JP2007070422A - 生分解性ポリエステルポリウレタン - Google Patents

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Abstract

【課題】生分解性であって、耐熱性、耐光性、耐候性、粘着保持力、糊残り性などで十分に実用に供し得る粘着剤を開発すること。
【解決手段】ジカルボン酸、グリコール及びジカルボン酸に対しトリオール0.01〜10モル%を縮合させた脂肪族ポリエステルに、分子の鎖延長のためにポリイソシアネートを付加反応させて得られたポリエステルポリウレタンである。このポリエステルポリウレタンは重量平均分子量が40万以上、融点が−10℃以下、ガラス転移温度が−30℃以下である。
【選択図】 なし

Description

本発明は生分解性ポリエステルポリウレタンに関し、特に粘着剤として優れた生分解性ポリエステルポリウレタンに関する。
地球環境保全のため、ことにプラスチックス廃棄公害を回避する立場から生分解性樹脂が使用され始めている。ただし、その実用化に当たっては印刷、接着、粘着などいわゆる樹脂加工剤が必要であるが、そのほとんどは従来の非生分解性加工剤に頼っているのが現状である。そもそも生分解性樹脂として現在市場に在るものはポリ乳酸にしても、ポリブチレンサクシネートにしても結晶性であり、その融点は100℃前後あるいはそれ以上と高く、樹脂加工剤としては不向きである。
ことに近時使いやすさからその需要を伸ばしている粘着用となると、それが実用化される常温付近で十分に柔らかくかつ粘着性を必要とするだけに、しかるべき工夫をせぬ限り不適である。市場には天然ゴムを主体とする粘着剤が生分解性として上市されているが、天然ゴムは生分解性が遅い上に耐熱性、耐光性、耐候性に劣り、短寿命である。合成品では分岐ジオール使用のポリエステル(特許文献1参照)、ポリエステルウレタンウレア(特許文献2参照)などが特許明細書に見られるが、これらは粘着性能が十分でなく、ことに粘着耐久性を示す粘着保持力に乏しく、また再剥離用途では糊残り性大で実用域には達していない。
特開平11−21533号公報 特開2002−53828号公報
粘着剤現行品の大部分を占めるアクリル酸エステル系重合物は非生分解性であり、折角の生分解性樹脂製品の粘着剤としてこれらが用いられた場合には生分解性廃棄物処理ないしはリサイクルに不都合を生じること、天然ゴムを成分とする粘着剤では生分解性が極めて遅い上に、耐熱性、耐光性、耐候性に劣り、短寿命であること、その他の合成生分解性粘着剤では粘着保持力、糊残り性などで実用域に達しない事などの問題があった。
本発明は、これらの課題を克服し、耐熱性、耐光性、耐候性、粘着保持力、糊残り性などで十分に実用に供し得る粘着剤を開発することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するためになされたもので以下の発明からなる。
[1]ジカルボン酸、グリコール及びジカルボン酸に対しトリオール0.01〜10モル%を縮合させたポリエステルに、ポリイソシアネートを付加反応させて得られた重量平均分子量が40万以上、融点が−10℃以下、ガラス転移温度が−30℃以下であることを特徴とする生分解性ポリエステルポリウレタン。
[2]ジカルボン酸はアルキル基数2〜12の整数であり、グリコールはアルキル基数2〜12の整数で側鎖基としてメチル基あるいはエチル基を1つ以上持つものより構成される上記[1]に記載の生分解性ポリエステルポリウレタン。
[3]トリオールがトリメチロールプロパンである上記[1]又は[2]に記載の生分解性ポリエステルポリウレタン、
[4]グリコールが3−メチル−1,5−ペンタンジオールである上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の生分解性ポリエステルポリウレタン。
[5]ポリイソシアネートがヘキサメチレンジイソシアネートである請求項1〜4のいずれか1項に記載の生分解性ポリエステルポリウレタン。
