JP2007320976A - 難燃性粘着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】ハロゲン系や無機系の難燃剤を配合することなく難燃性を発現する粘着シートを提供すること、また生分解性を有し、特に植物由来の材料を用いた環境に優しい難燃性粘着シートを提供することを課題とする。
【解決手段】脂肪族エステル系ポリマーを架橋処理した粘着剤層を有し、この粘着剤層の燃焼試験法(試験法:JIS K 7201)によって測定される酸素指数が26以上であることを特徴とする難燃性粘着シート、特に上記酸素指数が30以上である上記構成の難燃性粘着シート、また脂肪族エステル系ポリマーが植物由来の材料を原料としたポリマーである上記構成の難燃性粘着シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、脂肪族エステル系ポリマーを使用した、難燃性が求められる用途、特に電子機器類用として有用な難燃性粘着シートに関するものである。

近年、あらゆる所で使用される粘着テープに難燃性が求められている。そのため、各テープメーカーでは、様々な対応を行っているが、基本的には難燃剤を配合したものがほとんどである。しかし、難燃剤を入れることで他の弊害が発生している。

例えば、特許文献1では、アクリル系粘着剤にハロゲン系やリン系の難燃剤を配合したものが開示されているが、焼却した際に人体に悪影響を与えるハロゲンやリン酸ガスを発生してしまう。また、リン系の難燃剤は液状タイプのものが多く、粘着剤表面にブリードアウトするなどして、粘着特性を阻害する要因となる。

また、特許文献2では、焼却時に人体に有害なハロゲンガスを出さないために、アクリル系粘着剤に金属酸化物を配合したものが開示されているが、難燃性を発現させるためにかなりの量の金属酸化物を用いる必要があり,粘着特性のコントロールが難しい。また、透明性がなくなることで透明用途が必要な粘着テープとしては使用に適さない。

特開平11−263894号公報 特開2002−121508号公報
このように、今日まで、アクリル系粘着剤にハロゲン系や無機系の難燃剤を配合した粘着テープは知られているが、難燃剤の使用に起因した問題が多く、その改善が望まれていた。また昨今、環境に配慮した生分解性を有する粘着剤が要求されるようになっており、さらに植物由来の材料を用いたバイオマス製品の開発も注目されている。

本発明は、このような事情に照らし、ハロゲン系や無機系の難燃剤を配合することなく難燃性を発現する粘着シートを提供すること、また生分解性を有し、特に植物由来の材料を用いた環境に優しい難燃性粘着シートを提供することを課題としている。

本発明者らは、上記の課題を解決するために、鋭意検討した結果、ハロゲン系や無機系の難燃剤を配合していた従来のアクリル系粘着剤に代えて、脂肪族エステル系ポリマーを主成分とした脂肪族エステル系粘着剤を使用しこれに適度な架橋処理を施すことにより、ハロゲン系や無機系の難燃剤を配合することなく、良好な難燃性を発現できること、また脂肪族エステル系ポリマーはアクリル系ポリマーに比べて生分解性に優れており、植物由来の材料も任意に選択使用できるので、環境に優しい難燃性粘着シートが容易に得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。

すなわち、本発明は、脂肪族エステル系ポリマーを架橋処理した粘着剤層を有し、この粘着剤層の燃焼試験法(試験法:JIS K 7201)によって測定される酸素指数が26以上であることを特徴とする難燃性粘着シート、特に上記酸素指数が30以上である上記構成の難燃性粘着シート、また脂肪族エステル系ポリマーが植物由来の材料を原料としたポリマーである上記構成の難燃性粘着シートに係るものである。

また、本発明は、上記の脂肪族エステル系ポリマーが、脂肪族ジカルボン酸10モル当量に対して、脂肪族ジオール1〜8モル当量およびジメチロールアルキル酸9〜2モル当量(ただし、脂肪族ジオールとジメチロールアルキル酸との合計量は10モル当量)を縮合反応させて得られる、分子側鎖にカルボキシル基を持つポリエステル系重合体である上記構成の難燃性粘着シートに係るものである。

