JP6269109B2 - 粘着シートおよびそれを用いた積層体 - Google Patents

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本発明は、粘着シートに関し、より詳細には、ポリエチレンテレフタレートフィルム等支持体に貼合して使用される粘着シート、および該粘着シートが貼合された積層体に関するする。
ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す。)等のポリエステル系フィルムは、強度や弾性率が高く、かつ安価であることから種々の用途に広く使用されている。例えば、包装材料、フレキシブルフラットケーブル、各種光学フィルムの基材として使用されている。基材としてポリエステル系フィルムを使用する場合、一般的に、基材を貼合する部材に、接着剤を介してポリエステル系フィルムを貼り合わせて積層体を作製するのが一般的である。そのため、基材の一方の面に予め粘着剤を塗布した粘着シートを作製しておき、貼合する部材に粘着シートを貼り合わせることにより積層体を作製することができる。
ところで、上記のようにして作製される積層体の使用用途によっては、積層体をN−メチルピロリドン(以下、NMPと略す。)等の極性溶剤中に浸漬したり、あるいは極性溶剤を用いて洗浄を行う場合がある。積層体は、このような極性の高い溶剤への浸漬や洗浄により、粘着剤が溶解ないし膨潤してしまい、貼り合わせた部材と基材とが剥離してしまうことがある。
このような問題に対して、NMP等の極性の高い溶剤に溶解ないし膨潤し難い樹脂を粘着剤成分として使用することが提案されている。例えば、特開2011−52151号公報(特許文献1)には、モノマー単位として、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルと(メタ)アクリル酸とを所定の割合で含む(メタ)アクリル酸エステル共重合体を粘着剤の主成分として使用することにより、NMP等の溶剤に対する耐性が向上することが記載されている。
特開2011−52151号公報
本発明者らは、今般、粘着シートと被着体とを貼合した積層体をNMP等の溶剤に浸漬した際に、被着体から粘着シートが剥がれてしまう原因が、粘着剤がNMPに溶解ないし膨潤することに起因するのではなく、粘着シートと被着体との間にNMPが浸入して界面強度が低下してしまうことによることを見いだした。そして、たとえNMPに溶解ないし膨潤してしまうような粘着剤であっても、被着体と粘着シートとの界面が強固に接着していれば、NMP等の極性の高い溶剤への浸漬や洗浄に耐え得る、耐久性のある積層体が実現できるとの知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。
よって、本発明の目的は、NMP等の極性の高い有機溶剤による洗浄にも耐え得る、積層体形成用粘着シートを提供することである。
また、本発明の別の目的は、PET等のポリエステルフィルムに粘着シートを貼合した、耐溶剤性に優れる積層体を提供することである。
本発明による粘着シートは、ポリエステルフィルムに貼合して使用される粘着シートであって、基材と前記基材の一方の面に設けられた粘着剤層とを備え、
前記粘着剤層が、ポリエステルポリオールとイソシアネート系硬化剤とを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の態様によれば、前記ポリエステルポリオールが、脂肪族二塩基酸および/または芳香族二塩基酸からなるジカルボン酸と、脂肪族グリコールとを共重合して得られるものであってもよい。
また、本発明の態様によれば、前記ポリエステルポリオールの平均重量分子量が500〜30,000であってもよい。
また、本発明の態様によれば、前記粘着剤層が、前記ポリエステルポリオールとイソシアネート硬化剤とを、質量基準で100:0.1〜100:10の範囲で含んでいてもよい。
また、本発明の態様によれば、前記基材がポリエチレンテレフタレートからなるものでもよい。
また、本発明の態様によれば、前記基材の一方の面に易接着処理がされており、該易接着処理された面に前記粘着剤層が設けられていてもよい。
また、本発明の態様によれば、前記粘着剤層の基材層が設けられる面とは反対側の面に離型シートが設けられていてもよい。
また、本発明の別の態様による積層体は、ポリエステルフィルムに粘着シートを貼合した積層体であって、ポリエステルフィルムの一方の面に前記粘着シートの粘着剤層が貼合されてなるものである。
また、本発明の別の態様による積層体の製造方法は、基材とポリエステルフィルムとが粘着剤層を介して貼合された積層体を製造する方法であって、
基材の一方の面を易接着処理し、
