JP2007323106A - 非接触通信媒体のアンテナの形成方法 - Google Patents

非接触通信媒体のアンテナの形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 金属蒸着層転写シートの種類は1種類として金属蒸着層転写シートのコストを下げることである。また、非接触通信媒体の製作の最後の工程で、アンテナ、ICチップの保護する目的等で表面をフィルム等でラミネートする工程があるが、このラミネートにおける接着層を同時に提供するものである。
【解決手段】非接触通信媒体用の金属蒸着層のアンテナを形成する方法であって、非接触通信媒体の支持体に接着層を設け、基材上に少なくとも保護層、金属蒸着層を積層した金属蒸着層転写シートを前記接着層に面接触させて、熱転写してアンテナパターンを形成することを特徴とするアンテナの形成方法である。さらに熱転写方法がサーマルプリンタを用いて行うアンテナの形成方法である。

【選択図】 図1

Description

本発明は、非接触でデータの読み出しや書き込みを行なう非接触通信媒体に関するものであり、これら非接触通信媒体に用いられる送受信用アンテナの形成方法関するものである。
本発明では、金属蒸着層転写シート、導電層転写シート等のベースシートを基材と呼び、非接触通信媒体のベースを支持体と呼ぶ。
従来、非接触通信媒体のアンテナ回路には、A:細い銅線を巻いたもの、B:銅箔やアルミ箔等をエッチングにより形成したもの、C:導電性塗料を所定の形状に印刷したもの等があった。Aの銅線を巻いたものは、形状の薄化、均一化に難点があり又巻取り工数の低減にも難点があった。Bの銅箔、アルミニウム箔等をエッチングしたものは、薄化に難点があるのと同時にエッチング時の廃液処理等に難点があった。Cの導電性塗料を印刷したものは、電気抵抗が高く又塗料の価格の面でも改善が必要と言われていた。
これらの問題を解決するために、熱転写技術を利用したアンテナの形成方法が提案されている。特許文献1には、基材上に保護層、金属層、接着層を設けた金属蒸着層転写シートをサーマルプリンタにセットして、支持体にアンテナ形状に熱転写してアンテナを作成する方法が提供されている。しかしながら、支持体の材質は種々のものでできており、種々の材質の支持体に同一の金属蒸着層転写シートで熱転写することができないものであった。具体的には、支持体の材質がPETであれば金属蒸着層転写シートの接着層は、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂で構成すればよいが、支持体の材質がPP、PE等のオレフィン系の表面に極性基を持たない支持体にこれらの接着層で形成された金属蒸着層転写シートで熱転写しようとしても満足のいく転写が得られず、転写されたものは簡単に剥がれ落ちるものとなった。
そのため接着層の材料は、支持体の材質に応じて変更する必要があり金属蒸着層転写シートの品種が増えて、コストアップの要因になっていた。
特開2005-182508号公報
本発明の技術的な課題は、前記の問題に対して、金属蒸着層転写シートの種類は1種類として金属蒸着層転写シートのコストを下げることである。また、非接触通信媒体の製作の最後の工程で、アンテナ、ICチップの保護する目的等で表面をフィルム等でラミネートする工程があるが、このラミネートにおける接着層を同時に提供するものである。
第1発明は、非接触通信媒体用の金属蒸着層のアンテナを形成する方法であって、非接触通信媒体の支持体に接着層を設け、基材上に少なくとも保護層、金属蒸着層を積層した金属蒸着層転写シートを前記接着層に面接触させて、熱転写してアンテナパターンを形成することを特徴とするアンテナの形成方法。
第2発明は、熱転写方法がサーマルプリンタを用いて行う第1発明記載のアンテナの形成方法である。
本発明のアンテナの形成方法を用いれば、支持体の材質が異なったとしても金属蒸着層転写シートは1種類で済む。金属蒸着層の転写をサーマルプリンタで行うことにより精度の高いアンテナパターンを形成できる。また、非接触通信媒体の最後の工程でのフィルムによるラミネートでは、予め支持体に接着層が設けられているので、フィルムに接着層を設けなくてもラミネートできるものであり、1種類の金属蒸着層転写シートでよいことと合わせるとコスト削減になる。
非接触通信媒体の支持体は、PET、塩ビ樹脂、PP、PE、紙等種々のものが用いられている。支持体の上に設ける接着層は、支持体の材質に応じて変更する必要がある。例えば、支持体の材質がPETであれば接着層の材質は、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体、スチレン樹脂、石油樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂などの樹脂より適宜1種以上を選択して用いることができる。これらの樹脂を選択して用いることで、PETにも金属蒸着層にも接着力があり接着層上に熱転写された金属蒸着層は強く支持体に固着されることになる。