さらに、このような難燃性粘着シートの製造方法として、脂肪族ジカルボン酸10モル当量に対して、第一反応として脂肪族ジオール1〜8モル当量を縮合反応させ、第二反応としてジメチロールアルキル酸9〜2モル当量(ただし、脂肪族ジオールとジメチロールアルキル酸との合計量は10モル当量)を縮合反応させて、分子側鎖にカルボキシル基を持つポリエステル系重合体を得、このポリエステル系重合体を架橋処理した粘着剤層を形成することを特徴とする難燃性粘着シートの製造方法に係るものである。

なお、この明細書において、「難燃性粘着シート」には、通常幅広の難燃性粘着シートだけでなく、通常幅狭の難燃性粘着テープも含まれるものであり、また難燃性粘着ラベルなどの他の公知の各種の粘着製品も広く包含されるものである。

このように、本発明は、脂肪族エステル系ポリマーを主成分とした脂肪族エステル系粘着剤を使用しこれに適度な架橋処理を施すことにより、特別な難燃処理を施すことなく、良好な難燃性を発現させることができ、火災発生時にそれ自体が燃え広がることもなく、有毒なガスの発生もないので、安全性の高い難燃性粘着シートを提供できる。また、従来のハロゲン系難燃剤のように火災時のガスによる二次災害の危険性を伴わず、また従来の無機系の難燃剤のように透明性や粘着特性を悪化させることもない。

さらに、本発明に使用する脂肪族エステル系ポリマーは、アクリル系ポリマーに比べて生分解性に優れており、植物由来の材料も任意に選択使用できるので、燃やしてもカーボンニュートラルの面から大気中の二酸化炭素量は増えず、二酸化炭素の増加による温暖化を防ぐことができ、環境に優しい難燃性粘着シートを提供できる。

本発明において、脂肪族エステル系ポリマーには、ポリエステル系重合体やポリ乳酸系重合体などが挙げられ、これらは、アクリル系ポリマーと異なり、生分解性を期待できるものであり、また植物由来の材料も任意に選択使用できるものである。

このような脂肪族エステル系ポリマーの中でも、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとを縮合反応させて得られるポリエステル系重合体を使用するのが望ましい。また特に、上記の縮合反応に際して、ジオール成分として脂肪族ジオールと共にジメチロールアルキル酸を併用することにより、これらの原料を共縮合反応させて得られる分子側鎖にカルボキシル基を持つポリエステル系重合体を使用するのが最も望ましい。

上記のポリエステル系重合体は、分子側鎖にカルボキシル基を持つことにより、金属などの極性がある被着体に対する接着力に優れた粘着シートを得ることができる。以下に、このようなポリエステル系重合体を得る方法について、説明する。

脂肪族ジカルボン酸には、コハク酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリック酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、1,12−ドデカン酸、1,14−テトラデカン酸、ダイマー酸などが挙げられ、2種以上を併用することもできる。

脂肪族ジオールには、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオールなどの直鎖脂肪族ジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,3,5−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−メチル−1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,9−ノナンジオール、ダイマージオールなどの炭化水素基側鎖を持つ脂肪族ジオールなどが挙げられ、2種以上を併用することもできる。

また、ポリエステルの分子中に極性を持った側鎖を導入するため、ジメチロールアルキル酸が用いられる。このジメチロールアルキル酸は、分子中に二つの水酸基と一つのカルボキシル基を有しているため、二つの水酸基がそれぞれ脂肪族ジカルボン酸と縮合することにより、分子側鎖にカルボキシル基を導入できる。

このようなジメチロールアルキル酸には、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールオクチル酸などが挙げられる。

脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとの使用割合は、脂肪族ジカルボン酸の総量10モル当量に対して、脂肪族ジオールが1〜8モル当量,好ましくは2〜7モル当量、より好ましくは3〜6モル当量である。脂肪族ジオールが1モル当量未満では重合時にゲル化が発生しやすく、8モル当量を超えると接着力の向上効果が低減する。

また、ジメチロールアルキル酸の使用割合は、脂肪族ジカルボン酸の総量10モル当量に対して、9〜2モル当量、好ましくは8〜3モル当量、より好ましくは7〜4モル当量である。ジメチロールアルキル酸が2モル当量未満では接着力向上効果が著しく低減し、9モル当量を超えるとゲル化が発生しやすくなる。

