JP2006233119A - 生分解性ポリエステルウレタン溶液 - Google Patents

生分解性ポリエステルウレタン溶液 Download PDF

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Abstract

【課題】 硬さ、柔らかさを広範囲に変えることができ、その上自然条件下の土壌中で支障なく生分解するポリエステルウレタン溶液であり、しかも現場での円滑な作業性を十分考慮した生分解性ポリエステルウレタンの溶液を提供するものであり、皮膜の強靭性が高く、フィルムとしたときに大きな伸長性を有し、接着強度の高い塗膜を形成する生分解性ポリエステル樹脂溶液を提供する。
【解決手段】 グリコールとしてブタンジオールを用いた、ジカルボン酸・グリコ−ル型ポリエステルとポリイソシアネートの付加反応により得られる融点が45℃以上のポリエステルウレタンの、ハロゲンを含有しない汎用溶剤の溶液であって、結晶化所要時間が3時間以内にあり、そのゲル化温度が20℃以下であることを特徴とする生分解性ポリエステルウレタン溶液及びそれを用いた生分解性コーティング材、生分解性接着剤及び生分解性樹脂フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は生分解性を有するジカルボン酸・グリコール型脂肪族ポリエステルとポリイソシアネートを付加反応により得られる生分解性ポリエステルウレタンの応用を容易にする技術に関するものであり、紙、各種フイルム、金属シート、木工材料、糸類、繊維類などに塗工し保護膜として、機能付与のバインダーとして又は接着を目的に使用され、塗工性能、微細加工性、溶液の安定性に優れた生分解性ポリエステルウレタンに関するものである。本発明ではジカルボン酸・グリコールを縮合した生分解性ポリエステルとポリイソシアネートから得られるポリエステルウレタンの有機溶剤の溶液であり、必要に応じ可塑剤、フィラー、酸化防止剤、レベリング剤、増粘剤、分解安定剤など、さらには、変性デンプンなど他の生分解性樹脂との併用で各種用途にあわせ性能を調整し使用される。
本発明の生分解性ポリエステルウレタンは、原料組成を変えることで生成物ポリエステルウレタンの性質を広範にしかも容易に変更しうるポリエステルウレタンであり、これをハロゲンを含有しない汎用溶剤に溶解し、室温で使用可能な生分解性ポリエステル溶液に関する。
従来の生分解性プラスチックは、人体や環境に強い悪影響を与える塩素系の溶媒に溶けやすいが、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエンなどの工業用汎用溶剤に溶けにくいという性質を有する。このため、生分解性プラスチックを使用して塗料組成物を調製する場合には、公害問題の少ない工業用汎用溶剤を用いることができないという問題があった。
生分解性ポリエステルウレタンとしては、数平均分子量15000以下のポリマー(分子末端の水酸基価が5〜100であり、架橋剤がイソシアネート類である脂肪族ポリエステル)と架橋剤と架橋触媒と、非ハロゲン系溶剤とを含有する生分解性塗料組成物(特許文献1参照)、乳酸残基が60〜95モル%、カプロラクトン残基が5〜30モル%含有され、還元粘度(ηsp/c)が0.5〜1.5dl/gである生分解性ポリエステルを含有する生分解性ポリエステル接着剤(引用文献2参照)、生分解性樹脂層と紙との間に生分解性接着剤層(D−乳酸とL−乳酸との共重合体からなるポリ乳酸:分子量が10000〜150000)を設けた積層体(特許文献3参照)、C2〜C4のグリコールとC1〜C5のアルデヒドまたはケトン類との反応物である生分解性ポリエステル系樹脂溶液及びそれを塗工用、接着用樹脂溶液(特許文献4参照)等多数の提案がある。
しかし、これらの提案されている溶液化可能な生分解性ポリエステル樹脂を樹脂バインダーとして使用したコーティング材、接着剤等は、それから形成された塗膜の強度が不十分且つ脆いという問題がある。例えばポリカプロラクトンは軟化点が60℃一点のみで被加工材による変更が不可能である。またポリ乳酸系のポリマーは脆くて物性的に不十分であり、かつ土壌中では生分解し難いという問題があって利用分野が極めて狭く限定される。
このような観点から、従来のプラスチックと同じようにコーティング材、接着剤として使用出来、不要となった後は自然界の微生物によってバイオマス形成に関わった後、水と二酸化炭素に分解され、自然に還るプラスチックでの開発が望まれていた。