[6]上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の生分解性ポリエステルポリウレタンからなる生分解性粘着剤。
[7]添加剤を含む上記[6]に記載の生分解性粘着剤。
[8]上記[6]又は[7]に記載の生分解性粘着剤を生分解性のフィルム、シート等の基材に塗布した粘着性基材。
本発明は生分解性を有するジカルボン酸・グリコール型脂肪族ポリエステルとポリイソシアネートを付加反応により得られる生分解性ポリエステルポリウレタンであり、これを粘着剤として使用すれば、生分解速度が速く、またその調節も出来、耐熱性、耐光性、耐候性に優れ、その上、粘着剤としての必須性能である粘着保持力および、再剥離で十分な性能を有する本格的生分解性粘着剤となる。
本発明の生分解性ポリエステルポリウレタンは、先ずジカルボン酸、グリコール及びジカルボン酸に対しトリオール0.01〜10モル%を縮合させてポリエステルを得、次いでこれに、ポリイソシアネートを付加反応させて得られた重量平均分子量が40万以上、融点が−10℃以下、ガラス転移温度が−30℃以下のものである。
本発明において、ポリエステルの生成に使用される三官能性のトリオールをジカルボン酸に対し0.01〜10モル%と特定したのは、粘着剤として重要な粘着保持力および再剥離性を望ましいレベルに保つためである。上記分率0.01モル%未満の場合には粘着保持力は小さくなり、また再剥離試験では糊残りがひどくなる。他方上記分率が10モル%を越えると反応中にゲル化し生成物は使用可能な状態で得られない。三官能性のトリオールの作用機構は定かではないが、該トリオール使用により長鎖分岐構造が粘着剤性能発現に寄与しているものと推定される。
また、重量平均分子量40万以上としたのは、それ未満では前述の三官能性のトリオール分率が上記指定量であっても、なお粘着保持力不足、糊残り大で再剥離性不良となり、その上、粘着強度を示す剥離強度も小さくなり、実用上不都合となる。分子量の上限は実際上70万程度が限界となる。反応の均一性を保つための撹拌を行う上で、また生成物を基材に塗布するために適当な粘度をえる上での限界である。
さらにまた、融点を−10℃以下、ガラス転移温度を−30℃以下としたのは粘着性能中、タックと称される、いわゆるべたつきの程度を実用域に保つためのものである。実用状態とはまず0℃以上と考えられる。そこで十分な粘着性を示すには、当然その温度域において粘着剤はべたつく状態でなければならない。べたつくとは粘着剤分子が自由に運動出来、接触してくる相手に容易に馴染み、そちらへた易く移動できなければならない。
これには融点とガラス転移温度が関係する。融点を−10℃以下としたのはそれに対する配慮からである。融点以下では結晶が形成されて硬い固体でありべたつくなど有り得ない。高分子では融点には通常幅があり、0℃でのべたつきを得るためにはそのより低い温度に融点を設定する必要が、上限を−10℃とした理由である。ガラス転移温度の上下では分子の運動性が異なる。同温度を超えると分子は自由に運動出来る。反対に同温度より低くなると分子はその運動を凍結される。前者をゴム状態、後者をガラス状態と区別されるのは周知のところである。それならばガラス転移温度も融点と同じ−10℃にすれば良いかと言うに、それでは不十分である。融点を境にしての分子運動性の変化に対して、ガラス転移温度前後における同運動性の変化は緩やかであり、そのためにより低い−30℃をガラス転移温度の閾値として採用した。
本発明に使用されるジカルボン酸としては、飽和脂肪族ジカルボン酸であれば特に種類を問わないが、請求項に合致するにはアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカン酸、ドデカン酸、大豆油脂肪族由来のダイマー酸、などが好適である。また生分解性を阻害しない範囲で不飽和脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸も使いうる。
