JP2004168520A - フォークリフトのアタッチメント装置用油圧配管構造におけるホース保持部材 - Google Patents
フォークリフトのアタッチメント装置用油圧配管構造におけるホース保持部材 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】マストホースのインナマストからフリーリフトシリンダに至るホースの方向転換箇所においてホースを湾曲状に固定保持させることの可能なホース保持部材を実現することにより、油圧配管構造の接続部からの油漏れを防止する。
【解決手段】インナマスト3に取付けられたボス部材23を介してホルダ部材15bがインナマスト3の固定部に固定される。ホルダ部材15bのマストホース8b側の端部には、垂直部と水平部の二つの面と、その間の湾曲面とによって構成される略L字状の湾曲形成部材15aが固着されており、この湾曲形成部材15aによってマストホース8bが緩やかな湾曲線を描いて方向転換されながら保持される。ホース押さえ部材15cによって、マストホース8bが湾曲形成部材15aから離脱するのが防止される。
【選択図】 図2
【解決手段】インナマスト3に取付けられたボス部材23を介してホルダ部材15bがインナマスト3の固定部に固定される。ホルダ部材15bのマストホース8b側の端部には、垂直部と水平部の二つの面と、その間の湾曲面とによって構成される略L字状の湾曲形成部材15aが固着されており、この湾曲形成部材15aによってマストホース8bが緩やかな湾曲線を描いて方向転換されながら保持される。ホース押さえ部材15cによって、マストホース8bが湾曲形成部材15aから離脱するのが防止される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、フォークリフトのアタッチメント装置用油圧アクチュエータに用いられる油圧配管構造におけるホース保持部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、フリーリフト式フォークリフト又は三段マスト式フォークリフトは、左右のアウタマスト後方に各一本のリフトシリンダを備えるほか、左右のインナマスト中間部にさらに一本のフリーリフトシリンダを備えており、そのフリーリフトシリンダに沿ってアタッチメント装置用の配管が設けられている。
【0003】
以下、図7に基づき、三段マスト式フォークリフトに備えられたアタッチメント装置用の油圧配管構造を例に説明する。左右のインナマスト3間には、該インナマスト3に沿って昇降する図示しないリフトブラケットに装着されるアタッチメント装置を昇降させるためのフリーリフトシリンダ6が配置されている。フリーリフトシリンダ6はその下端部がインナマスト3の下部を結合するロアタイビーム3aによって支持され、上部側は図示しないシリンダサポートによってインナマスト3のミドルタイビーム3bの前面に固定されている。
【0004】
フリーリフトシリンダ6のロッド6a上端部には複数のホースプーリ6bが設けられ、各ホースプーリ6bにホース80aが掛装されている。そして、ホースプーリ6bの前側を通る複数本のホース80aは、フリーリフトシリンダ6の前側に沿って下方へ垂下後、その端部が図示しないアタッチメント装置の油圧アクチュエータにコネクタを介して接続される。一方、ホースプーリ6bの後側を通るホース80aは、フリーリフトシリンダ6の背面側においてジョイント81、パイプ82、ジョイント83、ホース80bの順に接続され、さらにホース80bはインナマスト3の下部に固定されたコネクタ84に接続されている。
【0005】
即ち、ホースプーリ6bとマスト下部のコネクタ84との間を結ぶ配管は、ホース80aとパイプ82とホース80b及びそれらを接続する二個のジョイント81、83とによって構成されている。この構成は、リフトシリンダ6の上部を支えるシリンダサポートがミドルタイビーム3bの前面に固着されているため、リフトシリンダ6とミドルタイビーム3bとの間に空間部が形成できず、リフトシリンダ6に沿った真っ直ぐな配管敷設を妨害するため、ミドルタイビーム3bの背後にパイプ82にて配管したものである。さらにパイプ82はクランプ85aによって、ミドルタイビーム3bの背面に固定され、該パイプ82と連結するホース80bはクランプ85bによってフリーリフトシリンダ6に固定されている。また、コネクタ84はホース80cに接続されており、ホース80cはアウタマストに沿って昇降するミドルマストに取付けられたホースプーリを経由して車体側のオイルコントロールバルブに接続される。
【0006】
ところが、上述の油圧配管構造の場合、ホースプーリ6bの後側を通ってインナマスト3下部のコネクタ84に至るまでの配管の構成部品が多く、配管敷設の作業性が悪く、しかも配管途中にジョイント81、83が存在するため、その接続部において油漏れの可能性があった。
【0007】
そこで、インナマスト3のミドルタイビーム3b背面にホースガイドプレート等を設け、これによりミドルタイビーム3b背後のパイプ配管部分をホースに置換して、ホース単独でホースプーリ6bからインナマスト3下部に固定されたコネクタ84までの配管を構成し、ジョイント81、83部分を不要にして、その部分からの油漏れをなくす方法が採用されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−38297号公報(第3−4頁、第1−4図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ジョイント81、83部分と同様にコネクタ84部分においても、油漏れの可能性を解決する必要があり、特にコネクタ84部分では、ミドルマスト等の上部に備えられたホースプーリに至るホース80cがインナマスト3の昇降に追従するためにその昇降作動に伴う収縮及び引っ張り作用が働いて、コネクタ84とホース80cとの接続部からの油漏れの可能性が残されるという問題があった。