前記基材の易接着処理された面に、ポリエステルポリオールとイソシアネート系硬化剤とを含む粘着剤からなる粘着剤層を設けて、粘着シートを作製し、
前記粘着シートの粘着剤層を、ポリエステルフィルムに貼合し、
エージング処理により、前記粘着剤を硬化させる、
ことを含むものである。
本発明による粘着シートは、粘着剤層がポリエステルポリオールとイソシアネート系硬化剤とを含むものであり、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルムに貼着して粘着剤を硬化させると、NMP等の溶剤で洗浄を繰り返してもポリエステルフィルムから粘着シートが剥がれることがない。そのため、印刷版の繰り返しの洗浄にも耐え得る積層体として好適に使用することができる。
本発明による粘着シートの一実施態様による断面概略図である。 本発明による粘着シートの別の実施態様による断面概略図である。 本発明による積層体の一実施態様による断面概略図である。
<粘着シート>
図1を参照しながら、本発明による粘着シートを説明する。本発明による粘着シート1は、基材11と前記基材11の一方の面に設けられた粘着剤層10とを備えるものである。図1に示した実施態様においては、粘着シート1の粘着剤層10の一方の面が露出しているため、取扱性等を考慮して、図2に示すように、粘着剤層10の基材11層が設けられる面とは反対側の面に離型シート12を設けてもよい。この場合、粘着シート1を他の部材に貼合する際に粘着シート1から離型シート12を剥離し、粘着剤層10を露出させて粘着剤層10を他の部材の被着面に貼り合わせる。
粘着シート1を構成する粘着剤層10は、ポリエステルポリオールとイソシアネート系硬化剤とを含む。従来、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の溶剤に対して、粘着シートの粘着剤層として、粘着剤が溶解ないし膨潤しないような特定のアクリル系共重合体が使用されていたが、驚くべきことに、NMPに膨潤ないし溶解するような粘着剤であっても、特定の共重合体からなる樹脂を使用することによって、被着体(例えば、ポリエステルフィルム)と粘着剤層との界面の接着強度が強固であれば、NMP等の溶剤で洗浄を繰り返しても被着体から粘着シートが剥がれることがないことがわかった。理論に拘束されるわけではないが、恐らく、被着体との接着強度に優れる粘着剤を使用することにより、接着界面にNMP等の溶剤が入り込むことがなく、また、被着体と粘着シートを貼合した状態ではたとえ粘着剤が溶剤に溶解ないし膨潤するものであっても、溶剤に触れる貼合体周縁の粘着剤のみが溶解ないし膨潤するため、貼合体内部の被着体と粘着シートとの接着界面は溶剤に影響されないものと考えられる。
粘着剤の主成分であるポリエステルポリオールは、種々のポリカルボン酸とポリオールとによって構成されるものを使用することができるが、脂肪族二塩基酸及び芳香族二塩基酸からなるジカルボン酸と、脂肪族グリコールとによって構成されるものが、密着性が高くなるという点でより好ましい。上記脂肪族二塩基酸として、例えば、マロン酸、琥珀酸、酒石酸、蓚酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、アルキルコハク酸、リノレイン酸、マレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸等、或いはこれらの酸無水物、アルキルエステル、酸ハライド等の反応性誘導体などを挙げることができる。これらの脂肪族ジカルボン酸は単独又は2種以上併用して用いることができる。また、上記芳香族二塩基酸として、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸等、或いはこれらの酸無水物、アルキルエステル、酸ハライド等の反応性誘導体などを挙げることができる。これらの芳香族ジカルボン酸は単独または2種以上併用して用いることができる。
脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール等が例示でき、これらは単独又は2種以上併用して用いることができる。
ポリエステルポリオールの製造法自体は公知の方法でよく、脱水縮合、エステル交換縮合等公知の方法でよい。これらのポリエステルポリオールの分子量は数平均分子量で700〜3000、好ましくは1000〜2000であり、酸価としては3.0mgKOH/g以下、好ましくは1.0mgKOH/gのものが好ましい。
上記したポリエステルポリオールは、市販のものを使用してもよく、例えば、日本合成化学工業者製のNP101S50EO、日立化成ポリマー社製のテスラック2508−70、テスラック5001−40T、テスラック2450、テスラック2474、テスラック2477、テスラック2490、三井化学社製のアクトコール3P−56M、ES−01等が挙げられる。