本発明に使用されるグリコール(ジオール)はエチレングリコールのような脂肪族グリコールである。中でもジオールとしてヘプタンジオール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、オクタンジオール、さらに、2−メチル2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、4−メチル1,7−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5ペンタンジオールなど分岐構造を持ったものが好適に使用される。これらの中で3−メチル−1,5−ペンタンジオールが特に好ましい。また、生分解性を阻害しない範囲で脂環式ジオールを使用しうる。
トリオールとしてはグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールプロパンモノアクリルエーテルなどが例示される。これらの中でトリメチロールプロパンが特に好ましい。
本発明のポリエステルポリウレタンに使用するポリエステルは上記のジカルボン酸、
グリコール、及びジカルボン酸に対して0.01〜10モル%のトリオールを縮合脱水反応して得られるものである。ジカルボン酸とグリコールの混合割合はジカルボン酸1モルに対し1.0〜1.05モルが適当である。縮合反応に際してはチタニウムテトライソプロポキサイドなどの触媒を使用する。反応温度は200〜240℃程度が適する。
得られるポリエステルは一般的には重量平均分子量10万以上30万以下で、末端基が実質的にヒドロキシル基である三官能性のトリオール成分をジカルボン酸に対して0.01〜10モル%含むジカルボン酸・グリコール型ポリエステルである。
次に上記のポリエステルにイソシアネート基を有するポリイソシアネートを付加反応させてポリエステルポリウレタンを得る。付加反応においてはポリエステルのヒドロキシル基当たり1/10ないし、1.5当量のイソシアネート基を有するポリイソシアネートが用いられる。ポリイソシアネートとしてはヘキサメチレンジイソシアネートなどを用いることができる。
こうして得られたポリエステルポリウレタンは、重量平均分子量40万以上、その上限は実際上約70万程度である。
なお、この付加反応に際して反応温度に格別の制限はないが、高いほど反応所要時間が短い。但し反応の進行に伴って系の粘度が上昇し、撹拌が困難になり、反応が均一に進まなくなるのは避けねばならない。高粘度を避けるために反応系が有機溶剤を含む場合には、その常圧における沸点とするのが便利である。有機溶媒としてトルエン、酢酸ブチルなどが使用される。
本発明のポリエステルポリウレタンを基材に塗布して粘着製品とするには該ポリエステルポリウレタンを有機溶剤に溶かして用いるのが便利である。使用できる溶媒としては酢酸エステル、芳香族炭化水素、ケトンなどがある。好ましくは酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
その際のポリマーの濃度としては出来れば高濃度が良いが、そうなるほど粘度が高くなるため、取扱性、使用目的にもよるが、取扱い性等から通常15−30質量%前後のものが良い。
本発明のポリエステルポリウレタンを粘着剤として用いる場合、希釈用の溶剤、物性調整の為増粘剤(イソシアネート等)等の添加剤を加えることが出来る。
以上、実用性のある生分解性粘着剤の設計には、重量平均分子量、融点、ガラス転移温度、さらには長鎖分岐構造の導入が必要であり、それらを満たす原料種およびその量比は上記で特定した範囲で決めることが出来る。
本発明の生分解性ポリエステルポリウレタン樹脂は、従来のプラスチック粘着剤と同じように粘着保持力と糊残り性に優れた粘着剤として使用出来、不要となった後は自然界の微生物によって水と二酸化炭素に分解されるものであり、環境保全に優れた樹脂溶液として接着、塗工等の分野に使用できる。