特開平08−311368号公報 特開平08−092359号公報 特開2003−011286号公報 特開2003−261752号公報
本発明は原料組成により、生成物ポリエステルウレタンの性質を広範にしかも容易に変更しうるジカルボン酸・グリコ−ルポリエステルとポリイソシアネートから得られる生分解性ポリエステルウレタンを、ハロゲンを含有しない汎用溶剤に溶解し、室温で使用可能な溶液及びその利用方法である。
従来の生分解性プラスチックは、人体や環境に強い悪影響を与える含塩素系の溶媒に溶けやすいが、ハロゲンを含有しない汎用溶剤に溶けにくいという性質を有する。このため、生分解性プラスチックを使用して塗料組成物を調製する場合には、公害問題の少ない工業用汎用溶剤を用いることが難しいという問題があった。本発明は、以上の従来の技術の課題を解決しようとするものであり、従来の生分解性ポリエステル系樹脂溶液に比し、硬さ、柔らかさを広範囲に変えることができ、その上自然条件下の土壌中で支障なく生分解するポリエステルウレタン溶液であり、しかも現場での円滑な作業性を十分考慮した生分解性ポリエステルウレタンの溶液を提供するものであり、皮膜の強靭性が高く、フィルムとしたときに大きな伸長性を有し、接着強度の高い塗膜を形成する生分解性ポリエステル樹脂溶液を提供することを目的とする。
本発明は、
[1] グリコールとしてブタンジオールを用いた、ジカルボン酸・グリコ−ル型ポリエステルとポリイソシアネートの付加反応から得られた融点が45℃以上のポリエステルウレタンの、ハロゲンを含有しない汎用溶剤の溶液であって、結晶化所要時間が3時間以内にあり、そのゲル化温度が20℃以下であることを特徴とする生分解性ポリエステルウレタン溶液、
[2] 融点が45℃以上のポリエステルウレタンであって、ジカルボン酸としてアジピン酸が70重量%以上、コハク酸が多くとも30重量%未満からなる、またはアジピン酸が85重量%以上、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が多くとも15重量%未満からなる上記[1]に記載の生分解性ポリエステルウレタン溶液、
[3] 融点が45℃以上のポリエステルウレタンとして、コハク酸と1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の混合酸を使用する場合は、コハク酸65〜85重量%、1,4−シクロヘキサジカルボン酸35〜15重量%、またさらに該混合酸にアジピン酸を組合せた3種混合酸の場合には、コハク酸が80重量%より多く、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸とアジピン酸とはそれぞれ10重量%以下である上記[1]に記載の生分解性ポリエステルウレタン溶液、
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかに記載の生分解性ポリエステルウレタン溶液からなる生分解性コーティング材、
[5] 上記[1]〜[3]のいずれかに記載の生分解性ポリエステルウレタン溶液からなる生分解性接着剤、及び
[6] 上記[1]〜[3]のいずれかに記載の生分解性ポリエステルウレタン溶液からなる生分解性樹脂フィルム、を開発することにより上記の課題を解決した。
本発明は生分解性を有するジカルボン酸・グリコール型脂肪族ポリエステルとポリイソシアネートを付加反応により得られる生分解性ポリエステルウレタンを、各種物品に塗工し保護膜として、機能付与のバインダーとして又は接着を目的に使用するために有機溶媒の溶液としたものであり、塗工性能、微細加工性、溶液の安定性に優れた生分解性ポリエステルウレタンフィルム、接着膜あるいは塗膜を形成するものである。本発明の生分解性ポリエステルウレタンは、従来の生分解性ポリエステル系樹脂溶液に比し、硬さ、柔らかさを広範囲に変えることができ、その上自然条件下の土壌中で支障なく生分解するポリエステルウレタン溶液であり、しかも現場での円滑な作業性を十分考慮した生分解性ポリエステルウレタンの溶液を提供するものであり、これより得られた皮膜は脆くなく、強靱で、ある程度の伸びを有し、また接着強度の高い接着剤層または塗膜を形成する生分解性ポリエステル樹脂溶液を提供することに成功した。