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みて、マストホースのインナマストからフリーリフトシリンダに至るホース部分の方向転換箇所において、ホースのインナマスト側固定部であるコネクタに替えてホースを保持させることの可能なホース保持部材を提供することにより、少なくともフリーリフトシリンダのホースプーリからアウタマストに沿って昇降する部材に取付けられたホースプーリに至る間のコネクタ部分をホースで敷設可能にし、油圧配管構造の接続部からの油漏れを防止することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明では、アウタマストに対して昇降するインナマストにアタッチメント装置を昇降動させるフリーリフトシリンダが配置され、該フリーリフトシリンダのロッド端に取付けられたホースプーリに掛装されて下方へ垂下するとともに一端がアタッチメント装置の油圧アクチュエータに接続し、他端が該フリーリフトシリンダの背面側を経てインナマスト側に至った後、アウタマストに沿って昇降する部材に取付けられたホースプーリを経由して機台側のオイルコントロールバルブに接続したアタッチメント装置用油圧配管構造におけるホース保持部材であって、前記フリーリフトシリンダの背面側からインナマスト側に至る間の油圧配管をホースにて形成し、そのホースを保持するホース保持部材が、該ホースを湾曲形状にて保持する湾曲形成部と、インナマストに取付けられるホルダ部とより構成されていることを要旨とする。
【0012】
この発明によると、フリーリフトシリンダからインナマストに至る間のホース部分が、ホース保持部材の湾曲形成部によって保持されることによりホースを所望の状態(緩やかな曲線を描いた状態)に湾曲させることができ、この状態でホルダ部を介してインナマストのフランジ部等に取付けることができる。
【0013】
請求項2の発明では、ホース保持部材は、前記湾曲形成部と前記ホルダ部とは一体形成されていることを要旨とする。
【0014】
この発明によると、ホース敷設時に少なくとも一個のホース保持部材をマスト等に取り付けるのみでホースに張力を持たせた状態で敷設でき作業性が良い。
【0015】
請求項3の発明では、前記ホース保持部材は、前記湾曲形成部より前記ホースが離脱するのを防止するホース押さえ部を備えていることを要旨とする。
【0016】
この発明によると、例えば、マストの昇降動作に伴う振動等により湾曲形成部からホースが離脱しようとしてもホース押さえ部によって離脱が防止される。
【0017】
請求項4の発明では、前記ホースは、前記ホース保持部材により、インナマスト及び前記左右のインナマストを下部で連結するロアタイビームの二箇所で湾曲保持されることによって、略U字状に配されることを要旨とする。
【0018】
この発明によると、例えばインナマスト側だけに固定されていた場合では、マスト昇降動作に伴う振動等に伴い配管が揺れる等して他のマスト構成部材と干渉したり、ホースの曲げが一箇所に集中することにより、曲げ部の曲率が大きくなり、曲げ部にかかる油の圧力が高圧となって配管を損傷する等のおそれがあるが、インナマストとロアタイビームの複数箇所で固定しU字状に配することにより他のマスト構成部材との干渉が防止され、また、ホースの曲率も小さく抑えるように調整が容易となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第一実施形態)
以下、本発明を三段マスト式フォークリフトのアタッチメント装置に用いられる油圧配管構造におけるホース保持部材に適用した実施形態を図1〜図6(a)に基づいて説明する。但し、従来技術と同一の構成部材については同一符号を引用する。
【0020】
図1は三段マストの構成及び機台側のオイルコントロールバルブと、リフトブラケット側に装備される各種アタッチメント装置(サイドシフト装置やクランプ装置)に装備される油圧アクチュエータ(油圧シリンダや油圧モータ)とを接続するアタッチメント装置用油圧配管構造を示す概略説明図である。なお、図示はしないがマスト内にはアタッチメント装置用油圧配管構造とは別に、リフトシリンダ及びフリーリフトシリンダ昇降のための荷役用油圧配管構造も備えられている。
【0021】
フォークリフトの機台前部に立設される左右一対のアウタマスト1の内側には、左右一対のミドルマスト2が昇降可能に取付けられ、さらにミドルマスト2の内側には左右一対のインナマスト3が昇降可能に取付けられ、さらにインナマスト3の内側にはアタッチメント装置10が装着されるリフトブラケット4が昇降可能に取付けられている。
【0022】
左右のアウタマスト1を連結するロアタイビーム1aには、リフトシリンダ5が立設されている。このリフトシリンダ5のピストンロッド5aがミドルマスト2のアッパタイビーム2aに連結されてミドルマスト2を昇降させる一方、ミドルマスト2に備えられた図示しないチェーンホイールに掛装されたリフトチェーン20を介してインナマスト3をミドルマスト2の二倍の速度で昇降させるようになっている。
【0023】
インナマスト3は、基部3dと該基部3dの前後端に設けられたフランジ部3eとより構成され、断面視略コの字状をなしている。また、左右のインナマスト3間の中央部にはリフトブラケット4昇降用のフリーリフトシリンダ6が設置されている。このフリーリフトシリンダ6はインナマスト3のロアタイビーム3aに立設されており、フリーリフトシリンダ6のピストンロッド6aに設けたチェーンホイール6cに掛装されたリフトチェーン21を介してリフトブラケット4をインナマスト3に沿って昇降させるようになっている。
【0024】
油圧配管構造8としては、機台側に固定されたオイルコントロールバルブ7に接続されたホース8aが、アウタマスト1中間部でコネクタ9aを介してマストホース8bに接続される。マストホース8bはアウタマスト1に沿って固定され、アウタマストに沿って昇降する部材としてのミドルマスト2に設けられたホースプーリ2bに掛装されるとともに、インナマスト3下部に至り、ここでホース保持部材15、16により湾曲形状に屈曲されながらインナマスト3、ロアタイビーム3aに保持され、さらにフリーリフトシリンダ6の背面に沿って配管される。
【0025】
その後マストホース8bは、複数のクランプ部材13a、13b、13cによってガイドプレート12、ミドルタイビーム3b、フリーリフトシリンダ6にそれぞれ固定されて、フリーリフトシリンダ6のピストンロッド6a端部に設けられたホースプーリ6bに掛装されるとともに、その先端がフリーリフトシリンダ6の前側に沿って下方へ垂下後、その端部がリフトブラケット4に固定されたコネクタ9b、コネクタパイプ9cを介してアタッチメント装置10の油圧アクチュエータ11に接続されている。上述のようにアタッチメント装置の油圧配管構造8は、ホース8a、マストホース8b、コネクタ9a、9b、コネクタパイプ9c、ホース保持部材15、16によって構成される。