支持体の材質が、PP、PE等のオレフィン系の材質であれば前記の樹脂は、金属蒸着層との接着力は高いものの支持体と接着層との接着力が弱いので、支持体から金属蒸着層が剥がれる問題がある。そこで、これらのオレフィン系の支持体に対する接着層は、塩素化ポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン等樹脂を用いることで、支持体にも金属蒸着層にも接着力のある接着層とすることができる。
支持体の材質が紙であれば、接着層の樹脂は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の樹脂を用いればよい。
接着層の厚みは、支持体の表面粗さによって調整する。紙等の表面が粗い支持体には、アンテナ特性を高く維持するため金属蒸着層がフラットに転写できるようにする必要がある。そのため接着層の厚みは、5〜50μmと厚く設ける必要がある。しかし、フィルム、樹脂カードのように表面が平滑な支持体の場合は、接着層は、0.2〜5μmの範囲で設ければよい。
接着層を設けた支持体は、巻き体としたり、シート、カードの形体で積まれたりして保管される。保管時おいて、支持体がブロッキングしないように接着層に粒子を入れても良い。粒子としては、たとえばメラミン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子などの有機粒子、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミニウム粉、ケイソウ土などの無機粒子があげられる。これら粒子は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
粒子の大きさは、接着層の厚みより大きいものとするが、あまり大きいものであると転写された金属蒸着層の面が凹凸になりアンテナ特性を低下させるので好ましくない。粒子の大きさDは、接着層の厚みTに対して1.5T<D<10Tの範囲ぐらいが好ましい。
また、粒子の平均粒径がこの不等式の範囲に入っていたとしても粒子の大きさのバラツキが大きいと、大きい粒子が前記のような問題を起こすので粒子の大きさはできる限りバラツキの少ないものを使用するのが好ましい。均一な粒子径の分布をもつ粒子としては、液晶ディスプレイの内部でスペーサーとして使用されている粒子がある。市販品では、綜研化学製のMXシリーズ、MPシリーズや日本触媒製のエポスターMAシリーズが挙げられる。これらの粒子を使うことで、少ない粒子含有量でブロッキングの効果を得ることが出来、さらに金属蒸着層の平滑性を荒らすのを少なくできるので、特に好ましい。
支持体上に非接触通信媒体用のアンテナを熱転写で形成するための金属蒸着層転写シートは、基材上に少なくとも保護層、金属蒸着層を積層したシートである。金属蒸着層は最表面層とする。支持体には、図1のように転写された金属蒸着層、保護層がこの順に積層される。アンテナパターンの表面には、保護層があるので、ICチップの端子と接合する場合、保護層が絶縁体となって導通を妨げる。アンテナの端子部の保護層の剥離方法には、本発明者らが先に提供した粘着物で剥離する方法(特願2006−149131)や感熱型保護層剥離シートを使って熱をシートにかけて保護層を剥離する方法(特願2006−149157)がある。保護層を剥離した端子部とICチップの端子部の接合は、(1)半田付けをする方法。(2)インクジェットで導電インクを噴射して金属粒子層を設けて導通させる方法等があるが、必要な導通抵抗値以下に抑えることができるものであればいかなる方法であってもよい。
アンテナとICチップを接合した後に、支持体の全面を保護するためにラミネートする場合、支持体には前記の接着層が備わっているので、ラミネートフィルムに新たに接着層を設ける必要がない。つまり、本発明で設ける接着層は、金属蒸着層を転写するための接着層とラミネートフィルムを接着するための接着層の2つの機能を併せ持つものであり、金属蒸着層転写シートを1種類で済ませることが出来ることと合わせて考えるとコスト削減に寄与するものである。
金属蒸着層転写シートの基材としては、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムなどがあげられる。基材の厚さは1〜10μm程度が適当である。基材の背面には、必要により、サーマルヘッド等の加熱体に対するスティッキングを防止するために耐熱保護層を設けてもよい。