本発明は、原料組成により、その性質を広範にしかも容易に変更しうるジカルボン酸・グリコ−ル型ポリエステルとポリイソシアネートの反応から得られた、融点が45℃以上のポリエステルウレタンを、ハロゲンを含有しない汎用溶剤に溶解し、結晶化所要時間が3時間以内にあり、そのゲル化温度が20℃以下である室温で使用可能な溶液及びその工業的な利用に関するものである。
本発明においてポリエステルウレタンの融点を45℃以上と規定したのは、高分子化合物の溶融は低分子化合物の融点と異なり、融点がシャープでなく低温度から溶融し始め、融点より高温度において融解を終える点にある。つまり融点が幅を持つのが一般的である事実は周知である。本発明のポリエステル溶液を接着剤あるいはコーティング剤として用いられるのは、その殆どが常温であることを考慮すると、前記融点幅が±5℃であったとすると、40℃以下での溶融がないことになることから、融点の最低値として45℃を選択した。
また、結晶化所要時間に関しては、3時間以内と規定した。これは本発明のポリエステル溶液を接着またはコーティングする際の作業性を考慮して選択したものである。
例えば、本発明のポリエステル溶液を紙に塗工し、熱風乾燥機で溶剤を蒸散させ、空冷して連続的に巻き取るケースにおいて、結晶化が遅いと巻き取りロール内部で結晶化し接着する危険が大きい。また上記のように塗工した紙に加熱圧着を加えて接着させた場合には逆に僅かな外力で接着部が剥離する不具合が生ずる。このような問題を回避するには経験的にポリマーの融点を高く、あるいはポリマーの融解熱を大きくすることが有効であることが知られている。しかしこのことはポリマーの汎用溶剤への溶解性を悪化し、実用性あるポリエステルウレタン溶液とすることが出来ないため、作業性、実用性を考慮して結晶化所要時間を3時間以内と選択したものである。
本発明において、ポリエステルウレタン溶液のゲル化温度を20℃以下としたが、これも室温での作業性を考慮して選択したものである。ゲル化温度が20℃以上であると、夏季以外においては貯蔵安定性がなく、作業性が困難となるためである。
本発明のポリエステルウレタンに使用するグリコールとしては、1,4−ブタンジオールである。ポリエステルの原料としてはエチレングリコールが最も多く用いられているが、エチレングリコールを用いたときは、結晶性が高いためかゲル化温度が高くなるため、ポリエステルウレタン溶液としたとき常温で使用することが困難になる。これに対し、グリコールとして1,4−ブタンジオールを用いたときのポリエステルは、ある範囲のポリエステルウレタンだけであるが、室温で作業するために有利な、ゲル化温度を20℃以下を確保することができるだけでなく、安価であり、入手の容易性から選択した。
本発明に使用するジカルボン酸としては、アジピン酸単独、もしくははこれとコハク酸及び/または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の組み合わせたもの(複合ジカルボン酸)またはコハク酸と1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の複合酸を使用する。得られたポリエステルはポリイソシアネートと付加反応を行い、ポリエステルウレタンとして高分子化することにより、有機溶媒に溶解して使用したときに、強靱度の高いフィルムとすることが可能となった。
アジピン酸とコハク酸の組合せにおいては、アジピン酸70重量%以上、コハク酸30重量%未満、好ましくはアジピン酸75〜95重量%、コハク酸25〜5重量%である。アジピン酸の配合量が70重量%を下回るときは融点が著しく低下する上、結晶化所要時間が著しく増大し、実用性が失われる。コハク酸を少量併用することでゲル化温度を0℃以下まで下げることが可能となる。これは溶液の低温安定性を高めるために極めて好ましいものである。
アジピン酸と1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の組合せにおいては、アジピン酸85重量%以上、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸15重量%未満、好ましくはアジピン酸88〜95重量%である。アジピン酸の配合量が85重量%を下回るときは融点が著しく低下する上、結晶化所要時間が著しく増大し、実用性が失われる。