脂肪族ジカルボン酸のモル数と、脂肪族ジオールとジメチロールアルキル酸との合計モル数とは、等しくすることが望ましい。すなわち、脂肪族ジカルボン酸10モル当量に対して、脂肪族ジオールとジメチロールアルキル酸との合計量が10モル当量となるようにするのが望ましい。このようにモル数を等しくすることにより、高分子量のポリエステル系重合体を得ることができる。

ただし、ポリエステル系重合体の分子量がそれほど低下しない範囲内で、どちらかが、やや多めとなるように設定することもできる。つまり、脂肪族ジカルボン酸10モル当量に対して、脂肪族ジオールとジメチロールアルキル酸との合計量が9.8〜10.2モル当量の範囲となるようにすることもできる。

上記の脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールおよびジメチロールアルキル酸とを縮合反応させてポリエスル系重合体を得るが、その際、上記の各原料を一緒に縮合反応させるとジメチロールアルキル酸が架橋剤として作用して、縮合反応中にゲル化が発生し縮合反応をスムースに行えにくくなるため、好ましくない。

そこで、第一反応として、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとを縮合反応させる。その際、脂肪族ジカルボン酸のモル比を多くすることにより、ポリエステルの分子末端をカルボキシル基にする。反応終了後、第二反応として、ジメチロールアルキル酸を添加して、第一反応で生成したポリエステルの分子末端のカルボキシル基とジメチロールアルキル酸の水酸基とを縮合反応させることにより、ゲル化させることなく、分子側鎖にカルボキシル基を持つポリエステル系重合体を得ることができる。

すなわち、脂肪族ジカルボン酸10モル当量に対し、第一反応として脂肪族ジオール1〜8モル当量を縮合反応させ、第二反応としてジメチロールアルキル酸9〜2モル当量(ただし、脂肪族ジオールとジメチロールアルキル酸との合計量は10モル当量)を縮合反応させて、分子側鎖にカルボキシル基を持つポリエステル系重合体を得る。

ここで、第二反応において、ジメチロールアルキル酸の量が、脂肪族ジカルボン酸10モル当量に対し、9〜2モル当量であることで、第一反応で得られたポリエステルの分子末端に水酸基がないため、ジメチロールアルキル酸が架橋剤として反応し難いが、9モル当量を超えるとジメチロールアルキル酸が自己縮合してゲル化しやすくなる。

上記の反応に際し、一般の縮合反応に用いられる触媒を使用することができる。具体的には、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、三酸化アンチモン、ブチルスズオキシドなどの金属化合物が挙げられる。

これら触媒の使用量は、適宜選択できるが、通常は、脂肪族ジカルボン酸100重量部あたり、0.01〜1.0重量部、好ましくは0.02〜0.6重量部である。触媒の使用量が0.01重量部未満では重合時間が著しく長くなり、1.0重量部を超えて使用するとゲル化が発生すやすくなる。

このようにして得られるポリエステル系重合体は、酸価が10〜70mgKOH/gであり、通常のポリエステル系重合体の酸価が0.1〜5.0mgKOH/gであるのに比べて、分子中の酸(カルボキシル基)の量が増えていることがわかる。つまり、このポリエステル系重合体は、分子側鎖にカルボキシル基を持つものである。

なお、上記の酸価は、常法にしたがい、溶媒に溶解した試料(ポリエステル系重合体)をKOHで中和して求めることができる。

本発明の難燃性粘着シートは、このようにして得られる分子側鎖にカルボキシル基を持つポリエステル系重合体を代表例とした脂肪族エステル系ポリマーを主成分とする脂肪族エステル系粘着剤を架橋処理した構成の粘着剤層を有するものである。

脂肪族エステル系ポリマーを主成分とする脂肪族エステル系粘着剤には、必要により、粘着性付与剤、老化防止剤、酸化防止剤、着色剤、充填剤など、粘着剤に通常配合されている従来公知の各種の添加剤を任意に配合することができる。

架橋処理には、ポリイソネアネート化合物、ポリエポキシ化合物、ポリアジリジン化合物など、脂肪族エステル系ポリマーに含まれる官能基と反応可能な官能基を持つ多官能性化合物を架橋剤として加えて、架橋反応させることができる。