本発明においては、粘着剤の硬化剤として、ポリエステルポリオールの水酸基と反応してウレタン結合を形成させるイソシアネート系硬化剤を使用する。イソシアネート系硬化剤としては、公知の脂肪族、脂環族、芳香族、芳香−脂肪族のイソシアネート化合物を用いることができる。
脂肪族イソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物が挙げられる。
脂環族イソシアネート化合物としては、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水添化トリレンジイソシアネート、水添化キシレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化テトラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート化合物が挙げられる。
芳香族イソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネートや2,6−トリレンジイソシアネート等のトリレンジイソシアネート(TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート等のジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、オルトトルイジンジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物が挙げられる。
芳香−脂肪族イソシアネート化合物としては、例えば、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、キシリレン−1,3−ジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート等の芳香−脂肪族ジイソシアネート化合物が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記したイソシアネート系硬化剤のなかでも、硬化後の接着強度の観点から、芳香族−脂肪族ジイソシアネート化合物が好ましく、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネートの3量体付加物やトリメチロールプロパン/キシリレンジイソシアネートの3量体付加物、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体付加物等を好適に使用することができる。上記したイソシアネート系硬化剤としては、市販のものを使用してもよく、例えば、日本ポリウレタン社製のコロネートL、コロネートHL、武田薬品工業社製のタケネートD110N等を使用することができる。
ポリエステルポリオールとイソシアネート硬化剤との配合割合は、ポリエステルポリオールの水酸基価にもよるが、質量基準で100:0.1〜100:10の範囲であることが好ましい。
粘着剤には、ポリエステルポリオールの硬化反応を促進させるための硬化触媒が含まれていてもよい。反応触媒としては、トリメチレンビス(4−アミノベンゾアート)、ジメチルエタノールアミン、トリエチレンアミン、テトラメチルポリメチレンジアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミン類、オクチル酸錫、ナフテン酸錫、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ジブチルチンラウリレート等の金属塩、高級カルボン酸ビスマス等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとイソシアネート系硬化剤との合計量に対する反応触媒の配合割合は、質量基準で100:0.1〜100:1.0の範囲が好ましい。反応触媒の配合量が多くなりすぎると、粘着剤の保存安定性が悪くなる場合がある。一方、反応触媒の配合量が0.1未満であると、硬化速度が遅くなり、粘着剤を硬化させる際に時間を要するため、作業性が悪化する場合がある。
粘着剤には、必要に応じて、例えば、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、例えば、滑剤、可塑剤、充填剤、フィラー、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、架橋剤、光安定剤、染料、顔料等の着色剤、その他等を添加してもよい。また、必要に応じて、さらにシラン系、チタン系、アルミニウム系などのカップリング剤を含むことができる。