この粘着剤を塗布する際の生分解性のフィルム、シート、繊維、織布または不織布等の基材材料としては、合成系のものとしてポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネート/アジペート変性(PBSA)、ポリエチレンサクシネート/テレフタレート変性(PEST)、ポリブチレンアジペート/テレフタレート変性(PBAT)、ポリエチレンサクシネート(PEA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリビニルアルコール(PVA)などがあり、これらの粘着層として有効に使用出来る。また天然系基材材料としては、ケナフの繊維や不織布を同様に使用することができる。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[測定方法]
1)シート作製条件
PETフィルム(50μm)にバーコーター#36を用いて生分解樹脂溶液を塗布し温風乾燥機中で110℃×3分間乾燥する。乾燥後塗エシートを25mm幅にカットし室温(23℃×65%RH)で24時間静置する。
2)粘着力
20℃×65%RH雰囲気下で上記粘着シートをSUS#304板に2kgローラーを1往復させて貼合する。20分間放置した後、JIS Z 0237の測定方法に準拠し180°剥離力を測定。
3)保持力
20℃×65%RH雰囲気下で上記粘着シートをSUS#304板に2kgローラーを1往復させて貼合する。20分間放置後JIS Z 0237の測定方法に準拠し荷重1kg、測定時間100時間、測定時間中にずれた距離、あるいは完全落下するまでの時間を測定。
4)糊残り
20℃×65%RH雰囲気下で上記粘着シートをSUS#304板に2kgローラーを1往復させて貼合する。20分間放置後、シートを剥離した際に粘着成分がSUS板に残るレベルを三段階で評価した。
全くSUS板に付着しない状態を○、貼合面積の5%未満の付着がある場合を△、貼合面積の5%以上の付着がある場合を×とした。
5)分子量測定
重量平均分子量(以下「Mw」という)はゲルクロマトグラフィー(昭和電工社製、Shodex GPC System−11)を用いて下記の条件で測定した。
溶媒:クロロフォルム
樹脂濃度:0.1質量%
検量線:PMMA標準サンプル(昭和電工社製、Shodex Standard M−75)
6)Tg(ガラス転移点)、Tm(融点)測定
サンプル約10gを−100〜140℃まで昇温速度10℃/minで走査し、DSC曲線から求めた。Tgは中間点、Tmはピーク温度とした。
[実施例1]
攪拌装置、温度計、分溜管及びガス流入管を備えた500ml四つ口セパラブル丸底フラスコにMPD(3−メチル−1,5−ペンタンジオール)を130g、セバシン酸を214.0 g、TMP(トリメチロールプロパン)を1.42g、チタニウムテトライソプロポキサイド0.15g(モル比で104:100:1.0:0.05)仕込み、攪拌下マントルヒーターで200〜220℃まで昇温し、脱水縮合させた。5時間後の生成物の酸価は12.0であった。分溜管を直流管に替えて真空ポンプで減圧しながら200〜220℃に加温して3時間、脱グリコール反応を行った。減圧度は最終的に60Paに到達した。微黄色の高粘度溶融体が得られた。次にこれを180℃まで冷却し、窒素ガス流通下に常圧に戻し、0.08gのホスホン酸を加えて攪拌したのち、反応樹脂125gを取り出し、上記と同様の装置中でトルエン125gに溶解する。更に110℃、攪拌下で3.2gのヘキサメチレンジイソシアネートを加えて、鎖延長反応を行った。冷却後、酢酸エチル250gで希釈し、得られた固形樹脂成分の重量平均分子量Mwは60.0万であり、DSCにより測定したTgおよびTmはそれぞれ、−50.6℃、−26.7℃であった。また、粘着力は1.18N/25mm、粘着保持力は0mm/100時間、再剥離時の糊残りの評価は○であった。
[実施例2]