【0026】
なお、図1においては、説明の便宜上、油圧配管構造8のホース8a、8bを単一の配管で図示しているが、通常の場合、ホース8a、8bは一つの油圧アクチュエータ11に対して給油用と戻油用の二本で一組とされ、装備される油圧アクチュエータ11の数に対応した複数組が配管される。
【0027】
次に、上述したホース保持部材15、16の構造について図3〜6に基づいて詳細に説明する。インナマスト3のフランジ部3e側に取付けられるホース保持部材15は、湾曲形成部としての湾曲面を備えた略L字状の湾曲形成部材15aと、その部材15aを保持するホルダ部としてのホルダ部材15bと、湾曲形成部材5aからマストホース8bが離脱するのを防止するホース押さえ部としてのホース押さえ部材15cとより構成される(図3、図5、図6(a)参照)。
【0028】
インナマスト3の後部フランジ部3e側面におけるロアタイビーム3aとミドルタイビーム3b間の適宜位置には、前記ホルダ部材15bの固定部としてのボス部材23が取付けられており、このボス部材23は、該フランジ部3eの側面又は背面に溶接等によって固着されている。また、ボス部材23には、ボルト孔23aが穿設されており、このボルト孔23aと前記ホルダ部材15bのボルト孔15dとを合致させ、ボルト22にて締着することにより、ホルダ部材15bがインナマスト3に固定される。また、一端にボルト孔15dが、他端に湾曲形成部材15a取付面が形成されたホルダ部材15bの形状を略S字状とすることにより、ホース保持部材15全体がインナマスト3の後部フランジ3e背面側に配設されたリフトチェーン20と干渉しないように位置調整されている。
【0029】
ホルダ部材15bのマストホース8b側の端部には、垂直部と水平部の二つの面と、その間の湾曲面とによって構成される略L字状の湾曲形成部材15aが固着されており、この湾曲形成部材15aによってマストホース8bが緩やかな湾曲線を描いて方向転換されながら保持される。図中15cは、ホース押さえ部材であって、コの字状の棒材よりなり、湾曲形成部材15aの水平部に取付けられており、該水平部より突出する両端部にて、湾曲形成部材15に沿って配設されるマストホース8bの側方を係止し、マストホース8bが湾曲形成部材15aから離脱するのを防止している。
【0030】
次に、ロアタイビーム3aを介してインナマスト3に取付けられるホース保持部材16について詳述すると、このホース保持部材16は、前述したホース保持部材15と同様に、湾曲形成部としての湾曲面を備えた略L字状の湾曲形成部材16aと、ホルダ部を備えたホルダ部材16bと、湾曲形成部よりマストホース8bが離脱するのを防止するホース押さえ部としてのホース押さえ部材16cとより構成される(図3、図4参照)。
【0031】
前記ホルダ部材16bは、下端にボルト孔16dが穿設された縦方向に長い縦部160と、該縦部160の上端から水平方向に折り曲がったホルダ部161とで略L字状を成しており、縦部160のボルト孔16dをロアタイビーム3aのフリーリフトシリンダ6後方適宜位置に穿設されたボルト孔31aに合わせボルト22に締着することによって立設される。前記ホルダ部161には、湾曲形成部材16aの水平部が取付けられており、湾曲形成部材16aによってマストホース8bが湾曲された状態で保持される。また湾曲形成部材16aの垂直部には、コの字状の棒材より成るホース押さえ部材16cが取付けられており、該垂直部より突出する両端部にて、湾曲形成部材16aに沿って配設されるマストホース8bの側方を係止し、マストホース8bが湾曲形成部材16aから離脱するのを防止している。
【0032】
なお、上述した湾曲形成部材15a、16a、ホルダ部材15b、16b、ホース押さえ部材15c、16cの各部材は、マストホース8bの弾力性やマストホース8bに油圧がかかった時のマストホース8bの膨張等によって、組付けられた状態で密着するため、部材相互が離れることがないので、必ずしも各部材相互を溶接等によって予め固着して組付けする必要はなく、マストホース8bを敷設する作業時にそれぞれ組付けすることも可能である。
【0033】
上述のように構成されることにより、マストホース8bのインナマスト3からフリーリフトシリンダ6に至る部分は、ロアタイビーム3aと略平行になるようにホース保持部材15によって湾曲を描きながら保持され、さらにフリーリフトシリンダ6に向ってホース保持部材16によって再度湾曲されながら保持されて、インナマスト3とフリーリフトシリンダ6間において略U字状に配される。
【0034】
第一実施形態では以下の効果が得られる。
(1)インナマスト3からフリーリフトシリンダ6に至る間の方向転換箇所に、コネクタ等の継手部材を用いることなく方向転換の可能なホース保持部材15、16を実現することにより、ホース8a、8b単独での油圧配管構造8を実現し、油圧配管構造8の接続部からの油漏れが防止される。また、油圧配管構造8の構成部材数を減少させることができる。
【0035】
(2)湾曲形成部15a、16aは、ホルダ部材15b、16bを介することにより、インナマスト3のフランジ部3e、ロアタイビーム3a等、従来直接マストホース8bを保持させることが構造上難しいとされていた箇所にも取付けることが可能になった。
【0036】
(3)インナマスト3の昇降動作に伴う振動等により湾曲形成部材15a、16aからマストホース8bが離脱しようとしてもホース押さえ部15c、16cによって離脱が防止される。
【0037】
(4)マストホース8bの方向転換箇所は、ホース保持部材15、16によってホース8bを広い領域にわたって緩やかな状態で湾曲させることが可能となり、マストホース8bの方向転換箇所の曲率を小さく抑えたことにより、マストホース8bの湾曲形成部領域に高圧の圧油を集中することがなく、ホースの耐久性向上に貢献できる。
【0038】
(5)ホルダ部材15bを略S字状とすることにより、リフトチェーン20とマストホース8bとを、マスト背面と車体前端部との間において前後方向に対して両部材が干渉しない位置に直列配置可能となり、マストホース8bをインナマスト3のフランジ部3e背後の前方視野デッドスペース領域内に納めることができる。
【0039】
