形成しても良い。このとき、例えば、剛性のある枠によって保護部の外形を形成し、その内部に網材を張り、更にクランプ等により油圧ホース19を固定する部分を設ければ良い。このように網材で保護部を形成した場合は、オペレータの前方視野を一層広げることができる。なお、網材の目の細かさ等は適宜選択されるものであり、鋼材の形状としては、格子状や線状など、オペレータが前方を見通せるものであれば如何なるものであっても良い。
また、ガイド部材30の保護部31は、必ずしも断面略L字状に限らず、例えば、断面U字状、断面曲面状であっても良い。
さらに、上記実施形態は、アウタマスト、ミドルマスト、インナマストを有する3段式のマスト構造体を備えたフォークリフトに適用したものであるが、本発明の油圧配管取付構造は、アウタマスト及びインナマストを有する2段式のマスト構造体を備えたフォークリフトにも適用可能である。
本発明に係る油圧配管取付構造の一実施形態を備えたフォークリフトの3段式のマスト構造体を示す模式図である。 図1に示す油圧ホースをマスト構造体に取付ける構造を示す斜視図である。 図2に示すガイド部材の斜視図である。 図3に示すガイド部材に油圧ホースを固定した状態を示す斜視図である。 図3に示すガイド部材に油圧ホースを固定した状態を示す平面図である。 油圧配管をマスト構造体に取付ける従来一般の構造を示す斜視図である。
符号の説明
1…フォークリフト、2…マスト構造体、3…アウタマスト、14…油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)、15…チェーン、19…油圧ホース、27…湾曲反転部、30…ガイド部材、31…保護部、31a…ガイド面(第1ガイド面)、31b…ガイド面(第2ガイド面)、33…穴(第1固定部、ホース固定手段)、34…穴(第2固定部、ホース固定手段)、35…ボルト(第1固定部、ホース固定手段)、36…ボルト(第2固定部、ホース固定手段)、41…クランプ(第1固定部、ホース固定手段)、42…クランプ(第2固定部、ホース固定手段)。





Claims (3)

  1. アウタマストを有するマスト構造体と、前記マスト構造体に設けられた油圧アクチュエータに接続される油圧ホースとを備えたフォークリフトの油圧配管取付構造において、
    前記マスト構造体の上下方向に延びるチェーンと前記油圧ホースとの間に位置するように、前記アウタマストに固定され、前記油圧ホースを前記マスト構造体の上下方向に対してU字状に湾曲反転させるように引き回すためのガイド部材と、
    前記油圧ホースが前記マスト構造体の上下方向に対してU字状に湾曲反転するように引き回された状態で、前記油圧ホースを前記ガイド部材に固定するホース固定手段とを備えることを特徴とするフォークリフトの油圧配管取付構造。
  2. 前記ガイド部材は、前記アウタマストの背面に略平行な第1ガイド面と、前記第1ガイド面に対して前記マスト構造体の前後方向に屈曲するように一体化された第2ガイド面とを有し、
    前記ホース固定手段は、前記油圧ホースを前記第1ガイド面に固定する第1固定部と、前記油圧ホースを前記第2ガイド面に固定する第2固定部とを有することを特徴とする請求項1に記載のフォークリフトの油圧配管取付構造。
  3. 前記ガイド部材は、前記第1ガイド面及び前記第2ガイド面を有する断面略L字状の板状部材であることを特徴とする請求項2記載のフォークリフトの油圧配管取付構造。

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