ジカルボン酸として、コハク酸と1,4−シクロヘキサンジカルボン酸組合せた混合酸を使用する場合においては、コハク酸65〜85重量%、1,4−シクロヘキサジカルボン酸35〜15重量%、好ましくはコハク酸75〜85重量%の混合酸を、用いることが好ましい。この場合においてコハク酸の配合量が85重量%を上回るときは溶液のゲル化温度が高くなり、常温での取扱が困難となる。一方、65重量%を下回るときは結晶化所要時間が長くなりポリエステルウレタン溶液としては取扱性が失われる。またこの前記混合酸とアジピン酸の3種混合酸を使用するときはコハク酸は80重量%より多く、アジピン酸と1,4−シクロヘキサンジカルボン酸は多くともそれぞれ10重量%の混合酸を用いることも出来る。
本発明のポリエステルウレタンに使用するポリエステルは、重量平均分子量が10,000以上、300,000以下で、末端基が実質的にヒドロキシル基である、グリコ−ルとしてブタンジオ−ルを用いたジカルボン酸・グリコ−ル型ポリエステルである。ポリエステルウレタンは、該ポリエステルのヒドロキシル基に対し、1/10〜1.5当量のイソシアネ−ト基を有するポリイソシアネ−トを反応して得られ、重量分子量はほぼ50,000〜700,000、好ましくは70,000〜300,000である。
尚該反応に際して反応温度に格別の制限はないが、高いほど反応所要時間は短く、例えば160℃であれば多くは前述ポリエステルが溶融状態であり実施できる。但し反応の進行に伴って系の粘度が上昇し、撹拌が困難になるが、反応が均一に進まなくなるのは避けねばならない。高粘度を避けるため反応系が有機溶剤を含む場合にはその常圧における沸点とするのが便利である。
本発明のポリエステルウレタン溶液に使用する溶剤としては、酢酸エステル、芳香族系炭化水素、ケトンなどが使用できる。好ましくは酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等を挙げることができる。
ポリマーの濃度としては、出来れば濃度は高いほど応用性が高いが粘度が高くなるため、取扱性、使用目的にもよるが通常15〜30重量%、約25重量%前後のものが取扱性がよい。
以上の説明からも分かるように、原料ジカルボン酸の品種、配合割合がポリエステルの融点、結晶化所要時間、溶液としたときのゲル化温度と複雑に絡み合って変化している。融点に対し、溶液のゲル化温度はほぼ正相関的に変化し、結晶化所要時間はほぼ逆相関的に変化する。詰まり結晶化所要時間と溶液のゲル化温度はほぼ逆相関的に変化する。これらの物性の実用性を勘案して、商品化の対象として、室温で使用される接着剤あるいはコーティング剤としてのポリエステル溶液の要件を特定した。
[測定方法]
1)結晶化所要時間
試料約30gをPETフイルム(50μ)に挟んで150℃×2分間の予熱後に5N/cm×2分間加圧後に30℃で5N/cm×2分間加圧冷却、しかる後これを23℃×65%相対湿度の雰囲気に置き、PETフイルムを試料の付着無く剥離出来るに要する最小時間とする。またアジピン酸;アジピン酸、コハク酸;コハク酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸、である。
[実施例1]
攪拌装置、温度計、分溜管及びガス流入管を備えた500mlセパラブル丸底四つ口フラスコに1.4−ブタンジオールを180g、アジピン酸を280.8g(モル比で104:100) チタニウムテトライソプロポキサイド(以下「TiP」として示す。)0.14g(ジオールと酸の合計仕込み重量に対し0.03部)仕込み、攪拌下マントルヒーターで200〜220℃まで昇温し、脱水縮合させた。5時間後の生成物の酸価は21.5であった。分溜管を直流管に替えて真空ポンプで減圧しながら200〜220℃に加温して脱グリコール反応を行った。減圧度は最終的に60Paに到達した。微黄色の高粘度溶融体が得られた。次にこれを180℃まで冷却し、窒素ガス流通化に常圧に戻し、0.08gのホスホン酸を加えて攪拌し、更に3.5gのヘキサメチレンジイソシアネート(以下「HDI」と略記する)(−NCO/−OH=0.32)を加えて、同温度にて鎖延長反応を行った。得られた生成物は微黄色の生分解性ポリエステルで、重量平均分子量Mw=145,000、 融点56.4℃、 融解熱62.1mJ/mgであった。
該生成物30gを50μm厚のPETフィルムで挟み、150℃×2分間の予熱後に5N/cm×2分間加圧する。その後、フィルムを30℃で5N/cm×2分間加圧し冷却した後に23℃×65%相対湿度の雰囲気下に放置すると、約70分で剥離可能となった。