次に、第一実施形態とはホース保持部材15の構成の異なる他の実施形態を第二実施形態〜第四実施形態として説明する。各実施形態におけるマスト構造、油圧配管構造は第一実施形態と同様であるので、同じ構成部には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0040】
(第二実施形態)
図6(b)に示す第二実施形態では、ホース保持部材17は、湾曲形成部とホルダ部とが一体形成されて、マストホース8b二本分の幅に比較して幅広に構成された湾曲形成部材17aより構成される。湾曲形成部材17aのインナマスト3側には、ホルダ部としての取付用のボルト孔17dが形成される。
【0041】
この構成によると、湾曲形成部材17aがマストホース8bに比較して幅広に構成されているためホース押さえ部材を備えなくても湾曲形成部材17aからのマストホース8bの離脱が防止される。また、湾曲形成部とホルダ部とが一部材として構成できるため、ホース保持部材17の構成部材の数を第一実施形態と比較して減少させることができる。
【0042】
(第三実施形態)
図6(c)に示す第三実施形態では、ホース保持部材18は、湾曲形成部としての湾曲形成部材18aとホルダ部及びホース押さえ部としてのホルダ部材18bとより構成される。ホルダ部材18bは、取付用のボルト孔18dを備えた略I字状のホルダ部180とホース側面を挟持する一対のホース押さえ部181とが一体形成されている。
【0043】
この構成では、ホース保持部材18はホース押さえ部材を別に備える必要がなく、第一実施形態に比較して構成部材の数を減少させることができる。
【0044】
(第四実施形態)
第四実施形態では、インナマスト3に形成した固定部であるボス部材23及びロアタイビーム3aに穿設されるボルト孔23a、31aを垂直方向または水平方向の長孔形状にして、ホース保持部材15〜18を上下、前後、左右に調節可能に取付けられるようにしている。この構成では、マストホース8bにテンション作用を付与することができる。
【0045】
上記実施形態は、次のように変更して実施することも可能である。
【0046】
○上記実施形態においては、三段マスト式フォークリフトの油圧配管構造8におけるホース保持部材に本発明を適用しているが、これに限られず例えばフルフリー式二段マストの油圧配管構造に適用することも可能である。二段マストの場合、アウタマストに沿って昇降する部材はインナマストとなり、油圧配管はこのインナマストに設けられたホースプーリを経由することになる。
【0047】
○上記実施形態において、油圧配管構造8は配管の敷設作業の便宜上、ホース8aとマストホース8bの別部材をコネクタ9aで接続して構成されているが、本発明のホース保持部材を用い、コネクタ9aを廃止して一本のマストホースで構成することも可能であり、これによりマスト構成部材の数を減少させることができる。
【0048】
○上記実施形態において、ホルダ部材15b、16b、18bの形状は、略S字状、略L字状、略I字状等であったがこれに限られるものではなく、他の部材と干渉せず、マストホース8bを適切な位置に保持できるものであれば、様々な形状が採用できる。
【0049】
○上記実施形態では湾曲形成部材15a〜18aは一部円弧状となっているが、全体が円弧状であってもよいし、例えば、U字状、断面皿型状など、厳密には円弧状といわない場合であってもホースを湾曲させるのに適した形状であれば請求項にいう湾曲形成部に広く含まれる。
【0050】
○上記実施形態において、マストホース8bは、インナマスト3とロアタイビーム3aにそれぞれ取付けられたホース保持部材15、16によって保持されているが、ホース保持部材15〜18の個数は、例えば、インナマスト3側のみ、或はロアタイビーム3a側のみであっても良く、また3個以上であっても良い。
【0051】
○上記実施形態においては、ホース保持部材15、17、18はインナマスト3のフランジ部3e先端に取付けるが、これに限定されず、例えばインナマスト3のフランジ部3e外側面等に取付けることも可能である。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、マストホースのインナマストからフリーリフトシリンダに至るホースの方向転換箇所においてコネクタ等に替えてホースを湾曲状に固定保持させることの可能なホース保持部材を実現することにより、少なくともフリーリフトシリンダのホースプーリからアウタマストに沿って昇降する部材に取付けられたホースプーリに至る間のコネクタ部分をホースで敷設可能にし、油圧配管構造の接続部からの油漏れが防止される。
【0053】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態における三段マスト式フォークリフトのマスト構造及び油圧配管構造を示す模式図である。
【図2】本発明の第一実施形態におけるインナマストを背面方向から示した図である。
【図3】本発明の図1におけるA−A線断面図である。
【図4】本発明における第一実施形態の保持部材の斜視図である。
【図5】本発明の図1におけるB−B線方向からインナマストに取付けられた保持部材を見た図である。
【図6】(a)本発明における第一実施形態の保持部材の斜視図である。
(b)本発明における第二実施形態の保持部材の斜視図である。
(c)本発明における第三実施形態の保持部材の斜視図である。
【図7】従来技術におけるインナマストを背面方向から示した図である。
【符号の説明】
1 アウタマスト
3 インナマスト
3a インナマストのロアタイビーム
3e インナマストのフランジ部
6 フリーリフトシリンダ
6b ホースプーリ
7 オイルコントロールバルブ
8 アタッチメント装置用油圧配管構造
10 アタッチメント装置
11 油圧アクチュエータ
15、16、17、18 ホース保持部材
15a、16a、17a、18a、 湾曲形成部としての湾曲形成部材
15b、16b、18b、 ホルダ部としてのホルダ部材
15c、16c ホース押さえ部材。
【発明が属する技術分野】
本発明は、フォークリフトのアタッチメント装置用油圧アクチュエータに用いられる油圧配管構造におけるホース保持部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、フリーリフト式フォークリフト又は三段マスト式フォークリフトは、左右のアウタマスト後方に各一本のリフトシリンダを備えるほか、左右のインナマスト中間部にさらに一本のフリーリフトシリンダを備えており、そのフリーリフトシリンダに沿ってアタッチメント装置用の配管が設けられている。