粘着剤は、塗布時の粘度調整のため、有機溶剤を用いて希釈してもよく、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、トルエン、キシレン、n−プロパノール、イソプロパノール、酢酸n−プロパノール等を用いて希釈することができる。
粘着剤は、上記した各成分を混合し、必要に応じて混練、分散して、調製することができる。混合ないし分散方法は、特に限定されるものではなく、通常の混練分散機、例えば、二本ロールミル、三本ロールミル、ペブルミル、トロンミル、ツェグバリ(Szegvari)アトライター、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、デスパー、高速ミキサー、リボンブレンダー、コニーダー、インテンシブミキサー、タンブラー、ブレンダー、デスパーザー、ホモジナイザー、および超音波分散機などが適用できる。また、粘着剤塗工液の粘度調整のため、希釈溶剤を加えて各成分を混合してもよい。
粘着剤層10は、後記する基材11の一方の面に粘着剤を塗布し乾燥させることにより形成することができる。粘着剤の塗布方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ロールコート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、ロッドコ−ト、ブレードコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ダイコート、リップコート、ディップコートなどが適用できる。
粘着剤層の厚みは、粘着シートの使用用途により適宜調整できるが、概ね1〜50μm程度であり、好ましくは10〜20μm程度である。
粘着剤層10を設ける基材11としては、特に制限されるものではなく、NMP等の溶剤に耐性を有するものであれればよく、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂シートが挙げられ、中でも耐薬品性、強度的にも優れるとともに、粘着剤層との密着性に優れるPETが好ましい。
また、基材11の粘着剤層10を設ける面は、必要に応じて、予め、コロナ放電処理、プラズマ処理、低圧UV処理、ケン化処理等の表面処理やプライマー層やアンカー層を設けるなどの易接着処理を施し、濡れ性を向上させるようにすることが好ましい。
基材の厚みは、粘着シートの使用用途によって適宜調整することができ、特に限定されない。概ね20〜500μm程度、好ましくは100〜300μm程度である。
また、図2に示したような離型シート12を粘着剤層10の一方の面に設ける場合、上記のようにして粘着剤層10を形成した後、粘着剤層10表面に離型シート12を貼り合わせればよい。離型シートとしては、離型フィルム、セパレート紙、セパレートフィルム、セパ紙、剥離フィルム、剥離紙等の従来公知のものを好適に使用できる。また、上質紙、コート紙、含浸紙、プラスチックフィルムなどの離型紙用基材の片面または両面に離型層を形成したものを用いてもよい。離型シートは、離型性を有する材料であれば、特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂、有機樹脂変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂などがある。これらの樹脂は、エマルジョン型、溶剤型または無溶剤型のいずれもが使用できる。
離形シートは、離形成分を分散および/または溶解した塗液を、離型紙用基材フィルムの片面に塗布し、加熱乾燥および/または硬化させて形成してもよい。塗液の塗布方法としては、公知で任意の塗布法が適用でき、例えば、ロールコート、グラビアコート、スプレーコートなどである。また、離形シートは、必要に応じて、離型紙用基材フィルムの少なくとも片面の、全面または一部に形成してもよい。
<積層体>
本発明による積層体2は、図3に示すように、基材フィルム13の一方の面に上記した粘着シート1の粘着剤層10が貼合されたものである。基材フィルム13としては、ポリエステル樹脂やポリイミド樹脂等の強度と耐屈曲性を有するような樹脂フィルムを使用できるが、粘着シートとの密着性の観点からはポリエチレンテレフタレートシート等のポリエステルフィルムを好適に使用することができる。
上記した積層体2は、粘着シート1の粘着剤層10を基材フィルム13に貼合した後、エージング処理により粘着剤層10の粘着剤を硬化させることにより形成することができる。エージング処理の温度は40〜60℃程度であり、また、エージング時間としては、1日〜2日程度である。
本発明を、実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例の内容に限定されるものではない。なお、各層の各組成物は溶媒を含む質量部である。