攪拌装置、温度計、分溜管及びガス流入管を備えた500ml四つ口セパラブル丸底フラスコにMPD(3−メチル−1,5−ペンタンジオール)を130g、セバシン酸を214.0g、グリセリンを0.98g、チタニウムテトライソプロポキサイド0.15g(モル比で104:100:1.0:0.05)仕込み、攪拌下マントルヒーターで200〜220℃まで昇温し、脱水縮合させた。5時間後の生成物の酸価は12.0であった。分溜管を直流管に替えて真空ポンプで減圧しながら200〜220℃に加温して3時間、脱グリコール反応を行った。減圧度は最終的に60Paに到達した。微黄色の高粘度溶融体が得られた。次にこれを180℃まで冷却し、窒素ガス流通下に常圧に戻し、0.08gのホスホン酸を加えて攪拌したのち、反応樹脂125gを取り出し、上記と同様の装置中でトルエン125gに溶解する。更に110℃、攪拌下で3.2gのヘキサメチレンジイソシアネートを加えて、鎖延長反応を行った。冷却後、酢酸エチル250gで希釈し、得られた固形樹脂成分の重量平均分子量Mwは57.3万であり、DSCにより測定したTgおよびTmはそれぞれ、−52.1℃、−26.0℃であった。また、粘着力は1.35N/25mm、粘着保持力は0mm/100時間、再剥離時の糊残りの評価は○であった。
[実施例3]
攪拌装置、温度計、分溜管及びガス流入管を備えた500ml四つ口セパラ ブル丸底フラスコに1,3−ブタンジオールを140g、アジピン酸を218.4g、TMP(トリメチロールプロパン)を2.00g、チタニウムテトライソプロポキサイド0.21g(モル比で10 4:100:1.0:0.05)仕込み、攪拌下マントルヒーターで200〜220℃まで昇温し、脱水縮合させた。5時問後の生成物の酸価は14.0であった。分溜管を直流管に替えて真空ポンプで減圧しながら200〜220℃に加温して3時間、脱グリコール反応を行った。減圧度は最終的に60Paに到達した。微黄色の高粘度溶融体が得られた。次にこれを180℃まで冷却し、窒素ガス流通化に常圧に戻し、0.08gのホスホン酸を加えて攪拌したのち、反応樹脂125gを取り出し、上記と同様の装置中でトルエン125gに溶解する。更に110℃、攪拌下で3.2gのヘキサメチレンジイソシアネートを加えて、鎖延長反応を行った。冷却後、酢酸エチル250gで希釈し、得られた固形樹脂成分の重量平均分子量Mwは53.0万であり、DSCにより測定したTgおよびTmはそれぞれ、−55.3℃、−32.9℃であった。また、粘着力は1.49N/25mm、粘着保持力は0mm/100時間、再剥離時の糊残りの評価は○であった。
[比較例1]
実施例1と同様の装置にMPD(3−メチル−1,5−ペンタンジオール)を130g、セバシン酸を214.0g、チタニウムテトライソプロポキサイド0.12g(モル比で104:100:0.04)仕込み、攪拌下マントルヒーターで200〜220℃まで昇温し、脱水縮合させた。5時間後の生成物の酸価は12.0であった。分溜管を直流管に替えて縮合させた。5時間後の生成物の酸価は12.0であった。分溜管を直流管に替えて真空ポンプで減圧しながら200〜220℃に加温して3時間、脱グリコール反応を行った。減圧度は最終的に60Paに到達した。微黄色の高粘度溶融体が得られた。次にこれを180℃まで冷却し、窒素ガス流通下に常圧に戻し、0.08gのホスホン酸を加えて攪拌したのち、反応樹脂125gを取り出し、上記と同様の装置中でトルエン125gに溶解する。更に110℃、攪拌下で3.2gのヘキサメチレンジイソシアネートを加えて、鎖延長反応を行った。冷却後、酢酸エチル250gで希釈し、得られた固形樹脂成分の重量平均分子量Mwは46.0万であり、DSCにより測定したTgおよびTmはそれぞれ、−51.9℃、−25.5℃であった。また、粘着力は4.40N/25mm、粘着保持力は0mm/100時間、再剥離時の糊残りの評価は△であった。
[比較例2]