【0003】
以下、図7に基づき、三段マスト式フォークリフトに備えられたアタッチメント装置用の油圧配管構造を例に説明する。左右のインナマスト3間には、該インナマスト3に沿って昇降する図示しないリフトブラケットに装着されるアタッチメント装置を昇降させるためのフリーリフトシリンダ6が配置されている。フリーリフトシリンダ6はその下端部がインナマスト3の下部を結合するロアタイビーム3aによって支持され、上部側は図示しないシリンダサポートによってインナマスト3のミドルタイビーム3bの前面に固定されている。
【0004】
フリーリフトシリンダ6のロッド6a上端部には複数のホースプーリ6bが設けられ、各ホースプーリ6bにホース80aが掛装されている。そして、ホースプーリ6bの前側を通る複数本のホース80aは、フリーリフトシリンダ6の前側に沿って下方へ垂下後、その端部が図示しないアタッチメント装置の油圧アクチュエータにコネクタを介して接続される。一方、ホースプーリ6bの後側を通るホース80aは、フリーリフトシリンダ6の背面側においてジョイント81、パイプ82、ジョイント83、ホース80bの順に接続され、さらにホース80bはインナマスト3の下部に固定されたコネクタ84に接続されている。
【0005】
即ち、ホースプーリ6bとマスト下部のコネクタ84との間を結ぶ配管は、ホース80aとパイプ82とホース80b及びそれらを接続する二個のジョイント81、83とによって構成されている。この構成は、リフトシリンダ6の上部を支えるシリンダサポートがミドルタイビーム3bの前面に固着されているため、リフトシリンダ6とミドルタイビーム3bとの間に空間部が形成できず、リフトシリンダ6に沿った真っ直ぐな配管敷設を妨害するため、ミドルタイビーム3bの背後にパイプ82にて配管したものである。さらにパイプ82はクランプ85aによって、ミドルタイビーム3bの背面に固定され、該パイプ82と連結するホース80bはクランプ85bによってフリーリフトシリンダ6に固定されている。また、コネクタ84はホース80cに接続されており、ホース80cはアウタマストに沿って昇降するミドルマストに取付けられたホースプーリを経由して車体側のオイルコントロールバルブに接続される。
【0006】
ところが、上述の油圧配管構造の場合、ホースプーリ6bの後側を通ってインナマスト3下部のコネクタ84に至るまでの配管の構成部品が多く、配管敷設の作業性が悪く、しかも配管途中にジョイント81、83が存在するため、その接続部において油漏れの可能性があった。
【0007】
そこで、インナマスト3のミドルタイビーム3b背面にホースガイドプレート等を設け、これによりミドルタイビーム3b背後のパイプ配管部分をホースに置換して、ホース単独でホースプーリ6bからインナマスト3下部に固定されたコネクタ84までの配管を構成し、ジョイント81、83部分を不要にして、その部分からの油漏れをなくす方法が採用されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−38297号公報(第3−4頁、第1−4図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ジョイント81、83部分と同様にコネクタ84部分においても、油漏れの可能性を解決する必要があり、特にコネクタ84部分では、ミドルマスト等の上部に備えられたホースプーリに至るホース80cがインナマスト3の昇降に追従するためにその昇降作動に伴う収縮及び引っ張り作用が働いて、コネクタ84とホース80cとの接続部からの油漏れの可能性が残されるという問題があった。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みて、マストホースのインナマストからフリーリフトシリンダに至るホース部分の方向転換箇所において、ホースのインナマスト側固定部であるコネクタに替えてホースを保持させることの可能なホース保持部材を提供することにより、少なくともフリーリフトシリンダのホースプーリからアウタマストに沿って昇降する部材に取付けられたホースプーリに至る間のコネクタ部分をホースで敷設可能にし、油圧配管構造の接続部からの油漏れを防止することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明では、アウタマストに対して昇降するインナマストにアタッチメント装置を昇降動させるフリーリフトシリンダが配置され、該フリーリフトシリンダのロッド端に取付けられたホースプーリに掛装されて下方へ垂下するとともに一端がアタッチメント装置の油圧アクチュエータに接続し、他端が該フリーリフトシリンダの背面側を経てインナマスト側に至った後、アウタマストに沿って昇降する部材に取付けられたホースプーリを経由して機台側のオイルコントロールバルブに接続したアタッチメント装置用油圧配管構造におけるホース保持部材であって、前記フリーリフトシリンダの背面側からインナマスト側に至る間の油圧配管をホースにて形成し、そのホースを保持するホース保持部材が、該ホースを湾曲形状にて保持する湾曲形成部と、インナマストに取付けられるホルダ部とより構成されていることを要旨とする。
【0012】
この発明によると、フリーリフトシリンダからインナマストに至る間のホース部分が、ホース保持部材の湾曲形成部によって保持されることによりホースを所望の状態(緩やかな曲線を描いた状態)に湾曲させることができ、この状態でホルダ部を介してインナマストのフランジ部等に取付けることができる。
【0013】
請求項2の発明では、ホース保持部材は、前記湾曲形成部と前記ホルダ部とは一体形成されていることを要旨とする。
【0014】
この発明によると、ホース敷設時に少なくとも一個のホース保持部材をマスト等に取り付けるのみでホースに張力を持たせた状態で敷設でき作業性が良い。
【0015】
請求項3の発明では、前記ホース保持部材は、前記湾曲形成部より前記ホースが離脱するのを防止するホース押さえ部を備えていることを要旨とする。
【0016】
この発明によると、例えば、マストの昇降動作に伴う振動等により湾曲形成部からホースが離脱しようとしてもホース押さえ部によって離脱が防止される。
【0017】