60gの本実施例1生成物を攪拌装置、冷却器及び温度計を備えた500mlセパラブル平底フラスコに量り取り、トルエン240gを加えて、還流下に3時間加熱溶融させた後冷却した。固形分20%の微黄色液体が得られ、この溶液のゲル化温度はDSC測定で4.1℃であった。
[実施例2]
実施例1と同様の反応装置に1,4−ブタンジオールを160g、コハク酸を121g、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を 117.6g(モル比で104:80:20 ) 、TiP 0.12g(ジオールと酸の合計仕込み重量に対し0.03部)仕込み、実施例1と同条件下反応を行った。なお、常圧反応5時間後の生成物の酸価は20.2、減圧後添加したホスホン酸は0.07g、HDIは3.0g(−NCO/−OH=0.25)とした。得られた生成物は微黄色の生分解性ポリエステルで、重量平均分子量Mw=98,000となった。 DSC測定では40.3℃及び90.4℃に融点を示す吸熱ピークを持ち、 融解熱44.2mJ/mgであった。
実施例1と同様に、該生成物溶融後のフィルム剥離性の確認したところ、約120分で剥離可能となった。
60gの実施例3生成物を攪拌装置、冷却器及び温度計を備えた500mlセパラブル平底フラスコに量り取り、トルエン240gを加えて、還流下に3時間加熱溶融させた後冷却した。固形分20%の微黄色液体が得られ、この溶液のゲル化温度はDSC測定で10〜15℃であった。
[実施例3]
実施例1と同様の反応装置に1,4−ブタンジオールを180g、コハク酸を20.2g、アジピン酸を224.7g(モル比で104:10:90) TiP 0.12g(ジオールと酸の合計仕込み重量に対し0.03部)仕込み、実施例1と同条件下反応を行った。なお、常圧反応5時間後の生成物の酸価は20.0、減圧後添加したホスホン酸は0.08g、HDIは3.0g(−NCO/−OH=0.31)とした。。得られた生成物は微黄色の生分解性ポリエステルで、重量平均分子量Mw=119,000、 融点52.6.2℃、 融解熱42.9mJ/mgであった。
実施例1と同様に、該生成物溶融後のフィルム剥離性の確認したところ、約120分で剥離可能となった。また本ポリエステルのゲル化温度はDSC測定で−2.8℃であった。
60gの実施例3生成物を攪拌装置、冷却器及び温度計を備えた500mlセパラブル平底フラスコに量り取り、トルエン240gを加えて、還流下に3時間加熱溶融させた後冷却した。固形分20%の微黄色液体が得られ、この溶液のゲル化温度はDSC測定でー2.8℃となった。
60gの実施例3生成物を攪拌装置、冷却器及び温度計を備えた500mlセパラブル平底フラスコに量り取り、酢酸ブチル240gを加えて、還流下に3時間加熱溶融させた後冷却した。固形分20%の微白濁液体が得られ、この溶液のゲル化温度はDSC測定で18.5℃であった。
[実施例4]
実施例1と同様の反応装置に1,4−ブタンジオールを180g、コハク酸を40.3g、アジピン酸を199.7g(モル比で104:20:80) TiP 0.12g(ジオールと酸の合計仕込み重量に対し0.03部)仕込み、実施例1と同条件下反応を行った。なお、常圧反応5時間後の生成物の酸価は21.0、減圧後添加したホスホン酸は0.08g、HDIは3.1g(−NCO/−OH=0.40)とした。得られた生成物は微黄色の生分解性ポリエステルで、重量平均分子量Mw=130,000、 融点48.2℃、 融解熱50.0mJ/mgであった。
実施例1と同様に、該生成物溶融後のフィルム剥離性の確認したところ、約170分で剥離可能となった。
60gの実施例4生成物を攪拌装置、冷却器及び温度計を備えた500mlセパラブル平底フラスコに量り取り、トルエン240gを加えて、還流下に3時間加熱溶融させた後冷却した。固形分20%の微黄色液体が得られ、この溶液のゲル化温度はDSC測定で−3.3℃となった。
60gの実施例4生成物を攪拌装置、冷却器及び温度計を備えた500mlセパラブル平底フラスコに量り取り、酢酸ブチル240gを加えて、還流下に3時間加熱溶融させた後冷却した。固形分20%の微黄色液体が得られ、この溶液のゲル化温度はDSC測定で17.9℃となった。
60gの実施例4生成物を攪拌装置、冷却器及び温度計を備えた500mlセパラブル平底フラスコに量り取り、キシレン240gを加えて、還流下に3時間加熱溶融させた後冷却した。固形分20%の微黄色液体が得られ、この溶液のゲル化温度はDSC測定で℃、目視法で0〜5℃となった。
[実施例5]