基材からの保護層の離型性を良好にするために離型層を設けると良い。離型層は、熱転写時にサーマルヘッドからの熱信号により溶融し、加熱部の転写層(保護層、金属蒸着層および接着層からなる)の基材からの剥離を容易にする機能を有する。離型層はワックス類を主成分とするものであり、必要により、基材または保護層との接着性を調整するため熱可塑性樹脂(エラストマーを含む)を配合してもよい。
前記ワックス類としては、たとえばカルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックスなどの天然ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス;酸化ワックス、エステルワックス、ポリエチレンワックス、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合ワックスなどの合成ワックスなどの1種もしくは2種以上が使用できる。
前記熱可塑性樹脂としては、たとえばポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体、アクリル樹脂、スチレン樹脂、石油樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂などの1種または2種以上が使用できる。
離型層は、前記ワックス類、必要に応じて前記樹脂を適宜の溶剤(水を含む)に溶解または分散したものを基材上に塗布、乾燥することによって形成できる。またホットメルトコーティングによっても形成できる。離型層の厚みは0.1〜1μmの範囲が好ましい。前記範囲未満であると離型性がそこなわれる可能性がある。前記範囲を超えると熱転写の感度が低下してくる。
保護層は、金属蒸着層を形成する際に蒸着加工時の金属の被着面として機能すると共に、形成された金属蒸着層の支持層として機能し、転写後には、金属蒸着層の保護する働きをする。
保護層の樹脂成分としてはガラス転移点が50〜120℃の範囲のものが好ましい。樹脂成分のガラス転移点が50℃未満では、蒸着加工時の被着面としての耐熱性に乏しく、平滑な金属蒸着層がえられない傾向があり、転写後の保護層としての耐擦過性が劣る傾向にある。一方ガラス転移点が120℃を超えると、平滑な金属蒸着層はえられるものの、転写性が劣る傾向がある。
樹脂成分としては、たとえばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロースなどのセルロース樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂などがあげられる。保護層を剥離する際に保護層のみを剥離する必要がありその点で、とくにアクリル樹脂が好ましい。
保護層には、アクリル樹脂以外にアンテナの端子部の保護層を剥離する際の剥離力を調整する目的等で他の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を加えても良い。他の樹脂とは、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、塩ビ酢ビ樹脂、石油樹脂、スチレン樹脂等が挙げられる。ただし他の樹脂の配合量は、アクリル樹脂の配合重量を基準として5重量%以下とする。
アクリル樹脂を構成するモノマー成分としては、(a)水酸基含有アクリルモノマー、(b)アミノ基含有アクリルモノマー、(c)芳香族アクリルモノマー、(d)その他のモノマー等挙げられる。
水酸基含有アクリルモノマー(a)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとカプロラクトンとの付加生成物が挙げられる。
アミノ基含有アクリルモノマー(b)としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジ−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
その他のモノマー(d)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
転写後の保護層の剥離を可能とするためには、これらのモノマーの中でも、その他のモノマー(d)群より選択したものを1種以上用いると良い。他のモノマー群(a)、(b)、(c)のモノマーを含むと金属蒸着層と保護層の密着力が高くなり、保護層の剥離がしにくくなるので好ましくない。保護層の剥離力が大きいと剥離時に下層の金属蒸着層を一緒に剥離させてしまう。場合によっては、接着層をも剥離させてしまう。