請求項4の発明では、前記ホースは、前記ホース保持部材により、インナマスト及び前記左右のインナマストを下部で連結するロアタイビームの二箇所で湾曲保持されることによって、略U字状に配されることを要旨とする。
【0018】
この発明によると、例えばインナマスト側だけに固定されていた場合では、マスト昇降動作に伴う振動等に伴い配管が揺れる等して他のマスト構成部材と干渉したり、ホースの曲げが一箇所に集中することにより、曲げ部の曲率が大きくなり、曲げ部にかかる油の圧力が高圧となって配管を損傷する等のおそれがあるが、インナマストとロアタイビームの複数箇所で固定しU字状に配することにより他のマスト構成部材との干渉が防止され、また、ホースの曲率も小さく抑えるように調整が容易となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第一実施形態)
以下、本発明を三段マスト式フォークリフトのアタッチメント装置に用いられる油圧配管構造におけるホース保持部材に適用した実施形態を図1〜図6(a)に基づいて説明する。但し、従来技術と同一の構成部材については同一符号を引用する。
【0020】
図1は三段マストの構成及び機台側のオイルコントロールバルブと、リフトブラケット側に装備される各種アタッチメント装置(サイドシフト装置やクランプ装置)に装備される油圧アクチュエータ(油圧シリンダや油圧モータ)とを接続するアタッチメント装置用油圧配管構造を示す概略説明図である。なお、図示はしないがマスト内にはアタッチメント装置用油圧配管構造とは別に、リフトシリンダ及びフリーリフトシリンダ昇降のための荷役用油圧配管構造も備えられている。
【0021】
フォークリフトの機台前部に立設される左右一対のアウタマスト1の内側には、左右一対のミドルマスト2が昇降可能に取付けられ、さらにミドルマスト2の内側には左右一対のインナマスト3が昇降可能に取付けられ、さらにインナマスト3の内側にはアタッチメント装置10が装着されるリフトブラケット4が昇降可能に取付けられている。
【0022】
左右のアウタマスト1を連結するロアタイビーム1aには、リフトシリンダ5が立設されている。このリフトシリンダ5のピストンロッド5aがミドルマスト2のアッパタイビーム2aに連結されてミドルマスト2を昇降させる一方、ミドルマスト2に備えられた図示しないチェーンホイールに掛装されたリフトチェーン20を介してインナマスト3をミドルマスト2の二倍の速度で昇降させるようになっている。
【0023】
インナマスト3は、基部3dと該基部3dの前後端に設けられたフランジ部3eとより構成され、断面視略コの字状をなしている。また、左右のインナマスト3間の中央部にはリフトブラケット4昇降用のフリーリフトシリンダ6が設置されている。このフリーリフトシリンダ6はインナマスト3のロアタイビーム3aに立設されており、フリーリフトシリンダ6のピストンロッド6aに設けたチェーンホイール6cに掛装されたリフトチェーン21を介してリフトブラケット4をインナマスト3に沿って昇降させるようになっている。
【0024】
油圧配管構造8としては、機台側に固定されたオイルコントロールバルブ7に接続されたホース8aが、アウタマスト1中間部でコネクタ9aを介してマストホース8bに接続される。マストホース8bはアウタマスト1に沿って固定され、アウタマストに沿って昇降する部材としてのミドルマスト2に設けられたホースプーリ2bに掛装されるとともに、インナマスト3下部に至り、ここでホース保持部材15、16により湾曲形状に屈曲されながらインナマスト3、ロアタイビーム3aに保持され、さらにフリーリフトシリンダ6の背面に沿って配管される。
【0025】
その後マストホース8bは、複数のクランプ部材13a、13b、13cによってガイドプレート12、ミドルタイビーム3b、フリーリフトシリンダ6にそれぞれ固定されて、フリーリフトシリンダ6のピストンロッド6a端部に設けられたホースプーリ6bに掛装されるとともに、その先端がフリーリフトシリンダ6の前側に沿って下方へ垂下後、その端部がリフトブラケット4に固定されたコネクタ9b、コネクタパイプ9cを介してアタッチメント装置10の油圧アクチュエータ11に接続されている。上述のようにアタッチメント装置の油圧配管構造8は、ホース8a、マストホース8b、コネクタ9a、9b、コネクタパイプ9c、ホース保持部材15、16によって構成される。
【0026】
なお、図1においては、説明の便宜上、油圧配管構造8のホース8a、8bを単一の配管で図示しているが、通常の場合、ホース8a、8bは一つの油圧アクチュエータ11に対して給油用と戻油用の二本で一組とされ、装備される油圧アクチュエータ11の数に対応した複数組が配管される。
【0027】
次に、上述したホース保持部材15、16の構造について図3〜6に基づいて詳細に説明する。インナマスト3のフランジ部3e側に取付けられるホース保持部材15は、湾曲形成部としての湾曲面を備えた略L字状の湾曲形成部材15aと、その部材15aを保持するホルダ部としてのホルダ部材15bと、湾曲形成部材5aからマストホース8bが離脱するのを防止するホース押さえ部としてのホース押さえ部材15cとより構成される(図3、図5、図6(a)参照)。
【0028】
インナマスト3の後部フランジ部3e側面におけるロアタイビーム3aとミドルタイビーム3b間の適宜位置には、前記ホルダ部材15bの固定部としてのボス部材23が取付けられており、このボス部材23は、該フランジ部3eの側面又は背面に溶接等によって固着されている。また、ボス部材23には、ボルト孔23aが穿設されており、このボルト孔23aと前記ホルダ部材15bのボルト孔15dとを合致させ、ボルト22にて締着することにより、ホルダ部材15bがインナマスト3に固定される。また、一端にボルト孔15dが、他端に湾曲形成部材15a取付面が形成されたホルダ部材15bの形状を略S字状とすることにより、ホース保持部材15全体がインナマスト3の後部フランジ3e背面側に配設されたリフトチェーン20と干渉しないように位置調整されている。
【0029】
ホルダ部材15bのマストホース8b側の端部には、垂直部と水平部の二つの面と、その間の湾曲面とによって構成される略L字状の湾曲形成部材15aが固着されており、この湾曲形成部材15aによってマストホース8bが緩やかな湾曲線を描いて方向転換されながら保持される。図中15cは、ホース押さえ部材であって、コの字状の棒材よりなり、湾曲形成部材15aの水平部に取付けられており、該水平部より突出する両端部にて、湾曲形成部材15に沿って配設されるマストホース8bの側方を係止し、マストホース8bが湾曲形成部材15aから離脱するのを防止している。
