JP4994670B2 - 粘着剤組成物とその粘着シート - Google Patents

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本発明は、ポリエステル系の粘着剤組成物とその粘着シートに関し、さらに詳しくは、金属などの極性がある被着体への接着力が改善された上記粘着剤組成物とその粘着シートに関するものである。

アクリル系の粘着剤は、金属などの極性がある被着体への接着力を向上させるために、アクリル酸などの極性基を含むモノマーを重合し、分子に極性を付加している。

一方、特許文献1,2などに記載のエステル縮合系の粘着剤は、ジオールとジカルボン酸とを縮合して重合させているため、分子末端に水酸基またはカルボキシル基が存在するが、極性基の数がアクリル系と比較すると少なく、極性がある被着体への接着力はアクリル系粘着剤より劣っている。

つまり、従来技術では、アクリル系のようにラジカル重合を行うポリマー合成ではカルボキシル基を分子側鎖に導入することは容易であったが、ポリエステル系のように水酸基と酸とを反応させる縮合系では、カルボキシル基が水酸基と反応するために、側鎖にカルボキシル基を導入することは困難であった。

また、アクリル系の粘着剤では、アクリル酸などの極性基を含むモノマーの使用量を調整することにより、接着力を容易に調整することができるが、ポリエステル系の粘着剤では、これまで分子末端以外に極性基を導入する方法がなく、接着力の調整は架橋剤の量で行っており、この場合、架橋剤が少ないと弾性率が低い加工性の悪い粘着剤になり、逆に多いと脆い粘着剤になる傾向があり、接着力の調整が容易でなかった。

特開2002−194314号公報 特開2002−180023号公報
上述のように、これまではアクリル系の粘着剤の特性が優れていたため、ポリエステル系の粘着剤の必要性は低かった。しかしながら、昨今、環境に配慮した生分解性を有する粘着剤が要求されるようになってきている。

一般に、アクリル系の粘着剤は生分解性ではなく、脂肪族エステル系ポリマーには生分解性のものが多い。そこで、脂肪族エステル系粘着剤も、アクリル系と同等レベルにまで接着力を向上させ、またコントロールする技術が必要になった。

本発明は、このような事情に照らし、脂肪族エステル系粘着剤としてアクリル系粘着剤と同等の接着力を発揮するものを提供することを課題としている。

本発明者らは、上記の目的を達成するため、鋭意検討した結果、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとの縮合反応にあたり、特定のカルボキシル基含有ジオールを特定手法で共縮合させることにより、分子側鎖に極性基としてカルボキシル基を持つポリエステルを生成させることができ、これを主成分とすることにより金属などの極性がある被着体への接着力が改善されたポリエステル系の粘着剤組成物とその粘着シートが得られることを知り、本発明を完成するに至ったものである。

すなわち、本発明は脂肪族ジカルボン酸10モル当量に対して、第一反応として脂肪族ジオール1〜8モル当量を縮合反応させ、第二反応としてジメチロールアルキル酸9〜2モル当量(ただし、脂肪族ジオールとジメチロールアルキル酸との合計量は10モル当量)を縮合反応させて、分子側鎖にカルボキシル基を持つポリエステルを得、このポリエステルを主成分として含む粘着剤組成物を製造することを特徴とする粘着剤組成物の製造方法に係るものであり、また上記の方法で粘着剤組成物を製造し、この粘着剤組成物を用いて粘着シートを製造することを特徴とする粘着シートの製造方法に係るものである。
なお、上記の本発明において、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールおよびジメチロールアルキル酸との縮合反応において、高分子量のポリエステルを得るためには、両者は、上記した等モル当量が選択されるが、場合により等モル当量からやや逸脱することも許容される。具体的には、脂肪族ジカルボン酸に対して、脂肪族ジオールとジメチロールアルキル酸との合計量が±0.2モル当量の範囲で増減していてもよい。つまり、脂肪族ジカルボン酸10モル当量に対して、脂肪族ジオールとジメチロールアルキル酸との合計量が9.8〜10.2モル当量の範囲をとることも場合により可能である。

なおまた、この明細書において、「粘着シート」には、通常幅広の粘着シートだけでなく、通常幅狭の粘着テープも含まれるものであり、また粘着ラベルなどの他の公知の各種の粘着製品も広く包含されるものである。

このように、本発明においては、分子側鎖に極性基としてカルボキシル基を導入したポリエステルを主成分としたことで、金属などの極性がある被着体に対する接着力が改善されたポリエステル系粘着剤組成物とその粘着シートを提供できる。

本発明において、ポリエスルの原料として用いられる脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールは、これらが共に脂肪族であることにより、得られるポリエステルは、アクリル系ポリマーと異なり、生分解性を期待できるものである。