さらに、保護層の剥離力を小さくするために、アクリル樹脂を構成するモノマー成分の総合計量を基準として、モノマーとしてメチルメタクリレートが95重量%以上とする。
例えば、モノマーとして、メチルメタクリレート、メチルアクリレートの2種のモノマーを共重合させたアクリル樹脂であれば、メチルメタクリレートを95重量%以上とし、メチルアクリレートを5重量%未満とするものである。
他の例としては、ポリメチルメタクリレートと共重合樹脂(メチルメタアクリレート、メチルアクリレートの2種のモノマーのモノマー配合比は1:1の樹脂)の2つの樹脂をブレンドするものであれば、ポリメチルメタクリレートの配合は、90重量%以上とし、共重合樹脂は、10重量%未満とするものである。
配合されるアクリル樹脂のポリマーの種類は、限定するものではないが、「モノマーとしてメチルメタクリレートが95重量%以上」とは、あくまで、アクリル樹脂を構成するモノマー成分の総合計量を基準とするものである。
前記のモノマーが95重量%以上のアクリル樹脂の中でも、ベストなアクリル樹脂は、モノマーとしてメチルメタクリレートを100%使用したポリメチルメタクリレートである。ポリメチルメタクリレートの高分子の立体構造は、主鎖にメチル基が結合していることや、メタクリレートの立体構造から主鎖が柔軟な動きの出来ないリジットな高分子の構造となっている。そのため保護層自身は、他のアクリル樹脂に比べて剛性があるものとなる。この剛性が保護機能に有用に働くと共に保護層の剥離にもよい影響を与える。
また、ポリメチルメタクリレートは、他のモノマーを含有したアクリル樹脂に比べ、分子内に極性の強い分子基を持っていないので、金属蒸着層との密着力が高くならない。そのため、感熱型保護層剥離シートで保護層を剥離すると他のアクリル樹脂に比べ容易に剥離することができる。
転写時に保護層の切れを良くして転写性を上げたい場合は、保護層に粒子を含有させるとよい。粒子としては、たとえばシリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化錫、酸化チタンなどの無機粒子、メラミン樹脂粒子などの有機粒子があげられる。これら粒子は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。粒子の保護層中の含有量は、50重量%未満とする。50重量%以上の含有量になると保護層としての保護機能が低下してくる。
粒子の大きさは、保護層の厚み以上のものを用いると保護層の表面が凹凸になり金属蒸着層との密着力を上げる働きをするようになるので、好ましくない。よって、配合する粒子の大きさは、保護層の厚み未満の大きさとする。
保護層の厚みは、0.1〜1.5μmの範囲が好ましい。前記範囲未満であると金属蒸着が平滑に行われなくなり、保護層としての保護機能が低下してくる。前記範囲を超えると転写感度が低下して、保護層の切れが悪くなり転写すべきでない箇所が転写する所謂面状剥離の現象が生じてくる。保護層は前記材料を適宜の溶媒に溶解または分散し、必要に応じてこれに粒子を分散したものを塗布、乾燥することによって形成できる。
金属蒸着層の金属としては、銅、アミルニウム、亜鉛、錫、ニッケル、クロム、チタン、銀、金、白金などの単体、混合物、合金などが使用できるが、銅が好ましく用いられる。金属蒸着層は真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理蒸着法や化学蒸着法などにより形成できる。
金属蒸着層の厚さは、100〜3000Å、好ましくは、500〜2000Åの範囲である。前記範囲未満であると導電性が不足する可能性があり、前記範囲を超えると転写時の層の切れが悪くなり転写パターンの解像度が低下するようになる。
金属蒸着層を支持体上にアンテナパターン形状に転写する方法は、サーマルプリンタ、金型を用いたホットプレス、レーザー熱転写等加熱加圧できる方法であればいかなる方法であってもよい。これらの中でも、転写精度を高くできパターンの変更が容易にできる方法として、サーマルプリンタを使った熱転写方法が好ましい。
本発明で形成されたアンテナを使った非接触通信媒体の十分な通信特性を得るためには、アンテナ層の表面抵抗値が10−5Ω/□〜10Ω/□の範囲が好ましい。
[金属蒸着層転写シート1の作成]
背面に厚さ0.2μmの耐熱保護層を設けた厚さ6.0mμのポリエチレンテレフタレートフィルム他方の面に、下記に示す保護層塗工液を塗布、乾燥して厚さ0.7μmの保護層を形成した。
保護層塗工液(重量部)
メチルメタクリレート100%のアクリル樹脂 8.8
(ダイヤナールBRー80、三菱レイヨン製)Tg105℃
炭酸カルシウム、平均粒径0.04μm 1.0