この架橋処理により、粘着剤層の耐熱性などが向上してくるが、架橋に伴い脂肪族エステル系ポリマーに由来する難燃効果が低下してくるため、架橋処理の度合いを制御して、粘着剤層の燃焼試験法(試験法:JIS K 7201)によって測定される酸素指数が26以上、好ましくは30以上となるように調整する。なお、酸素指数が26以上であれば自己消火性があり、それ自体が燃え広がることはない。

架橋剤の中でも、ポリイソネアネート化合物が好ましい。ポリイソネアネート化合物としては、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族ポリイソシアネート類、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレリンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート類、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物やヘキサメチレンジイソシアネート付加物などのイソシアネート付加物などが挙げられる。これらの架橋剤は2種以上を併用してもよい。

架橋剤の使用量は、適宜、選択することができる。通常は、ポリエステル系重合体(脂肪族エステル系ポリマー)100重量部あたり、0.01〜6重量部、好ましくは0.05〜5重量部とするのがよい。

架橋剤の使用量が0.01重量部未満となると、架橋処理の効果がみられなくなり、6重量部を超えて使用すると、粘着剤層の燃焼試験法(試験法:JIS K 7201)によって測定される酸素指数が26未満となりやすい。また、架橋剤の使用量が過多となると、接着力の低下を引き起こす結果となる。

本発明の難燃性粘着シートは、支持体または剥離性支持体上に、上記した脂肪族エステル系ポリマーを主成分とする脂肪族エステル系粘着剤を塗布し、加熱乾燥して、架橋処理した粘着剤層を形成することにより、得ることができる。粘着剤層の厚さは、用途目的に応じて適宜決められるが、通常は10〜50μmであるのがよい。

支持体には、金属や金属酸化物なとの無機物からなる箔、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのプラスチックフィルム、紙、不織布などの多孔質材料など、各種材質からなるものが挙げられるが、難燃性を有しているのが望ましい。

つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重量部を意味するものとする。

実施例1
四つ口のセパラブルフラスコに撹拌機、温度計、窒素管および水分離管を付し、これにダイマー酸(ユニケマ社製の「プリポール1009」、分子量567)100部、ダイマージオール(ユニケマ社製の「プリポール2033」、分子量537)95部、触媒としてn−ブチルスズオキシド(キシダ化学社製)0.4部、反応水排出溶剤としてキシレン40部を仕込み、窒素雰囲気で撹拌しながら180℃まで昇温し、この温度を保持した。しばらくすると、反応水の流出分離が認められ、反応が進行し始めた。約30時間反応を続けて、ポリエステル系重合体を得た。

なお、上記のダイマー酸とダイマージオールの使用割合は、ダイマー酸10モル当量に対して、ダイマージオールが10モル当量であった。

このポリエステル系重合体をキシレンで固形分濃度30重量%に希釈した。このポリエステル系重合体100部(固形分)に対し、架橋剤としてトリメチロールプロパンのヘキサメチレンジイソシアネート付加物(日本ポリウレタン社製の「コロネートL」)2部(固形分)を、配合して、脂肪族エステル系粘着剤とした。

この脂肪族エステル系粘着剤を、シリコーン系剥離剤で剥離処理した厚さが38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムという)の上に塗布して、100℃で5分乾燥後、さらに50℃の雰囲気に120時間放置して、粘着剤層の厚さが50μmの難燃性粘着シートを得た。

実施例2
四つ口のセパラブルフラスコに撹拌機、温度計、窒素管および水分離管を付し、これにダイマー酸(ユニケマ社製の「プリポール1009」、分子量567)100部、ダイマージオール(ユニケマ社製の「プリポール2033」、分子量537)38部、触媒としてn−ブチルスズオキシド(キシダ化学社製)0.4部、反応水排出溶剤としてキシレン20部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら、180℃まで昇温して、この温度を保持した。

しばらくすると、反応水の流出分離が認められ、第一反応が進行し始めた。約12時間第一反応を続けて、分量が一定になったことを確認し、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(東京化成工業社製)14部を添加し、同様にして、約9時間第二反応を行い、分子側鎖にカルボキシル基を持つポリエステル系重合体を得た。