脂肪族ジカルボン酸には、コハク酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリック酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、1,12−ドデカン酸、1,14−テトラデカン酸、ダイマー酸などが挙げられ、2種以上を併用することもできる。

脂肪族ジオールには、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオールなどの直鎖脂肪族ジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,3,5−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−メチル−1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,9−ノナンジオール、ダイマージオールなどの炭化水素基側鎖を持つ脂肪族ジオールなどが挙げられ、2種以上を併用することもできる。

また、本発明では、ポリエステルの分子中に極性を持った側鎖を導入するため、ジメチロールアルキル酸が用いられる。このジメチロールアルキル酸は、分子中に二つの水酸基と一つのカルボキシル基を有しているため、二つの水酸基がそれぞれ脂肪族ジカルボン酸と縮合することにより、分子側鎖にカルボキシル基を導入できる。

このようなジメチロールアルキル酸には、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールオクチル酸などが挙げられる。

本発明において、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとの使用割合は、脂肪族ジカルボン酸の総量10モル当量に対して、脂肪族ジオール1〜8モル当量であり,好ましくは2〜7モル当量であり、さらに好ましくは3〜6モル当量である。脂肪族ジオールが1モル当量未満では重合時にゲル化が発生しやすく、8モル当量を超えると接着力の向上効果が著しく低減する。

また、ジメチロールアルキル酸の使用割合は、脂肪族ジカルボン酸の総量10モル当量に対して、9〜2モル当量であり、好ましくは8〜3モル当量であり、さらに好ましくは7〜4モル当量である。ジメチロールアルキル酸が2モル当量未満では接着力向上効果が著しく低減し、9モル当量を超えるとゲル化が発生しやすくなる。

本発明において、脂肪族ジカルボン酸のモル数と、脂肪族ジオールとジメチロールアルキル酸との合計モル数とは、等しくすることが望ましい。すなわち、脂肪族ジカルボン酸10モル当量に対して、脂肪族ジオールとジメチロールアルキル酸との合計量が10モル当量となるようにするのが望ましい。このようにモル数を等しくすることにより、高分子量のポリエステルを得ることができる。

ただし、既述のとおり、ポリエステルの分子量がそれほど低下しない範囲内で、どちらかがやや多めとなるように設定することもできる。つまり、脂肪族ジカルボン酸10モル当量に対して、脂肪族ジオールとジメチロールアルキル酸との合計量が9.8〜10.2モル当量の範囲となるようにすることもできる。

本発明においては、上記の脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとジメチロールアルキル酸とを縮合反応させてポリエスルを得るが、その際、上記の各原料を一緒に縮合反応させると、ジメチロールアルキル酸が架橋剤として作用して、縮合反応中にゲル化が発生し縮合反応をスムースに行えにくくなるため、好ましくない。

そこで、本発明では、第一反応として、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとを縮合反応させる。その際、脂肪族ジカルボン酸のモル比を多くすることにより、ポリエステルの分子末端をカルボキシル基にする。反応終了後、第二反応として、ジメチロールアルキル酸を添加して、第一反応で生成したポリエステルの分子末端のカルボキシル基とジメチロールアルキル酸の水酸基とを縮合反応させることにより、ゲル化させることなく、分子側鎖にカルボキシル基を持つポリエステルを得ることができる。

すなわち、本発明では、脂肪族ジカルボン酸10モル当量に対し、第一反応として脂肪族ジオール1〜8モル当量を縮合反応させ、第二反応としてジメチロールアルキル酸9〜2モル当量(ただし、脂肪族ジオールとジメチロールアルキル酸との合計量は10モル当量)を縮合反応させて、分子側鎖にカルボキシル基を持つポリエステルを得る。

ここで、第二反応において、ジメチロールアルキル酸の量が、脂肪族ジカルボン酸10モル当量に対し、9〜2モル当量であることで、第一反応で得られたポリエステルの分子末端に水酸基がないため、ジメチロールアルキル酸が架橋剤として反応し難いが、9モル当量を超えるとジメチロールアルキル酸が自己縮合してゲル化しやすくなる。

本発明において、上記反応に際し、一般の縮合反応に用いられる触媒を使用することができる。具体的には、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、三酸化アンチモン、ブチルスズオキシドなどの金属化合物が挙げられる。

これら触媒の使用量は、適宜選択できるが、通常は、脂肪族ジオールとジメチロールアルキル酸との合計量100重量部あたり、0.01〜0.5重量部、好ましくは0.02〜0.3重量部である。触媒の使用量が0.01重量部未満では重合時間が著しく長くなり、0.5重量部を超えて使用するとゲル化が発生すやすくなる。