【0030】
次に、ロアタイビーム3aを介してインナマスト3に取付けられるホース保持部材16について詳述すると、このホース保持部材16は、前述したホース保持部材15と同様に、湾曲形成部としての湾曲面を備えた略L字状の湾曲形成部材16aと、ホルダ部を備えたホルダ部材16bと、湾曲形成部よりマストホース8bが離脱するのを防止するホース押さえ部としてのホース押さえ部材16cとより構成される(図3、図4参照)。
【0031】
前記ホルダ部材16bは、下端にボルト孔16dが穿設された縦方向に長い縦部160と、該縦部160の上端から水平方向に折り曲がったホルダ部161とで略L字状を成しており、縦部160のボルト孔16dをロアタイビーム3aのフリーリフトシリンダ6後方適宜位置に穿設されたボルト孔31aに合わせボルト22に締着することによって立設される。前記ホルダ部161には、湾曲形成部材16aの水平部が取付けられており、湾曲形成部材16aによってマストホース8bが湾曲された状態で保持される。また湾曲形成部材16aの垂直部には、コの字状の棒材より成るホース押さえ部材16cが取付けられており、該垂直部より突出する両端部にて、湾曲形成部材16aに沿って配設されるマストホース8bの側方を係止し、マストホース8bが湾曲形成部材16aから離脱するのを防止している。
【0032】
なお、上述した湾曲形成部材15a、16a、ホルダ部材15b、16b、ホース押さえ部材15c、16cの各部材は、マストホース8bの弾力性やマストホース8bに油圧がかかった時のマストホース8bの膨張等によって、組付けられた状態で密着するため、部材相互が離れることがないので、必ずしも各部材相互を溶接等によって予め固着して組付けする必要はなく、マストホース8bを敷設する作業時にそれぞれ組付けすることも可能である。
【0033】
上述のように構成されることにより、マストホース8bのインナマスト3からフリーリフトシリンダ6に至る部分は、ロアタイビーム3aと略平行になるようにホース保持部材15によって湾曲を描きながら保持され、さらにフリーリフトシリンダ6に向ってホース保持部材16によって再度湾曲されながら保持されて、インナマスト3とフリーリフトシリンダ6間において略U字状に配される。
【0034】
第一実施形態では以下の効果が得られる。
(1)インナマスト3からフリーリフトシリンダ6に至る間の方向転換箇所に、コネクタ等の継手部材を用いることなく方向転換の可能なホース保持部材15、16を実現することにより、ホース8a、8b単独での油圧配管構造8を実現し、油圧配管構造8の接続部からの油漏れが防止される。また、油圧配管構造8の構成部材数を減少させることができる。
【0035】
(2)湾曲形成部15a、16aは、ホルダ部材15b、16bを介することにより、インナマスト3のフランジ部3e、ロアタイビーム3a等、従来直接マストホース8bを保持させることが構造上難しいとされていた箇所にも取付けることが可能になった。
【0036】
(3)インナマスト3の昇降動作に伴う振動等により湾曲形成部材15a、16aからマストホース8bが離脱しようとしてもホース押さえ部15c、16cによって離脱が防止される。
【0037】
(4)マストホース8bの方向転換箇所は、ホース保持部材15、16によってホース8bを広い領域にわたって緩やかな状態で湾曲させることが可能となり、マストホース8bの方向転換箇所の曲率を小さく抑えたことにより、マストホース8bの湾曲形成部領域に高圧の圧油を集中することがなく、ホースの耐久性向上に貢献できる。
【0038】
(5)ホルダ部材15bを略S字状とすることにより、リフトチェーン20とマストホース8bとを、マスト背面と車体前端部との間において前後方向に対して両部材が干渉しない位置に直列配置可能となり、マストホース8bをインナマスト3のフランジ部3e背後の前方視野デッドスペース領域内に納めることができる。
【0039】
次に、第一実施形態とはホース保持部材15の構成の異なる他の実施形態を第二実施形態〜第四実施形態として説明する。各実施形態におけるマスト構造、油圧配管構造は第一実施形態と同様であるので、同じ構成部には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0040】
(第二実施形態)
図6(b)に示す第二実施形態では、ホース保持部材17は、湾曲形成部とホルダ部とが一体形成されて、マストホース8b二本分の幅に比較して幅広に構成された湾曲形成部材17aより構成される。湾曲形成部材17aのインナマスト3側には、ホルダ部としての取付用のボルト孔17dが形成される。
【0041】
この構成によると、湾曲形成部材17aがマストホース8bに比較して幅広に構成されているためホース押さえ部材を備えなくても湾曲形成部材17aからのマストホース8bの離脱が防止される。また、湾曲形成部とホルダ部とが一部材として構成できるため、ホース保持部材17の構成部材の数を第一実施形態と比較して減少させることができる。
【0042】
(第三実施形態)
図6(c)に示す第三実施形態では、ホース保持部材18は、湾曲形成部としての湾曲形成部材18aとホルダ部及びホース押さえ部としてのホルダ部材18bとより構成される。ホルダ部材18bは、取付用のボルト孔18dを備えた略I字状のホルダ部180とホース側面を挟持する一対のホース押さえ部181とが一体形成されている。
【0043】
この構成では、ホース保持部材18はホース押さえ部材を別に備える必要がなく、第一実施形態に比較して構成部材の数を減少させることができる。
【0044】
(第四実施形態)
第四実施形態では、インナマスト3に形成した固定部であるボス部材23及びロアタイビーム3aに穿設されるボルト孔23a、31aを垂直方向または水平方向の長孔形状にして、ホース保持部材15〜18を上下、前後、左右に調節可能に取付けられるようにしている。この構成では、マストホース8bにテンション作用を付与することができる。
【0045】
上記実施形態は、次のように変更して実施することも可能である。
【0046】