<粘着剤組成物の調製>
下記の表1に示す組成に従って、ポリエステル樹脂またはアクリル系樹脂に硬化剤を添加して攪拌機により混合することにより、粘着剤を調製した。なお、下記の表1中、
NP101S50EOは、日本合成化学工業社製のポリエステル樹脂を、
テスラック2508−70、5001−40T、2474、2477、2490は、日立化成株式会社製のポリエステルポリオールを、
1717、1035は綜研化学株式会社製のアクリル系樹脂(SKダイン)を、
コロネートLは、日本ポリウレタン工業社製のイソシアネート系硬化剤を、
それぞれ表す。
Figure 0006269109
<粘着剤の耐溶剤試験>
得られた粘着剤を、PETフィルム(PET−S10 東レ社製)の表面に、コンマコーターにて、塗布量が20g/mとなるように塗布し、NMP溶液(50℃30分間)に浸漬した。浸漬直後の粘着剤の溶解を目視にて観察した。PETフィルムの表面に粘着剤が溶解せずに残っていたものを○、一部は溶解したが残存が認められるものを△、全て溶解したものを×とした。評価結果は下記の表2に示される通りであった。
<粘着シートの耐溶剤試験>
得られた粘着剤を、PETフィルム(PET−S10 東レ社製)の表面に、コンマコーターにて、塗布量が20g/mとなるように塗布し、その粘着層上に、PETフィルム(PET−S10 東レ社製)を貼りあわせることにより粘着シートを作製した。また、後処理として40℃2日間エージングを行った。得られた粘着シートを15mm×150mmに裁断したものを、試験片とした。次いで、試験片をテンシロン万能試験機(RTF−1150−H)にて、300mm/min、180℃ピールにて引き剥がし、そのときの応力を剥離強度とした。測定結果は下記の表2に示される通りであった。
また、試験片をリング状に丸めたものを、超音波洗浄機を用いてNMP溶液(50℃30分間)に浸漬し洗浄を行った。洗浄後、試験片の剥離強度を上記と同様にして測定した。測定結果は下記の表2に示される通りであった。
Figure 0006269109
1 粘着シート
2 積層体
10 粘着剤層
11 基材
12 離型シート
13 基材シート

Claims (8)

  1. 基材とポリエステルフィルムとが粘着剤層を介して貼合された積層体の製造に使用される粘着シートであって、
    基材と前記基材の一方の面に設けられた粘着剤層とを備え、
    前記粘着剤層が、ポリエステルポリオールとイソシアネート系硬化剤とを含み、
    前記基材がポリエチレンテレフタレートからなることを特徴とする、粘着シート。
  2. 前記ポリエステルポリオールが、脂肪族二塩基酸および/または芳香族二塩基酸からなるジカルボン酸と、脂肪族グリコールとを共重合して得られたものである、請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記ポリエステルポリオールの重量平均分子量が500〜30,000である、請求項1または2に記載の粘着シート。
  4. 前記粘着剤層が、前記ポリエステルポリオールとイソシアネート硬化剤とを、質量基準で100:0.1〜100:10の範囲で含んでなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着シート。
  5. 前記基材の一方の面に易接着処理がされており、該易接着処理された面に前記粘着剤層が設けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着シート。
  6. 前記粘着剤層の基材が設けられる面とは反対側の面に離型シートが設けられている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着シート。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の粘着シートを使用した積層体であって、ポリエステルフィルムの一方の面に前記粘着シートの粘着剤層が貼合されてなる、積層体。
  8. 基材とポリエステルフィルムとが粘着剤層を介して貼合された積層体を製造する方法であって、
    ポリエチレンテレフタレートからなる基材の一方の面を易接着処理し、
    前記基材の易接着処理された面に、ポリエステルポリオールとイソシアネート系硬化剤とを含む粘着剤からなる粘着剤層を設けて、粘着シートを作製し、
    前記粘着シートの粘着剤層を、ポリエステルフィルムに貼合し、
    エージング処理により、前記粘着剤を硬化させる、
    ことを含む、積層体の製造方法。
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