このようにして得られる本発明のポリエステルは、酸価が10〜70mgKOH/gであり、通常のポリエステルの酸価が0.1〜5.0mgKOH/gであるのに比べて、分子中の酸(カルボキシル基)の量が増えていることがわかる。つまり、本発明のポリエステルは、分子側鎖にカルボキシル基を持つものである。

なお、上記の酸価は、常法にしたがい、溶媒に溶解した試料(ポリエステル)をKOHで中和して求めることができる。

本発明の粘着剤組成物は、上記のポリエステルを主成分とし、通常は、これを架橋して耐熱性に優れたものとする。架橋処理には、ポリイソネアネート化合物、ポリエポキシ化合物、ポリアジリジン化合物など、ポリエステルに含まれる官能基と反応可能な官能基を持つ多官能性化合物を架橋剤として加えて、架橋反応させることができる。

架橋剤の中でも、ポリイソネアネート化合物が好ましい。ポリイソネアネート化合物としては、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族ポリイソシアネート類、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレリンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート類、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物やヘキサメチレンジイソシアネート付加物などのイソシアネート付加物などが挙げられる。これらの架橋剤は2種以上を併用してもよい。

架橋剤の使用量は適宜選択できるが、通常は、脂肪族ジオールとジメチロールアルキル酸との合計量100重量部に対し、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜6重量部である。架橋剤の使用量が0.01重量部未満では、架橋剤としての効果がなく、10重量部を超えて使用すると、接着力が低下する。

本発明の粘着剤組成物には、上記の架橋剤のほか、必要により、粘着性付与剤、老化防止剤、酸化防止剤、着色剤、充填剤など、粘着剤に通常配合されている従来公知の各種の添加剤を任意に配合することができる。

本発明の粘着シートは、上記の粘着剤組成物を用いて、これを支持体または剥離性支持体上に、乾燥後の厚さが10〜50μmとなるように塗布し、乾燥することにより、シート状やテープ状などの形態としたものである。支持体としては、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのプラスチックフィルムや、紙、不織布などの多孔質材料などからなる公知の各種材質のものが用いられる。剥離性支持体についても同様である。

つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重量部を意味するものとする。

また、以下に記載の接着力はJIS C 2107の粘着力(180度引き剥がし法)に準じて測定したものである。ただし、圧着は2kgのローラーを1往復して行い、試験板はステンレス板を使用し、試験片は幅20mmにし、引張り速度は300mm/分とした。

実施例1
四つ口のセパラブルフラスコに撹拌機、温度計、窒素管および水分離管を付し、これにダイマー酸(ユニケマ社製の「プリポール1009」、分子量567)73部、ダイマージオール(ユニケマ社製の「プリポール2003」、分子量537)13部、触媒としてn−ブチルスズオキシド(キシダ化学社製)0.3部、反応水排出溶剤としてキシレン15部を仕込み、窒素雰囲気で撹拌しながら180℃まで昇温し、この温度を保持した。

しばらくすると、反応水の流出分離が認められ、第一反応が進行し始めた。約12時間第一反応を続けて、分量が一定になったことを確認し、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(東京化成工業社製)14部を添加し、同様にして、約9時間第二反応を行い、分子側鎖にカルボキシル基を持つポリエステルを得た。
なお、上記の第一反応および第二反応で使用したダイマー酸、ダイマージオールおよび2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸の使用割合は、ダイマー酸10モル当量に対して、ダイマージオールが2モル当量、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸が8モル当量であった。

このポリエステルを固形分濃度30重量%に希釈した。このポリエステル100.3部(固形分)に対し、架橋剤としてトリメチロールプロパンのヘキサメチレンジイソシアネート付加物(日本ポリウレタン社製の「コロネートL」)2部(固形分)を、配合して、粘着剤組成物とした。この粘着剤組成物を、厚さが38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの上に塗布し、100℃で5分乾燥後、さらに50℃の雰囲気に120時間放置して、粘着剤層の厚さが50μmの粘着シートを得た。

実施例2
第一反応でダイマー酸を67部、ダイマージオールを24部に、第二反応で2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸を9部に、それぞれ、変更した以外は、実施例1と同様して、分子側鎖にカルボキシル基を持つポリエステルを得た。このポリエステルを用い、実施例1と同様にして、粘着剤組成物および粘着シートを得た。

なお、上記の第一反応および第二反応で使用したダイマー酸、ダイマージオールおよび2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸の使用割合は、ダイマー酸10モル当量に対して、ダイマージオールが4モル当量、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸が6モル当量であった。

実施例3
第一反応でダイマー酸を57部、ダイマージオールを39部に、第二反応で2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸を4部に、それぞれ、変更した以外は、実施例1と同様して、分子側鎖にカルボキシル基を持つポリエステルを得た。このポリエステルを用い、実施例1と同様にして、粘着剤組成物および粘着シートを得た。