実施例1と同様の反応装置に1,4−ブタンジオールを180g、アジピン酸を224.6g、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を29.4g(モル比で104:90:10) TiP 0.12g(ジオールと酸の合計仕込み重量に対し0.03部)仕込み、実施例1と同条件下反応を行った。なお、常圧反応5時間後の生成物の酸価は19,8、減圧後添加したホスホン酸は0.10g、HDIは3.1g(−NCO/−OH=0.40)とした。得られた生成物は微黄色の生分解性ポリエステルで、重量平均分子量Mw=119,000、 融点48.4℃、 融解熱42.9mJ/mgであった。
実施例1と同様に、該生成物溶融後のフィルム剥離性の確認したところ、約140分で剥離可能となった。
60gの実施例5生成物を攪拌装置、冷却器及び温度計を備えた500mlセパラブル平底フラスコに量り取り、キシレン240gを加えて、還流下に3時間加熱溶融させた後冷却した。固形分20%の微黄色液体が得られ、この溶液のゲル化温度はDSC測定で℃、実測で6.3℃となった。
[実施例6]
実施例1と同様の反応装置に1,4−ブタンジオールを160g、コハク酸を181.5g、アジピン酸を12.5g、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を 14.7g(モル比で104:90:5:5 ) TiP 0.11g(ジオールと酸の合計仕込み重量に対し0.03部)仕込み、実施例1と同条件下反応を行った。なお、常圧反応5時間後の生成物の酸価は22.7、減圧後添加したホスホン酸は0.08g、HDIは3.1g(−NCO/−OH=0.54)とした。得られた生成物は微黄色の生分解性ポリエステルで、重量平均分子量Mw=99,000となった。 DSC測定では融点57.4℃、 融解熱44.2mJ/mgであった。
実施例1と同様に、該生成物溶融後のフィルム剥離性の確認したところ、約100分で剥離可能となった。
次に60gの該生成物を攪拌装置、冷却器及び温度計を備えた500mlセパラブル平底フラスコに量り取り、トルエン240gを加えて、還流下に3時間加熱溶融させた後冷却した。固形分20%の微黄色液体が得られ、この溶液のゲル化温度は1.0℃となった。
[比較例1]
実施例1と同様の反応装置に1,4−ブタンジオールを150g、コハク酸を66.2g、アジピン酸を152.1g(モル比で104:35:65) TiP0.12g(ジオールと酸の合計仕込み重量に対し0.03部)仕込み、実施例1と同条件下反応を行った。なお、常圧反応5時間後の生成物の酸価は19.3、減圧後添加したホスホン酸は0.08g、HDIは2.8g(−NCO/−OH=0.31)とした。。得られた生成物は微黄色の生分解性ポリエステルで、重量平均分子量Mw=123,000、 融点30.2℃、 融解熱40.8mJ/mgであった。
実施例1と同様に、該生成物溶融後のフィルム剥離性の確認したところ、約600分で剥離可能となった。
次に60gの該生成物を攪拌装置、冷却器及び温度計を備えた500mlセパラブル平底フラスコに量り取り、トルエン240gを加えて、還流下に3時間加熱溶融させた後冷却した。固形分20%の微黄色液体が得られ、この溶液のゲル化温度は−10.0℃となった。
[比較例2〜5]
比較例2は、実施例1と同様の反応装置に1,4−ブタンジオールを160g、コハク酸を181.5g、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を29.4g(モル比で104:90:10) TiP0.11g(ジオールと酸の合計仕込み重量に対し0.03部)仕込み、実施例1と同条件下反応を行った。なお、常圧反応5時間後の生成物の酸価は21.7、減圧後添加したホスホン酸は0.08g、HDIは2.9gとした。得られた生成物は微黄色の生分解性ポリエステルで、重量平均分子量Mw=127,000、 融点98.3℃、 融解熱60.5mJ/mgであった。
実施例1と同様に、該生成物溶融後のフィルム剥離性の確認したところ、約30分で剥離可能となる。
次に30gの該生成物を攪拌装置、冷却器及び温度計を備えた500mlセパラブル平底フラスコに量り取り、トルエン270gを加えて、還流下に3時間加熱溶融させた後冷却した。しかし、23℃では樹脂成分が分離沈降してしまった。
以下に比較例2と同様にその他モル配合比による生成物の融点、結晶化所要時間についても示す。