○上記実施形態においては、三段マスト式フォークリフトの油圧配管構造8におけるホース保持部材に本発明を適用しているが、これに限られず例えばフルフリー式二段マストの油圧配管構造に適用することも可能である。二段マストの場合、アウタマストに沿って昇降する部材はインナマストとなり、油圧配管はこのインナマストに設けられたホースプーリを経由することになる。
【0047】
○上記実施形態において、油圧配管構造8は配管の敷設作業の便宜上、ホース8aとマストホース8bの別部材をコネクタ9aで接続して構成されているが、本発明のホース保持部材を用い、コネクタ9aを廃止して一本のマストホースで構成することも可能であり、これによりマスト構成部材の数を減少させることができる。
【0048】
○上記実施形態において、ホルダ部材15b、16b、18bの形状は、略S字状、略L字状、略I字状等であったがこれに限られるものではなく、他の部材と干渉せず、マストホース8bを適切な位置に保持できるものであれば、様々な形状が採用できる。
【0049】
○上記実施形態では湾曲形成部材15a〜18aは一部円弧状となっているが、全体が円弧状であってもよいし、例えば、U字状、断面皿型状など、厳密には円弧状といわない場合であってもホースを湾曲させるのに適した形状であれば請求項にいう湾曲形成部に広く含まれる。
【0050】
○上記実施形態において、マストホース8bは、インナマスト3とロアタイビーム3aにそれぞれ取付けられたホース保持部材15、16によって保持されているが、ホース保持部材15〜18の個数は、例えば、インナマスト3側のみ、或はロアタイビーム3a側のみであっても良く、また3個以上であっても良い。
【0051】
○上記実施形態においては、ホース保持部材15、17、18はインナマスト3のフランジ部3e先端に取付けるが、これに限定されず、例えばインナマスト3のフランジ部3e外側面等に取付けることも可能である。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、マストホースのインナマストからフリーリフトシリンダに至るホースの方向転換箇所においてコネクタ等に替えてホースを湾曲状に固定保持させることの可能なホース保持部材を実現することにより、少なくともフリーリフトシリンダのホースプーリからアウタマストに沿って昇降する部材に取付けられたホースプーリに至る間のコネクタ部分をホースで敷設可能にし、油圧配管構造の接続部からの油漏れが防止される。
【0053】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態における三段マスト式フォークリフトのマスト構造及び油圧配管構造を示す模式図である。
【図2】本発明の第一実施形態におけるインナマストを背面方向から示した図である。
【図3】本発明の図1におけるA−A線断面図である。
【図4】本発明における第一実施形態の保持部材の斜視図である。
【図5】本発明の図1におけるB−B線方向からインナマストに取付けられた保持部材を見た図である。
【図6】(a)本発明における第一実施形態の保持部材の斜視図である。
(b)本発明における第二実施形態の保持部材の斜視図である。
(c)本発明における第三実施形態の保持部材の斜視図である。
【図7】従来技術におけるインナマストを背面方向から示した図である。
【符号の説明】
1 アウタマスト
3 インナマスト
3a インナマストのロアタイビーム
3e インナマストのフランジ部
6 フリーリフトシリンダ
6b ホースプーリ
7 オイルコントロールバルブ
8 アタッチメント装置用油圧配管構造
10 アタッチメント装置
11 油圧アクチュエータ
15、16、17、18 ホース保持部材
15a、16a、17a、18a、 湾曲形成部としての湾曲形成部材
15b、16b、18b、 ホルダ部としてのホルダ部材
15c、16c ホース押さえ部材。
Claims (4)
- アウタマストに対して昇降するインナマストにアタッチメント装置を昇降動させるフリーリフトシリンダが配置され、該フリーリフトシリンダのロッド端に取付けられたホースプーリに掛装されて下方へ垂下するとともに一端がアタッチメント装置の油圧アクチュエータに接続し、他端が該フリーリフトシリンダの背面側を経てインナマスト側に至った後、アウタマストに沿って昇降する部材に取付けられたホースプーリを経由して機台側のオイルコントロールバルブに接続したフォークリフトのアタッチメント装置用油圧配管構造におけるホース保持部材であって、
前記フリーリフトシリンダの背面側からインナマスト側に至る間の油圧配管をホースにて形成し、そのホースを保持するホース保持部材が、該ホースを湾曲形状にて保持する湾曲形成部と、インナマストに取付けられるホルダ部とより構成されていることを特徴とするフォークリフトのアタッチメント装置用油圧配管構造におけるホース保持部材。 - 前記ホース保持部材は、前記湾曲形成部と前記ホルダ部とが一体形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフォークリフトのアタッチメント装置用油圧配管構造におけるホース保持部材。
- 前記ホース保持部材は、前記湾曲形成部より前記ホースが離脱するのを防止するホース押さえ部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のフォークリフトのアタッチメント装置用油圧配管構造におけるホース保持部材。
- 前記ホースは、前記ホース保持部材によってインナマストのフランジ部及び前記左右のインナマストを下部で連結するロアタイビームの二箇所で湾曲保持されることにより、略U字状に配されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のフォークリフトのアタッチメント装置用油圧配管構造におけるホース保持部材。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A711 | Notification of change in applicant |
Effective date: 20061208 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 |
|
A072 | Dismissal of procedure |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A072 Effective date: 20070327 |