なお、上記の第一反応および第二反応で使用したダイマー酸、ダイマージオールおよび2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸の使用割合は、ダイマー酸10モル当量に対して、ダイマージオールが4モル当量、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸が6モル当量であった。

このポリエステル系重合体をキシレンで固形分濃度30重量%に希釈した。このポリエステル系重合体100部(固形分)に対し、架橋剤としてトリメチロールプロパンのヘキサメチレンジイソシアネート付加物(日本ポリウレタン社製の「コロネートL」)2部(固形分)を、配合して、脂肪族エステル系粘着剤とした。

この脂肪族エステル系粘着剤を、シリコーン系剥離剤で剥離処理した厚さが38μmのPETフィルムの上に塗布して、100℃で5分乾燥後、さらに50℃の雰囲気に120時間放置して、粘着剤層の厚さが50μmの難燃性粘着シートを得た。

実施例3
第一反応でダイマー酸を100部、ダイマージオールを76部に、第二反応で2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸を5部に、それぞれ、変更した以外は、実施例2と同様して、分子側鎖にカルボキシル基を持つポリエステル系重合体を得た。

なお、上記の第一反応および第二反応で使用したダイマー酸、ダイマージオールおよび2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸の使用割合は、ダイマー酸10モル当量に対して、ダイマージオールが8モル当量、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸が2モル当量であった。

このポリエステル系重合体を用いて、実施例2と同様にして、脂肪族エステル系粘着剤および難燃性粘着シートを得た。

実施例4
第一反応でダイマー酸を100部、ダイマージオールを57部に、第二反応で2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸を9部に、それぞれ、変更した以外は、実施例2と同様して、分子側鎖にカルボキシル基を持つポリエステル系重合体を得た。

なお、上記の第一反応および第二反応で使用したダイマー酸、ダイマージオールおよび2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸の使用割合は、ダイマー酸10モル当量に対して、ダイマージオールが6モル当量、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸が4モル当量であった。

このポリエステル系重合体を用いて、実施例2と同様にして、脂肪族エステル系粘着剤および難燃性粘着シートを得た。

実施例5
架橋剤であるトリメチロールプロパンのヘキサメチレンジイソシアネート付加物(日本ポリウレタン社製の「コロネートL」)の使用量を5部(固形分)に変更した以外は、実施例2と同様にして、脂肪族エステル系粘着剤および難燃性粘着シートを得た。

比較例1
架橋剤であるトリメチロールプロパンのヘキサメチレンジイソシアネート付加物(日本ポリウレタン社製の「コロネートL」)の使用量を8部(固形分)に変更した以外は、実施例2と同様にして、脂肪族エステル系粘着剤および難燃性粘着シートを得た。

比較例2
フラスコ内で、ブチルアクリレート100部とアクリル酸5部とを、トルエンを用いて溶液重合することにより,アクリル系重合体を得た。

このアクリル系重合体100部(固形分)に対し、架橋剤としてトリメチロールプロパンのヘキサメチレンジイソシアネート付加物(日本ポリウレタン社製の「コロネートL」)2部(固形分)を、配合して、アクリル系粘着剤とした。このアクリル系粘着剤を用いて、実施例2と同様にして、難燃性粘着シートを得た。

比較例3
アクリル系粘着剤中に、難燃剤としてハロゲン系難燃剤40部と三酸化アンチモン20部を配合した以外は、比較例2と同様にして、難燃性粘着シートを得た。

比較例4
アクリル系粘着剤中に、無機系難燃剤として水酸化アルミニウム80部と水酸化マグネシウム20部を配合した以外は、比較例2と同様にして、難燃性粘着シートを得た。

上記の実施例1〜5および比較例1〜4の各難燃性粘着シートについて、架橋処理した粘着剤層の難燃性(燃焼試験によって測定される酸素指数)、接着力、燃焼時のハロゲンガス発生の有無、全光線透過率を、下記の方法により、測定した。これらの測定結果は、表1に示されるとおりであった。

<難燃性>
JIS K 7201に準じた燃焼試験法により、酸素指数を測定した。試験片の支持方法をB−1号とし、酸素指数の決定は燃焼時間が3分以上または5cm以上燃え続けた時とし、点火器の熱源はハロゲンガスとした。