比較例3 1,4−ブタンジオール/アジピン酸/1,4−シクロヘキサンジカルボン酸=104/80/20
融点 42.8℃、結晶化時間 約24時間
比較例4 1,4−ブタンジオール/コハク酸/1,4−シクロヘキサンジカルボン酸=104/60/40
融点 38.5℃、結晶化時間 約24時間
比較例5 1,4−ブタンジオール/アジピン酸/コハク酸/1,4−シクロヘキサンジカルボン酸=104/75/15/10
融点 39.5℃、結晶化時間 約40時間
Figure 2006233119
本発明の生分解性ポリエステルウレタンは、原料組成により、その性質を広範にしかも容易に変更しうるジカルボン酸・グリコ−ルポリエステルとポリイソシアネートから得られる生分解性ポリエステルウレタンを、ハロゲンを含有しない汎用溶剤に溶解した、室温で使用可能な溶液である。
この生分解性ポリエステルウレタンは自然条件下の土壌中で支障なく生分解するポリエステルウレタンであり、しかも現場での円滑な作業性を十分考慮したポリマー溶液を提供するものであり、皮膜の強靭性が高く接着強度の高い塗膜を形成する生分解性ポリエステルウレタン樹脂溶液を提供するものである。
この溶液を塗布する際の生分解性のフィルム、シート、繊維、織布または不織布等の基材材料としては、合成系のものとしてポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネート/アジペート変性(PBSA)、ポリエチレンサクシネート/テレフタレート変性(PEST)、ポリブチレンアジペート/テレフタレート変性(PBAT)、ポリエチレンサクシネート(PEA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリビニルアルコール(PVA)などがあり、これらの接着、ヒートシール、コーティング剤として有効に使用出来る。また天然系基材材料としては、ケナフの繊維や不織布を同様に使用することができる。
本発明の生分解性ポリエステルウレタン樹脂溶液は、従来のプラスチック溶液と同じように皮膜の強靭性が高く、接着強度が強いコーティング材、接着剤として使用出来、不要となった後は自然界の微生物によって水と二酸化炭素に分解されるものであり、環境保全に優れた樹脂溶液としてフィルム、接着、塗工等の分野に使用できる。

Claims (6)

  1. グリコールとしてブタンジオールを用いた、ジカルボン酸・グリコ−ル型ポリエステルとポリイソシアネートの付加反応により得られる融点が45℃以上のポリエステルウレタンの、ハロゲンを含有しない汎用溶剤の溶液であって、結晶化所要時間が3時間以内にあり、そのゲル化温度が20℃以下であることを特徴とする生分解性ポリエステルウレタン溶液。
  2. 融点が45℃以上のポリエステルウレタンであって、ジカルボン酸としてアジピン酸が70重量%以上、コハク酸が多くとも30重量%未満、またはアジピン酸が85重量%以上、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が多くとも15重量%未満からなる請求項1に記載の生分解性ポリエステルウレタン溶液。
  3. 融点が45℃以上のポリエステルウレタンとして、コハク酸と1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の混合酸を使用する場合は、コハク酸65〜85重量%、1,4−シクロヘキサジカルボン酸35〜15重量%、またさらに該混合酸にアジピン酸を組合せた3種混合酸の場合には、コハク酸が80重量%より多く、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸とアジピン酸とはそれぞれ10重量%以下である請求項1に記載の生分解性ポリエステルウレタン溶液。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の生分解性ポリエステルウレタン溶液からなる生分解性コーティング材。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の生分解性ポリエステルウレタン溶液からなる生分解性接着剤。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の生分解性ポリエステルウレタン溶液からなる生分解性樹脂フィルム。
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