実施例1と同様の装置に1,4−ブタンジオールを160g、アジピン酸を249.6g、TMP(トリメチロールプロパン)を0.23g チタニウムテトライソプロポキサイド0.19g(モル比で104:100:0.1:0.04)仕込み、攪拌下マントルヒーターで200〜220℃まで昇温し、脱水縮合させた。5時間後の生成物の酸価は19.0であった。分溜管を直流管に替えて真空ポンプで減圧しながら200〜220℃に加温して3時間、脱グリコール反応を行った。減圧度は最終的に60Paに到達した。微黄色の高粘度溶融体が得られた。次にこれを180℃まで冷却し、窒素ガス流通下に常圧に戻し、0.08gのホスホン酸を加えて攪拌したのち、反応樹脂125gを取り出し、上記と同様の装置中でトルエン125gに溶解する。更に110℃、攪拌下で3.2gのヘキサメチレンジイソシアネートを加えて、鎖延長反応を行った。冷却後、酢酸エチル250gで希釈し、得られたポリマーの重量平均分子量Mwは42.2万であり、DSCにより測定したTgおよびTmはそれぞれ、−59.2℃、−56.4℃であった。常温で固形樹脂成分は結晶化してしまう為粘着性の測定は不可能な樹脂が出来た。
[比較例3]
実施例1と同様の装置にMPD(3−メチル−1,5−ペンタンジオール)を130g、セバシン酸を214.0g、TMP(トリメチロールプロパン)を 1.42g) チタニウムテトライソプロポキサイド0.129(モル比で104:100:1.0:0.04)仕込み、攪拌下マントルヒーターで200〜220℃まで昇温し、脱水縮合させた。5時間後の生成物の酸価は12.0であった。分溜管を直流管に替えて真空ポンプで減圧しながら200〜220℃に加温して3時間、脱グリコール反応を行った。減圧度は最終的に60Paに到達した。微黄色の高粘度溶融体が得られた。次にこれを180℃まで冷却し、窒素ガス流通下に常圧に戻し、0.08gのホスホン酸を加えて攪拌したのち、反応樹脂125gを取り出し、上記と同様の装置中でトルエン125gに溶解する。更に110℃、攪拌下で1.86gのヘキサメチレンジイソシアネートを加えて、鎖延長反応を行った。冷却後、酢酸エチル250gで希釈し、得られた固形樹脂成分の重量平均分子量Mwは36.5万であり、DSCにより測定したTgおよびTmはそれぞれ、−50.6℃、−25.6℃であった。また、粘着力は5.20N/25mm、粘着保持力は0mm/100時間、再剥離時の糊残りの評価は×であった。
本発明の生分解性ポリエステルポリウレタンは、原料組成により、その性質を広範にしかも容易に変更しうるジカルボン酸・グリコールポリエステルとポリイソシアネートから得られる生分解性ポリエステルポリウレタンである。
この生分解性ポリエステルポリウレタンは自然条件下の土壌中で支障なく生分解するポリエステルポリウレタンであり、しかも実用的に十分な粘着性能を示す、すなわち粘着保持力と糊残り性を両立した生分解性ポリエステルポリウレタン樹脂であり、生分解性のフィルム、繊維、織布または不織布等の基材シートに塗布して粘着性シート、その他の接着剤、塗工等の分野に使用できる。

Claims (8)

  1. ジカルボン酸、グリコール及びジカルボン酸に対しトリオール0.01〜10モル%を縮合させたポリエステルに、ポリイソシアネートを付加反応させて得られた重量平均分子量が40万以上、融点が−10℃以下、ガラス転移温度が−30℃以下であることを特徴とする生分解性ポリエステルポリウレタン。
  2. ジカルボン酸はアルキル基数2〜12の整数であり、グリコールはアルキル基数2〜12の整数で側鎖基としてメチル基あるいはエチル基を1つ以上持つものより構成される請求項1に記載の生分解性ポリエステルポリウレタン。
  3. トリオールがトリメチロールプロパンである請求項1または2に記載の生分解性ポリエステルポリウレタン。
  4. グリコールが3−メチル−1,5−ペンタンジオールである請求項1〜3のいずれか1項に記載の生分解性ポリエステルポリウレタン。
  5. ポリイソシアネートがヘキサメチレンジイソシアネートである請求項1〜4のいずれか1項に記載の生分解性ポリエステルポリウレタン。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の生分解性ポリエステルポリウレタンからなる生分解性粘着剤。
  7. 添加剤を含む請求項6に記載の生分解性粘着剤。
  8. 請求項6又は7に記載の生分解性粘着剤を生分解性のフィルム、シート等の基材に塗布した粘着性基材。

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