なお、上記の「試験片の支持方法をB−1号とし、」とは、幅70mm×長さ200mmのアルミ板の長さ方向の一端側を、U字状〔幅60mm(幅方向における両端がそれぞれ5mm残るように)、長さ100mm〕に切欠して、支持板とし、この支持板の上記のU字部分に難燃性粘着シートの粘着剤層(幅70mm×長さ100mm)を貼り付けたのち、シリコーン系剥離剤で剥離処理したPETフィルムを引き剥がして、試験片としたものである。

<接着力>
JIS C 2107の粘着力(180度引き剥がし法)に準じて測定した。ただし、圧着は2kgのローラーを1往復して行い、被着体にはステンレス板を使用し、試験片は幅20mmにし、引張り速度は300mm/分とした。

なお、上記の試験片は、難燃性粘着シートの粘着剤層面に支持体としてPETフィルムを貼り付けたのち、シリコーン系剥離剤で剥離処理したPETフィルムを引き剥がして、作製したものである。

<燃焼時のハロゲンガス発生の有無>
管状電気炉法:JIS K 2541に準じ、イオンクロマトグラフ法により燃焼時のハロゲンガス発生の有無を調べた。

<全光線透過率>
スライドガラス「MICRO SLIDE GLASS」〔松浪硝子工業(株)、幅26mm×長さ76mm〕に、難燃性粘着シートの粘着剤層面を貼り付けたのち、シリコーン系剥離剤で剥離処理したPETフィルムを引き剥がし、試験片とした。

この試験片について、(株)村上色彩技術研究所の「HAZE METER HM−150」により、550nmの光線透過率を測定した。







Figure 2007320976
この結果からも明らかなように、ポリエステル系重合体を架橋処理して燃焼試験法にて測定される酸素指数を26以上とした粘着剤層を有する実施例1〜5の各難燃性粘着シートは、難燃性と接着力とを共に満足し、しかも燃焼時のハロゲンガスの発生がみられず、また全光線透過率も高く透明性に優れていることがわかる。特に、ポリエステル系重合体として、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールおよびジメチロールアルキル酸とを縮合反応させて得られる分子側鎖にカルボキシル基を持つポリエステル系重合体を使用した実施例2〜5の各難燃性粘着シートは、接着力に非常に優れている。

これに対して、上記酸素指数が26に満たない比較例1の難燃性粘着シートは難燃性に問題があり、またアクリル系粘着剤を使用した比較例2の難燃性粘着シートでは難燃性に著しく劣り、これを改良するため、ハロゲン系難燃剤を配合した比較例3の難燃性粘着シートでは燃焼時のハロゲンガス発生の問題をさけられず、さらに無機系難燃剤を配合した比較例4の難燃性粘着シートでは透明性の低下が著しい。

Claims (5)

  1. 脂肪族エステル系ポリマーを架橋処理した粘着剤層を有し、この粘着剤層の燃焼試験法(試験法:JIS K 7201)によって測定される酸素指数が26以上であることを特徴とする難燃性粘着シート。

  2. 粘着剤層の燃焼試験法(試験法:JIS K 7201)によって測定される酸素指数が30以上である請求項1に記載の難燃性粘着シート。

  3. 脂肪族エステル系ポリマーは、植物由来の材料を原料としたポリマーである請求項1または2に記載の難燃性粘着シート。

  4. 脂肪族エステル系ポリマーは、脂肪族ジカルボン酸10モル当量に対して、脂肪族ジオール1〜8モル当量およびジメチロールアルキル酸9〜2モル当量(ただし、脂肪族ジオールとジメチロールアルキル酸との合計量は10モル当量)を縮合反応させて得られる、分子側鎖にカルボキシル基を持つポリエステル系重合体である請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性粘着シート。

  5. 脂肪族ジカルボン酸10モル当量に対して、第一反応として脂肪族ジオール1〜8モル当量を縮合反応させ、第二反応としてジメチロールアルキル酸9〜2モル当量(ただし、脂肪族ジオールとジメチロールアルキル酸との合計量は10モル当量)を縮合反応させて、分子側鎖にカルボキシル基を持つポリエステル系重合体を得、このポリエステル系重合体を架橋処理した粘着剤層を形成することを特徴とする請求項4に記載の難燃性粘着シートの製造方法。
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