(白艶華、白石カルシウム製)
メチルバイオレット(紫色染料) 0.2
MEK 45
トルエン 45
保護層上に真空蒸着法で厚さ800Åの銅蒸着層を形成して、金属蒸着層転写シート1を作成した。金属蒸着層の表面の表面抵抗値は、ハイレスターIP MCP−HT260(三菱化学製)を使って測定した結果、1Ω/□以下であった。
[支持体の作成]
支持体A
支持体として、厚み100μmのOPPフィルムの上に下記の接着層塗工液を塗布乾燥して、厚み1.5μmの接着層を設けて支持体Aを作成した。
接着層塗工液1(重量部)
塩素化ポリプロピレン 10
(軟化点70℃、重量平均分子量25000、塩素含有率11重量%)
アクリル粒子 0.1
(平均粒径5μm 綜研化学製 MX−500)
トルエン 69.9
MEK 10
酢酸ブチル 10
支持体B
支持体として厚み100μmのPETフィルムの上に下記の接着層塗工液を塗布乾燥して、厚み1.5μmの接着層を設けて支持体Bを作成した。
接着層塗工液2(重量部)
ポリエステル樹脂 10
(Tg67℃、東洋紡製 バイロン200)
アクリル粒子 0.1
(平均粒径5μm 綜研化学製 MX−500)
トルエン 44.9
MEK 45
実施例1
TEC製熱転写プリンタB−30に、支持体Aと金属蒸着層転写シート1をセットして、図2の線幅5mmのアンテナパターンを熱転写した。精細なアンテナパターンが転写された。図3におけるICチップに接合するアンテナの端子部2箇所を粘着テープ(住友3M製スコッチY−5533)を当て押しテープを引いて、保護層を剥離した。ICチップの端子とアンテナの端子は、半田で接合した。図3に示す厚み50μmのPP製のラミネートフィルムを当てて加圧加熱して、ラミネートして非接触通信媒体を完成した。完成した非接触通信媒体の通信機能を検査したところ通信可能であることが確認できた。
実施例2
TEC製熱転写プリンタB−30に、支持体Bと金属蒸着層転写シート1をセットして、図2の線幅5mmのアンテナパターンを熱転写した。精細なアンテナパターンが転写された。図3におけるICチップに接合するアンテナの端子部2箇所に対して粘着テープ(住友3M製スコッチY−5533)を当て押しテープを引いて、保護層を剥離した。ICチップの端子とアンテナの端子は、半田で接合した。図3に示す厚み25μmのPET製のラミネートフィルムを当てて加圧加熱して、ラミネートして非接触通信媒体を完成した。完成した非接触通信媒体の通信機能を検査したところ通信可能であることが確認できた。
比較例1
前記の金属蒸着層転写シート1の金属蒸着層の上に、下記の接着層塗工液を塗布乾燥して、厚み0.5μmの接着層を形成して金属蒸着層転写シート2を作成した。
接着層塗工液(重量部)
ポリエステル樹脂 10
(Tg60℃、エリーテルUE3380ユニチカ製)
MEK 45
トルエン 45
TEC製熱転写プリンタB−30に、支持体として厚み100μmのOPPフィルムの上に金属蒸着層転写シート2をセットして、図2の線幅5mmのアンテナパターンを熱転写した。転写が不十分でカケの多いアンテナパターンとなった。
比較例2
次にTEC製熱転写プリンタB−30に、支持体として厚み100μmのPEGフィルム上に金属蒸着層転写シート2をセットして、図2の線幅5mmのアンテナパターンを熱転写した。転写は精度の高いアンテナパターンとなった。実施例2と同じラミネートフィルムを用いて、ラミネートを試みたが、支持体側に接着層がないのでラミネートができなかった。
[まとめ]実施例1、2は、精細なアンテナパターンが形成でき、さらにラミネートできた。比較例1では、支持体の材質と金属蒸着層転写シートとの材質が合わず転写不良を起こした。比較例2では、金属蒸着層は精度の高い転写ができたが、ラミネートできなかった。
金属蒸着層が転写された支持体の断面図 アンテナパターンが転写された支持体 非接触通信媒体の構成図
符号の説明
1:支持体
2:接着層
3:金属蒸着層
4:保護層
5:接着層を設けた支持体
6:転写された金属蒸着層のアンテナパターン
7:非接触通信媒体
8:ICチップ
9:接着層のないラミネートフィルム


Claims (2)

  1. 非接触通信媒体用の金属蒸着層のアンテナを形成する方法であって、非接触通信媒体の支持体に接着層を設け、基材上に少なくとも保護層、金属蒸着層を積層した金属蒸着層転写シートを前記接着層に面接触させて、熱転写してアンテナパターンを形成することを特徴とするアンテナの形成方法。
  2. 熱転写方法がサーマルプリンタを用いて行うことを特徴とする請求項1記載のアンテナの形成方法。

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