なお、上記の第一反応および第二反応で使用したダイマー酸、ダイマージオールおよび2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸の使用割合は、ダイマー酸10モル当量に対して、ダイマージオールが7モル当量、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸が3モル当量であった。

比較例1
第一反応でダイマー酸を81部に変更し、かつダイマージオール13部に代えて2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸19部を使用して、第一反応と同様の反応を行ったところ、反応中にゲル化して、目的とするポリエステルを得ることができなかった。したがって、粘着剤組成物および粘着シートも得られなかった。

なお、上記の反応で使用したダイマー酸、ダイマージオールおよび2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸の使用割合は、ダイマー酸10モル当量に対して、ダイマージオールが0モル当量、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸が10モル当量であった。つまり、この比較例は、ダイマー酸と2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸とから一段反応でポリエステルを得ようとしたものである。

比較例2
第一反応でダイマー酸を52部、ダイマージオールを47部に、第二反応で2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸を1部に、それぞれ、変更した以外は、実施例1と同様して、ポリエステルを得た。このポリエステルを用い、実施例1と同様にして、粘着剤組成物および粘着シートを得た。

なお、上記の第一反応および第二反応で使用したダイマー酸、ダイマージオールおよび2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸の使用割合は、ダイマー酸10モル当量に対して、ダイマージオールが9モル当量、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸が1モル当量であった。つまり、この比較例は、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸の量が少なすぎる例として示したものである。

比較例3
第一反応でダイマー酸を69部、ダイマージオールを25部に、第二反応で2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸を6部に、それぞれ、変更した以外は、実施例1と同様して、分子側鎖にカルボキシル基を持つポリエステルを得た。このポリエステルを用い、実施例1と同様にして、粘着剤組成物および粘着シートを得た。

なお、上記の第一反応および第二反応で使用したダイマー酸、ダイマージオールおよび2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸の使用割合は、ダイマー酸10モル当量に対して、ダイマージオールが4モル当量、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸が4モル当量であった。つまり、この比較例は、ダイマー酸に対し、ダイマージオールと2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸との合計量が少なすぎる例であり、得られるポリエステルは分子量の低いものとなっている。

比較例4
第一反応でダイマー酸を67部に、ダイマージオールを24部に変更し、さらに2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸9部を追加して、第一反応と同様の反応を行ったところ、反応中にゲル化して、目的とするポリエステルを得ることができなかった。したがって、粘着剤組成物および粘着シートも得られなかった。

なお、上記の反応で使用したダイマー酸、ダイマージオールおよび2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸の使用割合は、ダイマー酸10モル当量に対して、ダイマージオールが4モル当量、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸が6モル当量であった。つまり、この比較例は、これら三成分の反応原料を用いて一段反応でポリエステルを得ようとしたものである。

比較例5
第一反応でダイマー酸を51部、ダイマージオールを49部に変更して、第一反応を行い、第二反応を行わなかった以外は、実施例1と同様して、ポリエステルを得た。このポリエステルを用い、実施例1と同様にして、粘着剤組成物および粘着シートを得た。

なお、上記の反応で使用したダイマー酸、ダイマージオールおよび2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸の使用割合は、ダイマー酸10モル当量に対して、ダイマージオールが10モル当量、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸が0モル当量であった。つまり、この比較例は、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸を用いなかった例として示したものである。

上記の実施例1〜3および比較例2,3,5の各粘着シートについて、その接着力を調べたところ、実施例1では23N/20mm幅、実施例2では21N/20mm幅、実施例3では19N/20mm幅であり、比較例2では7N/20mm幅、比較例3では10N/20mm幅、比較例5では6N/20mm幅であった。

この結果からも明らかなように、本発明にしたがい、ダイマー酸、ダイマージオールおよび2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸を使用して、これらを特定の割合で2段階縮合反応させて得られる分子側鎖にカルボキシル基を持つポリエステルを主成分とすることにより、金属などの極性がある被着体に対する接着力の改善された粘着シートが得られるものであることがわかる。

Claims (2)

  1. 脂肪族ジカルボン酸10モル当量に対して、第一反応として脂肪族ジオール1〜8モル当量を縮合反応させ、第二反応としてジメチロールアルキル酸9〜2モル当量(ただし、脂肪族ジオールとジメチロールアルキル酸との合計量は10モル当量)を縮合反応させて、分子側鎖にカルボキシル基を持つポリエステルを得、このポリエステルを主成分として含む粘着剤組成物を製造することを特徴とする粘着剤組成物の製造方法。
  2. 請求項に記載の方法で粘着剤組成物を製造し、この粘着剤組成物を用いて粘着シートを製造することを特徴とする粘着シートの製造方法。

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